JP2020148840A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020148840A
JP2020148840A JP2019044321A JP2019044321A JP2020148840A JP 2020148840 A JP2020148840 A JP 2020148840A JP 2019044321 A JP2019044321 A JP 2019044321A JP 2019044321 A JP2019044321 A JP 2019044321A JP 2020148840 A JP2020148840 A JP 2020148840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
image forming
forming apparatus
bias
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019044321A
Other languages
English (en)
Inventor
深津 慎
Shin Fukatsu
慎 深津
田中 宏樹
Hiroki Tanaka
宏樹 田中
雄太 磯部
Yuta Isobe
雄太 磯部
良介 金井
Ryosuke Kanai
良介 金井
顕久 松川
Kenhisa Matsukawa
顕久 松川
小柳 崇
Takashi Koyanagi
崇 小柳
元就 伊藤
Motonari Ito
元就 伊藤
志田 和久
Kazuhisa Shida
和久 志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019044321A priority Critical patent/JP2020148840A/ja
Priority to US17/437,987 priority patent/US20220187734A1/en
Priority to PCT/JP2020/010425 priority patent/WO2020184595A2/en
Publication of JP2020148840A publication Critical patent/JP2020148840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing For Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】現像剤の適正な帯電状態を形成し、画像不良の発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、表面層は、(A)現像剤と表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)現像剤と表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部が所定の状態を検知すると、制御部が、所定のタイミングで、像担持体と現像剤担持体と間の電位差の絶対値を、所定の状態が検知される前より大きくする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置では、帯電・露光により電子写真感光体(感光体)上に静電潜像を形成し、これをトナー(現像剤)で現像してトナー像とし、記録材に転写・定着させることで、記録材に画像が形成される。
現像容器に収容されたトナーは、担持される量をトナー規制部材によって規制されつつ、現像剤担持体上に塗布される。現像剤担持体に担持されたトナーは、トナー規制部材や現像剤担持体との摩擦によって帯電され、現像領域である感光体と現像剤担持体との対向部において感光体上の静電潜像の現像に用いられる。現像剤担持体としては、トナーに対する摩擦電荷付与能を高めるために四級アンモニウム塩基や三級アミン基を含む樹脂を含む表面層を有する現像剤担持体が提案されている(特許文献1、2)。
特開2013−50715号公報 特開2014−29496号公報
しかしながら上記従来例では、低湿度環境下において、帯電されたトナーの電荷が抜けにくく、現像剤担持体に塗布されるトナーの一部が、過度に帯電されてしまう場合があった。過剰に帯電されたトナーは、現像剤担持体との間に働く鏡像力によって強固に固定され、トナー規制部材の規制力を上回り、現像剤担持体上のトナー層の乱れである規制不良が発生する。そして、規制不良によるかぶり・濃度異常等の画像不良が発生する要因となる。
本発明の目的は、現像剤の適正な帯電状態を形成し、画像不良の発生を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記像担持体と前記現像剤担持体と間の電位差を制御する制御部と、
画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
前記現像剤担持体と前記層厚規制部材と間の電位差を制御する制御部と、
画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器の開口部に配置され、前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
一端が前記現像容器に固定され、自由端である他端が前記現像剤担持体と摺動接触する現像剤シール部材と、
前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
前記現像剤シール部材にバイアスを印加する第2のバイアス印加部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
前記現像剤シール部材の表面が導電性を有し、
前記現像剤担持体に印加されるバイアスの直流成分と、前記現像剤シール部材の表面のバイアス直流成分とに差分が形成されるように、前記第1のバイアス印加部が前記現像剤担持体にバイアスを印加し、前記第2のバイアス印加部が前記現像剤シール部材にバイアスを印加する
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の回転速度を制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速
度よりも遅くする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
前記層厚規制部材にバイアスを印加する第3のバイアス印加部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
前記第3のバイアス印加部は、前記層厚規制部材に交流バイアスを印加し、
前記交流バイアスの波数は、前記現像剤担持体と前記層厚規制部材とが当接するニップを現像剤が通過する時間内に1波数以上である
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記像担持体と前記現像剤担持体との間の電位差を制御する制御部と、
画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
前記現像剤担持体と前記層厚規制部材との間の電位差を制御する制御部と、
画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器の開口部に配置され、前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
一端が前記現像容器に固定され、自由端である他端が前記現像剤担持体と摺動接触する現像剤シール部材と、
前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
前記現像剤シール部材にバイアスを印加する第2のバイアス印加部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
前記現像剤シール部材の表面が導電性を有し、
前記現像剤担持体に印加されるバイアスの直流成分と、前記現像剤シール部材の表面のバイアス直流成分とに差分が形成されるように、前記第1のバイアス印加部が前記現像剤担持体にバイアスを印加し、前記第2のバイアス印加部が前記現像剤シール部材にバイアスを印加する
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の回転速度を制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くする
ことを特徴とする。

上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
前記層厚規制部材にバイアスを印加する第3のバイアス印加部と、
を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
前記第3のバイアス印加部は、前記層厚規制部材に交流バイアスを印加し、
前記交流バイアスの波数は、前記現像剤担持体と前記層厚規制部材とが当接するニップを現像剤が通過する時間内に1波数以上である
ことを特徴とする。
本発明によれば、現像剤の適正な帯電状態を形成し、画像不良の発生を抑制することができる。
実施例1の現像装置における低湿環境における過帯電トナー抑制の概念図 実施例1の現像装置の概略断面図 実施例1係る画像形成装置の概略断面図 実施例1の現像装置の現像スリーブの概略断面図 実施例1の現像装置の現像スリーブのトナーへの帯電特性の概念図 実施例1の現像装置の現像スリーブ上のトナーの帯電性変化の概念図 実施例における画像形成装置の制御ブロック図 実施例5の現像装置の現像スリーブの概略断面図 実施例5の現像スリーブの環境差の説明図 トナー帯電量の測定が可能なファラデー・ゲージの構成の説明図 実施例5の検討結果 実施例5のタイミングチャート 実施例5の耐久によるQ/M変化の結果 実施例6の耐久によるQ/M変化の結果 実施例7の現像装置の現像スリーブの概略断面図 実施例7の現像ブレードバイアスの説明図 実施例8の現像ブレードバイアスの説明図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)の概略構成を示す模式的断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタなどが挙げられ、ここでは電子写真方式を利用して記録材P上に画像を形成するモノクロレーザプリンタに適用した場合について説明する。
また、本実施例に係る画像形成装置は、いわゆるプロセスカートリッジ方式を採用しており、プロセスカートリッジとして、画像形成装置の装置本体に対してそれぞれ独立に着脱可能な帯電装置1と現像装置2を備えた構成となっている。なお、プロセスカートリッジの構成としては、帯電装置1と現像装置2が一体に構成されたものなどでもよく、本発明の効果が得られる範囲において適宜採用されるものであり、特定の構成に限定されるものではない。
<画像形成プロセス>
プリント信号が画像形成装置本体の制御部300(図7)に入力されると、制御部300は、画像形成プロセス動作を開始し、所定のタイミングで各駆動部を駆動させ、電圧印加を開始する。本実施例に係る画像形成装置の具体的な制御構成(図7)について、詳細は後述するが、装置の各構成の動作は装置本体に設けられた制御部300によって統括的に制御される。
制御部300の制御によりモータ駆動部(図7:帯電装置駆動モータ51)によって回転駆動された感光ドラム(電子写真感光体)11は、制御部300の制御により高圧電源(図7:帯電バイアス印加部401)から帯電バイアスが印加された帯電ローラ12によって一様に帯電される。
本実施例は接触DC帯電方式を採用し、帯電ローラ12は所定の圧力で感光ドラム11と接触し、帯電ニップcを形成する。制御部300の制御により高圧電源から帯電バイアスとして帯電ローラ12に印加される直流電圧は、感光ドラム11表面と帯電ローラ12との電位差が放電開始電圧以上となるような値に設定されている。
一様に帯電された感光ドラム11は、制御部300が制御する露光手段であるスキャナユニット3からのレーザ光Lにより露光され、露光部dにおいて、その表面に静電潜像が形成される。
スキャナユニット3は、レーザダイオード・ポリゴンミラー等を含み、目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光Lを出力し、該レーザ光Lで感光ドラム11の一様帯電面を走査露光する。レーザ光Lのレーザパワーは、感光ドラム11の一様帯電処理面をレーザ光Lで全面露光した場合の電位Vlが、−100Vになるように調整されている。
その後、この静電潜像は、感光ドラム11と現像スリーブ21の対向部aにおいて、現像装置2によってトナー(現像剤)tが供給されて、トナー像(現像剤像)として可視化(現像)される。
