JP2017501402A - 構造化された励起光線を有する高解像度蛍光顕微鏡 - Google Patents

構造化された励起光線を有する高解像度蛍光顕微鏡 Download PDF

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Abstract

物質の個々の分子が、励起光で蛍光発光を励起可能である蛍光状態にあり、かつ、試料の関心のある領域における物質の個々の分子間の間隔が、最小値d=λ(2nsinα√(1+I/Is))を維持するときに、試料中の物質の個々の分子の位置(XM)を決定するために、物質の個々の分子を励起光で励起して蛍光発光させ、このとき、励起光の強度分布が、少なくとも1つのゼロ点を有する。試料の関心のある領域において、励起光の強度分布の少なくとも1つのゼロ点のさまざまな位置(XN)について、励起された物質の個々の分子からの蛍光を検知し、このとき、励起された物質の個々の分子からの蛍光が検知される、励起光の強度分布の少なくとも1つのゼロ点の最も近接する位置(XN)間の間隔は、最小値dの半分より大きくなく、次いで、物質の個々の分子の位置(XM)を、試料の関心のある領域における励起光の強度分布の少なくとも1つのゼロ点の位置(XN)を越えるそれぞれの分子からの蛍光の強度(I)の推移から導き出す。【選択図】 図2

Description

本発明は、試料中の物質の個々の分子の位置を決定する方法、およびこの方法を実施する装置に関する。この方法および装置は、特に、試料中の物質の分子の分布、または物質で標識した試料の構造の分布を、高空間分解能でイメージングする目的に用いられる。
一般に、本発明は蛍光顕微鏡の分野に分類できる。すなわち、試料中の物質の分子の位置を、その蛍光特性を利用して決定する。
本明細書で言う分子の蛍光状態とは、励起光で蛍光発光が励起可能であることを意味するが、すでに励起されて発光している状態にあるという意味ではない。
本明細書で言う分子の非蛍光状態とは、相応に、励起光で蛍光発光が励起可能でなく、それ以外の方法でも蛍光性でない、すなわち蛍光を発しないことを意味する。これは、非蛍光状態にある分子は、検知される蛍光を発しておらず、蛍光が検知される場合、分子は蛍光状態にあって蛍光発光が励起可能であるという意味にすぎない。つまり、非蛍光状態にある分子は、例えば、蛍光状態で発光が励起可能な蛍光と区別される別の色、すなわち別の波長の蛍光の発光が励起可能であり得る。具体的には、分子は、蛍光状態では緑色の蛍光の発光が、非蛍光状態では赤色の蛍光の発光が励起可能であり得る。蛍光発光が完全に励起不可能である分子の非蛍光状態は、本明細書では暗状態とも称する。
試料中で蛍光を発する分子の位置を決定するには、基本的な手法が2つある。第一の手法では、光センサアレイで検知される蛍光の空間分布から位置を決定する。第二の手法では、分子の蛍光が検知される、空間的に制限された蛍光発光の励起の位置を、分子の位置と同一のものとする。
第一の手法では、物質から発せられる蛍光を光センサアレイで検知し、対物レンズを用いて光センサアレイ上に試料を結像させるが、この手法では、試料中の物質の分子の分布、または物質で標識された試料の構造の分布をイメージングする際に達成可能な空間精度は、通常、いわゆるアッベの回折限界によって制限される。そのため、光センサアレイの特定の位置で検知される個々の光子から、指標λ/2nsinα(λは蛍光の波長、nは試料と対物レンズの間の光学材料の屈折率、αは対物レンズの半開口角である)の位置不確定性をもってしか、試料中で光子を発する分子の特定の位置を推し量ることができない。
しかしながら、光センサアレイで検知された蛍光を、試料中で蛍光を発する個々の分子に分類できる場合には、分子の位置は、分子が多数の光子を発する限りにおいて、回折限界を超える精度で決定できる。その場合、個々の光子が検出される光センサアレイの位置の分布の重心を決定し、そこから、発光する分子の位置を導き出す。局在化と呼ばれるこの方法で得られる精度は、√nで向上する。このときnは、分子から発せられ、光センサアレイで検知される光子の数である。
分子が、指向性の空間分布を有する蛍光を発する場合、光センサアレイの上方で蛍光の強度分布からその位置を決定する際に、位置誤差という形での局在化によってこれが影響を及ぼす。この位置誤差は、試料中の分子の方向に依存する。発せられた蛍光の指向性分布は、例えば、分子が蛍光を発する励起された状態の滞留時間よりも、回転拡散時間が長い分子で現れる(非特許文献1参照)。
非蛍光性の初期状態にあるが、調整光で蛍光状態に切り替えることができる物質の分子で、関心のある試料中の構造を標識する方法が、特許文献1から知られている。つまり、調整光で、少ない割合の分子を蛍光状態にすることができ、この部分では、蛍光状態にある最も近接する分子の間隔は、回折限界より大きい。それに続いて励起光を照射すると、蛍光状態にある分子のみ蛍光を発する。それにより、蛍光状態にある個々の分子からの蛍光を別々に検知でき、ゆえに、物質の分子の絶対濃度が高いにもかかわらず、局在化によって、個々の分子の位置を、回折限界を超える正確さで決定できる。物質の分子の分布のイメージングは、少ない割合の分子を蛍光状態に調整するステップと、この分子の蛍光発光を励起するステップと、蛍光を光センサアレイで検知するステップとをくり返し、それにより、常に物質の別の分子について統計的に条件付きでこれを実施することにより、段階的に実現される。
特許文献1は、物質の分子の一部が蛍光状態に活性化するのを、別の光学イメージング法に転用できることについても述べている。このとき、極小値によって制限される極大値を有する励起光の強度分布によって、とりわけ試料の特定の面、またはその他の空間的な下位単位にある物質の分子を励起し、蛍光発光させることができる。
特許文献1から知られる方法では、物質の各分子の位置を、回折限界を超える正確さで決定するために、分子の光子の数を、所望の空間精度に合わせて増やす必要がある。さらにこの方法では、少ない割合の分子を蛍光状態に切り替え、蛍光状態にある分子の間隔が回折限界よりも大きくなるようにするために、分子に対する要求が高い。一般的には、この分子は、いずれか一方だけが蛍光性である2つの立体構造状態間で切り替え可能なタンパク質、または光互換性の蛍光色素である。
特許文献1から知られる方法は、PALM、すなわち光活性化局在性顕微鏡法とも呼ばれる。STORM(確率的光学再構築顕微鏡法)と呼ばれる、非常に類似した方法には、基本的に同じ短所と長所がある。
特許文献2からは、切り替え可能ではなく、初期状態が蛍光性であり、かつ、いずれか一方だけ蛍光性である2つの立体構造状態間で切り替え可能でもない通常の色素も、局在化によって物質の個々の分子の位置を決定する物質として利用できることが知られている。このとき、同時にある程度の遷移確率で、物質の分子を比較的長時間の電子暗状態に移行させる励起光を、現在蛍光状態にある分子の間隔が回折限界より大きくなるほどの高い強度で試料に照射する。
そのつど蛍光状態にある分子は、励起光によって励起して蛍光発光させ、この蛍光を光センサアレイで空間分解して検知する。すでに光子が検出された分子は暗状態に遷移し、その状態から、別の分子がある程度の遷移確率で蛍光状態に戻るため、この方法で、連続するさまざまな物質の分子の位置を確認する。この既知の方法は、連続的に実施することができる。すなわち、物質を基本的に暗状態に保ち、離れ離れの分子のみ励起して蛍光発光させる高強度の励起光で試料を照射しながら、絶えず光センサアレイからフレームを読み取る。
特許文献2から知られる方法は、GSDIM(基底状態抑制および個別分子リターン顕微鏡法)とも呼ばれる。
局在化によって個々の蛍光分子の位置を決定する際の高精度は、光軸に対して横向きであるX方向とY方向においてのみ達成されるが、それぞれの試料を光センサアレイ上に結像させる対物レンズの光軸のZ方向では達成されない。しかしながら、非特許文献2から、PALM法、STORM法、またはGSDIM法では、4Pi顕微鏡法により、光軸のZ方向で互いに対向配置された顕微鏡対物レンズを用いて、X−Y測定面を含めてスキャニングによって決定できることが知られている。
