JP6307792B2 - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート及びその製造方法に関する。
従来、建築物の内外装、家具、建具、車両の内装、家電製品の表面化粧材等に意匠性を付与するために、表面保護層の艶を低下させて艶消し感のある意匠を表現した化粧シートが用いられている。
化粧シートの表面保護層の艶を低下させる方法として、表面保護層にシリカ等の艶消し剤を多量に添加する手法が用いられているが、この手法によると、表面保護層表面からシリカ微粒子を突出させて表面に凹凸形状を形成することにより艶消し感を表現しているため、化粧シート表面が擦れた際に突出した微粒子が削られて表面が平滑化し、擦れた箇所の艶が上がって傷が目立ち、耐傷性が低下するという問題がある。
また、化粧シート表面に微細な凹凸形状が形成されるので、汚れが付着した際に拭き取っても細部まで拭き取ることができず、汚れが取れ難くなり耐汚染性が低下するという問題がある。上述のような問題は、化粧シートを中密度繊維板(MDF)等に積層し、床用化粧材等として用いた場合に顕著となる。
また、化粧シートを床用化粧材等として用いる場合は、表面に防滑性が要求される。このような性能を満たす化粧シートとして、表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂が特定の範囲のガラス転移温度を示す樹脂を含む構成とする化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような化粧シートは表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂が上述の樹脂を含むので防滑性に優れ、耐汚染性等にも優れた化粧シートとなる。
このような化粧シートも優れているが、艶を低下させて意匠性を付与することを目的として表面保護層に艶消し剤を多量に添加すると、微粒子の突出により歩行等の際の足と樹脂との接触が減り、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性が得られないという問題があり、また、耐汚染性が低下するという問題がある。化粧シートに要求される防滑性を維持しつつ、耐傷性、耐汚染性、及び低艶感の表現による意匠性に優れた化粧シートは未だ開発されていない。
特開2007−118596号公報
本発明は、化粧シートに要求される防滑性を備え、耐傷性、耐汚染性、及び低艶感の表現による意匠性に優れた化粧シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層された化粧シートにおいて、ベタ印刷艶調整層が微粒子を含有し、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さを特定の範囲内とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート及びその製造方法に関する。
1.基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層された化粧シートであって、
(1)前記ベタ印刷艶調整層は平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、
(2)前記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であり、
(3)前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の含有量が前記表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の、平均粒子径が10〜20μmである、上記項1に記載の化粧シート。
.前記微粒子の含有量は、ベタ印刷艶調整層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量%に対して30〜70質量%である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
.前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂層であり、且つ厚みが6μm以上である、上記項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
.前記表面保護層は、ガラス転移点(Tg)が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂を含有する、上記項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
.前記ベタ印刷艶調整層は、厚みが0.5〜5.0μmである、上記項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
.前記ベタ印刷艶調整層の直下の層のおもて面側からエンボス加工されている、上記項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
.前記表面保護層側からエンボス加工されている、上記項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
.基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層され、
(1)前記ベタ印刷艶調整層は平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、
(2)前記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であり、
(3)前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の含有量が前記表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である化粧シートの製造方法であって、
以下の(i)及び(ii)の工程を含む、化粧シートの製造方法:
(i)基材シート上に、平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、且つおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であるベタ印刷艶調整層を形成する工程1、
(ii)ベタ印刷艶調整層上に、艶消し剤の含有量が表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である表面保護層を形成する工程2。
