JP4140028B2 - 耐震補強構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として土木分野で使用される耐震補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道、自動車等の輸送車両が走行する橋梁としては、河川、海峡等を横断する狭義の橋梁のほかに市街地において連続的に建設される、いわゆる高架橋がある。かかる高架橋は、効率的な土地利用の観点から、道路上、鉄道上あるいは河川上の空間に連続して建設されるものであり、高架橋下の道路あるいは鉄道が立体交差することとなるため、交通渋滞の解消にも貢献する。
【0003】
ところで、このような高架橋の下部構造は、通常、鉄筋コンクリートのラーメン架構として構築されることが多いが、その設計施工の際には、地震時における高架橋の耐震性が十分検討されなければならない。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−020228号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況下、本出願人は図6に示すように、柱1,1及び梁2からなる鉄筋コンクリートのラーメン架構3内にダンパー4及びブレース5,5からなるダンパーブレース6を配設した高架橋の下部構造7を提案しており、かかる構成によれば、耐震性の向上を大幅に向上させることが可能となる。
【0006】
しかしながら、上述した高架橋の下部構造7を既に建設された高架橋の下部構造に適用して耐震補強しようとする場合には以下のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、ラーメン架構3内にダンパー4及びブレース5,5からなるダンパーブレース6を配設することにより、ラーメン架構の耐力はたしかに向上するが、それに見合う分だけ、フーチングや杭といった基礎構造の耐力も大きくしなければ、高架橋の下部構造7を全体として耐震補強したことにならない。
【0008】
したがって、新設の場合には、杭径を太くするなどの方法によって基礎構造の耐力を当初から向上させることができるものの、既設の場合には、あらたに杭を設けて増し杭とするとともに、地中梁を再施工する等の対策を施すことによって増し杭を既設の杭と一体化させなければならない。
【0009】
しかしながら、地中梁の再施工等には多額の費用と時間を要するため、経済性の観点で改良の余地があった。
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、地中梁等の再施工を行わずとも、基礎構造の耐力を高めることが可能な耐震補強構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強構造は請求項1に記載したように、ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と前記ラーメン架構を構成する梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結した耐震補強構造であって、前記既設の杭が一対の杭で構成され、該一対の杭の中間点に前記増し杭を設けるとともに、前記ブレースを前記ラーメン架構の構面内に配置したものである。
【0012】
また、本発明に係る耐震補強構造は請求項2に記載したように、ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と前記ラーメン架構を構成する梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結した耐震補強構造であって、矩形状地盤領域の隅部に立設された4本の柱と該柱の頭部をロノ字状に連結する4本の梁とで前記ラーメン架構を構成するとともに、前記増し杭を前記矩形状地盤領域内に設けたものである。
【0013】
また、本発明に係る耐震補強構造は、前記ブレースを前記梁の下面に沿って固着された取付け用鋼材を介して前記梁の両端近傍に連結したものである。
【0014】
また、本発明に係る耐震補強構造は、前記増し杭の杭頭と前記ブレースとの間にダンパーを介在させたものである。
【0016】
本発明に係る耐震補強構造及び方法においては、ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と前記ラーメン架構を構成する梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結してある。
【0017】
このようにすると、鉛直荷重しか作用しない通常時においては、ラーメン架構の自重や該ラーメン架構の上の載荷荷重は、主として既設の杭で支持され、耐震補強前と力の流れ方は概ね変わらない。
【0018】
一方、地震時水平力がラーメン架構に作用する場合、該地震時水平力は、従来のようにすべて既設の杭に流れるのではなく、一部がブレースを介して増し杭に伝達される。
【0019】
すなわち、ブレースを設置することによってラーメン架構の水平耐力が増加するが、基礎構造である杭の水平耐力も、増し杭による水平抵抗力の増大という形で増加し、かくしてラーメン架構の耐力増加に見合った分だけ、基礎構造の耐力も高めることが可能となる。
【0020】
