JP2581582B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2581582B2
JP2581582B2 JP63030308A JP3030888A JP2581582B2 JP 2581582 B2 JP2581582 B2 JP 2581582B2 JP 63030308 A JP63030308 A JP 63030308A JP 3030888 A JP3030888 A JP 3030888A JP 2581582 B2 JP2581582 B2 JP 2581582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、非磁性支持体と磁性層からなる磁気記録媒
体に関するものであり、さらに詳しくは、少なくとも二
層の磁性層を有する磁気記録媒体に関するものである。
[発明の背景] 磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープあるい
はフロッピーデスクなどとして広く用いられている。磁
気記録媒体は、基本的には、強磁性粉末が結合剤(バイ
ンダ)中に分散された磁性層が非磁性支持体上に積層さ
れてなるものである。
磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走
行性能などの諸特性において高いレベルにあることが必
要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテ
ープにおいては、より高度の原音再生能力が要求されて
いる。また、ビデオテープについては、原画再生能力が
優れているなど電磁変換特性が優れているものであるこ
とが要求されている。
このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁
気記録媒体は前述のように良好な走行耐久性を持つこと
が要求されている。そして、走行耐久性を得るために
は、通常研磨材および潤滑剤の働きが重要な役割を担っ
ている。
しかしながら、研磨材によって優れた走行耐久性を得
るためには、その添加量をある程度増加する必要があ
り、そのため強磁性粉末の含有量が低下する。また優れ
た走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨材を使用
した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突出し易く
なる。従って、研磨材による走行耐久性の改良は上記の
電磁変換特性が劣化をもたらす場合が多く問題となる。
そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上させる
場合にも、その添加量を多くする必要があり、このため
結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が低下す
る傾向がある。
上記走行耐久性を改善する他の方法として、硬い結合
剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行なわれてい
る。しかし磁性層の硬度を上げることによる悪影響とし
て、磁性層の脆さが顕著となり、かえって傷付き易くな
ることから、磁気ヘッドとの接触によりドロップアウト
が発生したり、スチル特性が劣化し、充分な走行耐久性
の改善が得られないとの問題がある。
従って、ドロップアウトが発生の少なく、スチル特性
が良好である等、充分に優れた走行耐久性を有し、さら
に優れた電磁変換特性を有する磁気記録媒体はまだ得ら
れていない。
[発明の目的] 本発明は、ドロップアウトが発生の少なく、スチル特
性が良好な、すなわち優れた走行耐久性を有する磁気記
録媒体を提供することを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、非磁性支持体の表面に第一磁性層および第
二磁性層をこの順に設けてなる磁気記録媒体において、 第一磁性層が結合剤として塩化ビニル系共重合体およ
び数平均分子量が25000未満のポリウレタン系樹脂を含
み、そして 第二磁性層が、結合剤として活性水素を有する有機基
を一分子当り三個以上の割合で有する塩化ビニル系共重
合体、およびポリイソシアネートを含むこと、そしてそ
の層厚が0.1〜1.5μmの範囲にあること、 を特徴とする磁気記録媒体にある。
上記の本発明の磁気記録媒体の第二磁性層は、非磁性
支持体の表面に第一磁性層用塗布液を塗布して形成した
第一磁性層塗布層が湿潤状態にある内に、連続的にその
塗布層の上に第二磁性層用塗布液を塗布して形成した層
であることが望ましい。
上記本発明の磁気記録媒体の好ましい態様は以下の通
りである。
1)第二磁性層が、結合剤として塩化ビニル系共重合体
の他にポリウレタン系樹脂を含み、該ポリウレタン系樹
