JP2016509045A - がんを治療し、薬剤耐性を防止する方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬の治療的に有効な組み合わせを含む医薬製品、並びに、がんの治療のために前記組み合わせを使用する方法である。【選択図】なし
Description
本明細書で提供されるのは、ALDH阻害剤及び標的治療を使用する、がんなどの病的状態の治療のための治療法である。
制がん剤に対する耐性の比較的急速な獲得は、成功するがん治療に対する重要な障害となっている。そのような薬剤耐性についての分子基盤を解明するための多大な労力が、薬剤排出、標的の薬物結合欠損変異株の獲得、代替生存経路との係合、エピジェネティックな変化を含む、種々の機構を明らかにしている。このような機構は、一般に、薬物治療中に選択された腫瘍細胞集団内における、希な、確率的な、耐性付与遺伝子変異の存在を反映すると考えられている。Sharma et al., Cell 141(1):69-80 (2010)。がん治療においてますます観察される現象は、いわゆる「再治療応答」である。例えば、EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療に良好に応答し、その後に治療の失敗を経験する一部の非小細胞肺がん(NSCLC)患者は、「休薬日」の後、EGFR TKI再治療に対する第2の応答を示す。Kurata et al., Ann. Oncol. 15:173-174 (2004); Yano et al., Oncol. Res. 15:107-111 (2005)。同様の再治療応答は、幾つかの他の抗がん剤において十分に確立されている。Cara and Tannock, Ann. Oncol. 12:23-27 (2001)。このような知見は、制がん剤に対して獲得された耐性は、その機構の基礎が確立されないままである、可逆的「薬剤耐性」状態を伴う可能性があることを示唆している。
様々なヒト腫瘍細胞株中における可逆的「薬剤耐性」細胞集団の存在は、IGF−1受容体シグナル伝達との係合及びヒストンデメチラーゼKDM5Aを必要とするクロマチン状態の改変を介して維持されることが示されている。幾つかの特異的耐性付与変異が、獲得された薬剤耐性を示している多くのがん患者で実際に同定されているが、薬剤耐性への変異機構と非変異機構の相対的な寄与、及び腫瘍細胞の亜集団の役割はいささか不明なままである。新しい治療法が、がん細胞集団内の不均一性及び薬物治療に耐性であるがん細胞の出現に首尾良く対処するために必要とされる。
本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を含む組合せである。本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体においてがんを治療する方法である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)を含むがん治療の有効性を増加させるために有効である。例えば、幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)無しで(非存在下で)投与することを含む標準的治療と比較して、有効性を増加させるために有効である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)無しで(非存在下で)投与することを含む標準的治療と比較して、応答(例えば、完全寛解)を増加させるために有効である。方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ジスルフィラム及び/又はその誘導体である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はジスルフィラムである。方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ゴシポール及び/又はその誘導体である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はゴシポールである。
また、本明細書に提供されるのは、標的化治療薬の有効量及びALDH阻害剤の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において標的化治療薬を含むがん治療の有効性を増加させる方法である。
本明細書に提供されるのは、がん治療が、標的化治療薬の有効量及びALDH阻害剤の有効量を個体に同時に投与することを含み、がん治療が、標的化治療薬無しで(非存在下で)標的化治療薬の有効量を投与することを含む標準的治療と比較して、有効性を増加させる、個体においてがんを治療する方法である。更に、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において、標的化治療薬に対するがん耐性の発生を遅延及び/又は予防する方法である。
本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、標的化治療薬に対して耐性を発生する可能性が増加した、がんを有する個体を治療する方法である。加えて、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬に対する感受性を増加させる方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬感受性の期間を延長する方法である。加えて、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬に対する応答の持続時間を延長する方法である。
方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、小分子ALDH阻害剤である。幾つかの実施態様において、小分子ALDH阻害剤は、ジスルフィラム又はALDH阻害性誘導体又はその代謝産物である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミド又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミドである。方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ゴシポール及び/又はALDH阻害誘導体又はその代謝産物である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はゴシポールである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である。
方法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIは、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)である。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。幾つかの実施態様において、阻害剤は、抗体阻害剤、小分子阻害剤、結合ポリペプチドの阻害剤、及び/又はポリヌクレオチドアンタゴニストである。幾つかの実施態様において、TKIは、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、エルロチニブ)である。幾つかの実施態様において、TKIは、N−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)−3−クロロフェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン,ジ4−メチルベンゼンスルホン酸又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、ラパチニブ)である。幾つかの実施態様において、TKIは、(S)−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)イソニコチンアミド)又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、AS703026)である。幾つかの実施態様において、TKIはベムラフェニブである。幾つかの実施態様において、TKIは、3−((R)−1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル)エトキシ)−5−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−アミン又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、クリゾチニブ)である。
方法の何れかの幾つかの実施態様において、がんは、胃がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCL))、結腸直腸がん(例えば、結腸がん及び/又は直腸がん)、又は基底細胞癌である。
一実施態様において、がんの治療のための同時又は順次使用のための、a)第一成分としてALDH阻害剤の有効量、及びb)第二成分として標的性薬剤(標的化治療薬)の有効量を含有する医薬製品が提供される。
別の実施態様において、ALDH阻害剤は、小分子ALDH阻害剤である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、ジスルフィラム又はALDH阻害性誘導体又はその代謝産物である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミド又はその薬学的に許容可能な塩である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミドである、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である、上記に示される医薬製品が提供される。
別の実施態様において、ALDH阻害剤は、標的化治療薬はチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、及び/又はALK阻害剤である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、阻害剤は、抗体阻害剤、小分子阻害剤、結合ポリペプチドの阻害剤、及び/又はポリヌクレオチドアンタゴニストである、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン又はその薬学的に許容可能な塩、特にエルロチニブである、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、N−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)−3−クロロフェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン,ジ4−メチルベンゼンスルホン酸又はその薬学的に許容可能な塩、特にラパチニブである、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、(S)−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)イソニコチンアミド)又はその薬学的に許容可能な塩、特にAS703026である、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIはベムラフェニブである、上記に示される医薬製品が提供される。別の実施態様において、TKIは、3−((R)−1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル)エトキシ)−5−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−アミン又はその薬学的に許容可能な塩、特にクリゾチニブである、上記に示される医薬製品が提供される。
別の実施態様において、がんは、胃がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCL)、結腸がん及び/又は直腸がん、又は基底細胞癌である、上記に示される医薬製品が提供される。
改善されたがん治療法を提供することに加えて、本明細書に記載される特定の組み合わせの投与は、様々な治療を受けている同一患者により経験される生活の質と比較して、患者の生活の質を改善し得る。例えば、本明細書に記載される個体に対する標的化治療薬(例えば、TKI)とALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)との組合せの投与は、もし患者が治療として標的化治療薬のみを受けるならば、同一患者が経験するであろう生活の質と比較して、改善された生活の質を提供し得る。例えば、本明細書に記載の組合せによる併用療法は、必要な標的化治療薬の用量を低下させ、それによって、治療に関連する副作用(例えば、悪心、嘔吐、脱毛、発疹は、食欲減少、体重減少など)を軽減させることができる。組合わせはまた、腫瘍量、及び、痛み、臓器不全、体重減少などの関連する有害事象の減少を引き起こす可能性がある。従って、本発明の一態様は、標的化治療薬(例えば、TKI)によりがんを治療される患者の生活の質を改善するための治療用途のためのALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)を提供する。従って、本発明の別の態様は、標的化治療薬、又はその薬学的に許容可能な塩によりがんを治療される個体の生活の質を改善するための治療用途のためのALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)を提供する。
詳細な説明
I.定義
本明細書で使用する用語「ALDH」又は「アルデヒドデヒドロゲナーゼ」は、アルデヒドを酸化することができる酵素又は酵素のクラスを指す。アルデヒド脱水素酵素(ALDH)(Enzyme Commission 1.2.1.3)は、細胞内のアルデヒドを酸化することに関与する酵素であり、エタノール、ビタミンA、シクロホスファミド及び他のオキサザホスホリンの代謝において役割を果たす。ヒトのALDH酵素の例は、ALDH1A1、ALDH1A2、ALDH1A3、ALDH1B1、ALDH1L1、ALDH1L2、ALDH2、ALDH3A1、ALDH3A2、ALDH3B1、ALDH3B2、ALDH4A1、ALDH5A1、ALDH6A1、ALDH7A1、ALDH8A1、ALDH9A1、ALDH16A1、ALDH18A1を含む。用語「野生型ALDH」は、一般に、天然に存在するALDHタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
I.定義
本明細書で使用する用語「ALDH」又は「アルデヒドデヒドロゲナーゼ」は、アルデヒドを酸化することができる酵素又は酵素のクラスを指す。アルデヒド脱水素酵素(ALDH)(Enzyme Commission 1.2.1.3)は、細胞内のアルデヒドを酸化することに関与する酵素であり、エタノール、ビタミンA、シクロホスファミド及び他のオキサザホスホリンの代謝において役割を果たす。ヒトのALDH酵素の例は、ALDH1A1、ALDH1A2、ALDH1A3、ALDH1B1、ALDH1L1、ALDH1L2、ALDH2、ALDH3A1、ALDH3A2、ALDH3B1、ALDH3B2、ALDH4A1、ALDH5A1、ALDH6A1、ALDH7A1、ALDH8A1、ALDH9A1、ALDH16A1、ALDH18A1を含む。用語「野生型ALDH」は、一般に、天然に存在するALDHタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
用語「HER2」、「ErbB2」、「c−Erb−B2」は同義的に使用される。他に示さない限り、用語「ErbB2」、「c−Erb−B2」及び「HER2」は、本明細書中で使用される場合、ヒトタンパク質を指し、「erbB2」、「c−erb−B2」及び「HER2」はヒトの遺伝子を指す。ヒトerbB2遺伝子及びErbB2タンパク質は、例えば、Semba et al., PNAS (USA) 82:6497-6501 (1985) and Yamamoto et al. Nature 319:230-234 (1986) (Genbank受託番号X03363)に記載される。ErbB2のは、4つのドメイン(ドメイン1−4)を含む。用語「野生型HER2」は、一般に、天然に存在するHER2タンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
「EGFR」は、Ullrich et al, Nature(1984) 309:418425に記載される、受容体チロシンキナーゼポリペプチド上皮成長因子受容体を意味し、あるいはHer−1及びc−erbB遺伝子産物、並びにEGFRvIIIなどのその変異体を指す。EGFRの変異体はまた、例えば、Lynch et al. (NEJM 2004, 350:2129), Paez et al. (Science 2004, 304:1497), Pao et al. (PNAS 2004, 101:13306)に記載される欠失、置換及び挿入変異体を含む。用語「野生型EGFR」は、一般に、天然に存在するEGFRタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用する用語「c−met」又は「Met」は、特に断りのない限り、任意の天然型又は変異体(天然又は合成の何れかの)c−Metポリペプチドを指す。用語「野生型c−met」は、一般に、天然に存在するc−metタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用する用語「BRAF」は、特に断りのない限り、任意の天然型又は変異体(天然又は合成の何れかの)BRAFポリペプチドを指す。用語「野生型BRAF」は、一般に、天然に存在するBRAFタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
用語「ALK」は、未分化リンパ腫キナーゼを指す。ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)(GenBank受託番号:AB209477,UniProt受託番号Q9UM73)は、受容体チロシンキナーゼである。(ヒトでは1620アミノ酸長である)このタンパク質は、中央部分に膜貫通ドメインを有し、カルボキシル末端のチロシンキナーゼ領域及びアミノ末端細胞外ドメインを有する(Oncogene. 1997 Jan. 30; 14 (4): 439-49)。ALKに関する包括的なレビューは、Pulford et al., J. of Cellular Physiol., 199:330-358, 2004を参照。完全長ALK配列は、米国特許第5,770,421号に開示される。用語「野生型ALK」は、一般に、天然に存在するALKタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
目的のポリペプチドの「アンタゴニスト」(交換可能に呼ばれる「阻害剤」)は、目的のポリペプチドの活性化又は機能を妨げる、例えば、目的のポリペプチドによって媒介される生物学的活性を、部分的又は完全にブロックし、阻害し、又は中和する薬剤である。例えば、ポリペプチドXのアンタゴニストは、ポリペプチドXによって媒介される生物学的活性を、部分的又は完全にブロックし、阻害し、又は中和する任意の分子を指す。阻害剤の例には、抗体;リガンド抗体;小分子アンタゴニスト;アンチセンス及び阻害性RNA(例えば、shRNA)分子を含む。好ましくは、阻害剤は、目的のポリペプチドに結合する抗体又は小分子である。特定の実施態様において、阻害剤は、約1000nM以下の目的のポリペプチドに対する結合親和性(解離定数)を有する。別の実施態様において、阻害剤は、約100nM以下の目的のポリペプチドに対する結合親和性を有する。別の実施態様において、阻害剤は、約50nM以下の目的のポリペプチドに対する結合親和性を有する。特定の実施態様において、阻害剤は、目的のポリペプチドに共有結合している。特定の実施態様において、阻害剤は、1000nM以下のIC50で、目的のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。別の実施態様において、阻害剤は、500nM以下のIC50で、目的のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。別の実施態様において、阻害剤は、50nM以下のIC50で、目的のポリペプチドのシグナル伝達を阻害する。ある実施態様では、アンタゴニストは、目的のポリペプチドの発現レベル又は生物学的活性を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上低減又は阻害する。
本明細書で使用される用語「標的化治療薬」は、目的のポリペプチド(単数又は複数)に結合し、目的の特定のポリペプチドの活性及び/又は活性化を阻害する治療薬を指す。このような薬剤の例には、目的のポリペプチドに結合する抗体及び小分子を含む。幾つかの実施態様において、標的化治療薬はTKIである。幾つかの実施態様において、TKIはRTKIである。
「チロシンキナーゼ阻害剤」又は「TKI」は、チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性により媒介される活性化又は機能を妨げる、例えば、チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性により媒介される生物学的活性を部分的又は完全にブロックし、阻害し、又は中和する薬剤を指す。
「受容体チロシンキナーゼ阻害剤」又は「RTKI」は、受容体チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性により媒介される活性化又は機能を妨げる、例えば、受容体チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性により媒介される生物学的活性を部分的又は完全にブロックし、阻害し、又は中和する薬剤を指す。
特に断らない限り、本明細書で使用する用語「ポリペプチド」は、霊長類(例えばヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス、ラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物由来の任意の天然型ポリペプチドを指す。その用語は、「完全長」、未処理のポリペプチド並びに細胞内でのプロセシングから生じた任意の形態のポリペプチドを含む。その用語はまた、天然に存在するポリペプチドの変異体、例えば、スプライスバリアント又は対立遺伝子変異型を包含する。
「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、本明細書では同義的に用いられ、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドとは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド又は塩基、及び/又はそれらの類似体、又はDNA若しくはRNAポリメラーゼにより、又は合成反応により、ポリマー中に組み込むことができる任意の基質とすることができる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体などの修飾ヌクレオチドを含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの構築の前又は後に分け与えることができる。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオチド成分により中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、合成後に、例えば標識とのコンジュゲーションにより更に修飾されても良い。他のタイプの修飾は、例えば、「キャップ」、一以上の天然に存在するヌクレオチドの類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合を有するもの(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミダート、カルバメートなど)及び荷電結合を有するもの(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、ペンダント部分を含有するもの、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply−L−リジンなど)、インターカレーターを有するもの(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレート剤を有するもの(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、アルファアノマー核酸など)、並びにポリヌクレオチド(単数又は複数)の未修飾形態を含む。更に、糖中に通常存在するヒドロキシル基の何れかが、例えば、ホスホネート基、ホスフェート基によって置換され、標準的な保護基で保護され、又は付加的ヌクレオチドへの付加的結合を調製するように活性化されても良く、又は固体又は半固体支持体にコンジュゲートされても良い。5’及び3’末端OHは、リン酸化され、又はアミン若しくは1から20個の炭素原子を有する有機キャッピング基部分で置換することができる。他のヒドロキシルはまた、標準的な保護基へと誘導体化され得る。ポリヌクレオチドはまた、一般的に当技術分野で知られる、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−又は2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、アラビノースなどのエピマー糖、キシロース又はリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環状類似体及びメチルリボシドなどの脱塩基ヌクレオシド類似体を含む、リボース又はデオキシリボース糖の類似形態を含めることができる。一以上のホスホジエステル結合が、代替の連結基で置き換えてもよい。これらの代替の連結基は、限定されないが、リン酸が、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO又はCH2(「ホルムアセタール」)によって置換され、ここで、各R又はR’は独立してH、又は、任意でエーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアラルジル(araldyl)を含んでなる置換型若しくは非置換型アルキル(1−20C)である、実施態様を含む。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記述は、RNA及びDNAを含む、本明細書で引用される全てのポリヌクレオチドに適用される。
用語「小分子」は、約2000ダルトン以下、好ましくは約500ダルトン以下の分子量を有する任意の分子を指す。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から分離されたものである。幾つかの実施態様において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)により決定される場合、95%以上又は99%の純度に精製される。抗体純度の評価法の総説としては、例えばFlatman et al., J. Chromatogr. B 848:79-87 (2007)を参照のこと。
本明細書において用語「抗体」は、最も広い意味で用いられ、様々な抗体構造を包含し、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び、所望の抗原結合活性を示す限り、抗体断片を含む。
目的の抗ポリペプチド抗体及び目的のポリペプチド「に結合する抗体」なる用語は、抗体が、目的のポリペプチドを標的とすることにおいて、診断薬剤及び/又は治療的薬剤として有用であるように、十分な親和性で目的のポリペプチドに結合することができる抗体を指す。一実施態様において、目的の抗ポリペプチド抗体の、無関係な、目的の非ポリペプチドタンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、
目的のポリペプチドへの抗体の結合の約10%未満である。所定の実施態様において、ポリペプチドへ結合する抗体は、解離定数(Kd)は、≦1μM、≦100nM、≦10 nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M未満、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)を有する。ある実施態様において、目的の抗ポリペプチド抗体は、異なる種由来の目的のポリペプチド間に保存されている、目的のポリペプチドのエピトープに結合する。
目的のポリペプチドへの抗体の結合の約10%未満である。所定の実施態様において、ポリペプチドへ結合する抗体は、解離定数(Kd)は、≦1μM、≦100nM、≦10 nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M未満、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)を有する。ある実施態様において、目的の抗ポリペプチド抗体は、異なる種由来の目的のポリペプチド間に保存されている、目的のポリペプチドのエピトープに結合する。
「ブロッキング」抗体又は「アンタゴニスト抗体」は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害又は減少させるものである。好適なブロッキング抗体又はアンタゴニスト抗体は、実質的に又は完全に抗原の生物学的活性を阻害する。
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の総和の強度を指す。本明細書で使用する場合、特に断らない限り、「結合親和性」は、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1の相互作用を反映している本質的な結合親和性を指す。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般的に解離定数(Kd)で表すことができる。親和性は、本明細書に記載したものを含む、当該技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための特定の事例的及び具体的な実施態様を以下に記載する。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えばscFv);及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、参照抗体のその抗原に対する結合を、50%又はそれ以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて、抗体のその抗原に対する結合を、50%又はそれ以上遮断する。
