JP2021108306A - 基板処理システム、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着部材を介して接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に適切に剥離する。【解決手段】熱により接着性が低下する接着部材Bを介して被処理基板Wと支持基板Sとが接合された重合基板Tを処理する基板処理システムは、前記被処理基板Wと前記支持基板Sを剥離する際に、前記支持基板S側を加熱する加熱部110と、前記加熱部110によって前記支持基板S側を加熱する際に、前記被処理基板W側を冷却する冷却部100と、を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、基板処理システム、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
近年、半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体ウェハ(以下、ウェハという)に対し、当該ウェハの裏面を研削などして、ウェハを薄化することが行われている。この研削処理の際のウェハ割れを抑制すること等を目的として、例えばウェハ補強用の支持基板をウェハの表面に接合することが行われている。また、研削処理後のウェハは、当該ウェハの損傷を抑制すること等を目的として、ダイシングテープがウェハの裏面に貼り付けられ、当該ダイシングテープを介して、環状のダイシングフレームに固定される。また、ダイシングテープが貼り付けられたウェハは、当該ダイシングテープが拡張(エキスパンド)されることで、個々のチップに分割される(特許文献1参照)。
ところで、ウェハ補強用の支持基板はエキスパンド処理の前にウェハから剥離する必要がある。特許文献2に開示の支持基板(支持テープ)の剥離方法では、支持基板とウェハの接合に、熱により粘着力が低下する粘着剤層が形成された支持テープを用いている。そして、当該剥離方法では、支持テープを介して支持基板に接合され、かつダイシングテープを介してダイシングフレームに固定された状態のウェハに対して、熱を粘着剤層に付与することで、支持テープの接着力を低下させ、当該支持テープ(支持基板)をウェハから剥離している。
しかしながら、特許文献2に開示の剥離方法では、ウェハから支持テープ(支持基板)を剥離する際、熱を粘着剤層に付与するが、その熱によりウェハ表面のデバイスが損傷を被るおそれがある。また特許文献1は、この点に関し、何らの開示も示唆もしていない。したがって、従来の支持基板の剥離方法には改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接着部材を介して接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に適切に剥離することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一態様は、熱により接着性が低下する接着部材を介して被処理基板と支持基板とが接合された重合基板を処理する基板処理システムであって、前記被処理基板と前記支持基板を剥離する際に、前記支持基板側を加熱する加熱部と、前記加熱部によって前記支持基板側を加熱する際に、前記被処理基板側を冷却する冷却部と、を有する。
別な観点による本発明の一態様は、熱により接着性が低下する接着部材を介して被処理基板と支持基板とが接合された重合基板を処理する基板処理方法であって、加熱部によって前記支持基板側を加熱すると共に、冷却部によって前記被処理基板側を冷却する熱処理工程と、その後、前記被処理基板と前記支持基板を剥離する剥離工程と、を有する。
また別な観点による本発明の一態様によれば、前記基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
さらに別な観点による本発明の一態様によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、接着部材を介して接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に適切に剥離することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる基板処理システム1の構成の概略を模式的に示す平面図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
本実施形態の基板処理システム1では、図2に示すように接着部材としての接着テープBを介して、被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとが接合された重合ウェハTを処理する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着テープBを介して支持ウェハSと接合された面を「接合面Wj」といい、当該接合面Wjと反対側の面を「非接合面Wn」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着テープBを介して被処理ウェハWと接合された面を「接合面Sj」といい、接合面Sjと反対側の面を「非接合面Sn」という。なお、以下の説明では、重合ウェハTから支持ウェハSが取り外された状態のものも重合ウェハTという場合がある。