脂の数平均分子量が25000以上であることを特徴とする
上記磁気記録媒体。
2)第一磁性層に含まれるポリウレタン系樹脂のガラス
転移温度が0℃未満であることを特徴とする上記磁気記
録媒体。
3)第二磁性層が、結合剤として塩化ビニル系共重合体
の他にポリウレタン系樹脂を含み、且つ第二磁性層に含
まれるポリウレタン系樹脂のガラス転移温度が0℃以上
であることを特徴とする上記磁気記録媒体。
4)活性水素を有する有機基が、−OH、−NH2および−N
HR(Rはアルキル基)からなる群より選ばれる少なくと
も一種であることを特徴とする上記磁気記録媒体。
5)第二磁性層にポリウレタン系樹脂が含まれる場合、
そのポリウレタン系樹脂が活性水素を有する有機基を一
分子当たり三個以上の割合で有することを特徴とする上
記磁気記録媒体。
[発明の効果] 本発明は、上記に示したように、少なくとも二層の磁
性層を有する磁気記録媒体であって、第二磁性層が、ポ
リイソシアネートと塩化ビニル系共重合体を含み、且つ
この塩化ビニル系共重合体は第二磁性層の架橋密度を高
くするため活性水素を有する有機基を一分子当たり三個
以上の割合で有している。
このように、一分子当たり三個以上の活性水素を有す
る有機基を持つ塩化ビニル系共重合体はポリイソシアネ
ートとの反応性が高いため、架橋に関与しない塩化ビニ
ル系共重合体がほとんど存在しない程度までポリイソシ
アネートとの反応(架橋)が進むことから、第二磁性層
は極めて強靱な磁性層となる。これによりドロップアウ
トの発生が少なく、スチル特性が良好な、すなわち走行
耐久性の優れた磁気記録媒体を得ることができる。
また、下層である第一磁性層に、結合剤として数平均
分子量が25000未満(好ましくはガラス転移温度が0℃
未満)のポリウレタン系樹脂を用いることにより、磁性
層の非磁性支持体への接着性が向上し、また強磁性粉末
の分散性が向上するため、その第一磁性層の表面平滑性
が向上することから走行耐久性等の耐久性がさらに改善
される。そして、その下側の第一磁性層の高い表面平滑
性を上層の第二磁性層の表面状態にも充分に反映させる
ために、第二磁性層の層厚を0.1〜1.5μmのように薄層
として、第二磁性層の表面も高い平滑性を確保するよう
にしている。
[発明の詳細な記述] 本発明の磁気記録媒体は、基本的には、結合剤中に分
散された強磁性粉末を含む少なくとも二層の磁性層が非
磁性支持体上に設けられた構成を有する。
本発明に使用することができる非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セル
ロースジアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド
などの合成樹脂からなるフィルムもしくはシート;アル
ミニウム、銅等の非磁性金属箔;ステンレス箔などの金
属箔;紙、セラミックシート等から選ばれる。
これらの支持体は、その厚さが2.5〜100μmの範囲に
あり、好ましくは3〜80μmの範囲である。
本発明の磁気記録媒体は、第一磁性層に、結合剤とし
て塩化ビニル系共重合体および数平均分子量が25000未
満のポリウレタン系樹脂を含んでおり、第二磁性層に
は、塩化ビニル系共重合体およびポリイソシアネートを
含んでいる。そして第二磁性層に含まれる塩化ビニル系
共重合体が、活性水素を有する有機基を一分子当たり三
個以上の割合で有し、さらに第二磁性層の層厚が0.1〜
1.5μmの範囲にある薄層としたことを特徴としてい
る。
本発明の第二磁性層は、ポリイソシアネートと塩化ビ
ニル系共重合体を含み、塩化ビニル系共重合体が、第二
磁性層の架橋密度を高くするため活性水素を有する有機
基を一分子当たり三個以上の割合で有している。このよ
うに、一分子当たり三個以上の活性水素を有する有機基
を持つ塩化ビニル系共重合体はポリイソシアネートとの
反応性が高いため、架橋に関与しない塩化ビニル系共重
合体がほとんど存在しない程度までポリイソシアネート
との反応(架橋)が進むことから、第二磁性層は極めて
強靱な磁性層となる。これによりドロップアウトの発生
が少なく、スチル特性が良好な磁気記録媒体を得ること
ができる。
上記活性水素を有する有機基としては、−OH、−SH、
−NH2、=NH、−CSNH2、−CSNHR、−C(=NH)OH、−
C(=NH)NH、=NOH、−NHNH2、−CONHNH2、−NRNH2
−NHNHR、=NNH2、−N−NHR、−NHCONH2、−NHCONHR、
−NHCSNH2、−NHCSNHR、−NRCSNH2、−NRCONH2、−NHC
(=NR)NH2、−NHC(=NH)NHR、ビグアニジンおよび
ビューレット(但し、Rはアルキル基)等を挙げること
ができる。好ましくは−OH、-NH2および−NHRである。
これらの官能基はポリウレタン系樹脂一分子中に一種含
まれていても良いし、二種以上含まれていても良い。
