JP6347120B2 - 盛土補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、河川等の堤防、道路・鉄道盛土等の河川、道路、鉄道等に沿って長く延在する盛土補強構造に関する。
従来、河川等の堤防の盛土(堤体)に対する補強として、盛土の法面に透水性の低い材料や不透水性の材料を被覆することや、盛土の法面の下端側になる法尻部分に、盛土の延在方向(連続方向)に沿って地中に鋼矢板壁を構築することが知られていた。
しかし、法面の被覆では、盛土自体の強度の補強にならず、地震や洪水の際に、大きな外力が盛土に作用した場合の盛土の破壊を防止することができない。また、盛土基礎地盤の安定化を図り、前記漏水を防止する上では、上述のように法尻部分に鋼矢板壁を配置するのは有効であるが、洪水時に越水した場合には、法尻部分の鋼矢板壁では、盛土が崩壊するのを防止することができない。
このような問題を解決するために特許文献1および2に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術は、図5に示すように、連続する盛土1の法肩部に、鋼矢板2からなる鋼矢板壁3を盛土1の連続方向に沿って2列設け、当該鋼矢板壁3を支持層4まで根入れすることで、地震時や洪水時等の盛土を崩壊させようとする外力に対して盛土1を補強するものである。
特に両法肩部に対向して設けられた鋼矢板壁3,3は、盛土1の天端付近でタイロッド等の連結材6で結合されており、このような構造は、鋼矢板壁3,3によって締め切られた範囲内において構造安定性が高まり、地震時における盛土の沈下抑制効果および洪水時の破堤防止効果が期待される。
また、特許文献2に記載の技術は、図6に示すように、連続する盛土1の法肩部に、鋼矢板2からなる鋼矢板壁3を盛土1の連続方向に沿って2列設け、当該鋼矢板壁3を支持層4より浅い深さ(液状化層5)で、かつ、地震時や洪水時に倒壊しない程度まで根入れした構造である。
鋼矢板壁3を支持層4まで根入れしないことで、当該鋼矢板壁3を構成する鋼矢板2の上下長が低減される上、地震時には液状化層5が液状化することで免震効果を発揮し、鋼矢板2に発生する応力が小さく抑えられ、必要断面性能が低減されることでコスト低減に寄与できる。また、盛土1の法尻部に鋼矢板2からなる鋼矢板壁3を施工し併用してもよい。
特開2003−13451号公報 特開2012−7394号公報
ところが、前記特許文献1に記載の技術では、支持層が地盤深くに位置する地盤条件では、鋼矢板壁を構成する鋼矢板の必要根入れが長く、多くの工期や工費が発生して、コスト高になる。
また、特許文献2に記載の技術では、鋼矢板壁を構成する鋼矢板を支持層より浅い部分で根入れできるため、根入れ長さが短く、コスト低減を図れるものの、鋼矢板が十分に根入れされた構造に比して、地震時に鋼矢板壁が沈下することで盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果(盛土破壊抑止効果)が小さくなる可能性が考えられる。なお、模型堤防を対象とした加振実験により、鋼矢板が支持層まで根入れされていない状態では、地震時において鋼矢板が周辺地盤とともに沈下する挙動が確認されている。
また、盛土の法尻部に鋼矢板壁を併用した構造も考えられるが、工期や工費がかかる上、併用させることによる盛土沈下抑制効果の向上度合いは小さい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、支持層が深くに位置する地盤条件に対しても、十分な地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果(盛土破壊抑止効果)を期待でき、かつ、コストを低減できる盛土補強構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の盛土補強構造は、連続する盛土の略天端の範囲内に、鋼矢板および/または鋼管矢板からなる鋼矢板壁が、前記盛土の連続方向に沿って1列以上設けられ、前記鋼矢板壁が支持層より浅い深さまで根入れされた盛土補強構造において、
前記盛土の法尻部に、前記支持層まで根入れされた鋼製支持材が前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置され、
前記鋼矢板壁と前記各鋼製支持材とがそれぞれ第1連結材によって結合されることによって、前記鋼矢板壁が前記第1連結材を介して前記鋼製支持材によって支持され、
前記第1連結材は、前記盛土の法面に沿って設けられ、
前記盛土の連続方向において隣り合う前記鋼製支持材に連結された前記第1連結材が交差していることを特徴とする。
