JP2020204695A - 製造方法及び光偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板層のエッチングにもかかわらず、該基板層の上に均一な膜厚の圧電膜層を形成し、かつ可動支持部の異常振動を抑制できる光偏向器の製造方法を提供する。【解決手段】SOIウェハ30に対し、SiO2層35側からのエッチングによりSiO2層35側に開口する空洞43を外側圧電アクチュエータ15aの形成領域に形成し、空洞43の露出面をSiO2層45で被覆する。次に、SOIウェハ30のSiO2層35とSOIウェハ50の支持層52とを接合して、空洞43を封入したSOIウェハ56を製造する。次に、SOIウェハ56の裏面側に凹部63を形成した後、裏面側から凹部63の深さ方向に、異方性のドライエッチングを行って、SiO2層45を除去する。【選択図】図5

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光偏向器の製造方法及び光偏向器に関する。
MEMSの光偏向器が知られている(特許文献1,2)。
特許文献1の光偏向器は、ミラー部と、可動支持部と、固定支持部と、ミラー部と可動支持部との間に介在し、ミラー部を第1回転軸の回りに共振周波数で往復回動させる第1圧電アクチュエータと、可動枠と固定支持部との間に介在し、ミラー部において第1回転軸と交わる第2回転軸の回りに共振周波数より低い非共振周波数で往復回動させる第2圧電アクチュエータと、を備える。
特許文献1の光偏向器では、さらに、第1圧電アクチュエータと第2圧電アクチュエータとは、SOI(Silicon on Insulator)の活性層を共通の基板層としている。そして、第2圧電アクチュエータの活性層の表面は、掘り下げられて、第2圧電アクチュエータの活性層の表面より低くされている。すなわち、基板層の厚みは、第2圧電アクチュエータの方が第1圧電アクチュエータより薄くされている。この結果、同一のSOIから製造する光偏向器であるにもかかわらず、第1回転軸の回りのミラー部の共振周波数が増大しつつ、第2回転軸の回りのミラー部の振れ角を増大する。
特許文献2は、ミラー部及び圧電アクチュエータを含むMEMSの製造に使用するSOIのSiウェハの製造方法を開示する。該製造方法によれば、Si層としての活性層の裏面側に部位により深さの異なる複数の小幅トレンチを形成する。次に小幅トレンチ間を熱酸化して、小幅トレンチ間を連結したトレンチを形成し、該トレンチ内を含む活性層の裏面側に犠牲層を形成する。次に、活性層の犠牲層側を別のSi層としての支持層の表面側に貼り合わせて、SOIが完成する。
特開2017−211576号公報 特開2017−74625号公報
MEMSの光偏向器の製造方法では、圧電アクチュエータを製造するために、圧電膜層を基板層に全体にわたり形成する必要がある。その際、圧電膜層は、膜厚が均一でないと、圧電アクチュエータの品質が低下する。このため、圧電膜層は、粗さの小さい平面上に形成されなければならない。
特許文献1の光偏向器では、活性層を削った表面側に圧電膜層が形成される。活性層をエッチングすると、表面は、粗くなってしまう。
特許文献2のSOIでは、活性層は、裏面側にトレンチを有するとともに、圧電膜層は、活性層においてトレンチを形成しなかった方の面に形成される。また、ミラーは、活性層において裏面側にトレンチの有る表面領域に配置されるのに対し、圧電素子は、裏面側にトレンチの無い表面領域に配置されている。
特許文献2のMEMSの光偏向器は、可動支持部を備えないので、1軸方式の光偏向器になっている。
一方、2軸方式の光偏向器は、第1圧電アクチュエータと第2圧電アクチュエータとの間に可動支持部が介在する。したがって、第1回転軸の回りのミラー部の共振周波数を増大したり、第2回転軸の回りの振れ角の増大のために、第2圧電アクチュエータの基板層を薄くしたりすると、ミラー部に対する可動支持部の支持力が低下し、可動支持部が異常振動を起こし易くなる。
本発明の目的は、基板層のエッチングにもかかわらず、該基板層の上に均一な膜厚の圧電膜層を形成し、かつ可動支持部の異常振動を抑制できる光偏向器の製造方法及び該製造方法により製造される光偏向器を提供することである。
本発明の製造方法は、
ミラー部と、可動支持部と、固定支持部と、前記ミラー部と前記可動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第1回転軸の回りに共振周波数で往復回動させる第1圧電アクチュエータと、前記可動支持部と前記固定支持部との間に介在し、前記ミラー部において前記第1回転軸と交わる第2回転軸の回りに前記共振周波数より低い非共振周波数で往復回動させる第2圧電アクチュエータと、を備える光偏向器の製造方法において、