地震時水平力が既設の杭と増し杭にそれぞれ伝達される割合は、ラーメン架構及び既設の杭の剛性を合わせたラーメン架構水平剛性と、ブレース及び増し杭の剛性を合わせたブレース水平剛性との比率に依存し、ブレース及び増し杭の水平剛性を大きくすれば、地震時水平力の大部分を増し杭に伝達させることが可能となる。
【0021】
増し杭は、必ずしも鉛直杭である必要はなく、斜杭でもかまわない。
【0022】
ラーメン架構は、主として高架橋の下部構造を構成するラーメン架構を対象とするが、耐震補強が必要であれば、どのような用途の構造物でも本発明を適用することが可能であり、建築分野であるか土木分野であるかは問わない。
【0023】
また、ラーメン架構は、高架橋の下部構造を例に説明すれば、例えば構面が橋軸方向に直交するものでもよいし、橋軸方向に平行なものでもよい。さらには、ラーメン架構が一対の柱及び該柱の頭部を連結する梁から構成されるものに限定されるものではなく、立体ラーメン架構にも適用することができる。
【0024】
すなわち、矩形状地盤領域の隅部に立設された4本の柱と該柱の頭部をロノ字状に連結する4本の梁とで前記ラーメン架構を構成するとともに、前記増し杭を前記矩形状地盤領域内に設けた構成が考えられる。
【0025】
かかる立体ラーメン架構においては、地震時水平力がX,Yいずれの方向から作用しても増し杭に確実に伝達されるため、きわめて安定した耐震補強構造を実現することが可能となる。
【0026】
増し杭の杭頭とラーメン架構を構成する梁の両端近傍とをブレースを介して相互に連結する場合において、ブレースの先端を梁の両端近傍に直接連結するようにしてもかまわないが、これに代えて、梁の下面に沿って固着された取付け用鋼材を介して梁の両端近傍に連結するようにしてもかまわない。
【0027】
かかる間接的な連結においては、ブレースに作用する引張力は、取付け用鋼材に分散して梁の下面全体に伝達することとなる。すなわち、直接連結では集中的な引張力となるため、大きな引張力に耐える定着構造がラーメン架構側で必要となるのに対し、間接的な連結では分散的な引張力となるため、ラーメン架構側では簡易な定着構造で足りる。
【0028】
ブレースと増し杭の杭頭との間においても、直接連結してもかまわないし、フーチングを介して間接的に連結するようにしてもかまわない。
【0029】
また、ブレースと増し杭の杭頭との間にダンパーを介在させるようにしてもよい。
【0030】
かかる構成によれば、ダンパーの減衰作用によってラーメン架構の振動エネルギーを吸収し、該ラーメン架構の振動を速やかに収斂させることができる。
【0031】
ダンパーは、前記増し杭の杭頭と前記ブレースとの間に生じる相対水平振動のエネルギーを吸収することができるのであれば、どのようなものでもよく、例えば、せん断履歴型ダンパーなどの弾塑性ダンパー、粘性体ダンパー、オイルダンパー、摩擦ダンパーなどを採用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る耐震補強構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る耐震補強構造としての高架橋の下部構造を示したものである。同図に示すように、本実施形態に係る高架橋の下部構造11は、柱1,1及びそれらの柱頭に架け渡された梁2からなる鉄筋コンクリートのラーメン架構3を既設の杭12,12で支持してあり、柱1,1は、該既設の杭の杭頭に設置されたフーチング13,13の上に立設してある。
【0034】
ここで、高架橋の下部構造11は、既設の杭12,12から離間した位置にあらたな杭を増し杭14として設けるとともに、該増し杭の杭頭に設けられたフーチング15と梁2の両端近傍とをブレース16,16を介して相互に連結してある。なお、ここで言う梁2は、あくまでラーメン架構3を構成する梁2を意味するものであって、梁2から柱1,1の側方に水平方向に延設された張出部分17,17は、梁2には含まれない。
【0035】
増し杭14は、既設の杭12,12の中間点に配置するとともに、ブレース16,16は、ラーメン架構3の構面内に配置するのが望ましい。
【0036】
ブレース16は例えばH鋼で構成することができる。
【0037】
本実施形態に係る耐震補強構造を構築するには、まず、既設の杭12,12の中間点に増し杭14を設ける。増し杭14は、鋼管杭、コンクリート杭等の打込み杭でもよいし、現場打ちコンクリート杭でもよい。
【0038】
次に、増し杭14の杭頭にフーチング15を設け、次いで、ブレース16,16の下端をフーチング15に、上端を梁2の両端近傍の下面にそれぞれ連結する。
【0039】
ブレース16,16を連結するにあたっては、予め埋設されたアンカーボルトやコンクリートアンカー等を利用することにより、想定地震動に対して十分な引張強度が確保されるよう、フーチング15及び梁2の両端下面に連結する。
【0040】
このようにすると、鉛直荷重Pしか作用しない通常時においては、図2(a)に示すようにラーメン架構3の自重や該ラーメン架構の上の載荷荷重は、主として既設の杭12,12でP/2ずつ支持され、耐震補強前と力の流れ方は概ね変わらない。
【0041】