一方、記録材Pは、制御部300の制御により、記録材収容部70から記録材供給ユニット6により分離給送され、感光ドラム11へのトナー像の形成タイミングとの同期をとられて、転写手段である転写ローラ4と感光ドラム11との対向部(転写部)へ送り出される。可視化された感光ドラム11上のトナー像は、記録材Pが転写部と通過するタイミングで、制御部300の制御により高圧電源(不図示)から転写ローラ4に印加されたバイアスによって記録材Pに転写される。
現像手段により顕像化された現像剤像を転写媒体に転写する転写手段として、接触転写手投として中抵抗の転写ローラ4を用いている。感光ドラム11に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。本例で使用の転写ローラ4は、芯金4aに中抵抗発泡層4bを形成した、ローラ抵抗値5×10Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金4aに印加して転写を行なった。
トナー像を転写された記録材Pは、制御部300に制御される画像形成装置本体内の記録材搬送経路に設けられた搬送ローラ等の搬送手段により、感光ドラム11の面から分離されて定着手段5に搬送される。ここで、記録材P上の未定着のトナー像は、制御部300に制御される定着手段5における定着ニップ部eで加熱・加圧され、記録材Pに永久定着される。
その後、トナー像が定着された記録材Pは、画像形成物(プリントコピー)として、制御部300に制御される排出ローラなどにより機外に排紙される。
一方で、トナー像転写後の感光ドラム11上に残った転写残留現像剤としての転写残トナーは、クリーニング部材14により除去され、廃トナー室13に収納される。
本実施例において、像担持体としての感光ドラム11は、φ24mmの負極性OPC感光体である。この感光ドラム11は、制御部300に制御される帯電装置駆動モータ51(図7参照)により外部から、矢印の時計方向に周速度150mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
温度検知部としての温度センサ73は、画像形成装置の周辺環境の温度を検知する。湿度検知部としての湿度センサ72は、抵抗変化型の湿度センサであり、画像形成装置の周辺環境の単位体積あたりの水蒸気量を検出する。検出された温度と水蒸気量の値は、制御部300によって、画像形成装置や現像装置の動作の制御の一部に使用される。
また、本実施例に係る画像形成装置は、画像形成プロセスにおいて、上記画像形成動作の他に、非画像形成時の動作としての前回転工程や後回転工程、連続印字時の紙間工程が、制御部300の制御によって適宜実施される。前回転工程、後回転工程では、画像形成
動作の開始や終了にあたり各部の調整動作等が行われる。連続印字時の紙間工程では、複数の記録材Pを所定の間隔を空けて連続的に搬送し、複数の記録材Pに対して連続的に画像形成を行う際の搬送間隔の調整が行われる。
<現像装置の説明>
図2は、本実施例に係る現像装置の構成を示す模式的断面図である。本実施例に係る現像装置は、感光ドラム11に対して現像剤担持体としての現像スリーブを接触させて静電潜像の現像を行う、いわゆる磁性接触現像方式を採用した構成となっている。
現像装置2は、現像容器200と、トナーtを収容するトナー容器201とで構成されている。トナーtは、磁性一成分系現像剤としての正規帯電極性が負極性のトナーである。トナー容器201の内部は、開口部を介して現像容器200の現像室の内部と連結されている。
現像容器200には、現像スリーブ21と現像ブレード23が設けられている。トナー容器201には撹拌シート24が設けられている。
現像スリーブ21は、基体としての非磁性スリーブの外周に、厚み約500μmの弾性層を形成したものである。弾性層の表面には、厚さ約10μmの表面層が形成されており、トナーと接触することで、トナーを帯電させる役割を担う。なお、現像スリーブ21については下記の<現像スリーブ>の項目で詳細に説明する。現像スリーブ21は、制御部300に制御される現像装置駆動モータ52(図7)により矢印R1方向に回転可能に現像容器200に支持されており、外径は約11mmである。現像スリーブ21は、感光ドラム11に対し、周面速度100%となるように、すなわち、感光ドラム11との接触部において両者の表面が互いに同じ方向に移動し、かつ両者の周面の移動速度がそれぞれ同じ速度となる回転速度で回転される。
ここで、本実施例における現像装置の画像形成プロセスについて、さらに説明する。
現像装置2は、現像スリーブ21が感光ドラム11に当接するように感光ドラム11の方向に押圧されている。
帯電ローラ12と現像スリーブ21には、それぞれDCバイアス(直流バイアス)を印加することができる電源として帯電バイアス印加部401、現像バイアス印加部402が接続されている(図7参照)。制御部300の制御により帯電バイアス印加部401からDCバイアスが印加された帯電ローラ12によって、感光ドラム11は一様に帯電される。
一様に帯電された感光ドラム11はその後、印字部のみ、帯電された像担持体に静電潜像を形成する手段としての露光手段であるスキャナユニット3からのレーザ光Lにより露光され、その表面に静電潜像が形成される。
レーザ露光プロセス後のドラム表面は、印字部では現像スリーブ21の表面電位よりもプラス側の電位に設定され、非印字部はマイナス側の電位に設定される。感光ドラム11と現像スリーブ21が当接する現像領域において、負極性を持つトナーは、感光ドラム11表面の印字部に移動する方向にクーロン力が働き、非印字部では現像スリーブ21表面に留まるようにクーロン力が働く。結果として、負極性を持つトナーは感光ドラム11表面の印字部にのみ供給され、トナー像として印刷画像が可視化される。
本実施例では、帯電ローラ12によって、一様に帯電された感光ドラム11の表面電位は−500Vであり、現像スリーブ21に印加されたバイアスは−300V、レーザ光Lによって露光された後の感光ドラム11表面の電位は−100Vである。
トナー層厚規制部材である現像ブレード(規制ブレード)23は、一端が現像容器200に取り付けられ、他端(自由端)が現像容器200の開口部に配置された現像スリーブ
21の周面と摺動接触(摺擦)する。現像ブレード23が一端から他端に向かって延びる方向は、現像スリーブ21の回転方向に対して逆方向(カウンター方向)となる。現像ブレード23は、現像スリーブ21上のトナーを適切な圧で規制することで、現像スリーブ21上のトナー量を適切な量に規制している。
現像ブレード23は、支持部材である金属部に、ウレタン製ゴムを取り付けたブレード部材である。当接圧は、およそ20gf/cm(現像スリーブ21の長手方向についての当接荷重)となるように当接されている。本実施例では、ウレタン製ゴムを用いているが、弾性をもった素材であればよく、SUSといった金属板や、その表面に樹脂がコートされたものを用いてもよい。
現像スリーブ21の内部にはマグネットローラ22が固定配設されており、マグネットローラ22は図示されたS1方向に磁極を持っている。S1極は、現像容器200、トナー容器201内のトナーtを現像スリーブ21に吸着させる。
現像スリーブ21の両端部には不図示の端部シール部材が配置されている。端部シール部材と、現像スリーブ21の表面は密着することでトナーのシール性を確保し、トナーが現像容器200の外部に漏れ出ないようにしている。
現像剤シール部材である吹き出し防止シート25は、ポリエチレンテレフタラートなどの材料で構成されるシート状の弾性体である。吹き出し防止シート25は、一端が現像容器200に取り付けられ、他端(自由端)が現像容器200の開口部に配置された現像スリーブ21の周面と摺動接触(摺擦)することで、トナーの現像容器200外部への漏れを防いでいる。吹き出し防止シート25が一端から他端に向かって延びる方向は、現像スリーブ21の回転方向に対して順方向となる。
撹拌シート24は、可撓性をもっており、撹拌軸26に固定されている。撹拌軸26は、制御部300に制御される現像装置駆動モータ52によって回転される。撹拌シート24は、撹拌軸26が回転することにより、トナー容器201内部を回転する。
トナー容器201内部を回転する撹拌シート24は、トナー容器201の内壁に対し、所定の侵入量を持って当接し、容器内のトナーtを解す。さらに、撹拌シート24がトナー容器201内壁を擦って回転する際にトナーtを搬送する。
また、トナーtを搬送した撹拌シート24は、現像スリーブ21表面にマグネットローラ22の磁力によって引き寄せられたトナーtをトナー容器201に持ち帰り、トナー容器301内と現像容器200の現像室内との間のトナーtの循環を活発にしている。
現像部材を有する現像手段としての現像装置2は、感光ドラム11上に形成された静電潜像に現像剤を供給する。本件では現像剤は負極性の重合磁性トナーを用いる。磁性トナーの重量平均粒径7.8μm、磁性体の入れ目を65部とした。また、本実施例の画像形成装置に用いる磁性トナーは、平均円形度が高い方が好ましい。具体的には、0.960以上、更に好ましくは0.970以上であると、現像剤担持体とトナーの接触が活発に行われ、本発明での効果が得られやすい。
本実施例における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本実施例では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下記式1により求める。更に下記式2で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
〔式1〕
〔式2〕
なお、本実施例で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、まず各粒子の円形度を算出する。算出後、平均円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.000を所定の間隔で分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。なお、具体的には、円形度0.400〜1.000を0.010間隔で、0.400以上0.410未満、0.410以上0.420未満・・・0.990以上1.000未満及び1.000の如くに61分割した分割範囲に分けている。
この算出法で算出される平均円形度の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度である。そのため、本実施例においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いている。
磁性トナーは、現像部材に電圧を印加する電圧印加手段としての現像バイアス電源から現像バイアス(Vdc)−300Vが印加された、現像担持体としての現像スリーブ21により現像することができる。本実施例では、接触現像方式を採用しているため、現像スリーブ21は感光ドラム11と接触している。
<現像スリーブ>
図4は、現像剤担持体としての現像スリーブ21、及び磁力発生部材(磁界発生手段)としてのマグネットローラ22の模式的断面図である。
現像スリーブ21は、図4のように外径11mm、内径9mmの中空のアルミ素管(基体21c)の周囲に500μmの導電性弾性ゴム層(弾性層21b)を設けたもので、導電性弾性ゴム層の表面(表面層21a)は現像剤搬送のため、表面粗さRa1.0μm〜4.0μmの粗さを設けている。現像装置中の現像剤としての磁性一成分ブラック現像剤(負帯電特性)Tは、現像装置内部で撹拌シート24によって撹拌され、現像スリーブ21近辺まで搬送される。搬送された現像剤Tは、現像スリーブ21の内側に固定配置されたマグネットローラ22の磁力により現像スリーブ表面に供給される。現像スリーブ表面に供給された現像剤は、現像ブレード23の規制ニップfを通過することで均一薄層化、ならびに現像剤が回転し、現像スリーブ21と摩擦帯電にされることによって負極性に帯電させられる。その後、感光ドラム11と接触する現像位置まで搬送され、静電潜像を現像する。
・基体
基体21cは、現像スリーブ21の電極、および支持部材として機能するものである。金属または合金、導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。
・弾性層
弾性層21bは、現像スリーブ21と感光ドラム11との当接部において、所定の幅のニップを形成するためのものである。
・表面層
表面層21aには、素早く未帯電トナーを帯電させつつ、過帯電トナーを抑制し、適正な帯電量のトナーを増やすことができる材料を用いる。本実施例では、(A)電子供与性を持つ官能基(以下、電子供与性官能基A)と、(B)電子受容性を持つ官能基(以下、電子受容性官能基B)の二つの分子構造からなるウレタン樹脂から、表面層31aを形成している。
・電子供与性官能基A
現像スリーブ21の表面層21aにおいてトナーtへ電荷を主に与える電荷供与部とし
て機能する電子供与性官能基Aは、非共有電子対を有する三級アミン基(三級アミン構造)を含んでいる。非共有電子対は、電子が豊富であるため、電子供与性基としてふるまう。その結果、未帯電トナーや正極性トナーに十分な電荷を供与できる。
・電子受容性官能基B