用語「キメラ」抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の起源又は種から由来し、一方重鎖及び/又は軽鎖の残りが異なる起源又は種から由来する抗体を指す。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」は、本明細書中で互換的に使用され、天然型抗体構造と実質的に類似の構造を有するか、又はFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味し、すなわち、例えば、天然に生じる変異を含み、又はモノクローナル抗体製剤の製造時に発生し、一般的に少量で存在している変異体などの、可能性のある変異体抗体を除き、集団を構成する個々の抗体は同一であり、及び/又は同じエピトープに結合する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体の調製物とは異なり、モノクローナル抗体の調製物の各モノクローナル抗体は、抗原の単一の決定基に対するものである。「モノクローナル」なる修飾語句は、抗体の、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるという特性を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないと解釈されるべきものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、限定されないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、ト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法、モノクローナル抗体を作製するためのそのような方法及び他の例示的な方法を含む様々な技術によって作成される。
「ヒト抗体」は、ヒト又はヒト細胞により産生されるか、又はヒト抗体のレパートリー又は他のヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト起源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来アミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。所定の実施態様において、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含み、HVR(例えば、CDR)の全て又は実質的に全てが、非ヒト抗体のものに対応し、FRの全て又は実質的に全てが、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体の「ヒト化型」、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化を遂げた抗体を指す。
「イムノコンジュゲート」は、一以上の異種分子にコンジュゲートした抗体であり、限定されないが、細胞傷害性薬物を含む。
「個々の応答」又は「応答」は、限定されないが、(1)疾患の進行(例えば、がんの進行)の、減速及び完全な停止を含む、ある程度の阻害;(2)腫瘍サイズの縮小;(3)隣接する末梢器官及び/又は組織へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、減少、減速又は完全な停止);(4)転移の阻害(すなわち減少、減速又は完全な停止);(5)疾患又は障害(例えば、がん)に関連する一以上の症状の、ある程度までの軽減;(6)無増悪生存期間の長さの延長;及び/又は(9)治療後の特定の時点での死亡率の低下を含む、個体に対する利益を示す任意のエンドポイントを用いて評価することができる。
本明細書で用いる「実質的に同一」なる用語は、当業者が、2つの値の間の差異が、その値(例えばKd値又は発現)によって測定される生物学的特性という脈絡の中で、わずかに又は全く生物学的及び/又は統計学的有意性がないと考慮するであろうほどに、2つの数値の間の十分高度な類似性を意味する。前記2つの値の間の差異は、参照/比較値に応じて、例えば約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、及び/又は約10%以下である。
本明細書で用いる「実質的に異なる」なる句は、当業者が、2つの値の間の差異が、その値(例えばKd値)によって測定される生物学的特性という脈絡の中で、統計学的有であると考慮するであろうほどに、2つの数値の間の十分高度な差異を意味する。前記2つの値の間の差異は、参照/比較分子の値に応じて、例えば約10%より大きく、約20%より大きく、約30%より大きく、約40%より大きく、及び/又は約50%より大きい。
物質/分子、例えば、薬学的組成物の「有効量」は、例えば、所望の治療的又は予防的結果を達成するために、必要な用量及び期間で有効な量を指す。
物質/分子の「治療的有効量」は、病状、年齢、性別、個体の体重、及び個体に所望する反応を引き出す物質/分子の能力等の要因に応じて変わり得る。また、治療的有効量は、物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの任意の毒性又は有害な効果よりも治療的に恩恵のある効果が上回るものである。「予防的有効量」は、所望の予防結果を達成するために必要な用量及び期間において有効な量を指す。一般的には必ずしもそうではないが、予防的用量は、疾患の初期段階で又は前に被験体に使用されるので、予防的有効量は治療的有効量よりも少ないであろう。
用語「薬学的製剤」は、その中に有効で含有される活性成分の生物学的活性を許容するような形態であって、製剤を投与する被験体にとって許容できない毒性である他の成分を含まない調製物を指す。
「薬学的に許容可能な担体」は、被験体に非毒性であり、有効成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容可能な担体は、限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存剤を含む。
「薬学的に許容可能な塩」なる語句は、本明細書中で使用される場合、化合物の薬学的に受容可能な有機もしくは無機の塩をいう。
本明細書で用いられるように、「治療」(及び「治療する(treat)」又は「治療している(treating)」など文法上の変形)は、治療されている個体の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、又は臨床病理の過程においての何れかで実行できる。治療の望ましい効果は、限定されないが、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の直接的又は間接的な病理学的帰結の縮小、転移を予防すること、疾患の進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様において、本発明の抗体は、疾患の発症を遅延させるか又は疾患の進行を遅くするために使用される。
用語「抗がん治療法」は、がんを治療するのに有用な治療法を指す。抗がん治療薬の例には、限定されないが、例えば、化学療法剤、増殖阻害剤、細胞傷害性薬剤、放射線療法に用いられる薬剤、抗血管新生剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、及びがんを治療するための他の薬剤、抗CD20抗体、血小板由来成長因子阻害剤(例えば、GleevecTM(メシル酸イマチニブ))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、次の標的、PDGFR−beta、BlyS、APRIL、BCMA受容体、TRAIL/Apo2の一以上に特異的に結合するアンタゴニスト(例えば中和抗体)、及び他の生物活性薬剤及び有機化学薬剤などが含まれる。その組合せもまた本発明に含まれる。
本明細書で用いられる「細胞傷害性薬物」という用語は、細胞の機能を阻害又は阻止し及び/又は細胞死若しくは破壊を生ずる物質を指す。用語は、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体):化学療法剤又は薬物(例えば、メトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン又は他の挿入剤)、成長阻害剤、酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素など、抗生物質、及び小分子毒素などの毒素、又は細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素(それらの断片及び/又はその変異体を含む)、及び以下に開示される様々な抗腫瘍剤又は抗がん剤を包含することが意図される。他の細胞傷害性薬物は以下に記述される。殺腫瘍剤は、腫瘍細胞の破壊を引き起こす。
「化学療法剤」は、がんの治療に有用な化合物を指す。化学療法剤の例には、アルキル化剤、例えばチオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標));スルホン酸アルキル、例えばブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン(piposulfan);アジリジン類、例えばベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa);アルトレトアミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン類及びメチラメラミン類;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);デルタ−9−テトラヒドロカナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標);βラパチョーネ;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標)、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)を含む)、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)及び9−アミノカンプトテシン;ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;ドゥオカルマイシン(合成アナログ、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エロイテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンギスタチン;クロランブシル、クロロナファジン(chlornaphazine)、チョロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロフォスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロスレアス(nitrosureas);抗生物質、例えばエネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンωI1(例えばNicolaou et al., Agnew Chem Intl. Ed. Engl. 33:183-186(1994)参照);CDP323、経口α−4インテグリン阻害剤;ダイネマイシン(dynemicin)Aを含むダイネマイシン;エスペラマイシン;並びにネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパクエネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン類(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン類、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorbicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射剤(DOXIL(登録商標)、リポソームドキソルビシンTLCD−99(MYOCET(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標)、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシンCのようなマイトマイシン、マイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycins)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);代謝拮抗剤、例えばメトトレキセート、ゲムシタビン(gemcitabine)(GEMZAR(登録商標))、テガフル(tegafur)(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(capecitabine)(XELODA(登録商標))、エポチロン(epothilone)、及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸アナログ、例えばデノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート(trimetrexate);プリンアナログ、例えばフルダラビン(fludarabine)、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えばアンシタビン、アザシチジン(azacitidine)、6−アザウリジン(azauridine)、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン(enocitabine)、フロキシウリジン(floxuridine);アンドロゲン類、例えばカルステロン(calusterone)、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン(testolactone);抗副腎剤、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸リプレニッシャー(replenisher)、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン(amsacrine);ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン(diaziquone);エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium);エポチロン;エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);メイタンシン(maytansine)及びアンサマイトシン類(ansamitocins)のようなメイタンシノイド類(maytansinoids);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン(losoxantron);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン(razoxane);リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム(spirogermanium);テニュアゾン酸(tenuazonic acid);トリアジコン(triaziquone);2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T−2トキシン、ベラキュリンA(verracurin A)、ロリジンA(roridin A)及びアングイジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール;ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン(pipobroman);ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANETM)、及びドキセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ剤、例えばシスプラチン、オキサリプラチン(例えばELOXATIN(登録商標))及びカルボプラチン;ビンカ類でチューブリン重合の微小管形成を阻害するもの、例えばビンブラスチン(VELBAN(登録商標)、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、及びビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボビン(leucovovin);ノバントロン(novantrone);エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロナート(ibandronate);トポイソメラーゼ阻害薬RFS2000;ジフルオロメチロールニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド、例えば、ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標));ビスホスホネート、例えばクロドロネート(例えばBONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、エチドロン酸(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロン酸(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))、又はリセドロン酸(ACTONEL(登録商標));トロキサシタビン(troxacitabine)(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に結びつくシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えばPKC−α、Raf、及びH−Ras、及び上皮増殖因子受容体(EGF−R);THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン等のワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害薬(例えばLURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えばABARELIX(登録商標));BAY439006(ソラフェニブ;Bayer);SU−11248(スニチニブ、SUTENT(登録商標)、Pfizer);ペリフォシン(perifosine)、COX−2阻害剤(例えばセレコキシブ又はエトリコキシブ)、プロテオゾーム阻害剤(例えばPS341);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標));CCI−779;チピファルニブ(tipifarnib)(R11577);オラフィニブ(orafenib)、ABT510;BCL−2阻害剤、例えばオブリメルセンナトリウム(oblimersen sodium)(GENASENSE(登録商標));ピクサントロン;EGFR阻害剤(以下の定義を参照);チロシンキナーゼ阻害剤;セリン−スレオニンキナーゼ阻害剤、例えばラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばロナファーニブ(SCH6636,SARASARTM);及び上述したものの何れかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体:並びに上記のうち2以上の組合せ、例えば、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニソロンの併用療法の略称であるCHOP;及び5−FU及びロイコボリンとオキサリプラチン(ELOXATINTM)を組合せた治療法の略称であるFOLFOXが含まれる。
本明細書中で定義された化学療法剤には、がんの増殖を促進しうるホルモンの作用を調節、低減、遮断、又は阻害するように働く「抗ホルモン剤」又は「内分泌治療剤」が含まれる。それらはそれ自体がホルモンであってもよく、限定するものではないが、混合アゴニスト/アンタゴニストプロファイルを持つ抗エストロゲン、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標))、4−ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン(FARESTON(登録商標))、イドキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン(raloxifene)(EVISTA(登録商標))、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、及びSERM3などの選択的なエストロゲン受容体調節因子(SERM);アゴニスト特性を有さない純粋な抗エストロゲン類、例えばフルベストラント(FASLODEX(登録商標))、及びEM800(このような薬剤はエストロゲン受容体(ER)二量体化をブロックし、DNA結合を阻害し、ER代謝回転を増加させ、及び/又はERレベルを抑制しうる);アロマターゼ阻害剤、例えば、ホルメスタン及びエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))などのステロイド系アロマターゼ阻害剤、及びアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))及びアミノグルテチミドなどの非ステロイド性アロマターゼ阻害剤、及びボロゾール(RIVISOR(登録商標))、メゲストロールアセテート(MEGASE(登録商標))、ファドロゾール及び4(5)−イミダゾールを含む他のアロマターゼ阻害剤;黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、例えばロイプロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、ゴセレリン、ブセレリン、及びトリプトレリン;性ステロイド、例えばプロゲスチン、例えばメゲストロールアセテート及びメドロキシプロゲステロンアセテート、エストロゲン、例えばジエチルスチルベストロール及びプレマリン、及びアンドロゲン/レチノイド、例えばフルオキシメステロン、全てのトランスレチオニン酸及びフェンレチニド;オナプリストン;抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御因子(ERD);抗アンドロゲン類、例えばフルタミド、ニルタミド及びビカルタミド;及び上記の何れかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体;並びに、上記のうちの2以上の組合せを含む。
この出願で用いられる用語「プロドラッグ」なる用語は、親薬剤と比較して腫瘍細胞に対する細胞障害性が低く、酵素的に活性化又はより活性な親形態に変換されうる薬学的に活性な物質の前駆体又は誘導体の形態を指す。例えば、Wilman, “Prodrugs in Cancer Chemotherapy" Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast (1986)及びStella et al., “Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery," Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Press (1985)を参照のこと。この発明のプロドラッグには、限定するものではないが、ホスファート含有プロドラッグ、チオホスファート含有プロドラッグ、スルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、任意に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、又は任意に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、より活性のある細胞毒のない薬剤に転換可能な5−フルオロシトシン及び他の5−フルオロウリジンプロドラッグを含む。限定はしないが、本発明で使用されるプロドラッグ形態に誘導体化可能な細胞障害性剤の例には、前記の化学療法剤が含まれる。
本明細書で使用する「増殖阻害剤」は、細胞(例えばインビトロ又はインビボの何れかにおいて増殖が目的のポリペプチドの活性に依存している細胞)の増殖を阻害する化合物又は組成物を指す。増殖阻害剤の例は、細胞周期の進行を(S期以外の位置で)阻害する薬剤、例えばG1停止又はM期停止を誘発する薬剤を含む。古典的なM期ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン、及び例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。またG1停止させるこれらの薬剤は、S期停止にも波及し、例えば、DNAアルキル化剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、及びアラ−Cである。更なる情報は、The Molecular Basis of Cancer, Mendelsohn及びIsrael, 編,第1章,表題「Cell cycle regulation, oncogene, and antineoplastic drugs」, Murakami等, (WB Saunders: Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。タキサン類(パクリタキセル及びドセタキセル)は、共にイチイに由来する抗がん剤である。ヨーロッパイチイに由来するドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、ローン・プーラン ローラー)は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、ブリストル−マイヤー スクウィブ)の半合成類似体である。パクリタキセル及びドセタキセルは、チューブリン二量体から微小管の集合を促進し、細胞の有糸***を阻害する結果となる脱重合を防ぐことによって微小管を安定化にする。
「放射線療法」とは、正常に機能する能力を制限するか、又は完全に細胞を破壊するために、細胞に十分な損傷を誘導するために指定されたγ線又はβ線の使用を意味する。治療の用量及び持続時間を決定するための当技術分野で周知の多くの方法が存在することが理解されるであろう。典型的な治療法は一回の投与として与えられ、典型的な投与量は、1日あたり10から200単位(グレイ)の範囲である。
「個体」又は「被験体」は、哺乳動物である。哺乳動物は、限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ)、霊長類(例えば、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む。ある実施態様において、個体又は被験体はヒトである。
用語「同時に」は、二以上の治療薬の投与を指し、それらの個々の治療作用が時間的に重なるように、十分時間的に近接して与えるために本明細書において使用される。従って、同時投与とは、一以上の薬剤投与が、一以上の他の薬剤の投与を中止した後に、継続する場合の投与レジメンを含む。幾つかの実施態様において、同時投与は、同時に、逐次に、及び/又は同時にとなる。
「低減する又は阻害する」とは、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上の全体的減少を引き起こす能力を意味する。低減する又は阻害するとは、治療する疾患の症状、転移の存在又は大きさ、又は原発腫瘍の大きさを指しうる。
用語「添付文書」は、効能、用法、用量、投与、併用療法、禁忌についての情報、及び/又はそのような治療用製品の使用に関する警告を含む、治療用製品の商用パッケージに慣習的に含まれている説明書を指すために使用される。
「製造品」は、例えば、疾患又は障害(例えば、がん)の治療のための医薬、又は本明細書に記載のバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブなど少なくとも一の試薬を含んでなる任意の製品(例えばパッケージ又は容器)又はキットである。ある実施態様において、製品又はキットは、本明細書に記載の方法を実施するためのユニットとして、宣伝され、配布され又は販売される。
当業者によって理解されるように、本明細書中の「およそ」の値又はパラメーターへの言及は、その値又はパラメーター自体に対する実施態様を含む(記載する)。例えば、「およそX」との記載には「X」の記載が含まれる。
本明細書に記載される本発明の態様及び実施態様は、態様及び実施態様「からなる」及び/又は「本質的になる」を含む。本明細書で使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、特に指示がない限り、複数への参照が含まれる。
II.方法と使用
本明細書に提供されるのは、がんを治療するために、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を利用する方法である。
本明細書に提供されるのは、がんを治療するために、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を利用する方法である。
