JP2015192098A - ソレノイド - Google Patents

Abstract

【課題】 従来のソレノイドは、異物はオイルと一緒に呼吸通路を介して、プランシャ収容室の内部に流入し、プランジャとステータコアとの摺動クリアランスに異物が噛み込んだ場合、ステータコアに対するプランジャの円滑な移動が阻害されるため、プランジャの作動不良を引き起こすという課題があった。【解決手段】 ソレノイドＳは、ストッパ呼吸通路６３のオイル導流部近傍が、コイル９のＯＮ時に形成される磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域６９に形成されている。これにより、鉄系の磁性異物が、磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する漏れ磁束により吸着されるため、ソレノイドＳの外部からストッパ呼吸通路６３を通って第２容積変化室４４へ異物が侵入し難くなる。したがって、プランジャ８とヨーク１２との摺動クリアランスへの異物噛み込みによる作動不良を防止できる。【選択図】 図１

Description

本発明は、シャフトを介してバルブを開閉駆動するソレノイドに関するもので、特に自動変速機に用いられるソレノイドバルブの弁体を開閉駆動するソレノイドアクチュエータの作動信頼性の向上に係わる。

［従来の技術］
従来より、自動変速機の油圧制御装置には、オイルを貯留するオイルパンと、複数の油路を有するバルブボディと、このバルブボディの油路と共に油圧回路を構成するソレノイドバルブ（電磁弁）とが設けられている。
電磁弁は、バルブボディと共にオイルパンのオイル中に浸漬されており、スプールバルブやボールバルブ等の弁体と、この弁体を駆動するソレノイドアクチュエータ（以下ソレノイド）とを備えている（例えば、特許文献１参照）。

ソレノイドは、磁力によって軸線方向に駆動されるプランジャと、通電されると周囲に磁束を発生するコイルと、このコイルの内周側に磁路を形成する筒状のステータコアと、コイルの外周側に磁路を形成する有底筒状のヨークと、コイルと外部回路との接続を行うための外部接続用コネクタとを備えている。
ソレノイドは、コイルの発生磁力によってプランジャをステータコアの磁気吸引部に引き寄せることで、弁体を軸線方向へ駆動するように構成されている。

また、特許文献１には、コイルの発生磁力によってプランジャおよびヨークと共に励磁（磁化）されるステータコアのガイド孔内をプランジャが直接摺動するリングコアタイプのソレノイドを備えた電磁弁が開示されている。
ところで、ソレノイドの作動時において、プランジャを往復摺動可能に収容するプランジャ収容室の容積変化（呼吸作用）によるへばり付きを防止するために、ソレノイド外部からプランジャ収容室にオイル供給経路を確保するという目的で、特許文献１の電磁弁には、ソレノイド外部と連通する外部連通口からプランジャ収容室と連通する内部連通口に至るまでの呼吸通路が設けられている。

ここで、プランジャ収容室は、プランジャの両端の空間（プランジャ前空間＝第１容積変化室、プランジャ後空間＝第２容積変化室）を含んでいる。
また、特許文献１に記載のソレノイドは、第２容積変化室の容積変動に伴い呼吸通路を通って第２容積変化室に出入りされる作動油中の異物が呼吸通路内を往復移動している間に、呼吸通路中の重力方向の下方側に沈降することによって、大部分の異物が除去され、直ちに先端液室内に入ることはない。

［従来の技術の不具合］
ところで、電磁弁がバルブボディと共に浸漬されているオイル中には、自動変速機の変速機構の摩耗等により発生した金属摩耗粉（鉄系の磁性異物、コンタミ）等の異物が混入している。そして、このような異物はオイルと一緒に呼吸通路を介して、プランシャ収容室の内部に流入した場合、特にプランジャとステータコアとの間の摺動クリアランスに異物が噛み込んだ場合には、ステータコアに対するプランジャの円滑な移動が阻害されるため、プランジャの作動不良（動作不良）を引き起こす可能性がある。

