JP2010096538A - 角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 検知軸が基板の面内方向となる場合でも、駆動モードと検出モードの共振周波数差を小さくして角速度を高感度で検出する。
【解決手段】 基板2には駆動質量部5を設け、駆動質量部5を撓み支持梁からなる駆動梁6を用いてX軸方向に振動可能に支持する。また、駆動質量部5の内部には検出質量部7を設け、検出質量部7を検出梁8を用いてZ軸方向に変位可能に支持する。そして、検出梁8は、捩れ支持梁9と、捩れ支持梁9の端部を駆動質量部5および検出質量部7に接続する接続梁10とによって構成する。これにより、捩れ支持梁9の端部に作用する応力を低減することができ、加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響を小さくすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば駆動質量部と検出質量部とを備え、これらの質量部のうちいずれか一方が基板の厚さ方向に変位する角速度センサに関する。
一般に、角速度センサとして、基板上に駆動梁を介して振動可能に設けられた駆動質量部と、該駆動質量部に検出梁を介して振動可能に設けられた検出質量部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このとき、駆動質量部と検出質量部とは、互いに直交する方向に向けて振動する。そして、駆動質量部が振動した状態で所定方向の角速度が作用すると、検出質量部は、コリオリ力によって駆動質量部の振動方向と直交する方向に向けて変位する。このため、検出質量部の変位を検出することによって、角速度を検出することができる。
特開2001−194153号公報
ところで、駆動質量部が振動するときの駆動モードと検出質量部が振動するときの検出モードとは、互いの共振周波数が近い値になるに従って角速度に対する検出質量部の変位量が大きくなり、角速度の検出感度が高くなる。しかし、これらの共振周波数は駆動梁や検出梁の加工誤差によってばらつきが生じるから、駆動モードと検出モードの共振周波数を互いに近付けると、加工誤差の影響で角速度センサの感度ばらつきが増加する傾向がある。
MEMS技術を用いてシリコン材料を微細加工して角速度センサを製造する場合、駆動梁と駆動質量部との組合わせや、検出梁と検出質量部との組合わせによって各モードの共振周波数が設定されている。ここで、基板の垂直方向周りの角速度を検出するために、検知軸が基板の垂直方向となった角速度センサでは、駆動質量部および検出質量部は、いずれも基板の面内方向に変位する。この場合、駆動梁および検出梁は、例えば基板の面内方向の撓み変形を利用して駆動質量部および検出質量部をそれぞれ支持する。このため、実質的に駆動梁や検出梁の幅寸法が各モードの共振周波数に影響する。シリコン基板を垂直にドライエッチングして角速度センサを製造する場合、一度のエッチングで全ての梁が加工されるため、このエッチング工程で共振周波数のばらつきが決まる。しかし、エッチング速度のばらつきで駆動梁および検出梁の幅寸法が変化しても、同じ素子内では駆動梁および検出梁の相対誤差は小さくなるから、駆動モードと検出モードの共振周波数差のばらつきは小さくすることができる。
一方、基板の面内方向周りの角速度を検出するために、検知軸が基板の面内方向となった角速度センサでは、駆動質量部と検出質量部とのうちいずれか一方(例えば検出質量部)は基板の垂直方向に変位し、他方(例えば駆動質量部)は基板の面内方向に変位する。このとき、例えば検出梁が基板の垂直方向に対する撓み変形を利用した場合には、梁の厚さ寸法が共振周波数に影響する。このため、シリコン基板を所定の厚さ寸法にする研削工程のばらつきが問題となる。駆動梁の幅寸法に影響するエッチング工程と検出梁の厚さ寸法に影響する研削工程とは独立した工程である。この結果、検知軸が基板の面内方向となった角速度センサでは、検知軸が基板の垂直方向となった角速度センサに比べて、駆動モードと検出モードの共振周波数差のばらつきがかなり大きくなるから、加工誤差を考慮すると共振周波数差を小さくして高感度にすることができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、検知軸が基板の面内方向となる場合でも、駆動モードと検出モードの共振周波数差を小さくして角速度を高感度で検出することができる角速度センサを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、基板と、該基板と隙間をもって対向して配置された駆動質量部と、該駆動質量部と基板とを接続し、前記基板と平行な水平方向に対して該駆動質量部を振動可能に支持する駆動梁と、前記駆動質量部に設けられた検出質量部と、該検出質量部と駆動質量部とを接続し、該検出質量部を基板の厚さ方向に向けて変位可能に支持する検出梁と、前記駆動質量部を水平方向に振動させる振動発生手段と、前記駆動質量部が振動した状態で前記検出質量部が基板の厚さ方向に向けて変位するときの変位量を検出する変位検出手段とを備えた角速度センサにおいて、前記検出梁は、前記検出質量部を片持ち状態で支持し、前記検出質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁を用いて形成し、該捩れ支持梁は、捩れ変形するときに当該捩れ支持梁の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部を用いて前記検出質量部と駆動質量部とにそれぞれ接続する構成としたことを特徴としている。
請求項2の発明は、基板と、該基板と隙間をもって対向して配置された駆動質量部と、該駆動質量部と基板とを接続し、前記基板の厚さ方向に対して該駆動質量部を振動可能に支持する駆動梁と、前記駆動質量部に設けられた検出質量部と、該検出質量部と駆動質量部とを接続し、該検出質量部を基板と平行な水平方向に向けて変位可能に支持する検出梁と、前記駆動質量部を基板の厚さ方向に振動させる振動発生手段と、前記駆動質量部が振動した状態で検出質量部が水平方向に向けて変位するときの変位量を検出する変位検出手段とを備えた角速度センサにおいて、前記駆動梁は、前記駆動質量部を片持ち状態で支持し、前記駆動質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁を用いて形成し、該捩れ支持梁は、捩れ変形するときに当該捩れ支持梁の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部を用いて前記基板と駆動質量部とにそれぞれ接続する構成としたことを特徴としている。
請求項3の発明では、前記応力低減接続部は、前記捩れ支持梁の端部から直交する方向に伸長した接続梁を用いて形成する構成としている。
請求項4の発明では、前記駆動質量部、検出質量部、駆動梁および検出梁は、同じ厚さ寸法を有する構成としている。
請求項5の発明では、前記捩れ支持梁は、捩れ軸に沿って延びる板形状に形成し、板厚方向となる幅方向寸法に比べて捩れ軸と直交する厚さ方向寸法を6倍以上の値に設定している。
請求項1の発明によれば、例えば基板がX軸およびY軸に平行に広がるときに、駆動質量部がX軸方向に振動した状態で、検知軸となるY軸周りの角速度が作用すると、この角速度に応じて基板の厚さ方向となるZ軸方向に向かうコリオリ力が発生する。これにより、検出質量部は、Y軸周りの角速度に応じてZ軸方向に変位する。従って、変位検出手段を用いて検出質量部が基板の厚さ方向に変位するのを検出することによって、基板に水平なY軸周りに作用する角速度を検出することができる。
また、検出梁は、検出質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁と、該捩れ支持梁と検出質量部および駆動質量部との間を接続する応力低減接続部とによって構成した。このため、例えばシリコン材料等を基板の垂直方向に加工することによって捩れ支持梁を形成することができ、容易に加工することができる。また、捩れ支持梁のばね定数は幅寸法の3乗に比例して変動するが、これは撓み支持梁からなる駆動梁のばね定数と同じである。従って、幅寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響が小さく、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