特に、本明細書において提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を個体に同時に投与することを含む、個体においてがんを治療する方法である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、がん感受性の期間を増加させるため、及び/又は標的化治療(例えば、TKI)に対する細胞抵抗性の発生を遅延させるために有効である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)を含むがん治療の有効性を増加させるために有効である。例えば、幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)無しで(非存在下で)投与することを含む標準的治療と比較して、有効性を増加させるために有効である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の各量は、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)無しで(非存在下で)投与することを含む標準的治療と比較して、応答(例えば、完全寛解)を増加させるために有効である。幾つかの実施態様において、標的化治療薬はチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIは、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)である。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。
また、本明細書に提供されるのは、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量及びALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において標的化治療薬(例えば、TKI)を含むがん治療の有効性を増加させる方法である。また、本明細書に提供されるのは、がん治療が、標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量及びALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量を個体に同時に投与することを含み、がん治療が、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)無しで(非存在下で)標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を投与することを含む標準的治療と比較して、有効性を増加させる、個体においてがんを治療する方法である。幾つかの実施態様において、標的化治療薬はTKIである。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIはRTKIである。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。
加えて、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量及び標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において、標的化治療薬(例えば、TKI)に対するがん耐性の発生を遅延及び/又は予防する方法である。また、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量及び標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において、標的化治療薬(例えば、TKI)に対する感受性を増加させる方法である。幾つかの実施態様において、標的化治療薬はTKIである。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIはRTKIである。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。
更に、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量及び標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体において、標的化治療薬(例えば、TKI)感受性の期間を延長する方法である。また、本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)の有効量及び標的化治療薬(例えば、TKI)の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体において、標的化治療薬(例えば、TKI)に対する応答の持続時間を延長する方法である。幾つかの実施態様において、標的化治療薬はTKIである。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIはRTKIである。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。
何れかの方法の幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)は、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、又はポリヌクレオチド、例えば本明細書において記述されるものである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ジスルフィラム及び/又はその誘導体である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はジスルフィラムである。方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ゴシポール及び/又はALDH阻害誘導体又はその代謝産物である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はゴシポールである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である。
本明細書で使用される治療法に対する耐性を有するがんは、治療に対して、応答性でなく、及び/又は有意な応答(例えば、部分的応答及び/又は完全な応答)を生み出す能力が低下しているがんを含む。耐性は、治療法の過程で生じる獲得耐性であって良い。幾つかの実施態様において、獲得された薬剤耐性は、一過性及び/又は可逆的な薬剤耐性である。治療法に対する一過性及び/又は可逆的な薬剤耐性は、薬剤耐性が、治療法における中断後に、治療に対する感受性を取り戻すことができることを含む。幾つかの実施態様において、獲得耐性は、持続性耐性である。治療法に対する持続性耐性は、薬剤耐性を付与する遺伝子変化を含む。持続性耐性は、一般的な化学療法、シクロホスファミド、白金剤、及び/又はタキソールでの治療の結果として発生する可能性がある。
本明細書で使用される治療法に対する感受性を有するがんは、応答性であり、及び/又は有意な応答(例えば、部分的応答及び/又は完全な応答)を生み出すことが可能であるがんを含む。
治療法に対する耐性の獲得及び/又は感受性の維持を評価決定する方法は、当該分野で周知であり、実施例に記載されている。耐性の獲得の変化及び/又は薬剤耐性などの感受性の維持は、実施例及びSharmaらに記載されているように、薬剤耐性存続生物の増殖をアッセイすることによって評価することができる。耐性の獲得の変化及び/又は持続性耐性などの感受性の維持及び/又は抵抗者の増加は、実施例及びSharmaらに記載されているように、薬剤耐性増加存続生物の増殖をアッセイすることによって評価することができる。幾つかの実施態様において、耐性はIC50、EC50の変化、又は薬剤耐性存続生物及び/又は薬剤耐性増加存続生物における腫瘍増殖の減少によって示され得る。幾つかの実施態様において、変化はおよそ50%、100%、及び/又は200%の何れかよりも大きい。加えて、耐性の獲得の変化及び/又は感受性の維持は、例えば、治療に対する応答、応答の持続期間、及び/又は無増悪期間、例えば、部分的応答及び/又は完全な応答を評価することによってインビボで評価され得る。耐性の獲得の変化及び/又は感受性の維持は、個体の集団における、治療に対する応答、応答の持続期間、及び/又は無増悪期間の変化、例えば、部分的応答及び/又は完全な応答の数に基づいても良い。
何れかの方法の幾つかの実施態様において、がんは固形腫瘍がんである。幾つかの実施態様において、がんは胃がんである。幾つかの実施態様において、がんが肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCL))である。幾つかの実施態様において、がんは乳がんである。幾つかの実施態様において、がんは結腸直腸がん(例えば、結腸がん及び/又は直腸がん)である。幾つかの実施態様において、がんは基底細胞癌である。何れかの方法の幾つかの実施態様において、がんは腺癌である。本明細書に記載される併用療法の方法の何れかのがんは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を含む治療の方法を開始する場合、標的化治療薬単独を含む治療の方法に対して感受性であり得る(感受性の例は、限定されないが、応答性であり、及び/又は有意な応答(例えば、部分的応答及び/又は完全な応答)を生み出すことが可能であることを含む)。本明細書に記載される併用療法の方法の何れかのがんは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を含む治療の方法を開始する場合、標的化治療薬単独を含む治療の方法に対して耐性でない場合がある(耐性の例は、限定されないが、応答性でない、及び/又は有意な応答(例えば、部分的応答及び/又は完全な応答)を生み出す能力が低下した、及び/又は不可能であることを含む)。
何れかの方法の幾つかの実施態様において、上記実施態様の何れかによる個体は、ヒトであり得る。
何れかの方法の幾つかの実施態様において、上記のこうした併用療法は、併用投与(2つ以上の治療薬が、同一又は別々の製剤に含まれている)、及び、本発明のアンタゴニストの投与が、追加の治療薬及び/又はアジュバントの投与の前に、同時に、逐次に、同時に(concurrently)、及び/又はその後に起きうる分離投与を包含する。幾つかの実施態様において、併用療法は、放射線療法及び/又は付加的な治療剤を更に含む。
本明細書に記載されるALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)は、経口、非経口、肺内、及び鼻腔内、そして局所治療が所望される場合、病巣内投与を含んでなる任意の適切な手段によって投与されることができる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。投薬は、その投与が短期間か又は長期であるかどうかに部分的に依存し、任意の適切な経路、例えば、静脈内又は皮下注射などの注射により行うことができる。限定されないが、様々な時間点にわたる、単一又は複数回投与、ボーラス投与、パルス注入を含む様々な投与スケジュールが本明細書で考えられている。
本明細書に記載されるALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)は、良好な医療行為に一致した形で処方され、投与量が決められ、投与される。この観点において考慮すべき要因は、治療すべき特定の障害、治療すべき特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与日程及び医療従事者が知る他の要因を包含する。ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)は、必要ではないが任意で、問題となる障害の予防又は治療のために、現在使用中の一又は複数の薬剤ともに処方される。かかる他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の量、疾患又は治療のタイプ、及び上で検討した他の因子に依存する。これらは一般的には本明細書に記載されるのと同じ用量及び投与経路において、又は、本明細書に記載された用量の1%から99%で、又は経験的に/臨床的に妥当であると決定された任意の用量及び任意の経路により使用される。
疾患の予防又は治療のために、本明細書に記載されるALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の適切な用量は(単独で、又は一以上の他の付加的治療剤と組み合わせて使用される場合)、治療する疾患のタイプ、疾患の重症度及び過程、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)が予防を目的としてか治療を目的として投与されるのかどうか、以前の治療法、患者の病歴、及びALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)への反応、及び主治医の判断により決定されるであろう。ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)は、好適には一回で又は一連の治療で患者に投与される。数日間以上に渡る反復投与の場合には、状態に応じて、治療は疾患症状の望まれる抑制が起こるまで持続するであろう。このような用量は断続的に、例えば毎週又は3週毎に(例えば、患者が、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)の約2投与量から約20投与量、又は例えば約6投与量を受けるように)投与してよい。初期の高負荷投与量の後に一以上の低投与量が投与されても良い。典型的な投与計画は、投与することを含む。しかしながら他の投薬計画が有用であるかもしれない。この治療法の進行は従来の手法及びアッセイにより容易にモニタリングされる。
上記の製剤又は治療方法のいずれかが、ALDH阻害剤及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)としてイムノコンジュゲートを用いて行うことができることが理解される。
III.治療用組成物
本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を含む組合せである。一態様において、がんの治療のための同時又は順次使用のための、a)第一成分としてALDH阻害剤の有効量、及びb)第二成分として標的性薬剤(標的化治療薬)の有効量を含有する医薬製品が提供される。ある実施態様において、組み合わせは、単独で投与される標的化治療薬の有効性を増加させる。ある実施態様において、組み合わせは、標的化治療薬に対するがん耐性の発生を遅延及び/又は予防する。ある実施態様において、組み合わせは、がんを有する個体における標的化治療薬感受性の期間を延長する。
本明細書に提供されるのは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び標的化治療薬(例えば、TKI)を含む組合せである。一態様において、がんの治療のための同時又は順次使用のための、a)第一成分としてALDH阻害剤の有効量、及びb)第二成分として標的性薬剤(標的化治療薬)の有効量を含有する医薬製品が提供される。ある実施態様において、組み合わせは、単独で投与される標的化治療薬の有効性を増加させる。ある実施態様において、組み合わせは、標的化治療薬に対するがん耐性の発生を遅延及び/又は予防する。ある実施態様において、組み合わせは、がんを有する個体における標的化治療薬感受性の期間を延長する。
また本明細書において提供されるのは、本明細書に記載される併用療法において有用なALDH阻害剤及び/又は標的化治療薬である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤及び/又は標的化治療薬は、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、及び/又はポリヌクレオチドである。
本明細書に記載される何れかの併用療法の幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ALDH1A1、ALDH1A2、ALDH1A3、ALDH1B1、ALDH1L1、ALDH1L2、ALDH2、ALDH3A1、ALDH3A2、ALDH3B1、ALDH3B2、ALDH4A1、ALDH5A1、ALDH6A1、ALDH7A1、ALDH8A1、ALDH9A1、ALDH16A1、及び/又はALDH18A1の一以上を阻害する。幾つかの実施態様において、本発明に記載されるALDH阻害剤は、ALDHの幾つかのアイソザイムのうちの一以上の活性を阻害することができる化合物である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、パンALDH阻害剤である。ALDH阻害剤は、限定されないが、ジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール(ACP)、ダイジン(すなわち、4’,7−ジヒドロキシイソフラボンの7−グルコシド)、セファロスポリン、抗糖尿病性スルホニル尿素、メトロニダゾール、ジエチルジチオカルバメート、フェネチルイソチオシアネート(PEITC)、プルネチン(4’,5−ジヒドロキシ−7−メトキシイソフラボン)、5−ヒドロキシダイジン(ゲニスチン)、及びALDH阻害活性を示すそれらの代謝物又は類似体の何れかを含む。別の実施態様において、ALDH阻害剤は、ジスルフィラム又はそのALDH阻害性代謝産物である。そのような代謝産物は、例えば、S−メチルN,N−ジエチルジチオカルバメート、S−メチルN,N−ジエチルジチオカルバメートスルホキシド、及びS−メチルN,N−ジエチルチオカーバメートスルホキシドを含む。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はジスルフィラムである。方法の何れかの幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、ゴシポール及び/又はALDH阻害誘導体又はその代謝産物である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤はゴシポールである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤は2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である。
ALDH阻害剤はまた、次式の化合物を含む。
式中、
R1は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐又は非分岐(C1−C6)ハロアルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C3−C6)シクロハロアルコキシ、(C3−C6)シクロアルコキシアルキル、(C1−C6)アルコキシ(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)シクロアルキルカルボニル、置換型又は非置換型フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルからなる群から選択され、前記置換基は、1から4までであり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、(C1−C3)アルキルアミノ、ジ(C1−C3)アルキルアミノ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルキル、(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、ジ(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、(C1−C3)アルキルカルボニル、(C1−C3)アルコキシカルボニル、(C1−C3)アルキルアミノカルボニル、及びジ(C1−C3)アルキルアミノカルボニルからなる群から選択され;
R2は、水素及びアルコキシからなる群から選択され;
R3は、水素C1−C6アルコキシカルボニル、カルボキシ及び糖からなる群から選択され;
R4は、水素及びヒドロキシドからなる群から選択され;
R5は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分枝又は非分枝(C1−C6)アルキル、(C1−C6)ハロアルキル、(C2−C6)アルケニル、(C3−C6)アルカジエニル、(C1−C6)アルコキシ、(C3−C6)シクロアルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C3−C6)シクロハロアルコキシ、(C2−C6)アルキニルオキシ、(C1−C6)アルコキシ(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシアルキル、(C1−C6)アルコキシ(C3−C6)シクロアルキル、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C3−C6)シクロアルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、(C4−C6)アルコキシカルボニルアルキル、(C1−C6)ヒドロキシアルキル、置換型又は非置換型フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルからなる群から選択され、前記置換は、1から4までであり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、(C1−C3)アルキルアミノ、ジ(C1−C3)アルキルアミノ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルキル、(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、ジ(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、(C1−C3)アルキルカルボニル、(C1−C3)アルコキシカルボニル、(C1−C3)アルキルアミノカルボニル、及びジ(C1−C3)アルキルアミノカルボニルからなる群から選択され;
R6は、水素及びヒドロキシドからなる群から選択され;及び
R7は、水素、ハロゲン、及びC1−C6アルコキシからなる群から選択される。
式中、
R1は、水素、カルボキシ、ハロ、分岐又は非分岐(C1−C6)ハロアルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C3−C6)シクロハロアルコキシ、(C3−C6)シクロアルコキシアルキル、(C1−C6)アルコキシ(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)シクロアルキルカルボニル、置換型又は非置換型フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル、及びヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルからなる群から選択され、前記置換基は、1から4までであり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、(C1−C3)アルキルアミノ、ジ(C1−C3)アルキルアミノ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルキル、(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、ジ(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、(C1−C3)アルキルカルボニル、(C1−C3)アルコキシカルボニル、(C1−C3)アルキルアミノカルボニル、及びジ(C1−C3)アルキルアミノカルボニルからなる群から選択され;
R2は、水素及びアルコキシからなる群から選択され;
R3は、水素C1−C6アルコキシカルボニル、カルボキシ及び糖からなる群から選択され;
R4は、水素及びヒドロキシドからなる群から選択され;
R5は、水素、カルボキシ、ヒドロキシ、ハロ、分枝又は非分枝(C1−C6)アルキル、(C1−C6)ハロアルキル、(C2−C6)アルケニル、(C3−C6)アルカジエニル、(C1−C6)アルコキシ、(C3−C6)シクロアルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C3−C6)シクロハロアルコキシ、(C2−C6)アルキニルオキシ、(C1−C6)アルコキシ(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシアルキル、(C1−C6)アルコキシ(C3−C6)シクロアルキル、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C3−C6)シクロアルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、(C4−C6)アルコキシカルボニルアルキル、(C1−C6)ヒドロキシアルキル、置換型又は非置換型フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルからなる群から選択され、前記置換は、1から4までであり、ハロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、(C1−C3)アルキルアミノ、ジ(C1−C3)アルキルアミノ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルキル、(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、ジ(C1−C2)アルキルアミノ(C1−C2)アルキル、(C1−C3)アルキルカルボニル、(C1−C3)アルコキシカルボニル、(C1−C3)アルキルアミノカルボニル、及びジ(C1−C3)アルキルアミノカルボニルからなる群から選択され;
R6は、水素及びヒドロキシドからなる群から選択され;及び
R7は、水素、ハロゲン、及びC1−C6アルコキシからなる群から選択される。
ALDH阻害剤はまた、CAS登録番号:1069117−57−2、1069117−56−1、1069117−55−0、1055417−23−6、1055417−22−5、1055417−21−4、1055417−20−3、1055417−19−0、1055417−18−9、1055417−17−8、1055417−16−7、1055417−15−6及び1055417−13−4の化合物及びその塩を含む。
ALDH阻害剤はまた、4−アミノ−4−メチル−2−ペンチンチオ酸(S)−メチルエステル、及びその塩を含む。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はTKIである。幾つかの実施態様において、TKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、TKIはRTKIである。幾つかの実施態様において、RTKIは、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET/HGF阻害剤、及び/又はALK阻害剤である。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はEGFR阻害剤である。典型的なEGFR阻害剤(抗EGFR抗体)は、ニモツズマブ(YM Biosciences)として知られるヒト化モノクローナル抗体、完全ヒトABX−EGF(パニツムマブ、Abgenix Inc.)、並びに、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3及びE7.6.3として知られ、米国特許第6235883号に記載される完全ヒト抗体;MDX−447(Medarex Inc)などの抗体を含む。ペルツズマブ(2C4)は、HER2に直接結合するが、HER2−EGFR二量体化を妨害し、これにより、EGFRシグナル伝達を阻害するヒト化抗体である。EGFRに結合する抗体の他の例は、GA201(RG7160;Roche Glycart AG)、MAb579(ATCC CRL HB 8506)、MAb455(ATCC CRL HB8507)、MAb225(ATCC CRL 8508)、MAb528(ATCC CRL 8509)(米国特許第4943533号,Mendelsohn等を参照)及びその変異体、例えばキメラ化225(C225又はセツキシマブ;ERBITUX(登録商標))及び再形成ヒト225(H225)(国際公開第96/40210号、Imclone Systems Inc.を参照);IMC−11F8,完全ヒトEGFR標的抗体(Imclone);タイプII変異体EGFRに結合する抗体(米国特許第5212290号);米国特許第5891996号に記載されているようなEGFRに結合するヒト化及びキメラ化抗体;及びEGFRに結合するヒト抗体、例えばABX−EGF(国際公開第98/50433,Abgenixを参照);EMD55900(Stragliotto等 Eur. J. Cancer 32A:636-640 (1996));EMD7200(マツズマブ),EGFR結合についてEGF及びTGF−α双方と競合するEGFRに対するヒト化EGFR抗体;及びmAb806又はヒト化mAb806(Johns等, J. Biol. Chem. 279(29):30375-30384 (2004))を含む。抗EGFR抗体は細胞傷害剤とコンジュゲートされることができ、よってイムノコンジュゲートを生じる(例えば、欧州特許出願公開第659439A2号、Merck Patent GmbHを参照)。幾つかの実施態様において、抗EGFR抗体は、セツキシマブである。幾つかの実施態様において、抗EGFR抗体は、パニツムマブである。幾つかの実施態様において、抗EGFR抗体は、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及び/又はマツズマブである。
本方法において有用な抗EGFR抗体は、EGFRに十分な親和性と特異性で結合し、EGFR活性を減少又は阻害することができる任意の抗体が含まれている。選択された抗体は、EGFRに対する十分強い結合親和性を通常有し、例えば、抗体はヒトc−metにKd値が100nM−1pMの間で結合し得る。抗体の親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えばPCT出願公開番号第2005/012359号に記載されてビアコアアッセイなど);酵素結合免疫吸着検定法(ELISA);及び競合アッセイ(例えばRIA)により決定することができる。好ましくは、本発明の抗EGFR抗体はEGFR/EGFRリガンド活性が関与している疾患又は状態をターゲティング又は干渉する場合の治療薬として使用できる。また、抗体は、例えば治療としての有効性を評価するために、他の生物学的活性アッセイを施してもよい。このようなアッセイは、当技術分野で周知であり、標的抗原に依存し、抗体としての使用を意図している。幾つかの実施態様において、EGFRのアームは、細胞防御機構をEGFR発現細胞に対して集中させるために、T細胞受容体分子(例えば、CD2又はCD3)などの白血球上のトリガー分子、又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)などのIgGに対するFc受容体(FcγR)に結合するアームと組み合わされ得る。二重特異性抗体はまた、EGFRを発現する細胞に細胞傷害性薬物を局在化するために用いることができる。これらの抗体は、EGFR結合アーム及び細胞傷害性薬物(例えばサポリン、抗インターフェロンα、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキサート又は放射性同位体ハプテン)に特異的に結合するアームを保有する。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)2二重特異性抗体)として調製することができる。