また、本実施形態の基板処理システム1では、後述するように、重合ウェハTにダイアタッチフィルムD(DAF:Die Attach Film)とダイシングテープPを貼り付け、ダイシングフレームFに固定するマウント処理が行われる。具体的には、重合ウェハTの被処理ウェハWにダイアタッチフィルムDが貼り付けられ、さらにダイアタッチフィルムDにダイシングテープPが貼り付けられる。以下の説明では、ダイシングフレームFに固定された状態のものも重合ウェハTという場合がある。
接着テープBは、図3に示すように例えば3層構造を有し、すなわち基材テープBpの両面に接着層Bw、Bsが貼り付けられている。接着層Bwは被処理ウェハWに接着し、接着層Bsは支持ウェハSに接着する。接着層Bw、Bsのうち、被処理ウェハW側の接着層Bwは熱により発泡し、接着性(接着力)が低下する性質を有する。一方、支持ウェハS側の接着層Bsは熱により発泡せず、接着性が維持される。
被処理ウェハWは、例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体ウェハである。被処理ウェハWは、接合面Wjに複数の電子回路(デバイス)が形成されている。
支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と略同じ径を有し、当該被処理ウェハWを支持するものである。支持ウェハSとしては、例えばシリコンウェハが用いられる。
ダイアタッチフィルムDは、両面に接着性を有し、被処理ウェハWを複数積層する際の、当該被処理ウェハW同士を接合するものである。すなわち、ダイアタッチフィルムDは、一の被処理ウェハWのうち、後述するように研削された非接合面Wnと、当該一の被処理ウェハWに積層される被処理ウェハWの接合面Wjとを接合する。
ダイシングテープPは、片面のみに接着性を有し、当該片面にダイアタッチフィルムDが貼り付けられている。また、ダイシングテープPは、接着テープBより高いエキスパンド性を有する。ダイシングフレームFは、ダイアタッチフィルムDを介して被処理ウェハWに貼り付けられたダイシングテープPを固定するものであり、例えば金属製である。
図1に示すように基板処理システム1は、処理前の重合ウェハTをカセットC内に収納し、複数の重合ウェハTをカセット単位で外部から基板処理システム1に搬入する搬入ステーション2と、処理後の重合ウェハTをカセットC内に収納し、複数の重合ウェハTをカセット単位で基板処理システム1から外部に搬出する搬出ステーション3と、被処理ウェハWの非接合面Wnを研削して加工する加工装置4と、上述のマウント処理や支持ウェハSを剥離する処理等を行う処理装置5と、搬入ステーション2、加工装置4、及び処理装置5の間で重合ウェハTを搬送する搬送ステーション6と、を接続した構成を有している。搬入ステーション2、搬送ステーション6、及び加工装置4は、X軸負方向側においてY軸方向にこの順で並べて配置されている。搬出ステーション3と処理装置5は、X軸正方向側においてY軸方向にこの順で並べて配置されている。
搬入ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば2つのカセットCをX軸方向に一列に載置自在になっている。
搬出ステーション3も、搬入ステーション2と同様の構成を有している。すなわち、搬出ステーション3にはカセット載置台20が設けられ、カセット載置台20には、例えば2つのカセットCをX軸方向に一列に載置自在になっている。
加工装置4は、例えば被処理ウェハWの非接合面Wnを研削する研削部としての研削ユニット、被処理ウェハWの非接合面Wnや支持ウェハSの非接合面Snを洗浄する洗浄ユニットなどを備え、非接合面Wnを研削して加工する。なお、加工装置4の構成は任意であり、研削ユニットや洗浄ユニットにはそれぞれ公知の装置が用いられる。
処理装置5は、固定部としての固定ユニット30と、熱処理ユニット31と、剥離部としての剥離ユニット32とが同一の装置内に設けられたものである。固定ユニット30では、重合ウェハTにダイシングテープPを貼り付け、当該重合ウェハTをダイシングフレームFに固定するマウント処理が行われる。熱処理ユニット31では、剥離ユニット32における剥離処理の前処理としての熱処理が行われる。剥離ユニット32では、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離処理が行われる。そして、処理装置5は、各種処理が行われた重合ウェハTを搬出ステーション3のカセットCに搬送する。なお、固定ユニット30と剥離ユニット32にはそれぞれ、公知の装置が用いられる。また、熱処理ユニット31の構成は後述する。
搬送ステーション6には、ウェハ搬送領域40が設けられている。ウェハ搬送領域40には、X軸方向に延伸する搬送路41上を移動自在なウェハ搬送装置42が設けられている。ウェハ搬送装置42は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2本の搬送アーム43、43を有している。各搬送アーム43は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム43の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。
以上の基板処理システム1には、制御装置50が設けられている。制御装置50は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御装置50にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した処理装置5の熱処理ユニット31の構成について説明する。図4に示すように熱処理ユニット31は、冷却部100と加熱部110を有している。