厚み方向に順番に第1SiO層、第1Si及び第2SiO層が配置された積層構造を有する第1Siウェハの前記第2SiO側の面に対し、エッチング領域及び非エッチング領域を設定し、前記エッチング領域には、少なくとも前記第2圧電アクチュエータの形成領域を含ませ、前記非エッチング領域には、少なくとも前記可動支持部の形成領域を含ませ、前記第1Siウェハに対し、前記第2SiO側から前記エッチング領域のみのエッチングを行って、第2SiO側に開口する空洞を前記第1Si層に形成する第1工程と、
前記空洞の露出面を第3SiO層で被覆する第2工程と、
厚み方向に第4SiO層と第2Si層との積層構造を有する第2Siウェハの前記第2Si層側の面と、前記第1Siウェハの第2SiO層側の面とを接合して、前記空洞が封入された第3Siウェハを作成する第3工程と、
前記第3Siウェハの前記第1SiO層側に全面にわたり圧電アクチュエータの積層構造層としての下側電極層、圧電膜層及び上側電極層を順番に積層する第4工程と、
前記第3Siウェハの表面側から、前記第2SiO層の表面側に達する深さまで、異方性ドライエッチングを行って、前記第1圧電アクチュエータ及び前記第2圧電アクチュエータを形成する第5工程と、
前記第3Siウェハの裏面側から、前記第2SiO層の裏面側に達する深さまで、エッチングを行って、前記固定支持部の内周壁に包囲される凹部を前記第3Siウェハの裏面側に形成する第6工程と、
前記第3Siウェハの裏面側から、前記凹部の深さ方向に異方性のドライエッチングを行って、前記第2SiO層及び前記第3SiO層を除去する第7工程と、
を有する。
本発明によれば、圧電膜層は、第3Siウェハにおいて、エッチング処理のなされない第1SiO層の面に形成される。この結果、均一な膜厚の圧電膜層を形成することができる。
本発明によれば、第3Siウェハの第1Si層は、光偏向器の各素子に共通な基板層になる。そして、第2圧電アクチュエータの形成領域は、エッチング領域とされ、可動支持部は、非エッチング領域とされる。これにより、第2圧電アクチュエータの基板層は、薄くなって、可撓性が増大する。また、可動支持部の基板層は、厚くなって、剛性が増大する。こうして、第2回転軸の回りのミラー部の振れ角を増大しつつ、可動支持部の異常振動を抑制することができる。
好ましくは、本発明の製造方法において、
前記第1工程において、前記エッチング領域に、前記ミラー部の形成領域及び前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませる。
この構成によれば、ミラー部及び第1圧電アクチュエータの重量が低下するので、ミラー部の共振に伴う可動支持部の異常振動を一層抑制することができる。
好ましくは、本発明の製造方法において、
前記第1工程において、
前記エッチング領域にミラー部の形成領域を含ませ、
前記非エッチング領域に第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませる。
この構成によれば、第1回転軸の回りのミラー部の振れ角を増大することができる。
好ましくは、本発明の製造方法において、
前記第1工程において、
前記エッチング領域に前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませ、
前記非エッチング領域に前記ミラー部の形成領域を含ませる。
この構成によれば、ミラー部の厚みが増大するので、ミラー部の鏡面の歪みを抑制することができる。
好ましくは、本発明の製造方法において、
前記第1工程において、
前記非エッチング領域に前記ミラー部の形成領域及び前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませる。
この構成によれば、ミラー部の剛性を高めて、ミラー部の歪みを抑制することができる。また、第1圧電アクチュエータの剛性を高めて、第1回転軸の回りのミラー部の共振周波数を増大させることができる。
好ましくは、本発明の製造方法において、
前記第5工程の後、前記第3Siウェハの裏面側から少なくとも前記ミラー部及び前記可動支持部のリブ形成領域を除外して、エッチングして、前記ミラー部及び前記可動支持部の裏面側に、前記第2Si層のリブを形成する第6工程を有する。
この構成によれば、ミラー部及び可動支持部の裏面側に、第2Si層のリブが形成される。これにより、ミラー部の歪みを抑制しつつ、可動支持部の異常振動を抑制することができる。
本発明の光偏向器は、
ミラー部と、可動支持部と、前記ミラー部と前記可動支持部との間に介在して前記ミラー部を第1回転軸の回りに共振周波数で往復回動させる第1圧電アクチュエータと、前記ミラー部から前記可動支持部より離れて配置されている固定支持部と、前記可動支持部と前記固定支持部との間に介在して前記第1回転軸と交わる第2回転軸の回りに前記共振周波数より低い非共振周波数で往復回動させる第2圧電アクチュエータと、を備える光偏向器であって、