10.上記項1〜のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層され、(1)上記ベタ印刷艶調整層は微粒子を含有し、(2)上記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、微粒子を含有するベタ印刷艶調整層を有し、当該ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上である。このため、化粧シートのおもて面(表面保護層側の面)から見た際に、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層を介して視認されて低艶意匠を表現し、意匠性に優れている。
また、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層に被覆されており、化粧シート表面に露出していないので、化粧シートの表面に付着した汚れが拭き取り易く、耐汚染性に優れている。
また、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層に被覆されることにより、化粧シート表面が擦れても突出した微粒子が削られ難く、擦れた箇所の艶が上がって傷が目立つことが抑制されており、耐傷性に優れている。
更に、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRaを0.5μm以上とすることにより低艶感を表現しているので、低艶感の表現のために表面保護層に多量に微粒子を含有させる必要がない。このため、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮することができる。
本発明の化粧シートは上述の構成であるので、化粧シートに要求される防滑性を備え、耐傷性、耐汚染性及び低艶感の表現による意匠性に優れており、特に、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮することができる。
以下、本発明の化粧シート及び化粧シートの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明の化粧シートは、表面保護層がいわゆる「おもて面」(施工後に視認される面)である。よって、本明細書では、基材シートに対して表面保護層が存在する方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する。
(化粧シート)
化粧シートを構成する各層について具体的に説明する。
基材シート
基材シートは、その表面(おもて面)にはベタ印刷艶調整層等が順次積層される。基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたシート(フィルム)が好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。前記基材シートは、これら樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることにより形成される。
基材シートは、着色されていてもよい。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には20〜300μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、ベタ印刷艶調整層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。また、必要に応じて、基材シートの裏面にコロナ放電処理を施したり、後述する裏面プライマー層を形成したりしてもよい。
ベタ印刷艶調整層
ベタ印刷艶調整層は、化粧シートの表面に低艶感(意匠)を付与する層である。本発明の化粧シートにおいては、ベタ印刷艶調整層が微粒子を含有するのでベタ印刷艶調整層の表面が凹凸形状となっており、当該凹凸形状が化粧シートのおもて面(表面保護層側の面)から見た際に表面保護層を介して視認され、低艶意匠を表現する。
本発明の化粧シートにおいては、基材シート上における上記ベタ印刷艶調整層の占める面積の割合は、化粧シート表面が低艶感を表現できれば特に限定されないが、基材シート表面の全面の面積を100%として50%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。また、基材シート上にベタ印刷艶調整層が全面にわたって(100%)設けられていることが特に好ましい。上記面積の割合をかかる範囲に設定することにより低艶感を十分に表現することができ、意匠性に優れた化粧シートとすることができる。
微粒子は、ベタ印刷艶調整層の表面に凹凸形状を形成できれば特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリコーン樹脂等の無機微粒子;架橋アルキル、架橋スチレン、インゾグアナミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機物微粒子等が挙げられる。中でも、シリカ微粒子が好ましい。
微粒子の平均粒子径は5μm以上が好ましい。5〜20μmがより好ましく、5〜15μmが更に好ましい。平均粒子径をかかる範囲とすることにより、ベタ印刷艶調整層の凹凸形状が低艶意匠を表現し易くなる。また、微粒子の平均粒子径が5μmより小さいと、化粧シートとして十分な低艶感を表現するために、表面保護層に艶消し剤を多量に添加しなければならず、表面保護層の表面に艶消し剤である微粒子が多量に突出するので、化粧シートが耐汚染性及び耐傷性に劣るおそれがある。
ベタ印刷艶調整層中の微粒子の含有量は、ベタ印刷艶調整層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量%に対して30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRaは、0.5μm以上である。中心線平均粗さRaをかかる範囲に設定することにより、ベタ印刷艶調整層の凹凸形状が優れた低艶意匠を表現することができる。また、中心線平均粗さRaをかかる範囲に設定することにより低艶感を表現しているので、低艶感の表現のために表面保護層に多量に微粒子を含有させる必要がなく、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、表面保護層中の防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮することができる。
上記中心線平均粗さRaは、0.7μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。また、上記中心線平均粗さRaは、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。Raが大き過ぎると、ベタ印刷艶調整層の表面が均一でないので、表面保護層を形成する際に、表面保護層に被覆されていない部分ができる、いわゆるコート抜けを生じるおそれがある。なお、本明細書におけるベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRaは、JIS B0601:1982に準拠して測定される値である。
