JP5429129B2 - 耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シート - Google Patents

耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シート Download PDF

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Description

本発明は、耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シートに関する。
従来、樹脂製の床材用化粧シートの構成材料として、ポリ塩化ビニル樹脂シートが多用されている。ポリ塩化ビニル樹脂シートを用いる場合には、可塑剤の添加量調整により、シート硬度(硬質〜軟質)を容易に調整でき、しかもエンボス加工も容易に施せるという利点がある。
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却時に有害な黒鉛、塩素系ガス等を放出するおそれがあるため、近年では、ポリ塩化ビニル樹脂に代えて、塩素系ガス等を放出しないポリオレフィン系樹脂が用いられるようになってきている。
ポリオレフィン系樹脂を用いた床材用化粧シートとしては、例えば、特許文献1及び2において、ポリオレフィン系樹脂からなるバッカー層の上に、片面に印刷模様層及びプライマー層を順に形成した印刷シートを積層し、さらに印刷シート上にアイオノマー樹脂からなるクリアシートを積層し、バッカー層/印刷シート/クリアシートからなる3層を同時にラミネートしてなる床材用化粧シートが開示されている。かかる床材用化粧シートは、バッカー層側を各種被着材に貼着して床用化粧材とされる。なお、バッカー層は、床材用化粧シートに硬度、強度等を付与するために設けられる補強層である。
バッカー層を有する床材用化粧シートは、所定の硬度、強度等を発現し易く、優れた耐衝撃性を発揮する。
しかしながら、バッカー層を有する床材用化粧シートは、作製過程でバッカー層部分をそれ以外の部分(例えば、印刷シート)に貼り合わせる工程が必要であり、該工程では製品ロスが生じ易いという問題がある。
従って、バッカー層を形成しなくても所定の硬度、強度等を具備し、優れた耐衝撃性を発揮する床材用化粧シートの開発が望まれている。
現在では、優れた耐衝撃性に加えて、さらに耐スクラッチ性(耐擦り傷性)が高いことも求められている。これは、従来の突き板フローリングでは、サネ加工、溝加工等により生じた擦り傷、凹み傷等はサンディング(研磨)により殆ど消すことができるが、被着材に化粧シートを貼着してなる床材ではサンディングを施せないため、加工等により表面(意匠面)に生じた傷が最終製品の傷となってしまうためである。
特開平8−13740号公報 特開平8−1883号公報
本発明は、バッカー層を形成しなくても優れた耐衝撃性を発揮し、しかも優れた耐スクラッチ性も発揮する床材用化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリプロピレン系樹脂層及び表面保護層を形成することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シート並びに該化粧シートを用いた床用化粧材に係る。
1. ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性ポリプロピレン系樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層が順に形成されてなる床材用化粧シートであって、
(1)透明性ポリプロピレン系樹脂層の厚みが150μm以上であり、
(2)透明性ポリプロピレン系樹脂層のユニバーサル硬度が35N/mm以上であり、(3)透明性表面保護層のユニバーサル硬度が100N/mm以上である
ことを特徴とする床材用化粧シート。
2. ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性ポリプロピレン系樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層が順に形成されてなる床材用化粧シートであって、
(イ)透明性ポリプロピレン系樹脂層は、上段ポリプロピレン層と下段ポリプロピレン層との2層からなり、
(ロ)上段ポリプロピレン層の厚みが100μm以上であり、
(ハ)上段ポリプロピレン層のユニバーサル硬度が35N/mm以上であり、
(ニ)下段ポリプロピレン層の厚みが50μm以上であり、
(ホ)下段ポリプロピレン層のユニバーサル硬度が20N/mm以下であり、
(ヘ)透明性表面保護層のユニバーサル硬度が100N/mm以上である
ことを特徴とする床材用化粧シート。
3. 上段ポリプロピレン層の厚みが100〜300μmである上記項2記載の床材用化粧シート。
4. 基材シートと絵柄模様層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている上記項1〜3のいずれかに記載の床材用化粧シート。
5. 透明性表面保護層のおもて面に凹凸が形成されている上記項1〜4のいずれかに記載の床材用化粧シート。
6. 上記項1〜5のいずれかに記載の床材用化粧シートの基材シート側を被着材に貼着してなる床用化粧材。
以下、本発明の床材用化粧シート及び床用化粧材について詳細に説明する。
床材用化粧シート
本発明の床材用化粧シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性ポリプロピレン系樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層が順に形成されてなる床材用化粧シートであって、
(1)透明性ポリプロピレン系樹脂層の厚みが150μm以上であり、
(2)透明性ポリプロピレン系樹脂層のユニバーサル硬度が35N/mm以上であり、(3)透明性表面保護層のユニバーサル硬度が100N/mm以上である
ことを特徴とする。
(基材シート)