蛍光により発光する分子の位置を、その空間的に制限された蛍光発光の励起の位置と同一のものとする場合、それぞれの試料を、その空間的に制限されたその励起の位置を含めて感知またはスキャンするが、これを走査型蛍光顕微鏡という。走査型蛍光顕微鏡で達成される空間精度についても、通常はアッベの回折限界が、ここでは励起光の波長に関して当てはまる。しかし、走査型蛍光顕微鏡では、物質の分子の励起の有効空間領域を縮小することにより、回折限界を超えて精度を向上させることができるさまざまな方法が知られている。
走査型蛍光顕微鏡では、励起の実際の領域に、蛍光を発する物質の分子が存在することを確認するには、何らかの光子を検知すれば十分である。検知された光子の数は、励起の実際の領域における物質の分子の局所濃度を決定するためだけに用いられる。
STED(誘導放出制御)蛍光顕微鏡では、試料の構造を標識している物質の分子の、励起光によって引き起こされる励起は、関心のある測定点の周囲で、指向性の発光により再び除去される。指向性の発光は、STED光で誘導され、分子からの蛍光発光を妨げるため、蛍光は励起が除去されない領域からのみ発せられる。励起が除去されない領域は、STED光の強度分布のゼロ点によってその領域を画定し、STED光の絶対強度を高く選択することによって、非常に小さく抑えることができ、その結果、ゼロ点の非常に近くで、分子の励起が完全に除去される。
先に試料の一部で引き起こされた分子の励起を再び励起する代わりに、ゼロ点を持つ強度分布を有する光を利用して、ゼロ点の外側の物質の分子を、立体構造変化によって、RESOLFT蛍光顕微鏡で行われるように非蛍光状態に、またはGSD(基底状態抑制)蛍光顕微鏡の場合のように電子暗状態に切り替えることもできる。
特許文献3から、ある波長の光のみで処理されるGSD法が知られている。この光は、特定の強度までは、試料中の物質の分子を優先的に蛍光発光するよう励起する。この強度を超えると、光は物質の分子を基本的に完全に暗状態に移行させる。試料にもたらされる光の強度分布が、前述の強度より下にある極小値を有することにより、物質の分子を励起して効果的に蛍光発光させる領域が空間的に制限される。
特許文献4から、励起光線の焦点に極小値があるSTED光の強度分布に取り囲まれている励起光線で試料を迅速にスキャンすることにより、連続する複数回のスキャニングの各回ごとに、個々の分子のみから蛍光を検知する方法が知られている。蛍光が検知される分子の位置は、励起光線の焦点がある位置と同一とされる。
特許文献5から、個々の蛍光分子を追跡する方法が知られている。励起光で分子を蛍光発光させて、蛍光を検知する。このとき、極小値を有する強度分布を持つ励起光を試料に照射すると、試料中で動く分子に合わせて極小値が移動する。この目的のために、粒子から発せられる蛍光の強度が最小限のままであるよう、励起光の強度分布の位置を、試料に対してシフトさせる。実際に、粒子から発せられる蛍光の強度は、それぞれの分子の励起光の強度分布の極小値にもとづいて個々の光子が発せられる割合である。極小値は、励起光の強度分布のゼロ点であり得る。
特許文献6から、測定範囲における物質の分布を、測定正面をスキャニングすることにより決定する方法が知られている。光信号の波長における回折限界より小さい測定正面の奥行きにわたって、測定状態にある物質の一部分が、当初のゼロから増加し、その後で再びゼロに低下するように光信号の強度が増大する。測定正面は、光信号の強度の増大とは逆方向に、測定範囲にわたってシフトさせる。測定信号は、少なくとも測定正面の領域にもとづいて記録され、測定範囲内の測定正面のそれぞれの位置に分類される。
いわゆるSSIM(飽和構造化照明顕微鏡、非特許文献3参照)では、さまざまな方向で、励起光の強度分布により試料をスキャンする。この強度分布は、線状のゼロ点を有し、ゼロ点の外側では、試料中の励起された蛍光物質の分子の蛍光強度が飽和に達するほど高い強度を有する。スキャニング中に試料から検知される蛍光は、そのつどゼロ点の領域にある、蛍光に関与しない蛍光物質の分子によって変化する。この蛍光を、空間周波数に従って評価する。この空間周波数は、スキャンの際にさまざまな方向で発生し、そこから、試料中の蛍光分子の分布をイメージングにより再現する。
SSIMは、分子の平均間隔が、励起光または蛍光の波長における回折限界より大きな試料では、蛍光物質の分子の分布を利用しない。SSIMが実施できるのは、それによって暗状態に移行することなく、そこから得られる蛍光の強度の飽和まで励起可能な蛍光分子のみである。得られるのは、試料中の蛍光物質の分子の分布の間接的なイメージングのみである。試料中の個々の蛍光分子の位置は決定しない。
国際公開第2006/127692号 米国特許第8174692号明細書 独国特許出願公開第2005034443号明細書 国際公開第2012/171999号 独国特許出願公開第2011055367号明細書 独国特許出願公開第2010028138号明細書
Engelhardt,J.et al.,Molecular orientation affects localization accuracy in superresolution far−field fluorescence microscopy,Nano Lett.2011 Jan 12;11(1):209−13 Aquino,D.et al.,Two−color nanoscopy of three−dimensional volumes by 4Pi detection of stochastically switched fluorophores,Nature Meth.8,353−359(2011) Gustafsson,M.G.L.,Proc.Natl.Acad.Sei.USA 102,13081−13086(2005) Chmyrov,A.et al:Nanoscopy with more than 100,000 ‘doughnuts’,Nature methods 10 737−740(2013) Schmidt,R.et al.:Spherical nanosized focal spot unravels the interior of cells,Nature Meth.5,539−544(2008)
本発明の根底には、その分子によって、蛍光を評価しながら、試料中の物質の分子の分布について空間的に高分解能のイメージングを得ることができる、試料中の物質の個々の分子の位置を決定する方法、ならびにそのための装置を示すという課題があり、このとき、局在化によって個々の分子の位置を決定するのに加え、蛍光を使用できる。
本発明の課題は、独立特許請求1の方法、および独立特許請求23の装置によって解決される。方法および装置の有利な実施形態は、従属請求項に定義する。
本発明は、物質の個々の分子が、励起光で蛍光発光を励起可能である蛍光状態にあり、かつ、試料の関心のある領域における物質の個々の分子間の間隔が最小値を維持するときに、試料中の物質の個々の分子の位置を決定するための方法を提供する。
方法は、すでに特許文献1から知られている、物質の個々の分子を励起光で蛍光発光するよう励起させるステップであって、励起光の強度分布が、少なくとも1つの極小値を有するステップと、試料の関心のある領域における少なくとも1つの極小値のさまざまな位置について、励起された物質の個々の分子からの蛍光を検知するステップとを有する。
本発明に従って、試料の関心のある領域における物質の個々の分子間の間隔の最小値が、d=λ(2nsinα√(1+I/I))であり、このとき、λは励起光の波長、nは少なくとも1つの極小値が形成される光学材料の屈折率、αは前記試料に励起光を向ける前記光学装置の半開口角、Iは試料における励起光の最大強度、Iは物質に依存する励起光の蛍光励起飽和強度である。蛍光励起飽和強度がIのとき、物質の分子からの蛍光において理論的に可能な強度の特定のパーセンテージに達し、そのパーセンテージ以降を、蛍光の強度の飽和とも言う。一般的に、このパーセンテージは、蛍光の理論的に可能な強度の50%である。この最小値dは、高解像度のSTED、GSD、およびRESOLFT走査型蛍光顕微におけるような、空間イメージングでの精度に相当する。
蛍光状態にある物質の個々の分子間の間隔が、試料の関心のある領域で最小値dを維持することがどのように実現されるかは必ずしも重要ではない。蛍光状態にある物質のすべての分子が、その間隔で最小値を維持している必要もない。しかしながら、これより小さい間隔を取る蛍光分子の位置は、ここに説明する方法で決定することはできない。
