JP2011162964A - 地盤の補強構造及び地盤の補強工法 - Google Patents

地盤の補強構造及び地盤の補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】地震時に地盤の液状化を防止することが可能な地盤の補強構造及び補強工法を提供する。
【解決手段】地盤Eの補強構造1は、補強対象区域2を囲うように地盤E内に設置された拘束材4と、拘束材4に補強対象区域2の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与手段5とを備える。拘束材4は、液状化層E1を貫通して、その下端が非液状化層E2の強固な支持地盤の所定の深度に到達するように設置されている。荷重付与手段5は、液状化層E1内に設置され、対向位置に設置された拘束材4同士を連結する棒状のアンカーボルト5aと、アンカーボルト5aの両端に螺合するナット5bとからなる連結材を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震等による液状化現象の発生が予測される地盤の補強構造及び補強工法に関するものである。
従来より、地震時に液状化する可能性がある軟弱地盤上に既設構造物が存在する場合には、液状化現象に伴う地盤の変状を防止するために、既設構造物の周囲を取り囲むように地中壁を構築していた。
例えば、特許文献1には、既設構造物の周囲を取り囲むように鋼矢板を打設し、その上端部を周方向に鋼材やコンクリート等で連結する構造が開示されている。この構造は、鋼矢板の上端部同士を連結することにより、地震時に鋼矢板の上端部が外方へ変形することを防止する。すなわち、鋼矢板で囲まれた地盤内の土砂が鋼矢板の外へ流出することを防止するものである。
特開2002−167778
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、鋼矢板の上端部が連結されているだけなので、地盤の剛性や強度を上げることはできない。したがって、鋼矢板で囲まれた地盤が液状化してしまうという問題点が有った。
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、地震時に地盤の液状化を防止することが可能な地盤の補強構造及び補強工法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明の地盤の補強構造は、補強対象区域を取り囲み又は両側から挟むとともに、その下端が支持地盤まで到達するように地盤内に設置された拘束材と、前記拘束材に、前記補強対象区域の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与手段とを備えることを特徴とする。
本発明の地盤の補強構造によれば、荷重付与手段で拘束材に荷重を付与することにより、補強対象区域の地盤にプレストレスを加えて、側方拘束圧を増大させることができる。さらに、側方拘束圧が増大することによって、地盤の剛性や強度が増加するので、地震時の地盤の液状化を防止し、地盤の変形を防止することができる。
また、本発明において、前記荷重付与手段は、対向位置に設置された前記拘束材同士を連結する棒状又はワイヤー状の連結材を有し、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することとすれば、補強対象区域に容易にプレストレスを加えることができる。
また、本発明において、前記拘束材は、前記補強対象区域を取り囲むように配置されていることとすれば、連結材のクリープによる応力緩和等により連結材に作用する引張力が低下しても、地震による地盤変動により連結材に引張力を作用させることができる。したがって、連結材に作用する引張力が低下していても、地盤変動により連結材に引張力を作用させることができるので、側方拘束圧を増大させることができる。
また、本発明において、前記荷重付与手段は、前記拘束材の外周面に接し、かつ、前記補強対象区域を取り囲むように環状に配置される連結材を有し、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することとすれば、補強対象区域に容易にプレストレスを加えることができる。
さらに、連結材が補強対象区域を取り囲むように配置されているので、連結材のクリープによる応力緩和等により連結材に作用する引張力が低下しても、地震による地盤変動により連結材に引張力を作用させることができる。したがって、連結材に作用する引張力が低下していても、地盤変動により連結材に引張力を作用させることができるので、側方拘束圧を増大させることができる。
また、本発明において、前記連結材に作用する引張力が低下した際に、地震による地盤変動により前記連結材の引張力が増加する自己修復性を有することとすれば、連結材に作用する引張力が低下していても、地盤変動により連結材に引張力を作用させることができるので、確実に側方拘束圧を回復させることができる。
また、本発明において、前記荷重付与手段は、地下水位よりも上方及び下方にそれぞれ少なくとも1つ以上設けられることとすれば、液状化を防止するために最適な大ききのプレストレスを地下水位よりも上方の層及び下方の層にそれぞれ的確に付与することができる。