本発明においては、盛土の天端の範囲内に設けられる鋼矢板壁は、支持層より浅い深さまでしか根入れされていない。盛土の法尻部に設けられる鋼製支持材は支持層まで根入れされているが、盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置されているので、支持層まで根入れされた鋼矢板壁を盛土の連続方向に沿って連続して設けられている構造に比して、工期や工費を低減してコストの低減を図ることができる。
また、鋼矢板壁と各鋼製支持材とがそれぞれ第1連結材によって結合されることによって、鋼矢板壁が第1連結材を介して前記鋼製支持材によって支持されているので、地震時に盛土内部の鋼矢板壁の沈下を抑えることができ、地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果(盛土破壊抑止効果)が期待される。
したがって、支持層が深くに位置する地盤条件に対しても、十分な地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果を期待でき、かつ、盛土の略天端の範囲内に設けられた鋼矢板壁の下端は液状化層に留めて、法尻部の鋼製支持材は盛土の連続方向に所定間隔で離散的に設置し、これらを第1連結材で結合させることで、上記効果を維持したままコストの低減を図ることができる。
また、盛土の連続方向に卓越する加振に対しても、盛土の補強効果を発揮することができる。
また、本発明の別の盛土補強構造は、連続する盛土の略天端の両法肩部からそれぞれ下方に延在するようにして設けられた鋼矢板および/または鋼管矢板からなる鋼矢板壁が、前記盛土の連続方向に沿って設けられ、前記鋼矢板壁が支持層より浅い深さまで根入れされた盛土補強構造において、
前記盛土の法尻部に、前記支持層まで根入れされた鋼製支持材が前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置され、
前記鋼矢板壁と前記各鋼製支持材とがそれぞれ第1連結材によって結合されることによって、前記鋼矢板壁が前記第1連結材を介して前記鋼製支持材によって支持され、
前記第1連結材は、地震時の前記盛土の慣性力に耐えることができ、かつ、前記支持層より浅い位置にある液状化層が液状化し支持力が期待できない状態でも前記鋼矢板壁の重量を支えることのできる強度を有し、前記盛土の両法肩部に前記鋼矢板壁が対向して設けられ、これら鋼矢板壁どうしが前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置された第2連結材によって連結され、前記第2連結材が交差していることを特徴とする。
本発明においては、地震時において盛土が震動したり沈下する場合においても、第1連結材が地震時の盛土の慣性力に耐えることができ、また、液状化層が液状化して鋼矢板壁の支持力が期待できない状態でも、第1連結材が鋼矢板壁の重量を支えることができる。したがって、当該第1連結材を介して鋼製支持材によって、盛土沈下や越水時の破堤(盛土破壊)を確実に抑止することができる。
また、本発明の前記構成において、前記鋼製支持材は、鋼管、鋼矢板、形鋼のうちの少なくともいずれかで1つで構成されていることが好ましい。
形鋼は、H形鋼、山形鋼、溝形鋼、I形鋼等のいずれの形鋼であってもよい。
このような構成によれば、鋼製支持材を容易に調達できるとともに、鋼矢板壁を第1連結材を介して確実に支持できる。
また、本発明の前記構成において、前記第1連結材は、前記盛土の法面に沿って設けられていてもよい。
ここで、第1連結材を盛土の法面に沿って設けるとは、第1連結材を盛土の法面から露出した状態で当該法面に沿わせるようにして設ける場合や、法面より若干下側において、当該法面によって隠された状態で当該法面に沿わせるようにして設けることを含む。
このような構成によれば、第1連結材が盛土の法面に沿って設けられているので、第1連結材の設置が容易であるとともに、当該第1連結材を鋼矢板壁の上端部と鋼製支持材の上端部とに容易に連結できる。
また、本発明の前記構成において、盛土の両法肩部に前記鋼矢板壁が対向して設けられ、これら鋼矢板壁どうしが前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置された第2連結材によって連結されていてもよい。
この場合、鋼矢板壁に対する第1連結材の連結箇所と、第2連結材の連結箇所とは、盛土の連続方向において、同じ位置でも異なる位置でもよい。
このような構成によれば、第1連結材と第2連結材の連結する位置を選定することで応力の発生箇所を分散させて調整することができる。