典型的なEGFR阻害剤はまた、米国特許第5616582号、米国特許第5457105号、米国特許第5475001号、米国特許第5654307号、米国特許第5679683号、米国特許第6084095号、米国特許第6265410号、米国特許第6455534号、米国特許第6521620号、米国特許第6596726号、米国特許第6713484号、米国特許第5770599号、米国特許第6140332号、米国特許第5866572号、米国特許第6399602号、米国特許第6344459号、米国特許第6602863号、米国特許第6391874号、WO9814451号、WO9850038号、国際公開第9909016号、国際公開第9924037号、国際公開第9935146号、国際公開第0132651号、米国特許第6344455号、米国特許第5760041号、米国特許第6002008号、及び/又は米国特許第5747498に記載される化合物などの小分子を含む。特定の小分子EGFRアンタゴニストは、OSI−774(CP−358774、エルロチニブ、OSI Pharmaceuticals);PD 183805(CI 1033、2−プロペンアミド、N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]−6−キナゾリニル]−、ジヒドロクロリド、Pfizer Inc.);イレッサ(登録商標)(ZD1839、ゲフィチニブ、AstraZeneca);ZM 105180((6−アミノ−4−(3−メチルフェニル−アミノ)−キナゾリン、Zeneca);BIBX−1382(N8−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリミド[5,4−d]ピリミジン−2,8−ジアミン、Boehringer Ingelheim);PKI−166((R)−4−[4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−フェノール);(R)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン);CL−387785(N−[4−[(3−ブロモフェニル)アミノ]−6−キナゾリニル]−2−ブチナミド);EKB−569(N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド);ラパチニブ(Tykerb,GlaxoSmithKline);ZD6474(Zactima,AstraZeneca);CUDC−101(Curis);カネルチニブ(CI−1033);AEE788(6−[4−[(4−エチル−1−ピペラジニル)メチル]フェニル]−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、国際公開第2003013541号、Novartis)及びPKI166 4−[4−[[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−フェノール、国際公開第9702266号 ノバルティス)を含む。幾つかの実施態様において、EGFRアンタゴニストは、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン及び/又はその医薬上許容可能な塩(例えば、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン−HCl)である。幾つかの実施態様において、EGFRアンタゴニストは、ゲフィチニブ及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、EGFRアンタゴニストは、ラパチニブ及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施態様において、EGFRアンタゴニストは、ゲフィチニブ及び/又はエルロチニブである。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はHGF/MET阻害剤である。例示的なHGF/MET阻害剤(抗HGF及び/又は抗MET抗体)は、国際公開第05/016382号に開示される抗MET抗体などの抗体(限定されないが、抗体13.3.2、9.1.2、8.70.2、8.90.3を含む);ジェノアのCBAでICLC番号PD03001で預けられたハイブリドーマ細胞株により生成される抗met抗体、又はHGF受容体のβ鎖の細胞外ドメイン上のエピトープ(該エピトープはモノクローナル抗体により認識されるものと同じである)を認識する抗met抗体;国際公開第2007/126799号に開示される抗met抗体(限定されないが、04536、05087、05088、05091、05092、04687、05097、05098、05100、05101、04541、05093、05094、04537、05102、05105、04696、04682を含む);国際公開第2009/007427号に開示される抗met抗体(限定されないが、CNCM、フランス、パリ、パスツール研究所に、2007年3月14日に番号I−3731、2007年3月14日に番号I−3732、2007年7月6日に番号I−3786、2007年3月14日に番号I−3724のもとに預けられた抗体);20110129481に開示された抗met抗体;米国特許出願公開第20110104176号に開示された抗met抗体;国際公開第2009/134776号に開示された抗met抗体;国際公開第2010/059654号に開示された抗met抗体;国際公開第2011/020925号に開示された抗met抗体(限定されないが、CNCM、フランス、パリ、パスツール研究所に、2008年3月12日に番号I−3489、2010年1月14日に番号I−4273のもとに預けられた抗体);及び/又はMetMAb(オナルツズマブ)又はそのバイオシミラーバージョン(国際公開第2006/015371号;Jin et al, Cancer Res (2008) 68:4360)を含む。幾つかの実施態様において、MET/HGF阻害剤はオナルツズマブである。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、MET/HGF阻害剤は、抗肝細胞増殖因子(HGF)抗体、例えば、ヒト化抗HGF抗体TAK701、リロツムマブ、フィクラツズマブ、及び/又は、国際公開第2007/143090号に記載されるヒト化抗体2B8である。幾つかの実施態様において、抗HGF抗体は、米国特許第7718174号(B2)に記載される抗HGF抗体である。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、MET/HGF阻害剤は、GDC−0712、SGX−523、クリゾチニブ(PF−02341066;3−[(1R)−1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル)エトキシ]−5−(1−ピペリジン−4−イルピラゾール−4−イル)ピリジン−2−アミン;CAS番号877399−52−5);JNJ−38877605(CAS番号943540−75−8)、BMS−698769、PHA−665752(Pfizer)、SU5416、INC−280(Incyte;SU11274(Sugen;[(3Z)−N−(3−クロロフェニル)−3−({3,5−ジメチル−4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−イル}メチレン)−N−メチル−2−オキソインドリン−5−スルホンアミド;CAS番号658084−23−2])、フォレチニブ(GSK1363089)、XL880(CAS番号849217−64−7;XL880はMET/HGF及びVEGFR2及びKDRの阻害剤である);MGCD−265(MethylGene;MGCD−265はmet、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、Ron及びTie−2受容体を標的化する;CAS番号875337−44−3)、チバンチニブ(ARQ197;(−)−(3R,4R)−3−(5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−1−イル)−4−(1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;Munchiら、Mol Cancer Ther June 2010 9;1544頁を参照されたい;CAS番号905854−02−6)、LY−2801653(Lilly)、LY2875358(Lilly)、MP−470、リロツムマブ(AMG102、抗HGFモノクローナル抗体)、抗体223C4又はヒト化抗体223C4(WO2009/007427)、ヒト化L2G7(ヒト化TAK701;ヒト化抗HGFモノクローナル抗体);EMD1214063(Merck Sorono)、EMD1204831(Merck Serono)、NK4、カボザンチニブ(XL−184、CAS番号849217−68−1;カボザンチニブはMET/HGF及びVEGFR2の二重阻害剤である)、MP−470(SuperGen;c−KIT、MET、PDGFR、Flt3、及びAXLの新規阻害剤である)、Comp−1、フィクラツズマブ(AV−299;抗HGFモノクローナル抗体)、E7050(Cas番号1196681−49−8;E7050はMET/HGF及びVEGFR2の二重阻害剤である(Esai);MK−2461(Merck;N−((2R)−1,4−ジオキサン−2−イルメチル)−N−メチル−N’−[3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−オキソ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル]スルファミド;CAS番号917879−39−1);MK8066(Merck)、PF4217903(Pfizer)、AMG208(Amgen)、SGX−126、RP1040、LY2801653、AMG458、EMD637830、BAY−853474、DP−3590のいずれか1つである。特定の実施形態においては、阻害剤は、クリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、フォレチニブ、h224G11、DN−30、GDC−0712、MK−2461、E7050、MK−8033、PF−4217903、AMG208、JNJ−38877605、EMD1204831、INC−280、LY−2801653、SGX−126、RP1040、LY2801653、BAY−853474、及び/又はLA480のいずれか1つ又は複数である。特定の実施形態においては、阻害剤は、クリゾチニブ、チバンチニブ、カボザンチニブ、MGCD−265、フィクラツズマブ、ヒト化TAK−701、リロツムマブ、及び/又はフォレチニブのいずれか1つ又は複数である。いくつかの実施形態においては、阻害剤は、クリゾチニブである。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はBRAF阻害剤である。例示的なBRAF阻害剤は、当業界で周知であり、例えば、ソラフェニブ、PLX4720、PLX−3603、ダブラフェニブ(GSK2118436)、GDC−0879、RAF265(Novartis)、XL281、ARQ736、BAY73−4506、ベムラフェニブ、及び国際公開第2007/002325号、国際公開第2007/002433号、国際公開第2009111278号、国際公開第2009111279号、国際公開第2009111277号、国際公開第2009111280号及び米国特許第7491829号に記載されるものが挙げられる。幾つかの実施態様において、BRAF阻害剤は、BRAF阻害剤である。幾つかの実施態様において、BRAF阻害剤は、BRAF V600の選択的阻害剤である。幾つかの実施態様において、BRAF V600は、BRAF V600E、BRAF V600K、及び/又はV600Dである。幾つかの実施態様において、BRAF V600は、BRAF V600Rである。幾つかの実施態様において、BRAF阻害剤はベムラフェニブである。幾つかの実施態様において、BRAF阻害剤はベムラフェニブである。
ベムラフェニブ(RG7204、PLX−4032、CAS登録番号1029872−55−5)は、種々のがん細胞株、例えばメラノーマ細胞株においてプログラムされた細胞死を引き起こすことが示されている。ベムラフェニブは−BRAFが、共通のV600E変異を有する場合、BRAF/MEK/ERK経路上のBRAF/MEKのステップを中断する。FDAにより承認されたように、ベムラフェニブは、患者において、例えばそのがんがBRAF V600E変異を有する(つまり、BRAFタンパク質上のアミノ酸位置番号600で、通常のバリンがグルタミン酸に置換されている)メラノーマ患者において作用する。メラノーマの約60%がBRAF V600E変異を持っている。V600E変異は、リンパ腫、大腸がん、メラノーマ、甲状腺がん及び肺がんを含む他の種々のがんに存在する。ベムラフェニブは下記の構造を有する。
ZELBORAF(登録商標)(ベムラフェニブ)(Genentech,Inc.)は、米国で承認された薬物製品であり、FDAの承認を受けた試験により検出されるようなBRAF V600E変異を有する切除不能又は転移性メラノーマを有する患者の治療に適応される。ZELBORAF(登録商標)(ベムラフェニブ)は、BRAF V600E変異を欠くメラノーマ患者(野生型BRAFメラノーマ)における使用のためには推奨されない。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はALK阻害剤である。幾つかの実施態様において、ALK阻害剤はクリゾチニブである。クリゾチニブ(PF−02341066又は1066としても知られる)は、Pfizer社により開発されようとしているアミノピリジンの化学系列のMet及びALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害剤である(例えば、Zou et al., Cancer Research 67: 4408-4417, 2007及び捕捉データを参照)。他の例示的なALK阻害剤は、例えば、TAE−684(Novartisから; Galkin, et al., Proc. National Acad. Sci. 104(1) 270-275, 2007を参照)、AP26113(Ariad Pharmaceuticals,Inc.),及びCEP−14083、CEP−14513,及びCEP−11988(Cephalon;Wan et al., Blood 107: 1617-1623, 2006を参照);並びにWHI−P131及びWHI−P154(EMD Biosciences)、5−クロロ−N 4−[2−(イソプロピルスルホニル)フェニル]−N2−{2−メトキシ−4−[4−(4−−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン及び2−[(5−ブロモ−2−{[2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}ピリミジ−n−4−イル)アミノ]−N−メチルベンゼンスルホンアミド(Mosse et al., Clin Cancer Res. 2009 Sep. 15; 15(18):5609-14, 2009; J. of Med. Chem. 49: 1006-1015, 2006; Cancer Research, (US), 2004, 64: 8919-8923, 2004; Proc. Natl. Acad. Sci. 101:13306-13311, 2004; Annual Review of Medicine, (US) 54: 73, 2003; Science 278: 1309-1312, 1997; Oncogene 14 (4): 439-449, 1997; Oncogene 9: 1567-1574, 1994; Am J Pathol 160: 1487-1494, 2002; Am J Pathol 157: 377-384, 2000; Blood90: 2901-2910, 1997; Am J. Pathol. 156 (3): 781-9, 2000; J Comb Chem. 8: 401-409, 2006 並びに米国特許出願公開第20100152182号;第20100099658号;第20100048576号;第20090286778号;第20090221555号;第20090186801号;第20090118216号;第20090099193号;第20080176881号;第20080090776号;第2008/0300273号;国際公開第2005/097765号;国際公開第2005/009389号;国際公開第2005/016894号;国際公開第2004/080980号;及び国際公開第2004079326号を参照)を含む。
本明細書に記載される併用療法の何れかの幾つかの実施態様において、標的化治療薬はMEK阻害剤である。幾つかの実施態様において、MEK阻害剤は、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、及び/又はMEK1/2阻害剤である。例示的なMEK阻害剤は、限定されないが、トラメチニブ(GSK 1120212)、MEK162、セルメチニブ(AZD 6244、ARRY−142886)、pimasertib(MSC1936369B、AS−703026、AS703026)、GDC−0973、GDC−0623、PD−325901、GDC−0973、CI−1040、PD035901が挙げられる。幾つかの実施態様において、Mek阻害剤は、セルメチニブ、pimasertib、GDC−0973、GDC−0623、又はトラメチニブである。ある実施態様において、Mek阻害剤はGDC−0973である。
GDC−0973(XL518)はまた、ヒトの腫瘍でしばしば活性化されるRAS/ RAF/MEK/ERK経路の重要なコンポーネントであるマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ(MAPKK)としても知られるMEKの選択的阻害剤である。MEK/ERK経路の不適切な活性化は、外因性成長因子の非存在下において細胞増殖を促進する。固形腫瘍においてGDC−0973を評価する臨床試験が進行中である。GDC−0973は、国際特許出願公開番号WO2007044515(A1)に記載されているように調製することができる。C−0973は、(S)−(3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フェニル)(3−ヒドロキシ−3−(ピペリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル)メタノンなる名称と下記の構造を有する。
トラメチニブ(GSK 1120212、CAS登録番号871700−17−3)は、N−(3−{3−シクロプロピル−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6,8−ジメチル−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−1(2H)−イル}フェニル)アセトアミドなる名称と下記の構造を有する。
TKI及び/又はRTKIの何れかの幾つかの実施態様において、阻害剤は、目的のポリペプチドに対する特異的阻害剤、例えば、EGFR、HER2、MET/HGF、ALK、BRAF、ROS1、及び/又はMEKに対する特異的な阻害剤であり得る。TKI及び/又はRTKIの何れかの幾つかの実施態様において、阻害剤は、TKI及び/又はRTKIが目的の一以上のポリペプチドを阻害する二重阻害剤又はパン阻害剤、例えば、EGFR、HER2、MET/HGF、ALK、BRAF、ROS1、及び/又はMEKと一以上の標的ポリペプチドに対する特異的な阻害剤であり得る。
A.抗体
本明細書中に提供されるのは、本明細書に記載する方法で使用するための、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)など、目的のポリペプチドに結合する単離された抗体である。上記実施態様の何れかにおいて、抗体はヒト化されている。更に、上記実施態様の何れかに記載の抗体は、キメラ、ヒト化又はヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様において、抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。別の実施態様において、抗体は、全長抗体、例えば、本明細書において定義される「インタクトなIgG1」抗体又は他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。
本明細書中に提供されるのは、本明細書に記載する方法で使用するための、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)など、目的のポリペプチドに結合する単離された抗体である。上記実施態様の何れかにおいて、抗体はヒト化されている。更に、上記実施態様の何れかに記載の抗体は、キメラ、ヒト化又はヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様において、抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。別の実施態様において、抗体は、全長抗体、例えば、本明細書において定義される「インタクトなIgG1」抗体又は他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。
更なる態様にて、以下のセクションで説明されるように、上記実施態様のいずれかに記載の抗体は、単独又は組み合わせで、任意の特徴を組み込むことができる:
1.抗体親和性
幾つかの実施態様において、本明細書において提供される抗体は、解離定数(Kd)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)を有する。一実施態様において、Kdは放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。一実施態様において、RIAは、目的の抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて実施される。例えば、非標識抗原の滴定系列の存在下で、最小濃度の(125I)−標識抗原にてFabを均衡化して、抗Fab抗体コートプレートと結合した抗原を捕獲することによって抗原に対するFabの溶液結合親和性を測定する(例えば、Chen, et al., J. Mol. Biol. 293:865-881(1999)を参照)。アッセイの条件を決めるために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(Cappel Labs)を含む50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)にて一晩コートして、その後2%(w/v)のウシ血清アルブミンを含むPBSにて室温(およそ23℃)で2〜5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc #269620)において、100pM又は26pMの[125I]抗原を、段階希釈した目的のFabと混合する(例えば、Presta等, (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599の抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一致する)。ついで目的のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーションは平衡状態に達したことを確認するまでに長時間(例えばおよそ65時間)かかるかもしれない。その後、混合物を捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。そして、溶液を取り除き、プレートを0.1%のポリソルベート20(Tween20(登録商標))を含むPBSにて8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質(MICROSCINT−20 TM;Packard)を加え、プレートをTOPCOUNTTMγ計測器(Packard)にて10分間計測する。最大結合の20%以下を与える各Fabの濃度が、競合的結合アッセイで使用するために選択される。
幾つかの実施態様において、本明細書において提供される抗体は、解離定数(Kd)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)を有する。一実施態様において、Kdは放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。一実施態様において、RIAは、目的の抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて実施される。例えば、非標識抗原の滴定系列の存在下で、最小濃度の(125I)−標識抗原にてFabを均衡化して、抗Fab抗体コートプレートと結合した抗原を捕獲することによって抗原に対するFabの溶液結合親和性を測定する(例えば、Chen, et al., J. Mol. Biol. 293:865-881(1999)を参照)。アッセイの条件を決めるために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(Cappel Labs)を含む50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)にて一晩コートして、その後2%(w/v)のウシ血清アルブミンを含むPBSにて室温(およそ23℃)で2〜5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc #269620)において、100pM又は26pMの[125I]抗原を、段階希釈した目的のFabと混合する(例えば、Presta等, (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599の抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一致する)。ついで目的のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーションは平衡状態に達したことを確認するまでに長時間(例えばおよそ65時間)かかるかもしれない。その後、混合物を捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。そして、溶液を取り除き、プレートを0.1%のポリソルベート20(Tween20(登録商標))を含むPBSにて8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質(MICROSCINT−20 TM;Packard)を加え、プレートをTOPCOUNTTMγ計測器(Packard)にて10分間計測する。最大結合の20%以下を与える各Fabの濃度が、競合的結合アッセイで使用するために選択される。
別の実施態様によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを用いて測定される。例えば、BIACORE(登録商標)−2000又はBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いるアッセイが、〜10反応単位(RU)で固定した抗原CM5チップを用いて25℃で実施される。一実施態様において、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5,BIAcore Inc.)を、提供者の指示書に従ってN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシニミド(NHS)で活性化した。抗原を10mM酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(〜0.2μM)に希釈し、結合したタンパク質の反応単位(RU)がおよそ10になるように5μl/分の流速で注入する。抗原の注入後、反応しない群をブロックするために1Mのエタノールアミンを注入した。速度論の測定のために、Fabの2倍の段階希釈(0.78nMから500nM)を、25℃で、およそ25μl/分の流速で、0.05%ポリソルベート20(TWEEN20TM)界面活性剤(PBST)を含むPBSに注入した。会合及び解離のセンサーグラムを同時にフィットさせることによる単純一対一ラングミュア結合モデル(simple one−to−one Langmuir binding model)(BIACORE(登録商標)Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を用いて、会合速度(kon)と解離速度(koff)を算出した。平衡解離定数(Kd)をkoff/kon比として算出した。例えば、 Chen et al., J. Mol. Biol. 293:865-881 (1999)を参照。上記の表面プラスモン共鳴アッセイによる結合速度が106M−1s−1を上回る場合、分光計、例えば、流動停止を備えた分光光度計(stop−flow equipped spectrophometer)(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM−AMINCOTM分光光度計(ThermoSpectronic)で測定される、漸増濃度の抗原の存在下にて、PBS(pH7.2)中、25℃の、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光放出強度(励起=295nm;放出=340nm、帯域通過=16nm)の増加又は減少を測定する蛍光消光技術を用いて結合速度を測定することができる。