本発明の第一磁性層は、強磁性粉末の分散性および磁
性層表面の平滑性が向上するように、使用するポリウレ
タン系樹脂は比較的低分子な方が良く、また走行耐久性
を向上させる意味からも低分子で柔軟な方が好ましい。
従って、上記のように第一磁性層を柔軟なものにする
ためには、結合剤として塩化ビニル系共重合体の他にポ
リウレタン系樹脂を使用することが必要であり、そのポ
リウレタン系樹脂の数平均分子量が25000未満であるこ
とが要求される。さらに好ましくはガラス転移温度が0
℃未満である。これにより、磁性層の非磁性支持体への
接着性が向上することから走行耐久性等の耐久性が改善
される。
また、本発明の上記第二磁性層についても、磁性層を
さらに強靱なものにするため、結合剤にポリウレタン系
樹脂を併用することが好ましい。第二磁性層に含まれる
ポリウレタン系樹脂は、その数平均分子量が25000以上
であることが好ましく、さらにガラス転移温度が0℃以
上であることが好ましい。そして、特に第二磁性層に含
まれるポリウレタン系樹脂は活性水素を有する有機基を
一分子当たり三個以上の割合で有することが好ましい。
本発明のように二つの磁性層からなる重層系の磁気記
録媒体であって、活性水素を有する塩化ビニル・酢酸ビ
ニル系共重合体、水酸基を二個有するポリエステルおよ
びポリイソシアネートを下層に使用し、下層を充分に硬
化させることによって感度ムラおよび出力変動が少ない
磁気記録媒体を提供できるとして、特開昭57−138044号
公報および特開昭57−138045号公報に開示されている。
しかしながら、上記発明は、本発明と活性水素を有する
樹脂を使用していることでは同一であるが、構成も異な
る上、下層に用いるのではなく上層に使用し、且つ目的
を走行耐久性等の耐久性の向上としている点等、上記先
行技術とは質的に異なったものである。
本発明に使用できる塩化ビニル系共重合体は、例え
ば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢
酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル・酢
酸ビニル・アクリル酸共重合体、塩化ビニル・塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合
体、そして水酸基,カルボキシル基,リン酸基,リン酸
エステル基,−SO3Naまたは−SO2Naなどの極性基が導入
された上記塩化ビニル系共重合体を挙げることができ
る。
また、本発明に使用できるポリウレタン系樹脂は、例
えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル
系ポリウレタン樹脂、水酸基,カルボキシル基,リン酸
基,リン酸エステル基,−SO3Naまたは−SO2Naなどの極
性基が導入されたポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
トポリウレタン樹脂を挙げることができる。
上記塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン系樹脂
の他に、各磁性層形成に使用する結合剤用樹脂に特に制
限はない。例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニ
トロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂である。
これらは、単独でも組み合わせでも使用することがで
きる。
ただし、第一磁性層に含まれる上記特定の塩化ビニル
系共重合体は、結合剤中に20重量%以上含有されている
ことが好ましく、また第二磁性層に含まれる上記特定の
塩化ビニル系共重合体は、結合剤中に20重量%以上含有
されていることが好ましい。上記値未満の場合には本発
明の効果が表われない。
また、本発明は磁性層はポリイソシアネート化合物が
用いられる。第二磁性層は該化合物を素擁する必要があ
り、第一磁性層についても用いた方が好ましい。ポリイ
ソシアネート化合物としては、通常ポリウレタン系樹脂
等の硬化剤成分として使用されているもののなかから選
択される。ポリイソシアネート化合物の例としては、ト
リレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパ
ン1モルとの反応生成物(例、デスモジュールL−75
(バイエル社製))、キシリレンジイソシアネートある
いはヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシア
ネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応
生成物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルのビュ
ーレツト付加化合物、トリレンジイソシアネート5モル
のイソシアヌレート化合物、トリレンジイソシアネート
3モルとヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソ
シアヌレート付加化合物、イソホロンジイソシアネート
およびジフェニルメタンジイソシアネートのポリマーを
挙げることができる。
また、電子線照射による硬化処理を行なう場合には、
反応性二重結合を有する化合物(例、ウレタンアクリレ
ート)を使用することができる。
本発明のように、活性水素を有する有機基を持つ塩化
ビニル系共重合体(好ましくはポリウレタン系樹脂を併
用)が硬化剤としてポリイソシアネート化合物を使用す
る場合、該塩化ビニル系共重合体(好ましくは加えてポ
リウレタン系樹脂)とポリイソシアネート化合物との配
合重量比は、通常1:0.8〜1:2(好ましくは1:1〜1:1.5)
の範囲内に設定される。このようにすることにより硬度
の低い強磁性金属微粉末を使用した場合にも、ポリウレ
タン系樹脂を使用することに伴なう結合剤の軟化を有効
に防止することができるようになる。
樹脂成分と硬化剤との合計の重量は、強磁性粉末100
重量部に対して、通常5〜40重量部の範囲内にあること
が好ましく、さらに好ましくは10〜20重量部である。
本発明で用いる強磁性粉末の例としては、γ−Fe2O3
のような金属酸化物系の強磁性粉末、コバルト等の他の
成分を含有するγ−Fe2O3のような異種金属・金属酸化
物系の強磁性粉末、および鉄、コバルトあるいはニッケ
ルなどの強磁性金属を含む強磁性金属微粉末を挙げるこ
とができる。
強磁性金属微粉末を使用する場合には、鉄、コバルト
あるいはニッケルを含む強磁性金属微粉末であって、そ
の比表面積が42m2/g以上(特に好ましくは45m2/g以上)
の強磁性金属微粉末であることが好ましい。
この強磁性金属微粉末の例としては、強磁性金属微粉
末中の金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80
重量%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは合
金(例、Fe、Co、NI、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni
−Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範囲内で他の
成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、B、Ba、Ta、W、Re、A
u、Hg、Pb、P、La、Ce、Pr、Nd、Te、Bi)を含むこと
のある合金を挙げることができる。また、上記強磁性金
属分が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなど
であってもよい。
これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明
で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造
することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。特に針状の強磁性粉末を使用することが好まし
い。
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁
性塗料の調製の際に使用されている溶剤(例、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル)と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散は通
常の方法に従って行なうことができる。
なお、磁性塗料中は、上記成分以外に、研磨材(例、
α−Al2O3、Cr2O3)、帯電防止剤(例、カーボンブラッ
ク)、潤滑剤(例、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコー
ンオイル)、分散剤など通常使用されている添加剤ある
いは充填材(剤)を含むものであってもよいことは勿論
である。
塗設は、以上の材料により調製した磁性塗料を非磁性
支持体上に下記の方法にて塗布する。先ず第一磁性層用
の樹脂成分および強磁性粉末並びに所望により配合され
る硬化剤などの磁性層形成成分を溶剤と共に混練分散し
て第一磁性層用塗布液を調製する。そして第二磁性層用
についても第一磁性層用と同様に第二磁性層用塗布液を
調製する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は例えば、走行下に
ある非磁性支持体の表面に第一磁性層用塗布液を好まし
くは第一磁性層の乾燥後の層厚が0.1〜5μmの範囲内