現像スリーブ21の表面層21aにおいてトナーから電荷を受け取る電荷受容部として
機能する電子受容性官能基Bは、カーボネート結合を有しており、一つの炭素原子に3個の酸素原子が結合している。酸素原子は炭素原子よりも電気陰性度が大きいため、炭素原子中の電子密度は低くなっており、カーボネート結合は電子を受容しやすく、過度に帯電されたトナーの電荷を受容できる。
図5は、電子供与性官能基A、電子受容性官能基B、未帯電または逆極性トナー、過帯電トナー、適正帯電トナーのフェルミ準位の概略図である。表面層21aの働きをフェルミ準位の概念を用いて説明する。ここで、電子供与性官能基Aは、トナーと表面層21aとが摩擦することで電荷を授受する際に、トナーへ電子を主に与える電子供与部に相当する。摩擦における接触対象となるトナーには、過帯電トナー、適性帯電トナー、未帯電トナー/逆帯電トナーが含まれる。また、主にとは、電子(電荷)の授受対象となるトナーに対して、電子を与える機能が、電子を受け取る機能よりも強く働くことを意味する。また、電子受容性官能基Bは、トナーと表面層21aとが摩擦することで電荷を授受する際に、電荷を主に受け取る電子受容部に相当する。上述と同様に、摩擦における接触対象となるトナーには、過帯電トナー、適性帯電トナー、未帯電トナー/逆帯電トナーが含まれる。また、主にとは、電子(電荷)の授受対象となるトナーから電子を受け取る機能が、電子を与える機能よりも強く働くことを意味する。
縦軸は、電子のエネルギー準位を示しており、上に行くほど電子が高いエネルギーを有していることを示している。異なる2つ準位を持つ物質が摩擦を行った場合には、高い準位から低い準位の物質へ電子が移動し、それぞれ正極性と負極性に帯電する。現像スリーブ21は、基体21cに電源(現像バイアス印加部402)が接続されており、制御部300の制御により一定のDCバイアスが印加されているため、摩擦で授受した電子と同量の電子を電源から供与または受領され、フェルミ準位が任意の高さに維持される。一方、トナーは、摩擦によって一度移動した電子は基本的に、そこからさらに移動することができず、帯電状態を維持する。よって、トナーの場合は帯電することによって、電子を受容した場合はフェルミ準位が高く、電子を供与した場合はフェルミ準位が低くなる。
本実施例では、トナーに負極帯電性を有するものを使用しており、図5中の未帯電トナーは他に比べてフェルミ準位が低く、他の部材から電子を受領しやすい。現像スリーブ21の表面層21aを形成する電子供与性官能基Aや電子受容性官能基Bと摩擦することで負極性に帯電し、帯電量に応じてフェルミ準位が上昇する。摩擦時のフェルミ準位の差が大きいほど電子の授受が急速である。電子供与性官能基Aは、三級アミン基を含み、未帯電トナーとのフェルミ準位差が大きいため、画像形成に必要な帯電量を素早く供与することができる。
同様に、過帯電トナーは、他に比べてフェルミ準位が高く、他の部材へ電子を供与する。電子受容性官能基Bは、カーボネート結合を有するため、過帯電トナーとのフェルミ準位差が大きく、過度な帯電量をもったトナーからすばやく電子を受領することができる。そして、電子供与性官能基Aと電子受容性官能基Bとの摩擦を繰り返すことで、トナーのフェルミ準位は、電子供与性官能基Aと電子受容性官能基Bのフェルミ準位の間の領域に
収束する。その結果、すばやく未帯電トナーを帯電させつつ、過帯電トナーを抑制し、適正な帯電量のトナーを増やすことで、良質な画像を現像することができる。
本実施例では部分結合Aとカーボネート結合の作る領域が画像形成に適していた。しかし、電子供与性官能基Aと電子受容性官能基Bは、この組み合わせに限定されるようなことはなく、トナーと電子供与性官能基Aと電子受容性官能基Bが同様のフェルミ順位関係を形成できればよい。例えば正極性トナーを用いる場合には電子供与性官能基Aと電子受容性官能基Bが別の物質であることが容易に想像できる。
<現像剤担持体の作製>
(弾性ローラの作製)
外径10mmで算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管にプライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布し、焼付けして、基体21cを得た。この基体21cを金型内に配置し、下記に示す材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を該金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製) 100質量部
・カーボンブラック(商品名トーカブラック#4300;東海カーボン社製 15質量部・シリカ紛体(耐熱性付与剤として) 0.2質量部
・白金触媒 0.1質量部
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体21cを金型から脱型した後、当該基体21cを、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。このようにして、基体21cの外周に膜厚0.7mm、直径11.4mmのシリコーンゴム弾性層21bが形成された弾性ローラを作成した。
(表面層の作製)
本実施例における現像スリーブ21表面層は、ウレタン樹脂を含み、該ウレタン樹脂は、分子内にカーボネート結合を有し、かつ、構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有すること特徴とする。
[化1]
なお、構造式(1)中、
R15は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは1以上4以下の整数であり、nが2以上4以下の場合においては、複数のR15は各々独立して上記と同様に定義される。
R11〜R14は、各々独立に、下記(a)〜(d)から選ばれる何れかであり、nが2以上4以下の場合において、複数のR14は各々独立して上記と同様に定義され、但し、n=1の場合においては、R11〜R14の全てが、下記(b)〜(d)から選ばれる何れかであり、n=2以上4以下の場合においては、R11〜R13および2〜4個のR14のうちの少なくとも4つが、下記(b)〜(d)から選ばれる何れかである。
(a)水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基
(b)炭素数1以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基
(c)炭素数2以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のアミノアルキル基
(d)下記構造式(2)で示される基
[化2]
なお、構造式(2)中、mは2または3である。複数のR21はそれぞれ独立して炭素数2以上5以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表す。
以下に本実施例の表面層を得るための製造例を示す。
(イソシアネート基末端プレポリマー合成)
以下に表面層21aのウレタン樹脂を合成するための原料の一つである、イソシアネート基末端プレポリマーの合成例を示す。
窒素雰囲気下、反応容器中でイソシアネート(pure−MDI、商品名:ミリオネートMT 東ソー社製)30.8質量部を、最終的な固形分が50%になるようメチルエチルケトン(以下MEK)に溶解させた。その後、(ニッポラン982、東ソー社製)100.0質量部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。
滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、固形分50%、イソシアネート基含有量4.7重量%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
(アミノ化合物の合成)
撹拌装置、温度計、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、撹拌しながら、原料となるアミノ化合物として1,4−ジアミノブタン10.0g(0.11mol)、反応溶媒として純水200mlを40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、付加原料としてプロピレンオキシド38.3g(0.66mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに2時間撹拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱して水を留去し、アミノ化合物(テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)ブチレンジアミン)を得た。
(表面層の作製)
表面層21aの材料として、以下の材料を撹拌混合した。
・イソシアネート基末端プレポリマー:84.8質量部
・アミノ化合物(テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)ブチレンジアミン):15.2質量部
・カーボンブラック(商品名MA−230、三菱化学社製):10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製):30.0質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、MEKで粘度10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作成した弾性ローラを、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラの弾性層21bの表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度160℃にて1時間加熱処理することで弾性層21bの外周に膜厚約15μmの表面層21aを設け、実施例1に係る現像スリーブ21を作成した。
<ブロック図>
図7を用いて、本発明の実施例に係る画像形成装置の制御構成について説明する。図7は、画像形成装置の制御ブロック図である。
制御部300は、演算処理を行う中心的素子であるCPU(中央演算処理ユニット)301、記憶手段であるR0M、RAMなどのメモリ302、周辺機器との情報の入出力を行う入出力I/F303等を有している。RAMには、センサの検知結果、演算結果などが格納され、R0Mには制御プログラム、あらかじめ求められたデータテーブルなどが格納されている。制御部300は、画像形成装置の動作を包括的に制御する制御手段であり、画像形成装置における各制御対象が入出力I/F303を介して接続されている。制御部300は、各種の電気的情報信号の授受や、駆動のタイミングなどを制御しており、後述するフローチャート処理などを司る。
モータ駆動部は、帯電装置を駆動するモータ51や現像装置を駆動するモータ52を含む各種モータを指し、感光ドラム11、現像スリーブ21等を回転駆動するための駆動源で、制御部300からの制御信号に基づき動作する。高圧電源は、感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像スリーブ21、転写ローラ4、定着装置5等に高電圧を印加する電源である。また、制御部300には、画像形成装置が使用されている環境情報を検知する環境検知手段として湿度センサ72や温度センサ73などの環境センサが接続されている。
<低湿環境での過帯電トナー抑制>
しかしながら、上記の現像スリーブ21を使用しても、画像形成装置周辺の相対湿度が低い低湿度環境などでは、過帯電トナーが、鏡像力により、現像スリーブ21に対して強固に固定され、規制部材である現像ブレード23の規制力を上回ることがあった。これにより、現像スリーブ21上のトナー層の乱れが発生する、規制不良などの課題が発生することがあった。
その原因は、低湿度環境では過帯電するトナーの量は増えるが、電子受容性官能基Bのフェルミ準位は変化しないためである。通常、トナーに帯電した電荷は、その一部が大気中に含まれる極性分子である水蒸気を通して抜けていく。しかし、低湿度環境では大気中の水蒸気が少ないため、抜けていく電荷量が少ない。その結果、図6に示すように、過帯電トナーの量が低湿度環境では増大する。電子受容性官能基Bのフェルミ準位は、低湿度環境でも変化しないため、フェルミ準位差による過帯電トナーの電荷の受容が十分でなく、規制不良などの課題に繋がる。
そこで本実施例では、低湿環境では、電子受容性官能基Bに対するトナーの電荷のクーロン力を大きくすることにより、過帯電トナーから電子受容性官能基Bに受容される電荷の量を増やすことで、上述の課題を解決した。以下にそのメカニズムについて詳細に説明する。
本実施例の画像形成装置で採用している接触現像方式では、現像スリーブ21表面のトナーは感光ドラム11と接触しながら、現像スリーブ21と感光ドラム11との当接部を通過する。現像に使用されない非印字部のトナーは、そのまま再度現像ブレード23によって規制され、現像スリーブ21と感光ドラム11との当接部に到達する。過帯電トナーは、このプロセスを繰り返すことで発生する。