本発明に従って、励起光の強度分布の極小値の位置では、個々の分子からの蛍光の強度が、最大で、試料における励起光の最大強度の位置における半分の大きさである。個々の分子からの蛍光の強度が、個々の分子からの蛍光の最大強度と比べて、より少ない割合まで低下するような、より大きな強度コントラスト、すなわち、より顕著な極小値が有利であることが自明である。つまり、例えば、個々の分子からの蛍光の強度は、少なくとも80%低下して、多くとも最大強度の20%に、または少なくとも90%低下して、多くとも最大強度の10%となってよい。理想的には、個々の分子からの蛍光の強度が、極小値においてゼロまで低下する、すなわち励起光の強度分布のゼロ点となる。
本発明に従って、励起された試料の個々の分子からの蛍光が検知される、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の間隔は、最小値dの半分以下である。本発明に従って、物質の個々の分子の位置(X)を、試料の関心のある領域における少なくとも1つの極小値の位置を越えるそれぞれの分子からの蛍光の強度の推移から導き出す。
蛍光分子が極小値の領域に至ると、分子を蛍光発光させるための励起と、分子から発せられ、その後で検知される蛍光の強度が相応に低下する。本発明による方法では、蛍光を個々に検知し、相応に評価することができる個々の蛍光分子を観察するため、極小値の位置に依存して検知された蛍光の強度の推移から、試料中のそれぞれの蛍光分子の位置を、より高い空間精度で決定することができる。
上に定義した、試料中の個々の分子の最小間隔d=λ(2nsinα√(1+I/I))が、励起光の波長λにおいて、かつ蛍光の波長においても、λ√2nsinα回折限界よりも明らかに小さい場合も、試料中の励起光の最大強度Iが、蛍光励起飽和強度Iよりも明らかに大きいことから、これが当てはまる。また、そのつど分子のうちの1つが、励起光の強度の極小値の領域に至る場合も、試料から検知される蛍光を、少なくとも個々の分子の小グループに分類でき、蛍光の強度がかなりの割合に低下する。この低下は、試料中で個々の分子の最小間隔dが維持されている場合、そのつど正確に個々の分子に分類できる。
この低下を検知し、その推移を空間的に分解するために、蛍光が検知される極小値の位置の小さな間隔が最大d/2となるよう配慮する。すなわち、本発明による方法では、試料の関心のある領域は、最大d/2のステップ幅でスキャンする。
試料に励起光を向ける光学装置は、対物レンズであってよいが、励起光の2つの部分光線をある角度で重ねることで、干渉によって少なくとも1つの極小値を形成する、別の光学装置であってもよい。このとき、αは、この部分光線間の角度の半分、または、部分光線と光軸のそれぞれの間の角度であり、nは、極小値が試料中に直接形成される場合は試料の屈折率、または、極小値が試料に隣接する材料に形成される場合、この材料の屈折率であり得る。これは例えば、TIRFM(全反射蛍光顕微鏡)と類似の光学装置を、極小値の形成に用いる場合に当てはまる。
個々の分子の位置の決定は、極小値の各位置で決定されるそれぞれの分子からの蛍光のみにもとづき、蛍光が分子から発せられる正確な方向を考慮していないため、本発明による方法は走査型蛍光顕微法と見なされ、すなわち、個々の分子の位置の決定は、分子の方向に依存しない。
具体的には、蛍光の強度の推移から、物質の個々の分子の位置を導き出すために、極小値を有する関数を、少なくとも1つの極小値の位置を越えるそれぞれの分子からの蛍光の強度の推移にフィットさせることができる。次いで、それぞれの分子の位置を、フィットさせた関数の極小値の位置と同一のもとのすることができる。関数は二次関数であってよい。ただし、フィットされる関数の基本形は、少なくとも1つの極小値の周囲における励起光の強度推移に対する回答として、それぞれの物質からの蛍光の強度推移に個々に合わせることもできる。
それぞれの分子から、さまざまな方向で極小値の最も近接する位置におけるよりも少ない蛍光を検知することによって際立っている、少なくとも1つの極小値の位置を、それぞれの分子の位置と同一のもとのすることも、本発明の範囲に含まれる。それぞれの分子が最小強度で蛍光発光のみ励起される、極小値、または極小値の周囲の励起の弱い領域が、それぞれの分子に当たると、極小値のこの位置では、分子からの蛍光の最小強度のみ検知される。ただし、これには基本的に別の理由もあり得るため、それぞれの分子からの蛍光の最小強度のみが検知される極小値の位置は、さまざまな方向で極小値の最も近接する位置で複数の蛍光が最小強度として検知される場合にのみ、分子の位置と同一のもとのすることができる。この条件が満たされる限りにおいて、試料中のそれぞれの分子の位置は、極小値の周囲の励起の弱い領域において、ある空間精度で決定できる。
最小強度がゼロまたはほぼゼロ付近である場合、この位置決定のやり方では、それぞれの分子からの蛍光のごくわずかな光子しか、すなわち、蛍光の最小強度が検知される極小値の位置におけるごくわずかな光子しか必要でなく、また、蛍光の強度が、そこで最小強度を超えることが明確になるまで、さまざまな方向で極小値の最も近接する位置で、そのつど、わずかな光子しか必要ない。それにより、極小値は、その個々の位置の間を非常に素早くシフトできる。最小強度がゼロの場合、それぞれの分子から蛍光が来るかどうかを確認すれば十分である。これには、蛍光の光子を少なくとも複数、それぞれの分子から得るのに最大限に必要な時間だけ、それぞれの位置で待ちさえすればよい。ゼロの最小強度は、通常、極小値が励起光の強度分布のゼロ点である場合にのみ、極小値の周囲の励起の弱い領域で実現する。
極小値の周囲の励起の弱い領域を、個々の分子の位置を決定するのに利用する場合、個々の分子それぞれが励起の弱い領域に当たることを保証する必要がある。励起された物質の個々の分子からの蛍光が検知される、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の間隔、すなわち、試料の関心のある領域がスキャンされるステップ幅が、励起の弱い領域の直径より大きくないことにより、試料の関心のある領域が、完全に、励起の弱い領域を含めてスキャンされる場合には、これが実現する。
少なくとも1つの極小値に隣接する励起光の強度を、励起光で励起された個々の分子から発せられる蛍光の強度において飽和に達するほど高く調整すると、それぞれの分子が最小強度で蛍光発光のみ励起される極小値の周囲の励起の弱い領域、およびその周囲にある、それぞれの分子からの発光の強度が極小値からの距離に依存する領域が、空間的に大幅に制限される。これは、本発明による方法の位置精度の向上と同じ意味を持つ。個々の分子からの蛍光の強度が決定される試料における極小値の位置が、相応に小さな間隔を有する場合にのみ、これを利用することができる。ただしこれは、励起された物質の個々の分子からの蛍光が検知される、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の最大間隔がd/2であることにより保証される。
試料の関心のある領域におけるその平均間隔が、励起光および蛍光の波長における回折限界よりも大きいような、蛍光状態にある個々の分子は、特に、物質の分子が、調整信号によって、その蛍光状態から非蛍光状態に、または非蛍光状態からその蛍光状態に移行可能であることにより実現でき、このとき、各状態間の(飽和に達するまでの)遷移確率は、調整信号の強度に伴って上昇する。そのため、試料の関心のある領域における分子の濃度が高いことにより、最も近接する物質の分子間の間隔が最小値dより小さい場合に、調整信号によって、そのつど、蛍光状態にある分子の一部のみ、そのまま留まる、または蛍光状態に移行することができる。物質の分子のこの部分は、調整信号の強度を用いて、蛍光状態にある物質の個々の分子間の間隔が、最小値dを維持するよう調整できる。物質のそれぞれどの分子が、蛍光状態にある部分に属するかは、遷移確率に依存するため、試料中の物質のさまざまな分子の位置を、順々に決定できる。
位置がすでに決定された分子を用いて、さまざまな方法をとることができる。これらの分子は、基本的には永続的に褪色してよい。これらの分子は、同様に、帰還信号の作用下で、および/もしくは自発的に、すなわち熱励起のみによって、元の非蛍光状態に戻す、または大半の他の分子のように調整光によってその非蛍光状態に移行させることができる。次いで、蛍光状態にあるそれぞれ他の個々の分子について、くり返し、または連続的に、最も近い隣接分子間の間隔を、調整信号、および場合によっては帰還信号によって調整することができる。このとき、蛍光状態にある個々の分子の位置をそのつど決定する場合、連続的に試料中の物質の分子の分布のイメージングが得られる。