本発明の地盤の補強工法は、補強対象区域を取り囲むように又は両側に所定の深さの溝を構築する溝構築工程と、前記補強対象区域を取り囲み又は両側から挟むとともに、その下端が支持地盤まで到達するように拘束材を前記溝内に設置する設置工程と、前記拘束材に、前記補強対象区域の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与工程とを備えることを特徴とする。
本発明の地盤の補強工法によれば、補強対象区域の内側へ向かう荷重を拘束材に付与するので、補強対象区域の地盤にプレストレスを加えて、側方拘束圧を増大させることができる。さらに、側方拘束圧が増大することによって、地盤の剛性や強度が増加するので、地震時の地盤の液状化を防止し、地盤の変形を防止することができる。
また、本発明において、前記荷重付与工程は、対向位置に設置された前記拘束材同士を棒状又はワイヤー状の連結材で連結して、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することとすれば、補強対象区域に容易にプレストレスを加えることができる。
また、本発明において、前記荷重付与工程は、前記拘束材の外周面に接するとともに、前記補強対象区域を取り囲むように環状に連結材を配置して、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することとすれば、補強対象区域に容易にプレストレスを加えることができる。
本発明によれば、側方拘束圧が増大し、地盤の剛性や強度を増加させることができるので、地震時において補強対象区域内の地盤の液状化を防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る地盤の補強構造を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る地盤の補強構造を示す平面図である。 本実施形態に係る地盤の補強構造による側方拘束圧の作用状態を示す断面図である。 本実施形態に係る地盤の補強構造の他の実施例を示す平面図である。 本発明の第二実施形態に係る地盤の補強構造を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る地盤の補強構造を示す平面図である。 本発明の第三実施形態に係る地盤の補強構造を示す斜視断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の第一実施形態に係る地盤Eの補強構造1を示す断面図及び平面図である。
図1及び図2に示すように、地盤Eの補強構造1は、補強対象区域2を全周取り囲むように地盤E内に設置された拘束材4と、拘束材4に補強対象区域2の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与手段5とを備える。補強対象区域2内の地盤E上には、既設構造物3が存在している。
拘束材4は、地震が発生すると液状化するおそれの有る液状化層E1を貫通して、その下端が非液状化層E2の強固な支持地盤の所定の深度に到達するように設置されている。
本実施形態においては、拘束材4として、シートパイルを用いた。複数のシートパイルが、例えば、角柱状のビルの既設構造物3の周囲を取り囲み、平面形状が矩形になるように設置されている。矩形状に配置された拘束材4のうち、当該矩形の辺4aに相当する位置に配置されたシートパイル同士は接続されて連続するように設置されている。一方、角4bに相当する位置に配置され、隣接するとともに直交するシートパイル間には、隙間4cが設けられ、連続しないように配置されている。
なお、本実施形態においては、拘束材4として、シートパイルを用いたが、これに限定されるものではなく、コンクリート等からなる地中壁でもよく、この場合にも角4bには隙間4cを設ける。
拘束材4は、補強対象区域2を囲うように削孔された所定の深さの溝6内に、補強対象区域2を全周取り囲むとともに、下端が非液状化層E2に到達するように打設して設置される。
荷重付与手段5は、液状化層E1内に設置され、対向位置に設置された拘束材4同士を連結する棒状のアンカーボルト5aと、アンカーボルト5aの両端に螺合するナット5bとを有する。この両方のナット5bを締め付けてアンカーボルト5aに引張力を作用させることにより、拘束材4に、補強対象区域2に向かう荷重を付与する。そして、この補強対象区域2に向かう荷重によって、拘束材4に囲まれた地盤Eにプレストレス(すなわち、圧縮力)を加えるものである。
対向する拘束材4同士を連結すると、図2中の点線丸枠A内に示すように、図2に対して左右方向に設置されるアンカーボルト5aと図2に対して上下方向に設置されるアンカーボルト5aとが液状化層E1内で交差するので、例えば、左右方向に設置されるアンカーボルト5aが上下方向に設置されるアンカーボルト5aよりも数cmだけ浅い深度に配置される。したがって、アンカーボルト5aは、すべてほぼ同じ深度に複数本設置されている。
また、荷重付与手段5は、地下水位よりも上方及び下方にそれぞれ1段ずつ設けられている。すなわち、深度方向に複数段設けられている。