基材シートとしては、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。通常は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントに高結晶性で且つ高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテルを使用したブロックポリマーである。特に、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)とがあり、これらは任意に選択できる。例えば、被着材(化粧シートを接着する基材)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層(例えば、被着材の接着を容易とするための裏面プライマー層、絵柄模様層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。プライマー層を設けることにより、隣接層(例えば、被着材)との層間密着力を高めることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することによ
り形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましくは0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(絵柄模様層)
基材シートの上(被着材貼着面とは逆面、以下各層において同じ側を指す)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナ
イフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
(着色隠蔽層)
基材シートと絵柄模様層との間には、必要に応じて、さらに着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材の地色を隠蔽したい場合に設けられる。基材シートが透明性である場合は勿論、基材シートが隠蔽着色されている場合でも、隠蔽性を安定化するために形成してもよい。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.2〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
(透明性接着剤層)
絵柄模様層の上には、透明性接着剤層が形成されている。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。この接着剤層は、絵柄模様層と透明性ポリプロピレン系樹脂層とを接着するために形成されている。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布し、透明性ポリプロピレン系樹脂層(後記する上段ポリプロピレン層又は下段ポリプロピレン層)を構成する透明性ポリプロピレン系樹脂を塗工後、乾燥・硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
(透明性ポリプロピレン系樹脂層)
透明性接着剤層の上には、透明性ポリプロピレン系樹脂層(単独層)が形成されている。透明性ポリプロピレン系樹脂層は、厚みを150μm以上とし、ユニバーサル硬度を3
5N/mm以上とする。このような透明性ポリプロピレン系樹脂層を形成することにより、床材用化粧シートに高荷重領域耐スクラッチ性を付与することができる。
ここで、高荷重領域耐スクラッチ性が高いとは、化粧シート表面を高荷重(単位面積当たりの荷重が大きいことを意味する)で引っ掻く場合において、引っ掻き傷、圧痕等が生じ難いことを言う。高荷重領域耐スクラッチ性の程度は、例えば、鉛筆硬度試験(JIS
K 5600−5−4)、クレメンス試験等により評価することができる。
本明細書におけるユニバーサル硬度とは、薄膜コーティング、弾性素材等の硬度測定に有用なフィッシャースコープH100V(株式会社フィッシャー・インスツルメンツ製)を用いて測定した硬度である。該フィッシャースコープH100Vにより行う硬度測定は、いわゆるウルトラマイクロビッカーズ硬度試験法である。具体的には、圧子を試料表面(例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層)に押し込んで荷重をかけている状態で窪みの押し込み深さを直読し、試料硬度を測定する方法である。測定値(ユニバーサル硬度)は次のように規定される(参考:ISOテクニカルレポート)。圧子はダイヤモンド圧子(φ0.4mm ボール圧子)を使用し、試験荷重下での押し込み深さを測定する。ユニバーサル硬度は試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の表面積で除した比率で表示される。
ユニバーサル硬度(N/mm)=F/S
F:試験荷重(N)
S:試験荷重下でのボール圧子(φ0.4mm)の表面積(mm
透明性ポリプロピレン系樹脂層の厚みは150μm以上であればよいが、300μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましい。
透明性ポリプロピレン系樹脂層のユニバーサル硬度は35N/mm以上であればよいが、40N/mm以上が好ましい。
透明性ポリプロピレン系樹脂層は、透明性ポリプロピレン系樹脂を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により透明性接着剤層の上にラミネートしてもよく、また既成のフィルムを用いてもよい。
透明性ポリプロピレン系樹脂層は、上記では単独層(1層)であるが、必要に応じて、複層(2層以上)としてもよい。例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層を、後述する上段ポリプロピレン層と下段ポリプロピレン層との2層構成とすることにより、床材用化粧シートに高荷重領域耐スクラッチ性と後記低荷重領域耐スクラッチ性との両方を付与することができる。
以下、透明性ポリプロピレン系樹脂層を2層構成とする場合について説明する。
A.上段ポリプロピレン層
上段ポリプロピレン層は、耐スクラッチ性の中でも、特に高荷重領域耐スクラッチ性を得るために形成する。
上段ポリプロピレン層の厚みは100μm以上であればよく、100〜300μm程度が好ましく、特に250μm程度が好ましい。