物質のさまざまな部分の位置を順々に確認する場合、試料に、継続的または間欠的に、調整信号、および場合によっては帰還信号を加えることができる。試料からの蛍光の検知は、同様に継続的または間欠的に行うことができる。ただし、いずれの場合も、試料中の励起光の極小値の各位置について別々に行う。とはいえ、極小値が、蛍光が検知される時間の間に、わずかにしか、少なくともd/4より大きくは移動しない限り、これにより、試料中の極小値の位置を継続的にシフトさせることができないというわけではない。
最も近い隣接分子間の間隔が最小値を維持する蛍光状態にある分子の一部を調整するために、物質の分子を、その蛍光状態とその非蛍光状態との間で移行可能である調整信号は、原則的に、何らかの化学信号または物理信号であってよい。好ましくは、これは調整光である。
具体的には、物質の分子は、調整光によって、その蛍光状態からその非蛍光状態に移行させることができ、このとき、物質の分子の非蛍光状態が、電子エネルギー状態であってよい。非蛍光状態の場合、一般的には、調整光が、物質の蛍光分子を励起して蛍光発光させ、蛍光のいくつかの光子が発光した後に初めて、非蛍光状態に移行する。それと同時に、調整光は、本発明による方法に用いられる励起光であってよく、結果として、ある波長の光のみ使用する必要がある。
後に説明した本発明による方法を、GSDIMとして知られる先行技術に限定して記述すると、GSDIMと同じく、試料中の物質の分子の分布について、空間的に高解像度のイメージングを得るために、試料中の物質の個々の分子の位置を決定する。このとき、最初は物質の分子が蛍光状態を示し、蛍光状態にある物質の分子は、励起光で蛍光発光を励起可能であり、物質の分子は、励起光でその蛍光状態から非蛍光性の暗状態に移行可能であり、物質の分子は、その非蛍光状態からその蛍光状態に戻り、かつ、試料中の物質の分子間の間隔は最小値よりも小さい。
さらにまたGSDIMと同じく、本発明による方法のこの実施形態は、試料の関心のある領域における、現在蛍光状態にある物質の分子間の間隔が最小値を維持するよう、蛍光状態にある物質の分子の割合を調整するステップと、蛍光状態にある、励起光で励起された物質の分子からの蛍光を検知するステップとを有する。
本発明に従って、さらに加えて、試料の関心のある領域における物質の個々の分子の間隔の最小値はd=λ(2nsinα√(1+I/I))である。励起光の強度分布は、少なくとも1つの極小値を有し、このとき、励起光の強度分布の極小値の位置では、個々の分子からの蛍光の強度が、最大で、試料における励起光の最大強度の位置における半分の大きさである。試料の関心のある領域における少なくとも1つの極小値の位置は変化する。蛍光状態にある、励起光で励起された物質の分子からの蛍光は、試料中の少なくとも1つの極小値のさまざまな位置について、少なくとも1つの極小値を取り囲む検知範囲で、試料の他の領域から発せられた蛍光から分離可能に検知する。このとき、励起された物質の個々の分子からの蛍光が検知される、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の間隔は、最小値dの半分より大きくない。すなわち、試料の関心のある領域は、少なくとも1つの極小値を含む、最大d/2のステップでスキャンする。
次いで、物質の個々の分子の位置を、試料の関心のある領域における少なくとも1つの極小値の位置を越える検知範囲からの蛍光の強度の推移から導き出す。蛍光の強度の推移からの、個々の分子の位置のこうした導出は、すでに上の例で説明したのと同じように行うことができる。励起光の強度と、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の間隔の調整も、上に説明したように行うことができる。
少なくとも1つの極小値は点状の極小値であってよく、試料の関心のある領域におけるその位置が、試料の全延伸方向で、すなわち、二次元の試料では二方向で、三次元の試料では三方向で変化する。点状の極小値の場合、物質の個々の分子の位置は、試料の全延伸方向で、試料の関心のある領域における少なくとも1つの極小値の位置を越えるそれぞれの分子からの蛍光の強度の推移から導き出すことができる。有意義には、蛍光の強度の推移を、極小値の位置を越える試料の全延伸方向で考慮することが自明である。相応に、二次元または三次元の試料では、1つの極小値を有する二次元または三次元の関数を、蛍光の強度の推移にフィットさせることができる。
点状の極小値の場合、少なくとも1つの極小値を取り囲む検知範囲からの蛍光を、それぞれの極小値と共焦点に配置されたポイント検出器で検出することができる。このとき、検知範囲は、極小値の位置の複数の間隔、好ましくは少なくとも3つの間隔の大きさであり、かつ、極小値と同心に配置されているものとする。
少なくとも1つの極小値が、線または面に沿って広がっていてよい。その場合、試料の関心のある領域におけるその位置が、線または面に対して横向きの走査方向で変化する。このとき、物質の個々の分子の位置を、そのつど走査方向で、少なくとも1つの極小値の位置を越えるそれぞれの分子からの蛍光の強度の推移から導き出す。その他の方向で個々の分子の位置を決定するには、線または面を試料に対しさまざまな方向に向け、相応にさまざまな走査方向にシフトさせることができる。ただし、その他の方向における個々の分子の位置は、原則的に別の方法でも、例えば局在化によって決定できる。
励起光の強度分布は、1つではなく複数の極小値を有することができる。この複数の極小値の位置は、試料の関心のある領域において一緒に変化し、このとき、励起された物質の個々の分子からの蛍光を、極小値のそれぞれについて、別々に検知する。特に、極小値はグリッドの形態で配置することができる。点状の極小値の場合、グリッドは二次元または三次元であってよい。複数の極小値間の間隔は、いずれにせよ、蛍光の波長における回折限界より大きくなくてはならない。この間隔は、各極小値について蛍光を検知する可能性のある検知範囲より大きくなるよう選択する必要がある。好ましくは、極小値間の間隔が、加えて、付随する蛍光の強度を測定するために、試料中で個々の極小値を配置する位置の間隔より数倍大きい。好ましくは、極小値の間隔が、蛍光を測定する試料中の極小値の位置の間隔より少なくとも3倍大きい。
試料中の個々の分子の蛍光は、試料に対して静止している、試料が結像される光センサアレイ、すなわちデジタルカメラ、例えばCCDまたはCMOSカメラなどで検知できる。加えて、試料の関心のある領域における物質の個々の分子の間隔が、蛍光の波長における回折限界より大きい場合、物質の個々の分子の位置は、追加的に、それぞれの分子から全体として、すなわち極小値の位置とは無関係に検知された蛍光の分布から、光センサアレイの上方で局在化によって決定できる。それにより、試料中の極小値の位置に依存して分子の位置を決定するのに用いたのと同じ蛍光の光子を、光センサアレイの上方へのその分布を利用しながら、分子の第2の位置決定に使用する。このとき、極小値と試料中のそのシフトは重要ではない。位置決定のこの2つの方法の結果を合わせることで、精度全体を向上させることができる。
試料の関心のある領域における物質の個々の分子の間隔が、蛍光の波長における回折限界よりも小さいために、蛍光をそれぞれの分子に完全に分けて分類することができない場合、分子の位置は、より複雑な局在化アルゴリズムによって決定できる。このアルゴリズムでは、本発明による方法に従って確認された位置を開始値として取り入れることができる。
本発明による方法に従い、局在化によって、個々の分子についてさまざまな位置を決定する場合、試料中の個々の分子の一定の配向に関して、これを評価できる。光センサアレイの上方で分子から検知される蛍光の分布に依存する試料中の物質の分子の位置の決定は、分子の一定の配向に依存しているが、シフトした極小値を用いた位置の決定はそうではないということにもとづいている。
つまり、本発明による方法は、PALM、STORM、GSDIMなどのような既知の方法に対する補足として、既知の方法を妨げることなく、とはいえ、検知された同じ光子が評価される場合でも、個々の分子に関する追加的な位置情報を別の方法で得るために実施できる。