非印字部では、感光ドラム11と現像スリーブ21の間に、絶対値で200Vの電位差がかかっている。感光ドラム11の表面電位は−500V、現像スリーブ21に印加されたバイアスは−300Vのため、負極性トナーの持つ電荷には現像スリーブ21に向けてクーロン力が働いている。
ここで、本実施例では、環境検知手段として画像形成装置内に配置された湿度センサ72及び温度センサ73が、画像形成装置の周辺環境の相対湿度を検知する。制御部300
は、所定の環境状態として、検知結果により周辺環境が低湿度と判断した場合は、画像形成動作プロセスにおける後回転工程時において、感光ドラム11と現像スリーブ21の当接部における電位差の絶対値を画像形成時の200Vよりも大きな値に変更し、2秒間の回転動作を行った。
本実施例では、制御部300は、湿度センサ72によって画像形成装置周辺の体積当たりの水蒸気量を検出し、温度センサ73によって測定された温度における飽和水蒸気量との関係から相対湿度を算出する。制御部300は、相対湿度が30%を下回った場合に低湿度環境と判断する。なお、周辺環境が低湿度であるとの判断を制御部300が下すための所定の閾値となる相対湿度は、本実施例では30%としたが、これに限定されるものではない。
低湿度環境では、後回転工程時に感光ドラム11の表面電位を−600Vとすることで、感光ドラム1表面と現像スリーブとの電位差の絶対値を300Vに変更した。すると過帯電トナーの電荷に対して、さらに大きなクーロン力が加わり、電子受容性官能基Bで受容される電荷の量が増大する。その結果、図6に示した残留過帯電トナーの量を抑制することが可能である。
すなわち、低湿環境でのみ感光ドラム11と現像スリーブ21当接部の電位差を大きくすることにより、通常の湿度の環境ではトナーの帯電量を変えることなく、低湿環境の過帯電トナーの発生を抑制することが可能である。
下記表1に、実際の本実施例での検討の結果を示す。
図3に示す画像形成装置において、2枚印字のジョブを20秒に1回行う動作を100枚出力した後の現像スリーブ21上のトナーの帯電量の分布を測定した。測定にはホソカワミクロン社製のイースパートアナライザ(EST−G)を使用した。イースパートアナライザは電界中の空気振動場における粒子の運動を、レーザドップラー法で検知し、そのデータから個々の粒子の帯電量と粒子径を同時に計測する測定装置である。粒子径とトナーの密度からトナーの質量を計算することで、単位質量あたりのトナーの電荷量を算出することができる。使用したトナーは平均粒径8μmの一成分磁性トナーであり、密度は1.5g/cmである。検討環境は温度15℃、相対湿度10%である。本検討で用いたトナーは、負極性に帯電するトナーであり、今後、特別な明記がない場合は、負極性の帯電量を表す。また、電荷量が15μC/g以上のトナーを画像弊害が発生する可能性のある過帯電トナー、2μC/g以上15μC/g以下のトナーを適切な帯電量のトナー、2μC/g未満のトナーは現像性に悪影響を与える可能性のある未帯電トナーとした。
表1より、通常湿度感光ドラム/現像スリーブ間の電位差200Vに設定すると、通常の湿度(相対湿度30%以上)では過帯電トナーは5%存在していた。
しかし、低湿度環境では帯電量15μC/g以上の過帯電トナーが15%と増加し、規制不良などの画像不良が発生することがあった。しかし電位差を300Vにすることで、過帯電トナーが減少し、適切な帯電量である2〜15μC/gのトナー量が増加した。
(表1)実施例1での感光ドラム/現像スリーブ電位差とトナー帯電量の関係
表2に、特許文献1で提案されている従来の現像スリーブを用いた構成を比較例1とし
、その検証結果を示す。比較例1では、現像スリーブの表面層を、トナーへの摩擦電荷付与能を高めるために、電子供与性官能基でのみ構成している。比較例1の現像スリーブでは通常環境では速やかにトナーを帯電することが可能であるが、電子受容性官能基Bをもたないため、低湿度環境における過帯電トナーの比率は実施例1に比べて増加した。また、表面層に電子受容性官能基を持たないため、感光ドラムと現像スリーブの電位差を広げても過帯電トナーは減少しなかった。
(表2)比較例1の現像スリーブの場合
表3に、本実施例の構成を用いた場合の評価結果を示す。周辺環境として温度15℃湿度10%の低温低湿度環境下で、2枚印字のジョブを20秒に1回行う印字動作を、300枚出力した場合の結果である。本評価では、画像形成後の後回転工程に、感光ドラムと現像スリーブの電位差の絶対値を300Vへ広げて2秒間の後回転動作を行った。また、比較例1として、特許文献1に記載の現像スリーブを用い、画像形成後の後回転時に、感光ドラムと現像スリーブの電位差の絶対値を300Vへ広げて動作させたものを行った。さらに、比較例2として、実施例1の構成における後回転時の感光ドラムと現像スリーブの電位差の絶対値を200Vで保持した状態で耐久を行った。
○は、異常なしを示し、△は、ハーフトーンなどの濃度異常が発生する軽微な規制不良を示し、×は、白地にトナーが印刷されてしまう規制不良を表している。
(表3)評価結果
本実施構成では、低温環境においても、感光ドラムと現像スリーブの電位差を広げることで、本構成の現像スリーブ21の機能を十分に発揮し、安定的な画質を得ることができた。
なお、本実施例では、2枚おきの後回転工程で電位差を広げた動作を実施しているが、これに限られたものではない。例えば、前回転動作や紙間動作工程など、他の非画像形成時に電位差を変更しても良いし、画像形成に影響がない範囲で、画像形成動作中の電位差を広げてもよく、複数の工程を組み合わせて行ってもよい。また、枚数もこれに限らず、ある一定の枚数ごとに、動作を行うことで過帯電トナーの割合を抑制することができる。
実施例1では制御部300が低湿度環境を判断するために、体積中の水蒸気量と温度から算出した相対湿度を基準とした。しかし、過帯電トナーの増加と関係が取れていれば相対湿度以外でも、体積中の水蒸気量や、水蒸気分圧、絶対湿度など、装置周辺の水蒸気量が反映された環境情報を指標にして低湿度か否かを判断してもよい。
実施例1では、感光ドラム1と現像スリーブ21との間の電位差を変更するのに感光ドラム1の表面電位を変更した。すなわち、制御部300が帯電バイアスの大きさを制御す
ることで、感光ドラム1の表面電位を変更した。感光ドラム1と現像スリーブ21との間の電位差を変更する方法としては、これに限られず、例えば、現像スリーブ21の電位を変更してもよい。すなわち、制御部300が現像バイアスの大きさを制御することで変更してもよい。あるいは、制御部300が帯電バイアスと現像バイアスの両者のそれぞれの大きさを制御することで変更してもよい。さらに露光を行うことによって感光ドラム1の表面電位を変更する方法を組み合わせてもよい。
また実施例1ではトナーとして一成分磁性トナーを使用したが現像装置の配置や、供給部材を追加することで、磁力以外でトナーを供給することができれば、非磁性トナーを使用しても構わない。
[実施例2]
本発明の実施例2における特徴的構成は、制御部300による感光ドラムと現像スリーブの電位差の制御タイミングを、連続印字動作の枚数により制御する点である。その他の部分は、前述の実施例1の構成と同一であるから、同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
実施例1では低湿度環境での画像形成動作中に、感光ドラム11と現像スリーブ21との間の電位差を変更したが、通常環境においても過帯電トナーが増加することがある。前述したように現像スリーブ上の現像に使用されない非印字部のトナーは、現像ブレードによる摩擦帯電が繰り返されることになる。
印刷動作が終了すると、帯電したトナーの電荷は一部が大気中へ抜けていく。しかし、休止時間が短い状態で連続した印刷動作が行われた場合は、大気中へ抜けていく電荷量よりも、現像ブレードによる摩擦帯電が繰り返されることによる電荷量が多くなり、過帯電トナーが増加する。
そこで、実施例2では、制御部300が、連続的に画像形成を行う記録材の数が所定数に達する毎に、具体的には、連続印字20枚毎に、印字中断動作を行い、中断動作において、感光ドラムと現像スリーブの電位差の絶対値をΔ300Vへ広げ、2秒間動作させた。
比較例3として、電位差の絶対値を広げずΔ200Vの状態で、同様の中断動作を行った。
本構成を用いた場合の作用および評価結果を以下に示す。評価は、周辺環境として温度23℃湿度50%の通常温湿度環境下で、印字パターンとしては、4%の印字率となる画像を用い、計500枚出力した時の画像サンプルを出力し、画像評価を行った。また、500枚出力直後の現像スリーブ21上のトナーの帯電量の分布を測定した。
表4に示すように、通常環境であっても、比較例3の場合、帯電量15μC/g以上の過帯電トナーが15%を超えていた(g)。しかし、実施例2のように、感光ドラムと現像スリーブ間の電位差の絶対値を300Vにすることで、過帯電トナーが減少し、適切な帯電量である2〜15μC/gのトナー量が増加した(h)。
(表4)通常環境における通過回数の影響
表5に画像評価結果を示す。表中の○△×は、実施例1と同様の評価結果を示す。
(表5)実施例2の評価結果
本実施構成においては、耐久を通して画像弊害なく、良好な画像を得ることができ、比較例3は、規制不良から発生するかぶりが見受けられた。従って、本実施構成では、連続された印字動作であっても、感光ドラムと現像スリーブの電位差を広げることで、本構成の現像スリーブ21の機能を十分に発揮し、安定的な画質を得ることができた。
本実施例では、連続印字動作に応じて電位差を広げた回転動作を行っているが、これに限定されたものではない。印字率が低い場合、現像スリーブ上にトナーが長時間滞留することになり、過帯電トナーの割が上昇しやすい。そのため、低印字が繰り返されていることを検知した場合に、電位差を広げる動作を行うことも可能である。単位時間当たりに現像スリーブ上のトナーが現像ブレードを通過する回数が所定の回数以上となる場合に、過帯電トナーを抑制するように実施できればよい。
使用状況として、画像形成を行った記録材の枚数に限られるものではなく、例えば、単位時間当たりのトナー消費量や現像スリーブの回転数に応じて、電位差制御の要否を判断してもよい。この場合、制御部300が、現像剤消費速度検知手段や連続動作検知手段として機能する。
[実施例3]
本発明の実施例3における特徴的構成は、現像装置であり、現像スリーブと現像ブレード間の電位差を制御する点である。その他の部分は、前述の実施例1の構成と同一であるから、同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
<現像装置>
実施例3では、トナーの帯電量をコントロールするために、トナー層厚規制部材である現像ブレード23を電源(図7:ブレードバイアス印加部403)に接続し、現像ブレード23と現像スリーブ21の間に電界を設けている。その他の構成は、実施例1と同様に、図2に示す現像装置の構成を用いている。実施例と同一の構成は、説明を省略する。
トナー層厚規制部材である現像ブレード23は、現像スリーブ21上のトナーを適切な圧で規制することで、現像スリーブ上のトナー量を適切な量に規制している。本実施例の現像ブレードを構成する材料としては、トナーの帯電をコントロールするために、ステンレス鋼(SUS)板の表面に0.5mm厚の導電性ウレタン樹脂を張り付けたブレードを用いる。また、SUS板には、DCバイアスが印可できる電源が接続されている。本実施例では、現像スリーブに印加する−300Vに対し、現像ブレードへ−500Vを印可している。
<低湿環境での過帯電トナー抑制>
本実施例における過帯電トナーの抑制について説明する。
本実施例で採用している現像装置2では、現像スリーブ21に−300Vを印加し、現像ブレード23に−500Vを印可しているため、絶対値の大きさが200Vの電位差がかかっている。負極性の電荷をもつトナーは、現像スリーブ21に向けてクーロン力が働
いている。
本実施例では、制御部300は、画像形成装置内に配置された環境検知手段としての湿度センサ72及び温度センサ73によって周辺環境を低湿度と判断した場合は、現像スリーブと現像ブレードの電位差の絶対値を200Vよりも大きな値に変更した。低湿度の判断は、実施例1と同一のため説明を省略する。
低湿度環境では、現像ブレードに印加する電圧を−600Vとすることで、電位差を300Vに変更した。すると、過帯電のトナーへ、さらに大きなクーロン力が加わり、電子受容性官能基Bで受容される電荷の量が増大する。その結果、図6に示した残留過帯電トナーの量を抑制することが可能である。
表6に実施例3を用いた場合の現像スリーブ上のトナーの帯電量を示す。
(表6)実施例3での現像スリーブ/現像ブレード電位差とトナー帯電量の関係