荷重付与手段5のアンカーボルト5aは、上記溝6内から水平ボーリングにより削孔された水平孔内に挿入することにより地盤E内に設置される。そして、アンカーボルト5aの両端にナット5bを螺合し、そのナット5bを締め付けると、拘束材4の下端部は非液状化層E2に深く根入れされ、固定されているので、図3に示すように、拘束材4の上端部に、内側に向かう荷重が作用して補強対象区域2である既設構造物3の下の液状化層E1及び非液状化層E2(すなわち、地盤E)を圧縮する。また、拘束材4は、平面形状が矩形となるように配置されているが、その角4bには隙間4cが設けられていて連続していないので、拘束材4は内側に向かって変形可能である。拘束材4に、内側に向かう荷重を作用させてプレストレスを地盤Eに効率良く作用させるためには、荷重付与手段5をできるだけ拘束材4の上側に設置することが望ましい。ここで、プレストレスは、補強対象区域2内の地盤Eが盤膨れしない程度の大きさとなるようにする。
アンカーボルト5aのクリープによる応力緩和やナット5bの緩みにより地盤Eに作用するプレストレスが低下する可能性があるので、再度、ナット5bを締め付けることができるように、溝6は開口しておく。そして、定期的なメンテナンスを行ってプレストレスを保持することが望ましい。
しかし、プレストレスが低下した状態のときに地震が発生しても、アンカーボルト5aに引張力を作用させて側方拘束圧を増大させる自己修復性を有するので、地震の発生によりプレストレスを回復させることができる。
すなわち、地震時において液状化が生じない地盤Eの場合には、地震による水平方向の荷重が作用すると土のダイレイタンシーによって体積が膨張する。これにより、補強対象区域2内の土が外側に膨らもうとするが、拘束材4によって拘束されているため、その膨張力によって拘束材4を介してアンカーボルト5aに引張力が作用することになる。また、地震により地盤Eが液状化して過剰間隙水圧が発生した場合には、土の強度が低下するものの、泥水を含む土圧が側方へ作用することにより、上記と同様に、拘束材4を介してアンカーボルト5aに引張力が作用することになる。
以上の構成からなる地盤Eの補強構造1によれば、補強対象区域2を全周取り囲むとともに、その下端が非液状化層E2まで到達するように設置された拘束材4と、対向位置に設置された拘束材4同士を連結する荷重付与手段5とを備えているので、荷重付与手段5を締め付けることにより、補強対象区域2の地盤Eにプレストレスを加えることができる。そして、プレストレスを加えることによって、側方拘束圧が増大するので、地盤Eの剛性や強度を増加させることができる。したがって、地震時の地盤Eの液状化を防止し、地盤Eの変形を防止することができる。
また、荷重付与手段5は、補強対象区域2内の地盤E及び対向位置に設置された拘束材4同士を貫通するアンカーボルト5aと、アンカーボルト5aの両端に螺合するナット5bとを備えているので、ナット5bを締め付けてアンカーボルト5aに引張力を作用させることにより、補強対象区域2の地盤Eにプレストレスを加えることができる。そして、ナット5bの締め付け作業は容易なので、短時間でこの作業を実施することができる。
また、荷重付与手段5は、補強対象区域2内の地下水位よりも上方及び下方にそれぞれ設けられているので、液状化を防止するために最適な大ききのプレストレスをそれぞれ液状化層E1及び非液状化層E2に的確に付与することができる。
また、拘束材4が補強対象区域2を全周取り囲むように配置されているので、アンカーボルト5aに作用する引張力が低下しても、地震時の地盤変動によりアンカーボルト5aに引張力を作用させて側方拘束圧を増大させることができる。したがって、地震時にアンカーボルト5aの引張力が低下していても、地震による拘束圧の増大により、既設構造物3に損傷が生じるような地盤Eの変形を防止することができる。
なお、本実施形態においては、拘束材4を矩形状に設置し、当該矩形の辺4aに相当する位置に配置されたシートパイルをすべて接続して連続させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、シートパイルを離散的に配置して、矩形の辺4aに相当する部分を形成してもよい。ここで、シートパイルの離散の程度は設計等により適宜決定される。
また、本実施形態においては、荷重付与手段5の連結材として、アンカーボルト5aを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ワイヤーロープを用いてもよく、この場合は、ワイヤーロープの一端にこのワイヤーロープを巻取ることによって引張力を作用するためのジャッキやターンバックル等を接続する。
また、本実施形態においては、荷重付与手段5のアンカーボルト5a同士が地盤E内で交差する場合には、一方のアンカーボルト5aの設置深度を数cm上下方向に移動させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、交差する部分にアンカーボルト5aを挿通可能な隙間を有するクロスターンバックルを取り付けてその隙間内に交差するアンカーボルト5aを挿通させて、すべての荷重付与手段5を同一深度に設置してもよい。