蛍光を光センサアレイで検知する場合、光センサアレイからのフレームを連続的に読み取り、試料中の少なくとも1つの極小値のそれぞれの位置に分類することができる。このとき、極小値の複数の位置ではなく1つの位置の複数のフレームを、1つのフレームに分類できる。ただしこれは、それにより生じる「モーションブラー」が小さいままである場合、少なくとも1つの極小値を、試料中で継続的にシフトさせることを妨げるものではない。
本発明による方法の好ましい実施形態を実施するのに特に適している、本発明による装置は、蛍光状態にある物質の分子を蛍光発光するよう励起可能であり、かつ、物質の分子をその蛍光状態から非蛍光状態に移行可能である励起光を放出する励起光源を備える。さらに、励起光を試料に向ける光学装置が存在する。励起光で励起された、蛍光状態にある物質の分子から発せられる蛍光を検出装置が検知する。本発明に従って、光成形光学系が、試料中で、少なくとも1つの極小値を有する励起光の強度分布を形成し、このとき、励起光の強度分布の極小値の位置では、個々の分子からの蛍光の強度が、最大で、試料における励起光の最大強度の位置における半分の大きさである。さらに、少なくとも1つの極小値を試料中のさまざまな位置に位置決め可能である走査装置が設けられている。検出装置は、少なくとも1つの極小値を取り囲む検知範囲から発せられる蛍光を、試料の別の領域から発せられる蛍光から分離可能に検出する。このとき、検出装置が、検知範囲からの蛍光を検出する、少なくとも1つの極小値の最も近接する位置間の間隔が、λ(4nsinα√(1+I/I))より大きくない。すなわち、走査装置は、試料の関心のある領域を、最小値dの半分より大きくないステップでスキャンする。
好ましくは、光成形光学系が、極小値から成るグリッドを含めて試料に励起光を向け、走査装置が、強度分布を試料に対してシフトすることで、物質が蛍光発光を励起されない極小値の周囲の励起の弱い領域(32)を完全に含む試料の関心のある領域を結像する。ゼロ点から成るグリッドがどのように実現できるかは、非特許文献4に説明されている。
少なくとも1つの極小値、または、三次元の試料では光軸のZ方向における極小値を取り囲むために、4Pi顕微鏡法を利用できる。このとき、Z方向で極小値を形成するのに、非特許文献5にある、同じ方向でSTED光の強度分布を形成するのと同じ方法をとることができる。励起光のコヒーレント部分光線が、互いに対向配置された2つの対物レンズによって試料に向けられ、そこで干渉させる場合、試料中で極小値から三次元のグリッドも形成できる。
検出装置は、好ましくは、試料に対して静止している、その上に試料が結像される画像センサアレイを備える。これは、CCDまたはCMOSカメラで実現できる。
本発明の有利な別の形態は、特許請求の範囲、明細書、および図面から明らかになる。明細書に挙げる特徴、および複数の特徴の組み合わせの利点は、単なる例示にすぎず、代替的または累積的に効果を発揮する可能性もあり、その利点が、必ず本発明による実施形態によって達成されなければならないことはない。これにより添付の特許請求の範囲の対象物が変更されることなく、元の出願書類およびそれに続く特許の開示内容に関して有効であり、その他の特徴は、図面、特に、描写した形状、および複数の構成部材の相対寸法、ならびにその相対的配置および連結作用から読み取ることができる。本発明のさまざまな実施形態の特徴、またはさまざまな特許請求の範囲の特徴の組み合わせは、同様に、特許請求の範囲の選択された関係と異なっていてもよく、これによって提案される。これは、別々の図面に描写された特徴や、その説明の際に挙げられる特徴にも該当する。こうした特徴は、さまざまな特許請求の範囲の特徴とも組み合わせることができる。同様に、特許請求の範囲に記載する特徴が、本発明のこの他の実施形態にはない場合もある。
特許請求の範囲と明細書に記載する特徴は、その数量に関して、「少なくとも」という副詞の明示的な使用を必要とすることなく、ぴったりこの数量、または記載した数量より大きな数量が存在すると理解されるものとする。つまり、例えば1つの要素について言う場合、ぴったり1つの要素、2つの要素、またはそれより多くの要素が存在すると理解されるものとする。これらの特徴は、他の特徴、またはそれぞれの産物を構成するいくつかの特徴により補足することが可能である。
特許請求の範囲に記載される符号は、特許請求の範囲によって保護される対象物の範囲を制限するものではない。これらの符号は、単に特許請求の範囲を理解しやすくする目的で用いられている。
以下に、図示した好ましい実施例にもとづいて、本発明をさらに詳しく説明する。
試料中の関心のある構造を標識している物質の分子が多数配置されている、試料の関心のある領域を示す図であり、ここでは少数の物質の分子のみ蛍光状態にある。 試料の関心のある領域について、励起光の強度分布の極小値を含むスキャニングを示す図であり、ここでは試料中の蛍光分子のいくつかを図示している。 図2の個々の蛍光分子から極小値のさまざまな位置で検出される蛍光の強度のグラフである。 励起光の強度が明らかに高いときに、図2の極小値を含めて試料をスキャンした際の、2つの個別蛍光分子の蛍光の強度のグラフである。 図4の励起光の強度が高いときに、図2の極小値を含めて試料をスキャンした際の、2つの個別蛍光分子の蛍光の強度のグラフである。 光センサアレイを用いて光センサアレイの上方で全体的に検知した、蛍光分子からの蛍光の分布の断面図である。 異なる二方向の線状であるゼロ点を有する試料の関心のある領域のスキャニングの概略図である。 点状のゼロ点から成るグリッドを有する試料の関心のある領域のスキャニングの概略図である。 本発明による方法の一実施形態のフローチャートである。 本発明による方法の別の実施形態のフローチャートである。 本発明による装置の概略図である。
図1は、物質の分子4で構造3が標識されている、試料2の関心のある領域1を示しており、分子4は蛍光状態および非蛍光状態を示す。分子4をすべて、つまりその状態に関係なく観察すると、これらの分子は最も近接する分子との間隔が非常に小さく、蛍光状態にある分子4を励起光で励起したときに分子4から得られる蛍光の波長における回折限界よりもはるかに小さい。間隔は、最小値d=λ(2nsinα√(1+I/I))より小さくもある。このとき、λは励起光の波長、nは、少なくとも1つの極小値が形成される光学材料の屈折率、αは、試料に励起光を向ける光学装置の半開口角、Iは試料2における励起光の最大強度、Iは、物質に依存する励起光の蛍光励起飽和強度である。この最小値dは、高解像度のSTED、GSD、およびRESOLFT走査型蛍光顕微におけるような、空間イメージングでの精度に相当する。
しかしながら、それぞれ「×」で示した個々の分子5のみ蛍光状態にあるのに対し、この図で点のみで表しているその他の分子は非蛍光状態にあり、従って、励起光によって蛍光発光が引き起こされない。個々の蛍光分子5は、関心のある領域1において、最小値dと、好ましくは蛍光の波長における回折限界も維持する間隔を有する。回折限界を維持する場合、個々の分子5から発せられる蛍光を別々に、すなわち、それぞれ特定の個々の分子5に分類して検知することが可能となる。蛍光状態5にある分子4の割合を相応に少なく調整することは、PALM、STORM、およびGSDIMというキーワードにおける既知の方法から知られているように、さまざまな方法で実現できる。
図2は、試料2のそのつど関心のある領域1に励起光23を照射したときに、励起光23の強度分布の極小値6を含めて、矢印で示したステップでスキャンする様子を図示している。このとき、これらのステップと、その結果生じる、試料2において最も近接する極小値6の位置の間隔7は、励起光、およびそれにより励起された個々の分子5からの蛍光の波長における回折限界の半分以下である。個々の分子5は、この図2では、1つのみ「×」で表している。極小値6の周囲の領域8では、それぞれの個々の分子5からの蛍光の強度は、分子5と極小値6との間隔に依存する。領域8の外側では、この強度は飽和している可能性がある。すなわち、領域8の外側では、励起光23の強度が非常に大きいため、個々の分子5の蛍光の最大強度が維持される。
