JP2019073886A - 構造物群の振動変位抑制構造 - Google Patents

構造物群の振動変位抑制構造 Download PDF

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小林 薫
Kaoru Kobayashi
薫 小林
秀明 高崎
Hideaki Takasaki
秀明 高崎
淳 金田
Atsushi Kaneda
淳 金田
宏文 池本
Hirofumi Ikemoto
宏文 池本
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Abstract

【課題】地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を抑制することができる構造物群の振動変位抑制構造を実現する。【解決手段】構造物群の振動変位抑制構造100は、例えば、地震動による揺れが橋脚1に作用した場合、橋脚1のフーチング1bに接合され、隣り合う橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によって、隣り合う橋脚1の振動の振幅差や位相差が縮められるなどして、橋脚1の振動は増幅されることなく減衰されるので、その橋脚1の振動変位を抑制することができる。こうして、構造物である橋脚1の振動変位を抑制することができれば、橋脚1が支持している橋桁2が地震動の影響を受け難くなるので、橋桁2に角折れや目違いといった不同変位が生じ難くなり、地震動に起因して生じる橋桁2のトラブルを低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を抑制する構造物群の振動変位抑制構造に関する。
従来、支持層まで達する複数の杭を備え、軟弱地盤に構築されている構造物の耐震性を向上させるために、その構造物のフーチングの周囲に地盤改良を施してなる固化改良体を造成した耐震補強構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この耐震補強構造における固化改良体は、鉛直方向範囲に所定深度まで造成されるとともに、水平方向範囲に構造物の上部外周よりも外側の領域まで造成されている。
このような固化改良体を造成することによって、構造物の耐震強度を高めることができ、構造物が支持している橋桁などの構造体が地震によってずれたり破損したりするトラブルを低減することができる。
特開2013−177741号公報
しかしながら、上記特許文献1の耐震補強構造は、個々の構造物に固化改良体を造成して地震動に対する抵抗力を単純に増加させるといった構造物単体の補強構造であり、高架橋のように複数の構造物(例えば橋脚)が連なっている構造物群を対象にしたものではなかった。
そこで、本発明者らは、個々の構造物の耐震強度を高めるのではなく、複数の構造物を構造物群として捉え、地震動に起因する構造物の振動変位を抑制するとともに、隣り合う構造物の変位を揃えるようにすることで、構造物が支持している構造体に地震による振動が作用し難くなる技術の検討を行った。
構造物が支持している構造体へ地震による振動が作用し難くなれば、その構造体が地震動の影響を受け難くなって、地震動に起因するトラブルを低減することが可能になる。
本発明の目的は、地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を抑制することができる構造物群の振動変位抑制構造を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は、
複数の構造物が連なっている構造物群の振動変位抑制構造であって、
前記複数の構造物が連なる方向に延在し、前記構造物のフーチングを挟む配置に所定深さまで埋設されている一対の地中壁と、
前記一対の地中壁で前記フーチングを拘束するように、前記一対の地中壁に両端部が連結され、その一対の地中壁の一部を前記構造物のフーチングに接合させている連結部材と、
を備えるようにした。
かかる構成の構造物群の振動変位抑制構造であれば、例えば、地震動による揺れが構造物に作用した場合、構造物のフーチングを挟んで拘束するように、構造物のフーチングに接合され、隣り合う構造物を挟んで連結している一対の地中壁による振動伝達によって、構造物の振動は増幅されることなく減衰されるので、その構造物の振動変位を抑制することができる。
具体的には、地震動などによる揺れが構造物に作用して構造物が振動した際に、隣り合う構造物の振動に振幅差がある場合には、それら構造物を連結している一対の地中壁による振動伝達によってその振幅差が縮められ、隣り合う構造物の振動は増幅されることなく減衰されるようになり、構造物の振動変位を抑制することができる。また、隣り合う構造物の振動に位相差がある場合にも、それら構造物を連結している一対の地中壁による振動伝達によってその位相差が縮められ、隣り合う構造物の振動変位を抑制することができる。