上段ポリプロピレン層のユニバーサル硬度は35N/mm以上であればよく、40N/mm以上が好ましい。
B.下段ポリプロピレン層
下段ポリプロピレン層は、耐スクラッチ性の中でも、特に低荷重領域耐スクラッチ性を得るために形成する。ここで、低荷重領域耐スクラッチ性が高いとは、化粧シート表面を低荷重(単位面積当たりの荷重が小さいことを意味する)で引っ掻く場合において、引っ掻き傷、圧痕等が生じ難いことを言う。低荷重領域耐スクラッチ性の程度は、例えば、ホフマンスクラッチ試験により評価することができる。
下段ポリプロピレン層の形成方法は、上記した透明性ポリプロピレン系樹脂層の形成方法と同じでよい。必要に応じて、上段と下段とを同時押出しにより形成してもよい。
下段ポリプロピレン層の厚みは50μm以上であればよいが、100μm以上が好ましい。下段ポリプロピレン層の上限は限定的ではないが、200μm程度である。
下段ポリプロピレン層のユニバーサル硬度は20N/mm以下であればよいが、15N/mm以下が好ましい。
このような下段ポリプロピレン層を上段ポリプロプレン層に加えて形成することにより、床材用化粧シートに低荷重領域スクラッチ性を付与することができる。
上段ポリプロピレン層の表面であって、後記する透明性表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
また、必要に応じて、表面にプライマー層(表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましくは0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(透明性表面保護層)
透明性ポリプロピレン系樹脂層の上には、電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層が形成されている。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる表面保護層を形成することにより、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高めることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み
合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
これらの表面保護層は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
表面保護層は、例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂又
は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
表面保護層の硬度は、前記したユニバーサル硬度が100N/mm以上であればよく、好ましくは150N/mm以上である。表面保護層のユニバーサル硬度が100N/mm未満であると、十分な耐スクラッチ性が発揮できないおそれがある。なお、表面保護層まで形成した化粧シート全体のユニバーサル硬度は、45N/mm以上が好ましく、50N/mm以上がより好ましい。
表面保護層のおもて面(大気に露出している面)には、凹凸が形成されていてもよい。通常はエンボス加工により凹凸模様を形成する。エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、透明性アクリル系樹脂層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
床用化粧材
本発明の床材用化粧シートは、各種被着材と接合することにより、床用化粧材とできる。被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
このような被着体の形状は特に限定されず、通常はフローリング等への設置を考慮して平板とすればよい。
被着材と接合後は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の床材用化粧シートは、バッカー層を形成しなくても優れた耐衝撃性を発揮し、しかも優れた耐スクラッチ性も発揮する。
また、バッカー層を形成しなくてもよいため、床材用化粧シートの製造工程を容易化できるとともに、従来バッカー層形成工程において生じていた製造ロスを解消できる。
実験例1で作製した床用化粧材の模式図である。 実験例3で作製した床用化粧材の模式図である。
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実験例1
(床材用化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレンフィルム(基材シート)に印刷を施して絵柄模様層を形成した。
次いで、硬度を振り分けた0.3mm(300μm)厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルムをウレタン系ドライラミネート用接着剤で接着することにより透明性ポリプロピレン系樹脂層を形成した。
次いで、透明性ポリプロピレン系樹脂層の上に、ユニバーサル硬度170N/mmの電子線硬化型透明性表面保護層(15μm)を形成した。
次いで、透明性表面保護層側からエンボス加工を施して床材用化粧シートを作製した。(床用化粧材の作製)
床材用化粧シートの基材シート側に12mmラワン合板を貼着して床用化粧材を作製した。貼着にはウレタン変性エチレン・酢酸ビニル系エマルション接着剤(100g/mwet)を利用した。
(床用化粧材の耐スクラッチ性)
作製した床用化粧材の耐スクラッチ性を評価した。下記の鉛筆硬度試験及びクレメンス試験は高荷重領域耐スクラッチ性を評価するものである。また、ホフマンスクラッチ試験は低荷重領域耐スクラッチ性を評価するものである。各試験方法は次の通りである。
1.鉛筆硬度試験(高荷重評価)
鉛筆硬度試験機により試験を行った。試験機が水平位置のときに鉛筆の先が化粧シートに対して1000gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K 5600−5−4に準拠して試験を行った。