2.抗体断片
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は抗体断片である。抗体断片は、限定されないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、及び下記の他の断片を含む。所定の抗体断片の総説については、Hudson et al. Nat. Med. 9:129-134 (2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthun, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., (Springer-Verlag, New York), pp. 269-315 (1994)を参照;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び第5587458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつインビボ半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は抗体断片である。抗体断片は、限定されないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、及び下記の他の断片を含む。所定の抗体断片の総説については、Hudson et al. Nat. Med. 9:129-134 (2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthun, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., (Springer-Verlag, New York), pp. 269-315 (1994)を参照;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び第5587458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつインビボ半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。
ダイアボディは2価又は二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404097号;国際公開第1993/01161号;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003); 及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)を参照。トリアボディ及びテトラボディもまた Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の、重鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片、又は軽鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片である。所定の実施態様において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6248516号(B1)を参照)。
抗体断片は様々な技術で作成することができ、限定されないが、本明細書に記載するように、インタクトな抗体の分解、並びに組換え宿主細胞(例えば、大腸菌やファージ)による生産を含む。
3.キメラ及びヒト化抗体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。所定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号;及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984))に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。更なる例において、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。所定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号;及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984))に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。更なる例において、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
ある実施態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性と親和性を保持したまま、ヒト化されている。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(又はその一部)が、非ヒト抗体から由来し、FR(又はその一部)がヒト抗体配列に由来する、一以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意で、ヒト定常領域の少なくとも一部をも含む。幾つかの実施態様において、ヒト化抗体の幾つかのFR残基は、抗体特異性又は親和性を回復もしくは改善するめに、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換されている。
ヒト化抗体及びそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に総説され、更に、 Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988); Queen et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989);米国特許第5821337号、第7527791号、第6982321号及び第7087409号;Kashmiri et al., Methods 36:25-34 (2005)(特異性決定領域(SDR)グラフティングを記述);Padlan, Mol. Immunol. 28:489-498 (1991) (「リサーフェシング」を記述); Dall'Acqua et al., Methods 36:43-60 (2005) (「FRシャッフリング」を記述);及びOsbourn et al., Methods 36:61-68 (2005) 及びKlimka et al., Br. J. Cancer, 83:252-260 (2000) (FRのシャッフリングへの「誘導選択」アプローチを記述)に記載されている。
ヒト化に用いられ得るヒトフレームワーク領域は、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al. J. Immunol. 151:2296 (1993));軽鎖又は重鎖の可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);及びPresta et al. J. Immunol., 151:2623 (1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域又はヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照);及びFRライブラリスクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al., J. Biol. Chem. 272:10678-10684 (1997)及び Rosok et al., J. Biol. Chem. 271:22611-22618 (1996)を参照)を含む。
4.ヒト抗体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で周知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的にvan Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001) 及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で周知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的にvan Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001) 及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を持つインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、又は染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全て又は一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、 Lonberg, Nat. Biotech. 23:1117-1125 (2005)を参照。また、例えば、XENOMOUSETM技術を記載している、米国特許第6075181号及び6150584号;HuMab(登録商標)技術を記載している米国特許第5770429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7041870号及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号)を参照。このような動物で生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、更に改変される可能性がある。
ヒト抗体は、ハイブリドーマベース法によって作成することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133: 3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);及びBoerner et al., J. Immunol., 147: 86 (1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体はまた、Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)に記載されている。更なる方法は、例えば、米国特許第7189826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載している)及びNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268 (2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマを記載している)に記載されたものを含む。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers and Brandlein, Hist. & Histopath., 20(3):927-937 (2005)及びVollmers and Brandlein, Methods Find Exp. Clin. Pharmacol., 27(3):185-91 (2005)に記載される。
ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成され得る。このような可変ドメイン配列は、次に所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に説明する。
5.ライブラリー由来の抗体
抗体は、所望の活性又は活性(複数)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、様々な方法が、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてのライブラリーをスクリーニングするために、当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al. Methods Mol. Biol. 178:1-37 (O'Brien et al., ed., Human Press, Totowa, NJ, 2001) and further described, e.g., in the McCafferty et al., Nature 348:552-554; Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992); Marks and Bradbury, Methods Mol. Biol. 248:161-175 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ, 2003); Sidhu et al., J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004); Lee et al., J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004); Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34): 12467-12472 (2004);及びLee et al., J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132(2004)に記載されている。
抗体は、所望の活性又は活性(複数)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、様々な方法が、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてのライブラリーをスクリーニングするために、当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al. Methods Mol. Biol. 178:1-37 (O'Brien et al., ed., Human Press, Totowa, NJ, 2001) and further described, e.g., in the McCafferty et al., Nature 348:552-554; Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992); Marks and Bradbury, Methods Mol. Biol. 248:161-175 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ, 2003); Sidhu et al., J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004); Lee et al., J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004); Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34): 12467-12472 (2004);及びLee et al., J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132(2004)に記載されている。
所定のファージディスプレイ法において、VH及びVL遺伝子のレパートリーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により個別にクローニングされ、ファージライブラリーにランダムに再結合され、その後、Winter et al., Ann. Rev. Immunol., 12: 433-455 (1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、通常、抗体断片を、単鎖Fv(scFv)断片、又はFab断片の何れかとして提示する。免疫された起源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要性を伴うことなく免疫原に高親和性抗体を提供する。代わりに、Griffiths et al., EMBO J, 12: 725-734 (1993)に記載されるように、ナイーブなレパートリーが、任意の免疫感作無しで、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対して、抗体の単一起源を提供するために、(例えば、ヒトから)クローン化することができる。最後に、ナイーブなライブラリはまた、Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227: 381-388 (1992)に記載されるように、非常に可変なCDR3領域をコードし、インビトロで再構成を達成するために、幹細胞由来の非再配列V遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用することにより合成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーを記述する特許公報は、例えば、米国特許第5,750,373号、及び米国特許出願公開第2005/0079574号、第2005/0119455号、第2005/0266000号、第2007/0117126号、第2007/0160598号、第2007/0237764号、第2007/0292936号及び第2009/0002360を含む。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書でヒト抗体又はヒト抗体の断片とみなされる。
6.多重特異性抗体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある実施態様において、結合特異性の一つは、例えば、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)のような、目的のポリペプチドであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。ある実施態様において、二重特異性抗体は、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体はまた、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)のような目的のポリペプチドを発現する細胞に細胞傷害性薬物を局在化するために使用することができる。二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある実施態様において、結合特異性の一つは、例えば、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)のような、目的のポリペプチドであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。ある実施態様において、二重特異性抗体は、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体はまた、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)のような目的のポリペプチドを発現する細胞に細胞傷害性薬物を局在化するために使用することができる。二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技術は、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello, Nature 305: 537 (1983))、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al., EMBO J. 10: 3655 (1991)を参照)及び「ノブインホール(knob−in−hole)」エンジニアリング(例えば、米国特許第 5731168号を参照)を含む。多重特異抗体はまた、抗体のFc−ヘテロ2量体分子を作成するための静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004号(A1));2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4676980号、及びBrennan et al., Science, 229: 81 (1985)を参照);2重特異性抗体を生成するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al., J. Immunol., 148(5):1547-1553 (1992)を参照);二重特異性抗体フラグメントを作製するため、「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)を参照);単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber et al., J. Immunol., 152:5368 (1994)を参照);及び、例えばTutt et al. J. Immunol. 147: 60 (1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作成することができる。
「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を持つ改変抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576号(A1)を参照)。
本明細書中の抗体又は断片はまた、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)並びにその他の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む、「2重作用(Dual Acting)FAb」又は「DAF」を含む(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号参照)。
7.抗体変異体
a)グリコシル化変異体
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加又は減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、一以上のグリコシル化部位が作成又は削除されるようにアミノ酸配列を変えることによって簡便に達成することができる。
a)グリコシル化変異体
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加又は減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、一以上のグリコシル化部位が作成又は削除されるようにアミノ酸配列を変えることによって簡便に達成することができる。
抗体がFc領域を含む場合には、それに付着する糖を変えることができる。哺乳動物細胞によって生成された天然型抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297にN−結合により一般的に付着した分岐鎖、二分岐オリゴ糖を含んでいる。例えばWright et al. TIBTECH 15:26-32 (1997)を参照。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、二分岐オリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合した、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、シアル酸、並びにフコースを含み得る。幾つかの実施態様において、本発明の抗体におけるオリゴ糖の改変は、一定の改善された特性を有する抗体変異体を作成するために行われ得る。
一実施態様において、抗体変異体は、Fc領域に(直接又は間接的に)付着されたフコースを欠いた糖鎖構造を有して提供される。例えば、このような抗体のフコース量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%、又は20%から40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI−TOF質量分析法によって測定されるAsn297に付着しているすべての糖構造の合計(例えば、コンプレックス、ハイブリッド及び高マンノース構造)に対して、Asn297の糖鎖中のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域(Fc領域残基のEU番号付け)でおよそ297の位置に位置するアスパラギン残基を指し、しかし、Asn297もまた位置297の上流又は下流のおよそ±3アミノ酸に、すなわち抗体の軽微な配列変異に起因して、位置294と300の間に配置され得る。このようなフコシル化変異体はADCC機能を改善させた可能性がある。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta, L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(協和発酵工業株式会社)を参照。「フコース非修飾」又は「フコース欠損」抗体変異体に関連する出版物の例としては、米国特許出願公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;国際公開第2001/29246号;米国特許出願公開第2003/0115614号;米国特許出願公開第2002/0164328号;米国特許出願公開第2004/0093621号;米国特許出願公開第2004/0132140号;米国特許出願公開第2004/0110704号;米国特許出願公開第2004/0110282号;米国特許出願公開第2004/0109865号;国際公開第2003/085119号;国際公開第2003/084570号;国際公開第2005/035586号;国際公開第2005/035778号;国際公開第2005/053742号;国際公開第2002/031140号;Okazaki et al. J. Mol. Biol. 336:1239-1249 (2004); Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004)が含まれる。フコース非修飾抗体を産生する能力を有する細胞株の例としては、タンパク質フコシル化を欠損しているLec13 CHO細胞(Ripka et al. Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国特許出願公開第2003/0157108号(A1)、Presta,L;及び国際公開第2004/056312号(A1)、Adamsら、特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、アルファ−1、6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004); Kanda, Y. et al., Biotechnol. Bioeng., 94(4):680-688 (2006);及び国際公開第2003/085107号を参照)を含む。
抗体変異体は、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている二分オリゴ糖を更に備えている。このような抗体変異体はフコシル化を減少させ、及び/又はADCC機能を改善している可能性がある。そのような抗体変異体の例は、例えば、国際公開第2003/011878号(Jean−Mairettら);米国特許第6602684号(Umanaら);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体変異体も提供される。このような抗体変異体はCDC機能を改善させた可能性がある。このような抗体変異体は、例えば、国際公開第1997/30087号(Patelら);国際公開第1998/58964号(Raju,S.);及び国際公開第1999/22764号(Raju,S.)に記載されている。
b)Fc領域変異体
ある実施態様において、1つ又は複数のアミノ酸改変を、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入することができ、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域の変異体は、1つ又は複数のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域の配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含んでもよい。
ある実施態様において、1つ又は複数のアミノ酸改変を、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入することができ、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域の変異体は、1つ又は複数のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域の配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含んでもよい。