また、発明の前記構成において、前記第1連結材の少なくとも一部は前記盛土の内部に設けられていてもよい。
このような構成によれば、盛土の地盤が緩衝材となり、第1連結材に発生する曲げ変形が低減される。
また、本発明の前記構成において、前記第1連結材と、前記鋼矢板壁および/または前記鋼製支持材とはピン結合されていてもよい。
このような構成によれば、第1連結材に作用する曲げ変形を低減させることができる。
また、本発明の前記構成において、前記第1連結材には前記盛土の内部に埋め込まれるリブが前記第1連結材から突出して設けられていてもよい。
このような構成によれば、盛土の地盤からの抵抗が増し第1連結材の曲げ変形が低減される。
本発明によれば、支持層が深くに位置する地盤条件に対しても、十分な地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果(盛土破壊抑止効果)を期待でき、かつ、コストの低減を図ることができる。
本発明に係る盛土補強構造の第1の実施の形態を示すもので、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、側断面図である。 本発明に係る盛土補強構造の第2の実施の形態を示すもので、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、正断面図である。 本発明に係る盛土補強構造の第3の実施の形態を示すもので、盛土補強構造の概略を示す側断面図である。 本発明に係る盛土補強構造の第4の実施の形態を示すもので、盛土補強構造の概略を示す側断面図である。 従来の盛土補強構造の一例を示すもので、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、側断面図である。 従来の盛土補強構造の他の例を示すもので、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、側断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、側断面図である。
図1(a),(b)に示すように、第1の実施形態の盛土補強構造は、海や河川等の堤防となる盛土1を補強するためのものである。
盛土1は、中央の最も高い部分が水平な上面を有する天端1aとなっている。天端1aの左右には傾斜した法面1bがそれぞれ形成され、法面1bの上端部側が法肩部1cで、下端部側が法尻部1dとされている。
この盛土補強構造においては、連続する盛土1に、鋼矢板2からなる鋼矢板壁3が支持層4より浅い深さまで根入れされている。つまり、鋼矢板壁3の下端部は支持層4の上の液状化層5まで達している。また、鋼矢板壁3は盛土1の連続方向(図1(a)において上下方向、図1(b)において紙面と直交する方向)に沿って設けられている。鋼矢板壁3は複数の鋼矢板2を盛土1の連続方向に接続することによって構成されている。さらに、鋼矢板壁3は、盛土1の天端1aの両法肩部1c,1cから下方に延在するようにして設けられている。
鋼矢板2は、盛土1の天端1aの両法肩部1c,1cから盛土1を上下に貫通するように打設され、液状化層5中に達し、当該液状化層5に根入れされている。このような鋼矢板2を盛土1の連続方向に接続することよって、盛土1中には互いに対向し、かつ盛土1の連続方向に沿って延在する鋼矢板壁3,3が施工されている。
前記鋼矢板壁3,3の頭部(上端部)は、盛土1の天端1aの高さ付近となる高さに位置している。そして、盛土1中に、2列に設けられた鋼矢板壁3,3で締め切られた地盤からなる構造骨格部7が形成されている。
鋼矢板壁3,3は、止水壁として、河川から浸透した水の流れである浸透流を遮り、盛土1に浸透破壊が生じるのを抑制するだけではなく、盛土1に前記構造骨格部7を形成することで強固な構造とするとともに、盛土1の略天端1aまで鋼矢板壁3,3を配置することで、盛土1の上部が崩壊するのを抑制し、地震や洪水等により外力が作用しても、河川が決壊するのを抑えている。
また、2列の鋼矢板壁3,3間には、例えば、タイロッド等の第2連結材6が盛土1の連続方向に沿って所定間隔毎に設けられている。第2連結材6は、2列の鋼矢板壁3,3間に架け渡されてこれらを連結している。これにより、洪水や地震等により大きな外力が作用した場合に、2列の鋼矢板壁3,3の上部が変形するのを防止している。なお、第2連結材6を設けないものとしてもよい。
前記盛土1の法尻部1dには、支持層4まで根入れされた鋼製支持材10が盛土1の連続方向に所定間隔で離散的に配置されている。