図3は、図2の点状の極小値6が通過する個々の分子5の蛍光の強度Iを示す。このとき、図2の分子5は、確実に通過されるが、その際、蛍光の強度Iが測定される極小値6の位置Xのうちの1つにぴったり当たるわけではない。図3では、試料2中の極小値6のさまざまな位置Xを越えて検知された蛍光の強度Iに、それぞれ「×」が付けられている。このとき、極小値6は励起光23の強度のゼロ点であり、従って蛍光の強度Iのゼロ点でもある。少なくとも、極小値における蛍光の強度Iは、領域8の外側における蛍光の強度Iの50%まで低下する。位置Xで検知された強度Iの推移に、極小値を有する関数9をフィットさせると、極小値の位置から試料中の分子の位置Xを導き出すことができ、これは、位置Xの間隔より高い空間精度で可能となる。位置Xの間隔は、最小値dの半分よりも大きくなく、それどころかここでは最小値dの半分より小さい。最小値dは、極小値6によって影響を受ける強度Iの推移の半値幅に相当する。
極小値を有する関数9は、図2で極小値6が分子5を通過する際に予想される強度Iの推移に合わせることができる。図2の極小値6が分子5を一列分外れた場合の、蛍光の強度Iの相応する推移を、図3に破線10で示している。分子から二列分外れた場合の強度Iは一点鎖線11で示す。蛍光の強度Iの相応する実際の測定値から、分子の位置は、X方向に対して垂直なY方向でも確認できる。
図4は、極小値6の外側における励起光23の明らかに高い絶対強度について、ゼロ点という形で、図2の極小値6のさまざまな位置Xを越える蛍光の強度Iの推移12を示す。この場合、励起の弱い領域32の外側では、極小値6のすぐ周辺で、非常に素早く、それぞれの蛍光分子5から発せられる蛍光の強度Iの飽和に達する。こうした境界条件下では、この際立った位置Xに、それぞれの蛍光分子5から蛍光が検知される極小値6の別の位置Xが隣接する限り、蛍光の強度Iがゼロによって検知される極小値6の位置Xは、この分子の位置Xと同一とすることができる。
図5は、試料2において非常に密な間隔で並んでいる2つの分子5が蛍光状態にある場合の、試料中の極小値の位置Xを越える蛍光の強度Iの推移を示す。この密な間隔は、蛍光の波長における回折限界より明らかに小さい。そのためこの場合、強度Iは、試料2を結像される光センサアレイで個々の分子5を別々に分類できない。しかしながら、励起光23の強度を分子の最小間隔に調整すると、両方の分子について、極小値の位置Xを越える蛍光の強度Iの落ち込みが別々に生じる。というのも、励起光の強度に伴って、領域8の大きさと、さらに極小値の領域において強度Iの半値幅に相当する最小値dの大きさも減少するからである。分子5の間隔が、上に定義した最小値dと少なくとも同じ大きさであれば、分子5間の極小値6の位置における蛍光の強度Iが再び増加するため、強度Iの個々の落ち込みを、個々の分子に分類できる。
図5には、ここで極小値6がゼロ点でないため、極小値6が完全に当たる蛍光分子5からの蛍光の強度Iもゼロに戻らない一例を示している。むしろ、強度Iは、分子5のうちの1つが極小値6の領域に至る場合、その最大値の約90%だけ戻る。ただし、少なくとも強度Iの落ち込みが、せめて50%に留まっている限り、これが、強度Iの推移から個々の分子5の位置XM1およびXM2を決定するのを妨げることはない。
図6は、個々の位置Xに関して、個々の分子5からの蛍光の強度を合計した強度ΣΙを、試料2が結像され、蛍光を検知する光センサアレイの上方で合計された強度ΣΙの分布の断面図で示す。先に図3および図4で概略を述べた評価では、個々の蛍光分子5からの蛍光のどの強度Iが、極小値6のどの位置Xについて検知されるかのみが重要であって、この蛍光が、個々の蛍光分子5に分類できる限りは、どこで検知されるかは重要とならないのに対し、図6では、光センサアレイの上方で個々の蛍光分子5について全体として検知される蛍光の分布13が評価される。その重心から、つまり、極小値6の位置とは無関係に、局在化として知られている方法で、同様に試料中の分子の位置を決定できる。ただしこのとき、試料2中の分子5の見かけの位置X’は、発せられる蛍光の分布が空間的な指向性を持つ試料2中の分子に一定の配向がある場合にはこれと、それに応じて常に同じような方向に整列するその電気双極子モーメントとに依存する(非特許文献1参照)。図3および図4にもとづいて説明した位置決定の方法では、これは当てはまらない。
図2では、点状の極小値6を図解した。この場合、試料を1回スキャニング(二次元の試料では二方向で、三次元の試料では三方向で)すると、個々の蛍光分子それぞれの位置を決定できる。図7に従って、線状の極小値または(描画面に対して垂直に向けられた)面状の極小値を用いる場合、それぞれの走査方向14、15でその位置を決定するために、試料は極小値の推移に対して横向きに、極小値を含めてスキャンする必要がある。相応に、二次元の試料は、図7(a)および(b)に図示するように、個々の分子の位置を完全に決定するために、少なくとも二方向で、好ましくは、直交する走査方向14、15でスキャンする必要がある。このとき、分子からそのつど発せられる蛍光を区別できる限りは、線状または面状の極小値の領域に、複数の蛍光分子5が同時に存在してよい。
個々の分子5が、厳密に極小値6の周囲にある励起の弱い領域32に存在するわけでない限り、励起光23は、試料2全体にも、極小値6の外側にある試料2の関心のある領域1全体にも、個々の分子5からの蛍光を必ず検知できるような強度で照射する必要はない。むしろ、励起光23の強度を、極小値6の周辺領域に集中することができる。このとき、この領域は、その後ろで励起光23の強度が再び上昇する別の極小値で終わるか、または打ち切りになる可能性がある。再び上昇する場合、その他の極小値も、個々の分子5の位置を確認するのに用いることができるのに対し、打ち切りになる場合は、試料2中の極小値6の多数の位置Xに関して、蛍光分子5からの蛍光の強度Iにばらつきが認められ、これが、それぞれの蛍光分子5の位置Xを決定する際に考慮されないままとなる可能性がある。
図8は、点状の極小値6から成るグリットがある場合に、試料2の関心のある領域1を、図2に示す極小値6が1つのみの場合より、はるかに少ないステップでスキャンできる様子を図解している。このとき、描写した関心のある領域1のほぼ全体をスキャンするのに、4つの極小値のみでも十分である。この4つの極小値が、平面でそのつど20の位置に当たる。図8に示すように、極小値のそのようなパターンは、基本的に、コヒーレント部分光線が重なり合うことによって生じる、互いに対して直交する線状のグリットが重なり合うことによって実現できる(非特許文献4参照)。
図9は、本発明による方法の基本的な流れを説明している。ステップ16で、物質中に存在する分子4全体の割合を調整する。分子4は、個々の分子5として蛍光状態にある。ステップ17で、蛍光状態にある分子5を、少なくとも1つの極小値6を有する励起光23の強度分布で励起して発光させる。この蛍光を、ステップ18で、試料2中の極小値6の現在位置に分類しながら検知する。次いで、ステップ19で、極小値6を、その最後の位置までの小さな間隔分であるd/2以下だけシフトさせる。続いて、試料全体がスキャンされるまで、あらためて励起17と検知18を行う。次いで、物質の分子4の新たな部分を蛍光状態に移行させる。すなわち、ステップ16をくり返す際に、別の個々の分子5を無作為に選択し、それに続いて、ステップ17から19のループをくり返す。図9に概略を示したステップ16から19は、このステップによって試料2中の多くの個々の分子5の位置が決定されることで、試料2中の分子4全体の分布が所望の精度で再現されるまで行う。そのために、試料2中の分子4すべての位置を決定する必要はない。それどころか、個々の分子5の形態をした分子4の代表について、十分な数の位置を確認すれば十分である。
図9に概略を示した方法では、ステップ18において、試料2が結像される光センサアレイで蛍光を検知する場合、個々の蛍光分子5それぞれについて検知された、光センサアレイの上方での蛍光全体の分布13は、その位置を局在化によって決定するのにも利用できる(図6参照)。
本発明による方法では、図9に個別に示したステップ16から19を簡潔に要約することもできる。これを図10に概説する。ここでは、同時に調整光として用いられる励起光を用いるステップ20において、蛍光状態にとどまっている個々の分子5が、その分子からの蛍光を別々に検知するのに十分に大きな間隔を互いに有するよう配慮されており、これらの個々の分子5が、励起光23の分布の少なくとも1つの極小値6の少なくとも外側で励起されて発光する。
これと並行して、試料2中の個々の蛍光分子5からの蛍光の検知ステップ18と、極小値6のシフトステップ19から成るループが進行する。このとき、蛍光の強度Iが検知される各時間間隔内で、その結果として生じる試料2内での極小値6の移動が、分子5の位置を決定する際に目標とされる精度と比べて小さいままである場合、このシフトは連続的にすら生じることが可能である。