ある実施態様において、本発明は、インビボにおける抗体の半減期が重要であるが、ある種のエフェクター機能(例えば補体及びADCCなど)が不要又は有害である用途のための望ましい候補とならしめる、全てではないが一部のエフェクター機能を有する抗体変異体を意図している。インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、おそらくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。ADCCを媒介する初代細胞、NK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5500362号(例えば、Hellstrom, I. et al. Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 83:7059-7063 (1986)を参照)及びHellstrom, I et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 82:1499-1502 (1985);第5821337号(例えば、Bruggemann, M. et al., J. Exp. Med. 166:1351-1361 (1987)を参照)に説明される。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用のACTITM非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA;及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega,Madison,WI)。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は更に、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al., PNAS (USA) 95:652-656 (1998)に開示されるように、インビボで、例えば動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイはまた、抗体が体C1qを結合することができないこと、したがって、CDC活性を欠いていることを確認するために行うことができる。例えば、国際公開第2006/029879号及び国際公開第2005/100402号のC1q及びC3c結合ELISAを参照。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods202:163 (1996); Cragg, M.S. et al., Blood101:1045-1052 (2003);及びCragg, M.S. and M.J. Glennie, Blood 103:2738-2743 (2004)を参照)。FcRn結合、及びインビボでのクリアランス/半減期の測定はまた、当該分野で周知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova, S.B. et al., Int'l. Immunol. 18(12):1759-1769 (2006)を参照)。
エフェクター機能が減少した抗体は、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327、329の一つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6737056号)。そのようなFc変異体は、残基265及び297のアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2以上での置換を有するFc変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
FcRへの改善又は減少させた結合を持つ特定の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号、及びShields et al., J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照)。所定の実施態様において、抗体変異体はADCCを改善する一又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/又は334における置換(EUの残基番号付け)を含む。幾つかの実施態様において、改変された(すなわち改善されたか減少した)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)を生じる、Fc領域における改変がなされ、例えば、米国特許第6194551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al. J. Immunol. 164: 4178-4184 (2000)に説明される。
増加した半減期を持ち、胎仔への母性IgGの移送を担う、新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体(Guyer et al., J. Immunol. 117:587 (1976) 及びKim et al., J. Immunol. 24:249 (1994))が、米国特許出願公開第2005/0014934号(A1)(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する一以上の置換を有するFc領域を含む。このようなFc変異体は、Fc領域の残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424又は434の一以上の置換、例えば、Fc領域の残基434の置換を有するものが含まれる(米国特許第7371826号)。Fc領域の変異体の他の例に関しては、Duncan & Winter, Nature 322:738-40 (1988);米国特許第5648260号;米国特許第5624821号;及び国際公開第94/29351号も参照のこと。
c)システイン操作抗体変異体
ある実施態様において、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン操作抗体、例えば、「thioMAb(複数)」を作成することが望まれ得る。特定の実施態様において、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位で存在する。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中で更に記載されるように、イムノコンジュゲーを作成するために、例えば薬物部分又はリンカー−薬剤部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートするために使用することができる。ある実施態様において、一以上の以下の残基がシステインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabatの番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン改変抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
ある実施態様において、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン操作抗体、例えば、「thioMAb(複数)」を作成することが望まれ得る。特定の実施態様において、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位で存在する。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中で更に記載されるように、イムノコンジュゲーを作成するために、例えば薬物部分又はリンカー−薬剤部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートするために使用することができる。ある実施態様において、一以上の以下の残基がシステインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabatの番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン改変抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
B.イムノコンジュゲート
更に本明細書において提供されるのは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに結合する抗体を含むイムノコンジュゲート、又は、化学療法剤又は薬物、増殖阻害薬、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素、又はその断片)などの一以上の細胞傷害性薬物、又は本明細書に記載される方法において使用のための放射性同位体にコンジュゲートし、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに結合する抗体を含むイムノコンジュゲートである。
更に本明細書において提供されるのは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに結合する抗体を含むイムノコンジュゲート、又は、化学療法剤又は薬物、増殖阻害薬、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素、又はその断片)などの一以上の細胞傷害性薬物、又は本明細書に記載される方法において使用のための放射性同位体にコンジュゲートし、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに結合する抗体を含むイムノコンジュゲートである。
一実施態様において、イムノコンジュゲートは、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)であって、そこでは抗体は、限定されないが、メイタンシノイド(米国特許第5208020号、第5416064号及び欧州特許EP0 425235(B1)を参照);モノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5635483号及び5780588号及び7498298号を参照)などのアウリスタチン;ドラスタチン、カリケアマイシン又はその誘導体(米国特許第5712374号、5714586号、5739116号、5767285号、5770701号、5770710号、5773001号、及び5877296号を参照;Hinman et al., Cancer Res. 53:3336-3342 (1993);及びLode et al., Cancer Res. 58:2925-2928 (1998));ダウノマイシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリン(Kratz et al., Current Med. Chem. 13:477-523 (2006); Jeffrey et al., Bioorganic & Med. Chem. Letters 16:358-362 (2006); Torgov et al., Bioconj. Chem. 16:717-721 (2005); Nagy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:829-834 (2000); Dubowchik et al., Bioorg. & Med. Chem. Letters 12:1529-1532 (2002); King et al., J. Med. Chem. 45:4336-4343 (2002);及び米国特許第6630579号を参照);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセルなどのタキサン;トリコテセン;及びCC1065を含む一つ以上の薬物とコンジュゲートしている。
その他の実施態様において、イムノコンジュゲートは、酵素的に活性な毒素又はその断片にコンジュゲートした、本明細書に記載の抗体を含み、限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)阻害剤、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)阻害剤、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。
その他の実施態様では、イムノコンジュゲートは、放射性コンジュゲートを形成するために放射性原子にコンジュゲートした本明細書に記載されるような抗体を含む。様々な放射性同位体が放射性コンジュゲートの生産のために入手可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体を含む。放射性コンジュゲートが検出に使用される場合、それはシンチグラフィー研究用の放射性原子、例えばTc99m又はI123、又は核磁気共鳴(NMR)映像(磁気共鳴映像、MRIとしても周知)用のスピン標識、例えばヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン又は鉄を含有し得る。
抗体と細胞傷害性薬物のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの2官能性誘導体(例えばジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えばジスクシンイミジルズベレート)、アルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えばビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビスジアゾニウム誘導体(例えばビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えばトルエン2,6−ジイソシアネート)及びビス活性フッ素化合物(例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などを使って作成され得る。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al., Science 238:1098 (1987)に記載されているように調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である。国際公開第94/11026号を参照。リンカーは、細胞中に細胞毒性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ過敏性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al., Cancer Res. 52:127-131 (1992);米国特許第5208020号)が使用され得る。
本明細書において、イムノコンジュゲート又はADCは、限定されないが、市販の(例えばPierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL.,U.S.Aからの)、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMPB、及びスルホ−SMPB、SVSB(スクシンイミジル(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むクロスリンカー試薬を用いて調製されるコンジュゲートを明示的に意図する。
C.結合ポリペプチド
結合ポリペプチドは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)など、目的のポリペプチドに、好ましくは特異的に結合するポリペプチドであり、本明細書に記載されるように、本明細書に記載される方法における使用のために提供される。幾つかの実施態様において、結合ポリペプチドは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドのアンタゴニストである。
結合ポリペプチドは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)など、目的のポリペプチドに、好ましくは特異的に結合するポリペプチドであり、本明細書に記載されるように、本明細書に記載される方法における使用のために提供される。幾つかの実施態様において、結合ポリペプチドは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドのアンタゴニストである。
結合ポリペプチドは既知のオリゴペプチド合成手法を用いて化学的に合成することができるか、又は組換え技術を用いて調製され、精製することができる。結合ポリペプチドは、通常長さが少なくとも5個のアミノ酸であり、あるいは長さが少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100アミノ酸かそれ以上であり、そのポリペプチドは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに、好ましくは、特異的に結合することが可能である。
結合ポリペプチドは、周知の技術を用いて過度の実験なしに同定することができる。この点に関して、標的ポリペプチドに結合することができる結合ポリペプチドについてポリペプチドライブラリーをスクリーニングするための技術が、当技術分野において周知であることが留意される(例えば、米国特許第5556762号、第5750373号、第4708871号、第4833092号、第5223409号、第5403484号、第5571689号、第5663143号;PCT公開番号国際公開第84/03506号及び国際公開第84/03564号;Geysen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 81:3998-4002 (1984); Geysen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82:178-182 (1985); Geysen et al., in Synthetic Peptides as Antigens, 130-149 (1986); Geysen et al., J. Immunol. Meth., 102:259-274 (1987); Schoofs et al., J. Immunol., 140:611-616 (1988), Cwirla, S. E. et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378; Lowman, H.B. et al. (1991) Biochemistry, 30:10832; Clackson, T. et al. (1991) Nature, 352: 624; Marks, J. D. et al. (1991), J. Mol. Biol., 222:581; Kang, A.S. et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:8363, 及びSmith, G. P. (1991) Current Opin. Biotechnol., 2:668を参照)。ペプチドライブラリーを作製し、これらのライブラリーをスクリーニングする方法もまた、米国特許第5723286号、第5432018号、第5580717号、第5427908号、第5498530号、第5770434号、第5734018号、第5698426号、第5763192号、及び第5723323号に開示されている。
D.結合小分子
本明細書において提供されるのは、小分子ALDH阻害剤(例えば、そのジスルフィラム及び/又はその誘導体)として使用のための結合小分子、及び/又は上述された方法において使用のための小分子の標的化治療薬(例えば、小分子TKI(例えば、小分子RTKI))である。
本明細書において提供されるのは、小分子ALDH阻害剤(例えば、そのジスルフィラム及び/又はその誘導体)として使用のための結合小分子、及び/又は上述された方法において使用のための小分子の標的化治療薬(例えば、小分子TKI(例えば、小分子RTKI))である。
結合小分子は、好ましくは、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドに、好ましくは特異的に結合する本明細書に定義される結合ポリペプチド又は抗体以外の有機分子である。結合有機小分子が同定され、既知の方法論を用いて化学的に合成することができる(例えば、PCT公開番号国際公開第00/00823号及び国際公開第00/39585号を参照)。結合有機小分子は、通常約2000ダルトン未満の大きさであり、あるいは、約1500、約750、約500、約250又は約200ダルトンより小さい大きさであって、本明細書に記載されるように、好ましくは特異的にポリペプチドに結合することができるそうした有機小分子は、周知の技術を用いて過度の実験なしに同定することができる。この点に関して、目的のポリペプチドに結合することができる分子について、有機小分子ライブラリーをスクリーニングするための技術は、当技術分野において周知であることが特記される(例えば、PCT公開番号国際公開第00/00823号及び国際公開第00/39585号を参照)。結合有機小分子は、例えば、アルデヒド、ケトン、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルバジド、第一アミン、第二級アミン、第3級アミン、N−置換ヒドラジン、ヒドラジド、アルコール、エーテル、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、エステル、アミド、尿素、カルバメート、カーボネート、ケタール、チオケタール、アセタール、チオアセタール、ハロゲン化アリール、アリールスルホン酸塩、アルキルハライド、アルキルスルホン酸塩、芳香族化合物、複素環化合物、アニリン、アルケン、アルキン、ジオール、アミノアルコール、オキサゾリジン、オキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、エナミン、スルホンアミド、エポキシド、アジリジン、イソシアネート、塩化スルホニル、ジアゾ化合物、酸塩化物等であり得る。
E.アンタゴニストポリヌクレオチド
また、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法において使用のためのポリヌクレオチドアンタゴニストである。ポリヌクレオチドは、アンチセンス核酸及び/又はリボザイムであってもよい。アンチセンス核酸は、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的の遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部に相補的な配列を含む。しかし、絶対的な相補性は、好ましいものの、要求されない。
また、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法において使用のためのポリヌクレオチドアンタゴニストである。ポリヌクレオチドは、アンチセンス核酸及び/又はリボザイムであってもよい。アンチセンス核酸は、ALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的の遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部に相補的な配列を含む。しかし、絶対的な相補性は、好ましいものの、要求されない。
本明細書で言及される「RNAの少なくとも一部分に相補的」配列は、RNAとハイブリダイズし安定な二重鎖を形成することができるために十分な相補性を有する配列を意味し;二本鎖アンチセンス核酸の場合、二重鎖DNAの一本鎖が試験されることができ、又は三重らせんの形成をアッセイすることができる。ハイブリダイズする能力はアンチセンス核酸の相補性の程度及び長さの両方に依存する。一般的に、ハイブリダイズする核酸が大きいほど、それが含み得るRNAとの塩基のミスマッチが多く、それでも安定な二重鎖(又は場合によっては三重鎖)を形成する。当業者は、ハイブリダイズした複合体の融点を決定するための標準的な手順の使用によって、ミスマッチの許容程度を確認することができる。
メッセージの5’末端、例えばAUG開始コドンを含むところまでの5’非翻訳配列に相補的であるポリヌクレオチドは、翻訳を阻害するのに最も効率的に働くはずである。しかし、mRNAの3’非翻訳配列に相補的な配列は、同様にmRNAの翻訳を阻害するのに有効であることが示されている。一般に、Wagner, R., 1994. Nature 372:333-335を参照。従って、遺伝子の5’−又は3’−非翻訳、非コード領域の何れかに相補的なオリゴヌクレオチドは、内因性のmRNAの翻訳を阻害するアンチセンスアプローチにおいて使用することができる。mRNAの5’非翻訳領域に相補的なポリヌクレオチドは、AUG開始コドンの相補体を含むべきである。mRNAコード領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、翻訳の効率の低い阻害剤であるが、本発明に従って使用することができる。mRNAの5’、3’又はコード領域にハイブリダイズするように設計されるかどうかに関わらず、アンチセンス核酸は、長さが少なくとも6ヌクレオチドであるべきで、好ましくは、6から約50ヌクレオチド長の範囲のオリゴヌクレオチドである。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも17ヌクレオチド、少なくとも25ヌクレオチド又は少なくとも50ヌクレオチドである。
F.抗体及び結合ポリペプチド変異体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体及び/又は結合ポリペプチドの結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望まれ得る。抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、抗体及び/又は結合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することにより、又はペプチド合成によって調製することができる。このような改変は、例えば、抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列内における、残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を有していることを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが、最終コンストラクトに到達させるために作成され得る。
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体及び/又は結合ポリペプチドの結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望まれ得る。抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、抗体及び/又は結合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することにより、又はペプチド合成によって調製することができる。このような改変は、例えば、抗体及び/又は結合ポリペプチドのアミノ酸配列内における、残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を有していることを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが、最終コンストラクトに到達させるために作成され得る。
ある実施態様において、一以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体及び/又は結合ポリペプチド変異体が提供される。置換型変異誘発の対象となる部位は、HVR及びFRを含む。保存的置換は、表1の「好適な置換」の見出しの下に示されている。より実質的な変更が、表1の「典型的な置換」の見出しの下に与えられ、アミノ酸側鎖のクラスを参照して以下に更に説明される。アミノ酸置換は、目的の抗体及び/又は結合ポリペプチドに導入することができ、その産物は、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の減少、又はADCC又はCDCの改善についてスクリーニングされる。
アミノ酸は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを伴うこととなる。
G.抗体及び結合ポリペプチド誘導体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体及び/又は結合ポリペプチドは、当技術分野で知られ、容易に入手される追加の非タンパク質部分を含むように更に改変することができる。抗体及び/又は結合ポリペプチドの誘導体化に適した部分としては、限定されないが、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーの非限定的な例は、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体又はランダム共重合体の何れか)及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物を包含する。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドはその水中での安定性のために製造上の利点を有し得る。ポリマーは何れかの分子量のものであってよく、そして分枝鎖又は未分枝鎖であってよい。抗体及び/又は結合ポリペプチドに結合するポリマーの数は変動してよく、そして、一以上の重合体が結合する場合は、それらは同じか又は異なる分子であってよい。一般的に、誘導体化に使用するポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、向上させるべき抗体及び/又は結合ポリペプチドの特定の特性又は機能、抗体誘導体及び/又は結合ポリペプチド誘導体が限定された条件下で治療に使用されるのか等を含む考慮に基づいて決定することができる。
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体及び/又は結合ポリペプチドは、当技術分野で知られ、容易に入手される追加の非タンパク質部分を含むように更に改変することができる。抗体及び/又は結合ポリペプチドの誘導体化に適した部分としては、限定されないが、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーの非限定的な例は、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体又はランダム共重合体の何れか)及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物を包含する。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドはその水中での安定性のために製造上の利点を有し得る。ポリマーは何れかの分子量のものであってよく、そして分枝鎖又は未分枝鎖であってよい。抗体及び/又は結合ポリペプチドに結合するポリマーの数は変動してよく、そして、一以上の重合体が結合する場合は、それらは同じか又は異なる分子であってよい。一般的に、誘導体化に使用するポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、向上させるべき抗体及び/又は結合ポリペプチドの特定の特性又は機能、抗体誘導体及び/又は結合ポリペプチド誘導体が限定された条件下で治療に使用されるのか等を含む考慮に基づいて決定することができる。
