JP2015231748A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも熱可塑性樹脂層及びトップコート層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記トップコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を有し、
(2)前記トップコート層の厚みが20μm以上であり、
(3)前記熱可塑性樹脂層の厚みが40〜120μmであり、
(4)前記熱可塑性樹脂層の厚みに対するトップコート層の厚みの比率が、20%以上である
ことを特徴とする、化粧シート。
【選択図】なし
Description
1.少なくとも熱可塑性樹脂層及びトップコート層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記トップコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を有し、
(2)前記トップコート層の厚みが20μm以上であり、
(3)前記熱可塑性樹脂層の厚みが40〜120μmであり、
(4)前記熱可塑性樹脂層の厚みに対するトップコート層の厚みの比率が20%以上である、
ことを特徴とする、化粧シート。
2.前記熱可塑性樹脂層のJIS K7161の規定に従って測定した引張弾性率が400〜1200MPaである、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系樹脂である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.基材シート上に、絵柄模様層、接着剤層、熱可塑性樹脂層、及びトップコート層を順に有する、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.前記最表層のマルテンス硬さが40〜140N/mm2である、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シートを木質基材に貼着してなる、化粧材。
本発明の化粧シートは、少なくとも熱可塑性樹脂層及びトップコート層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記トップコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を有し、
(2)前記トップコート層の厚みが20μm以上であり、
(3)前記熱可塑性樹脂層の厚みが40〜120μmであり、
(4)前記熱可塑性樹脂層の厚みに対するトップコート層の厚みの比率が20%以上であることを特徴とする。
基材シートとしては、特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、1)薄紙、上質紙、クラフト紙、和紙、チタン紙、樹脂含浸紙、紙間強化紙等の紙、2)木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維等からなる織布又は不織布、3)熱可塑性樹脂 等が挙げられる。
基材シートの上には、必要に応じて、絵柄模様層を形成することができる。
基材シートと絵柄模様層との間には、必要に応じて、更に着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材の地色を隠蔽したい場合に設けられる。本発明では、隠蔽性を安定させるために着色隠蔽層を更に形成しても良い。
後記する熱可塑性樹脂層と絵柄模様層との密着性を高めるため、接着剤層を形成してもよい。接着剤層は、意匠性を損なわせないものであれば、特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
本発明の化粧シートでは、熱可塑性樹脂層が形成される。上記熱可塑性樹脂層は、例えば、基材シート、絵柄模様層、接着剤層等の上に形成することができる。
本発明の化粧シートは、熱可塑性樹脂層の上にトップコート層を有する。
本発明の化粧シートの最表面には、最表層が形成されている。
本発明の化粧シートは、最表層の裏面側に、必要に応じて下層を設けることができる。
熱可塑性樹脂層と最表層(トップコート層に下層を設ける場合は、下層)との間には、必要に応じて、プライマー層を形成することができる。前記プライマー層を形成することにより、熱可塑性樹脂層と最表層(又は下層)の密着性を向上させることができる。
以上、基材シート上に着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層、熱可塑性樹脂層、及びトップコート層が順に積層された化粧シート(いわゆるダブリングシート)を代表例として述べたが、その他の形態であってもよい。例えば、本発明の化粧シートが、着色隠蔽層、絵柄模様層、熱可塑性樹脂層、及びトップコート層が順に積層された化粧シート(いわゆるバックプリントシート)であっても、ダブリングシートの場合と同様の効果が奏される。
本発明の化粧シートは、熱可塑性樹脂層の上に最表層を有するトップコート層を形成することにより得られる。例えば、基材シート上に、絵柄模様層(及び着色隠蔽層)、接着剤層、熱可塑性樹脂層、プライマー層及び下層を積層した後、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を形成することにより得られる。
本発明の化粧シートを各種被着材と接合することにより、化粧材とすることができる。被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。
60μm厚の着色ポリプロピレンフィルムからなる基材シートの裏面にプライマー層(裏面プライマー層)を設けた。次いで、基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、印刷フィルムを得た。一方、厚さ40μm、引張弾性率1000MPaの透明性ポリプロピレンフィルム(熱可塑性樹脂層)を用意し、当該フィルムにポリエステルウレタン系接着剤を15g/m2(硬化時)用いて均一に塗布し、当該接着剤と前記印刷フィルムの絵柄模様層が接するように、前記印刷フィルムをドライラミネート方式によって積層した。
各物性(最表層の厚み、熱可塑性樹脂層の厚み、熱可塑性樹脂層の引張弾性率等)を適宜変更する以外は、実施例1と同様にして、下記表1〜3に示される通りの化粧シート、及び化粧材を作製した。
厚さ120μm、引張弾性率1000MPaの透明性ポリプロピレンフィルム(熱可塑性樹脂層)の裏面に対してコロナ放電処理を施した後、絵柄模様層を印刷により形成し、さらに当該絵柄模様層の裏面に酸化チタンを含む着色隠蔽層を形成した。