ベタ印刷艶調整層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られ、微粒子を含有するインキを用いた印刷法により形成すればよい。インキとしては、化粧シートのVOCを低減する観点からは水性組成物を用いることもできる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤は、中和剤、界面活性剤等とともに用いてもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし前記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベタ印刷艶調整層は表面保護層を形成する硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との相互作用を起こす性質を有するもであり、硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との関連で適宜選定されるものである。具体的には、インキのビヒクルとしてはウレタン系樹脂、あるいは、ポリビニールアセタール系樹脂を50質量%以上含有しているものが好ましい。上記ウレタン系樹脂は、ポリオール成分として、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂(線状に架橋したもの、あるいは、網目状に架橋したもののいずれであってもよい)を挙げることができる。また、ポリビニルアセタール系樹脂は、ポリビニルアルコールとアルデヒド類との縮合(アセタール化)により得られる。ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルホルマール(ホルマール樹脂)、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、ポリビニルヘキシラール等を挙げることができるが、溶剤に可溶でありインキ化し易く、視覚的凹凸感の発現(視覚的に凹部として認識されること)が良好であるなどの理由から、特にポリビニルブチラールが好ましい。
ベタ印刷艶調整層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、0.5〜5.0μm程度である。
本発明の化粧シートは、ベタ印刷艶調整層の直下の層のおもて面側(ベタ印刷艶調整層が形成される面側)からエンボス加工されていることが好ましい。かかる構成であることにより、直下の層のおもて面側の凹凸模様と、ベタ印刷艶調整層の低艶感とがあいまって、さらに意匠性に優れた化粧シートとすることができる。
エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、ベタ印刷艶調整層の直下の層を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
表面保護層
本発明の化粧シートは、ベタ印刷艶調整層上に表面保護層が形成されている。上記表面保護層は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐摩耗性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。なお、紫外線源及び電子線源の詳細については、後述する化粧シートの製造方法の項目で説明する。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
上記例示の樹脂については1種又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の化粧シートの表面保護層は、ガラス転移点(Tg)が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂を含有することが好ましい。このような樹脂を含有することにより、化粧シートに要求される防滑性に加え、更に優れた防滑性を備えることができる。上記ガラス転移点は、−20℃以下がより好ましい。また、上記ガラス転移点の下限は特に限定されないが、−60℃程度が好ましい。
上記ガラス転移点が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。中でも、2官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、Tgが−55℃、分子量(Mn)が5000程度の2官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましい。
上記ガラス転移点(Tg)が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂は、Tgが0℃を超えるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとの混合状態で用いることが好ましい。例えば、1)Tgが0℃以下のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2)Tgが20〜30℃のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び3)Tgが200℃以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの混合物の状態で用いることが好ましい。
上記ガラス転移点が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂の含有量は、表面保護層を形成する樹脂成分を100質量%として1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。上記含有量をかかる範囲とすることにより、表面保護層が化粧シートに要求される防滑性に加え、更に優れた防滑性を示す。
本発明の化粧シートの表面保護層の厚みは特に限定されないが、6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。表面保護層の厚みをかかる範囲に設定することにより、耐傷性に優れた化粧シートとすることができる。また、上記厚みは、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。表面保護層の厚みが厚すぎると、化粧シートを表面から見た際に、下層に積層されるベタ印刷艶調整層の低艶感が視認できないおそれがある。
また、表面保護層には、耐候性を向上させるために、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、トリアジン系などの紫外線吸収剤を添加するのが好ましい。紫外線を照射して樹脂層を硬化させる場合には、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン等、光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を用いる。
