JP6191110B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
1. 基材シート上に、第1表面保護層及び第2表面保護層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記第1表面保護層は、イソシアネート及び水酸基を分子中に有する樹脂を含有する樹脂組成物から形成されており、前記水酸基を分子中に有する樹脂は、重量平均分子量が8万〜10万であり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、及びこれらの1種又は2種以上を組み合わせてなる共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種であり、
(2)前記第2表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び水酸基を分子中に有する樹脂を樹脂成分とする樹脂組成物から形成されており、前記水酸基を分子中に有する樹脂は、重量平均分子量が8万〜10万であり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、及びこれらの1種又は2種以上を組み合わせてなる共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする化粧シート。
2. 前記第2表面保護層に含まれる前記水酸基を分子中に有する樹脂がアクリルポリオールである、上記項1に記載の化粧シート。
3. 前記第2表面保護層を形成する樹脂組成物中にイソシアネートを含有しない、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記電離放射線硬化型樹脂が電子線硬化型樹脂である、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5. 基材シート上に、絵柄模様層、透明性樹脂層、プライマー層、第1表面保護層及び第2表面保護層を順に有する、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 化粧シート表面がエンボス加工されている、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を被着材に貼り合わせてなる化粧材。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくとも第1表面保護層及び第2表面保護層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記第1表面保護層は、イソシアネートを含有する樹脂組成物から形成されており、
(2)前記第2表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び水酸基を分子中に有する樹脂を樹脂成分とする樹脂組成物から形成されている
ことを特徴とする。
本発明の化粧シートは、基材シートを備えており、その表面(おもて面)に少なくとも第1表面保護層及び第2表面保護層が順に積層される。
前述の基材シートの裏面には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けても良い。例えば、基材シートと被着材とを接着して化粧材を作製する際に有利である。
本発明の化粧シートは、所望により、基材シートの表面(おもて面)に、絵柄模様層を設けてもよい。
本発明の化粧シートは、所望により、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に基材シートの表面(おもて面)に、接着剤層を設けてもよい。
本発明の化粧シートは、基材シートの表面(おもて面)と第1表面保護層との間に、透明性樹脂層が積層されていてもよい。
本発明の化粧シートでは、所望により、透明性樹脂層と第1表面保護層との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、透明性樹脂層と第1表面保護層との接着性(密着性)を高める機能を有する。また、第1表面保護層の延伸部に微細な割れや白化を生じにくくする効果を有する。また、プライマー層を設けることにより、第1表面保護層の形成を容易することができる。プライマー層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
本発明の化粧シートは、最表面層として後述する第2表面保護層が形成されており、前記第2表面保護層の裏面側には第1表面保護層が形成されている。
本発明の化粧シートは、最表面層として第2表面保護層が形成される。
本発明の化粧シートを構成する各層の積層は、例えば、(1)基材シートの裏面に裏面プライマー層を設け、(2)基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、(3)当該絵柄印刷模様層上に接着剤層を形成し、(4)当該接着剤層の上に透明性樹脂層を押出しラミネート方式で積層し、(5)当該透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、プライマー層を形成し、(6)その表面にグラビアコート方式により本発明の第1表面保護層を塗工し、必要であれば、電子線を照射し、(7)その表面にグラビアコート方式により本発明の第2表面保護層を塗工し、電子線を照射することにより、行うことができる。