前記ミラー部、前記可動支持部、前記第1圧電アクチュエータ、及び前記第2圧電アクチュエータの共通の基板層として形成され、少なくとも前記可動支持部の裏面側は除き、少なくとも前記第2圧電アクチュエータの裏面側には空洞が形成されている第1Si層と、
前記空洞の側面を被覆している第4SiO層と、
を備える。
本発明の光偏向器によれば、ミラー部、可動支持部、第1圧電アクチュエータ、及び第2圧電アクチュエータの共通の基板層として第1Si層が形成され、該第1Si層は、少なくとも可動支持部の裏面側は除き、少なくとも第2圧電アクチュエータの裏面側には空洞を有する。そして、空洞の側面は、第4SiO層により被覆されている。該第4SiO層は、光偏向器を、空洞封入型のSiウェハから製造した証拠になる。

光偏向器の正面図。 SOIの膜厚と水平軸方向の共振周波数及び垂直軸方向の振れ角との関係を示す図。 SOIの膜厚と水平軸方向の共振周波数との関係を調べた実験のグラフ。 SOIの膜厚をパラメータにして外側圧電アクチュエータの駆動電圧と機械半角とを調べた実験のグラフ。 ミラー部の各種の異常振動を調べたシミュレーションで調べた応力分布図。 ミラー部に対する可動枠部の慣性モーメント比と、回転軸Ayの回りの可動枠部のねじれ角との関係を調べたグラフ。 光偏向器の製造方法を示す図。 図5の工程を経て完成した光偏向器の断面図。 光偏向器の第1実施例の断面図。 光偏向器の第2実施例の断面図。 光偏向器の第3実施例の断面図。 光偏向器の第4実施例の断面図。 光偏向器の第5実施例の断面図。
以下に、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。以下の説明において、実質的に同一又は等価な要素及び部分については、共通の参照符号を使用している。また、同一の構成を有する対又は群の要素については、数字が同一で、添字のアルファベットのみが異なる参照符号を使用している。さらに、対又は組を構成する要素を総称するときは、添え字の部分を省略した参照符号を使用する。
[光偏向器(全体)]
図1は、光偏向器10の正面図である。光偏向器10は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としてSOI(Silicon on Insulator)から製造される。光偏向器10は、主要要素としてミラー部11、トーションバー12a,12b、内側圧電アクチュエータ13a,13b、可動枠部14、外側圧電アクチュエータ15a,15b、及び固定枠部16を備えている。
光偏向器10の構成の説明の便宜のために、X軸、Y軸及びZ軸の3軸直交座標系を定義する。X軸及びY軸は、正面視で矩形である固定枠部16の長辺及び短辺の延在方向に平行な方向として定義する。Z軸は、光偏向器10の厚みの方向に平行な方向として定義する。
Oは、ミラー部11の中心である。中心Oは、光偏向器10の中心でもある。不図示の光源からのレーザ光等の光は、ミラー部11の中心Oに入射する。
回転軸Ax及び回転軸Ayは、ミラー部11の2つの回転軸としてミラー部11の中心Oで直交する。ミラー部11が、正面を向いているとき、回転軸Ax及び回転軸Ayは、X軸及びY軸に平行になる。
ミラー部11は、光偏向器10の中心に位置する。トーションバー12a,12bは、Y軸方向にミラー部11の両側から回転軸Ayに沿って伸び出ている。
内側圧電アクチュエータ13a,13bは、X軸方向にミラー部11の両側に配置され、Y軸方向の各端においてトーションバー12a,12bの中間部に結合する。内側圧電アクチュエータ13a,13bは、Y軸方向の両端部において相互に結合し、対の全体でY軸方向に長い楕円環を構成し、ミラー部11を包囲する。
可動枠部14は、Y軸方向に縦長の楕円環の形状を有し、内側圧電アクチュエータ13a,13bの楕円環を包囲している。各トーションバー12は、ミラー部11とは反対側の端において可動枠部14の内周に結合している。各トーションバー12は、Y軸方向の中間部の外周縁部において、可動枠部14の内周に結合している。
外側圧電アクチュエータ15a,15bは、X軸方向にミラー部11の両側に配置されている。各外側圧電アクチュエータ15は、両端部において可動枠部14の外周と固定枠部16の内周とに結合している。
内側圧電アクチュエータ13と可動枠部14との結合部、可動枠部14と外側圧電アクチュエータ15との結合部、及び外側圧電アクチュエータ15と固定枠部16との結合部は、ミラー部11が正面を向いているとき、中心Oを通り、かつX軸に平行な直線上に一列に並ぶ。円形のミラー部11の直径を増大するために、内側圧電アクチュエータ13は、該直線上の内周側において円弧状の凹部を有している。