また表面保護層には、抗菌性を付与する為に、抗菌剤を添加してもよい。抗菌剤としては、無機系抗菌剤、及び有機系抗菌剤がある。特に無機系抗菌剤は有機系抗菌剤に比べ一般に安全性が高く、耐久性、及び耐熱性にも優れているため望ましい。無機系抗菌剤とは、銀をはじめとする銅、亜鉛等の抗菌性金属を各種の無機物担体に担持したものである。抗菌剤の添加量は樹脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
また表面保護層には、必要に応じて、溶剤、染料、顔料等の着色剤、艶消し剤、増量剤等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の各種添加剤を加えることができる。
表面保護層に添加する艶消し剤としては、本発明の化粧シートが表現する意匠性を損ねないものであれば特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、シリカ、シリコーン樹脂等の無機粒子;架橋アルキル、架橋スチレン、インゾグアナミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機物粒子等が挙げられる。
上記表面保護層に添加する艶消し剤の添加量は、表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して4〜14質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましい。艶消し剤の添加量が多過ぎると、表面保護層の表面から艶消し剤である微粒子が多量に突出して、化粧シートが耐汚染性及び耐傷性に劣るおそれがある。
艶消し剤の平均粒子径は3〜20μmが好ましく、4〜14μmがより好ましい。艶消し剤の平均粒子径をかかる範囲とすることにより、表面保護層が低艶感を表現でき、化粧シートに要求される耐汚染性及び耐傷性を備えることができる。
表面保護層は、例えば、透明性樹脂層上に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。
(化粧シートの層構成)
本発明の化粧シートは、基材シート上に少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層されていれば、その具体的構成(層構成)については限定されない。例えば、基材シート上に、着色隠蔽層、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層、ベタ印刷艶調整層及び表面保護層を順に積層してなる化粧シートが挙げられる。
以下、かかる層構成の化粧シートを代表例として、上記に説明した基材シート、ベタ印刷艶調整層及び表面保護層以外の層について具体的に説明する。
着色隠蔽層
本発明の化粧シートでは、基材シートと絵柄模様層との間に着色隠蔽層が形成されていてもよい。
着色隠蔽層は、化粧シートと被着体とを接合した際に被着体の地色を隠蔽できればよく、通常は基材シートを被覆するように形成すればよい。
着色隠蔽層の形成には、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
塗布量は、2〜30g/mの範囲が望ましい。
着色隠蔽層の厚みは、通常0.1〜20μm程度、好ましくは1〜10μm程度である。
絵柄模様層
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。インキとしては、化粧シートのVOCを低減する観点からは水性組成物を用いることもできる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤は、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに用いてもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし前記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
透明性接着剤層
透明性樹脂層と絵柄模様層との密着性を高めるため、絵柄模様層上に透明性接着剤層を形成してもよい。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。 化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら接着剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
透明性接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度である。
透明性樹脂層
透明性接着剤層の上には、透明性樹脂層が形成されていてもよい。上記絵柄模様層を設ける場合は、絵柄模様層よりも上層に透明性樹脂層を形成し、更に透明性樹脂層上にベタ印刷艶調整層を形成することにより、絵柄模様層は、ベタ印刷艶調整層上から透けて視認されたり、ベタ印刷艶調整層が一部形成されていない部分がある場合は、ベタ印刷艶調整層がない部分において視認されたりする。この場合、絵柄模様層とベタ印刷艶調整層との間にある程度の厚みがある透明性樹脂層が存在することとなるので、これらの層が透明性樹脂層の厚み分の距離で離間して視認されることとなり、立体感のある意匠を表現することができる。また、後述するように、透明性樹脂層側又は表面保護層側からエンボス加工が施される場合には、上記立体感のある意匠と、透明性樹脂層又は表面保護層のおもて面側の凹凸模様とがあいまって、さらに意匠性に優れた化粧シートとすることができる。
透明性樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。前記透明性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。これら樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましくは、ポリプロピレン樹脂を代表とするポリオレフィン系樹脂を使用する。従って、透明性樹脂層としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合は、基材シートを構成するものとして挙げた各種のポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
なお、透明性樹脂層は、透明性を有する限り、着色されていても良いが、特に着色剤を配合しない方が望ましい。
透明性樹脂層の厚みは、通常は20〜200μm程度であるが、化粧シートの用途等に応じて上記範囲を超えても良い。
プライマー層
透明性樹脂層の上には、プライマー層を設けてもよい。プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層の表面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
プライマーの厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm程度である。