実施例1と同様に、裏面プライマー層、基材シート、絵柄模様層、接着剤層及び熱可塑性樹脂層からなる積層体を得た後、2液硬化型ウレタン樹脂を塗布して下層(層の厚み:10μm)を形成した。次いで、ウレタンアクリレートオリゴマー(電離放射線硬化型樹脂)からなる樹脂組成物を塗工・乾燥して未硬化の塗膜を形成した。その後、酸素濃度200ppm以下の環境下において、未硬化樹脂層に加速電圧200keV、3Mradの条件で電子線を照射して樹脂を硬化させて最表層(電離放射線硬化型樹脂層、層の厚み:10μm)を形成し、化粧シートを作製した。
各物性(最表層の樹脂成分、最表層の厚み、下層の厚み、熱可塑性樹脂層の厚み等)を適宜変更する以外は、実施例13と同様にして、下記表4〜5に示される通りの化粧シート、及び化粧材を作製した。
熱可塑性樹脂層の厚みを60μmとする以外は実施例1と同様にして、裏面プライマー層、基材シート、絵柄模様層、接着剤層、熱可塑性樹脂層及びプライマー層からなる積層体を得た後、2液硬化型ウレタン樹脂を塗布して下層(層の厚み:10μm)を形成した。次いで、ウレタンアクリレートオリゴマー(電離放射線硬化型樹脂)からなる樹脂組成物を塗工・乾燥して未硬化の塗膜を形成した。その後、酸素濃度200ppm以下の環境下において、未硬化樹脂層に加速電圧200keV、3Mradの条件で電子線を照射して樹脂を硬化させて最表層(電離放射線硬化型樹脂層、層の厚み:20μm)を形成し、化粧シートを作製した。
各物性(熱可塑性樹脂層の厚み等)を適宜変更する以外は、実施例18と同様にして、下記表6〜7に示される通りの化粧シート、及び化粧材を作製した。
実施例1〜21及び比較例1〜11で得られた化粧材に対して、以下の試験を行った。
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、化粧材表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。荷重(錘)を1000gとした場合に全く傷が付かないものを◎、傷が付かないが若干外観に変化があるものを○、軽微傷が付くものを△、傷が付くものを×と評価した。
化粧材表面上に対し、スチールウール(ボンスター#0000:製造元 日本スチールウール(株))を用いて荷重1500g/cm2で10往復のラビングすることにより評価した。傷が付かないものを○、傷が付くものを×と評価した。
JIS K5600のデュポン衝撃試験に従って、化粧材表面上に、半径6.3mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静置させ、前記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ20cmから落下させることにより評価した。1つの化粧材に対して、上記試験を5回行い、化粧材表面に割れがないものを○、割れが1〜3回生じたものを△、割れが4回以上生じたものを×と評価した。
鉛筆硬度試験機を用いて試験を行った。具体的には、当該試験機が水平に位置する場合において、鉛筆硬度が「H」である鉛筆の先に対して1000gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K5600−5−4に準拠して試験を行った。試験後において、目立った凹み傷のないものを○、凹み傷のあるものを△、凹み傷が著しく目立つものを×と評価した。
[「電子線」を示す樹脂成分]
・2官能ウレタンアクリレート(ポリオール成分がポリエステルジオール、ガラス転移点25℃、分子量1500) 80重量部
・6官能脂肪族ウレタンアクリレート(ガラス転移点200℃以上、分子量1500)
20重量部
[「2液硬化」を示す樹脂成分]
・アクリルポリオール 100重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)系硬化剤 10重量部
≪トップコート層がプライマー層及び最表層からなる場合≫
1.少なくとも熱可塑性樹脂層及びトップコート層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記トップコート層は複数の層からなり、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層並びに当該最表層の裏面側に厚みが5μm以上の下層及び厚みが4μm以下のプライマー層を順に有し、
(1)前記トップコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を有し、
(2)前記トップコート層の厚みが20μm以上であり、
(3)前記熱可塑性樹脂層の厚みが40〜120μmであり、
(4)前記熱可塑性樹脂層の厚みに対するトップコート層の厚みの比率が20%以上である、
ことを特徴とする、化粧シート。
2.前記熱可塑性樹脂層のJIS K7161の規定に従って測定した引張弾性率が400〜1200MPaである、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系樹脂である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.基材シート上に、絵柄模様層、接着剤層、熱可塑性樹脂層、及びトップコート層を順に有する、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.前記最表層のマルテンス硬さが40〜140N/mm2である、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シートを木質基材に貼着してなる、化粧材。
Claims (6)
- 少なくとも熱可塑性樹脂層及びトップコート層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記トップコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む最表層を有し、
(2)前記トップコート層の厚みが20μm以上であり、
(3)前記熱可塑性樹脂層の厚みが40〜120μmであり、
(4)前記熱可塑性樹脂層の厚みに対するトップコート層の厚みの比率が20%以上である、
ことを特徴とする、化粧シート。 - 前記熱可塑性樹脂層のJIS K7161の規定に従って測定した引張弾性率が400〜1200MPaである、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系樹脂である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 基材シート上に、絵柄模様層、接着剤層、熱可塑性樹脂層、及びトップコート層を順に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記最表層のマルテンス硬さが40〜140N/mm2である、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シートを木質基材に貼着してなる、化粧材。
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