表6に示すように、通常湿度環境において現像スリーブと現像ブレード間の電位差の絶対値を200Vに設定すると、過帯電トナーは5%存在していた(i)。しかし、低湿環境では、過帯電トナーの割合は、15%と増加してしまい、規制不良による画像不良が発生した(k)。しかし、現像スリーブと現像ブレード間の電位差を300Vへ増加することで、過帯電トナーの割合を抑制し、かつ、適切な帯電トナーの割合を増加した(l)。通常湿度環境で同様に電位差を300Vと増加すると、電子受容官能基Bで受容できる電荷の量が増加するため、過帯電トナーの割合を抑制することができる。しかし、未帯電トナーの割合が増加し、現像性の低下が発生した(j)。
表7に、本構成を用いた場合の評価結果を示す。評価は、実施例1と同様に、2枚印字のジョブを20秒に1回行う印字動作を、温度15℃湿度10%の低温低湿度環境下で300枚出力した。本実施例では、低湿度環境下で、現像スリーブと現像ブレードとの電位差の絶対値を300Vへ広げて動作させた。比較例4として、電位差を200Vで保持した状態で印字動作を行った。
表中の○△×は、実施例1と同様の結果を示す。
(表7)評価結果
本実施構成により、連続された印字動作であっても、現像ブレードと現像スリーブの電位差を広げることで、本構成の現像スリーブ21の機能を十分に発揮し、安定的な画質を得ることができた。
これまで説明したように、本実施例では、通常湿度環境における現像スリーブの能力を
維持しつつ、低い湿度へ環境が変化した時の電子受容性官能基Bの働きを、現像ブレードに印加するバイアスを制御することで、全環境で安定した画像品質を提供することができる。
本実施例では、現像方式として磁性接触現像方式を使用したが、これに限定されるものではない。現像スリーブの両端に間隔保持部材を取り付け、間隔保持部材と感光ドラムが当接することで、現像スリーブは感光ドラムと微少隙間をもって保持される非接触現像方式でも構わない。その際、現像スリーブの内部に固定配設されるマグネットローラの磁極配置と磁力は、適宜変更することが望ましい。
また、現像スリーブへ印可されるバイアスは、DCバイアスに限定されるものではなく、ACバイアスでも構わない。このとき、現像スリーブと現像ブレード間の電位差を保てるよう、AC周期は同期させておく。
また、実施例3においても、実施例2のように、所定の使用状況として、単位時間当たりのトナー消費量や現像スリーブの回転数などに応じて、電位差を増加する制御を実施することも可能である。
[実施例4]
本発明の実施例4における特徴的構成は、現像装置であり、現像スリーブと吹き出し防止シート表面との電位差をつける構成を有している点である。その他の部分は、実施例1の構成と同一であるから、同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
<現像装置>
実施例4では、磁性接触現像方式を採用し、実施例1と同様の現像装置の構成を用いており、実施例1と同一の構成は、説明を省略する。
実施例4では、現像剤シール部材としての吹き出し防止シート25について、現像剤担持体に摺察する側の表面をアルミ蒸着したシートを用いている。
また、吹き出し防止シート25の表面には、DCバイアスが印加できる電源(図7:吹き出し防止シートバイアス印加部404)が接続されている。本実施例では、現像スリーブに印加するバイアス−300Vに対し、吹き出し防止シート表面25aに−500Vを印加している。よって、現像スリーブと吹き出し防止シートとのニップ部で、絶対値の大きさが200Vの電位差がかかっている。
そのため、負極性の電荷をもつトナーは、吹き出し防止シートとのニップ部で現像スリーブに向けたクーロン力が働く。
低印字画像形成時において、現像後の現像スリーブ上の残トナーは、鏡映力の強い強ネガトナーが多い傾向がある。そのため、吹き出し防止シートとのニップ部で、強ネガの現像残トナーは現像スリーブに押し付けられるクーロン力が強く、電子受容性官能基Bで受容される電荷の量が増大する。その結果、現像後にスリーブ上に残留した過帯電トナーの帯電量を下げることが可能となる。
表8に、本実施例を用いた場合と、比較例5として、現像スリーブと吹き出し防止シート表面との電位差を0Vに設定した場合の、ベタ黒現像後(黒後)と、ベタ黒現像後さらにスリーブ100周回転した後(白後)の現像スリーブ上のトナー帯電量を示す。
(表8)実施例4の現像スリーブ/吹き出し防止シート表面間電位差とトナー帯電量の関係
表9に、実施例4および比較例5の構成の現像装置を有する画像形成装置を用いた場合の評価結果を示す。評価は、周辺環境として、通常環境下で実施例1と同様の印字動作を行い、300枚出力後の画像評価を行った。比較例5のように、現像スリーブと吹き出し防止シートとの電位差がない場合は、黒後に比べ、白後の現像スリーブ上トナー帯電量の方が高かった。一方、実施例4のように、現像スリーブと吹き出し防止シート間の電位差を200Vとすることで、白後の過帯電トナーの割合を抑制することができ、かつ、適切な帯電トナーの割合を増加できた。
○は、現像スリーブ周期(現像スリーブの周長の周期)のゴースト発生がないことを示し、×は、現像スリーブ周期のゴーストが発生したことを示している。
(表9)評価結果
すなわち、実施例4では、現像スリーブに印加されるバイアスの直流成分と、吹き出し防止シートの表面のバイアス直流成分と、に差分が形成されるように、吹き出し防止シートにバイアスを印加する。こうすることで、電子受容性官能基Bを有する現像スリーブの能力をより効果的に発現させることができる。これにより、白後と黒後の現像スリーブ上のトナー帯電量差を低減することで、ゴーストの少ない、高品位な画像を提供することが可能となる。
なお、吹き出しシートや現像スリーブに印加するバイアスを、実施例1、2のように、所定の使用状況として、環境や耐久枚数やトナー消費量、現像スリーブ回転数などに応じて制御部300が制御し、吹き出し防止シートと現像スリーブ間の電位差を、例えば低温低湿環境の非画像形成時により大きくする、などの制御を行っても構わない。それにより、使用状況によらず、高品位画像を長期により安定して提供することが可能となる。
また、吹き出し防止シートの構成は、現像スリーブとのニップ部で電位差をつけることができれば、別に本実施例のアルミ蒸着表面のような構成に限るものではない。
また、吹き出し防止シートと現像スリーブとの電位差をつける構成は、実施例4の構成に限られるものではない。例えば、現像スリーブと吹き出し防止シート間にツェナーダイオードを設けることで、同一のDCバイアスを分担することで電位差をつける構成などとしても構わない。
また、本実施例ではトナーとして一成分磁性トナーを使用したが、現像装置の配置や、供給部材を追加することで、磁力以外でトナーを供給することができれば、非磁性トナーを使用しても構わない。
[実施例5]
本発明の実施例5に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例5において
、上記実施例とは異なる部分について説明し、上記実施例と共通する構成についての説明は、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例5においてここで特に説明しない事項は、上記実施例と同様である。
実施例5では、帯電バイアスとして−1250Vの直流電圧が帯電ローラ12に印加される構成としている。これにより、感光ドラム11面を帯電電位(暗部電位)Vd=−600Vに一様に接触帯電させている。
また、実施例5では、現像バイアス(Vdc)として−400Vが現像スリーブ21に印加される。
また、実施例5では、現像スリーブ21を、感光ドラム1に対して周速度140%(210mm/sec)で回転駆動させることができる。
図8に示すように、現像ブレード23は、厚さ100μm程度の支持部材23aと、支持部材23aの先端に取り付ける樹脂層23bとを有する。支持部材23aは弾性部材であり、基端部が支持板金に固定される。樹脂層23bは導電性樹脂を用い、現像スリーブ21の表面に所定の圧力で当接させている。この当接力は約20gf/cm〜40gf/cm(現像スリーブ21の長手方向についての1cm当たりの当接荷重)となるように当接されている。本実施例では、支持部材23aに弾性を持たせるためにSUSを用いているが、リン青銅やアルミニウム合金などを用いてもよいし、導電性を持ってさえいれば高硬度の樹脂などで作製してもよい。また本実施例では、樹脂層23bは支持部材23aに導電性のポリウレタンをコートして作製した。このほかに、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエステルテレフテラート、シリコンゴム、シリコン樹脂、メラミン樹脂から、単独で、また、2種類以上を組み合わせてもよい。
図9を用いて、低温低湿環境においてトナーの過帯電を十分に抑制することができない場合があることのメカニズムについて説明する。図9のトナーtと現像スリーブ表面層21aとの間に記載される矢印の大きさは、単位時間あたりの電荷の移動量をあらわしている。
図9(a)に示すように、通常環境においては、トナーtと現像スリーブ表面層21aの接触面において、電子供与性基Aと電子受容性基Bの電荷のやりとりを十分に行うことができるので、図5の適正帯電トナーとなる。
しかしながら、図9(b)のように低温低湿環境においては、トナー抵抗が高くなるため、トナー表面から現像スリーブ表面層21aへの電荷が移動しにくくなる。そのため、電子受容性基Bとの摩擦により電荷を受領する速度が落ちるため、十分に過帯電トナーの電荷を受領することができないことがある。従って、過帯電トナーが、鏡像力により、現像スリーブ21に対して強固に固定され、現像ブレード23の規制力を上回る。これにより、現像スリーブ21上のトナー層の乱れが発生し、規制不良などによる画像弊害が発生することがある。
そのために、低温環境においても、過帯電トナーを抑制するために電子受容性基Bとトナーの摩擦による電荷移動を十分に行う必要がある。実施例5では、トナーと現像スリーブ表面との接触時間を長くすることによって、トナーから電子受容性機Bへの電荷移動を促進させる。すなわち、現像スリーブ21の回転スピードを遅くすることによって、規制ニップf中のトナーの回転によるトナーtと電子受容性基Bの接触面の移動変化を遅くし、電子受容性基Bとトナーの摩擦による電荷移動を十分にできるようにする。
<検証検討>
上記構成の現像装置を用いて、現像スリーブ21の回転速度を振って、現像スリーブ21を500回転させた後のトナー帯電量Q/Mの測定を環境違いで行った。トナー帯電量
Q/Mは、図10に示すように、ファラデー・ゲージ(Faraday−Cage)を用いて測定した。ファラデー・ゲージは、軸径の異なる金属筒を同軸になるように配置した二重筒を備え、二重筒の内筒内にさらにトナーを取り入れるためのトナー捕集ろ紙(フィルター)33を備えている。二重筒の内筒32と外筒31は絶縁部材34によって絶縁されていて、内筒32の中に電荷量qの帯電粒子を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量qの金属円筒が存在するのと同様になる。そして、二重筒に誘起された電荷量をKEITHLEY 616DIGITAL ELECTROMETERで測定し、測定された電荷量を内筒中のトナー重量で割ったものをトナー帯電量Q/Mとした。
その結果を図11(a)に示す。23℃50%の環境においては、現像スリーブ21のQ/Mは、速度によらず安定しているが、15℃10%環境においては、現像スリーブ21の回転速度が200mm/sec以上から、が上昇していることがわかる。本実施例の現像装置構成においては、Q/Mが40μC/gを超えると、規制不良が発生した。
つまり、低温低湿環境において、現像スリーブ21の200mm/sec以上のスピードになると、現像規制ニップ中のトナーの回転によって、現像スリーブ表面層21aにある電子受容性基Bとトナーの接触面の移動が速く、電荷を受容するための時間が足りずに電荷を十分に受容できなくなり、規制不良などの画像不良が発生していると想定される。
ここで、現像スリーブ21の速度300mm/secで500回転させた後に、現像スリーブ21の回転速度を150mm/secに落としたときの、現像スリーブ21上のトナーのQ/Mの変化を図11(b)に示す。現像スリーブ21の回転速度を150mm/secすると、現像スリーブ21を10回転程回転させることで、Q/Mの低下が見られた。現像スリーブ21の表面層21aにある電子受容性基Bとトナー接触面がトナーの回転によって変化する前に、十分に電子受容性基Bの機能が得られていることがわかる。
<低温耐久比較>
上記の画像形成装置、プロセスカートリッジを用いて耐久評価を行った。本実施構成では、図12にあるように、後回転のみ現像スリーブの回転速度を半分にした。現像スリーブの回転速度は、105mm/secとし、後回転時は、現像スリーブを10回転(3.2秒間)させて、耐久を行った。比較例としては、現像回転速度を一定にして耐久比較を行う。
<耐久条件>
環境:15℃10%
トナー量:60g
印字モード:印字率2%、2枚間欠
印字枚数1000枚
紙種:ゼロックスバイタリティ75g紙
(表10)
表10に耐久結果を示す。○は、異常なし。△、軽微規制不良、×規制不良を表している。