裏面プライマー層
基材シートの裏面(ベタ印刷艶調整層が積層される面と反対側の面)には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けてもよい。例えば、基材シートと被着材とを接着して化粧材を作製する際に効果的である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
裏面プライマーの厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm程度である。
本発明の化粧シートは、上記透明性樹脂層を形成した後、透明性樹脂層側からエンボス加工が施されていてもよい。また、透明性樹脂層の上に表面保護層が形成される場合は、上記透明性樹脂層の上に上記表面保護層を積層した後、表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。かかる構成であることにより、透明性樹脂層又は表面保護層のおもて面側の凹凸模様と、ベタ印刷艶調整層の低艶感とがあいまって、さらに意匠性に優れた化粧シートとすることができる。
エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、透明性樹脂層又は表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
(化粧板)
本発明の化粧シートを被着材上に積層することにより、化粧板とすることができる。被着材は、限定的でなく、公知の化粧板に用いられる被着材と同様のものを用いることができる。例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明の化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
積層方法は限定的でなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すればよい。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。これら接着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;バルコニー、ベランダ等の外装材;窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板や家具;又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に用いることができる。特に、上記化粧板は床用化粧材として好適に用いることができる。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法は、基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層され、(1)前記ベタ印刷艶調整層は微粒子を含有し、(2)前記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上である化粧シートの製造方法であって、(i)基材シート上に、微粒子を含有し、且つおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であるベタ印刷艶調整層を形成する工程1、及び(ii)ベタ印刷艶調整層上に、表面保護層を形成する工程2を含む製造方法である。
以下、上記の化粧シートを例に本発明の化粧シートの製造方法における各工程について
説明する。
(i)工程1
工程1は、基材シート上に、微粒子を含有し、且つおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であるベタ印刷艶調整層を形成する工程である。
基材シートは、上述した基材シートを形成するための樹脂成分等を含む樹脂組成物を、例えば、カレンダー法により形成することにより得ることができる。
得られた基材シート上に、ベタ印刷艶調整層を形成する。べタ印刷艶調整層の形成は、上記ベタ印刷艶調整層を形成するためのインキを公知の方法を利用して形成し、その際の条件を適宜設定することにより上述の範囲の中心線平均粗さRaを示すようにすればよい。例えば、上記の公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られ、微粒子を含有するインキを用いた印刷法により形成すればよい。印刷法としては特に限定されないが、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等の公知の印刷法が挙げられる。
上記インキの厚みは特に限定されないが、通常0.5〜5μm程度である。
基材シート上に、着色隠蔽層、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層、ベタ印刷艶調整層を設ける場合には、先ず、基材シート上に着色隠蔽層を公知の方法により形成する。
次に、着色隠蔽層上に絵柄模様層を、上述の印刷法と同様の公知の印刷法により形成する。
次に、絵柄模様層上に透明性接着剤層を公知の方法により形成し、その表面に予め形成されたシート又はフィルムからなる透明性樹脂をラミネートし、透明性樹脂層を形成する。また、透明性樹脂層は、上述した透明性樹脂層を形成するための樹脂組成物を溶融押出することにより形成してもよい。
次に、透明性樹脂層上に上述の印刷法と同様の公知の印刷法によりプライマー層を形成することができる。得られたプライマー層上に、上述の方法によりベタ印刷艶調整層を設ければよい。
(ii)工程2
工程2は、ベタ印刷艶調整層上に、表面保護層を形成する工程である。表面保護層の形成方法については、公知の方法に従えばよい。例えば、上述の電離放射線硬化型樹脂等を含む組成物(塗料)を調製し、これをグラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布すればよい。
上記組成物の塗布量としては、特に限定されず、表面保護層の厚みが上記範囲になるよ
う適宜設定すればよい。
塗布後、形成された塗膜に対して、電離放射線を照射してもよい。電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、例えば可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等がある。特に電離放射線として、紫外線、電子線等を用いることができる。特に、前記表面保護層は、前記電離放射線硬化性樹脂を含む塗膜に対して電子線を照射することにより形成された層であることが好ましい。電子線を照射することにより、均一に樹脂架橋された表面保護層が確実に得られる。しかも、電子線照射により樹脂架橋する場合、光重合用開始剤を使用しなくても、安定的に前記樹脂を架橋・硬化できる点、紫外線照射による樹脂架橋とは異なり硬化反応速度が温度の影響をあまり受けない点等で有利である。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源を使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度の波長域を使用することができる。