ここで、例えば1枚の細長い板形状をなす捩れ支持梁を用いて検出梁を構成すると共に、この検出梁の両端を固定した場合には、固定部分に作用する応力によって捩れ支持梁の捩れ変形が阻害される。このため、捩れ支持梁の厚さ寸法が変化したときには、この厚さ寸法の変化分に対する共振周波数の変化が大きくなる。この結果、厚さ寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響が大きくなる傾向がある。
これに対し、本発明では、捩れ支持梁は、その長さ方向に対して自由度を与える応力低減接続部を用いて検出質量部と駆動質量部とにそれぞれ接続した。このため、捩れ支持梁が捩れ変形するときには、捩れ支持梁の端部側はその長さ方向に変位することができるから、捩れ支持梁の両端側に作用する歪みや応力を低減することができる。これにより、幅寸法に加えて厚さ寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響も小さくすることができ、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
請求項2の発明によれば、例えば基板がX軸およびY軸に平行に広がるときに、駆動質量部が基板の厚さ方向となるZ軸方向に振動した状態で、検知軸となるY軸周りの角速度が作用すると、この角速度に応じて基板と平行なX軸方向に向かうコリオリ力が発生する。これにより、検出質量部は、Y軸周りの角速度に応じてX軸方向に変位する。従って、変位検出手段を用いて検出質量部がX軸方向に変位するのを検出することによって、基板に水平なY軸周りに作用する角速度を検出することができる。
また、駆動梁は、駆動質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁と、該捩れ支持梁と基板および駆動質量部との間を接続する応力低減接続部とによって構成したから、請求項1の発明と同様に、幅寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響が小さく、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
さらに、捩れ支持梁は、その長さ方向に対して自由度を与える応力低減接続部を用いて基板と駆動質量部とにそれぞれ接続したから、請求項1の発明と同様に、捩れ支持梁の両端側に作用する歪みや応力を低減することができる。これにより、厚さ寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響も小さくすることができ、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、応力低減接続部は捩れ支持梁の端部から直交する方向に伸長した接続梁を用いて形成する構成としたから、捩れ支持梁が捩れ変形するときには、接続梁が撓み変形して捩れ支持梁の端部側を長さ方向(捩れ軸方向)に変位させることができる。これにより、捩れ支持梁の両端側に作用する歪みや応力を低減することができる。
請求項4の発明によれば、駆動質量部、検出質量部、駆動梁および検出梁は同じ厚さ寸法を有する構成としたから、1回の研削工程を行うことによって駆動質量部、検出質量部、駆動梁および検出梁の厚さ寸法を一緒に設定することができる。これにより、駆動質量部、検出質量部、駆動梁および検出梁の厚さ寸法の加工ばらつきを抑制することができ、厚さ寸法の加工ばらつきに基づく駆動モードと検出モードの共振周波数差を小さくすることができる。
請求項5の発明によれば、捩れ支持梁は幅寸法に比べて厚さ寸法を6倍以上の値に設定したから、捩れ支持梁の共振周波数に対する厚さ寸法の影響を小さくすることができる。これにより、捩れ支持梁の厚さ寸法にばらつきが生じても、捩れ支持梁の共振周波数の変化を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態による角速度センサについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図3は第1の実施の形態による角速度センサ1を示している。図において、角速度センサ1は、基板2、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7、検出梁8、振動発生部11、変位検出部13等によって構成されている。
基板2は、角速度センサ1のベース部分を構成している。そして、基板2は、例えばガラス材料等により四角形の平板状に形成され、互いに直交するX軸,Y軸およびZ軸方向のうち、例えばX軸およびY軸方向に沿って水平に延びている。
また、基板2上には、例えば導電性を有する低抵抗なシリコン材料等にエッチング加工を施すことによって、封止枠体3、支持部4、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7、検出梁8等が形成されている。このとき、封止枠体3は、基板2の外周縁に沿って枠状に形成され、その内部に駆動質量部5、検出質量部7等を気密状態で収容している。
支持部4は、封止枠体3の内部に位置して基板2の表面に設けられている。また、支持部4は、駆動質量部5を挟んでY軸方向の両側にそれぞれ配置されている。このとき、支持部4は、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7、検出梁8からなる機能部を基板2から浮いた状態で支持している。そして、支持部4は、機能部に接続されると共に、例えば後述のビアホール17を介して機能部を外部のグランドに接続している。
駆動質量部5は、基板2の表面と隙間をもって対向し、例えば四角形の枠状に形成されている。また、駆動質量部5は、後述の駆動梁6によってX軸方向に変位可能に支持されている。さらに、駆動質量部5には、X軸方向の両端側に後述の可動側駆動電極11Aが設けられている。
駆動梁6は、駆動質量部5と支持部4との間を接続し、駆動質量部5を基板2と平行なX軸方向(水平方向)に振動可能に支持している。また、駆動梁6は、駆動質量部5の四隅を支持するために、駆動質量部5のY軸方向の両端側に2本ずつ、合計4本設けられている。
ここで、駆動梁6は、X軸方向に対して幅寸法b0および厚さ寸法aをもった細長い板状の梁によって形成され、Y軸方向に向けて平行に延びている。そして、駆動梁6は、駆動質量部5がX軸方向に振動するときに撓み変形する撓み支持梁を用いて形成されている。このため、駆動梁6は、基端側が支持部4に接続された固定端となり、先端側が駆動質量部5に接続された自由端となっている。これにより、これらの駆動梁6は、駆動質量部5を両持ち状態で支持し、駆動質量部5がX軸方向に変位するのを許容すると共に、Y軸方向およびZ軸方向に変位するのを規制している。そして、駆動質量部5がX軸方向に振動するときの駆動モードは、駆動梁6のばね定数と2つの質量部5,7の質量を加算した合計質量によって決まる共振周波数ω0を有している。
検出質量部7は、駆動質量部5の内部に位置して略四角形の平板状に形成されている。また、検出質量部7は、後述の検出梁8によって基板2の厚さ方向となるZ軸方向に変位可能に支持されている。そして、検出質量部7は、基板2に設けられた後述の検出電極14に対向した位置に配置されている。
検出梁8は、検出質量部7が基板2の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁9と、該捩れ支持梁9と検出質量部7との間に設けられると共に該捩れ支持梁9と駆動質量部5との間に設けられた接続梁10とによって構成されている。そして、検出梁8は、駆動質量部5と検出質量部7との間を接続し、検出質量部7をZ軸方向に変位可能に支持している。また、検出梁8は、検出質量部7のうちY軸方向の一側端部と駆動質量部5との間に配置されている。
このとき、検出質量部7は、Y軸方向の一端側部分が検出梁8によって支持されるのに対し、Y軸方向の他端側部分が自由端となる。このため、検出梁8は、片持ち状態で検出質量部7を支持している。
