JP7003396B2 - 床用化粧シートおよび床用化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、防滑性を有する床用化粧シートおよび床用化粧材に関する。
近年の屋内あるいは屋外の建造物床面にはフローリング材が多く用いられている。フローリング材の多くは突き板に塗装を施したものであるが、木目のデザイン性や自然な風合いを持つ一方で、実用に際しては耐傷性、耐汚染性、耐候性などの表面性能が要求されることから、最近の床材は木質系基材に化粧シートをラミネートしたものも多く用いられる傾向にある。
建築材料である床材への要求品質には建築基準法をはじめとした法令に基づくもの、またエコマークやJIS等の規格に基づくものなどがあり、さらに実用上の耐候性、耐傷性、耐汚染性などさまざまな要求品質にあわせて材料設計を行い、また表面形状や光沢などの仕上げを選ぶ必要がある。
一方、実用上の要求性能を満たすと同時に、利用者の住環境に対する意識の高まりから、床材に対しても安全性や快適性あるいは環境配慮の観点から新たな要求が出始めている。そのひとつが防滑性である。これはたとえばJIS-A1454「高分子系張り床材試験方法」によって測定され、C.S.R.値によって示される歩行を想定したすべりにくさの基準値で表現される。
屋外、特に階段やバルコニー、マンション廊下などの用いられる床用のシートに関しては、従来より表面に凹凸を施したさまざまな床材が実用化されている。そのひとつとして基材上に盛り上がり印刷模様部を形成し、この印刷模様部の表面に、架橋樹脂からなる点状防滑小突起群を、印刷を用いて形成して一体的に固着したノンスリップ床材が知られている。
防滑に対する要求は別の角度からも提起されており、例えば室内でペット特に犬を飼う際に、フローリングのすべりがペットの歩行を妨げ、脚の骨や関節に異常をきたしたり、ストレスになっていたりする場合があるという問題がある。これはフローリングのみならず床用シートにも共通の課題である。
これに対応してフローリングまたは床用シートの表面に専用のスリップ防止ワックスを塗るという対応もなされているが、床全体の塗布にはコストがかかる上、煩雑であり、その上、定期的に塗りなおさなくてはならないという問題がある。
ペットとフローリング、床用シートの問題はそれだけにとどまらず、特に犬を室内で飼育する場合には、歩行に際してのフローリングおよび床用シートと脚の爪の接触音や擦り音が不快な音として聞こえることが問題とされることがある。
特開2007-135482号公報 特開2013-217066号公報
従来、コーティング中に防滑フィラー等を入れ防滑性を付与する手法もあったが、擦れ等で、フィラーが滑落した場合、防滑性が低下する場合がある。
また、表面の凹凸差を大きくして、防滑性を出す手法もあるが、足触り感等の触感性が悪くなり、意匠的にも悪くなる。
本発明は、擦れ等での防滑性の低下を抑制しつつ、触感性、意匠性を従来の床材と大差なく再現できる床用化粧シートを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様の床用化粧シートは、基材シートの表面側に、印刷層及び熱可塑性樹脂層がこの順に設けられた床用化粧シートであって、上記熱可塑性樹脂層の表面に複数の凸部が形成され、平面視における上記各凸部の面積は、その面積を正方形形状に換算した場合に、1辺が25μ以上60μ以下であり、1mm当りの上記凸部の数が、70個以上160個以下であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記のように凸部を特定することで、擦れ等での防滑性の低下を抑制しつつ、触感性、意匠性を従来の床材と大差なく再現できる。
特に、靴下、ストッキング等での歩行や、ペット、特に犬や猫の歩行時における好適な防滑性を提供可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る床用化粧シートおよび床用化粧材を説明するための模式的断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の床用化粧材10は、図1に示すように、床用基材8の一方の面(表面)に化粧シート1が設けられ構成される。
<床用基材8>
床用基材8は、例えば木質基材や金属合板からなる。木質基材としては、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、パーティクルボード(PB)、針葉樹合板及び早成樹合板の一つ、又はこれらの板から選択された2以上の板を積層して構成される基材が例示出来る。
床用基材8の厚みは特に限定的ではないが、例えば2~15mmである。
床用基材8が木質基材の場合には、床用基材8の他方の面(裏面)に防湿フィルムを設けて、防湿性を持たせても良い。防湿フィルムは、透湿度が7g/m・24時間以下となっていることが好ましい。透湿度は、JIS Z0208(透湿度試験方法(カップ法))に準じて、温度40℃、湿度90%RH環境下での測定値である。防湿フィルムは、例えば樹脂製の基材層と、その基材層上に形成された蒸着層とを有する。防湿フィルムの基材層は、樹脂製であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート-イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂;ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂;ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。蒸着層としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物薄膜からなる無機酸化物蒸着層が挙げられる。蒸着層のガスバリア性を一層向上させる目的で、蒸着層上に表面保護層を設けることが好ましい。