電子線源としては、例えばコッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。電子線の加速電圧は、一般には100〜1000keV程度、好ましくは100〜300keV程度である。電子線の照射量は、通常2〜15Mrad程度であればよい。
本発明では、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)をベタ印刷艶調整層下に設けてもよい。この場合、ベタ印刷艶調整層と基材シートとの密着性が高くなるため好ましい。上記プライマー層の形成方法については限定されず、公知の方法に従えばよい。
本発明の化粧シートは、微粒子を含有するベタ印刷艶調整層を有し、当該ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であるので化粧シートのおもて面(表面保護層側の面)から見た際に、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層を介して視認されて低艶意匠を表現できるので、意匠性に優れている。
また、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層に被覆されており、化粧シート表面に露出していないので、化粧シートの表面に付着した汚れが拭き取り易く、耐汚染性にも優れている。
また、ベタ印刷艶調整層のおもて面の凹凸形状が表面保護層に被覆されることにより、化粧シート表面が擦れても突出した微粒子が削られ難く、擦れた箇所の艶が上がって傷が目立つことが抑制されており、耐傷性に優れている。
更に、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRaを0.5μm以上とすることにより低艶感を表現しているので、低艶感の表現のために表面保護層に多量に微粒子を含有させる必要がなく、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮することができる。
本発明の化粧シートは上述の構成であるので、化粧シートに要求される防滑性を備え、耐傷性、耐汚染性及び低艶感の表現による意匠性に優れており、特に、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮することができる。
本発明の化粧シートの一例を示す断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
(化粧シートの作製)
60μm厚のポリプロピレンシート(基材シート)のおもて面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、基材シートの裏面にグラビア印刷法でプライマー層(裏面プライマー層)を形成した。
次いで、基材シートのおもて面に木目模様柄の絵柄模様層をグラビア印刷により形成した。絵柄模様層上に2液硬化型ウレタン系樹脂からなる2μm厚さの接着剤層を形成し、該接着剤層面にポリプロピレン樹脂を押し出しラミネート塗工することによって、透明性樹脂層(厚さ80μm)を形成した。
次いで、その表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することによりプライマー層を形成した。
プライマー層上に、平均粒子径が8μmのシリカを含む印刷インキを用いてグラビア印刷を行い、ベタ印刷艶調整層を設けた。ベタ印刷艶調整層中のシリカの含有量は、ベタ印刷艶調整層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量%に対して50質量%であった。また、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)は、0.9μmであった。
次いで、グラビアコート方式により電離放射線硬化型樹脂(EB樹脂)を13μmの厚みで塗工し、酸素濃度200ppm以下の環境下において電子線照射装置を用いて、加速電圧175keV、5Mradの条件で電子線を照射して、表面保護層を形成した。表面保護層中の艶消し剤(シリカ)の平均粒子径は10μmであり、含有量は樹脂固形分100質量部に対して10質量部であった。
表面保護層に用いた電離放射線硬化型樹脂の配合は、以下のとおりである。
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Tg:25℃、分子量(Mn):1500) 80質量部
・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Tg:200℃以上、分子量(Mn):1500) 20質量部
最後に、表面保護層側を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、基材シート及び透明性樹脂層を柔らかくした後、直ちに熱圧によるエンボス加工を行い、木目模様の凹凸模様を賦形して化粧シートを作製した。
(化粧板の作製)
2.5mmの中密度木質繊維板(MDF)上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製リカボンドBA−10L (主剤):BA−11B (硬化剤)=100:2.5(質量比))を80g/mで均一に塗工し、各化粧シートを貼り合わせて、室温で3日間養生することにより化粧板を作製した。
実施例2及び3、比較例1及び2
表面保護層を形成する樹脂、艶消し剤(シリカ)の含有量を表1のように変更し、且つベタ印刷艶調整層のシリカの平均粒子径を変えることにより、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2及び3、比較例1及び2の化粧シート及び化粧板を作製した。
なお、実施例3及び比較例2の化粧シートの表面保護層に用いた防滑電離放射線硬化型樹脂(防滑EB樹脂)の配合は、以下のとおりである。
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Tg:25℃、分子量(Mn):1500) 68質量部
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Tg:−55℃、分子量(Mn):5000) 12質量部
・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Tg:200℃以上、分子量(Mn):1500) 20質量部
また、各化粧シートにおいて、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さは、JIS B0601:1982に準拠して測定した。
(評価方法)
≪60°グロス測定(低艶感評価)≫
JIS Z−8741に準拠した方法により、化粧シートの表面の60°グロスを測定した。60グロスの測定は、光沢度測定器((株)村上色彩技術研究所製 商品名:GMX−202)を用いて行った。