つまり、この構造物群の振動変位抑制構造は、地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を抑制することができ、その構造物(例えば橋脚)が支持している構造体(例えば橋桁)に不具合が生じるのを低減することができる。
また、望ましくは、
前記地中壁の上部には剛性体が設けられており、
前記連結部材の両端部は前記剛性体に連結され、前記剛性体が前記構造物のフーチングに接合されているようにする。
地中壁の上部に設けられている剛性体で構造物のフーチングを挟んでいれば、地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を好適に抑制することができ、その構造物(例えば橋脚)が支持している構造体(例えば橋桁)に不具合が生じるのを低減することができる。
また、望ましくは、
前記地中壁は、隣り合う前記構造物の間の距離が長い箇所にあるものほど、深く埋設されているようにする。
例えば、隣り合う構造物(例えば橋脚)の間の距離が遠いほど、それら構造物に架け渡される構造体(例えば橋桁)は長くて重いものになる。
構造物に架け渡されている構造体が重いほど、地震動などによる揺れが構造物に作用した際の慣性力が大きいため、その構造物の振動変位が大きくなり易い。そこで、構造物に生じた比較的大きな振動変位を好適に低減するために、比較的離れた配置の構造物の間に設置する地中壁の剛性を相対的に高くするように、地中壁をより深く埋設する。
一方、隣り合う構造物(例えば橋脚)の間の距離が近いほど、それら構造物に架け渡される構造体(例えば橋桁)は短くて軽いものになる。
構造物に架け渡されている構造体が軽いほど、地震動などによる揺れが構造物に作用した際の慣性力が小さいため、その構造物には比較的小さな振動変位が生じる。そこで、構造物に生じた比較的小さな振動変位を好適に低減するために、比較的近い配置の構造物の間に設置する地中壁の剛性を相対的に低くするように、地中壁を比較的浅く埋設する。
こうすることで、隣り合う構造物毎に、構造物間の距離に違いがあっても、隣り合う構造物の間の距離に応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の構造物の振動変位を同じ程度に調整することが可能になる。
また、望ましくは、
前記構造物のフーチングには、支持層まで達する杭が結合されており、
前記地中壁は、前記構造物の設置箇所における前記支持層が深い箇所にあるものほど、深く埋設されているようにする。
例えば、構造物の設置箇所における支持層までの深さが深い箇所であるほど、構造物のフーチングに結合されている杭の長さが長くなる。
構造物の杭が長いほど、地震動などによる揺れが構造物に作用した際の慣性力が大きいため、その構造物の振動変位が大きくなり易い。そこで、構造物に生じた比較的大きな振動変位を好適に低減するために、支持層までの深さが深い箇所に設置する地中壁の剛性を相対的に高くするように、地中壁をより深く埋設する。
一方、構造物の設置箇所における支持層までの深さが浅い箇所であるほど、構造物のフーチングに結合されている杭の長さが短くなる。
構造物の杭が短いほど、地震動などによる揺れが構造物に作用した際の慣性力が小さいため、その構造物には比較的小さな振動変位が生じる。そこで、構造物に生じた比較的小さな振動変位を好適に低減するために、支持層までの深さが浅い箇所に設置する地中壁の剛性を相対的に低くするように、地中壁を比較的浅く埋設する。
こうすることで、構造物の設置箇所ごとに支持層までの深さに違いがあっても、その支持層までの深さに応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の構造物の振動変位を同じ程度に調整することが可能になる。
本発明によれば、地震動などに起因する複数の構造物の振動変位を抑制することができる構造物群の振動変位抑制構造が得られる。