捩れ支持梁9は、捩れ軸となるX軸方向に向けて延び、検出質量部7がZ軸方向に変位するときに捩れ変形する。また、捩れ支持梁9は、幅寸法bおよび厚さ寸法aをもって直線状に延びる細長い板状の梁によって形成されている。
ここで、捩れ支持梁9は、検出質量部7に対してX軸方向の両側に分かれて2つ設けられ、これら2つの捩れ支持梁9は、駆動質量部5内に位置してX軸方向に延びている。そして、捩れ支持梁9は、検出質量部7がZ軸方向に変位するのを許容すると共に、X軸方向およびY軸方向に変位するのを規制している。さらに、検出質量部7がZ軸方向に振動するときの検出モードは、捩れ支持梁9のばね定数Kと検出質量部7の質量によって決まる共振周波数ω1を有している。
接続梁10は、捩れ支持梁9が捩れ変形するときに該捩れ支持梁9の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部を構成している。そして、接続梁10は、各捩れ支持梁9の両端側にそれぞれ設けられている。ここで、一方の接続梁10は、捩れ支持梁9の一端部側に設けられ、検出質量部7のうちX軸方向の中心部分に接続されている。また、他方の接続梁10は、捩れ支持梁9の他端部側に設けられ、駆動質量部5に接続されている。
このとき、接続梁10は、例えば捩れ支持梁9の捩れ軸方向(X軸方向)に対して直交したY軸方向に延び、捩れ支持梁9からL字形状に屈曲している。また、接続梁10は、幅寸法δ1および長さ寸法δ2をもって直線状に延びる細長い板状の梁によって形成されている。
ここで、接続梁10の幅寸法δ1は、例えば捩れ支持梁9の幅寸法bよりも小さい値に設定されている。これにより、捩れ支持梁9の両端側は、その長さ方向となるX軸方向に対して自由度をもった状態で支持されている。この結果、捩れ支持梁9が捩れ変形するときには、捩れ支持梁9の両端側が長さ方向(捩れ軸方向)に変位することができるから、捩れ支持梁9の両端側に作用する歪みや応力が低減されている。
振動発生部11は、駆動質量部5のX軸方向両側に設けられ、駆動質量部5をそれぞれ駆動振動する振動発生手段を構成している。そして、振動発生部11は、駆動質量部5に取付けられた可動側駆動電極11Aと、基板2上の電極支持部12に取付けられた固定側駆動電極11Bとによって構成されている。
このとき、駆動電極11A,11Bは、複数枚の電極板がX軸方向に平行に延びた櫛歯状電極によって構成されている。また、可動側駆動電極11Aの電極板と固定側駆動電極11Bの電極板とは、互いに隙間をもって噛合し、平行平板電極を構成している。そして、2つの振動発生部11には例えば電圧信号等の駆動信号が交互に印加され、一方の駆動電極11A,11B間と他方の駆動電極11A,11B間とに交互に静電引力(駆動力)を発生させている。これにより、振動発生部11は、駆動質量部5および検出質量部7をX軸方向に振動させるものである。
変位検出部13は、検出質量部7が基板2の厚さ方向に変位するのを検出する変位検出手段を構成している。また、変位検出部13は、検出質量部7と、基板2に設けられた検出電極14とによって構成されている。ここで、検出電極14は、検出質量部7の外側に設けられた検出用引出部15に接続されている。また、検出用引出部15は、支持部4等と同様に低抵抗なシリコン材料等を用いて島状に形成されている。
さらに、検出質量部7と検出電極14とは、Z軸方向で互いに隙間をもって対向している。そして、検出質量部7がZ軸方向に振動したときには、検出質量部7と検出電極14との間の距離が変化し、これらの間の静電容量も変化する。このため、変位検出部13は、検出質量部7がY軸周りの角速度ΩによってZ軸方向に変位するときに、その変位量を検出質量部7と検出電極14との間の静電容量の変化により角速度Ωとして検出する。
蓋板16は、例えばガラス材料等によって四角形の板状に形成され、陽極接合等の手段を用いて封止枠体3、支持部4、電極支持部12、検出用引出部15に接合されている。また、蓋板16は、検出質量部7等との対向面(裏面)側に、四角形状に凹陥したキャビティ16Aが形成されている。そして、キャビティ16Aは、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7および検出梁8と対向した位置に設けられている。これにより、駆動質量部5および検出質量部7は、蓋板16に接触することなく、振動変位することができる。
そして、蓋板16には、複数のビアホール17が厚さ方向に貫通して形成されている。このとき、ビアホール17は、支持部4、電極支持部12および検出用引出部15と対応した位置にそれぞれ形成されている。これにより、支持部4等は、ビアホール17を通じて蓋板16上に設けられた外部電極(図示せず)に接続される。このため、振動発生部11は、外部電極を通じて駆動信号を出力する振動制御回路に接続されると共に、変位検出部13は、角速度Ωを検出する角速度検出回路(いずれも図示せず)に接続されている。
次に、図4ないし図7に基づいて、本実施の形態による角速度センサ1の製造方法について説明する。
図4に示す基板接合工程では、予めシリコン基板21の裏面にエッチング処理を施して、略四角形の凹陥部22を形成する。一方、基板2となるガラス基板23の表面には、シリコン基板21の凹陥部22と対向した位置に検出電極14を形成する。その後、例えば陽極接合等の接合手段を用いて、基板2となるガラス基板23の表面に、シリコン基板21の裏面を接合する。
次に、図5に示す研削工程では、シリコン基板21の表面側を研磨して、厚さ寸法の薄いシリコン層24を形成する。このとき、シリコン層24の外縁側は、ガラス基板23に接合されている。また、シリコン層24のうち凹陥部22と対応した薄肉部24Aは、ガラス基板23と隙間をもって離間している。
次に、図6に示す機能部形成工程では、エッチング処理を施して、シリコン層24のうち薄肉部24Aに対応した位置に、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7、検出梁8を形成する。このとき、検出質量部7は、検出電極14と対向した位置に配置される。
また、シリコン層24のうち薄肉部24Aの周囲には、支持部4および電極支持部12を形成する。このとき、電極支持部12の周囲には可動側駆動電極11Aおよび固定側駆動電極11Bからなる振動発生部11を形成する。さらに、シリコン層24のうち外縁側には、駆動質量部5、検出質量部7等を取囲んで封止枠体3を形成する。
次に、図7に示す蓋板接合工程では、蓋板16となるガラス板25の裏面側に、予めキャビティ16Aとなる凹陥部26を形成する。このとき、凹陥部26は、駆動質量部5、駆動梁6、検出質量部7、検出梁8等と対向した位置に形成される。そして、例えば陽極接合等の接合手段を用いて、シリコン層24の表面に、ガラス板25の裏面を接合する。これにより、ガラス基板25は、封止枠体3、支持部4、電極支持部12に接合される。
次に、電極形成工程では、蓋板16にサンドブラスト等の穴あけ加工処理を施して、ビアホール17を形成する。このとき、ビアホール17は、支持部4、電極支持部12および検出用引出部15と対応した位置にそれぞれ形成されている。最後に、蓋板16の表面には、外部の回路と接続するための外部電極(図示せず)を設ける。そして、外部電極は、ビアホール17の内面に設けられた導体膜を通じて、支持部4、電極支持部12および検出用引出部15に対して電気的に接続する。これにより、図1ないし図3に示す角速度センサ1が完成する。そして、振動発生部11および変位検出部13は、外部電極を通じて振動制御回路および角速度検出回路等に接続する。
本実施の形態による角速度センサ1は、上述のような製造方法を用いて製造されるもので、次に検知軸となるY軸周りに角速度Ωを加えた場合の基本的な検出動作について説明する。
まず、各振動発生部11に駆動モードの共振周波数をもった駆動信号を印加すると、駆動電極11A,11B間に生じた静電引力により、質量部5,7は基板2のX軸方向(水平方向)に振動する。
そして、質量部5,7が振動している状態で、Y軸周りに角速度Ωが加わると、図3に示すように基板2のZ軸方向(垂直方向)に下記数1に示すコリオリ力F(慣性力)が発生する。そして、このコリオリ力Fによって、検出質量部7はZ軸方向に振動する。