別の実施態様において、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る抗体及び/又は結合ポリペプチドと非タンパク質部分とのコンジュゲートが提供される。一実施態様において、非タンパク質部分はカーボンナノチューブである(Kam et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 11600-11605 (2005)。放射線は、任意の波長であって良いが、限定されないものの、通常の細胞に害を与えないが、抗体及び/又は結合ポリペプチド−非タンパク質部分の近位細胞が死滅される温度に非タンパク質部分を加熱する波長が含まれる。
IV.ALDH阻害剤及び/又は所望の機能を有する標的化治療薬をスクリーニングし及び/又は同定する方法
本明細書において提供される、抗体、結合ポリペプチド、及び/又は結合小分子を含む、本明細書に記載される方法において使用のためのALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドの更なるアンタゴニストは、当技術分野で周知の様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性及び/又は生物学的活性について、同定され、スクリーニングされ、又は特徴づけることができる。
本明細書において提供される、抗体、結合ポリペプチド、及び/又は結合小分子を含む、本明細書に記載される方法において使用のためのALDH及び/又はチロシンキナーゼ(例えば、受容体チロシンキナーゼ)などの目的のポリペプチドの更なるアンタゴニストは、当技術分野で周知の様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性及び/又は生物学的活性について、同定され、スクリーニングされ、又は特徴づけることができる。
様々なヒトALDHファミリーメンバー(例えば、「アイソザイム」)のアミノ酸配列は、当該分野で周知であり、公的に入手可能である。例えば、GenBankアクセッション番号NP.sub.−−000680(ALDH 1、メンバーA1);GenBankアクセッション番号NP_000684(ALDH 1、メンバーA3);GenBankアクセッション番号AAH02967及びNP.sub.−−000681(ALDH 2);GenBankアクセッション番号NP.sub.−−001026976(ALDH 3、メンバーA2、アイソフォーム1);GenBankアクセッション番号CA139494(ALDH 4、メンバーA1);GenBankアクセッション番号CAA20248(ALDH 5、メンバーA1);GenBankアクセッション番号EAW81160(ALDH 6、メンバーA1、アイソフォームCRA_b);GenBankアクセッション番号AAH02515(ALDH 7、メンバーA1);GenBankアクセッション番号NP.sub.−−072090(ALDH 8、メンバーA1,アイソフォーム1);GenBankアクセッション番号NP.sub.−−000687(ALDH 9、メンバーA1);GenBankアクセッション番号AAG42417(ALDH 12);GenBankアクセッション番号AAG42417(ALDH 12);GenBankアクセッション番号NP.sub.−−699160(ALDH 16);及びGenBankアクセッション番号CAI16766(ALDH 18、メンバーA1)を参照。
野生型ALDH2及びALDH2のC302S変異体の結晶構造は、当該技術分野で知られており(米国特許第8124389号)、本明細書に記載される方法及び組成物における使用のためのALDH阻害剤の設計及び調製に使用することができる。
ある実施態様において、ALDHポリペプチドの原子座標を含むメモリを備えたコンピュータシステムは、ALDHポリペプチドのリガンド部位に結合する化合物を合理的に同定するためのモデルとして有用である。このような化合物は、新規に、又は、例えば、既知の化合物の改変によるかの何れかで設計され得る。他の例では、結合化合物は、ALDHポリペプチドの分子モデルと「ドッキングする」かどうかを決定するために、既知の化合物を試験することにより同定することができる。このようなドッキング方法は、一般に当技術分野において周知である。
ALDHの結晶構造データは、結晶構造データの分析により、様々なALDH結合化合物の結合のモデルを開発するために、コンピュータ・モデリング技術と組み合わせて使用することができる。その部位モデルは、部位表面の三次元トポグラフィー、並びに、ファンデルワールス接触、静電相互作用、及び水素結合の機会を含む要因を特徴付けている。次いで、コンピュータシミュレーション技術は、限定されないが、そのモデル部位と相互作用するように設計されている、プロトン、ヒドロキシル基、アミン基、二価のカチオン、芳香族及び脂肪族官能基、アミド基、アルコール基などを含む、官能基に対する相互作用位置をマッピングするために使用される。これらの基は、候補化合物がその部位に特異的に結合するであろう期待される、ファーマコフォア又は候補化合物に設計することができる。一般的には、ファーマコフォアは、非共有結合機構によって部位と相互作用するが、ファーマコフォアの設計は、このように、水素結合、ファンデルワールス、静電、及び共有結合相互作用を含む化学的相互作用の利用可能なタイプの何れか又は全てと相互作用するファーマコフォア内に入る候補化合物の能力を考慮することを含む。
ファーマコフォア又はALDHポリペプチドに結合する候補化合物の能力は、実際の合成に加えて、コンピュータモデリング技術を使用して分析することができる。コンピュータモデリングにより標的(例えば、ALDHポリペプチド結合部位)に対して十分な結合エネルギー(一例では、10−2Mの桁又はそれより緊密な標的との解離定数に相当する結合エネルギー)で結合することが示される候補のみが、合成され、ALDHポリペプチドに結合し、当業者に周知であり及び/又は本明細書に記載される酵素アッセイを使用して、ALDH酵素機能を阻害するそれらの能力について試験され得る。計算評価のステップは、このように、十分な親和性でALDHポリペプチドに結合する可能性は低い化合物の不必要な合成を避けている。
ALDHのファーマコフォア又は候補化合物は計算的に評価され、化学物質又は断片がスクリーニングされ、ALDHポリペプチド上の個々の結合標的部位と会合する能力に対して選択される一連のステップを用いて設計され得る。当業者であれば、ALDHポリペプチドと、より具体的には、ALDHポリペプチド上の標的部位と会合する能力について、化学物質又は断片をスクリーニングするための複数の方法の何れかを使用することができる。方法は、例えば、ALDHポリペプチド座標、又は当技術分野で知られているその座標のサブセットに基づいた、コンピュータスクリーン上の標的部位の目視探索により開始することができる。
がん細胞死の誘導を増強するALDH阻害剤を選択するため、例えば、標的化治療薬(例えば、TKI)と組み合わせた、ヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルー又は7AADの取り込みにより示される膜の完全性の喪失が、参照に対して評価され得る。PI取り込みは、補体及び免疫エフェクター細胞の非存在下で行うことができる。腫瘍細胞は、培地のみと、又はALDH及び/又は標的化治療薬(TKI)の適切な組み合わせを含む培地と共にインキュベートされる。細胞は、3日間インキューベートされる。各処理後に、細胞凝集塊の除去のために、細胞は洗浄され、35mmのストレーナキャップ付き12×75チューブに等分される(チューブ当たり1ml、処理群当たり3チューブ)。そして、チューブにPI(10μg/mL)を加える。試料はFACSCAN(登録商標)フローサイトメーター及びFACSCONVERT(登録商標)CellQuestソフトウェア(Becton Dickinson)を用いて解析され得る。PI取り込みにより決定されるように、培地単独及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)単独と比較して、細胞死の統計的に有意なレベルを誘導する、標的化治療薬(例えば、TKI)と組み合わせたそれらのALDH阻害剤が、細胞死誘導抗体、結合ポリペプチド、又は結合小分子として選択され得る。
スクリーニング及び/又は同定する任意の方法の幾つかの実施態様において、候補のALDH阻害剤は、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、又はポリヌクレオチドである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)は小分子である。
V.薬学的製剤
本明細書に記載される、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストの薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するその抗体と任意の薬学的に許容可能な一以上の担体(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))とを、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で混合することによって調製される。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストは、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、及び/又はポリヌクレオチドである。薬学的に許容可能な担体は、使用される投薬量及び濃度でレシピエントに毒性でなく、そしてこれには、限定しないが、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジン;マンノサッカライド、ジサッカライド、及びグルコース、マンノース又はデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);及び/又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書における例示的な薬学的に許容可能な担体には、更に、間質薬剤分散剤、例えば可溶性の中性−活性化ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えばヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質、例えばrHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)が含まれる。所定の典型的なsHASEGP及び使用法は、rHuPH20を含み、米国特許出願公開第2005/0260186号及び第2006/0104968号に記載されている。一態様において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの一以上の追加のグルコサミノグリカンと組み合わされる。
本明細書に記載される、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストの薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するその抗体と任意の薬学的に許容可能な一以上の担体(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))とを、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で混合することによって調製される。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストは、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、及び/又はポリヌクレオチドである。薬学的に許容可能な担体は、使用される投薬量及び濃度でレシピエントに毒性でなく、そしてこれには、限定しないが、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジン;マンノサッカライド、ジサッカライド、及びグルコース、マンノース又はデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);及び/又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書における例示的な薬学的に許容可能な担体には、更に、間質薬剤分散剤、例えば可溶性の中性−活性化ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えばヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質、例えばrHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)が含まれる。所定の典型的なsHASEGP及び使用法は、rHuPH20を含み、米国特許出願公開第2005/0260186号及び第2006/0104968号に記載されている。一態様において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの一以上の追加のグルコサミノグリカンと組み合わされる。
典型的な凍結乾燥製剤は、米国特許第6267958号に記載されている。水性の抗体製剤は、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものが含まれ、後者の製剤はヒスチジン−酢酸緩衝液を含む。
本明細書の製剤はまた、治療を受けている特定の徴候のために必要な一以上の活性成分、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものが含まれる場合がある。このような活性成分は、意図した目的のために有効な量で組み合わされ適切に存在する。
活性成分は、例えば、コアセルベーション技術又は界面重合法によって、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセルにより、コロイド薬物送達系に(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフィア、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロ・エマルジョンで調製されたマイクロカプセルに封入されてもよい。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
徐放性製剤が調製されてもよい。徐放性製剤の適切な例は、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストを含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスであって、該マトリックスは、造形品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形態であるものを含む。
インビボ投与に使用される製剤は、一般的に無菌である。無菌性は、例えば、滅菌濾過膜を通して濾過することにより、達成することができる。
VI.製造品
本発明の別の態様において、上述した障害の治療、予防、及び/又は診断に有用な物質を含む製造品が提供される。製造品は、容器とラベル又は容器上にある又は容器に付属する添付文書を含む。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ等を含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な物質から形成されうる。容器は、疾患の治療、予防、及び/又は診断に有効である、それ自体か、又はその他の組成物と併用される化合物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針による穴あきストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも一の活性剤は、本明細書に記載されるALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストである。ラベル又は添付文書は、組成物が選択した症状の治療のために使用されることを示している。更に、製造品は、(a)組成物がALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)を含有する組成物を中に含む第一の容器;及び(b)組成物が更なる細胞障害性又はその他の治療的薬剤を包含する組成物を中に含む第2の容器を含み得る。
本発明の別の態様において、上述した障害の治療、予防、及び/又は診断に有用な物質を含む製造品が提供される。製造品は、容器とラベル又は容器上にある又は容器に付属する添付文書を含む。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ等を含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な物質から形成されうる。容器は、疾患の治療、予防、及び/又は診断に有効である、それ自体か、又はその他の組成物と併用される化合物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針による穴あきストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも一の活性剤は、本明細書に記載されるALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストである。ラベル又は添付文書は、組成物が選択した症状の治療のために使用されることを示している。更に、製造品は、(a)組成物がALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)を含有する組成物を中に含む第一の容器;及び(b)組成物が更なる細胞障害性又はその他の治療的薬剤を包含する組成物を中に含む第2の容器を含み得る。
幾つかの実施態様において、製造品は、容器、該容器上のラベル、及び該容器内に含まれる組成物を含み;ここで組成物は、一以上の試薬(例えば、本明細書に記載される、バイオマーカーの一又は複数に結合する一次抗体又はバイオマーカーの一又は複数に対するプローブ及び/又はプライマー)、組成物が試料中の一又は複数のバイオマーカーの存在を評価するために使用することができることを示す容器上のラベル、及び試料中の一又は複数のバイオマーカーの存在を評価するための試薬の使用説明書を含む。製造品は、試料を調製し、試薬を利用するための使用説明書と物質を更に含みうる。幾つかの実施態様において、製造品は、一次及び二次抗体の両方を含み、ここでは該二次抗体は標識、例えば酵素標識にコンジュゲートしている。幾つかの実施態様において、製造品は、本明細書に記載される、一又は複数のプローブ及び/又は一又は複数のバイオマーカーである。
何れかの製造品の幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストは、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、及び/又はポリヌクレオチドである。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストは、小分子である。幾つかの実施態様において、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストは、抗体である。幾つかの実施態様において、抗体は、モノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、抗体はヒト、ヒト化、又はキメラ抗体である。幾つかの実施態様において、抗体は抗体断片であり、その抗体断片は、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)に結合する。
本発明の本実施態様における製造品は、組成物が特定の疾患を治療することに用いることができることを示す添付文書を更に含んでいてもよい。別法として、又は加えて、製造品は、薬学的に許容可能な緩衝液、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝化塩水、リンガー溶液及びデキストロース溶液を含む第二(又は第三)の容器を更に含んでもよい。これは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的及びユーザーの立場から望まれる他の物質を更に含んでもよい。
製造品の他の任意の成分には、一又は複数の緩衝液(例えば、ブロッキング緩衝液、洗浄緩衝液、基質緩衝液等)、他の試薬、例えば酵素標識により化学的に改変される基質(例えば色素原)、エピトープ回収液、対照試料(正及び/又は負の対照)、対照スライド等が含まれる。
上記製造品の何れかは、ALDH阻害剤(例えば、ジスルフィラム及び/又はその誘導体)及び/又は標的化治療薬(例えば、TKI)のアンタゴニストの代わりに、又は加えて、本明細書に記載されるイムノコンジュゲートを含んでも良い。
以下は本発明の方法及び組成物の例である。種々の他の実施態様は、上記に示す一般的な説明を前提として実施することができることが理解される。
実施例1
材料と方法
実施例1
材料と方法
ヒトがん細胞株及び試薬
ヒトがん細胞株は、5%のCO2の存在下、37℃で、ピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎児血清並びに抗生物質ペニシリン及びストレプトマイシンを補充したRPMI培地中で増殖させた。
ヒトがん細胞株は、5%のCO2の存在下、37℃で、ピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎児血清並びに抗生物質ペニシリン及びストレプトマイシンを補充したRPMI培地中で増殖させた。
ALDH活性アッセイ
ボディパイ標識されたALDH基質(Aldefluor Kit,Stem Cell Technology)が、製造元のプロトコルに従って再構成され、ALDH活性を検出するために使用された。基質は、RPMI培地(5μlの基質/mlの培地)中で希釈され、接着細胞に添加された。CO2インキュベーター中、37℃で、30分間のインキュベーション後、細胞はPRMI培地で2回洗浄され、画像は、IncuCyte HD System(Essen BioScience)及び10倍対物を使用して撮影された。
ボディパイ標識されたALDH基質(Aldefluor Kit,Stem Cell Technology)が、製造元のプロトコルに従って再構成され、ALDH活性を検出するために使用された。基質は、RPMI培地(5μlの基質/mlの培地)中で希釈され、接着細胞に添加された。CO2インキュベーター中、37℃で、30分間のインキュベーション後、細胞はPRMI培地で2回洗浄され、画像は、IncuCyte HD System(Essen BioScience)及び10倍対物を使用して撮影された。
フローサイトメトリー及びRNA抽出
Aldefluorアッセイが、KatoII親細胞においてALDH活性を検出するために使用された。最高のALDH活性及び最低のALDH活性を有する、親細胞の〜5%を占めるALDHhigh及びALDHlow細胞がそれぞれフローサイトメトリーを使用して選別された。冷競合基質であるDEABの存在下で、ボディパイ標識基質とインキュベートされたKatoII細胞が、陰性対照として使用された。RNAeasyカラム(Qiagen)を用いて抽出された総RNAは、マイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析のために使用された。
Aldefluorアッセイが、KatoII親細胞においてALDH活性を検出するために使用された。最高のALDH活性及び最低のALDH活性を有する、親細胞の〜5%を占めるALDHhigh及びALDHlow細胞がそれぞれフローサイトメトリーを使用して選別された。冷競合基質であるDEABの存在下で、ボディパイ標識基質とインキュベートされたKatoII細胞が、陰性対照として使用された。RNAeasyカラム(Qiagen)を用いて抽出された総RNAは、マイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析のために使用された。
細胞生存率アッセイ
細胞は、アッセイ期間の終わりに4%パラホルムアルデヒドで固定され、その生存率は、水で1:5000に希釈した核酸染色Syto60(Life Technologies)を用いて測定した。蛍光強度をSpectraMax M5を使用して測定した(励起635nm及び発光695nm;Molecular Device)。生存率は、無処置対照の%として表された。
細胞は、アッセイ期間の終わりに4%パラホルムアルデヒドで固定され、その生存率は、水で1:5000に希釈した核酸染色Syto60(Life Technologies)を用いて測定した。蛍光強度をSpectraMax M5を使用して測定した(励起635nm及び発光695nm;Molecular Device)。生存率は、無処置対照の%として表された。
薬剤耐性細胞の生成
KatoII及びGTL−16 DTPは、親細胞を1uMのクリゾチニブで30日間処置することにより生成された。PC9親細胞は、DTPの生成のために、9日間、2uMのエルロチニブで処置された。全ての場合において、培地は3日ごとに交換された。
KatoII及びGTL−16 DTPは、親細胞を1uMのクリゾチニブで30日間処置することにより生成された。PC9親細胞は、DTPの生成のために、9日間、2uMのエルロチニブで処置された。全ての場合において、培地は3日ごとに交換された。
免疫ブロッティング
タンパク質は、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を含有するNP−40溶解緩衝液を用いて細胞ペレットから抽出された。タンパク質は、SDS−PAGEゲル(BioRad)を用いて分離され、免疫検出は、標準的なプロトコールを用いて行われた。ALDH1A1に対する抗体は、R&D Systemsから購入し、GAPDH、切断されたPARP及びホスホATM/ATR基質抗体はCell Signaling Technologyから購入し、ホスホγH2A.x抗体はMilliporeから購入した。
タンパク質は、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を含有するNP−40溶解緩衝液を用いて細胞ペレットから抽出された。タンパク質は、SDS−PAGEゲル(BioRad)を用いて分離され、免疫検出は、標準的なプロトコールを用いて行われた。ALDH1A1に対する抗体は、R&D Systemsから購入し、GAPDH、切断されたPARP及びホスホATM/ATR基質抗体はCell Signaling Technologyから購入し、ホスホγH2A.x抗体はMilliporeから購入した。
ROSアッセイ
ROSアッセイは、フルオレセインのカルボキシ誘導体、CM−H2DCFDA(Molecular Probes)を用いて行われた。再構成されたROSインジケータが、DTPを含有するプレート中の増殖培地に添加され、30分間インキュベートされた。DTPは、トリプシン−EDTAを用いてプレートから剥離され、ROSレベルは、対照として未処置の親細胞を用いたフローサイトメトリーを用いて検出された。
ROSアッセイは、フルオレセインのカルボキシ誘導体、CM−H2DCFDA(Molecular Probes)を用いて行われた。再構成されたROSインジケータが、DTPを含有するプレート中の増殖培地に添加され、30分間インキュベートされた。DTPは、トリプシン−EDTAを用いてプレートから剥離され、ROSレベルは、対照として未処置の親細胞を用いたフローサイトメトリーを用いて検出された。
異種移植腫瘍の試験
PC−9、PC−9−GFP、EBC−1、及びGTL−16細胞が、80%のコンフルエンシーまで、増殖培地(RPMI1640、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン)中で培養され、その後、トリプシン処理され、PBSで1回洗浄され、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)又はHBSSのマトリゲル[還元された成長因子;カタログ#356231(BD Biosciences,West Grove,PA)]との1:1混合物の何れかに、5×107細胞/mlの最終濃度まで再懸濁された。各異種移植腫瘍モデルは、免疫不全マウスの後部右脇腹に、皮下接種(s.c.)される5×106細胞(100μL)を用いて確立された。GTL−16細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含まないHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。PC−9及びPC−9−GFP細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含むHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。EBC−1細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含まないHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。腫瘍体積が約100−200mm3に達すると、マウスは、同様のサイズの腫瘍を有する10〜15匹の動物の群に分離され、処置は、グループ化の翌日に開始された。マウスは、GDC−0712(Genentech,Inc.−MET小分子阻害剤、水で処方される100mg/kg)、エルロチニブ(7.5%のカプチソール中で50mg/kg)及び/又はジスルフィラム(Sigma−Tetraethylthiuram、カタログ#86720、ベニバナ油95%、ベンジルアルコール5%で処方される200mg/kgで投薬)又は対応するビヒクルのみにより毎日(QD)の強制経口投与(PO)を介して投与された。腫瘍体積は、式(LxWx W)/2を用いて、デジタルキャリパー(Fred V.Fowler Company,Inc.)を用いて決定された。腫瘍増殖阻害(%TGI)は、%TGI=100x1−(AUC処置/日)/(AUCビヒクル/日)となるように、ビヒクルに関連した一日あたりの各用量群について近似曲線下面積(AUC)のパーセンテージとして計算された。カーブフィッティングは、線形混合効果(LME)モデルを用いて、Rパッケージnlme、R v2.12.0のバージョン3.1−97を使用して、Log2変換された個々の腫瘍体積データに対して適用された。