各外側圧電アクチュエータ15は、ミアンダパターンで結合した複数の圧電カンチレバー21を有している。圧電カンチレバー21の幅は、固定枠部16に近いものほど広くなっている。これにより、固定枠部16に近い圧電カンチレバー21ほど、変形力が強く、可動枠部14に近い圧電カンチレバー21ほど、可撓性が高くなる。
内側圧電アクチュエータ13及び外側圧電アクチュエータ15は、不図示の駆動装置から駆動電圧の供給を受ける。内側圧電アクチュエータ13は、トーションバー12と可動枠部14との間に介在し、トーションバー12を回転軸Ayの回りに共振周波数でねじり振動させる。これにより、ミラー部11は、回転軸Ayの周りに共振周波数Fyで往復回動する。
各外側圧電アクチュエータ15が有する複数の圧電カンチレバー21について、固定枠部16側から可動枠部14側に順番に、1番、2番、・・・と番号を付けたと仮定する。この場合、奇数番の圧電カンチレバー21と偶数番の圧電カンチレバー21とは、ピークツーピークが同一で、位相が反対の駆動電圧を不図示の駆動装置から受ける。この結果、奇数番の圧電カンチレバー21と偶数番の圧電カンチレバー21とは、逆位相で湾曲する。
こうして、外側圧電アクチュエータ15は、各圧電カンチレバー21の湾曲が加算されて、固定枠部16側の基端部に対する可動枠部14側の先端部の回転量が増大する。この結果、外側圧電アクチュエータ15は、先端側の増大した回転量で可動枠部14をX軸に平行な回転軸の回りに非共振周波Fxで往復回動する。これにより、ミラー部11は、回転軸Axの回りに非共振周波Fxで往復回動する。なお、非共振周波Fx<共振周波数Fyである。
[基板層]
図2Aは、SOIの膜厚と水平軸方向の共振周波数及び垂直軸方向の振れ角との関係を示している。図2A〜図2Cにおいて、SOIの膜厚とは、光偏向器10の基板層としての活性層34(図6等)の厚みを指す。水平軸方向(X軸方向)の共振とは、回転軸Ayの回りのミラー部11の往復回動をいう。垂直方向(Y軸方向)の振れ角とは、回転軸Axの回りのミラー部11の回動角をいう。
図2Aから、水平軸方向の共振周波数と垂直軸方向の振れ角とは、SOIの膜厚の設定時にトレードオフの関係にあることが理解できる。
図2Bは、SOIの膜厚と水平軸方向の共振周波数との関係を調べた実験のグラフである。図2Bから、SOIの膜厚の増大に連れて水平軸方向の共振周波数が増大することが理解できる。
図2Cは、SOIの膜厚をパラメータにして外側圧電アクチュエータ15の駆動電圧と機械半角とを調べた実験のグラフである。機械半角とは、ミラー部11に各駆動電圧を供給して回転軸Axの回りに往復回動させたとき、トーションバー12の切損等の損傷を起すことなく、ミラー部11の正面に対して各側に振れることができる最大回動角を指す。
図2Cから、駆動電圧の増大に連れて、また、SOIの膜厚の減少に連れて、機械半角が増大することが理解できる。
[異常振動]
図3は、ミラー部11の各種の異常振動をシミュレーションで調べた応力分布図である。図3において、白っぽい場所ほど、応力が高いことを示している。
(a)では、内側圧電アクチュエータ13がトーションバー12をねじり振動するモードに異常が生じている。(b)は、ねじり振動モードの異常時のミラー部11付近を拡大して示している。可動枠部14が、ねじり振動モードの異常時では、正面視で傾いている。
可動枠部14は、共振周波数Fyの増大に連れて共振振動から受ける影響力が高まる。この結果、可動枠部14は、それに耐え切れなくなり、異常振動を引き起こす。
(a)及び(b)のような異常振動の対策として、可動枠部14の剛性を高めたり、図4で説明するモーメント比を高くすることが考えられる。
(c)及び(d)は、外側圧電アクチュエータ15の異常振動を示している。(c)では、外側圧電アクチュエータ15a,15bがY軸方向の+側に並進し、固定枠部16と衝突している。(d)では、各外側圧電アクチュエータ15の圧電カンチレバー21が、正面視で傾斜している。
(c)及び(d)のような異常振動は、回転軸Axの回りの振れ角を増大するために、圧電カンチレバー21を薄くすると、圧電カンチレバー21の剛性が低下し、外側圧電アクチュエータ15による回転軸Axに平行な回転軸の回りの往復回動力が、可動枠部14に伝達し難くなったことが原因の1つと考えられる。
(c)及び(d)の異常振動の対策としては、可動枠部14の内周側の可動素子(ミラー部11、トーションバー12及び内側圧電アクチュエータ13)を軽量化することが考えられる。
[慣性モーメント比]
図4は、ミラー部11の慣性モーメントIに対する可動枠部14の慣性モーメントIの比と、回転軸Ayの回りの可動枠部14のねじれ角との関係を調べたグラフである。ミラー部11及び可動枠部14の慣性モーメントI,Iは、それぞれ次の(1)及び(2)の式で表される。
(1):I=m
(2):I=m
上記式において、添え字のM,iは、それぞれミラー部11(Mirror)及び可動枠部14(inner frame)を意味する。mは、質量を意味する。rは、回転軸Ayからの距離である。