になるように塗布し、その塗布層が湿潤状態の内に、そ
の塗布層上に連続して第二磁性層用塗布液を第二磁性層
の乾燥後の層厚が0.1〜1.5μmの範囲内になるように塗
布することが好ましい。この二層を連続塗布する方法
は、例えば塗布機として押出コートを用いた場合、走行
下にある非磁性支持体を挟むようにして押出コートを連
続して二基設置して塗布しても良いし、また第一磁性層
が湿潤状態(すなわち塗布層がまだ溶剤を含んで粘着性
を示す状態)を保持できる範囲内で間隔を設けて二基設
置して塗布しても良い。
上記磁性塗料を塗布する塗布機としては、エアードク
ターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコ
ート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コー
ト、リバースロールコート、トランスファーロールコー
ト、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、ス
プレイコート、スピンコート等が利用できる。本発明に
おいては、特願昭62−124631号公報に示されているよう
な二つのスロットを有する同時重層塗布用押出コートが
望ましい。
上記の製造方法を用いることによって得られた第二磁
性層は、1.5μm以下という極めて薄い層厚の磁性層で
あっても均一な層厚で、且つその表面が極めて平滑な状
態に塗布することができる。これにより、本発明の優れ
た走行耐久性を有し、しかも電磁変換特性を損なうこと
がない磁気記録媒体を製造することができる。
上記磁性塗料の塗布層は、得られた磁気記録媒体の磁
性層の厚さ(第一磁性層と第二磁性層の合計の層厚)が
通常0.5〜10μmの範囲内となるように塗布される。
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されて
いない面にバック層(バッキング層)が設けられていて
もよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成
分と結合剤とが有機溶剤に分散してなるバック層形成塗
料を塗布して設けられた層である。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバック層形成塗
料の塗設面に接着剤層が付設されていてもよい。
通常、塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料の塗
布層中に含まれる強磁性粉末を配向させる処理、すなわ
ち磁場配向処理を施した後、乾燥される。
このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処
理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレ
ンダロールなどが利用される。表面平滑化処理を行なう
ことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が
消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、
電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
このようにして硬化処理された積層体を次に所望の形
状に裁断する。
裁断はスリッターなどの通常の裁断機などを使用して
通常の条件で行なうことができる。
本発明の磁気記録媒体は、上下二層系について述べて
きたが、上記指定の性質を保持し二層の磁性層を含む限
り、全体として三層以上であっても良い。
次に実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説
明する。各例において、『部』は特に指定しない限り
『重量部』を意味する。
[実施例1] 第一磁性層用塗布液 Co−γ−Fe2O3 100部 [Hc:650 Oe,S BET 比表面積:35m2/g] 塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体 12部 (組成比:86:13:1,重合度350) ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 (Mn=23000,Tg=−5℃) カーボンブラック 8部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 酢酸ブチル 200部 第二磁性層用塗布液 Co−γ−Fe2O3 100部 [Hc:700 Oe,S BET 比表面積:40m2/g] 塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸・ビニルアルコー