この鋼製支持材10は、鋼管、鋼矢板、形鋼のうちの少なくともいずれかで1つで構成されているが、本実施の形態では、円筒状の鋼管による鋼管杭によって構成されており、当該鋼製支持材10の上端部は、盛土1の法尻部1dの高さ付近、つまり盛土1が設けられた地盤の表面付近に位置している。
また、鋼製支持材10は、盛土1の連続方向(図1(a)において上下方向)に所定間隔で離散的に配置されるが、本実施の形態では、盛土1の連続方向に隣り合う鋼製支持材10,10の間隔は、盛土1の連続方向において接続された2枚の鋼矢板2の長さと等しくなっている。
また、前記鋼矢板壁3と前記各鋼製支持材10とは、それぞれ第1連結材11によって結合され、これによって、鋼矢板壁3が第1連結材11を介して鋼製支持材10によって支持されている。
第1連結材11は、地震時の盛土1の慣性力に耐えることができ、かつ、支持層4より浅い位置にある液状化層5が液状化し支持力が期待できない状態でも鋼矢板壁3の重量を支えることのできる強度を有している。第1連結材11には、地震時に盛土1が沈下することによって圧縮力が作用するため、第1連結材11は、少なくとも当該圧縮力に耐え得る強度を有しており、例えば断面H形等の軽量形鋼が好適に使用されている。
また、第1連結材11は、盛土1の法面1bに沿って設けられている。本実施の形態では、第1連結材11は、法面1bより若干下側において、当該法面1bによって隠された状態で当該法面1bに沿わせるようにして設けられている。
ここで、第1連結材11は、鋼矢板壁3の重量を支持するためのものであるので、第1連結材11と水平面とのなす角をθとすると、0°<θ<60°に設定するのが好ましい。θが0°より小さくなると鋼製支持材10の天端が水平方向に広がるのに伴い、鋼矢板壁3の下端が水平方向に広がる挙動が助長され、60°より大きくなると第1連結材11の梁長さが長くなり、発生する曲げ応力が大きくなるからである。
また、本実施の形態では、第1連結材11と鋼矢板壁3とはピン結合されているが、剛結合であってもよい。また、第1連結材11と鋼製支持材10とは剛結合されているが、ピン結合であってもよい。つまり、第1連結材11と、鋼矢板壁3および鋼製支持材10との結合は、それぞれピン結合であってもよいし、剛結合であってもよい。
さらに、本実施の形態では、図1(a)に示すように、第1連結材11は平面視において、鋼矢板壁3に対して略垂直に配置され、その先端部(上端部)は鋼矢板壁3の上端部でかつ、隣り合う鋼矢板2,2の接続部に連結されている。
また、本実施の形態では、鋼矢板壁3に対する第1連結材11の連結箇所と、第2連結材6の連結箇所とは、盛土1の連続方向において、異なる位置となっているが、同じ位置でもよい。
また、第2連結材6は、図1(a)に二点鎖線で示すように、交差していてもよい。この第2連結材6は、上述したようにタイロッドによって構成したが、これに限らず、圧縮力に耐え得る強度を有する断面H形等の軽量形鋼で構成してもよい。
以上、本実施の形態によれば、盛土1の法肩部1cに設けられる鋼矢板壁3は、支持層4より浅い深さの液状化層5までしか根入れされていない一方、盛土1の法尻部1dに設けられる鋼製支持材10が支持層4まで根入れされているが、盛土1の連続方向に所定間隔で離散的に配置されているので、支持層4まで根入れされた鋼矢板壁を盛土1の連続方向に沿って連続して設けられている従来の構造に比して、工期や工費を低減してコストの低減を図ることができる。
また、鋼矢板壁3と各鋼製支持材10とがそれぞれ第1連結材11によって結合されることによって、鋼矢板壁3が第1連結材11を介して鋼製支持材10によって支持されているので、地震時に盛土内部の鋼矢板壁3の沈下を抑えることができ、地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果(盛土破壊抑止効果)が期待される。
したがって、支持層4が深くに位置する地盤条件に対しても、十分な地震時の盛土沈下抑制効果や越水時の破堤抑止効果を期待でき、かつ、盛土1の法肩部1cの鋼矢板壁3の下端は液状化層5に留めて、法尻部1dの鋼製支持材10は盛土1の連続方向に所定間隔で離散的に設置し、これらを第1連結材11で結合させることで、上記効果を維持したままコストの低減を図ることができる。
また、鋼製支持材10は地盤に対する支持力の強い鋼管杭で構成されているので、鋼矢板壁3を第1連結材11を介して確実に支持できるとともに、鋼製支持材10を容易に調達できる。
さらに、地震時において盛土1が震動したり沈下する場合においても、第1連結材11が地震時の盛土の慣性力に耐えることができ、また、液状化層5が液状化し、鋼矢板壁3の支持力が期待できない状態でも、第1連結材11が鋼矢板壁3の重量を支えることができる。したがって、当該第1連結材11を介して鋼製支持材10によって、盛土沈下や越水時の破堤を抑止することができる。