なお、本実施形態においては、拘束材4をその平面形状が矩形となるように設置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、その他の多角形の形状となるように設置してもよい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の説明において、上記の実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図5及び図6は、本発明の第二実施形態に係る地盤Eの補強構造21を示す断面図及び平面図である。
図5及び図6に示すように、地盤Eの補強構造21は、補強対象区域22を囲うように地盤E内に設置された拘束材24と、拘束材24に、補強対象区域22の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与手段25とを備える。補強対象区域22内の地盤E上には、既設構造物23が存在している。
拘束材24は、第一実施形態と同様に、シートパイルを用いた。複数のシートパイルが例えば、円柱状の石油タンクである既設構造物23の周囲を全周取り囲み、平面形状がC字形になるように設置されている。C字形状に配置された複数のシートパイル同士は接続されて連続するように設置されているが、その両端部は径方向にずれていて互いに干渉せず、周方向に重なるように設置されている。
なお、本実施形態においては、拘束材24の切り欠き部を一箇所設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数箇所設けてもよい。
拘束材24は、第一実施形態と同様に、補強対象区域22を囲うように削孔された所定の深さの溝6内に、補強対象区域22の外周面に接するとともに、下端が非液状化層E2に到達するように打設して設置される。
荷重付与手段25は、C字形状に配置された拘束材24の外周に接するとともに、補強対象区域22を囲うように環状に配置された鉄筋25aと、その両端に螺合するターンバックル25bとを有する。このターンバックル25bを締め付けて鉄筋25aに引張力を作用させることにより、環状に配置された鉄筋25aの径方向内向きに向かう荷重を拘束材24に付与し、これにより、この拘束材24に囲まれた補強対象区域22内にプレストレスを加えるものである。具体的には、ターンバックル25bを締め付けると、拘束材24は、その両端部が互いに異なる周方向にスライドするので、拘束材4は内側に向かって変形する。このとき、拘束材24の下端部は非液状化層E2に深く根入れされ、固定されているので、拘束材24の上端部に、内側に向かう荷重が作用して補強対象区域22である既設構造物23の下の液状化層E1及び非液状化層E2(すなわち、地盤E)を圧縮する。
荷重付与手段25は、第一実施形態と同様に、地下水位よりも上方及び下方にそれぞれ1段ずつ設けられている。
荷重付与手段25を液状化層E1内に設置し、プレストレスを加える。荷重付与手段25等の設置の際に利用した溝6は、第一実施形態と同様に、鉄筋25aのクリープによる応力緩和やターンバックル25bの緩みにより地盤Eに作用するプレストレスが低下する可能性があるので、再度、ターンバックル25bを締め付けることができるように、開口しておく。そして、定期的なメンテナンスを行ってプレストレスを保持することが望ましい。
しかし、プレストレスが低下した状態のときに地震が発生しても、鉄筋25aに引張力を作用させて側方拘束圧を増大させる自己修復性を有するので、地震の発生によりプレストレスを回復させることができる。
すなわち、地震時において液状化が生じない地盤Eの場合には、地震による水平方向の荷重が作用すると土のダイレイタンシーによって体積が膨張する。これにより、補強対象区域22内の土が外側に膨らもうとするが、拘束材24によって拘束されているため、その膨張力によって拘束材24を介して鉄筋25aに引張力が作用することになる。また、地震により地盤Eが液状化して過剰間隙水圧が発生した場合には、土の強度が低下するものの、泥水を含む土圧が側方へ作用することにより、上記と同様に、拘束材24を介して鉄筋25aに引張力が作用することになる。
以上の構成からなる地盤Eの補強構造21によれば、補強対象区域22を全周取り囲むとともに、その下端が非液状化層E2まで到達するように設置された拘束材24と、拘束材24の外周に接するように設置されたリング状の荷重付与手段25とを備えているので、この荷重付与手段25を締め付けることにより、補強対象区域2の地盤Eにプレストレスを加えることができる。さらに、プレストレスを加えることによって、側方拘束圧が増大するので、地盤Eの剛性や強度を増加させることができる。したがって、地震時の地盤Eの液状化を防止し、地盤Eの変形を防止することができる。
また、拘束材24が補強対象区域22を全周取り囲むように配置されているので、鉄筋25aに作用する引張力が低下しても、地震時の地盤変動により鉄筋25aに引張力を作用させて側方拘束圧を増大させることができる。したがって、地震時において、既設構造物23に損傷が生じるような地盤Eの変形を防止することができる。
なお、本実施形態においては、鉄筋25aとターンバックル25bとからなる連結材を荷重付与手段25として用いたが、これに限定されるものではなく、締結機能を有するものであれば他のものを用いてもよい。