冷却部100は、ダイシングフレームFに固定された重合ウェハTを載置する。具体的に冷却部100は、ダイシングテープPに当接し、すなわち支持ウェハSが上側を向いた状態で重合ウェハTを載置する。また、冷却部100には冷却機構120が設けられ、当該冷却機構120によって被処理ウェハW側を所定の温度に冷却する。冷却機構120は、例えば冷却部100の内部を冷却水が循環する冷却管121と、冷却管121に冷却水を循環させる冷却水循環装置122とを有している。なお、冷却機構120の構成はこれに限定されるものではない。
加熱部110は、冷却部100に載置された重合ウェハTの上方において、当該重合ウェハTに対向して設けられている。加熱部110には、赤外線を照射する赤外線ヒータが用いられる。
かかる構成の熱処理ユニット31では、加熱部110から重合ウェハTに向けて赤外線Rを照射する。加熱部110から照射された赤外線Rは、支持ウェハSを透過し、接着テープBに到達し吸収される。すなわち、赤外線Rは、被処理ウェハWまで到達することはない。そして接着テープBは、この赤外線Rによって所定の温度、例えば100℃〜130℃に加熱される。そうすると、熱によって接着層Bwが発泡し、被処理ウェハWに対する接着層Bwの接着性が低下する。一方、接着層Bsは熱により発泡せず、支持ウェハSに対する接着層Bsの接着性は低下しない。このため、後述するように重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する際、接着性が低下した接着層Bwと被処理ウェハWが適切に剥離される。
また、赤外線Rを照射すると同時に、冷却部100で被処理ウェハW、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPを所定の温度、例えば40℃に冷却する。そうすると、被処理ウェハWのデバイス、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPのそれぞれが、損傷を被るのを抑制することができる。
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
先ず、基板処理システム1の外部の接合装置(図示せず)において、図5(a)に示すように接着テープBを介して、被処理ウェハWと支持ウェハSが接合される(ステップA1)。その後、基板処理システム1の外部のダイシング装置(図示せず)において、図5(b)に示すように重合ウェハTの被処理ウェハWに対して、レーザを用いたダイシング処理が行われる(ステップA2)。
その後、複数の重合ウェハTを収納したカセットCが、基板処理システム1に搬入され、搬入ステーション2のカセット載置台10に載置される。
次に、ウェハ搬送装置42によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、加工装置4に搬送される。加工装置4では、図5(c)に示すように被処理ウェハWの非接合面Wnが上側を向いた状態で、当該非接合面Wnが研削され加工される(ステップA3)。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置42により処理装置5に搬送される。処理装置5では、先ず固定ユニット30においてマウント処理が行われる。図5(d)に示すように被処理ウェハWの非接合面Wnが上側を向いた状態で、当該非接合面WnにダイシングテープPが貼り付けられ、該ダイシングテープPを介してダイシングフレームFに固定される(ステップA4)。
次に、重合ウェハTは、処理装置5内の搬送装置(図示せず)により熱処理ユニット31に搬送される。この際、重合ウェハTは、熱処理時に支持ウェハSの非接合面Snが上側を向くようにするため、熱処理前に反転機構(図示せず)により反転される。
熱処理ユニット31では、図4及び図5(e)に示すように重合ウェハTが冷却部100に載置される。続いて、加熱部110から重合ウェハTに向けて赤外線Rを照射すると共に、冷却部100により被処理ウェハW、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPを冷却する(ステップA5)。
ステップA5において接着テープBは、赤外線Rによって所定の温度、例えば100℃〜130℃に加熱される。そうすると、接着層Bwが発泡し、被処理ウェハWに対する接着層Bwの接着性が低下する。一方、接着層Bsは熱により発泡せず、支持ウェハSに対する接着層Bsの接着性は低下しない。なお、接着層Bwからの気泡は、基材テープBpによって遮られ、接着層Bsに侵入することはない。
また、この接着テープBの加熱時、被処理ウェハW、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPはそれぞれ、冷却部100によって所定の温度、例えば40℃に冷却され、損傷を被るのが抑制される。
次に、重合ウェハTは、処理装置5内の搬送装置(図示せず)により剥離ユニット32に搬送される。剥離ユニット32では、図5(f)に示すように支持ウェハSの非接合面Snが上側を向いた状態で、当該支持ウェハSが剥離される(ステップA6)。この際、ステップA5の熱処理により、接着テープBの接着層Bsは接着性を維持しているが、接着層Bwは発泡して接着性が低下している。このため、接着層Bwと被処理ウェハWの非接合面Wnを境界に、被処理ウェハWから、接着テープBが貼り付けられた支持ウェハSが適切に剥離される。