化粧シートには、基材シートの裏面にバッカー層(合成樹脂層)を設けても良い。バッカー層を設けることにより、耐衝撃性に優れるだけでなく、耐傷性(特に部分的に荷重が掛かった場合の凹み傷)にも優れる。ただし、本発明の化粧シートは、バッカー層を形成しなくとも、十分な耐衝撃性を確保できる。
本発明の化粧シートの裏面に、被着材を貼り合わせて接合することにより、化粧材とできる。
60μm厚さの着色ポリプロピレン(PP)フィルムからなる基材シートの裏面にプライマー層を設けた。次いで、基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、さらに当該絵柄模様層上に接着剤層を形成した。当該着色剤層の上に80μm厚さの透明ポリプロピレン(PP)系樹脂シートを押出しラミネート方式で積層し、透明性樹脂層を形成した。当該透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、前記透明性樹脂層の上に、アクリル−ウレタンブロック重合体(主剤)及びヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)からなる2液硬化型ウレタン樹脂100質量部並びにシリカ(平均粒径3μm)38質量部からなる樹脂組成物を塗工し、厚さ2μmのプライマー層を形成した。
<第2表面保護層形成樹脂組成物>
・2官能ウレタンアクリレート(Tg=25(℃)、重量平均分子量1500) 80質量部
・6官能ウレタンアクリレート(Tg=200以上(℃)、重量平均分子量1500) 20質量部
・アクリルポリオール(Tg=100(℃)、重量平均分子量10万) 40質量部
<第1表面保護層形成樹脂組成物>
・アクリルポリオール(Tg=100(℃)、重量平均分子量10万) 100質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート 15質量部
実施例1と同様にして裏面プライマー層、基材シート、絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層及びプライマー層を形成した。その後、プライマー層のおもて面に、以下に記載する成分からなる第1表面保護層形成樹脂組成物をグラビアコート方式により厚さ7μmとなるように塗工した後、酸素濃度200ppm以下の環境下において電子線照射装置を用いて加速電圧175keV, 2Mradの条件で電子線を照射した。
<第1表面保護層形成樹脂組成物>
・2官能ウレタンアクリレート(Tg=25(℃)、重量平均分子量1500) 80質量部
・6官能ウレタンアクリレート(Tg=200以上(℃)、重量平均分子量1500) 20質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート 15質量部
第1表面保護層形成樹脂組成物の成分を以下に記載する成分とする以外は実施例2と同様にして、化粧シートを作製した。
<第1表面保護層形成樹脂組成物>
・2官能ウレタンアクリレート(Tg=25(℃)、重量平均分子量1500) 80質量部
・6官能ウレタンアクリレート(Tg=200以上(℃)、重量平均分子量1500) 20質量部
・アクリルポリオール(Tg=100(℃)、重量平均分子量10万) 40質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート 15質量部
第2表面保護層形成樹脂組成物に含まれるアクリルポリオールの含有量を40質量部に代えて10質量部とする以外は実施例1と同様にして、化粧シートを作製した。
第2表面保護層形成樹脂組成物に含まれるアクリルポリオールの含有量を40質量部に代えて100質量部とする以外は実施例1と同様にして、化粧シートを作製した。
第1表面保護層形成樹脂組成物を、硬化後の厚さ7μmに代えて3μmとなるように塗工し、第2表面保護層形成組成物を、硬化後の厚さ15μmに代えて17μmとなるように塗工する以外は実施例1と同様にして、化粧シートを作製した。
第1表面保護層形成樹脂組成物を、硬化後の厚さ7μmに代えて10μmとなるように塗工し、第2表面保護層形成樹脂組成物を、硬化後の厚さ15μmに代えて10μmとなるように塗工する以外は実施例1と同様にして、化粧シートを作製した。
第1表面保護層形成樹脂組成物及び第2表面保護層形成樹脂組成物に含まれるアクリルポリオール(Tg=100(℃)、重量平均分子量10万)に代えて、アクリルポリオール(Tg=90(℃)、重量平均分子量8万)を使用する以外は実施例1と同様にして、化粧シートを作製した。
第2表面保護層形成樹脂組成物中の成分を、以下の表1に記載の通りに変更する以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。なお、表1中の第2表面保護層形成樹脂組成物のイソシアネートとは、ヘキサメチレンジイソシアネートを意味する。
第1表面保護層形成樹脂組成物及び/又は第2表面保護層形成樹脂組成物中の成分を、以下の表1に記載の通りに変更する以外は、実施例2と同様にして化粧シートを作製した。なお、表1中の第1表面保護層形成樹脂組成物の水酸基を有する樹脂とは、アクリルポリオール(Tg=100(℃)、重量平均分子量10万)を意味し、表1中の第2表面保護層形成樹脂組成物のイソシアネートとは、ヘキサメチレンジイソシアネートを意味する。
≪密着性試験(常態)≫
化粧シートの第2表面保護層側(化粧シートのおもて面側)に対し、セロハンテープ(セロテープ(登録商標)、工業用24mm巾、ニチバン(株)製)を貼り合わせた後、45度の角度で勢いよく剥がし、化粧シート及びセロハンテープを目視した。第1表面保護層と第2表面保護層の界面に剥れがないものを○、部分的に剥れているものを△、全面剥れているものを×と評価した。○評価のみを合格とした。