次に、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態は、1方向に長く構築される線状構造物の基礎となる地盤Eを補強対象区域32とするものである。
図7は、本発明の第三実施形態に係る地盤Eの補強構造31を示す斜視断面図である。
図7に示すように、地盤Eの補強構造31は、補強対象区域32を両側から挟むように地盤E内に設置された拘束材4と、拘束材4に、補強対象区域32の内側へ向かう加重を付与する荷重付与手段5とを備える。補強対象区域32内の地盤E上には、既設構造物33が存在している。
拘束材4は、複数のシートパイルが例えば、高架橋等である既設構造物33の両側に、長手方向に沿って設置されている。これらの複数のシートパイル同士は接続されて連続するように設置されている。
拘束材4は、補強対象区域32の両側に削孔された所定の深さの溝6内に、下端が非液状化層E2に到達するように打設して設置される。
そして、第一実施形態と同様に、荷重負荷手段5のアンカーボルト5aの両端にナット5bを螺合し、そのナット5bを締め付けると、拘束材4の下端部は非液状化層E2に深く根入れされ、固定されているので、拘束材4の上端部に、内側に向かう荷重が作用して補強対象区域32である既設構造物33の下の液状化層E1及び非液状化層E2(すなわち、地盤E)を圧縮し、プレストレスを加える。
以上の構成からなる地盤Eの補強構造31によれば、補強対象区域32を挟むとともに、その下端が非液状化層E2まで到達するように設置された拘束材4と、対向位置に設置された拘束材4同士を連結する荷重付与手段5とを備えているので、荷重付与手段5を締め付けることにより、補強対象区域32の地盤Eにプレストレスを加えることができる。そして、プレストレスを加えることによって、側方拘束圧が増大するので、地盤Eの剛性や強度を増加させることができる。したがって、地震時の地盤Eの液状化を防止し、地盤Eの変形を防止することができる。
1 地盤の補強構造
2 補強対象区域
3 既設構造物
4 拘束材
4a 辺
4b 角
4c 隙間
5 荷重付与手段
5a アンカーボルト
5b ナット
6 溝
21 地盤の補強構造
22 補強対象区域
23 既設構造物
24 拘束材
25 荷重付与手段
25a 鉄筋
25b ターンバックル
31 地盤の補強構造
32 補強対象区域
33 既設構造物
E 地盤
E1 液状化層
E2 非液状化層

Claims (9)

  1. 地盤の補強構造であって、
    補強対象区域を取り囲み又は両側から挟むとともに、その下端が支持地盤まで到達するように地盤内に設置された拘束材と、
    前記拘束材に、前記補強対象区域の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与手段とを備えることを特徴とする地盤の補強構造。
  2. 前記荷重付与手段は、対向位置に設置された前記拘束材同士を連結する棒状又はワイヤー状の連結材を有し、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することを特徴とする請求項1に記載の地盤の補強構造。
  3. 前記拘束材は、前記補強対象区域を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の地盤の補強構造。
  4. 前記荷重付与手段は、前記拘束材の外周面に接し、かつ、前記補強対象区域を取り囲むように環状に配置される連結材を有し、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することを特徴とする請求項1に記載の地盤の補強構造。
  5. 前記連結材に作用する引張力が低下した際に、地震による地盤変動により前記連結材の引張力が増加する自己修復性を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の地盤の補強構造。
  6. 前記荷重付与手段は、地下水位よりも上方及び下方にそれぞれ少なくとも1つ以上設けられることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の地盤の補強構造。
  7. 地盤の補強工法において、
    補強対象区域を取り囲むように又は両側に所定の深さの溝を構築する溝構築工程と、
    前記補強対象区域を取り囲み又は両側から挟むとともに、その下端が支持地盤まで到達するように拘束材を前記溝内に設置する設置工程と、
    前記拘束材に、前記補強対象区域の内側へ向かう荷重を付与する荷重付与工程とを備えることを特徴とする地盤の補強工法。
  8. 前記荷重付与工程は、対向位置に設置された前記拘束材同士を棒状又はワイヤー状の連結材で連結して、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することを特徴とする請求項7に記載の地盤の補強工法。
  9. 前記荷重付与工程は、前記拘束材の外周面に接するとともに、前記補強対象区域を取り囲むように環状に連結材を配置して、当該連結材に引張力を作用させることにより、前記拘束材に荷重を付与することを特徴とする請求項7に記載の地盤の補強工法。
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