その後、すべての処理が施された重合ウェハT、すなわちダイシングフレームFに固定された被処理ウェハWは、搬出ステーション3のカセット載置台20のカセットCに搬送される。そして、カセットCは基板処理システム1から搬出される。
その後、基板処理システム1の内部又は外部の除去装置(図示せず)において、被処理ウェハWの非接合面Wnに残存する接着テープBが除去される。なお、上述したようにステップA6では剥離ユニット32において、接着層Bwは発泡し、被処理ウェハWから、接着テープBが貼り付けられた支持ウェハSが剥離される。このため、被処理ウェハWに接着テープBが残存してない場合には、この除去処理は省略される。
次に、基板処理システム1の外部のエキスバンド装置(図示せず)において、図5(g)に示すように被処理ウェハWに対してエキスパンド処理が行われ、ダイシングテープPが拡張されることにより、個々のチップに分割される(ステップA7)。こうして、本実施形態の一連のウェハ処理が終了する。
本実施形態によれば、ステップA5において加熱部110から赤外線Rを照射することで接着テープBを所定の温度に加熱し、接着層Bwを発泡させて接着性を低下させる。そうすると、ステップA6において被処理ウェハWと支持ウェハSを適切に剥離させることができる。
しかも、ステップA5において赤外線Rを用いているので、支持ウェハSがシリコンウェハであっても、当該赤外線Rを透過させることができ、接着テープBを適切に加熱することができる。そしてこのように支持ウェハSにシリコンウェハを用いることで、ステップA1において被処理ウェハWと支持ウェハSを接合した際の、重合ウェハTの厚みの面内均一性を向上させることができる。さらに、加熱部110に赤外線ヒータを用い、支持ウェハSにシリコンウェハを用いることで、それぞれのコストを抑えることができ、製造コストを低廉化することもできる。
また、ステップA5では加熱部110によって接着テープBを加熱すると同時に、冷却部100によって被処理ウェハW、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPを冷却するので、当該被処理ウェハWのデバイス、ダイアタッチフィルムD、及びダイシングテープPがそれぞれ、損傷を被るのを抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる基板処理システムについて説明する。図6は、第2の実施形態にかかる基板処理システム200の構成の概略を模式的に示す平面図である。
基板処理システム200は、第1の実施形態の基板処理システム1の構成において、ダイシング部としてのダイシング装置210をさらに有している。ダイシング装置210は、例えばウェハ搬送領域40のX軸負方向側に配置される。ダイシング装置210では、重合ウェハTの被処理ウェハWに対して、レーザを用いたダイシング処理が行われる。
基板処理システム200を用いた場合、第1の実施形態において図5に示した手順でウェハ処理を行うことができる。この際、第1の実施形態において基板処理システム1の外部で行っていたステップA2のダイシング処理を、基板処理システム200の内部のダイシング装置210で行うことができる。
また、基板処理システム200を用いた場合、図7に示した手順でウェハ処理を行うことも可能となる。図7に示すウェハ処理では、第1の実施形態において図5に示したステップA2(ダイシング処理)とステップA3(研削加工処理)の順序を逆にしている。すなわち、図7(b)に示すように加工装置4において被処理ウェハWの非接合面Wnを研削して加工した後(ステップB2)、図7(c)に示すようにダイシング装置210において被処理ウェハWにダイシング処理を行う(ステップB3)。なお、本第2の実施形態におけるその他のステップA1、A4〜A7はそれぞれ、第1の実施形態におけるステップA1、A4〜A7と同様である。
本実施形態であっても、第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。しかも、本実施形態の基板処理システム200は、ダイシング処理と研削加工処理のいずれが先であっても、対応することができる。
次に、第1の実施形態と第2の実施形態の変形例について説明する。具体的には、熱処理ユニット31の構成の変形例について説明する。
図8に示すように熱処理ユニット31は、遮蔽部としての遮蔽板300を有していてもよい。遮蔽板300は、平面視において重合ウェハTを覆うように環状に設けられている。また、遮蔽板300の高さ位置は特に限定されないが、例えば支持ウェハSより僅かに上方に配置されている。このように遮蔽板300は、加熱部110とダイシングテープPの露出面Pa(ダイアタッチフィルムDとダイシングフレームFとの間で露出した面)との間に設けられている。遮蔽板300は、例えば金属板を用いて赤外線Rを反射させてもよいし、あるいは赤外線Rを吸収してもよい。かかる場合、加熱部110からの赤外線Rが遮蔽板300に遮蔽されて、ダイシングテープPの露出面Paに照射されることがない。このため、当該露出面Paが損傷を被るのを抑制することができる。また、ダイアタッチフィルムDも重合ウェハTより大きい径を有し、露出面Daがあるが、当該露出面Daが損傷を被るのも抑制することができる。
また、図9に示すように熱処理ユニット31は、遮蔽部としてのシェード310を有していてもよい。シェード310は、加熱部110から下方に延伸した円筒形状に設けられる。シェード310は、例えば金属板を用いて赤外線Rを反射させてもよいし、あるいは赤外線Rを吸収してもよい。かかる場合、加熱部110からの赤外線Rはシェード310で遮蔽されて、平面視において重合ウェハTの外方に拡散することがない。このため、加熱部110からの赤外線Rが、ダイシングテープPの露出面PaとダイアタッチフィルムDの露出面Daとに照射されることがなく、当該露出面Pa、Daが損傷を被るのを抑制することができる。