ル共重合体 10部 (組成比:85:10:1:4,−OH:18個/分子、重合度400) ポリエステルポリウレタン樹脂 7部 (Mn=28000,Tg=−3℃,−OH:3個/分子) ポリイソシアネート 5部 (コロネートL、日本ポリウレタン(株)製) カーボンブラック 3部 α−Al2O3 5部 (平均粒子径:0.6μm) ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 酢酸ブチル 200部 上記二つの塗料のそれぞれについて、各成分をサンド
ミルを用いて混練分散させた。得られた分散液にポリイ
ソシアネート(上記コロネートL)6部と酢酸ブチル40
部とを加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用
いて濾過し、第一磁性層形成用および第二磁性層形成用
の塗布液をそれぞれ調製した。
上記第一および第二磁性層形成用塗布液の塗布は、第
一磁性層塗布用スロットおよび第二磁性層塗布用スロッ
トを有する同時重層用押出コートを用いて以下のように
行なった。
得られた第一磁性層塗布液を、乾燥後の厚さが3.5μ
mになるように、厚さ14μmのポリエチレンテレフタレ
ート支持体を60m/分の速度で走行させながら、支持体の
表面に第一磁性層塗布用スロットを有する押出コートを
用いて塗布し、その直後(第一磁性層が湿潤状態のうち
に)に第二磁性層用塗布液を乾燥後の厚さが0.5μmに
なるように第二磁性層塗布用スロットを有する押出コー
トを用いて塗布し、磁性層が湿潤状態にあるうちに上記
磁石により配向させ、乾燥後スーパーカレンダー処理を
行ない、1/2インチ幅にスリットし、ビデオテープを製
造した。
[実施例2] 実施例1において、第二磁性層用塗布液中の塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・マレイン酸・ビニルアルコール共重合
体を(組成比:85:10:1:4,−OH:18個/分子)のものから
(組成比:88:10:1:1,−OH:4個/分子)のものに変えた
以外は実施例1と同様にしてビデオテープを製造した。
[実施例3] 実施例1において、第二磁性層用塗布液中の塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・マレイン酸・ビニルアルコール共重合
体(組成比:85:10:1:4,−OH:18個/分子)の代わりにア
ミノ酸含有塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(−NH2:3
個/分子)を使用した以外は実施例1と同様にしてビデ
オテープを製造した。
[比較例1] 実施例1において、第二磁性層用塗布液中の塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・マレイン酸・ビニルアルコール共重合
体(組成比:85:10:1:4,−OH:18個/分子)の代わりに塩
化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体(組成比:8
7:12:1,活性水素を有する有機基は無し)を使用した以
外は実施例1と同様にしてビデオテープを製造した。
[比較例2] 実施例1において、第二磁性層用塗布液中のポリエス
テルポリウレタン樹脂を(Mn=23000,Tg=−5℃)のも
のから(Mn=28000,Tg=−5℃)に変えた以外は実施例
1と同様にしてビデオテープを製造した。
以上の実施例1〜3、比較例1〜2で得られたビデオ
テープについて、下記の測定方法にて測定された各テー
プの物性を第1表に示す。
測定方法 (1)スチル耐久性 VHSビデオテープレコーダ(NV−8200[松下電器産業
(株)製])を用いて得られたビデオテープに一定のビ
デオ信号を記録し、再生した静止画像が鮮明さを失うま
での時間を測定した。(測定は、5℃、80%RHにて行な
った。) (2)目詰まり回数 上記VHSビデオテープレコーダを用いて、得られたビ
デオテープに一定のビデオ信号を記録し、120分長で10
回繰返し走行し、その走行中に出力が3dB以上低下した
回数を調べた。(測定は、5℃、30%RHにて行なっ
た。) (3)非磁性支持体と磁性層との接着力 幅1/2インチ、長さ5cmのビデオテープを用いて180度
剥離するために必要な力を測定し、これを接着力とし
た。
上記第1表から明らかなように、第一磁性層に塩化ビ
ニル系共重合体および数平均分子量が25000未満のポリ
ウレタン系樹脂を含み、第二磁性層に活性水素を有する
有機基を一分子中に三個以上有する塩化ビニル・酢酸ビ
ニル系共重合体を用いた本発明の磁気記録媒体は目詰ま
り回数、スチル耐久性そして磁性層の接着力が良好であ
り、走行耐久性等耐久性が優れていることが分かる。
一方、活性水素を有してない塩化ビニル・酢酸ビニル
系共重合体を用いた従来の磁気記録媒体は上記性能が劣
っており(比較例1)、活性水素を有する塩化ビニル・