実施形態1の構造物群の振動変位抑制構造を示す概略図であり、側面図(a)と、上面図(b)と、正面図(c)である。 構造物群の振動変位抑制構造の変形例を示す概略図であり、側面図(a)と、上面図(b)と、正面図(c)である。 構造物群の振動変位抑制構造の変形例を示す概略図であり、側面図(a)と、上面図(b)と、正面図(c)である。 橋脚のフーチングと剛性体の接続構造に関する説明図であり、摺接可能な接続構造(a)と、あと施工アンカーを用いた接続構造(b)と、減衰体を用いた接続構造(c)である。 実施形態1の構造物群の振動変位抑制構造の変形例を示す概略図であり、側面図(a)と、上面図(b)と、正面図(c)である。 実施形態2の構造物群の振動変位抑制構造を示す概略側面図である。 実施形態3の構造物群の振動変位抑制構造を示す概略側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る構造物群の振動変位抑制構造の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の構造物群の振動変位抑制構造は、構造物である橋脚1の振動変位を抑制するために、既設の橋脚1(構造物)を対象にして構築したものである。特に、複数の橋脚1が連なっている構造物群を対象にして構築したものである。
鉄筋コンクリート製の橋脚1は、構造物本体である橋脚本体1aと、橋脚1の下部に設けられたフーチング1bを備えて構成されており、橋脚1のフーチング1bには支持層Sまで達する複数の杭1cが結合されている。
この橋脚1上に沓3を介して橋桁2が設置されており、その橋桁2を橋脚1が支持している。
なお、橋脚1に支持されている橋桁2にはその延在方向に沿って、例えば鉄道の軌道が敷設されている。
(実施形態1)
実施形態1の構造物群の振動変位抑制構造100は、例えば、図1(a)(b)(c)に示すように、複数の橋脚1が連なる方向に延在し、橋脚1のフーチング1bを挟む配置に所定深さまで埋設されている一対の地中壁10と、一対の地中壁10でフーチング1bを拘束するように、一対の地中壁10に両端部が連結され、その一対の地中壁10の一部を橋脚1のフーチング1bに接合させている連結部材20等を備えている。
地中壁10は、例えば、複数の鋼矢板11(シートパイル)を連設してなる壁体である。
本実施形態では、橋脚1のフーチング1bを挟む配置に一対の地中壁10を形成するように、橋脚1の両側に複数の鋼矢板11が連設されて、2列の地中壁10が形成されている。
ここでは、鋼矢板11の下端が、例えば、橋脚1の杭1cの長さの半分程度の深さに達するように、地中壁10が形成されている。
また、地中壁10の上部には、剛性体12が設けられている。
剛性体12は、例えば、複数の鋼矢板11で形成された壁体の上部を巻き込んでコンクリート材料を打設してなるコンクリートコーピングである。
この剛性体12は、複数の鋼矢板11の上部に結合されており、地中壁10の一部を成している。
連結部材20は、その両端部が一対の地中壁10に連結されており、一対の地中壁10が所定の間隔を維持して広がらないように保持している。
連結部材20は、例えば、H形鋼であり、その両端部がそれぞれ剛性体12に埋め込まれて地中壁10の上部に連結されている。
連結部材20は、例えば、橋脚1の両側に形成された複数の鋼矢板11からなる壁体と直交する向きに設置されており、剛性体12を形成する過程でその両端部が剛性体12に埋め込まれて据え付けられている。
つまり、連結部材20の両端部は地中壁10の上部をなす剛性体12に連結されており、連結部材20によって地中壁10の剛性体12が橋脚1のフーチング1bに接合されている。
そして、連結部材20の両端部に連結された一対の地中壁10の剛性体12が橋脚1のフーチング1bに接合されて、そのフーチング1bを拘束するようになっている。
この連結部材20によって橋脚1のフーチング1bを拘束するように接合された一対の地中壁10は、隣り合う橋脚1を連結しており、一方の橋脚1の振動を他方の橋脚1に伝達するとともに、他方の橋脚1の振動を一方の橋脚1に伝達することができる。
このように、隣り合う橋脚1を連結している一対の地中壁10は、その両側の橋脚1が互いの振動を作用させ合う媒体となり、隣り合う橋脚1の挙動を同調させる機能を有している。
例えば、地震動などによる揺れが橋脚1に作用して橋脚1が振動した際に、隣り合う橋脚1の振動に振幅差がある場合には、それら橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によってその振幅差が縮められ、隣り合う橋脚1の振動は増幅されることなく減衰されるようになり、橋脚1の振動変位を抑制することができる。
また、隣り合う橋脚1の振動に位相差がある場合にも、それら橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によってその位相差が縮められ、隣り合う橋脚1の振動変位を抑制することができる。
以上のように構成された構造物群の振動変位抑制構造100であれば、例えば、地震動によって橋桁2の延在方向と交差する方向の揺れが各橋脚1に作用した場合、それら橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によって、橋脚1の振動は増幅されることなく減衰されるので、その橋脚1の振動変位を抑制することができる。