本実施構成においては、耐久を通して画像弊害なく、図13に示すように、トナーのQ/Mも安定し良好な画像を得ることができた。比較例では、現像スリーブ21上のトナーQ/Mが徐々に上昇し、750枚において規制不良が現れた。従って、本実施構成では、低温環境においても、現像の回転速度を落とすことによって、本構成の現像スリーブ21の機能を十分に発揮し、安定的な画質を得ることができた。なお、本実施例では、後回転のみ現像スリーブ21の回転速度を遅くしたが、後回転だけに限らず、前回転や紙間中に現像スリーブ21の回転速度を遅くしても同様の効果が得られる。また、ある一定の枚数ごとに、現像スリーブ21を遅くして空回転をすることや、かぶりを抑制するために現像装置を離間させる構成をとって、現像スリーブのみ回転させるなどしても良い。
[実施例6]
本発明の実施例6に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例6において、上記実施例とは異なる部分について説明し、実施例5と共通する構成についての説明は、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例6においてここで特に説明しない事項は、実施例5と同様である。
実施例6に係る画像形成装置は、環境検知手段を設けており、また、駆動入力は、帯電装置のみに入力する。すなわち、本実施例では、帯電装置と現像装置が一体となっており、帯電モータ51により感光ドラム1が150mm/secで回転され、感光ドラム1と連動して現像スリーブ21は、210mm/secで回転される構成をとる。
環境補正は、絶対湿度に基づく環境区分を設定しておき、温湿度センサによって検知した温度および相対湿度から絶対湿度を計算し、計算された絶対湿度により環境区分を判定する。表2に絶対湿度に基づく環境区分の一例を示す。NNは常温環境(常温常湿環境)、LLは低温環境(低温低湿度環境)、HHは高温環境(高温高湿度環境)である。例えば、23℃50%RHのときは常温常湿環境(絶対湿度D10.3g/m)、15℃10%RHのときは低温低湿度環境(絶対湿度D1.3g/m)、27℃80%RHのときは高温高湿度環境(絶対湿度D20.6g/m)、とそれぞれ判定される。
(表11)
実施例6では、LL環境と判定されたときに、250枚印字するごとに、プロセスカートリッジを半速にし、プロセススピード75mm/secに落とし、非画像形成中に現像スリーブ21を30回転させるQ/M適正化シーケンスが入る。このようにすることで、Q/M適正化シーケンスが必要なLL環境のみに作動させることができ、NN,HH環境などQ/M適正化シーケンスの必要のない環境において、作動することをなくしトナー劣化などのプロセスユニットの消耗品を抑制することができる。
図14に、実施例6と実施例5同様の比較例と耐久比較を行った結果を示す。比較例では、現像スリーブ21上のトナーQ/Mが徐々に上昇し、750枚において画像不良による画像欠陥が現れた。実施例6の構成においては、現像スリーブ21上のQ/Mは、耐久において上昇していくものの、250枚ごとに上記で述べたシーケンスが入ることで、Q/Mが落とすことができ、耐久を通して良好な画像を得ることができた。なお、環境の判定方法はこれだけに限らず、実施例6では、絶対湿度から環境を判定したが、温度のみや相対湿度のみ、または、これらを組み合わせた方法を用いて環境を判定してもよい。
[実施例7]
本発明の実施例7に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例7において、上記実施例とは異なる部分について説明し、上記実施例と共通する構成についての説明は、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例7においてここで特に説明しない事項は、上記実施例と同様である。
実施例7では、帯電バイアスとして−1150Vの直流電圧が帯電ローラ12に印加される構成としている。これにより、感光ドラム11面を帯電電位(暗部電位)Vd=−600Vに一様に接触帯電させている。
また、実施例7では、外径がφ12mmの現像スリーブ21を用いている。
また、実施例7では、現像スリーブ21を、感光ドラム1に対して周速度140%(210mm/sec)で回転駆動させることができる。
また、実施例7では、現像スリーブ21の作製において、基体21cの外周に膜厚0.5mm、直径12mmのシリコーンゴム弾性層21bが形成された弾性ローラを作成した。
図15に示すように、現像ブレード23は、厚さ100μm程度の支持部材23aと、支持部材23aの先端に取り付ける樹脂層23bとを有する。支持部材23aは弾性部材であり、基端部が支持板金に固定される。樹脂層23bは導電性樹脂を用い、現像スリーブ21の表面に所定の圧力で当接させている。この当接力は約20gf/cm〜40gf/cm(現像スリーブ21の長手方向についての1cm当たりの当接荷重)となるように当接されている。本実施例では、支持部材23aに弾性を持たせるためにSUSを用いているが、リン青銅やアルミニウム合金などを用いてもよいし、導電性を持ってさえいれば高硬度の樹脂などで作製してもよい。また本実施例では、樹脂層23bは支持部材23a
に導電性のポリウレタンをコートして作製した。このほかに、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエステルテレフテラート、シリコンゴム、シリコン樹脂、メラミン樹脂から、単独で、また、2種類以上を組み合わせてもよい。
現像ブレード23は導電性を有しており、画像形成本体に備えられた現像ブレードバイアス印加部403により矩形波の交流バイアス(図16参照、Vmax:−450V、Vmin:−150V、Duty比:50%)が印可される構成としている。これにより、現像スリーブ21と現像ブレード23とのニップn間に交番電界が形成され、トナーtには現像スリーブ21側・現像ブレード23側へと交互にクーロン力が働く。その結果、ニップn間での転動性が向上し、磁性トナーtは現像スリーブ21とさまざまな面で接触、摺擦されることが可能となる。そのため、先述した電子供与性基Aおよび電子受容性基Bのフェルミ準位の領域への収束スピードが向上する。すなわち、印字した部分は素早く電荷を保持し、印字していない部分は過度な電荷を供与することができ帯電性が同等になり、結果、現像ゴーストの抑制につながる。ニップ通過内で交互にクーロン力をトナーに加えるためには、現像ブレードバイアスの条件として、トナー(あるいは現像スリーブ周面のある1点)がニップnを通過する時間内に1波数以上の振幅となる周波数が望ましい。
<検証検討>
比較例を用いて本実施例の検証を行った。実施例7−1として、ニップnを0.3mm、現像ブレードバイアスの周波数を2000Hzとした。これはニップn通過中に2.8波程度である。また、実施例7−2として、ニップnは0.3mm、現像ブレードバイアス周波数を4000Hzとした。これはニップn通過中に5.7波程度である。実施例7−3としてはニップnを0.2mmとし、現像ブレードバイアスの周波数を1100Hzとした。これはニップn通過中に1.0波程度である。さらに、比較例として、比較例7−1は、本実施例における現像スリーブを用い、現像ブレードバイアスとしては現像スリーブと同電位になるように設定した構成である。すなわち、ブレードとスリーブ間に交番電界を形成していない。比較例7−2は、特許文献1にある現像スリーブ、すなわち、電子供与性基Aとして振る舞う三級アミン基を含み、電子受容性基Bとして振る舞うポリカーボネート結合を有していないものを用いた。また、比較例7−2は、現像ブレードバイアスとして本実施例と同様の交流バイアス設定を印加した構成である。
上記構成の現像装置2を用いた検証結果を詳述する。検証方法としては、べた黒(100%印字画像)を150mm印字した直後(べた黒後)の現像スリーブ21のトナー帯電量と、べた白(0%印字画像)を150mm印字した直後(べた白後)の現像スリーブ21の現像スリーブ上のトナー帯電量を測定した。さらに、画だしによる現像ゴーストの確認を行った。なお、トナー帯電量Q/Mは、図10に示すように、ファラデー・ゲージ(Faraday−Cage)を用いて測定した。ファラデー・ゲージは、軸径の異なる金属筒を同軸になるように配置した二重筒を備え、二重筒の内筒内にさらにトナーを取り入れるためのトナー捕集ろ紙(フィルター)33を備えている。二重筒の内筒32と外筒31は絶縁部材34によって絶縁されていて、内筒32の中に電荷量qの帯電粒子を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量qの金属円筒が存在するのと同様になる。そして、二重筒に誘起された電荷量をKEITHLEY 616DIGITAL ELECTROMETERで測定し、測定された電荷量を内筒中のトナー重量で割ったものをトナー帯電量Q/Mとした。
その結果を、表12に示す。表12は、白後と黒後の現像スリーブ12上のトナーの帯電量及び1000枚プリントした際の画像不良の結果を示している。なお、現像ゴーストのレベルに関して、○は発生なし、△は許容範囲内での発生、×は許容できないレベルである。
(表12)
比較例1、2のどちらも白後と黒後のQ/Mに差が生じており、現像ゴーストも発生した。それに対して、実施例7−1、7−2および7−3の構成にすることで白後と黒後のQ/Mに差は少なく、現像ゴーストの発生もなかった。
以上の結果から、現像ブレード23に交流バイアスを印可し、ニップnや周波数を適宜設定し、ニップn通過時間内の波数を1波以上とすることで本実施例における現像スリーブ21の機能を十分に発揮し、安定した画質を得られることを確認できた。
本実施例においては、ニップnや周波数を変更してニップn通過時間内における波数を変更したが、その他プロセススピードや現像スリーブ周速度を適宜設定することで調整してもよい。
また、本実施例においては、現像ブレードバイアスの波形は矩形波を用いたが、この限りではなく、例えば正弦波や三角波、のこぎり波でもニップ間でのトナーの転動性を向上させることができればよい。
また、トナーとして一成分磁性トナーを使用したが現像装置の配置や、供給部材を追加することで、磁力以外でトナーを供給することができれば、非磁性トナーを使用しても構わない。
[実施例8]
実施例8に係る画像形成装置の構成は、環境検知手段(湿度センサ72及び温度センサ73)が設けられていること、および検知結果に基づいて制御部300が現像ブレードバイアスを異なる設定にする点を除いて、実施例7の画像形成装置の構成と同様である。ここでは、実施例8において、実施例7とは異なる部分について説明し、実施例7と共通する構成についての説明は、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例8においてここで特に説明しない事項は、実施例7と同様である。
低湿度環境などでは、トナーへの過帯電が十分に抑制できず、規制不良などの課題が発生することがあった。通常、トナーが保持した電荷は、その一部が大気中に含まれる極性分子である水蒸気を通して抜けていく。しかし、低湿度環境では大気中の水蒸気が少ないため、抜けていく電荷量が少ないために、過帯電トナーの量が低湿度環境では増大する。電子受容性官能基Bのフェルミ準位は低湿度環境でも変化しないため、フェルミ準位差による過帯電トナーの電荷の受容が十分でなくなる。このような過剰に帯電されたトナーは、現像剤担持体との間に働く鏡像力によって強固に固着し、トナー規制部材の規制力を上回ってしまう。その結果、現像剤担持体上のトナー層の乱れ、濃度ムラやカブリといった規制不良を引き起こす。
そこで本実施例では、電子受容性官能基Bに対して、トナーにかかるクーロン力を通常湿度時よりも大きくすることにより、過帯電トナーから電子受容性官能基Bに受容される電荷の量を増やすことで課題を解決した。実施例8では、制御部300が、湿度検知手段で画像形成装置周辺の水蒸気量を検出し、温度検知手段によって測定された温度における飽和水蒸気量との関係から相対湿度を算出し、相対湿度が30%を下回った場合に低湿度
環境と判断する。なお、30%〜70%の時は通常湿度、70%以上の時は高湿度環境と判断している。低湿度環境と判断した場合には、制御部300は、現像ブレードバイアスを、図17に示すように現像バイアスに対してネガ極性側の絶対値を大きくする設定、除電モードバイアスに設定する。具体的には、Vmaxを−600V、現像バイアスVdcとの電位差をΔ−300Vとした。すなわち、印加するバイアスにおけるトナーの正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、所定の状態としての低湿度環境が検知される前より大きくする。
表13に、本実施例8を用いた場合の現像スリーブ上のトナーの帯電量及び1000枚プリントした際の画像不良の結果を示す。比較例8は、除電モードバイアスに設定しない場合、すなわちVmaxを−300V(Vdcとの電位差がΔ−150V)とした場合である。
(表13)