<床用化粧シート1>
床用化粧シート1は、基材シート2の表面側に、印刷層3(ベタインキ層・柄インキ層)、熱可塑性樹脂層4及びトップコート層6がこの順に設けられている。熱可塑性樹脂層4の表面には、後述のようにエンボスその他によって複数の凸部5が形成されている。トップコート層6は、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方を主成分とする。
また、基材シート2の裏面の床用化粧材10を貼り付ける面にはプライマー層7が形成されている。印刷層3と熱可塑性樹脂層4との間に、接着性その他の機能を付与する目的でウレタン樹脂系接着剤層や透明接着性樹脂層を設けても良い。
[基材シート2]
基材シート2としては、例えば、紙、織布又は不織布、樹脂シートを1層若しくは複数層積層して構成される。紙としては、薄紙、上質紙、クラフト紙、和紙、チタン紙、樹脂含浸紙、紙間強化紙等の紙が例示出来る。織布又は不織布としては、木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維等からなる織布又は不織布が例示出来る。樹脂シートとしては、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン等の合成樹脂シートが例示できる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点でポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。樹脂のグレードや組成は、そのほかにシーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。
基材シート2の厚さは、20~300μm程度が好ましい。基材シート2は、必要に応じて着色されていてもよい。また、表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
[印刷層3]
印刷層3は、柄インキ層やベタインキ層から構成される。印刷層3は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法により形成できる。柄インキ層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様等が挙げられる。ベタインキ層は、着色インキのベタ印刷により得られる。印刷層3は、柄インキ層およびベタインキ層の片方、又は両方から構成される。
印刷層3に用いるインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが使用できる。この中でも、環境問題、被印刷面との密着性等の観点より、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上の混合物が好ましい。
[熱可塑性樹脂層4]
熱可塑性樹脂層4は、透明性を有する熱可塑性樹脂により好適に形成できる。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂層4は、印刷層3の一部が視認可能な程度に着色されていてもよい。この場合は、熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、印刷層3で用いる顔料又は染料が使用できる。
熱可塑性樹脂層4には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
[トップコート層6]
トップコート層6は、化粧シート1に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。このトップコート層6を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂を主成分として樹脂が好ましい。主成分とは、全体の70体積%以上を指す。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。トップコート層6は、熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型樹脂との混合樹脂から構成されても良い。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂でトップコート層6を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、固形分で概ね5~30μm、好ましくは5~20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190~380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100~1000keV程度が好ましく、100~300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2~15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル-N、N-ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1~10質量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、固形分として概ね5~30μm、好ましくは5~20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成されたトップコート層6に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1~80質量部程度である。