酢酸ビニル系共重合体を用いても、第一磁性層に含まれ
るポリウレタン系樹脂の数平均分子量が25000以上の場
合はスチル耐久性、接着力に劣っている(比較例2)こ
とが分かる。
[比較例3] (1)それぞれ次の組成の第一磁性層塗布液と第二磁性
層塗布液を調製した。
第一磁性層塗布液 Co−γ−Fe2O3[Hc:650 Oe,S BET比表面積:35m2/g]100
部 塩化ビニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体[日
本ゼオン(株)製、400×110A] 3部 ポリウレタン樹脂[日本ポリウレタン(株)製、商品
名:ニッポランN2301] 24部 ポリイソシアネート化合物[日本ポリウレタン(株)
製、商品名:コロネートL] 3部 カーボンブラック[平均粒子径:40mμ] 2部 Cr2O3 5部 メチルエチルケトン 300部 第二磁性層塗布液 Co−γ−Fe2O3[Hc:700 Oe,S BET比表面積:40m2/g]100
部 塩化ビニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体[日
本ゼオン(株)製、400×110A] 12部 ポリウレタン樹脂[日本ポリウレタン(株)製、商品
名:ニッポランN2301] 6部 ポリイソシアネート化合物[日本ポリウレタン(株)
製、商品名:コロネートL] 12部 カーボンブラック[平均粒子径:40mμ] 2部 Cr2O3 5部 メチルエチルケトン 300部 [なお、上記のニッポランN2301の数平均分子量は230
00、ガラス転移温度(Tg)は33℃、そして一分子当りの
活性水素(水酸基の水素)の数は2個である。] (2)厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート支持体
の上に、第一磁性層塗布液と第2磁性層塗布液とをそれ
ぞれの乾燥後の厚さが共に2μmとなるように順次塗布
し、塗布液が未粉末の状態でコバルト磁石を用いる磁場
配向処理を行った後、100℃に一分間加熱して溶剤を除
去し、支持体上に第一磁性層と第二磁性層が積層された
積層体を得た。この積層体をスーパーカレンダー処理
し、1/2インチ幅にスリットしてビデオテープを製造し
た。
(3)上記で得られたビデオテープの電磁変換特性(ビ
デオS/N)そして走行耐久性(S/N低下、目詰り、スチル
耐久性)を、下記の方法および前記の方法によって評価
したところ、次の結果が得られた。
1)ビデオS/N VHSビデオテープレコーダ(NV−8200[松下電気産業
(株)製])を用いて得られたビデオテープに一定のビ
デオ信号を記録してそのS/Nを測定した。そして、同時
に実施例1のビデオテープについても同様な測定を行っ
た。なお、実施例1のビデオテープについての測定値
は、上記で製造した比較例4のビデオテープのS/Nを0dB
とした相対値で表した。
2)S/Nの低下 上記VHSビデオテープレコーダを用いて得られた長ビ
デオテープ(120分長)に一定のビデオ信号を記録し、
初期のS/N値および10回繰返し走行した後のS/N値を測定
し、その差をdBで表した。
測定結果を次に示す。
すなわち、この比較例3のビデオテープは、走行耐久
性については以前のものに比べれば向上しているが、本
発明のビデオテープには遥かに及ばず、また電磁変換特
性についても、本発明に従うビデオテープのレベルに遥
かに届かないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−31021(JP,A) 特開 平1−205724(JP,A) 特開 平1−263925(JP,A) 特開 昭60−47228(JP,A) 特公 平7−27631(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の表面に第一磁性層および第
    二磁性層をこの順に設けてなる磁気記録媒体において、 第一磁性層が結合剤として塩化ビニル系共重合体および
    数平均分子量が25000未満のポリウレタン系樹脂を含
    み、そして 第二磁性層が、結合剤として活性水素を有する有機基を
    一分子当り三個以上の割合で有する塩化ビニル系共重合
    体、およびポリイソシアネートを含むこと、そしてその
    層厚が0.1〜1.5μmの範囲にあること、 を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】第二磁性層が、非磁性支持体の表面に第一
    磁性層用塗布液を塗布して形成した第一磁性層塗布層が
    湿潤状態にある内に、その塗布層の上に第二磁性層用塗
    布液を塗布して形成した層である特許請求の範囲第1項
    記載の磁気記録媒体。
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