また、第1連結材11が盛土1の法面1bに沿って設けられているので、第1連結材11の設置が容易であるとともに、当該第1連結材11を鋼矢板壁3の上端部と鋼製支持材10の上端部とに容易に連結できる。
また、盛土1の両法肩部1c,1cに対向して設けられた鋼矢板壁3,3どうしが盛土1の連続方向に所定間隔で離散的に配置された第2連結材6によって連結されているので、第1連結材11と第2連結材6の鋼矢板壁3に対する連結する位置を選定することで応力の発生箇所を分散させて調整することができる。
さらに第1連結材11と鋼矢板壁3および/または鋼製支持材10とはピン結合されているので、地震時に盛土沈下等によって第1連結材11に作用する曲げ変形を低減させることができる。
また、図1(a)に二点鎖線で示すように、第2連結材6を交差して配置すれば、盛土1の連続方向に卓越する加振に対しても、盛土1の補強効果を発揮することができる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は盛土補強構造の概略を示す平面図、(b)は同、正断面図である。
この第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、盛土1の連続方向において隣り合う鋼製支持材10に連結された第1連結材11が交差している点である。
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図2(a),(b)に示すように、盛土1の連続方向(図1(a)において上下方向、図1(b)において左右方向)において隣り合う鋼製支持材10には、第1の実施の形態と同様に、第1連結材11が平面視において、鋼矢板壁3に対して略垂直に配置され、その先端部(上端部)が鋼矢板壁3の上端部に連結されている。
これに加えて、他の第1連結材11がさらに導入され、当該第1連結材11が盛土1の連続方向において隣り合う鋼製支持材10に連結され、これら連結材11,11が交差している。
交差する第1連結材11,11も盛土1の法面1bに沿って配置され、その下端部が鋼製支持材10の上端部に連結され、上端部が鋼矢板壁3の上端部に連結されている。交差する第1連結材11,11の鋼矢板壁3に対する連結箇所は、基本的に、鋼矢板壁3に対して略垂直に配置された第1連結材11の鋼矢板壁3に対する連結箇所と等しいが、鋼矢板壁3の平面視における凹凸形状によって、交差する第1連結材11,11を直接鋼矢板壁3に連結できない場合は、当該鋼矢板壁3に連結された前記垂直な第1連結材11の端部に連結することによって、間接的に鋼矢板壁3に連結してもよい。
なお、本実施の形態において、鋼矢板壁3に対して略垂直に配置された第1連結材11は省略してもよい。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、盛土1の連続方向において隣り合う鋼製支持材10,10に連結された第1連結材11,11が交差しているので、盛土1の連続方向に卓越する加振に対しても、盛土1の補強効果を発揮することができる。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態を示すもので、盛土補強構造の概略を示す側断面図である。
この第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1連結材11を設ける位置である。
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、図3に示すように、第1連結材11が第1の実施の形態に比して下方に配置され、第1連結材11の少なくとも一部は盛土1の内部に設けられている。
具体的には、第1連結材11の略上半分が盛土1の内部に設けられ、略下半分が液状化層5に設けられている。そして、第1連結材11の上端部が盛土1の内部で鋼矢板壁3に連結され、下端部が液状化層5の内部で鋼製支持材10に連結されている。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、盛土1の内部に第1連結材11の一部(上半分)が設けられているので、地震時等において盛土1の地盤や液状化層5の地盤が緩衝材となり、第1連結材11に発生する曲げ変形が低減される。
(第4の実施の形態)
図4は、本発明の第4の実施の形態を示すもので、盛土補強構造の概略を示す側断面図である。
この第4の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1連結材11にリブ11aを設けた点である。