[その他]
各層の積層は、例えば、基材シート2の一方の面に印刷層3(ベタインキ層、柄インキ層)を順に印刷により形成後、印刷層3上に2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介して透明性の熱可塑性樹脂層4をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、さらにトップコート層6を形成する方法により行える。
ここで、化粧シート1は、最下層(床用基材8と接着する層)に厚さ100μm以上の合成樹脂層(いわゆるバッカー層)を有していてもよい。なお、バッカー層は、床用化粧材1010において衝撃吸収等を目的とした緩衝層を意味する。
化粧シート1と床用基材8との積層(貼付)する際は、公知の接着剤が使用できる。床用基材8が木質系基材の場合には、接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1~50μm程度が好ましい。
<凸部5>
本実施形態の床用化粧材10は、化粧シート1側の表面には、複数の凸部5が形成されている。
平面視における上記各凸部5の面積は、その面積を正方形形状に換算した場合に、1辺が25μm以上60μm以下の範囲である。さらに、平面視における1mm当たりの凸部5の数は、70個以上160個以下の範囲とする。複数の凸部5の配置はランダムであることが好ましい。ランダム配置は、例えば乱数計算によって決定する。凸部5がランダム配置となっていると、ストッキングでの歩行やペット等の歩行等に伴う不快な擦り音が抑制される。
各凸部5の形状は、角柱や円柱などの柱状若しくは円錐台や角錐台など錐台状であり、上面の形状が、正方形その他の正多角形状若しくは真円や楕円形などの円形状の一方からなることが好ましい。凸部5の上面は平坦でも良いし、半球状に盛り上がっていても良い。上記の面積を正方形形状に換算する位置は、凸部5の上面位置とする。
凸部5の形成方法は、例えばエンボス型を用いて加熱、加圧して熱可塑性樹脂層4の表面に凹凸形状を形成する方法(いわゆるエンボス加工)などでもよい。押出し機により熱可塑性樹脂層4を形成する場合は、押出しの直後にエンボスロールなどによって、熱可塑性樹脂層4の表面に凸部5を形成することができる。
この凸部5が、例えば千鳥格子のような等間隔で規則性のある配置の場合には、ペット等の歩行等に伴う擦り音が同じ周波数で発生し共鳴し増幅して、不快な擦り音として人間の耳に感じられる。本実施形態では、凸部5がランダムに配置されていることによって、擦り音の周波数は均一ではなくなり、擦り音の共鳴、増幅が抑制される。このため、耳に聞こえる不快な擦り音の抑制を実現することができる。
その各凸部5の高さは20μm以上80μm以下の範囲である。凸部5の高さが20μm未満では防滑性能が劣り、80μmより大きいと凸部5形状の形成が難しい等の製造工程が困難となる。高さは、形成された凹凸のうち、隣り合う凸部5と凹部との高低差でもある。
室内の実験において、靴下、ストッキングを履いての人歩行や、犬が歩行する際に、直径が25μm以上60μm以下で且つ1mm当たりの凸部5の数が70個以上160個以下の範囲内で、特に防滑性と足触り感が優れているとの知見を得たため、本発明では、この範囲に限定している。
また、この凸部5を形成した熱可塑性樹脂層4の最表面にトップコート層6を設ける場合には、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、若しくは電子線硬化型樹脂などの架橋型の樹脂を用いることで、防滑を有する床用化粧シート1の耐候性、耐傷性、耐汚染性などを強化することができる。なお、熱可塑性樹脂層4の表面に形成された凸部5の形状は、その上に形成されるトップコート層6に反映され、トップコート層6の表面にも凸部5が形成される。
以上のような床用化粧材10は、床暖房用床材としても使用可能である。この場合には、例えば床用化粧材10の下側に、通湯パイプなどの暖房手段を備えた暖房器具が配置されるが、防湿フィルムを設ける事で、暖房器具からの湿気による床用化粧材10の反りが防止されて、滑り防止効果の経年的な劣化をより有効に防止可能となる。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態は以下の効果を奏する。
(1)正方形形状に換算して、表面(上面)に一辺が25μ以上60μ以下の凸部5の形状を持つ床用化粧シート1において、1mm当りの凸部5の突起数が、70個以上160個以下である。この構成によれば、靴下、ストッキング等、室内を想定した防滑性が向上する。
(2)凸部5がランダムに配置してある。この構成によれば、ストッキングやペットの足等との擦れ等による不快な干渉音が軽減される。
(3)表面に、硬化型樹脂からなるトップコート層6を設けてある。この構成によれば、化粧シート表面の磨耗、傷等の表面耐久性が向上する。