Figure 2010096538
このとき、変位検出部13は、検出質量部7のZ軸方向の変位を検出質量部7と検出電極14との間の静電容量を用いて検出する。このため、変位検出部13から出力される検出信号を用いて、Y軸周りの角速度Ωを検出することができる。
次に、検出梁8の厚さ寸法aの加工ばらつきと検出モードの共振周波数との関係について、図8ないし図10を参照しつつ検討する。
まず、図8に示す比較例のように、捩れ支持梁からなる検出梁27の両端を固定した場合には、検出モードの共振周波数ω1は、検出梁27のばね定数Kと検出質量部7の慣性モーメントIとの関係に基づいて、以下の数2の式のように表すことができる。このとき、検出質量部7は、Z軸方向の厚さ寸法をaとし、X軸方向の長さ寸法をdとし、Y軸方向の長さ寸法をcとした。また、検出梁27の幅寸法をbとし、固定端部分から検出質量部7の接続部分までの長さ寸法をLとし、厚さ寸法を検出質量部7と同じ値とした。
Figure 2010096538
ここで、駆動モードと検出モードの共振周波数差Δωに対して、駆動梁6および検出梁27の幅寸法b0,bの加工ばらつきが与える影響について検討する。
まず、撓み支持梁からなる駆動梁6のばね定数は、その幅寸法b0の3乗に比例する。一方、捩れ支持梁からなる検出梁27のばね定数Kも、幅寸法bの3乗に比例する。このため、シリコン層24にエッチング処理を施す機能部形成工程で、駆動梁6の幅寸法b0や検出梁27の幅寸法bに加工ばらつきが生じても、これらの幅寸法b0,bは一緒に増加または減少するから、駆動モードの共振周波数ω0と検出モードの共振周波数ω1も一緒に増加または減少する。この結果、駆動梁6および検出梁27の幅寸法b0,bに加工ばらつきが生じても、この加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差Δωに与える影響は小さくなっている。
次に、駆動モードと検出モードの共振周波数差Δωに対して、駆動梁6と検出梁27の厚さ寸法aの加工ばらつきが与える影響について検討する。
まず、撓み支持梁からなる駆動梁6を用いた場合、駆動モードの共振周波数ω0は厚さ寸法aに依存しない。このため、厚さ寸法aに加工ばらつきが生じても、駆動モードの共振周波数ω0は変化しない。
一方、捩れ支持梁からなる検出梁27を用いた場合、厚さ寸法aが変化すると、数2の式中で分母側のaの2乗とcの2乗との加算値および分子側の形状因子αが変化する。このため、検出モードの共振周波数ω1は、検出梁27の厚さ寸法aに応じて変化する。このとき、形状因子αの値は、厚さ寸法aと幅寸法bとの比率に応じて決まるものであり、厚さ寸法aが幅寸法bよりも大きくなるに従って、最大値である0.333に近付いて飽和する。特に、厚さ寸法aが幅寸法bの6倍以上になると、分子側の形状因子αの値は、0.3程度の値でほぼ一定となる。
また、分母側のaの2乗とcの2乗との加算値も、検出梁27の厚さ寸法aが大きくなるに従って増加する。そこで、典型的な検出梁27および検出質量部7の寸法を用いた場合について、数2の式に基づいて、厚さ寸法aに対する検出モードの共振周波数ω1の変化率を調べた。ここで、検出質量部7のY軸方向の長さ寸法cは300μmとし、検出梁27の幅寸法bは7μmとした。この場合、厚さ寸法aを70μm以上としたときに、厚さ寸法aの変動に対する共振周波数ωの変化が小さくなる。
しかし、有限要素法を用いたシミュレーションを行った場合、数2の式に基づく結果とは異なり、厚さ寸法aが70μm以上としたときでも、厚さ寸法aが増加するに従って、共振周波数ωの変化率が大きくなることが分かった。
この理由は、検出梁27が捩れ変形したときに、検出梁27に作用する捩れ軸方向(X軸方向)の歪みや応力が大きくなるためと考えられる。具体的に説明すると、検出梁27の両端や中心部分が駆動質量部5や検出質量部7に接続されて固定されているため、検出梁27が捩れ変形したときには、検出梁27の側面にせん断歪みが作用する。このせん断歪みに伴って、検出梁27の両端側の固定部や中央の接続部分に引張り応力や圧縮応力が発生し、これらの応力によって共振周波数ω1が増加するものと考えられる。
以上の点を考慮して、本実施の形態では、検出梁8の捩れ支持梁9に作用する歪みや応力を低減するために、捩れ支持梁9の両端側は接続梁10を用いて駆動質量部5や検出質量部7に接続する構成とした。そこで、比較例と本実施の形態との両方の場合について、検出梁8,27の厚さ寸法aと共振周波数ω1の変化率との関係を調べた。その結果を図9および図10に示す。
なお、図9は、厚さ寸法aを60μmに設定したときの共振周波数を基準共振周波数としたときに、厚さ寸法aと基準共振周波数に対する共振周波数の変化率との関係を表している。また、図10は、図9中の傾きに相当するものであり、厚さ寸法aと厚さ1μm当りの共振周波数ω1の変化率との関係を示している。
また、図9および図10の特性を調べるときの前提条件として、比較例では、検出梁27の長さ寸法Lは200μmとし、幅寸法bは7μmとした。一方、実施の形態では、捩れ支持梁9の長さ寸法Lは200μmとし、幅寸法bは7μmとした。また、接続梁10は、幅寸法δ1が4μmで、長さ寸法δ2が12μmとしたとき、および幅寸法δ1が3μmで、長さ寸法δ2が8μmとしたときの2種類について調べた。
図9に示すように、比較例の場合、厚さ寸法aが基準となる60μmから離れるに従って、ほぼ一様に共振周波数ω1の変化率が増加している。一方、本実施の形態の場合、比較例に比べて、共振周波数の変化率が小さくなる。特に、本実施の形態の場合、厚さ寸法aが70μmを超えたときには、比較例の半分程度まで共振周波数ω1の変化率を抑制できることが分かる。
また、図10に示すように、本実施の形態の場合、比較例に比べて、厚さ寸法aが増加するに従って共振周波数ω1の変化率が小さくなり、共振周波数ω1のばらつきを1/2程度まで改善できることが分かった。特に、接続梁10の幅寸法δ1を小さくして、捩れ支持梁9の端部に作用する拘束力を低減すると、共振周波数ω1の変化率が小さくなることが分かった。
かくして、本実施の形態では、駆動梁6は撓み支持梁を用いて形成すると共に、検出梁8は捩れ支持梁9を用いて形成したから、例えばシリコン材料等を基板2の垂直方向に加工することによって駆動梁6および検出梁8を一緒に加工することができる。また、捩れ支持梁9の幅寸法bに加工ばらつきが生じても、駆動梁6および捩れ支持梁9の幅寸法b0,bは一緒に増加または減少する。この結果、駆動梁6および検出梁8(捩れ支持梁9)のばね定数は一緒に変化するから、駆動モードの共振周波数ω0と検出モードの共振周波数ω1とは一緒に変動する。これにより、駆動振動と検出振動との間で共振周波数差Δωが拡大しないから、幅寸法b0,bの加工ばらつきに基づく検出感度の低下を防止することができる。
また、捩れ支持梁9の両端側は接続梁10を用いて検出質量部7と駆動質量部5とにそれぞれ接続したから、捩れ支持梁9が捩れ変形するときに捩れ支持梁9の両端側に作用する歪みや応力を低減することができる。これにより、捩れ支持梁9等の厚さ寸法aに加工ばらつきが生じても、この加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差Δωに与える影響をさらに小さくすることができ、角速度センサ1の感度ばらつきを小さくすることができる。
さらに、捩れ支持梁9の端部には捩れ支持梁9から直交する方向に伸長した接続梁10を設けたから、捩れ支持梁9が捩れ変形するときには、接続梁10が撓み変形して捩れ支持梁9の端部側を長さ方向に変位させることができる。これにより、捩れ支持梁9の両端側に作用する歪みや応力を低減することができる。
また、駆動質量部5、検出質量部7、駆動梁6および検出梁8は同じ厚さ寸法aを有する構成としたから、1回の研削工程を行うことによって駆動質量部5、検出質量部7、駆動梁6および検出梁8の厚さ寸法aを一緒に設定することができる。これにより、駆動質量部5、検出質量部7、駆動梁6および検出梁8の厚さ寸法aの加工ばらつきを抑制することができ、厚さ寸法aの加工ばらつきに基づく駆動モードと検出モードの共振周波数差Δωを小さくすることができる。
