JP2016142843A - ハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 各歌唱パートにそれぞれ関連付けられた複数のマイクロホン13から出力された歌唱音声信号に対してそれぞれピッチシフトを行うピッチシフト実行手段14と、マイクロホン13から出力された歌唱音声信号の歌唱採点値を算出する歌唱採点手段27と、マイクロホン13毎の歌唱採点値を比較する歌唱採点値比較手段28と、最も得点が高い歌唱採点値と最も得点が低い歌唱採点値との差が所定の閾値以上である場合に、ハーモニー区間検出手段33により検出したハーモニー区間において、歌唱採点値の差が所定の閾値未満となるようにピッチシフトを行わせるピッチシフト制御手段29とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態に係るカラオケシステム100は、複数の歌唱パートからなるカラオケ楽曲のハーモニー区間において、複数のマイクロホン13から入力された歌唱音声をピッチシフトして適切なハーモニー用の歌唱音声を生成することが可能なシステムであって、ハーモニー区間検出手段33と、複数のマイクロホン13と、ピッチシフト実行手段14と、歌唱採点手段27と、歌唱採点値比較手段28と、ピッチシフト制御手段29とを備えており、さらに、ノート区間区別手段34を備えていてもよい。各手段は、カラオケ演奏装置10の機能手段として実現される。なお、以下に説明する実施形態では、説明を容易なものとするため、マイクロホン13を2本備えた態様を示しているが、マイクロホン13の数は2本に限られず、カラオケ楽曲の歌唱パート数に対応させて3本以上であってもよい。
本発明の実施形態に係るカラオケシステム100を適用するカラオケ演奏装置10は、図1に示すように、カラオケ本体11、カラオケリモコン装置12、マイクロホン13、ピッチシフト実行手段14、ミキシングアンプ15、スピーカ16、表示装置17を備えている。
カラオケリモコン装置12は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ40及びデータ通信回線50を介して、カラオケ本体11との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置12は、楽曲検索手段12aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース12b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部12c、データの入出力を行うための入出力表示部12dを備えている。このカラオケリモコン装置12に付帯するスイッチ類や、入出力表示部12dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作、音量調整、音程調整、テンポ調整、演奏中止等の各種の操作及び設定を行うことができる。
楽曲検索手段12aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース12bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース12bは、カラオケ演奏装置10で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記憶したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
マイクロホン13は、歌唱音声の入力を行うための装置であり、本実施形態では2本のマイクロホン13を備えている。マイクロホン13から入力された歌唱音声は歌唱音声信号として出力され、後述のピッチシフト実行手段14を経てミキシングアンプ15に入力され、音楽再生制御手段31から送出されるカラオケ演奏信号とミキシングされるとともに増幅され、スピーカ16へ出力される。また、マイクロホン13から出力される歌唱音声信号は、A/Dコンバータ30によりデジタル変換され、歌唱採点手段27における歌唱採点値の算出等に使用される。
ピッチシフト実行手段14は、各マイクロホン13から出力された歌唱音声信号に対してそれぞれピッチシフトを行うための電子機器からなる。なお、後に詳述するが、どのマイクロホン13から入力された歌唱音声信号に対してピッチシフトを行うかは、ピッチシフト制御手段29により決定される。
表示装置17は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
カラオケ本体11は、中央制御手段21、ROM22、RAM23、HDD24、通信制御手段25、予約楽曲管理手段26、歌唱採点手段27、歌唱採点値比較手段28、ピッチシフト制御手段29、A/Dコンバータ30、音楽再生制御手段31、映像再生制御手段32、ハーモニー区間検出手段33、ノート区間区別手段34を備えている。
中央制御手段21は、カラオケ本体11を総合的に制御するための電子機器であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM22等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
ROM22は、カラオケ本体11を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための電子機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM23は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM23に、予約楽曲管理テーブル23aが一時的に記憶される。