(4)そして、以上のような防滑床用シートを床用基材8に貼り合わせることにより、防滑性、耐久性の兼ね備えた床材が提供される。
次に、本発明に基づく実施例について説明する。
<床用化粧シート1>
(実施例1)
本発明に基づく防滑床用化粧シート1を下記の材料と手順で作成した。層構成は図1に示したとおりである。
ポリプロピレン製の基材シート2として厚さ70μmの顔料配合ランダムポリプロピレンシート(リケンテクノス社製)を用いた。その基材シート2に対し、グラビア印刷によって、ウレタンインキ(東洋インキ製造製ラミスター)を用いて木目柄を形成して、印刷層3とした。
更に、印刷層3上に、ポリプロピレン製の透明熱可塑性樹脂層4としてホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製)を押出し機によって形成し、押し出すと同時にエンボス版を用いて透明熱可塑性樹脂層4の表面に凸部5を形成した。
使用したエンボス版は、凹エンボス版であってセル形状が間口60μm角、底部25μ画の正方形であり、深さ45μmの深度である。配置は正規乱数によってランダムな配置とし、突起数は1mm当たり80個とした。
続いて、凸部5を形成した熱可塑性樹脂層4の上に、トップコート層6として紫外線硬化型樹脂(DICグラフィック社製ウレタンアクリレート樹脂)を5μmの厚さになるよう塗布し、メタルハライドランプにて紫外線照射を行って硬化させて、実施例1の床用化粧シート1とした。
(比較例1)
凸部の突起数が1mm当たり50個とした以外は、実施例1と同じ材料と手順で比較例1の防滑床用化粧シート1を作成した。
(比較例2)
凸部の突起数が1mm当たり256個とした以外は、実施例1と同じ材料と手順で比較例2の防滑床用化粧シート1を作成した。
(比較例3)
凸部の下部での1辺を15μ以上30μ以下の範囲で、突起数が1mm当たり100個とした以外は、実施例1と同じ材料と手順で比較例3の防滑床用化粧シート1を作成した。
(比較例4)
凸部の下部での1辺を65μ以上100μ以下の範囲で、突起数が1mm当たり71個とした以外は、実施例1と同じ材料と手順で比較例4の防滑床用化粧シート1を作成した。
<評価方法および評価基準>
実施例1および各比較例の防滑床用化粧シート1を床用基材8である厚み3mmのMDF(広葉樹)の表面に接着剤として2液水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製「リカボンド」(重量比BA-10L/BA-11B=100:2.5))をウェット状態で100g/mに塗工した後貼り合わせ、24時間養生することで、それぞれ床用化粧材10とした。
そして、これらの床用化粧材10を以下の方法により評価した。
(評価1)防滑性能評価
JIS-A1454に準じて試験を行い、C.S.R.値を求めた。
評価基準は次の通りである。
評価基準:
C.S.R値 0.38以上: 合格
C.S.R値 0.37以下: 不合格
(評価2)足触り感評価
官能試験にて評価した。評価は10人の試験員で行った。なお、試験員はストッキングを着用している。
評価基準は、良いとした人0人・・・「×」とし、1~6人・・・「△」とし、7~10人・・・「○」とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007003396000001
表1から分かるように、本発明の範囲では、防滑性能及び足触り感が共に良好となる。
ここで、実施例1において、1mm当たりの突起数を70個と160個としてそれぞれ評価したところ、実施例1と同等の評価が得られた。
1 床用化粧シート
2 基材シート
3 印刷層
4 熱可塑性樹脂層
5 凸部
6 トップコート層
8 床用基材
10 床用化粧材

Claims (4)

  1. 基材シートの表面側に、印刷層及び熱可塑性樹脂層がこの順に設けられた床用化粧シートであって、
    上記熱可塑性樹脂層の表面に複数の凸部が形成され、
    上記凸部の高さは、20μm以上80μm以下の範囲内であり、
    平面視における上記各凸部の面積は、その面積を正方形形状に換算した場合に、1辺が30μmを超えるとともに60μm以下であり、
    1mm当りの上記凸部の数が、70個以上160個以下であり、
    上記複数の凸部は、ランダムに配置されており、
    上記複数の凸部のランダムな配置は、正規乱数を用いた乱数計算によって決定されており、
    上記凸部の形状は、柱状又は錐台状であり、
    上記凸部の上面の形状は、正多角形状又は円形状であることを特徴とする床用化粧シート。
  2. 上記基材シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂基材であることを特徴とする請求項1に記載した床用化粧シート。
  3. 上記凸部が形成された熱可塑性樹脂層の上にトップコート層を有し、
    上記トップコート層は、熱硬化性樹脂または電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方を主成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した床用化粧シート。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の床用化粧シートの裏面に、プライマー層が形成されると共に床用基材が貼り合わされた床用化粧材。
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