また、特許文献１に記載のソレノイドにおいては、微少な異物に関しては沈降速度が遅くなるため、微少な異物が沈降するまでの間にプランジャが移動すると、微少な異物が第２容積変化室内へ侵入（流入）する可能性がある。
そして、第２容積変化室内に微少な異物が侵入した場合には、プランジャの外周面とステータコアのガイド孔の孔壁面との間の摺動部（摺動クリアランス）に微少な異物が噛み込む可能性がある。
そして、摺動クリアランスに微少な異物が噛み込むと、ステータコアのガイド孔に対するプランジャの軸線方向への円滑な（スムーズな）往復運動が妨げられて、プランジャおよびシャフトの動作不能（バルブロック）または動作不良が発生する可能性がある。

特開２００９−１８０２６１号公報

本発明の目的は、プランジャガイドの内周側で、且つ固定子のコアとストッパとの間に形成されるプランジャ収容室内への異物の侵入（流入）を抑制して、プランジャの動作不能（バルブロック）または動作不能の発生を防止することのできるソレノイドを提供することにある。

請求項１に記載の発明（ソレノイド）によれば、プランジャとの間に容積変化室を形成するストッパに、容積変化室の内部とソレノイド外部とを区画する隔壁を設け、この隔壁を貫通して容積変化室の内部と外部とを連通する呼吸通路を設けている。この呼吸通路の近傍、あるいは一部または全部は、コイルを通電することで発生した磁束の通路である磁気回路から漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域に形成されている。
これによって、磁気印加領域に入った異物（例えば鉄系の磁性異物）は、磁気回路から漏洩する漏れ磁束により吸着されるため、ソレノイド外部から呼吸通路を通って容積変化室へ異物が侵入し難くなる。
したがって、プランジャとプランジャガイドとの間の摺動クリアランスへの異物の侵入を抑制できるので、異物噛み込みによるプランジャの動作不能（バルブロック）または動作不能の発生を防止することができる。

自動変速機のオイルパン内にソレノイドバルブを配置した状態を示した模式図である（実施例１）。 （ａ）はソレノイドバルブを示した断面図、（ｂ）はソレノイドを示した平面図である（実施例１）。 （ａ）はコイルＯＦＦ時のソレノイドバルブの状態を示した断面図で、（ｂ）はコイルＯＮ時のソレノイドバルブの状態を示した断面図である（実施例１）。 （ａ）はソレノイドバルブを示した断面図、（ｂ）はソレノイドを示した平面図である（実施例２）。 （ａ）はコイルＯＦＦ時のソレノイドバルブの状態を示した断面図で、（ｂ）はコイルＯＮ時のソレノイドバルブの状態を示した断面図である（実施例２）。

以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。

［実施例１の構成］
図１ないし図３は、本発明を適用したソレノイドを備えたソレノイドバルブ（実施例１）を示したものである。

本実施例のソレノイドバルブ（電磁油圧制御弁、電磁制御弁、電磁弁）は、自動変速機の油圧制御装置に設置されている。
油圧制御装置は、例えば自動車等の車両に搭載される自動変速機の変速制御に使用されるものである。この油圧制御装置は、オイルパン１のオイル貯留室内に貯留されたオイルを吸入して圧送するオイルポンプ（図示せず）と、オイルパン１のオイル貯留室内に設置されて、複数の油路を有するバルブボディ２と、このバルブボディ２に組み込まれて、バルブボディ２の油路と共に油圧回路を構成する複数のソレノイドバルブと、ドライバー等から要求された変速状態を実現するように複数のソレノイドバルブを通電制御する制御ユニット（電子制御装置：ＴＣＵ）とを備えている。

オイルパン１は、自動変速機に使用する作動油（オイル）を貯留するオイル貯留室を有する貯留槽である。このオイルパン１は、自動変速機ケース（トランスミッションケース）の下部に取り付けられている。なお、オイルパン１の代わりにオイルタンクを使用しても構わない。
自動変速機ケースの内部には、ポンプ、タービンおよびステータ等により構成されるトルクコンバータと、このトルクコンバータのタービンに接続される多段歯車式の変速機構とが収容されている。変速機構は、油圧制御装置から供給される油圧（オイルプッシャー）に応じて係合または解放される複数の摩擦係合要素（クラッチまたはブレーキ）を備えている。
そして、自動変速機は、各摩擦係合要素の係合または解放の組み合わせに従ってシフトレンジが切り替わる。これにより、自動変速機の変速制御が実行される。