HDD24は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース24a、背景映像データベース24bが格納されている。なお、HDD24に替えて、あるいはHDD24と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶手段を用いてもよい。
楽曲データベース24aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データ、及び歌唱採点に用いるリファレンスデータについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。リファレンスデータは各歌唱パートの歌唱音声信号と比較して歌唱採点値を算出するためのデータであり、歌唱パート毎に用意されている。背景映像データベース24bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた背景映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
通信制御手段25は、カラオケリモコン装置12との間で、データ及び信号の送受信を制御するための電子機器及びプログラムからなる。この通信制御手段25の機能により、カラオケ本体11とカラオケリモコン装置12との間で送受信するデータ及び信号の同期や誤り制御等を行う。
予約楽曲管理手段26は、任意の利用者がカラオケ楽曲の予約を行う際に、当該利用者の利用者IDと予約楽曲の楽曲IDとを紐付けして、予約楽曲管理テーブル23aにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約楽曲管理手段26は予約楽曲管理テーブル23aを作成し、この予約楽曲管理テーブル23aをRAM23に格納して管理する。予約楽曲管理テーブル23aは、利用者により楽曲検索手段12aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて作成したデータテーブルである。なお、選曲を行う利用者の利用者IDは、当該利用者がカラオケシステム100にシステムログインすることにより取得することができる。システムログインは、カラオケリモコン装置12、利用者が所持する携帯情報端末(図示せず)等を用いて行うことができる。
歌唱採点手段27は、各マイクロホン13から出力された歌唱音声信号と、各マイクロホン13に関連付けられた歌唱パートのリファレンスデータとを比較して、マイクロホン13毎に歌唱採点値を算出するためのプログラムからなる。なお、歌唱採点手段27は、複数の歌唱パートからなるカラオケ楽曲だけではなく、一人の歌唱者が歌唱を行うカラオケ楽曲についても、マイクロホン13から出力された歌唱音声信号と、当該カラオケ楽曲のリファレンスデータを比較することにより歌唱採点を行うことができる。
歌唱採点値比較手段28は、マイクロホン13毎の歌唱採点値を比較するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱採点値比較手段28は、複数の歌唱パートからなるカラオケ楽曲を演奏する際に、各歌唱パートに対応するマイクロホン13毎の歌唱採点値を比較する。歌唱採点値を比較するタイミングは、適宜設定することができる。例えば、図2及び図3に示すように、歌唱音声のピッチ変動が少ない歌唱部分において算出された歌唱採点値に基づいて歌唱採点値の比較を行ってもよいし、図示しないが、所定の歌唱区間において算出された歌唱採点値を総合的に評価して歌唱採点値の比較を行ってもよい。
ピッチシフト制御手段29は、歌唱採点値の比較において、最も得点が高い歌唱採点値と最も得点が低い歌唱採点値との差が所定の閾値以上である場合に、ピッチシフト実行手段14を動作させて歌唱採点値の差が所定の閾値未満となるようにピッチシフトを行わせるためのプログラムからなる。ピッチシフトの対象となる歌唱音声信号については、後に詳述する。
ハーモニー区間検出手段33は、デュエット曲のように複数の歌唱パートからなるカラオケ楽曲において、ピッチシフトの対象となる歌唱区間(ハーモニー区間)を検出するためのプログラムからなり、楽曲データの区間情報やリファレンスデータにおける複数データが存在している区間を検出することによりピッチシフトの対象となるハーモニー区間を特定することができる。
ノート区間区別手段34は、各歌唱パートに用意されているリファレンスデータを用いて、ハーモニー区間において、ノートが所定の閾値以上の長ノート区間と、所定の閾値未満の短ノート区間とに区別するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱区間には、ノートが長い区間とノートが短い区間とが存在する。ノートの長短は、例えば400msecを基準値として、400msec以上の歌唱区間を長ノート区間とし、400msec未満の歌唱区間を短ノート区間とする。
実施例1では、図2に示すように、最も歌唱採点値が低い歌唱音声信号に対してピッチシフトを行う。すなわち、歌唱採点値の差が所定の閾値以上(例えば、10点以上)である場合には、聴衆及び歌唱者ともにハーモニーに違和感を覚える可能性が高いため、最も歌唱採点値が低い歌唱音声信号(マイクロホンBから出力される歌唱音声信号)に対してピッチシフトを行って、聴衆及び歌唱者ともにハーモニーに違和感を覚えることが無いような補正を行う。