図4の横軸の慣性モーメント比は、I/Iを指す。一方、回転軸Ayの回りのミラー部11の往復回動に起因する反作用が可動枠部14に生じるために、可動枠部14は、回転軸Ayの回りにミラー部11とは逆向きに往復回動する。縦軸のねじれ角は、このときのミラー部11の回動角に対する可動枠部14の回動角の差の割合である。ねじれ角=0は、反作用無しのときと同一のねじれ角を維持したことを意味する。
図4から、慣性モーメント比I/Iを増大するほど、可動枠部14のねじれ角が0に近づくことが分かる。ねじれ角が大きいときほど、図3の(a)及び(b)のねじれ振動モードの異常振動が増大する。
[製造方法]
図5は、光偏向器10の製造方法を示す図である。製造方法を工程の順番に説明する。
STEP1では、SOIウェハ30が用意される。SOIウェハ30は、積層方向(=厚み方向)に下(裏面)から上(表面)に順番に、SiO(二酸化ケイ素)層31、支持層32、SiO層33、活性層34及びSiO層35を有している。支持層32及び活性層34は、Si(ケイ素)から成るSi層である。
STEP1では、また、SOIウェハ30の表面に非エッチング領域40及びエッチング領域41が設定される。非エッチング領域40は、少なくとも可動枠部14の形成領域を含む。エッチング領域41は、少なくとも、外側圧電アクチュエータ15の形成領域を含む。
STEP2では、SOIウェハ30のエッチング領域41に対して表面側からエッチングが行われる。これにより、SOIウェハ30の表面に複数の空洞43が形成される。この空洞43は、底面が平坦な平面になっており、どの空洞43も、深さが等しくなっており、かつSiO層35側に開口する。
STEP3では、SOIウェハ30を高温雰囲気に所定時間さらして、空洞43の露出面にSiO層45を形成する。この結果、SOIウェハ30の表面側は、非エッチング領域40においてSiO層35により被覆され、空洞43の底面及び側面においてSiO層45により被覆される。SiO層35とSiO層45とにより、SOIウェハ30の表面は、連続したSiO層が被覆されることになる。
STEP4では、SOIウェハ30が裏返しされるとともに、SOIウェハ50が用意される。SOIウェハ30は、裏返しによりSiO層31が表面となり、SiO層35が裏面になる。SOIウェハ50は、SiO層51と支持層52とを有する。さらに、SOIウェハ30のSiO層35とSOIウェハ50の支持層52とが合わせられる。
SOIウェハ50は、ボックス層としてのSiO層の両側にSi層としての支持層と活性層とを備えるSOIウェハからボックス層及び活性層を除去して、製造されてもよい。その場合、残った支持層とその下のSiO層とがそれぞれ支持層52及びSiO層51となる。
STEP5では、STEP4のSOIウェハ30のSiO層35とSOIウェハ50の支持層52とを合わせた状態で高温雰囲気下でSOIウェハ30とSOIウェハ50とを接合する。これにより、SOIウェハ56が製造される。
STEP5の高温雰囲気のガスは、例えば、(a)水素、(b)Ar(アルゴン)又は(c)水素とArとの混合ガスである。また、高温雰囲気の保持温度は、900℃以上でかつ1200℃以下である。SOIウェハ30とSOIウェハ50との接合後、接合体の表面側のSiO層31及び支持層32が除去されて、SOIウェハ56が完成する。
空洞43は、SOIウェハ56の内部に封入された状態になる。SOIウェハ56において、表面がSiO層33となり、裏面がSiO層51となる。SOIウェハ56の積層構造は、裏面側から表面側に厚み方向にSiO層51、支持層52、SiO層35、活性層34及びSiO層33の順に並ぶ。
STEP6では、STEP5におけるSOIウェハ56の表面としてのSiO層33の表面に圧電アクチュエータの上部構造層58を形成する。上部構造層58は、SiO層33の表面から上に向かって順番に下側電極層58a、PZT(Pb(Zr・Ti)O層58b及び上側電極層58cを少なくとも含む。
空洞43の底面は、エッチングにより形成されるのに対し、SiO層33は、SOIウェハ30に最初から含まれているものである。したがって、未加工の上部構造層58は、凹凸のほとんどない平坦な、換言すると、表面粗さの無視できるSiO層33の表面に形成されることになる。この結果、上部構造層58に含まれる各層は、SiO層33の全面にわたり均一な膜厚となる。
STEP7では、SOIウェハ56に対し、SiO層35をストップ層にして、SiO層35の表面に達する深さで上部構造層58の側からエッチングを行う。これにより、光偏向器10の可動素子(固定枠部16の内周側の素子は、全て可動素子である。)が製造される。ただし、SiO層35がなお残存しているので、可動素子は、SiO層35により結合されて、変位を拘束されている。