一方、地震時水平力Hがラーメン架構3に作用する場合、該地震時水平力は同図(b)に示すように、ブレース16,16を介して増し杭14に伝達され、水平反力Hbが増し杭14の杭頭に発生するとともに、残りの水平力が柱1,1を介して既設の杭12,12に伝達され、水平反力Hfが既設の杭12,12にそれぞれ発生する。
【0042】
地震時水平力が既設の杭12,12と増し杭14にそれぞれ伝達される割合は、ラーメン架構3及び既設の杭12,12の剛性を合わせたラーメン架構水平剛性と、ブレース16,16及び増し杭14の剛性を合わせたブレース水平剛性との比率に依存し、ブレース水平剛性がラーメン架構水平剛性よりも十分大きくなるようにブレース断面や増し杭14の杭径を設定すれば、地震時水平力Hの大部分を増し杭14に伝達させることができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る耐震補強構造11及び方法によれば、ブレース16,16を設置することによって、ラーメン架構3の水平耐力を増加させるとともに、該ブレースをあらたに設けられた増し杭14に連結することで基礎構造である杭全体の水平耐力を増加させるようにしたので、従来のように地中梁の再構築あるいはあらたな構築を行い、該地中梁を介して既設の杭と増し杭との一体化を行わずとも、ラーメン架構3の耐力増加に見合った分だけ、基礎構造の耐力も高めることが可能となる。
【0044】
したがって、地中梁の再構築あるいは新規構築及び該地中梁を介した杭の一体化を図る必要がない分だけ、従来よりも短工期でラーメン架構3を耐震補強することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態に係る耐震補強構造及び方法によれば、ブレース水平剛性がラーメン架構水平剛性よりも十分大きくなるようにブレース16,16の断面や増し杭14の杭径を設定することにより、地震時水平力Hの大部分を増し杭14に伝達させることができる。
【0046】
そのため、上述した作用効果に加えて、ラーメン架構3の柱1,1や既設の杭12,12の耐震補強も不要となり、かくして、耐震補強工事のさらなる工期短縮が可能となる。
【0047】
本実施形態では、ブレースの上端を梁2の両端下面に連結するようにしたが、これに代えて柱1の柱頭側面に連結するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、ブレース16をラーメン架構3の構面内に設けるようにしたが、必ずしも構面内に設ける必要はなく、ラーメン架構3の側面にあてがうように設置してもかまわない。
【0049】
この場合における具体的構成としては例えば、梁2の両端近傍の側面にブレース取付部材を固着するとともに、既設の杭12,12を結ぶ仮想線から該仮想線に直交する方向に例えば柱径だけずらした位置に増し杭14を設けるようにすればよい。
【0050】
また、本実施形態では、増し杭14の杭頭にフーチング15を設け、該フーチングにブレース16,16の下端を連結するようにしたが、これに代えてフーチング15を省略し、該ブレースを増し杭14の杭頭に直接連結するようにしてもかまわない。
【0051】
また、本実施形態では、ブレース16,16と増し杭14の杭頭に設けられたフーチング15とを直接連結するようにしたが、これに代えて、ブレース16,16とフーチング15との間にダンパーとしてのせん断履歴型ダンパーを介在させるようにしてもよい。
【0052】
図3は、かかる変形例を示した耐震補強構造31であり、該耐震補強構造は、上述の実施形態と同様、ラーメン架構3を既設の杭12,12で支持してあり、柱1,1は、該既設の杭の杭頭に設置されたフーチング13,13の上に立設してあるとともに、既設の杭12,12から離間した位置にあらたな杭を増し杭14として設け、該増し杭の杭頭に設けられたフーチング15と梁2の両端近傍とをブレース16,16を介して相互に連結してあるが、本変形例では、ブレース16,16とフーチング15との間にせん断履歴型ダンパー32を介在させてある。
【0053】
かかる構成によれば、ラーメン架構3が地震時水平力を受けて水平振動したとき、かかるラーメン架構3の水平振動は、ブレース16,16を介してせん断履歴型ダンパー32に繰り返し強制変形として加わり、ラーメン架構3の振動エネルギーは、せん断履歴型ダンパー32の履歴減衰によって吸収され該ラーメン架構の水平振動は速やかに収斂する。もちろん、この場合においても、既設の杭12,12及び増し杭14への地震時水平力の伝達に関しては上述した実施形態で述べた通りである。
【0054】
また、本実施形態では、ブレース16,16の先端を梁2の両端近傍に直接連結するようにしたが、これに代えて、梁2の下面に沿って固着された取付け用鋼材を介して梁2の両端近傍に連結するようにしてもかまわない。
【0055】
図4は、かかる変形例を示した耐震補強構造41であり、該耐震補強構造は、上述の実施形態と同様、ラーメン架構3を既設の杭12,12で支持してあり、柱1,1は、該既設の杭の杭頭に設置されたフーチング13,13の上に立設してあるとともに、既設の杭12,12から離間した位置にあらたな杭を増し杭14として設け、該増し杭の杭頭に設けられたフーチング15と梁2の両端近傍とをブレース16,16を介して相互に連結してあるが、本変形例では、ブレース16,16と梁2との間に取付け用鋼材42を介在させてある。
【0056】