さらに、捩れ支持梁9は幅寸法bに比べて厚さ寸法aを6倍以上の値に設定したから、検出梁8の共振周波数ω1に対する厚さ寸法aの影響を小さくすることができる。これにより、検出梁8の厚さ寸法aに加工ばらつきが生じても、検出梁8の共振周波数ω1の変化を小さくすることができる。
なお、特許文献1には、検出質量部を捩れ支持梁を用いて基板の厚さ方向に変位可能に支持すると共に、捩れ支持梁の両端をL字状に屈曲させて駆動質量部と検出質量部に接続した構成が開示されている。しかし、特許文献1の検出質量部は、基板と平行な状態を保持するために、その外周側の4箇所に捩れ支持梁が設けられている。このため、特許文献1の検出質量部は、これらの捩れ支持梁によって両持ち状態で支持されており、本実施の形態による検出質量部7のように、片持ち状態で支持されたものではない。
また、特許文献1では、駆動モードと検出モードの共振周波数差に対する厚さ寸法の加工ばらつきの影響を全く考慮していないから、捩れ支持梁の両端に設けたL字状の接続部分の幅寸法や2つの捩れ支持梁を連結する連結梁の幅寸法も捩れ支持梁の幅寸法に比べて大きくなっている。このため、特許文献1の構成では、捩れ支持梁が捩れ変形するときに捩れ支持梁の両端側に歪みや応力が作用するから、本実施の形態にように、駆動モードと検出モードの共振周波数差に対して検出梁8等の厚さ寸法の加工ばらつきが与える影響を低減できるという効果は得られない。
次に、図11は本発明による第2の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、駆動質量部を捩れ支持梁からなる駆動梁を用いて基板の厚さ方向に振動可能に支持し、検出質量部は撓み支持梁からなる検出梁を用いて基板と平行な水平方向に変位可能に支持する構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
角速度センサ31は、第1の実施の形態による角速度センサ1とほぼ同様に、基板2、駆動質量部5、駆動梁32、検出質量部35、検出梁36、振動発生部37、変位検出部39等によって構成されている。
駆動梁32は、駆動質量部5が基板2の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁33と、該捩れ支持梁33と基板2に固定された支持部4との間に設けられると共に該捩れ支持梁33と駆動質量部5との間に設けられた接続梁34とによって構成されている。そして、駆動梁32は、駆動質量部5と支持部4との間を接続し、駆動質量部5を基板2の厚さ方向となるZ軸方向に振動可能に支持している。
このとき、駆動質量部5は、Y軸方向の一端側部分が駆動梁32によって支持されるのに対し、Y軸方向の他端側部分が自由端となる。このため、駆動梁32は、片持ち状態で駆動質量部5を支持している。
捩れ支持梁33は、捩れ軸となるX軸方向に向けて延び、駆動質量部5がZ軸方向に変位するときに捩れ変形する。また、捩れ支持梁33は、直線状に延びる細長い板状の梁によって形成されている。
ここで、捩れ支持梁33は、駆動質量部5に対してX軸方向の両側に分かれて2つ設けられ、これら2つの捩れ支持梁33は、X軸方向に延びている。そして、捩れ支持梁33は、駆動質量部5がZ軸方向に変位するのを許容すると共に、X軸方向およびY軸方向に変位するのを規制している。
接続梁34は、捩れ支持梁33が捩れ変形するときに該捩れ支持梁33の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部を構成している。そして、接続梁34は、各捩れ支持梁33の両端側にそれぞれ設けられている。ここで、一方の接続梁34は、捩れ支持梁33の一端部側に設けられ、駆動質量部5のうちX軸方向の中心部分に接続されている。また、他方の接続梁34は、捩れ支持梁33の他端部側に設けられ、支持部4に接続されている。
このとき、接続梁34は、例えば捩れ支持梁33の捩れ軸方向(X軸方向)に対して直交したY軸方向に延び、捩れ支持梁33からL字形状に屈曲している。また、接続梁34の幅寸法δ1は、例えば捩れ支持梁33の幅寸法b0よりも小さい値に設定されている。これにより、捩れ支持梁33の両端側は、その長さ方向となるX軸方向に対して自由度をもった状態で支持されている。
検出質量部35は、駆動質量部5の内部に位置して略四角形の枠状に形成されている。また、検出質量部35は、後述の検出梁36によって基板2と平行なX軸方向(水平方向)に変位可能に支持されている。
検出梁36は、駆動質量部5と検出質量部35との間を接続し、検出質量部35をX軸方向に変位可能に支持している。ここで、検出梁36は、検出質量部35の四隅と駆動質量部5との間に位置して例えば4本設けられている。また、検出梁36は、細長い板状の梁によって形成され、Y軸方向に向けて延びている。そして、検出梁36は、検出質量部35がX軸方向に変位するときに、撓み変形する撓み支持梁を用いて形成されている。これにより、これらの検出梁36は、検出質量部35がX軸方向に変位するのを許容すると共に、Y軸方向およびZ軸方向に変位するのを規制している。この結果、駆動質量部5がZ軸方向に振動したときに検出質量部35に遠心力が作用しても、検出質量部35が検出方向となるX軸方向に変位することがなくなる。
振動発生部37は、駆動質量部5の厚さ方向の両側(一方のみ図示)に設けられ、駆動質量部5をZ軸方向に駆動振動させる振動発生手段を構成している。そして、振動発生部37は、駆動質量部5と、該駆動質量部5と対向した位置で基板2と蓋体(図示せず)に設けられた駆動電極37Aとによって構成されている。ここで、基板2に設けられた駆動電極37Aは、駆動質量部5の外側に設けられた駆動用引出部38に接続されている。また、駆動用引出部38は、支持部4等と同様に低抵抗なシリコン材料等を用いて島状に形成されている。
そして、2つの振動発生部37には例えば電圧信号等の駆動信号が交互に印加され、一方の駆動電極37Aおよび駆動質量部5の間と他方の駆動電極37Aおよび駆動質量部5の間とに交互に静電引力(駆動力)を発生させている。これにより、振動発生部37は、駆動質量部5および検出質量部35をZ軸方向に振動させるものである。
変位検出部39は、検出質量部35が基板2と平行なX軸方向に変位するのを検出する変位検出手段を構成している。また、変位検出部39は、基板2に設けられた固定側検出電極39Aと、検出質量部35に設けられた可動側検出電極39Bとによって構成されている。
ここで、固定側検出電極39Aは、検出質量部35内に設けられた電極支持部40に取付けられ、X軸方向に間隔をもってY軸方向に延びる複数の電極板を有している。一方、可動側検出電極39Bは、固定側検出電極39Aに対応して検出質量部35に設けられ、固定側検出電極39Aの各電極板とX軸方向の隙間をもって噛合する複数の電極板を有している。これにより、検出電極39A,39Bの電極板は平行平板コンデンサを構成している。
そして、変位検出部39は、検出質量部35がY軸周りの角速度ΩによってX軸方向に変位するときに、その変位量を検出電極39A,39B間の静電容量の変化により角速度Ωとして検出する。
本実施の形態による角速度センサ31は、上述のような構成を有するもので、次に検知軸となるY軸周りに角速度Ωを加えた場合の基本的な検出動作について説明する。
まず、各振動発生部37に駆動モードの共振周波数をもった駆動信号を印加すると、駆動質量部5と駆動電極37Aとの間に生じた静電引力により、質量部5,35は基板2のZ軸方向(厚さ方向)に振動する。
そして、質量部5,35がZ軸方向に振動している状態で、Y軸周りに角速度Ωが加わると、図11に示すように基板2のX軸方向に向けてコリオリ力Fが発生する。そして、このコリオリ力Fによって、検出質量部35はX軸方向に振動する。
このとき、変位検出部39は、検出質量部35のX軸方向の変位を検出電極39A,39Bとの間の静電容量を用いて検出する。このため、変位検出部39から出力される検出信号を用いて、Y軸周りの角速度Ωを検出することができる。
かくして、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図12ないし図16は本発明による第3の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、基板と平行なY軸周りの角速度に加えて、基板に垂直なZ軸周りの角速度を検出可能な構成としたことにある。