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、図4に示すように、第1連結材11には、盛土1の内部に埋め込まれるリブ11aが第1連結材11から突出して設けられている。
リブ11aは、水平面に対して所定の角度で傾斜している。
リブ11aは、棒状のものであるが、その表面に盛土1の地盤に食い込むような凹凸を設けてもよい。
本実施の形態によれば、第1連結材11に盛土1の内部に埋め込まれるリブ11aが第1連結材11から突出して設けられているので、地震時等において沈下する盛土1の地盤からの抵抗が増し第1連結材の曲げ変形が低減される。
1 盛土
1a 天端
1b 法面
1c 法肩部
1d 法尻部
2 鋼矢板
3 鋼矢板壁
4 支持層
5 液状化層
6 第2連結材
10 鋼製支持材
11 第1連結材
11a リブ

Claims (9)

  1. 連続する盛土の略天端の範囲内に、鋼矢板および/または鋼管矢板からなる鋼矢板壁が、前記盛土の連続方向に沿って1列以上設けられ、前記鋼矢板壁が支持層より浅い深さまで根入れされた盛土補強構造において、
    前記盛土の法尻部に、前記支持層まで根入れされた鋼製支持材が前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置され、
    前記鋼矢板壁と前記各鋼製支持材とがそれぞれ第1連結材によって結合されることによって、前記鋼矢板壁が前記第1連結材を介して前記鋼製支持材によって支持され、
    前記第1連結材は、前記盛土の法面に沿って設けられ、
    前記盛土の連続方向において隣り合う前記鋼製支持材に連結された前記第1連結材が交差していることを特徴とする盛土補強構造。
  2. 連続する盛土の略天端の両法肩部からそれぞれ下方に延在するようにして設けられた鋼矢板および/または鋼管矢板からなる鋼矢板壁が、前記盛土の連続方向に沿って設けられ、前記鋼矢板壁が支持層より浅い深さまで根入れされた盛土補強構造において、
    前記盛土の法尻部に、前記支持層まで根入れされた鋼製支持材が前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置され、
    前記鋼矢板壁と前記各鋼製支持材とがそれぞれ第1連結材によって結合されることによって、前記鋼矢板壁が前記第1連結材を介して前記鋼製支持材によって支持され、
    前記第1連結材は、地震時の前記盛土の慣性力に耐えることができ、かつ、前記支持層より浅い位置にある液状化層が液状化し支持力が期待できない状態でも前記鋼矢板壁の重量を支えることのできる強度を有し
    前記盛土の両法肩部に前記鋼矢板壁が対向して設けられ、これら鋼矢板壁どうしが前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置された第2連結材によって連結され、
    前記第2連結材が交差していることを特徴とする盛土補強構造。
  3. 前記鋼製支持材は、鋼管、鋼矢板、形鋼のうちの少なくともいずれかで1つで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の盛土補強構造。
  4. 前記第1連結材は、前記盛土の法面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の盛土補強構造。
  5. 盛土の両法肩部に前記鋼矢板壁が対向して設けられ、これら鋼矢板壁どうしが前記盛土の連続方向に所定間隔で離散的に配置された第2連結材によって連結されていることを特徴とする請求項1、3または4に記載の盛土補強構造。
  6. 前記第2連結材が交差していることを特徴とする請求項5に記載の盛土補強構造。
  7. 前記第1連結材の少なくとも一部は前記盛土の内部に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の盛土補強構造。
  8. 前記第1連結材と、前記鋼矢板壁および/または前記鋼製支持材とはピン結合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の盛土補強構造。
  9. 前記第1連結材には前記盛土の内部に埋め込まれるリブが前記第1連結材から突出して設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の盛土補強構造。
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