このように橋脚1の振動変位を抑制することができれば、橋脚1が支持している橋桁2が地震動の影響を受け難くなるので、橋桁2に角折れや目違いといった不同変位が生じ難くなり、地震動に起因する橋桁2のトラブルを低減することができる。
つまり、実施形態1の構造物群の振動変位抑制構造100は、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図2(a)(b)(c)に示すように、連結部材20として、例えば、タイロッドを用いてもよい。
ここでは、タイロッドである連結部材20が、例えば、橋脚1の両側に形成された複数の鋼矢板11からなる壁体と直交する向きに配され、その連結部材20の両端部が壁体(複数の鋼矢板11)を貫通するように設置されており、貫通した連結部材20の端部にそれぞれ支圧板21が固設されている。この支圧板21が固設された連結部材20の両端部がそれぞれ剛性体12に埋め込まれて地中壁10の上部に連結されている。
このような構成の構造物群の振動変位抑制構造100であっても、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
また、図3(a)(b)(c)に示すように、連結部材20として、例えば、鉄筋コンクリート体を用いてもよい。
ここでは、鉄筋コンクリート体である連結部材20が、例えば、橋脚1の両側に形成された複数の鋼矢板11からなる壁体と直交する向きに配され、その連結部材20の両端部が剛性体12に一体に繋がれている。例えば、連結部材20と剛性体12を一体成形可能な型枠を組み、鉄筋コンクリート体の連結部材20とともに剛性体12を形成するようにして、この連結部材20の両端部を剛性体12に一体に繋ぐことができる。こうして連結部材20の両端部がそれぞれ剛性体12に一体に繋がれて地中壁10の上部に連結されている。
このような構成の構造物群の振動変位抑制構造100であっても、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
また、上記実施形態1では、図4(a)に示すように、橋脚1のフーチング1bを挟むように剛性体12を接合して、摺接可能な剛性体12とフーチング1bとの間で水平力の伝達ができる接続構造にしていたが、これに限るものではない。
例えば、図4(b)に示すように、橋脚1のフーチング1bにあと施工アンカー13を打ち込み、そのあと施工アンカー13の端部を地中壁10の剛性体12に埋め込むようにして、剛性体12とフーチング1bとを剛結するようにしてもよい。なお、あと施工アンカー13の端部は、スタッドを介して地中壁10を成す鋼矢板11に結合されていることが好ましい。
こうして剛性体12とフーチング1bを剛結することで、剛性体12とフーチング1bとの間で水平力の伝達に加え、曲げモーメントの伝達も可能な接続構造になるので、橋脚1の振動変位をより好適に抑制することができる。
また、図4(c)に示すように、橋脚1のフーチング1bと地中壁10の剛性体12の間に減衰体30を介装するようにしてもよい。
減衰体30は、例えば、摩擦ダンパーや粘性ダンパーなどであり、フーチング1bと剛性体12の間で振動エネルギーを消散させて、各橋脚1の振動の振幅を軽減する機能を有している。
このような減衰体30を備えた接続構造であれば、橋脚1の振動変位をより好適に抑制することができる。
また、地中壁10は、複数の橋脚1が連なる方向に連続的に延在していることに限らず、例えば、図5(a)(b)(c)に示すように、所定の橋脚1間で分断された構造を有していてもよい。
このような構成の構造物群の振動変位抑制構造100であっても、対向している地中壁10は橋脚1のフーチング1bを挟んで拘束しており、橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
(実施形態2)
次に、本発明に係る構造物群の振動変位抑制構造の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
実施形態2の構造物群の振動変位抑制構造100は、例えば、図6に示すように、複数の橋脚1が連なる方向に延在し、橋脚1のフーチング1bを挟む配置に埋設されている一対の地中壁10と、一対の地中壁10上部の剛性体12を橋脚1のフーチング1bに接合させている連結部材20等を備えている。
特に、ここでの地中壁10は、隣り合う橋脚1の間の距離に応じた深さに埋設されている。
具体的には、地中壁10は、隣り合う橋脚1の間の距離が長い箇所にあるものほど深く埋設され、隣り合う橋脚1の間の距離が短い箇所にあるものほど浅く埋設されている。