バルブボディ２には、オイルポンプの吐出側に接続する複数のオイル供給流路（油路Ｌ１）が形成されている。これらの油路Ｌ１のオイルの流れ方向の下流端には、複数のソレノイドバルブがそれぞれ設置されている。また、バルブボディ２には、複数のソレノイドバルブの出力側とオイルの供給先または自動変速機のクラッチ（またはブレーキ）の油圧サーボとを接続する複数のオイル供給流路（油路Ｌ２）が形成されている。

複数のソレノイドバルブは、バルブボディ２と共にオイル中に浸漬されている。これらのソレノイドバルブは、オイルの油圧を調圧してクラッチ（またはブレーキ）の油圧サーボへ出力するリニアソレノイドバルブと、オイルの供給先の切り替えを行うリレーバルブに駆動用の圧力信号を出力するオンオフソレノイドバルブとを有している。
複数のソレノイドバルブのうちの少なくとも１つのソレノイドバルブは、圧力流体である作動油（オイル）の油圧を調圧して出力する油圧制御バルブユニット（以下油圧制御バルブＶ）と、この油圧制御バルブＶの第１、第２弁体（ボールバルブ４、ブリードバルブ５）および共通の弁軸（バルブシャフト６）をその軸線方向の一方側（先端側）に駆動する電磁アクチュエータ（以下ソレノイドＳ）とによって構成されている。

油圧制御バルブＶは、バルブボディ２のバルブ挿入溝（凹部）内に嵌合配置される円筒状のバルブスリーブ（バルブハウジング：以下ハウジング３）と、このハウジング３の内部に往復移動可能に収容された第１、第２弁体（ボールバルブ４、ブリードバルブ５）と、ハウジング３の軸線方向に真っ直ぐに延びる軸方向孔（内孔）内に往復移動（摺動）可能に嵌挿支持されると共に、ボールバルブ４、ブリードバルブ５と一体移動可能なバルブシャフト６と、ボールバルブ４、ブリードバルブ５およびバルブシャフト６をハウジング３の軸線方向の一方側（先端側）に対して反対側の基端側（ソレノイド側）へ付勢するリターンスプリング７とを備えている。

ソレノイドＳは、非磁性体製のバルブシャフト６を介してボールバルブ４およびブリードバルブ５と一体移動可能に連結した磁性体製の可動子（以下プランジャ８）と、通電されると周囲に磁束を発生するソレノイドコイル（以下コイル９）と、このコイル９の内周側および外周側等に磁路を形成する磁性体製の固定子（以下ステータコア１１、ヨーク１２、リングコア１３）と、プランジャ８の軸線方向の一方側（先端側）に対して反対側の基端側への移動を規制するストッパプレート１４、コイル９と外部回路（外部電源や外部制御回路：ＴＣＵ）との接続を行うための外部接続用コネクタ１５とを備えている。
なお、ソレノイドＳの詳細は、後述する。

油圧制御バルブＶは、上述したように、ハウジング３、ボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６およびリターンスプリング７等を備えている。
ハウジング３は、その軸線方向の基端側にステータコア１１の機能を有し、コイル９が通電されると励磁（磁化）される磁性金属（例えば鉄等の強磁性材料）によって円筒形状に形成されている。このハウジング３の内部には、軸線方向に真っ直ぐに延びる軸方向孔が形成されている。この軸方向孔のうちで内径の大きいシャフトガイド孔（以下ガイド孔１６）は、バルブシャフト６が直接摺動する摺動孔である。
すなわち、ハウジング３の内部（内周）には、バルブシャフト６の外周面（摺動面）が直接摺動する断面円形状のガイド孔１６が形成されている。