STEP7からSTEP8に行く途中の工程(不図示)において、電極パッド69(図6)、層間膜80、配線層81及び絶縁層82(図7)を完成させる。こうして、光偏向器10の上部構造は、次のSTEP8の前にすべて完成する。
STEP8では、可動素子が埋設状態になるように、ワックス層61がSOIウェハ56の表面に形成される。さらに、プレート62がワックス層61の表面に固着される。ワックス層61及びプレート62は、SOIウェハ56の裏面側をエッチングするときに、可動素子を固定して、損傷から保護する。
STEP8では、ワックス層61及びプレート62を付加した後、さらに、SOIウェハ56に対する裏面側からのエッチングにより凹部63を形成する。凹部63は、光偏向器10の完成後、光偏向器10を作動させた時に、可動素子が裏面側に変位するときの変位許容空間として固定枠部16の内周側に形成される。なお、凹部63は、支持層52を貫通している。
凹部63を形成するためのエッチングは、凹部63の深さが深いため、異方性エッチングの方が等方性エッチングより好ましい。また、ドライ及びウェットのいずれのエッチングであってもよい。なぜなら、可動素子は、ワックス層61内に完全に埋設されているので、可動素子は、濡れることがないからである。
[痕跡]
図6は、図5の工程を経て完成した光偏向器10の断面図である。図5のSTEP8と図6との間には、凹部63に露出するSiO層35及びSiO層45のエッチング処工程と、それに続くワックス層61の除去工程とが含まれる。
SiO層35及びSiO層45のエッチング工程では、凹部63に露出するSiO層35及びSiO層45が、場所に関係なく一律に活性層34の厚み方向に、空洞43の底面におけるSiO層45の厚み分だけ削られる。これにより、凹部63の露出面のうち層面がSOIウェハ56の裏面に平行であるSiO層の全部(SiO層35の露出面の全部と、SiO層45のうち、空洞43の底面を被覆しているSiO層45)は、除去される。
一方、凹部63の露出面のうち層面がSOIウェハ56の深さ方向に平行であるSiO層としての空洞43の側面のSiO層45は、深さ方向に十分な長さを有する。この結果、全部を除去されることなく、SOIウェハ56の裏面側の一部のみを削られるだけで、該エッチング工程後も、空洞43の側面のSiO層45(位置P1のSiO層45)の残部は、痕跡72として残る。
該エッチング工程後、可動素子は、SiO層45による相互の結合を解除される。また、痕跡72は、空洞43付きSOIウェハ56で光偏向器10を製造した証拠になる。なぜなら、もし空洞43付きSOIウェハ56でなく、空洞43無しのSOIウェハから、外側圧電アクチュエータ15の領域の基板層としての活性層34を薄くするために、活性層34の裏面側に形成した凹部をSiOで被膜することがないからである。
[実施例/共通点]
図7〜図11は、光偏向器10の種々の実施例としての光偏向器10a〜10eの断面図である。なお、光偏向器10の主要部は、正面視で左右対称の構成となっているので、これら断面図は、光偏向器10の中心線Ceに対して左半部の断面のみを示している。また、SiO層33,35、SiO層45,51等のSiO層は、薄いので、図示を省略している。ただし、図11のみは、SiO層35を省略することなく、図示している。理由は、後述する。
図7〜図11において、80は層間膜、81は配線層、82は絶縁層、84は、ミラー部11の反射面を構成する例えば金属膜から成る反射層である。いずれも、圧電式の光偏向器10において周知の素子である。空洞43について、可動枠部14より内側(中心O側)の空洞43は、空洞43iで示し、可動枠部14より外側(中心Oとは反対側)の空洞43は、空洞43oで示す。当然のことながら、空洞43i,空洞43oは、エッチング領域41(図5/STEP1)に属する。
なお、図7〜図11において、トーションバー12の図示が省略されている。しかしながら、活性層34におけるトーションバー12の厚みは、いずれの実施例においてもミラー部11の厚みと等しくされている。
光偏向器10a〜10eは、次の共通の特徴を有する。
(a)可動枠部14は、非エッチング領域40に属していること。これにより、前述の慣性モーメント比としてのI/Iが増大して、図3で説明した異常振動が抑制される。
(b)外側圧電アクチュエータ15は、エッチング領域41に属し、活性層34の裏面側に空洞43を有していること。これにより、圧電カンチレバー21の可撓性が増大し、回転軸Axの回りのミラー部11の振れ角が増大する。
[実施例1]
図7の光偏向器10aでは、可動素子のうち可動枠部14の形成領域のみが非エッチング領域40に設定されている。この結果、活性層34において、ミラー部11及びトーションバー12の裏面側には、空洞43iが形成され、外側圧電アクチュエータ15の裏面側には空洞43oが形成される。