角速度センサ41は、基板42、支持部43、質量部44,48,52,58、支持梁47,51,55,61、振動発生部66,69、変位検出部72,75,78,81、振動モニタ部84,87等によって構成されている。
基板42は、例えばシリコン材料、ガラス材料等により平板状に形成され、互いに直交するX軸,Y軸及びZ軸のうち、例えばX軸とY軸とに沿って水平に延びると共に、Z軸と垂直に配置されている。
また、基板42上には、例えば導電性を有する低抵抗なシリコン材料等にエッチング加工を施すことによって、支持部43、質量部44,48,52,58、支持梁47,51,55,61、振動発生部66,69、変位検出部72,75,78,81、振動モニタ部84,87等が形成されている。
支持部43は、基板42上に位置してX軸方向の両側に設けられている。ここで、各支持部43は、基板42上に固定されY軸方向に延びた台座部43Aと、該台座部43Aに設けられ基板42から離れた位置で連結支持梁64の節部64Aに連結された3個の腕部43Bとによって構成されている。
また、各腕部43Bは、質量部44,48,52,58、支持梁47,51,55,61等を基板42から離間した状態に保持している。さらに、腕部43Bは、各質量部等を連結支持梁64の節部64A(振動の節)の位置で支持する。このため、これらの振動が節部64Aの位置で打消されるようになり、基板42に振動が伝わるのを抑制する。
第1の中央質量部44は、基板42と隙間をもって対向して配置されている。また、第1の中央質量部44は、Y軸方向に並んで配置された4個の質量部44,48,52,58のうち、第2の中央質量部48と共に中央寄りに配置されている。また、中央質量部44は、四角形の枠状に形成された第1の駆動質量部としての外側枠体45と、該外側枠体45の内側に配置された四角形の枠状体からなる第1の検出質量部としての内側枠体46と、該内側枠体46の四隅と外側枠体45との間に設けられた例えば4本のY軸方向支持梁47とにより構成されている。
ここで、外側枠体45は、中央質量部44がX軸方向(振動方向)に振動するときに、後述する連結支持梁64の撓み変形がY軸方向(検出方向)の変位となって内側枠体46に伝わるのを遮断している。また、Y軸方向支持梁47は、X軸方向に延びてY軸方向に撓み変形可能な撓み支持梁を用いて形成され、内側枠体46をY軸方向に変位可能に支持すると共に、内側枠体46がX軸方向に変位するのを規制している。
第2の中央質量部48は、中央質量部44とほぼ同様に、外側枠体49(第1の駆動質量部)、内側枠体50(第1の検出質量部)およびY軸方向支持梁51により構成されている。そして、内側枠体50は、Y軸方向支持梁51が撓み変形することによりY軸方向に変位可能となっている。
第1の外側質量部52は、Y軸方向に対して中央質量部44,48の外側に配置されている。ここで、外側質量部52は、四角形の枠状に形成された第2の駆動質量部としての外側枠体53と、該外側枠体53の内側に設けられた第2の検出質量部としての垂直振動体54と、該垂直振動体54をZ軸方向に変位(振動)可能に支持する後述のZ軸方向支持梁55とを含んで構成されている。また、垂直振動体54は、例えば四角形の平板に形成され、その中央には、図12に示す如く、電極取出孔54Aが形成されている。
Z軸方向支持梁55は、第1の実施の形態による検出梁8とほぼ同様に、捩れ支持梁56と接続梁57とからなり、検出梁を構成している。このとき、Z軸方向支持梁55は、外側枠体53と垂直振動体54との間を接続し、垂直振動体54をZ軸方向に変位可能に支持している。また、Z軸方向支持梁55は、垂直振動体54のうちY軸方向の一側端部と外側枠体53との間に配置されている。そして、Z軸方向支持梁55は、片持ち状態で垂直振動体54を支持している。
捩れ支持梁56は、捩れ軸となるX軸方向に向けて延び、垂直振動体54がZ軸方向に変位するときに捩れ変形する。また、捩れ支持梁56は、垂直振動体54に対してX軸方向の両側に分かれて2つ設けられ、これら2つの捩れ支持梁56は、外側枠体53内に位置してX軸方向に延びている。そして、捩れ支持梁56は、垂直振動体54がZ軸方向に変位するのを許容すると共に、X軸方向およびY軸方向に変位するのを規制している。
接続梁57は、第1の実施の形態による接続梁10とほぼ同様に応力低減接続部を構成し、各捩れ支持梁56の両端側にそれぞれ設けられている。ここで、一方の接続梁57は、捩れ支持梁56の一端部側に設けられ、垂直振動体54のうちX軸方向の中心部分に接続されている。また、他方の接続梁57は、捩れ支持梁56の他端部側に設けられ、外側枠体53に接続されている。
このとき、接続梁57は、例えば捩れ支持梁56の捩れ軸方向(X軸方向)に対して直交したY軸方向に延び、捩れ支持梁56からL字形状に屈曲している。また、接続梁57の幅寸法は、例えば捩れ支持梁56の幅寸法よりも小さい値に設定されている。これにより、捩れ支持梁56の両端側は、その長さ方向となるX軸方向に対して自由度をもった状態で支持されている。
第2の外側質量部58は、外側質量部52とほぼ同様に、外側枠体59(第2の駆動質量部)、垂直振動体60(第2の検出質量部)、Z軸方向支持梁61(検出梁)により構成されている。このとき、垂直振動体60の中央部分には電極取出孔60Aが形成されている。また、Z軸方向支持梁61は、Z軸方向支持梁55とほぼ同様に、捩れ支持梁62と接続梁63とによって構成されている。これにより、垂直振動体60は、Z軸方向支持梁61によって片持ち状態で支持され、Z軸方向に変位可能となっている。
そして、4個の質量部44,48,52,58は、Y軸方向に直線状に並んで配置され、全体の重心Gを中心としてY軸方向の前,後で対称形状に形成されると共に、質量部44,58と質量部48,52とが互いに逆位相でX軸方向に振動する構成となっている。
連結支持梁64は、質量部44,48,52,58を挟んでX軸方向の両側に配置され、駆動梁を構成している。各連結支持梁64は、ばね性を有する細幅な撓み支持梁を用いて形成され、Y軸方向に直線状に延びると共に、X軸方向に撓み変形可能となっている。また、各連結支持梁64の長さ方向途中部位には、高い剛性を有する幅広な連結部65を介して質量部44,48,52,58の外側枠体45,49,53,59が連結され、連結支持梁64の長さ方向両端側には外側質量部52,58が連結されている。
これにより、4個の質量部44,48,52,58は、互いに梯子状に連結された連結質量部を構成すると共に、Y軸方向に直線状に並んだ状態で各連結支持梁64によりX軸方向に振動可能に支持されている。また、これらの質量部44,48,52,58は、質量部全体の重心Gを挟んでほぼ対称に配置されている。
そして、後述の振動発生部66,69に駆動信号をそれぞれ印加したときには、図15および図16に示すように、互い隣合う質量部44,58と質量部48,52とが、これら全体の重心Gをほぼ一定の位置に保持しつつ、逆位相(位相が180°ずれた状態)でX軸方向に振動する。即ち、例えば質量部44,58がX軸方向に沿って矢示a1方向に振動するときには、質量部48,52がこれと逆向きの矢示a2方向に振動する。
このように、隣合う質量部同士が互いに逆位相で振動する振動モードは、角速度センサ41が作動するときの正規の振動モードとして予め定められているものである。この振動モードにおいて、質量部44,58と質量部48,52とは、重心Gを中心として対称な位置で安定的に振動できると共に、重心Gの周囲でバランスよく振動することによって基板42への振動伝達を抑えることができる。また、正規の振動モードでは、各連結支持梁64がX軸方向に略S字状をなして撓み変形しつつ、くねるように振動し、その長さ方向途中部位には、振動の節となってほぼ一定の位置を保持する例えば3箇所の節部64Aがそれぞれ形成される。
第1の振動発生部66(振動発生手段)は、基板42と第1の外側質量部52との間に設けられ、静電力を用いて第1の外側質量部52をX軸方向に振動させる。ここで、振動発生部66は、X軸方向に離間して2箇所に配置されている。そして、各振動発生部66は、基板42に設けられた固定側駆動電極67と、外側質量部52に設けられた可動側駆動電極68とによって構成されている。