ハウジング３は、軸方向孔の周囲を円周方向に取り囲むと共に、ハウジング３の基端側（ソレノイド側）から先端側（入力ポート側）へ向けて軸線方向に真っ直ぐに延びる円筒状の外周壁１７、１８を備えている。これらの外周壁１７、１８の内部には、断面円形状の軸方向孔が形成されている。
外周壁１７は、バルブボディ２のバルブ挿入溝内に嵌挿される大径周壁であって、外周壁１８よりも外径が大きい。また、外周壁１８は、バルブボディ２の外部、つまりバルブボディ２の外面からオイルパン１のオイル貯留室内のオイル中に突出するように設けられた小径周壁であって、外周壁１７よりも外径が小さい。また、外周壁１７、１８間には、リングコア１３の位置決めを行うための円環状の段差（面）１９が形成されている。

ハウジング３には、オイルが流出入する複数のオイル給排ポートが、ハウジング３の外周壁１７の内外を連通している。これらのオイル給排ポートは、ハウジング３の外周面（外部）と軸方向孔の内部とを連通している。
複数のオイル給排ポートは、１つの入力ポート２１、複数（２〜４、２つ以上）の出力ポート２２、および複数（２〜４、２つ以上）のドレイン（排出）ポート２３を備えている。
入力ポート２１は、オイルポンプから油路Ｌ１を経てオイルの入力圧を軸方向孔の内部（入力室２４）へ入力するＩＮポート（オイル供給ポート）である。この入力ポート２１は、油路Ｌ１と入力室２４とを、軸方向孔の軸線方向と同一方向に連通している。

出力ポート２２は、オイルの入力圧を所定の出力圧に調圧して軸方向孔の内部（第１弁孔２５）から油路Ｌ２を介してクラッチ（またはブレーキ）の油圧サーボへ出力するＯＵＴポートである。この出力ポート２２は、軸方向孔の内部と油路Ｌ２とを軸方向孔の軸線方向に対して略垂直な半径（放射）方向に連通している。
ドレインポート２３は、入力ポート２１または出力ポート２２から軸方向孔の内部（第２弁孔２６、排出（ドレイン）室２７）に流入したオイルを、ドレイン室２７の内部からオイルパン１のオイル貯留室内へ直接排出するＤＲＡＩＮポートである。

また、第１弁孔２５の周縁部を形成する円環状の仕切り壁３１の中央部には、コイル９への通電停止（ＯＦＦ）時、つまりゼロリフト時にボールバルブ４が着座する円環状の第１弁座（以下バルブシート３２）が一体的に設けられている。このバルブシート３２には、仕切り壁３１のエッジラインからソレノイド側へ向かって孔径が徐々に縮径する円錐台形状の円錐面が設けられている。
また、第２弁孔２６の周縁部を形成する円環状の仕切り壁３３の中央部には、コイル９への通電（ＯＮ）時、特にフルリフト時にブリードバルブ５が着座する円環状の第２弁座（以下バルブシート３４）が一体的に設けられている。

ボールバルブ４は、非磁性金属によって球面体形状に形成されている。このボールバルブ４は、ハウジング３のバルブシート３２に接離してバルブシート３２内の第１弁孔２５を閉鎖、開放する第１弁体である。このボールバルブ４は、ハウジング３の先端側に固定されたボールホルダ３５内に移動可能に保持されている。このボールホルダ３５には、ボールバルブ４のフルリフト位置（量）を規制する非磁性金属製のバルブストッパ３６が設けらている。

ボールバルブ４は、コイル９への通電（ＯＮ）時に、ストッパ呼吸通路（後述する）側に対して反対側の軸線方向の一端側（先端側）へ向けて駆動される。
ここで、油圧制御バルブＶは、コイル９への通電量に基づいて、ボールバルブ４のリフト量、つまり第１弁孔２５の開口面積（バルブ開度）を調節することで、圧力流体である作動油（オイル）の油圧を調圧してクラッチ（またはブレーキ）の油圧サーボへ出力する。