光偏向器10aでは。ミラー部11が軽量となるので、慣性モーメント比としてのI/Iが一層増大し、異常振動の抑制効果が高まる。
[実施例2]
図8の光偏向器10bでは、可動素子のうち内側圧電アクチュエータ13及び可動枠部14の形成領域が非エッチング領域40に設定されている。この結果、活性層34において、ミラー部11の裏面側には、空洞43iが形成され、外側圧電アクチュエータ15の裏面側には空洞43oが形成される。
これにより、光偏向器10aでは、回転軸Axの回りの光偏向器10の振れ角が増大する。また、ミラー部11が軽量となっている分、I/Iがさらに増大して、異常振動の抑制効果が高まる。
[実施例3]
図9の光偏向器10cでは、可動素子のうちミラー部11と可動枠部14との形成領域が非エッチング領域40に設定されている。この結果、活性層34において、内側圧電アクチュエータ13の裏面側には空洞43iが形成され、外側圧電アクチュエータ15の裏面側には空洞43oが形成される。
光偏向器10cでは、4つの内側圧電アクチュエータ13が軽量となっている分、可動枠部14の剛性が相対的に高まり、図3の(c)及び(d)の異常振動の抑制効果が高まる。
[実施例4]
図10の光偏向器10dでは、可動素子のうちミラー部11、トーションバー12及び可動枠部14の形成領域が非エッチング領域40に設定されている。この結果、回転軸Ayの回りの共振周波数Fyが一層増大する。
[実施例5]
図11の光偏向器10eでは、図9の光偏向器10cに対し、ミラー部11及び可動枠部14の裏面にリブ91,92がそれぞれ追加されている。リブ91は、SiO層35を介してミラー部11及び可動枠部14の裏面に結合している。すなわち、リブ91,92は、凹部63の形成の際、支持層52からエッチングしない部分として残すことにより、形成されている。
リブ91は、ミラー部11の剛性を増大させる。この結果、往復回動中のミラー部11の鏡面のゆがみが防止される。リブ92は、可動枠部14の剛性を一層増大させる。これにより、図3の(a)及び(b)で説明したミラー部11の異常振動に対する防止効果が高まる。
[変形例及び補足]
SOIウェハは、Siウェハでもある。したがって、本発明の第1Siウェハは、SOIウェハを含む。実施形態では、SOIウェハ56は、2つのSOIウェハ(SOIウェハ30,50)から製造されている。本発明の第3Siウェハを製造する第1Siウェハ及び第2Siウェハは、共に、又は少なくと一方をベアシリコンにしてもよい。
本発明の第1SiO層、第2Si層及び第3SiO層は、実施形態のSiO層33、活性層34及びSiO層35に対応する。本発明の第3SiO層は、SiO層45に対応する。本発明の第4SiO層及び第2Si層は、それぞれSiO層51及び支持層52に対応する。
実施形態では、上部構造層58がPZT層58bを含んでいる。本発明の圧電アクチュエータの積層構造層に含まれる圧電膜層は、PZT以外の材料とすることもできる。
本発明の可動支持部及び固定支持部は、それぞれ実施形態の可動枠部14及び固定枠部16に対応する。本発明の可動支持部及び固定支持部は、枠形状でなくてもよい。
実施形態では、第1回転軸としての回転軸Ayと、第2回転軸としての回転軸Axとが直交している。本発明の第1回転軸及び第2回転軸は、交わっていれば、直交していなくてもよい。
実施形態のトーションバー12及び外側圧電アクチュエータ15は、それぞれ本発明の第1圧電アクチュエータ及び第2圧電アクチュエータに相当する。本発明の第1圧電アクチュエータは、半楕円環の形状を有していなくてもよい、直線形状のカンチレバーであってもよい。本発明の第2圧電アクチュエータは、複数の圧電カンチレバー21がミアンダパターンで連結された構成に限定されない。
10・・・光偏向器、11・・・ミラー部、12・・・内側圧電アクチュエータ(第1圧電アクチュエータ)、14・・・可動枠部(可動支持部)、15・・・外側圧電アクチュエータ、16・・・固定枠部(固定支持部)、30・・・SOIウェハ30(第1Siウェハ)、33・・・SiO層(第1SiO層)、34・・・活性層(第1Si層)、35・・・SiO層(第2SiO層)、40・・・非エッチング領域、41・・・エッチング領域、43・・・空洞、45・・・SiO層(第3SiO層)、50・・・50(第2Siウェハ)、51・・・SiO層(第4SiO層)、52・・・支持層(第2Si層)、56・・・SOIウェハ(第3Siウェハ)、58a・・・下側電極層、58b・・・PZT層、58c・・・上側電極層、63・・・凹部63、72・・・痕跡、90,91・・・リブ。

Claims (7)

  1. ミラー部と、可動支持部と、固定支持部と、前記ミラー部と前記可動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第1回転軸の回りに共振周波数で往復回動させる第1圧電アクチュエータと、前記可動支持部と前記固定支持部との間に介在し、前記ミラー部において前記第1回転軸と交わる第2回転軸の回りに前記共振周波数より低い非共振周波数で往復回動させる第2圧電アクチュエータと、を備える光偏向器の製造方法において、