この方法が実現可能であることは、1つの波長のみを有するGSD顕微鏡(特許文献3参照)とGSDIMについて知られていたことを考慮しても、驚きである。本発明による方法は、励起光23の極小値6の領域に入った分子4が、励起光23の強度がそこで低下するため、すぐさま蛍光状態に戻るわけではなく、励起光23の強度で調整された、蛍光状態にとどまっている個々の分子5の分布が、極小値6を含む試料2の関心のある領域1をスキャンするのに十分に長い時間にわたって維持されていることを前提としている。しかしながら、少なくとも、小さな領域8と、相応にさらに小さな半値幅dとを有する極小値6について、および、個々の分子5が、試料2における極小値6の急速な運動によるその蛍光状態に滞留する時間と比較した場合、極小値6における励起光23の強度の低下は、蛍光状態および非蛍光状態への物質の分子4の配分に大きな影響を及ぼさない。そのため、個々の分子5の位置は、蛍光状態にある時間の間に決定でき、この決定は、極小値の領域で蛍光状態に戻る分子4によって妨げられない。場合によっては、分子4の蛍光状態と非蛍光状態の間の遷移確率は、特に励起光23の強度によって定められるように、本発明による方法に合わせて調整できる。この目的のために、例えば、適切な化学物質を試料2に添加する、および/または試料2の酸素濃度を適切に調整することができる。極小値6が、小さな、励起の弱い領域32しか有していなくてもよく、この極小値6は、試料2において個々の位置間で比較的素早く移動する。
図11は、本発明による方法を実施するための装置21の概略を示す。この装置は、励起光23を放出する励起光源22を有する。対物レンズ25で試料2に焦点を合わせた後に、励起光23が、少なくとも1つの極小値6を有する所望の強度分布を有するように、光成形光学系24によって励起光23を形成する。試料2内で最大d/2の幅で極小値6をシフトさせるように走査装置26を設ける。試料2からくる蛍光27は、ビームスプリッタ28で、光センサアレイ29に向けて分離され、光センサアレイ上に試料2が対物レンズ25によって結像される。光センサアレイ29によって、試料2から検知される蛍光27の強度を、試料2中の個々の分子5の局在化という意味でも評価することが可能となる。これに対し、本発明による試料2中の個々の分子5の位置の決定には、ここで破線で示したポイント検出器30でも十分である。この検出器に向けて、蛍光27が(試料2から見て走査装置26の後ろで)もう1つのビームスプリッタ31で分離され、この検出器が、極小値6を取り囲む検知範囲からの蛍光を検知する。走査装置26は、試料2からの蛍光27が検知される、励起光23の極小値6の位置を、少なくとも、その間隔7が励起光23および蛍光27の波長における回折限界以下となるほど密に取るように構成されている。
1 関心のある領域
2 試料
3 関心のある構造
4 分子
5 蛍光状態にある個々の分子
6 極小値
7 距離
8 領域
9 推移
10 推移
11 推移
12 推移
13 分布
14 走査方向
15 走査方向
16 ステップ
17 ステップ
18 ステップ
19 ステップ
20 ステップ
21 装置
22 励起光源
23 励起光
24 光成形光学系
25 対物レンズ
26 走査装置
27 蛍光
28 ビームスプリッタ
29 光センサアレイ
30 ポイントセンサ
31 ビームスプリッタ
32 励起の弱い領域
X方向の極小値の位置
X方向の個々の分子の位置
個々の分子からの蛍光の強度
ΣΙ 個々の分子からの蛍光の強度の合計

Claims (25)

  1. 試料(2)中の物質の個々の分子(5)の位置(X)を決定する方法であって、
    前記物質の前記個々の分子(5)が、励起光(23)で蛍光(27)発光を励起可能である蛍光状態にあり、
    前記試料(2)の関心のある領域(1)における前記物質の前記個々の分子(5)間の間隔が、最小値を維持し、かつ
    方法が、
    前記物質の前記個々の分子(5)を、前記励起光(23)で蛍光(27)発光するよう励起させるステップであって、前記励起光(23)の強度分布が、少なくとも1つの極小値(6)を有するステップと、
    前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記少なくとも1つの極小値(6)のさまざまな位置(X)について、励起された前記物質の前記個々の分子(5)からの前記蛍光(27)を検知するステップと
    を有し、
    前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記物質の前記個々の分子(5)間の間隔の最小値が、d=λ(2nsinα√(1+I/I))であり、このとき
    λが、前記励起光の波長であり、
    nが、前記少なくとも1つの極小値が形成される光学材料の屈折率であり、
    αが、前記試料に励起光を向ける前記光学装置の半開口角であり、
    Iが、前記試料(2)における前記励起光(23)の最大強度であり、
    が、前記物質に依存する前記励起光の蛍光励起飽和強度であることと、
    前記励起光(23)の前記強度分布の前記極小値(6)の位置では、個々の分子(5)からの前記蛍光(27)の前記強度が、最大で、前記試料(2)における前記励起光(23)の前記最大強度の位置における半分の大きさであることと、
    励起された前記物質の前記個々の分子(5)からの前記蛍光(27)が検知される、前記少なくとも1つの極小値(6)の最も近接する位置(X)間の間隔(7)が、前記最小値dの半分以下であることと、
    前記物質の前記個々の分子(5)の位置(X)を、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記少なくとも1つの極小値(6)の位置(X)を越える前記それぞれの分子(5)からの前記蛍光(23)の強度(I)の推移から導き出すことと
    を特徴とする方法。
  2. 極小値を有する関数(9)を、前記少なくとも1つの極小値(6)の前記位置(X)を越える前記それぞれの分子(5)からの前記蛍光(23)の前記強度(I)の前記推移にフィットさせることと、前記それぞれの分子(5)の前記位置(X)を、フィットさせた前記関数(9)の前記極小値の前記位置と同一のもとのすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記関数(9)が、二次関数であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記それぞれの分子(5)から、さまざまな方向で前記極小値(6)の最も近接する位置(X)におけるよりも少ない蛍光(27)を検知することによって際立っている、前記少なくとも1つの極小値(6)の位置(X)を、前記それぞれの分子(5)の前記位置(X)と同一のもとのすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 励起された前記物質の前記個々の分子(5)からの前記蛍光(27)が検知される、前記少なくとも1つの極小値(6)の最も近接する位置(X)間の前記間隔(7)が、前記それぞれの分子(5)が最小強度で蛍光(27)発光のみ励起される前記極小値(6)の周囲の励起の弱い領域(32)より大きくないことを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの極小値(6)に隣接する前記励起光(23)の前記強度を、前記励起光(23)で励起された前記個々の分子(5)から発せられる前記蛍光(27)の前記強度(I)において飽和に達するほど高く調整することを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記物質の前記分子(4)が、調整信号によって、前記調整信号の強度に伴って上昇する遷移確率で、
    その蛍光状態から非蛍光状態に、または
    非蛍光状態からその蛍光状態に
    移行可能であることと、
    すべての分子(4)を、その状態とは無関係に観察すると、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)において最も近接する前記物質の分子(4)間の間隔が、最小値dより小さいことと、