隣り合う橋脚1の間の距離が遠いほど、それら橋脚1に架け渡される橋桁2は長くて重いものになる。
橋脚1に架け渡されている橋桁2が重いほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の慣性力が大きいため、その橋脚1の振動変位が大きくなり易い。
そこで、橋脚1に生じた比較的大きな振動変位を好適に低減するために、比較的離れた配置の橋脚1の間に設置する地中壁10の剛性を相対的に高くするように、地中壁10をより深く埋設する。
一方、隣り合う橋脚1の間の距離が近いほど、それら橋脚1に架け渡される橋桁2は短くて軽いものになる。
橋脚1に架け渡されている橋桁2が軽いほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の慣性力が小さいため、その橋脚1には比較的小さな振動変位が生じる。
そこで、橋脚1に生じた比較的小さな振動変位を好適に低減するために、比較的近い配置の橋脚1の間に設置する地中壁10の剛性を相対的に低くするように、地中壁10を比較的浅く埋設する。
こうすることで、隣り合う橋脚1毎に、橋脚1間の距離に違いがあっても、隣り合う橋脚1の間の距離に応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の橋脚1の振動変位を同じ程度に調整することが可能になる。
このような構成の構造物群の振動変位抑制構造100であっても、例えば、地震動による揺れが橋脚1に作用した場合、それら橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によって、橋脚1の振動は増幅されることなく減衰されるので、その橋脚1の振動変位を抑制することができる。
特に、実施形態2の構造物群の振動変位抑制構造100であれば、隣り合う橋脚1の間の距離に応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の橋脚1の振動変位を同じ程度に調整することができる。
このように、実施形態2の構造物群の振動変位抑制構造100は、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
(実施形態3)
次に、本発明に係る構造物群の振動変位抑制構造の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
実施形態3の構造物群の振動変位抑制構造100は、例えば、図7に示すように、複数の橋脚1が連なる方向に延在し、橋脚1のフーチング1bを挟む配置に埋設されている一対の地中壁10と、一対の地中壁10上部の剛性体12を橋脚1のフーチング1bに接合させている連結部材20等を備えている。なお、図7中、右端側の橋桁2は、橋台4と橋脚1の間に架け渡されており、橋台4のフーチングを挟む配置まで一対の地中壁10が設けられている。
特に、ここでの地中壁10は、橋脚1の設置箇所における支持層Sまでの深さに応じた深さに埋設されている。
具体的には、地中壁10は、支持層Sまでの深さが深い箇所にあるものほど深く埋設され、支持層Sまでの深さが浅い箇所にあるものほど浅く埋設されている。
なお、地中壁10を埋設する深さは、支持層Sまでの深さに応じて単純に増減するのではなく、深さの範囲ごとに閾値を設け、その閾値の前後で地中壁10を埋設する深さを切り替えるようにすればよい。
支持層Sまでの深さが深い箇所であるほど、橋脚1のフーチング1bに結合されている杭1cの長さが長くなる。
橋脚1の杭1cが長いほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の慣性力が大きいため、その橋脚1の振動変位が大きくなり易い。
そこで、橋脚1に生じた比較的大きな振動変位を好適に低減するために、支持層Sまでの深さが深い箇所に設置する地中壁10の剛性を相対的に高くするように、地中壁10をより深く埋設する。
一方、支持層Sまでの深さが浅い箇所であるほど、橋脚1のフーチング1bに結合されている杭1cの長さが短くなる。
橋脚1の杭1cが短いほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の慣性力が小さいため、その橋脚1には比較的小さな振動変位が生じる。
そこで、橋脚1に生じた比較的小さな振動変位を好適に低減するために、支持層Sまでの深さが浅い箇所に設置する地中壁10の剛性を相対的に低くするように、地中壁10を比較的浅く埋設する。
こうすることで、橋脚1の設置箇所ごとに支持層Sまでの深さに違いがあっても、その支持層Sまでの深さに応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の橋脚1の振動変位を同じ程度に調整することが可能になる。