    厚み方向に順番に第1SiO層、第1Si及び第2SiO層が配置された積層構造を有する第1Siウェハの前記第2SiO側の面に対し、エッチング領域及び非エッチング領域を設定し、前記エッチング領域には、少なくとも前記第2圧電アクチュエータの形成領域を含ませ、前記非エッチング領域には、少なくとも前記可動支持部の形成領域を含ませ、前記第1Siウェハに対し、前記第2SiO側から前記エッチング領域のみのエッチングを行って、第2SiO側に開口する空洞を前記第1Si層に形成する第1工程と、
    前記空洞の露出面を第3SiO層で被覆する第2工程と、
    厚み方向に第4SiO層と第2Si層との積層構造を有する第2Siウェハの前記第2Si層側の面と、前記第1Siウェハの第2SiO層側の面とを接合して、前記空洞が封入された第3Siウェハを作成する第3工程と、
    前記第3Siウェハの前記第1SiO層側に全面にわたり圧電アクチュエータの積層構造層としての下側電極層、圧電膜層及び上側電極層を順番に積層する第4工程と、
    前記第3Siウェハの表面側から、前記第2SiO層の表面側に達する深さまで、異方性ドライエッチングを行って、前記第1圧電アクチュエータ及び前記第2圧電アクチュエータを形成する第5工程と、
    前記第3Siウェハの裏面側から、前記第2SiO層の裏面側に達する深さまで、エッチングを行って、前記固定支持部の内周壁に包囲される凹部を前記第3Siウェハの裏面側に形成する第6工程と、
    前記第3Siウェハの裏面側から、前記凹部の深さ方向に異方性のドライエッチングを行って、前記第2SiO層及び前記第3SiO層を除去する第7工程と、
    を有することを特徴とする製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記第1工程において、前記エッチング領域に、前記ミラー部の形成領域及び前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませることを特徴とする製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記第1工程において、
    前記エッチング領域にミラー部の形成領域を含ませ、
    前記非エッチング領域に第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませることを特徴とする製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記第1工程において、
    前記エッチング領域に前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませ、
    前記非エッチング領域に前記ミラー部の形成領域を含ませることを特徴とする製造方法。
  5. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記第1工程において、
    前記非エッチング領域に前記ミラー部の形成領域及び前記第1圧電アクチュエータの形成領域を含ませることを特徴とする製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法において、
    前記第5工程の後、前記第3Siウェハの裏面側から少なくとも前記ミラー部及び前記可動支持部のリブ形成領域を除外して、エッチングして、前記ミラー部及び前記可動支持部の裏面側に、前記第2Si層のリブを形成する第6工程を有することを特徴とする製造方法。
  7. ミラー部と、可動支持部と、前記ミラー部と前記可動支持部との間に介在して前記ミラー部を第1回転軸の回りに共振周波数で往復回動させる第1圧電アクチュエータと、前記ミラー部から前記可動支持部より離れて配置されている固定支持部と、前記可動支持部と前記固定支持部との間に介在して前記第1回転軸と交わる第2回転軸の回りに前記共振周波数より低い非共振周波数で往復回動させる第2圧電アクチュエータと、を備える光偏向器であって、
    前記ミラー部、前記可動支持部、前記第1圧電アクチュエータ、及び前記第2圧電アクチュエータの共通の基板層として形成され、少なくとも前記可動支持部の裏面側は除き、少なくとも前記第2圧電アクチュエータの裏面側には空洞が形成されている第1Si層と、
    前記空洞の側面を被覆している第4SiO層と、
    を備えることを特徴とする光偏向器。
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