かかる構成においては、梁2の長さ(柱1,1間の内法)とほぼ同じ長さ寸法を有する取付け用鋼材42をコンクリートアンカー等を用いて梁2の下面に固着し、次いで、ブレース16,16の上端を取付け用鋼材42の両端にボルト又は溶接でそれぞれ接合する。
【0057】
かかる間接的な連結においては、地震時にブレース16,16に作用する引張力は、取付け用鋼材42に分散して梁2の下面全体に伝達することとなる。すなわち、直接連結では集中的な引張力となるため、大きな引張力に耐える定着構造がラーメン架構3側で必要となるのに対し、本変形例に係る間接的な連結では分散的な引張力となるため、ラーメン架構3側では簡易な定着構造で足りることとなる。
【0058】
なお、かかる変形例においても、上述したせん断履歴型ダンパー32を併用することはもちろん可能である。
【0059】
また、本実施形態では、ラーメン架構3を平面ラーメン架構としたが、これに代えて立体ラーメン架構を採用することも可能である。
【0060】
図5は、かかる変形例を示した耐震補強構造としての高架橋の下部構造51であり、同図でわかるように、該高架橋の下部構造51は、矩形状地盤領域52の隅部に立設された4本の柱53と該柱の頭部をロノ字状に連結された4本の梁54とで構成してなるラーメン架構55を4本の既設の杭12で支持してあり、柱53は、該既設の杭の杭頭に設置されたフーチング13の上にそれぞれ立設してある。
【0061】
ここで、高架橋の下部構造51は、既設の杭12,12から離間した位置であってかつ矩形状地盤領域52内にあらたな杭を増し杭56として設けるとともに、該増し杭の杭頭に設けられたフーチング57と4本の梁54の両端近傍とを4本のブレース58を介して相互に連結してある。
【0062】
ここで、4本のブレース58の上端については、4本の柱53の柱頭にそれぞれ接合された梁54,54の各端の内方側面に4つのブレース取付部材59をそれぞれ固定し、該4つのブレース取付け部材59にそれぞれ連結してある。
【0063】
かかる立体ラーメン架構によれば、地震時水平力がX,Yいずれの方向から作用しても、該地震力は、増し杭56に確実に伝達されるため、きわめて安定した耐震補強構造を実現することが可能となる。
【0064】
なお、かかる変形例において、ブレース取付部材59を省略し、これに代えて、4本のブレース58を梁54の両端近傍あるいは柱53の柱頭近傍に直接連結するようにしてもかまわない。また、かかる変形例においても、上述したせん断履歴型ダンパー32を併用することはもちろん可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る耐震補強構造によれば、従来のように地中梁の再構築あるいはあらたな構築を行い、該地中梁を介して既設の杭と増し杭との一体化を行わずとも、ラーメン架構の耐力増加に見合った分だけ、基礎構造の耐力も高めることが可能となる。
【0066】
したがって、地中梁の再構築あるいは新規構築及び該地中梁を介した杭の一体化を図る必要がない分だけ、従来よりも短工期でラーメン架構を耐震補強することが可能となる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る耐震補強構造の正面図。
【図2】本実施形態に係る耐震補強構造及び方法の作用を示した図。
【図3】変形例に係る耐震補強構造の正面図。
【図4】同じく変形例に係る耐震補強構造の正面図。
【図5】同じく変形例に係る耐震補強構造の図で(a)は斜視図、(b)は水平断面図。
【図6】従来技術に係る高架橋の下部構造。
【符号の説明】
1,53 柱
2,54 梁
3,55 ラーメン架構
11,31,41,51 高架橋の下部構造(耐震補強構造)
12 既設の杭
14,56 増し杭
16,58 ブレース
32 せん断履歴型ダンパー(ダンパー)
42 取付け用鋼材

Claims (4)

  1. ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と前記ラーメン架構を構成する梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結した耐震補強構造であって、前記既設の杭が一対の杭で構成され、該一対の杭の中間点に前記増し杭を設けるとともに、前記ブレースを前記ラーメン架構の構面内に配置したことを特徴とする耐震補強構造。
  2. ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と前記ラーメン架構を構成する梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結した耐震補強構造であって、矩形状地盤領域の隅部に立設された4本の柱と該柱の頭部をロノ字状に連結する4本の梁とで前記ラーメン架構を構成するとともに、前記増し杭を前記矩形状地盤領域内に設けたことを特徴とする耐震補強構造。
  3. 前記ブレースを前記梁の下面に沿って固着された取付け用鋼材を介して前記梁の両端近傍に連結した請求項1又は請求項2記載の耐震補強構造。
  4. 前記増し杭の杭頭と前記ブレースとの間にダンパーを介在させた請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の耐震補強構造。
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