ブリードバルブ５は、非磁性金属によって円環形状に形成されている。このブリードバルブ５は、バルブシャフト６の外周に一体的に形成されている。また、ブリードバルブ５は、ハウジング３のバルブシート３４に接離してバルブシート３４内の第２弁孔２６を閉鎖、開放する第２弁体である。
ブリードバルブ５は、ボールバルブ４と一緒に、コイル９への通電（ＯＮ）時に、ストッパ呼吸通路側に対して反対側の軸線方向の先端側へ向けて駆動される。

バルブシャフト６は、非磁性金属によって形成されている。このバルブシャフト６は、軸線方向の基端側から先端側へ向かって真っ直ぐに延びると共に、ハウジング３の外周壁１７、１８の中心軸線上に設置されている。
バルブシャフト６は、ボールバルブ４およびブリードバルブ５と一緒に、コイル９への通電（ＯＮ）時に、ストッパ呼吸通路側に対して反対側の軸線方向の先端側へ向けて駆動される。

バルブシャフト６は、プランジャ８による軸線方向（ソレノイド軸方向）の一方側への駆動力をボールバルブ４とブリードバルブ５に伝えると共に、自身に与えられたリターンスプリング７の付勢力をプランジャ８へ伝えるものである。また、バルブシャフト６は、ボールバルブ４に当接し、且つプランジャ８の軸線方向の一端面（第１端面）に当接してボールバルブ４とプランジャ８とを連結する連結部である。また、バルブシャフト６は、その軸線方向の一端側にブリードバルブ５を一体的に形成している。

バルブシャフト６の基端側には、ハウジング３のガイド孔１６内において軸線方向へ摺動可能に支持される大径軸部（摺動軸部）３９が設けられている。
なお、バルブシャフト６の大径軸部３９の外周面（摺動面）とハウジング３のガイド孔１６の孔壁面（内周面）との間には、バルブシャフト６の円滑な往復移動のためのシャフト摺動部（摺動クリアランス）が設けられている。また、ハウジング３のガイド孔１６は、バルブシャフト６の外周面が直接摺動するシャフト摺動孔を構成している。

バルブシャフト６の先端側には、出力ポート２２および第２弁孔２６を通り抜けて入力室２４または第１弁孔２５側へ突出してボールバルブ４に当接する小径軸部３７が設けられている。また、小径軸部３７は、ブリードバルブ５の中央部からボールバルブ４側へ真っ直ぐに延伸されている。
バルブシャフト６の鍔状フランジ部であるブリードバルブ５と大径軸部３９との間には、ブリードバルブ５と大径軸部３９とを連結する中径軸部３８が設けられている。中径軸部３８と大径軸部３９との間には、中径軸部３８と大径軸部３９とを繋ぐ円錐台形状の縮径部と円環状のスプリング内径保持部とが設けられている。

ここで、ブリードバルブ５には、ブリードバルブ５の最大外径部のエッジラインから先端側（小径軸部３７側）へ向かって外径が徐々に縮径する円錐面形状の第１縮径部、およびブリードバルブ５の最大外径部のエッジラインから基端側（中径軸部３８側）へ向かって外径が徐々に縮径する円錐面形状の第２縮径部が一体的に形成されている。また、ブリードバルブ５の第１縮径部が、ハウジング３のバルブシート３４のエッジラインに着座するシール面となる。

リターンスプリング７は、ボールバルブ４を一体移動可能に連結し、且つブリードバルブ５を一体成形したバルブシャフト６を、ガイド孔１６、第１、第２弁孔２５、２６およびドレイン室２７等を含む軸方向孔内においてハウジング３の基端側（ソレノイド側）へ付勢する弾性力（付勢力）を発生する圧縮コイルスプリングである。
このリターンスプリング７は、ガイド孔１６の先端側のドレイン室２７（スプリング収容室を兼ねる）内において、仕切り壁３３の周縁部壁面（スプリング座）とバルブシャフト６の大径軸部３９の壁面（スプリング座）との間で軸線方向に圧縮された状態で配置されている。