また、図10に示すように熱処理ユニット31は、冷却部100を回転させる回転機構320を有していてもよい。かかる場合、ステップA5において、回転機構320により冷却部100(重合ウェハT)を回転させながら、加熱部110から接着テープBに赤外線Rを照射する。そうすると、接着テープBの面内均一に赤外線Rを照射することができ、接着層Bwを均一に加熱してむらなく発泡させることができる。なお、本例の冷却部100には、冷却機構120に代えて、冷却機構130が設けられている。冷却機構130は、例えば冷却部100の内部で冷却水を流通させる冷却管131と、冷却管131に冷却水を供給する冷却水供給装置132とを有している。なお、冷却管131を流通した冷却水は、外部に排出される。
さらに、熱処理ユニット31において加熱部110は赤外線Rにより接着テープBを加熱したが、加熱方法はこれに限定されない。例えば熱板(図示せず)を支持ウェハSの非接合面Wnに当接させて、接着テープBを加熱してもよい。
以上の実施形態では、接着テープBにおいて、被処理ウェハW側の接着層Bwが熱により発泡したが、支持ウェハS側の接着層Bsが熱により発泡してもよい。かかる場合、ステップA6において被処理ウェハWから支持ウェハSを剥離する際、被処理ウェハWの接合面Wjに接着テープBが残存する。このため、基板処理システム1、200の内部又は外部の除去装置において、非接合面Wnから接着テープBを除去する必要がある。
また、接着テープBにおいて接着層Bwは熱によって発泡したが、接着層Bwが熱によって接着性が低下すれば発泡に限定されない。例えば接着層Bwは熱により軟化して、接着性が低下するようにしてもよい。
また、接着テープBは、基材テープBpと接着層Bw、Bsの3層構造を有していたが、これに限定されない。例えば接着テープBは、基材テープBpを省略し、接着層Bw、Bsの2層構造を有していてもよい。
以上の実施形態では、支持基板として、シリコンウェハである支持ウェハSを用いたが、ガラス基板を用いてもよい。支持基板としてガラス基板を用いても、赤外線Rを透過させることができ、接着テープBを加熱することができる。
以上の実施形態では、重合ウェハTにはダイアタッチフィルムDが貼り付けられていたが、製品に要求される仕様によってはダイアタッチフィルムDは省略される。かかる場合であっても、熱処理ユニット31では、被処理ウェハWのデバイスとダイシングテープPを保護するため、冷却部100により被処理ウェハWとダイシングテープPを所定の温度に冷却する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 基板処理システム
2 搬入ステーション
3 搬出ステーション
4 加工装置
5 処理装置
6 搬送ステーション
30 固定ユニット
31 熱処理ユニット
32 剥離ユニット
42 ウェハ搬送装置
50 制御装置
100 冷却部
110 加熱部
120、130 冷却機構
200 基板処理システム
210 ダイシング装置
300 遮蔽板
310 シェード
320 回転機構
B 接着テープ
Bp 基材テープ
Bs、Bw 接着層
D ダイアタッチフィルム
F ダイシングフレーム
P ダイシングテープ
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ
2 搬入ステーション
3 搬出ステーション
4 加工装置
5 処理装置
6 搬送ステーション
30 固定ユニット
31 熱処理ユニット
32 剥離ユニット
42 ウェハ搬送装置
50 制御装置
100 冷却部
110 加熱部
120、130 冷却機構
200 基板処理システム
210 ダイシング装置
300 遮蔽板
310 シェード
320 回転機構
B 接着テープ
Bp 基材テープ
Bs、Bw 接着層
D ダイアタッチフィルム
F ダイシングフレーム
P ダイシングテープ
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ
Claims (18)
- 熱により接着性が低下する接着部材を介して被処理基板と支持基板とが接合された重合基板を処理する基板処理システムであって、
前記被処理基板と前記支持基板を剥離する際に、前記支持基板側を加熱する加熱部と、
前記加熱部によって前記支持基板側を加熱する際に、前記被処理基板側を冷却する冷却部と、を有する、基板処理システム。 - 前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面には、ダイシングテープが貼り付けられ、
前記冷却部は前記ダイシングテープ側を冷却する、請求項1に記載の基板処理システム。 - 前記加熱部は、赤外線を用いて前記支持基板側を加熱する、請求項1又は2に記載の基板処理システム。
- 前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面に貼り付けられたダイシングテープの露出面と、前記加熱部との間に設けられ、前記赤外線を遮蔽する遮蔽部を有する、請求項3に記載の基板処理システム。
- 前記加熱部は、前記重合基板に対向して配置され、
前記遮蔽部は、平面視において前記重合基板を囲うように環状に設けられている、請求項4に記載の基板処理システム。 - 前記加熱部は、前記重合基板に対向して配置され、