表13に示すように、通常湿度環境において現像スリーブと現像ブレード間の電位差を150Vに設定すると、白後Q/Mが21μC/gだったのに対して、低湿環境では27μC/gと増加してしまい、規制不良による画像不良が発生した。しかし、現像スリーブと現像ブレード間の電位差を300Vへ増加することで、白後Q/Mが22μC/gと抑制でき、かつ、黒後Q/Mも維持できている。なお、表13の参考例1に示すように通常湿度環境で同様に電位差を300Vと増加すると、クーロン力により電子受容性基Bへと電荷が移動しやすくなるため、黒後Q/Mが低下し、カブリが軽微に発生した。よって、本実施例のように相対湿度が30%を下回ったときにのみ現像ブレードバイアスを切り替えることが望ましい。
本実施例においては、Vmaxの絶対値を上げることでトナーにかかるクーロン力をより大きくし、過帯電トナーから電子受容性基Bへと電界が移動しやすくした。しかしながらこの限りでなく、VmaxとVminの絶対値と印加時間の割合を同時に適宜設定してもよい。
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。例えば、実施例1、3、4のそれぞれの構成の任意の組み合わせに対して、実施例5、7の構成を任意に組み合わせることができる。また、実施例2の構成を実施例1の構成に、実施例6の構成を実施例5の構成に、実施例8の構成を実施例7の構成に、それぞれ組み合わせることができる。
11…感光ドラム、12…帯電ローラ、2…現像装置、21…現像スリーブ、22…マグネットローラ、23…現像ブレード、24…撹拌シート、25…吹き出し防止シート、72…湿度検知手段、73…温度検知手段、8…クリーニング装置

Claims (46)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記像担持体と前記現像剤担持体と間の電位差を制御する制御部と、
    画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記現像剤担持体と前記層厚規制部材と間の電位差を制御する制御部と、
    画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記所定のタイミングが、非画像形成時であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記制御部が、前記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記制御部が、前記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記制御部が、前
    記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 像担持体と、
    現像剤を収容する現像容器と、
    前記現像容器の開口部に配置され、前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    一端が前記現像容器に固定され、自由端である他端が前記現像剤担持体と摺動接触する現像剤シール部材と、
    前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
    前記現像剤シール部材にバイアスを印加する第2のバイアス印加部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
    前記現像剤シール部材の表面が導電性を有し、
    前記現像剤担持体に印加されるバイアスの直流成分と、前記現像剤シール部材の表面のバイアス直流成分とに差分が形成されるように、前記第1のバイアス印加部が前記現像剤担持体にバイアスを印加し、前記第2のバイアス印加部が前記現像剤シール部材にバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記所定のタイミングが、非画像形成時であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
  11. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
  12. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の
    状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
  13. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の回転速度を制御する制御部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
    前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする画像形成装置。
  14. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  17. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  18. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
    前記層厚規制部材にバイアスを印加する第3のバイアス印加部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、(A)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤へ電荷を主に与える電荷供与部と、(B)前記現像剤と前記表面層とが摩擦することで電荷を授受する際に、前記現像剤から主に電荷を受け取る電荷受容部と、を有し、
    前記第3のバイアス印加部は、前記層厚規制部材に交流バイアスを印加し、
    前記交流バイアスの波数は、前記現像剤担持体と前記層厚規制部材とが当接するニップを現像剤が通過する時間内に1波数以上であることを特徴とする画像形成装置。
  19. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  22. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  23. 前記表面層、前記電荷供与部としての電子供与性官能基と、前記電荷受容部としての電子受容性官能基と、の分子構造を含むウレタン樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  24. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記像担持体と前記現像剤担持体との間の電位差を制御する制御部と、
    画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
    前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  25. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記現像剤担持体と前記層厚規制部材との間の電位差を制御する制御部と、
    画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
    前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、所定のタイミングで、前記電位差の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする画像形成装置。
  26. 前記所定のタイミングが、非画像形成時であることを特徴とする請求項24または25に記載の画像形成装置。
  27. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記制御部が、前記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  28. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記制御部が、前記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  29. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記制御部が、前記電位差の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  30. 像担持体と、
    現像剤を収容する現像容器と、
    前記現像容器の開口部に配置され、前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    一端が前記現像容器に固定され、自由端である他端が前記現像剤担持体と摺動接触する現像剤シール部材と、
    前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
    前記現像剤シール部材にバイアスを印加する第2のバイアス印加部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
    前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
    前記現像剤シール部材の表面が導電性を有し、
    前記現像剤担持体に印加されるバイアスの直流成分と、前記現像剤シール部材の表面のバイアス直流成分とに差分が形成されるように、前記第1のバイアス印加部が前記現像剤担持体にバイアスを印加し、前記第2のバイアス印加部が前記現像剤シール部材にバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
  31. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項30に記載の画像形成装置。
  32. 前記所定のタイミングが、非画像形成時であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成装置。
  33. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項31または32に記載の画像形成装置。
  34. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項31または32に記載の画像形成装置。
  35. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記第1のバイアス印加部及び前記第2のバイアス印加部は、所定のタイミングで、前記差分が前記所定の状態が検知される前より大きくなるようにそれぞれバイアスを印加することを特徴とする請求項31または32に記載の画像形成装置。
  36. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の回転速度を制御する制御部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
    前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
    前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする画像形成装置。
  37. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項36に記載の画像形成装置。
  38. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項37に記載の画像形成装置。
  39. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項37に記載の画像形成装置。
  40. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記制御部が、非画像形成時に、前記現像剤担持体の回転速度を、画像形成時の回転速度よりも遅くすることを特徴とする請求項37に記載の画像形成装置。
  41. 像担持体と、
    前記像担持体と接触し、前記静電潜像へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記現像剤担持体にバイアスを印加する第1のバイアス印加部と、
    前記層厚規制部材にバイアスを印加する第3のバイアス印加部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも、基体、表面層を有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂を含み、