実施例2では、図3に示すように、ハーモニー区間であっても、長ノート区間においてのみ、最も歌唱採点値が低いマイクロホンBから出力される歌唱音声信号に対してピッチシフトを行い、短ノート区間においては、ピッチシフトを行わない。すなわち、長ノート区間は、聴衆に対して歌唱をじっくり聴かせる区間であるため、聴衆が心地よくハーモニーを楽しむ区間としてピッチシフトを行う。一方、短ノート区間は、聴衆にハーモニーを楽しませるよりも、歌唱者の歌いやすさを優先して、ピッチシフトを行わない。
音楽再生制御手段31は、楽曲IDに基づいて楽曲データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源(シンセサイザ)を駆動しカラオケ演奏信号を構成する楽音信号を生成するとともにアナログ変換してミキシングアンプ15に出力するための電子機器である。また、ミキシングアンプ15は、マイクロホン13から出力される歌唱音声信号と、音楽再生制御手段31から送出されるカラオケ演奏信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ16より出力するための装置である。なお、本実施形態では、ハーモニー区間において、マイクロホン13から出力される歌唱音声信号に対してピッチシフトが行われ、当該ピッチシフトされた歌唱音声信号がミキシングアンプ15に入力される場合がある。
映像再生制御手段32は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像データベース24bから抽出した背景映像データと、楽曲データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の楽曲データに同期させて表示装置17に出力するための電子機器である。
以下、二人の歌唱者が歌唱を行うデュエット曲を例にとって、ピッチシフトの具体例を説明する。デュエット曲では、マイクロホンAを歌唱パートaに対応させ、マイクロホンBを歌唱パートbに対応させて、その旨を表示装置17の表示画面に表示することにより、歌唱者に認識させる。例えば、歌唱パートaが主旋律の場合には、歌唱パートbがハーモニー用の歌唱パートとなり、歌唱パートaが男声パートの場合には、歌唱パートbが女性パートとなる。
10 カラオケ演奏装置
11 カラオケ本体
12 カラオケリモコン装置
12a 楽曲検索手段
12b 楽曲索引データベース
12c データ記憶部
12d 入出力表示部
13 マイクロホン
14 ピッチシフト実行手段
15 ミキシングアンプ
16 スピーカ
17 表示装置
21 中央制御手段
22 ROM
23 RAM
23a 予約楽曲管理テーブル
24 HDD
24a 楽曲データベース
24b 背景映像データベース
25 通信制御手段
26 予約楽曲管理手段
27 歌唱採点手段
28 歌唱採点値比較手段
29 ピッチシフト制御手段
30 A/Dコンバータ
31 音楽再生制御手段
32 映像再生制御手段
33 ハーモニー区間検出手段
34 ノート区間区別手段
40 ルータ
50 データ通信回線
Claims (5)
- 複数の歌唱パートからなるカラオケ楽曲のハーモニー区間において、マイクロホンから入力された歌唱音声をピッチシフトして適切なハーモニー用の歌唱音声を生成することが可能なカラオケシステムであって、
前記カラオケ楽曲のハーモニー区間を検出するハーモニー区間検出手段と、
前記各歌唱パートにそれぞれ関連付けられて、各歌唱パートの歌唱音声を入力する複数のマイクロホンと、
前記各マイクロホンから出力された歌唱音声信号に対してそれぞれピッチシフトを行うピッチシフト実行手段と、
前記各マイクロホンから出力された歌唱音声信号と、前記各マイクロホンに関連付けられた歌唱パートのリファレンスデータとを比較して、前記マイクロホン毎に歌唱採点値を算出する歌唱採点手段と、
前記マイクロホン毎の歌唱採点値を比較する歌唱採点値比較手段と、
前記歌唱採点値の比較に基づき、最も得点が高い歌唱採点値と最も得点が低い歌唱採点値との差が所定の閾値以上である場合に、前記検出したハーモニー区間において、前記ピッチシフト実行手段を動作させて前記歌唱採点値の差が所定の閾値未満となるようにピッチシフトを行わせるピッチシフト制御手段と、
を備えたことを特徴とするハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム。 - 前記歌唱採点値比較手段は、歌唱音声のピッチ変動が少ない歌唱部分において算出された歌唱採点値に基づいて歌唱採点値の比較を行うことを特徴とする請求項1に記載のハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム。
- 前記歌唱採点値比較手段は、所定の歌唱区間において算出された歌唱採点値を総合的に評価して歌唱採点値の比較を行うことを特徴とする請求項1に記載のハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム。
- 前記ピッチシフト制御手段は、最も歌唱採点値が低い歌唱音声信号に対してピッチシフトを行わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム。
- 前記ハーモニー区間において、ノートが所定の閾値以上の長ノート区間と、所定の閾値未満の短ノート区間とに区別するノート区間区別手段をさらに備え、
前記ピッチシフト制御手段は、前記長ノート区間においては前記最も歌唱採点値が低い歌唱音声信号に対してピッチシフトを行わせ、前記短ノート区間においてはピッチシフトを行わせないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハーモニー歌唱のためのピッチシフト機能を備えたカラオケシステム。
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