超促進耐候試験機(「アイスーパーUVテスター」、岩崎電気株式会社製)(以下、S−UVと記す)を用いて、「各化粧シートを、温度63℃湿度50%RHの状況下において、照度が60mW/cm2(365nm)である光を20時間照射し、次いで4時間結露の状態にする」というサイクルを200時間繰り返した後、前記密着性試験(常態)と同様の評価を行った。○評価のみを合格とした。
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、まず、2.7mmの中密度木質繊維板(MDF)上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製リカボンド BA-10L (主剤):BA-11B (硬化剤)=100:2.5(質量比))を80g/m2で均一に塗工し、各化粧シートを貼り合わせて、室温で3日間養生することにより各化粧材を作製した。当該各化粧材表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。除去に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。1000g荷重において傷が見られないものを○、500g〜900g荷重において傷が発生したものを△、400g荷重以下において傷が発生したものを×と評価した。○評価のみを合格とした。
2.7mmの中密度木質繊維板(MDF)上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製リカボンド BA-10L (主剤):BA-11B (硬化剤)=100:2.5(質量比))を80g/m2で均一に塗工し、各化粧シートを貼り合わせて、室温で3日間養生することにより各化粧材を作製した。JIS K5600のテュポン衝撃試験に従って、各化粧材表面上に半径6.3mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静置させ、前記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ300mmから落下させることにより評価した。試験を5回行い、5回とも目視により化粧シート表面に割れが観察できないものを○、1回でも割れが観察できなかったものを△、5回全て割れが認められたものを×と評価した。○評価のみを合格とした。
実施例1〜3の化粧シートを常温(25℃)で折り曲げて変化を目視観察により評価した。白化が軽微で、割れて切れないものを◎、白化はするが、割れて切れないものを○、割れて切れるものを×と評価した。◎及び○を合格とした。
実施例1〜3の化粧シートの表面保護層を設ける際の生産性として、電離放射線の照射が1回である場合を◎、2回までを○、3回以上を×と評価した。◎及び○を合格とした。
2:基材シート
3:絵柄模様層
4:接着剤層
5:透明性樹脂層
6:プライマー層
7:第1表面保護層
8:第2表面保護層
Claims (7)
- 基材シート上に、第1表面保護層及び第2表面保護層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記第1表面保護層は、イソシアネート及び水酸基を分子中に有する樹脂を含有する樹脂組成物から形成されており、前記水酸基を分子中に有する樹脂は、重量平均分子量が8万〜10万であり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、及びこれらの1種又は2種以上を組み合わせてなる共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種であり、
(2)前記第2表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び水酸基を分子中に有する樹脂を樹脂成分とする樹脂組成物から形成されており、前記水酸基を分子中に有する樹脂は、重量平均分子量が8万〜10万であり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、及びこれらの1種又は2種以上を組み合わせてなる共重合体、からなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする化粧シート。 - 前記第2表面保護層に含まれる前記水酸基を分子中に有する樹脂がアクリルポリオールである、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記第2表面保護層を形成する樹脂組成物中にイソシアネートを含有しない、請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化型樹脂が電子線硬化型樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 基材シート上に、絵柄模様層、透明性樹脂層、プライマー層、第1表面保護層及び第2表面保護層を順に有する、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 化粧シート表面がエンボス加工されている、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を被着材に貼り合わせてなる化粧材。
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