    前記ウレタン樹脂は、カーボネート結合を有し、かつ、三級アミン構造を含み、
    前記第3のバイアス印加部は、前記層厚規制部材に交流バイアスを印加し、
    前記交流バイアスの波数は、前記現像剤担持体と前記層厚規制部材とが当接するニップを現像剤が通過する時間内に1波数以上であることを特徴とする画像形成装置。
  42. 画像形成装置が使用されている状態を検知する検知部をさらに有し、
    前記検知部が所定の状態を検知すると、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項41に記載の画像形成装置。
  43. 前記検知部が、画像形成装置の周辺の水蒸気量が反映された環境情報を検知する環境検知手段であり、
    前記環境検知手段によって画像形成装置の周辺環境が低湿度環境と判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項42に記載の画像形成装置。
  44. 前記検知部が、単位時間当たりの前記現像剤担持体の回転数を検出する検知手段であり、
    前記検知手段によって画像形成装置が連続して動作していると判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項42に記載の画像形成装置。
  45. 前記検知部が、画像形成装置における単位時間当たりの現像剤の消費量を検知する検知手段であり、
    前記検知手段によって現像剤の消費速度が遅いと判断された場合に、前記第3のバイアス印加部は、印加するバイアスにおける現像剤の正規の帯電極性と同じ側の極性のピーク電圧の絶対値を、前記所定の状態が検知される前より大きくすることを特徴とする請求項
    42に記載の画像形成装置。
  46. 前記ウレタン樹脂は、
    分子内にカーボネート結合を有し、かつ、
    構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有すること特徴とする請求項24〜45のいずれか1項に記載の画像形成装置

    [構造式(1)中、
    R15は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは1以上4以下の整数であり、nが2以上4以下の場合においては、複数のR15は各々独立して上記と同様に定義される。
    R11〜R14は、各々独立に、下記(a)〜(d)から選ばれる何れかであり、nが2以上4以下の場合において、複数のR14は各々独立して上記と同様に定義され、但し、n=1の場合においては、R11〜R14の全てが、下記(b)〜(d)から選ばれる何れかであり、n=2以上4以下の場合においては、R11〜R13および2〜4個のR14のうちの少なくとも4つが、下記(b)〜(d)から選ばれる何れかである:
    (a)水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基;
    (b)炭素数1以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基;
    (c)炭素数2以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のアミノアルキル基;
    (d)下記構造式(2)で示される基:]

    [構造式(2)中、mは2または3である。複数のR21はそれぞれ独立して炭素数2以上5以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表す。]。
JP2019044321A 2019-03-11 2019-03-11 画像形成装置 Pending JP2020148840A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019044321A JP2020148840A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 画像形成装置
US17/437,987 US20220187734A1 (en) 2019-03-11 2020-03-11 Image forming apparatus
PCT/JP2020/010425 WO2020184595A2 (en) 2019-03-11 2020-03-11 Image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019044321A JP2020148840A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020148840A true JP2020148840A (ja) 2020-09-17

Family

ID=72429466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019044321A Pending JP2020148840A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020148840A (ja)

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11190959A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Toshiba Corp 画像形成装置
JP2002091163A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Canon Inc 画像形成装置
JP2002207354A (ja) * 2001-01-10 2002-07-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2003215893A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Canon Inc 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2004102140A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Canon Inc 画像形成装置及び画像形成方法
JP2004333709A (ja) * 2003-05-02 2004-11-25 Canon Inc 現像装置
JP2005049717A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kyocera Mita Corp 画像形成方法
JP2006317524A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置及び画像形成装置
JP2008249821A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置と画像形成方法
JP2009042258A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2012027282A (ja) * 2010-07-24 2012-02-09 Canon Inc 画像形成装置
JP2013050715A (ja) * 2011-08-03 2013-03-14 Canon Inc 現像剤担持体、その製造方法及び現像装置
JP2014191195A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Canon Inc 画像形成装置
JP6463534B1 (ja) * 2017-09-11 2019-02-06 キヤノン株式会社 現像剤担持体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11190959A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Toshiba Corp 画像形成装置
JP2002091163A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Canon Inc 画像形成装置
JP2002207354A (ja) * 2001-01-10 2002-07-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2003215893A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Canon Inc 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2004102140A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Canon Inc 画像形成装置及び画像形成方法
JP2004333709A (ja) * 2003-05-02 2004-11-25 Canon Inc 現像装置
JP2005049717A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kyocera Mita Corp 画像形成方法
JP2006317524A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置及び画像形成装置
JP2008249821A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置と画像形成方法
JP2009042258A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2012027282A (ja) * 2010-07-24 2012-02-09 Canon Inc 画像形成装置
JP2013050715A (ja) * 2011-08-03 2013-03-14 Canon Inc 現像剤担持体、その製造方法及び現像装置
JP2014191195A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Canon Inc 画像形成装置
JP6463534B1 (ja) * 2017-09-11 2019-02-06 キヤノン株式会社 現像剤担持体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100098446A1 (en) Image forming apparatus
JP2012198425A (ja) 画像形成装置
KR20160105338A (ko) 화상형성장치
JP5054316B2 (ja) 画像形成装置
US20180341192A1 (en) Image forming apparatus
JP2012230139A (ja) 画像形成装置
JP4772589B2 (ja) 画像形成装置及びこれに用いられる転写装置
US9442418B2 (en) Developing device, process cartridge and image forming apparatus
WO2020184595A2 (en) Image forming apparatus
JP2020148840A (ja) 画像形成装置
JP2009251301A (ja) 画像形成装置
JP4952095B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2022059718A (ja) 現像装置およびそれを備えた画像形成装置
JP5115143B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JPH0527567A (ja) 現像装置
JP3155793B2 (ja) 現像装置
JP2020148839A (ja) 画像形成装置
JP5939934B2 (ja) 速度比変動算出装置及び画像形成装置
JP5742296B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成方法、画像形成装置
JP2003084563A (ja) 層規制部材、層形成装置、及び画像形成装置
JP2010049182A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2005121795A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP4554854B2 (ja) 現像装置
JP2016114913A (ja) 画像形成装置
JP5482538B2 (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230328