≪コインスクラッチ試験(耐傷性試験)≫
コイン(10円玉)が45°の角度で化粧板表面に接するようにして、上述のようにして作製した各化粧板の表面を強く1回擦り、表面状態を目視で確認した。以下の評価基準に従って評価した。
○:擦った部分の艶上がりが明らかでない
×:擦った部分の艶上がりが明らか
≪耐汚染性試験≫
JAS合板汚染B試験に準じて試験を行った。具体的には上述のようにして作製した各化粧板を切断して10cm角としたものを試験片とし、これを水平に置いた後、試験片の表面保護層面に赤色クレヨン(JIS S 6026に定めるもの)で幅10mmで10cm長さの直線を描き、2時間放置した後、乾いた布で拭き、表面状態を目視で観察した。以下の評価基準に従って評価した。
○:直線が拭き取れた
×:直線が拭き取れず汚染が残った
≪防滑性試験(O−Y・PSM)≫
上述のようにして作製した各化粧板に対して、東工大式滑り試験機(O−Y・PSM)を用いて、靴下による滑り抵抗値(C.S.R.値)を測定した。以下の評価基準に従って評価した。
◎:測定値が0.40以上
○:測定値が0.35以上0.40未満
△:測定値が0.30以上0.35未満
×:測定値が0.30未満
なお、数値が小さいほど滑りやすいことを示し、人間が快適と感じる滑り抵抗値の範囲は0.30以上0.50以下の範囲内である。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0006307792
表1の結果から明らかなように、ベタ印刷艶調整層及び表面保護層が積層され、ベタ印刷艶調整層が微粒子を含有し、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上である実施例1〜3は、60°グロスが低く、低艶感が表現されて意匠性に優れていた。また、コインスクラッチ試験、耐汚染性試験及び防滑性試験で良好な結果が得られており、耐傷性、耐汚染性及び防滑性に優れていた。また、表面保護層を形成する樹脂に防滑EB樹脂を用いた実施例3は、特に優れた防滑性を示しており、表面保護層に防滑性を示す樹脂を添加することにより防滑性を付与する場合には、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮できることが分かった。
一方、ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線表面粗さRaが0.4μmである比較例1及び2の化粧シートは、低艶感を表現するために表面保護層に艶消し剤であるシリカを多量に添加しなければならなかった。このため、表面保護層の表面にシリカ粒子が突出し、化粧シート表面に微細な凹凸形状が形成されて、汚れが付着した際に拭き取っても細部まで拭き取ることができず、汚れが取れ難くなり耐汚染性に劣っていた。また、シリカ粒子が突出した表面保護層の表面を擦ると、擦れた部分の突出した微粒子が削られて表面が平滑化し、擦れた部分の艶が上がって傷が目立ち、耐傷性に劣っていた。また、表面保護層を形成する樹脂に防滑EB樹脂を用いた比較例2は、防滑性試験の評価が○となっており、防滑性を示す樹脂の添加量に見合った防滑性を発揮できていなかった。
1.裏面プライマー層
2.基材シート
3.絵柄模様層
4.透明性接着剤層
5.透明性樹脂層
6.プライマー層
7.ベタ印刷艶調整層
8.表面保護層

Claims (10)

  1. 基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層された化粧シートであって、
    (1)前記ベタ印刷艶調整層は平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、
    (2)前記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であり、
    (3)前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の含有量が前記表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の、平均粒子径が10〜20μmである、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記微粒子の含有量は、ベタ印刷艶調整層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量%に対して30〜70質量%である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂層であり、且つ厚みが6μm以上である、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記表面保護層は、ガラス転移点(Tg)が0℃以下の電離放射線硬化型樹脂を含有する、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記ベタ印刷艶調整層は、厚みが0.5〜5.0μmである、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 前記ベタ印刷艶調整層の直下の層のおもて面側からエンボス加工されている、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 前記表面保護層側からエンボス加工されている、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 基材シート上に、少なくともベタ印刷艶調整層及び表面保護層がこの順に積層され、
    (1)前記ベタ印刷艶調整層は平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、
    (2)前記ベタ印刷艶調整層のおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であり、
    (3)前記表面保護層が艶消し剤を含有し、前記艶消し剤の含有量が前記表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である化粧シートの製造方法であって、
    以下の(i)及び(ii)の工程を含む、化粧シートの製造方法:
    (i)基材シート上に、平均粒子径が8〜20μmの微粒子を含有し、且つおもて面の中心線平均粗さRa(JIS B0601:1982)が0.5μm以上であるベタ印刷艶調整層を形成する工程1、
    (ii)ベタ印刷艶調整層上に、艶消し剤の含有量が表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して8〜14質量部である表面保護層を形成する工程2。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
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