固定側駆動電極67は、例えば複数の電極板67Aを有する櫛歯状電極によって構成されている。また、可動側駆動電極68も、例えば複数の電極板68Aを有する櫛歯状電極からなり、各電極板67A,68Aは、Y軸方向の隙間をもって互いに噛合している。
第2の振動発生部69(振動発生手段)は、基板42と第2の外側質量部58との間に設けられ、静電力を用いて第2の外側質量部58をX軸方向に振動させる。ここで、振動発生部69は、X軸方向に離間して2箇所に配置されている。そして、各振動発生部69は、基板42に設けられた固定側駆動電極70と、外側質量部58に設けられた可動側駆動電極71とによって構成されている。
固定側駆動電極70は、例えば複数の電極板70Aを有する櫛歯状電極によって構成されている。また、可動側駆動電極71も、例えば複数の電極板71Aを有する櫛歯状電極からなり、各電極板70A,71Aは、Y軸方向の隙間をもって互いに噛合している。
そして、振動発生部66,69は、駆動信号が印加されることにより静電力を発生し、これを駆動力として外側質量部52,58をX軸方向に振動させる。この場合、例えば振動発生部66が矢示a2方向の駆動力F1を発生するときに、振動発生部69は、これと逆方向(逆位相)となる矢示a1方向の駆動力F2を発生する。
第1のZ軸周り角速度検出用の変位検出部72は、基板42と中央質量部44との間に設けられ、内側枠体46がY軸方向に向けて変位するときの変位量を検出する。ここで、変位検出部72は、基板42に設けられた固定側検出電極73と、内側枠体46に設けられた可動側検出電極74とによって構成されている。
また、固定側検出電極73は、Y軸方向に間隔をもってX軸方向に延びる複数の電極板73Aを有し、第1の中央質量部44の内側枠体46内に配置されている。一方、可動側検出電極74は、固定側検出電極73に対応して中央質量部44の内側枠体46に設けられ、固定側検出電極73の各電極板73AとY軸方向の隙間をもって噛合する複数の電極板74Aを有している。これにより、電極板73A,74Aは平行平板コンデンサを構成している。
そして、変位検出部72は、内側枠体46がZ軸周りの角速度Ω1によってY軸方向に変位するときに、その変位量を検出電極73,74間の静電容量の変化により角速度Ω1として検出する。
第2のZ軸周り角速度検出用の変位検出部75は、基板42と中央質量部48との間に設けられ、内側枠体50がY軸方向に向けて変位するときの変位量を検出する。ここで、変位検出部75は、変位検出部72とほぼ同様に、基板42に設けられた固定側検出電極76と、内側枠体50に設けられた可動側検出電極77とによって構成されている。
また、固定側検出電極76は、Y軸方向に間隔をもってX軸方向に延びる複数の電極板76Aを有し、第2の中央質量部48の内側枠体50内に配置されている。一方、可動側検出電極77は、固定側検出電極76に対応して中央質量部48の内側枠体50に設けられ、固定側検出電極76の各電極板76AとY軸方向の隙間をもって噛合する複数の電極板77Aを有している。これにより、電極板76A,77Aは平行平板コンデンサを構成している。
そして、変位検出部75は、内側枠体50がZ軸周りの角速度Ω1によってY軸方向に変位するときに、その変位量を検出電極76,77間の静電容量の変化により角速度Ω1として検出する。
ここで、第1の変位検出部72は、例えば中央質量部44の内側枠体46がY軸方向に沿って矢示b1方向に変位するときに検出電極73,74間の静電容量が増大し、内側枠体46が矢示b2方向に変位するときに静電容量が減少する。これと逆に、第2の変位検出部75は、例えば中央質量部48の内側枠体50が矢示b1方向に変位するときに検出電極76,77間の静電容量が減少し、内側枠体50が矢示b2方向に変位するときに静電容量が増大する。
第1のY軸周り角速度検出用の変位検出部78は、垂直振動体54が基板42の厚さ方向に変位するのを検出する変位検出手段を構成している。また、変位検出部78は、垂直振動体54と、基板42に設けられた検出電極79とによって構成されている。ここで、検出電極79は、垂直振動体54と隙間をもって対向し、これらは平行平板コンデンサを構成している。また、検出電極79は、垂直振動体54の中央部分に設けられた検出用引出部80に接続されている。
そして、垂直振動体54がZ軸方向に振動したときには、垂直振動体54と検出電極79との間の距離が変化し、これらの間の静電容量も変化する。このため、変位検出部78は、垂直振動体54がY軸周りの角速度Ω2によってZ軸方向に変位するときに、その変位量を垂直振動体54と検出電極79との間の静電容量の変化により角速度Ω2として検出する。
そして、変位検出部78は、垂直振動体54がY軸周りの角速度Ω2よってZ軸方向に変位するときに、その変位量を垂直振動体54と検出電極79との間の静電容量の変化により角速度Ω2として検出する。
第2のY軸周り角速度検出用の変位検出部81は、垂直振動体60が基板42の厚さ方向に変位するのを検出する変位検出手段を構成している。そして、変位検出部81は、変位検出部78とほぼ同様に、垂直振動体60と、基板42に設けられた検出電極82によって構成されている。また、検出電極82は、垂直振動体60の中央部分に設けられた検出用引出部83に接続されている。
そして、変位検出部81は、垂直振動体60がY軸周りの角速度Ω2よってZ軸方向に変位するときに、その変位量を垂直振動体60と検出電極82との間の静電容量の変化により角速度Ω2として検出する。
第1の振動モニタ部84(振動モニタ手段)は、基板42と第1の外側質量部52との間に設けられ、外側質量部52がX軸方向に向けて変位するときの変位量を検出する。ここで、振動モニタ部84は、基板42に設けられた固定側モニタ電極85と、外側質量部52に設けられた可動側モニタ電極86とによって構成されている。また、モニタ電極85,86は、例えば櫛歯状電極によって構成され、隙間をもって互いに噛合している。
第2の振動モニタ部87(振動モニタ手段)は、基板42と第2の外側質量部58との間に設けられ、外側質量部58がX軸方向に向けて変位するときの変位量を検出する。ここで、振動モニタ部87は、基板42に設けられた固定側モニタ電極88と、外側質量部58に設けられた可動側モニタ電極89とによって構成されている。また、モニタ電極88,89は、例えば櫛歯状電極によって構成され、隙間をもって互いに噛合している。
そして、第1の振動モニタ部84は、例えば外側質量部52がX軸方向に沿って矢示a1方向に変位するときにモニタ電極85,86間の静電容量が減少し、外側質量部52が矢示a2方向に変位するときに静電容量が増大する。これと逆に、第2の振動モニタ部87は、例えば外側質量部58が矢示a1方向に変位するときにモニタ電極88,89間の静電容量が増大し、外側質量部58が矢示a2方向に変位するときに静電容量が減少する。
そして、振動モニタ部84,87から出力されるモニタ信号は、例えば質量部44,48,52,58の振動状態をモニタしたり、角速度Ω1,Ω2の検出信号に対して同期検波等の信号処理を行うときの基準として用いられるものである。
蓋板90は、例えばガラス材料等によって四角形の板状に形成され、陽極接合等の手段を用いて支持部43、検出用引出部80,83等に接合されている。そして、蓋板90には、複数のビアホール91が厚さ方向に貫通して形成されている。このとき、ビアホール91は、支持部43等と対応した位置にそれぞれ形成されている。これにより、支持部43等は、ビアホール91を通じて蓋板90上に設けられた外部電極(図示せず)に接続される。
本実施の形態による角速度センサ41は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、Z軸周りの角速度の検出動作について述べると、質量部44,48,52,58が振動した状態で基板42にZ軸周りの角速度Ω1が加わると、中央質量部44,48のうち一方の質量部44は、Y軸方向のコリオリ力F1が作用する。このため、中央質量部44の内側枠体46は、例えば図15に示すように、Y軸方向支持梁47が撓み変形することにより、コリオリ力F1に応じて矢示b1方向に変位する。