このような構成の構造物群の振動変位抑制構造100であっても、例えば、地震動による揺れが橋脚1に作用した場合、それら橋脚1を連結している一対の地中壁10による振動伝達によって、橋脚1の振動は増幅されることなく減衰されるので、その橋脚1の振動変位を抑制することができる。
特に、実施形態3の構造物群の振動変位抑制構造100であれば、橋脚1が設置された箇所における支持層Sまでの深さに応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の橋脚1の振動変位を同じ程度に調整することができる。
このように、実施形態3の構造物群の振動変位抑制構造100は、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
また、上記実施形態3では、橋脚1の設置箇所における支持層Sまでの深さに応じた深さに地中壁10を埋設したが、これに限るものではない。
例えば、支持層Sまでの深さが略同じ条件である場合、橋脚1のフーチング1bに結合されている杭1cの数が多いほど、橋脚1の剛性は高く、その姿勢は安定する。
そして、橋脚1の杭1cの数が多いほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の振動変位は小さい。一方、橋脚1の杭1cの数が少ないほど、地震動などによる揺れが橋脚1に作用した際の振動変位は大きくなり易い。
そこで、橋脚1に生じた比較的大きな振動変位を好適に低減するため、杭1cの数が少ない橋脚1(つまり剛性が低い橋脚1)の設置箇所では地中壁10の剛性を相対的に高くするように、地中壁10をより深く埋設したり、橋脚1に生じた比較的小さな振動変位を好適に低減するため、杭1cの数が多い橋脚1(つまり剛性が高い橋脚1)の設置箇所では地中壁10の剛性を相対的に低くするように、地中壁10を比較的浅く埋設したりするようにしてもよい。
こうすることで、橋脚1の剛性や姿勢安定性に違いがあっても、その橋脚1に応じた振動変位の抑制ができるので、連なっている複数の橋脚1の振動変位を同じ程度に調整することが可能になる。
以上のように、本実施形態の構造物群の振動変位抑制構造100は、地震動などに起因する複数の橋脚1の振動変位を抑制することができ、それら橋脚1が支持している橋桁2に生じる不具合を低減することができる。
なお、以上の実施の形態においては、フーチング1bに杭1cが結合されている杭基礎構造の橋脚1の振動変位の抑制を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーソン基礎構造の橋脚1の振動変位の抑制や、直接基礎構造の橋脚1の振動変位の抑制にも、本発明を適用することができる。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 橋脚(構造物)
1a 橋脚本体
1b フーチング
1c 杭
2 橋桁
3 沓
4 橋台
10 地中壁
11 鋼矢板
12 剛性体
20 連結部材
21 支圧板
30 減衰体
100 構造物群の振動変位抑制構造
S 支持層

Claims (4)

  1. 複数の構造物が連なっている構造物群の振動変位抑制構造であって、
    前記複数の構造物が連なる方向に延在し、前記構造物のフーチングを挟む配置に所定深さまで埋設されている一対の地中壁と、
    前記一対の地中壁で前記フーチングを拘束するように、前記一対の地中壁に両端部が連結され、その一対の地中壁の一部を前記構造物のフーチングに接合させている連結部材と、
    を備えたことを特徴とする構造物群の振動変位抑制構造。
  2. 前記地中壁の上部には剛性体が設けられており、
    前記連結部材の両端部は前記剛性体に連結され、前記剛性体が前記構造物のフーチングに接合されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物群の振動変位抑制構造。
  3. 前記地中壁は、隣り合う前記構造物の間の距離が長い箇所にあるものほど、深く埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物群の振動変位抑制構造。
  4. 前記構造物のフーチングには、支持層まで達する杭が結合されており、
    前記地中壁は、前記構造物の設置箇所における前記支持層が深い箇所にあるものほど、深く埋設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造物群の振動変位抑制構造。
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