    蛍光状態にある前記物質の前記個々の分子(5)間の間隔を、前記調整信号で調整することと
    を特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記物質の前記分子(4)が、前記調整信号によるその移行の方向に対し、
    帰還信号の作用下で、および/または
    自発的に、
    また別の遷移確率で、その元の状態に戻ることと、
    蛍光状態にあるそのつど他の個々の分子(5)について、くり返し、または連続的に、前記最小値dを有する間隔を、前記調整信号、および場合によっては前記帰還信号によって調整することと、
    そのつど、蛍光状態にある前記個々の分子(5)の前記位置を決定し、前記試料(2)中の前記物質の前記分布のイメージングを得ることと
    を特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記試料(2)に、継続的または間欠的に、前記調整信号、および場合によっては前記帰還信号を加えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記調整信号が調整光であることを特徴とする、請求項7〜9のうちいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記物質の前記分子(4)を、前記調整光によって、その蛍光状態からその非蛍光状態に移行させることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記物質の前記分子(4)の前記非蛍光状態が、電子エネルギー状態であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記調整光が、前記励起光(23)と同じ波長を有することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの極小値(6)が点状の極小値であり、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)におけるその位置が、前記試料(2)の全延伸方向で変化することと、前記物質の前記個々の分子(5)の前記位置(X)を、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記少なくとも1つの極小値(6)の前記位置(X)を越える前記それぞれの分子(5)からの前記蛍光(27)の前記強度(I)の前記推移から導き出すこととを特徴とする、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの極小値(6)を取り囲む検知範囲からの前記蛍光(27)を、前記極小値(6)と共焦点に配置されたポイント検出器(30)で検出することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つの極小値(6)が、線または面に沿って広がることと、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)におけるその位置(X)が、前記線または面に対して横向きの走査方向(14、15)で変化することと、前記物質の前記個々の分子(5)の前記位置(X)を、前記走査方向(14、15)で、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記少なくとも1つの極小値(6)の前記位置(X)を越える前記それぞれの分子(5)からの前記蛍光(27)の前記強度(I)の推移から導き出すこととを特徴とする、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記線または面を、前記試料(2)に対してさまざまな方向に合わせて、前記物質の前記個々の分子(5)の前記位置(X)をさまざまな空間方向で決定することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  18. 前記励起光の前記強度分布が、前記試料(2)の前記関心のある領域(1)におけるその位置が一緒に変化する複数の極小値(6)を有し、前記物質の前記励起された個々の分子(5)からの前記蛍光(27)を、別々に検知することを特徴とする、請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記蛍光(27)を、前記試料(2)に対して静止している光センサアレイ(29)で検知することを特徴とする、請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記光センサアレイ(29)からのフレームを連続的に読み取り、前記試料(2)中の前記少なくとも1つの極小値(6)のそれぞれの位置に分類することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1つの極小値(6)が、前記試料(2)中で継続的にシフトすることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 前記試料(2)の前記関心のある領域(1)における前記物質の前記個々の分子(5)間の前記間隔が、前記蛍光(27)の波長における回折限界より大きいことと、前記蛍光状態にある前記物質の前記個々の分子(5)の前記位置(X)を、追加的に、前記光センサアレイ(29)の上方で前記それぞれの分子(5)から全体として検知される蛍光(ΣΙ)の分布から決定することとを特徴とする、請求項19〜21のうちいずれか一項に記載の方法。
  23. 励起光(23)であって、
    蛍光状態にある物質の分子(4)を蛍光発光するよう励起可能であり、かつ
    前記物質の前記分子(4)を、その蛍光状態から非蛍光状態に移行可能である
    励起光(23)を放出する励起光源(22)と、
    前記励起光を、ある強度分布で前記試料(2)に向ける光学装置と、
    前記励起光で励起された前記物質の前記分子(5)から発せられる前記蛍光(27)を検知する検出装置と
    を有する、請求項1〜22のうちいずれか一項に記載の方法を実施する装置であって、
    光成形光学系(24)が、前記試料(2)において、少なくとも1つの極小値(6)を有する励起光(23)の強度分布を形成し、前記励起光(23)の前記強度分布の前記極小値(6)の位置では、個々の分子(5)からの前記蛍光(27)の前記強度が、最大で、前記試料(2)における前記励起光(23)の前記最大強度の位置における半分の大きさであることと、
    前記少なくとも1つの極小値(6)を前記試料(2)中のさまざまな位置(X)に位置決め可能である走査装置(26)が設けられていることと、
    前記検出装置が、前記少なくとも1つの極小値を取り囲む検知範囲から発せられる前記蛍光(27)を、前記試料(2)の別の領域から発せられる蛍光から分離可能に検出することと、
    前記検出装置が、前記検知範囲からの前記蛍光(27)を検出する、前記少なくとも1つの極小値(6)の最も近接する位置(X)間の間隔(7)が、λ(4nsinα√(1+I/I))より大きくなく、このとき
    λが、前記励起光の波長であり、
    nが、前記少なくとも1つの極小値が形成される前記光学材料の屈折率であり、
    αが、前記試料に励起光を向ける前記光学装置の半開口角であり、
    Iが、前記試料(2)における前記励起光(23)の最大強度であり、
    が、前記物質に依存する前記励起光の蛍光励起飽和強度であることと
    を特徴とする装置。
  24. 前記光成形光学系(24)が、極小値(6)から成るグリッドを含めて前記試料中の前記励起光(23)の前記強度分布を形成することと、
    前記走査装置(26)が、前記強度分布を、前記試料(2)に対してシフトして、前記蛍光状態にある前記物質の前記分子(4)が、最小強度で蛍光(27)発光のみを励起されるゼロ点(6)の周囲にある励起の弱い領域(32)を完全に含めて、前記試料(2)の関心のある領域(1)をスキャンすることと
    を特徴とする、請求項23に記載の装置。
  25. 前記検出装置が、前記試料に対して静止している画像センサアレイ(29)を有することを特徴とする、請求項23または24に記載の装置。
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