一方、他方の中央質量部48は、中央質量部44と逆位相(逆方向の速度)で振動しているため、中央質量部44と逆向きのコリオリ力F2が作用する。このため、中央質量部48の内側枠体50は、Y軸方向支持梁51が撓み変形することにより、例えばコリオリ力F2に応じて内側枠体46とは逆向きで矢示b2方向に変位する。
これにより、例えば変位検出部72,75からの検出信号を差動増幅した後、同期検波等の信号処理を行うことにより、加速度成分を除去した状態で角速度Ω1を検出することができる。
次に、Y軸周りの角速度の検出動作について述べると、質量部44,48,52,58が振動した状態で基板42にY軸周りの角速度Ω2が加わると、外側質量部52,58のうち一方の質量部52は、Z軸方向のコリオリ力F3が作用する。このため、外側質量部52の垂直振動体54は、例えば図16に示すように、Z軸方向支持梁55が撓み変形することにより、コリオリ力F3に応じてZ軸方向に変位する。
一方、他方の外側質量部58は、外側質量部52と逆位相(逆方向の速度)で振動しているため、外側質量部52と逆向きのコリオリ力F4が作用する。このため、外側質量部58の垂直振動体60は、Z軸方向支持梁61が撓み変形することにより、例えばコリオリ力F4に応じて垂直振動体54とは逆向きでZ軸方向に変位する。
これにより、例えば変位検出部78,81からの検出信号を差動増幅した後、同期検波等の信号処理を行うことにより、加速度成分を除去した状態で角速度Ω2を検出することができる。
かくして、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、4個の質量部44,48,52,58を隣合うもの同士が互いに逆位相で振動する構成としたから、加速度成分を除去しつつ2軸周りの角速度を高精度に検出することができる。
なお、前記各実施の形態では、捩れ支持梁9,33,56,62の端部側がL字形状となった接続梁10,34,57,63を用いて応力低減接続部を構成した。しかし、本発明はこれに限らず、応力低減接続部は、捩れ支持梁の長さ方向に対して自由度を与える構成であればよい。このため、例えば図17に示す第1の変形例による検出梁91のように、捩れ支持梁9の端部側がT字形状となった接続梁92を用いて応力低減接続部を構成してもよい。
また、前記各実施の形態では、接続梁10,34,57,63は捩れ支持梁9,33,56,62の端部から直交する方向に伸長する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、接続梁は捩れ支持梁の端部から斜めに傾斜した方向に伸長する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、検出梁8やZ軸方向支持梁55,61は、直線状に延びる捩れ支持梁9,56,62を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図18に示す第2の変形例による検出梁93のように、1回または複数回折り返した形状の捩れ支持梁94を用いる構成としてもよい。この構成は、駆動梁を捩れ支持梁を用いて形成した場合も同様に適用できる。
本発明の第1の実施の形態による角速度センサを蓋板を除いた状態で示す平面図である。 図1中の検出梁等を拡大して示す平面図である。 角速度センサを図1中の矢示III−III方向からみた断面図である。 基板接合工程を示す図3と同様な位置の断面図である。 研削工程を示す図3と同様な位置の断面図である。 機能部形成工程を示す図3と同様な位置の断面図である。 蓋板接合工程を示す図3と同様な位置の断面図である。 比較例による駆動質量部、検出質量部および検出梁を拡大して示す斜視図である。 比較例および第1の実施の形態について、検出梁の厚さ寸法と共振周波数の変化率との関係を示す特性線図である。 比較例および第1の実施の形態について、検出梁の厚さ寸法と厚さ1μm当りの共振周波数の変化率との関係を示す特性線図である。 第2の実施の形態による角速度センサを蓋板を除いた状態で示す平面図である。 第3の実施の形態による角速度センサを蓋板を除いた状態で示す平面図である。 角速度センサを図12中の矢示XIII−XIII方向からみた断面図である。 角速度センサにY軸周りの角速度が作用した状態を示す図13と同様な位置の断面図である。 角速度センサにZ軸周りの角速度が作用した状態を示す模式的な説明図である。 角速度センサにY軸周りの角速度が作用した状態を示す模式的な説明図である。 第1の変形例による検出梁等を示す図2と同様位置の平面図である。 第2の変形例による検出梁等を示す図2と同様位置の平面図である。
符号の説明
1,31,41 角速度センサ
2,42 基板
5 駆動質量部
6,32 駆動梁
7,35 検出質量部
8,36,91,93 検出梁
9,33,56,62,94 捩れ支持梁
10,34,57,63,92 接続梁(応力低減接続部)
11,37,66,69 振動発生部(振動発生手段)
13,39,72,75,78,81 変位検出部(変位検出手段)
53,59 外側枠体(駆動質量部)
54,60 垂直振動体(検出質量部)
55,61 Z軸方向支持梁(検出梁)
64 連結支持梁(駆動梁)

Claims (5)

  1. 基板と、
    該基板と隙間をもって対向して配置された駆動質量部と、
    該駆動質量部と基板とを接続し、前記基板と平行な水平方向に対して該駆動質量部を振動可能に支持する駆動梁と、
    前記駆動質量部に設けられた検出質量部と、
    該検出質量部と駆動質量部とを接続し、該検出質量部を基板の厚さ方向に向けて変位可能に支持する検出梁と、
    前記駆動質量部を水平方向に振動させる振動発生手段と、
    前記駆動質量部が振動した状態で前記検出質量部が基板の厚さ方向に向けて変位するときの変位量を検出する変位検出手段とを備えた角速度センサにおいて、
    前記検出梁は、前記検出質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁と、該捩れ支持梁と前記検出質量部との間に設けられると共に該捩れ支持梁と駆動質量部との間に設けられ該捩れ支持梁が捩れ変形するときに該捩れ支持梁の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部とからなり、
    前記検出梁は、前記検出質量部を片持ち状態で支持する構成としたことを特徴とする角速度センサ。
  2. 基板と、
    該基板と隙間をもって対向して配置された駆動質量部と、
    該駆動質量部と基板とを接続し、前記基板の厚さ方向に対して該駆動質量部を振動可能に支持する駆動梁と、
    前記駆動質量部に設けられた検出質量部と、
    該検出質量部と駆動質量部とを接続し、該検出質量部を基板と平行な水平方向に向けて変位可能に支持する検出梁と、
    前記駆動質量部を基板の厚さ方向に振動させる振動発生手段と、
    前記駆動質量部が振動した状態で検出質量部が水平方向に向けて変位するときの変位量を検出する変位検出手段とを備えた角速度センサにおいて、
    前記駆動梁は、前記駆動質量部が基板の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁と、該捩れ支持梁と前記基板との間に設けられると共に該捩れ支持梁と駆動質量部との間に設けられ該捩れ支持梁が捩れ変形するときに該捩れ支持梁の端部側に作用する応力を低減する応力低減接続部とからなり、
    前記駆動梁は、前記駆動質量部を片持ち状態で支持する構成としたことを特徴とする角速度センサ。
  3. 前記応力低減接続部は、前記捩れ支持梁の端部から直交する方向に伸長した接続梁を用いて形成する構成としてなる請求項1または2に記載の角速度センサ。
  4. 前記駆動質量部、検出質量部、駆動梁および検出梁は、同じ厚さ寸法を有する構成としてなる請求項1,2または3に記載の角速度センサ。
  5. 前記捩れ支持梁は、捩れ軸に沿って延びる板形状に形成し、板厚方向となる幅寸法に比べて捩れ軸と直交する厚さ寸法を6倍以上の値に設定してなる請求項1,2,3または4に記載の角速度センサ。
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