2.ホフマンスクラッチ試験(低荷重評価)
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、化粧材表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧材表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。
3.クレメンス試験(高荷重評価)
JIS K 5600−5−5に準拠して試験を行った。化粧材表面を引っ掻く針としては、ダイヤモンド製のものを用いた。
これらの試験結果を下記表1に示す。
Figure 0005429129
HU:ユニバーサル硬度(N/mm) PP:ポリプロピレン
*1:白化傷及び凹み傷が共に発生しない硬度
*2:白化傷が発生しない最大荷重(g)
*3:白化傷が発生しない最大荷重(g) これらの単位は以下同様とする。
実験例2
透明性ポリピロピレン系樹脂層のユニバーサル硬度を40N/mmに固定し、厚みを振り分けた以外は、実験例1と同様に床用化粧材を作製した。
作製した床用化粧材の耐スクラッチ性(鉛筆硬度)を評価した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005429129
実験例3
(床材用化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレンフィルム(基材シート)に印刷を施して絵柄模様層を形成した。
次いで、ユニバーサル硬度40N/mmの上段ポリプロピレン層及び硬度を振り分けた0.15mm厚の下段ポリプロピレン層を共押し出ししたフィルム(2層構成:層厚0.3mm)をウレタン系ドライラミネート用接着剤により接着した。
次いで、上段ポリプロピレン層の上にユニバーサル硬度170N/mmの電子線硬化型透明性表面保護層(15μm)を形成した。
次いで、透明性表面保護層側からエンボス加工を施して床材用化粧シートを作製した。(床用化粧材の作製)
床材用化粧シートの基材シート側に12mmラワン合板を貼着して床用化粧材を作製した。貼着にはウレタン変性エチレン・酢酸ビニル系エマルション接着剤(100g/mwet)を利用した。
(床用化粧材の耐スクラッチ性)
作製した床用化粧材の耐スクラッチ性(鉛筆硬度、ホフマンスクラッチ、クレメンス引き掻き)を評価した。評価結果を下記表3に示す。
Figure 0005429129
実験例4
上段ポリプロピレン層のHUを40N/mm、下段ポリプロピレン層のHUを15N/mmに固定して共押し出しし、上段/下段合わせて0.3mmとなるように両者をシーティングした他は、実験例3と同様にして床用化粧材を作製した。
(床用化粧材の耐スクラッチ性)
作製した床用化粧材の耐スクラッチ性(鉛筆硬度、ホフマンスクラッチ、クレメンス引き掻き)を評価した。評価結果を下記表4に示す。
Figure 0005429129
表4の末尾に、上段PP層の厚みを100μmとし、下段PP層の厚みを50μmとした場合の評価結果を併せて示した。評価結果は、上段PP層を100μmとし、下段PP層を50μmとした場合でも床材用化粧シートとして有用性が高いことを示している。
実験例5
下段ポリプロピレン層をHU:15N/mm、厚み50μmに固定し、上段ポリプロピレン層(HU:40N/mm)の厚みを振り分けて両層を共押し出しし、シーティングした以外は、実験例3と同様にして床用化粧材を作製した。
(床用化粧材の耐スクラッチ性)
作製した床用化粧材の耐スクラッチ性(鉛筆硬度、ホフマンスクラッチ、クレメンス引き掻き)を評価した。評価結果を下記表5に示す。
Figure 0005429129
(床用化粧材の耐衝撃性)
表5記載の化粧材(3種)の耐衝撃性をデュポン衝撃試験機(JIS K 5600−5−3に準拠)を用いて評価した。具体的には、30cmの高さから規定重量の錘を化粧
材表面に落下させて凹み量を測定することにより評価した。評価結果を下記表6に示す。
Figure 0005429129
なお、従来品のバッカーを有する床材は、同衝撃試験により凹み量が約250μmであり、本発明の床用化粧材はほぼ同等の耐衝撃性を有することが分かる。従来品の突き板フローリングの場合には、表面が硬く、衝撃を緩衝し難いため塗膜が割れ易く約400μmの凹み量となる。
実験例6
電子線硬化型透明性表面保護層を2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層に代えて、実験例1〜5を行った。
各評価結果は、表1〜表6に示されたものと同程度であった。表面保護層は、電子線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂のどちらから形成しても同程度の効果が得られることが分かった。
1.透明性表面保護層
2.透明性ポリプロピレン系樹脂層(図2では上段ポリプロピレン層)
3.絵柄模様層及び透明性接着剤層
4.基材シート
5.接着剤層
6.ラワン合板
7.下段ポリプロピレン層

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性ポリプロピレン系樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層が順に形成されてなる床材用化粧シートであって、
    (1)透明性ポリプロピレン系樹脂層の厚みが300μm以上であり、
    (2)透明性ポリプロピレン系樹脂層のユニバーサル硬度が35N/mm以上であり、(3)透明性表面保護層のユニバーサル硬度が100N/mm以上である
    ことを特徴とする床材用化粧シート。
  2. 基材シートと絵柄模様層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている請求項1に記載の床材用化粧シート。
  3. 透明性表面保護層のおもて面に凹凸が形成されている請求項1又は2に記載の床材用化粧シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の床材用化粧シートの基材シート側を被着材に貼着してなる床用化粧材。
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