PC−9、PC−9−GFP、EBC−1、及びGTL−16細胞が、80%のコンフルエンシーまで、増殖培地(RPMI1640、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン)中で培養され、その後、トリプシン処理され、PBSで1回洗浄され、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)又はHBSSのマトリゲル[還元された成長因子;カタログ#356231(BD Biosciences,West Grove,PA)]との1:1混合物の何れかに、5×107細胞/mlの最終濃度まで再懸濁された。各異種移植腫瘍モデルは、免疫不全マウスの後部右脇腹に、皮下接種(s.c.)される5×106細胞(100μL)を用いて確立された。GTL−16細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含まないHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。PC−9及びPC−9−GFP細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含むHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。EBC−1細胞は、ヌード(nu/nu)マウスにおいてマトリゲルを含まないHBSSに移植された(Charles River Laboratories,Hollister,CA)。腫瘍体積が約100−200mm3に達すると、マウスは、同様のサイズの腫瘍を有する10〜15匹の動物の群に分離され、処置は、グループ化の翌日に開始された。マウスは、GDC−0712(Genentech,Inc.−MET小分子阻害剤、水で処方される100mg/kg)、エルロチニブ(7.5%のカプチソール中で50mg/kg)及び/又はジスルフィラム(Sigma−Tetraethylthiuram、カタログ#86720、ベニバナ油95%、ベンジルアルコール5%で処方される200mg/kgで投薬)又は対応するビヒクルのみにより毎日(QD)の強制経口投与(PO)を介して投与された。腫瘍体積は、式(LxWx W)/2を用いて、デジタルキャリパー(Fred V.Fowler Company,Inc.)を用いて決定された。腫瘍増殖阻害(%TGI)は、%TGI=100x1−(AUC処置/日)/(AUCビヒクル/日)となるように、ビヒクルに関連した一日あたりの各用量群について近似曲線下面積(AUC)のパーセンテージとして計算された。カーブフィッティングは、線形混合効果(LME)モデルを用いて、Rパッケージnlme、R v2.12.0のバージョン3.1−97を使用して、Log2変換された個々の腫瘍体積データに対して適用された。
Seahorseアッセイ
約5000の親細胞及び15000のDTP細胞はXF96ウェル細胞培養マイクロプレート(SeahorseBioscience)のウェルあたりに播種され、5%のCO2インキュベーター中、37℃で24時間インキュベートされた。ジスルフィラム及びNAC処置は、TKIの存在下で48時間行われた。酸素消費率(OCR)及び細胞外酸性化速度(ECAR)の測定は、重炭酸塩を含まない、無血清の、37℃に予め温めた培地中で行われた。分析の終了後、細胞は4%パラホルムアルデヒドで固定され、ヘキストで染色され、そして4象限/ウェルがMolecular Devices ImageXpress HCSを使用して画像化され、象限当たりの平均の核数がカウントされた。棒グラフは、6つのウェルからの正規化された(細胞数)OCRとECAR測定の平均+/−SEMを表した。
約5000の親細胞及び15000のDTP細胞はXF96ウェル細胞培養マイクロプレート(SeahorseBioscience)のウェルあたりに播種され、5%のCO2インキュベーター中、37℃で24時間インキュベートされた。ジスルフィラム及びNAC処置は、TKIの存在下で48時間行われた。酸素消費率(OCR)及び細胞外酸性化速度(ECAR)の測定は、重炭酸塩を含まない、無血清の、37℃に予め温めた培地中で行われた。分析の終了後、細胞は4%パラホルムアルデヒドで固定され、ヘキストで染色され、そして4象限/ウェルがMolecular Devices ImageXpress HCSを使用して画像化され、象限当たりの平均の核数がカウントされた。棒グラフは、6つのウェルからの正規化された(細胞数)OCRとECAR測定の平均+/−SEMを表した。
結果
がん幹細胞マーカー遺伝子ALDH1A1は、薬剤耐性細胞において差次的に発現される。
クリゾチニブ耐性KatoII胃癌細胞で差次的に発現する遺伝子を同定するために、マイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析が行われた。多くのアップレギュレートされた遺伝子のうち、ALDH1A1、がん幹細胞マーカー遺伝子が、薬剤耐性存続生物(DTP)集団において同定された。Aldefluorアッセイを使用した生存KatoII細胞におけるALDH活性(Stem Cell Technology)が測定され、高ALDH活性が、1ヶ月のクリゾチニブ処置後に、KatoII親細胞の少数(〜5%)集団で(図1A)及びほとんど全てのKatoIIDTPで検出された。RNAが単離されたALDHhigh細胞で実施されたマイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析は、ALDHlow細胞と比べて〜8倍アップレギュレートされた遺伝子のALDHファミリーの唯一のメンバーとして、ALDH1A1を同定した。RNAレベルと一致して、KatoIIのALDH1A1タンパク質レベルは、ALDHhigh細胞、KatoII細胞及びGTL−16細胞(胃癌)からのDTPにおいて検出された(図1c)。任意の薬物誘導性アポトーシスが、切断されたPARPタンパク質産物の出現により測定され検出される前に(データ非表示)、クリゾチニブ処置は、24時間以内にKatoII親細胞のALDH1A1タンパク質のレベルを増加させた(図1c)。KatoII細胞及びGTL−16細胞におけるALDH1A1発現のノックダウンは、薬物感受性又はDTP形成において有意な影響を及ぼさなかった。
がん幹細胞マーカー遺伝子ALDH1A1は、薬剤耐性細胞において差次的に発現される。
クリゾチニブ耐性KatoII胃癌細胞で差次的に発現する遺伝子を同定するために、マイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析が行われた。多くのアップレギュレートされた遺伝子のうち、ALDH1A1、がん幹細胞マーカー遺伝子が、薬剤耐性存続生物(DTP)集団において同定された。Aldefluorアッセイを使用した生存KatoII細胞におけるALDH活性(Stem Cell Technology)が測定され、高ALDH活性が、1ヶ月のクリゾチニブ処置後に、KatoII親細胞の少数(〜5%)集団で(図1A)及びほとんど全てのKatoIIDTPで検出された。RNAが単離されたALDHhigh細胞で実施されたマイクロアレイに基づいた遺伝子発現解析は、ALDHlow細胞と比べて〜8倍アップレギュレートされた遺伝子のALDHファミリーの唯一のメンバーとして、ALDH1A1を同定した。RNAレベルと一致して、KatoIIのALDH1A1タンパク質レベルは、ALDHhigh細胞、KatoII細胞及びGTL−16細胞(胃癌)からのDTPにおいて検出された(図1c)。任意の薬物誘導性アポトーシスが、切断されたPARPタンパク質産物の出現により測定され検出される前に(データ非表示)、クリゾチニブ処置は、24時間以内にKatoII親細胞のALDH1A1タンパク質のレベルを増加させた(図1c)。KatoII細胞及びGTL−16細胞におけるALDH1A1発現のノックダウンは、薬物感受性又はDTP形成において有意な影響を及ぼさなかった。
ジスルフィラム、ALDH阻害剤は、薬剤耐性細胞を死滅させる
薬剤耐性におけるALDHの役割を理解するために、KatoII親細胞及びGTL−16親細胞は、ジスルフィラム(DS)と呼ばれる不可逆的ALDH阻害剤で処置された。DS及びその代謝物は、複数のALDHファミリーメンバーの酵素活性を阻害する(Koppaka et al., 2012)。ジスルフィラム単独では、これらのがん細胞の増殖に有意な影響を与えなかったが、クリゾチニブとの組み合わせで、DSは、薬剤耐性のKatoII細胞及びGTL−16細胞を除去した(図1A、B)。DSの同様の効果は、ALDH1A1を発現するが、他のALDHファミリーメンバーを発現しない非小細胞肺癌PC9細胞で観察された(図2C)。およそ20%のPC9 DTPが、エルロチニブで10日間以上維持される場合に、それらの薬剤耐性特性を維持しつつ、親PC9細胞同様に***を開始する。エルロチニブ耐性のPC9 DTPのこの増加集団は、薬剤耐性増加存続生物又はDTEPと呼ばれ(Sharmaら、2010)、それらはDTPとは違ってDSに対する感受性がずっと低い。図2の棒グラフは、三連のウェルからのデータを表し、上記の3つ全ての細胞株からのDTPの生存率におけるDS及びTKIの併用効果を示している。TKI曝露の前に3〜6日間、DS単独によるPC9及びGTL−16細胞の前処置は、DTPを除去せず、ALDH活性の連続抑制がDTPを死滅させるために重要であることを示している。
薬剤耐性におけるALDHの役割を理解するために、KatoII親細胞及びGTL−16親細胞は、ジスルフィラム(DS)と呼ばれる不可逆的ALDH阻害剤で処置された。DS及びその代謝物は、複数のALDHファミリーメンバーの酵素活性を阻害する(Koppaka et al., 2012)。ジスルフィラム単独では、これらのがん細胞の増殖に有意な影響を与えなかったが、クリゾチニブとの組み合わせで、DSは、薬剤耐性のKatoII細胞及びGTL−16細胞を除去した(図1A、B)。DSの同様の効果は、ALDH1A1を発現するが、他のALDHファミリーメンバーを発現しない非小細胞肺癌PC9細胞で観察された(図2C)。およそ20%のPC9 DTPが、エルロチニブで10日間以上維持される場合に、それらの薬剤耐性特性を維持しつつ、親PC9細胞同様に***を開始する。エルロチニブ耐性のPC9 DTPのこの増加集団は、薬剤耐性増加存続生物又はDTEPと呼ばれ(Sharmaら、2010)、それらはDTPとは違ってDSに対する感受性がずっと低い。図2の棒グラフは、三連のウェルからのデータを表し、上記の3つ全ての細胞株からのDTPの生存率におけるDS及びTKIの併用効果を示している。TKI曝露の前に3〜6日間、DS単独によるPC9及びGTL−16細胞の前処置は、DTPを除去せず、ALDH活性の連続抑制がDTPを死滅させるために重要であることを示している。
様々なTKI−DSの組み合わせの有効性が、乳がん、結腸がん及び肺がん由来で、様々ながん遺伝子に依存する8つの他のがん細胞株で試験された。DS単独では生存率に有意な影響を及ぼさなかったが、全てのTKI−DSの組み合わせが、対応するDTPの数を除去するか又は有意に減らすかのどちらかで非常に有効であった(図3)。これらの結果は、薬剤耐性細胞の、一般的に、それらの生存率に対するALDH活性への依存性を更に強調し、様々なタイプのがんの再発を除去し/遅延させることにおけるTKIの組合せにおけるDSの使用の潜在的に有益な効果を暗示している。
薬剤耐性細胞は、高いROSレベルを有する
がん細胞は、それらの正常な対応物と比較して、細胞増殖を促進すると考えられているより高いROSレベルを有する(Szatrowski et al., 1991; Boonstra et al., 2004)。化学療法及び放射線療法への曝露は、膜脂質の過酸化を介して様々なアルデヒド生成物の発生を引き起こすことが可能ながん細胞においてROSレベルをより高く増加させる。マロンアルデヒド及び4−ヒドロキシノネナール(4−HNE)などのこれらのアルデヒド生成物の幾つかは、より長い半減期を有しており、DNA損傷及びその後の細胞死を引き起こすことができる(Chiu et al., 2012; Casares et al., 2012, Li et al., 2009)。ROSレベルの増加に応答した、CD133+神経膠芽腫幹細胞におけるDNA修復経路の迅速な活性化は、放射線に対する抵抗性についての基礎を提供した(Bao et al.2006)。ROSが関与する同様のメカニズムが、薬剤耐性に役割を果たし伴うかどうかを決定するために、生体エネルギー、ROSレベル、DNA損傷の程度及びDNA修復経路の活性が、DTPで測定された。ROSレベルの6倍以上の増加が、PC9とGTL−16由来のDTPの両方で、それらの親細胞と比較して観察された(図4A)。48時間にわたるDS処理は、DTPにおけるROSレベルの増加を更に引き起こし、これは、培地にNACを添加することによって逆転することができる。ROSレベルの増加は、酸素消費率(OCR)の増加(図4B)、薬剤耐性細胞中の二本鎖DNA切断の増加、そして、DNA修復機構の活性化をもたらした。(図4C)。これらの結果は、ALDHファミリーのメンバーがDTPの生存において重要であるROSスカベンジャーの役割を果たしていることを示唆している。
がん細胞は、それらの正常な対応物と比較して、細胞増殖を促進すると考えられているより高いROSレベルを有する(Szatrowski et al., 1991; Boonstra et al., 2004)。化学療法及び放射線療法への曝露は、膜脂質の過酸化を介して様々なアルデヒド生成物の発生を引き起こすことが可能ながん細胞においてROSレベルをより高く増加させる。マロンアルデヒド及び4−ヒドロキシノネナール(4−HNE)などのこれらのアルデヒド生成物の幾つかは、より長い半減期を有しており、DNA損傷及びその後の細胞死を引き起こすことができる(Chiu et al., 2012; Casares et al., 2012, Li et al., 2009)。ROSレベルの増加に応答した、CD133+神経膠芽腫幹細胞におけるDNA修復経路の迅速な活性化は、放射線に対する抵抗性についての基礎を提供した(Bao et al.2006)。ROSが関与する同様のメカニズムが、薬剤耐性に役割を果たし伴うかどうかを決定するために、生体エネルギー、ROSレベル、DNA損傷の程度及びDNA修復経路の活性が、DTPで測定された。ROSレベルの6倍以上の増加が、PC9とGTL−16由来のDTPの両方で、それらの親細胞と比較して観察された(図4A)。48時間にわたるDS処理は、DTPにおけるROSレベルの増加を更に引き起こし、これは、培地にNACを添加することによって逆転することができる。ROSレベルの増加は、酸素消費率(OCR)の増加(図4B)、薬剤耐性細胞中の二本鎖DNA切断の増加、そして、DNA修復機構の活性化をもたらした。(図4C)。これらの結果は、ALDHファミリーのメンバーがDTPの生存において重要であるROSスカベンジャーの役割を果たしていることを示唆している。
N−アセチルシステインはDTPへのジスルフィラムの致死効果をレスキューする
次に、NAC処置が、TKI+DS処置によるDTPの死滅を防止するのに十分であるかどうかを問うた。PC9及びGTL−16細胞は、エルロチニブ及びクリゾチニブのそれぞれによって、単独で、又はDSとNACとの組み合わせの何れかによって処置された。予想されたように、DSとTKIの組み合わせは、14日以内に全てのPC9 DTPを死滅させ、それはDSとTKIと共に添加した場合にNACによってほぼ完全にレスキューされた(図5A)。同様の結果は、GTL−16 DTPを用いて得られ、ここではTKI+DSによる処置の間にNACを含めると、DS誘導死からGTL−16 DTPの〜80%をレスキューした。
次に、NAC処置が、TKI+DS処置によるDTPの死滅を防止するのに十分であるかどうかを問うた。PC9及びGTL−16細胞は、エルロチニブ及びクリゾチニブのそれぞれによって、単独で、又はDSとNACとの組み合わせの何れかによって処置された。予想されたように、DSとTKIの組み合わせは、14日以内に全てのPC9 DTPを死滅させ、それはDSとTKIと共に添加した場合にNACによってほぼ完全にレスキューされた(図5A)。同様の結果は、GTL−16 DTPを用いて得られ、ここではTKI+DSによる処置の間にNACを含めると、DS誘導死からGTL−16 DTPの〜80%をレスキューした。
DSの作用のメカニズムを理解するために、GTL−16由来のDTPは、48時間、DS及びNACによって処置され、抽出されたタンパク質により免疫ブロット実験が行われた。DS処置は、ALDH1A1及びNFκBのレベルの減少を引き起こし、γH2A.xにおいて数倍の増加をもたらし、このことはDSで処置されたDTPにおける広範なDNA損傷と、切断PARPレベルの大幅な増加によって明らかにされるように、その後のアポトーシス経路の活性化を示唆した。ROSスカベンジャー、NACの存在は、ALDH1A1及びNFκBレベルを増加させ、γH2A.xの増加及びDTPのアポトーシスを阻止した。
ジスルフィラムは、異種移植マウスモデルにおける腫瘍再発を遅延させる
異種移植マウスモデルが、インビボにおける腫瘍再発を排除/遅延させることにおけるDSの効果を調査するために使用された。インビボ試験におけるPC9の治療レジメンは、最初にインビトロ実験で試験され、ここではPC9細胞が、6日間、エルロチニブ単独又はDSと組み合わせて処置された。エルロチニブ、DS及びエルロチニブ+DS群の一つにおいて、PC9 DTPは、任意の薬物を含まないで増殖させ、他方、他のエルロチニブ+DS群はDSを受け続けた。図6Aに示されるように、PC9 DTPの増殖の有意な遅延が、エルロチニブ+DS群から観察され、そこでは双方の薬物が、エルロチニブ群と比べて休薬された。予想されるように、DSを受け続けたエルロチニブ+DSサブ群からは、PC9 DTPは存続しなかった。棒グラフは、DSの効果を例示する、三連のウェルからのデータを表す。
異種移植マウスモデルが、インビボにおける腫瘍再発を排除/遅延させることにおけるDSの効果を調査するために使用された。インビボ試験におけるPC9の治療レジメンは、最初にインビトロ実験で試験され、ここではPC9細胞が、6日間、エルロチニブ単独又はDSと組み合わせて処置された。エルロチニブ、DS及びエルロチニブ+DS群の一つにおいて、PC9 DTPは、任意の薬物を含まないで増殖させ、他方、他のエルロチニブ+DS群はDSを受け続けた。図6Aに示されるように、PC9 DTPの増殖の有意な遅延が、エルロチニブ+DS群から観察され、そこでは双方の薬物が、エルロチニブ群と比べて休薬された。予想されるように、DSを受け続けたエルロチニブ+DSサブ群からは、PC9 DTPは存続しなかった。棒グラフは、DSの効果を例示する、三連のウェルからのデータを表す。
PC9異種移植研究のために、マウスは、PC9細胞が接種され、腫瘍は、大きさが100〜200mm3まで成長させ、次いで、4つの処置群、つまり、ビヒクル対照、DS対照、TKI単独及びTKI+DS群に分けられた。処置は、試験の終了までのDSを受け続けたTKI+DS群の動物を除いて、11日後に停止された。図6Bに示すように、PC9腫瘍のほぼ完全な退縮が、エルロチニブ処置の際に観察された。5xTTPとして測定される腫瘍進行の時間(TTP)は、10 PR及び1CRによるエルロチニブ処置群では60日であって、一方、エルロチニブ+DS群では、9PR及び6CRによる平均腫瘍サイズは、腫瘍の初期体積を下回った(P=0.0007)。細胞株のデータと一致して、異種移植片データは、TKIとDSの組み合わせが有意に腫瘍の再発を遅らせることができることを示していた。
参考文献
Koppaka, V et al.(2012).Pharmacol Rev 64, 520-539.
Szatrowski, T.P. and Nathan, C. F. (1991) Cancer Research, 51, 794-798.
Boonstra, J. and Post, J. A. (2004) Gene, 337, 1-13.
Chiu, W. H. et al.(2012).Biochemical Pharmacology, 83, 1159-1171.
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前述の発明は、理解を明確にする目的のために、例示と実施例によりある程度詳細に記載してきたが、説明及び実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用される全ての特許及び科学文献の開示内容は、参照によりその全体が援用される。
Claims (44)
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体においてがんを治療する方法。
- ALDH阻害剤及び標的化治療薬の各量が、がん感受性の期間を増加させるため、及び/又は標的化治療に対する細胞抵抗性の発生を遅延させるために有効である、請求項1に記載の方法。
- 標的化治療薬の有効量及びALDH阻害剤の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において標的化治療薬を含むがん治療の有効性を高める方法。
- がん治療が、標的化治療薬の有効量及びALDH阻害剤の有効量を個体に同時に投与することを含み、前記がん治療が、標的化治療薬無しで(非存在下で)標的化治療薬の有効量を投与することを含む標準的治療と比較して、有効性が高まっている、個体においてがんを治療する方法。
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、個体において、標的化治療薬に対するがん耐性の発生を遅延及び/又は予防する方法。
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、標的化治療薬に対する耐性が発生する可能性が増加した、がんを有する個体を治療する方法。
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬に対する感受性を上昇させる方法。
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬感受性の期間を延長する方法。
- ALDH阻害剤の有効量及び標的化治療薬の有効量を個体に同時に投与することを含む、がんを有する個体における標的化治療薬に対する応答の持続時間を延長する方法。
- ALDH阻害剤が、小分子ALDH阻害剤である、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
- 小分子ALDH阻害剤が、ジスルフィラム又はALDH阻害性誘導体又はその代謝産物である、請求項10に記載の方法。
- ALDH阻害剤が、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミド又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項10に記載の方法。
- ALDH阻害剤が、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミドである、請求項10に記載の方法。
- ALDH阻害剤が、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項10に記載の方法。
- ALDH阻害剤が、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である、請求項10に記載の方法。
- 標的化治療薬が、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である、請求項1から15の何れか一項に記載の方法。
- TKIが、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である、請求項16に記載の方法。
- TKIが、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)である、請求項16に記載の方法。
- RTKIが、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、及び/又はALK阻害剤である、請求項18に記載の方法。
- 阻害剤が、抗体阻害剤、小分子阻害剤、結合ポリペプチドの阻害剤、及び/又はポリヌクレオチドアンタゴニストである、請求項16から19の何れか一項に記載の方法。
- TKIが、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、エルロチニブ)である、請求項16に記載の方法。
- TKIが、N−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)−3−クロロフェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン、ジ4−メチルベンゼンスルホン酸又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、ラパチニブ)である、請求項16に記載の方法。
- TKIが、(S)−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)イソニコチンアミド)又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、AS703026)である、請求項16に記載の方法。
- TKIはベムラフェニブである、請求項16に記載の方法。
- TKIが、3−((R)−1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル)エトキシ)−5−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−アミン又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、クリゾチニブ)である、請求項16に記載の方法。
- がんが、胃がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCL))、結腸直腸がん(例えば、結腸がん及び/又は直腸がん)、又は基底細胞癌である、請求項1から25の何れか一項に記載の方法。
- がんの治療のための同時又は順次使用のための、a)第一成分としてALDH阻害剤の有効量、及びb)第二成分として標的性薬剤の有効量を含有する医薬製品。
- ALDH阻害剤が、小分子ALDH阻害剤である、請求項27に記載の医薬製品。
- ALDH阻害剤が、ジスルフィラム又はALDH阻害性誘導体又はその代謝産物である、請求項27又は28に記載の医薬製品。
- ALDH阻害剤が、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミド又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項27又は28に記載の医薬製品。
- ALDH阻害剤が、N,N−ジエチル[(ジエチルカルバモチオイル)ジスルファニル]カルボチオアミドである、請求項27又は28に記載の医薬製品。
- ALDH阻害剤が、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項27又は28に記載の医薬製品。
- ALDH阻害剤が、2,2’−ビス(ホルミル−1,6,7−トリヒドロキシ−5−イソプロピル−3−メチルナフタレン)である、請求項27又は28に記載の医薬製品。
- 標的化治療薬が、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である、請求項27から33の何れか一項に記載の医薬製品。
- TKIが、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、ALK阻害剤、BRAF阻害剤、ROS1阻害剤、及び/又はMEK阻害剤である、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIが、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)である、請求項34に記載の医薬製品。
- RTKIが、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、MET阻害剤、及び/又はALK阻害剤である、請求項36に記載の医薬製品。
- 阻害剤が、抗体阻害剤、小分子阻害剤、結合ポリペプチドの阻害剤、及び/又はポリヌクレオチドアンタゴニストである、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIが、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン又はその薬学的に許容可能な塩、特に、エルロチニブである、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIが、N−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)−3−クロロフェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン、ジ4−メチルベンゼンスルホン酸又はその薬学的に許容可能な塩、特にラパチニブである、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIが、(S)−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)イソニコチンアミド)又はその薬学的に許容可能な塩、特にAS703026である、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIがベムラフェニブである、請求項34に記載の医薬製品。
- TKIが、3−((R)−1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル)エトキシ)−5−(1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−アミン又はその薬学的に許容可能な塩、特にクリゾチニブである、請求項34に記載の医薬製品。
- がんが、胃がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCL)、結腸がん及び/又は直腸がん、又は基底細胞癌である、請求項27から43の何れか一項に記載の医薬製品。
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