次に、本実施例のソレノイドＳの詳細を図１ないし図３に基づいて説明する。
ソレノイドＳは、非磁性体製のバルブシャフト６を介して、油圧制御バルブＶのボールバルブ４およびブリードバルブ５をその軸線（往復移動）方向の一端側（先端側）へ駆動するソレノイドアクチュエータである。

具体的には、ソレノイドＳは、プランジャ８、コイル９、ステータコア１１、ヨーク１２、リングコア１３、ストッパプレート１４および外部接続用コネクタ１５等を備え、コイル９を通電することでプランジャ８および固定子（ステータコア１１、ヨーク１２、リングコア１３）を含む磁気回路を形成し、プランジャ８をステータコア１１側に磁気吸引して、ボールバルブ４およびブリードバルブ５をバルブシャフト６の軸線方向に開閉駆動するソレノイドアクチュエータである。

ここで、本実施例のソレノイドバルブは、ソレノイドＳのコイル９への電力の供給停止（ＯＦＦ）時に出力ポート２２とドレインポート２３とを連通し、且つ入力ポート２１と出力ポート２２とを遮断すると共に、コイル９への電力供給の増大に従って出力ポート２２とドレインポート２３との連通面積を段階的または連続的に減少させ、且つ入力ポート２１と出力ポート２２との連通面積を段階的または連続的に増加させるノーマリクローズ（Ｎ／Ｃ）タイプの電磁油圧制御弁（電磁弁）である。

プランジャ８は、ステータコア１１およびヨーク１２のプランジャガイド４１の内周側でソレノイド軸方向へ往復摺動自在に嵌合配置されている。このプランジャ８は、コイル９が通電されると励磁（磁化）される磁性金属（例えば鉄等の強磁性材料）よりなる。
プランジャ８は、コイル９の磁力によりソレノイド軸方向の一方側へ向かって磁気吸引される可動コア（ムービングコア）である。このプランジャ８は、バルブシャフト６に伝わるリターンスプリング７の付勢力によってボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６と共に、ストッパプレート１４の内面（プランジャ規制部）へ付勢される。

プランジャ８は、ヨーク１２のプランジャガイド４１の内部（プランジャ収容室４２内）に往復摺動可能に収容されている。このプランジャ収容室４２は、プランジャ８の軸線方向の両側に形成されるプランジャ前後空間（以下第１、第２容積変化室４３、４４）を含んでいる。
ところで、プランジャガイド４１の内部（内周）には、プランジャ８の外周面（摺動面）が直接摺動する断面円形状のプランジャガイド孔（以下ガイド孔）が形成されている。なお、プランジャ８の外周面（摺動面）とヨーク１２のプランジャガイド４１のガイド孔の孔壁面（内周面）との間には、プランジャ８の円滑な往復移動のためのプランジャ摺動部（摺動クリアランス）が設けられている。また、プランジャガイド４１のガイド孔は、プランジャ８の外周面が直接摺動するプランジャ摺動孔を構成している。

ここで、ソレノイドバルブのソレノイドＳには、プランジャ収容室４２内での変位に伴う第１、第２容積変化室４３、４４のオイルの流動を確保するために、ソレノイドＳの外部と第１、第２容積変化室４３、４４とを連通する第１、第２オイル呼吸経路が設けられている。
また、ソレノイドＳのステータコア１１の内周面（ガイド孔１６の孔壁面）には、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる軸方向凹溝４５が形成されている。この軸方向凹溝４５は、ステータコア１１の内周面から半径方向外側へ向かって所定の溝深さ分だけ凹む（切り欠く、掘り下げる、窪む）ように形成（凹設）されている。
軸方向凹溝４５は、コア呼吸通路であって、ステータコア１１の内周方向の一部に設けられている。なお、ステータコア１１の内周方向に所定の間隔（例えば等間隔）で放射状に軸方向凹溝４５を形成しても良い。