前記遮蔽部は、前記加熱部からの赤外線が平面視において前記重合基板の外方に拡散しないように設けられている、請求項4に記載の基板処理システム。 - 前記加熱部による前記支持基板側の加熱と、前記冷却部による前記被処理基板側の冷却とを行う際、前記重合基板を回転させる回転機構を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理システム。
- 前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面を研削する研削部と、
前記研削部で研削された前記非接合面にダイシングテープを貼り付ける固定部と、
前記加熱部による前記支持基板側の加熱と、前記冷却部による前記被処理基板側の冷却とが行われた前記重合基板を、前記被処理基板と前記支持基板に剥離する剥離部と、を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理システム。 - 前記被処理基板をダイシングするダイシング部を有する、請求項8に記載の基板処理システム。
- 熱により接着性が低下する接着部材を介して被処理基板と支持基板とが接合された重合基板を処理する基板処理方法であって、
加熱部によって前記支持基板側を加熱すると共に、冷却部によって前記被処理基板側を冷却する熱処理工程と、
その後、前記被処理基板と前記支持基板を剥離する剥離工程と、を有する、基板処理方法。 - 前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面には、ダイシングテープが貼り付けられ、
前記熱処理工程において、前記冷却部は前記ダイシングテープ側を冷却する、請求項10に記載の基板処理方法。 - 前記熱処理工程において、前記加熱部は、赤外線を用いて前記支持基板側を加熱する、請求項10又は11に記載の基板処理方法。
- 前記熱処理工程において、前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面に貼り付けられたダイシングテープの露出面と、前記加熱部との間で、前記赤外線を遮蔽する、請求項12に記載の基板処理方法。
- 前記熱処理工程において、前記重合基板を回転させながら、前記加熱部によって前記支持基板側を加熱すると共に、前記冷却部によって前記被処理基板側を冷却する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記被処理基板の前記接着部材と反対側の非接合面を研削する研削工程と、
その後、前記研削工程で研削された前記非接合面にダイシングテープを貼り付ける固定工程と、を有し、
前記固定工程の後、前記熱処理工程と前記剥離工程が順次行われる、請求項10〜14のいずれか一項に記載の基板処理方法。 - 前記研削工程の前、又は前記研削工程の後であって前記固定工程の間に、前記被処理基板をダイシングするダイシング工程を有する、請求項15に記載の基板処理方法。
- 請求項10〜16のいずれか一項に記載の基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
- 請求項17に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
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JP2018078144A JP2021108306A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | 基板処理システム、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
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TW108112582A TW202004875A (zh) | 2018-04-16 | 2019-04-11 | 基板處理系統、基板處理方法、程式及電腦記錄媒體 |
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JP2018078144A JP2021108306A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | 基板処理システム、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
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JP2018078144A Pending JP2021108306A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | 基板処理システム、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
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2018
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2019
- 2019-04-03 WO PCT/JP2019/014742 patent/WO2019202980A1/ja active Application Filing
- 2019-04-11 TW TW108112582A patent/TW202004875A/zh unknown
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