また、軸方向凹溝４５の軸線方向の一方側の開口端は、ドレインポート２３に臨むように開口している。また、軸方向凹溝４５の軸線方向の他方側の開口端は、第１容積変化室４３に臨むように開口している。なお、バルブシャフト６の大径軸部３９の外周に、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる軸方向凹溝を形成しても良い。
また、ドレインポート２３は、ソレノイドＳの内部（プランジャ収容室４２の第１容積変化室４３）とソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）とを軸方向凹溝４５を介して連通している。これにより、プランジャガイド４１のガイド孔内でのプランジャ８の変位に伴う、第１容積変化室４３内のオイルの流動を確保することが可能となる。

第１オイル呼吸経路は、バルブシャフト６の大径軸部３９の外周と、ステータコア１１の内周の軸方向凹溝４５の溝底面との間に形成されるオイル供給経路（第１呼吸通路、コア呼吸通路）である。
第２オイル呼吸経路は、ストッパプレート１４に形成された第２呼吸通路（ストッパ呼吸通路：後述する）のみにより構成されるオイル供給経路である。
また、ストッパ呼吸通路は、ソレノイドＳの内部（プランジャ収容室４２の第２容積変化室４４）とソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）とを直接連通している。これにより、プランジャガイド４１のガイド孔内でのプランジャ８の変位に伴う、第２容積変化室４４内のオイルの流動を確保することが可能となる。

プランジャ８の軸線方向の一端面（先端面）には、バルブシャフト６の基端側の大径軸部３９が当接する円環状の第１端面が形成されている。この第１端面は、コイル９への通電が停止（ＯＦＦ）している時、ステータコア１１の磁気吸引部５０との間に所定距離（軸方向距離：ギャップ）を隔てて対向して配置される。また、プランジャ８の第１端面には、ステータコア１１の磁気吸引部５０の形状（円錐面形状の凹曲面の形状）に対応し、且つステータコア１１の凹曲面と当接可能な円錐面形状の凸曲面が設けられている。
プランジャ８の軸線方向の他端面（基端面）には、コイル９への通電が停止（ＯＦＦ）している時、リターンスプリング７の付勢力によってストッパプレート１４の内面に押し付けられる円環状の第２端面が形成されている。

また、プランジャ８の外周面には、ヨーク１２のプランジャガイド４１の内周面に直接摺動する摺動面が形成されている。
ここで、プランジャ収容室４２は、ソレノイドＳの作動時に容積が変動する第１、第２容積変化室（４３、４４）を備えている。
第１容積変化室４３は、ステータコア１１の磁気吸引部（基端側端面）５０とプランジャ８の第１端面との間に形成されている。
第２容積変化室４４は、プランジャ８の第２端面とストッパプレート１４の内面との間に形成されている。

コイル９は、電力の供給を受けると（電流印加または通電されると）、プランジャ８をステータコア１１の磁気吸引部５０に引き寄せる磁力を発生する磁束発生手段（磁力発生手段）である。このコイル９は、絶縁性を有する合成樹脂（１次成形樹脂部、モールド樹脂部）製のコイルボビン（以下ボビン４７）の円筒部の外周に、絶縁被膜を施した導線を複数回巻装したソレノイドコイルである。また、コイル９は、発生磁力によってボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６およびプランジャ８を、ハウジング３およびソレノイドＳの軸線方向の一方側へ駆動するものである。

ここで、本実施例のソレノイドＳでは、コイル９が通電（ＯＮ）されると、ボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６およびプランジャ８が、初期位置（デフォルト位置）からソレノイド軸方向の一方側（先端側）へストロークする。
また、コイル９への通電が停止（ＯＦＦ）されると、リターンスプリング７の付勢力によってボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６およびプランジャ８がデフォルト位置へ戻される。
そして、本実施例のソレノイドＳにおいては、コイル９が通電されると、プランジャ８、ステータコア１１、ヨーク１２およびリングコア１３を磁束が集中して通過する磁気回路が形成される。

コイル９は、ボビン４７の円筒部の外周に巻装された円筒状のコイル部と、このコイル部の巻き始め端部および巻き終わり端部より外側に引き出された一対のコイルリード線を有している。
一対のコイルリード線は、ボビン４７、つまり一対の鍔状部間および円筒部の外周に巻装されるコイル９を形成する導体（導電体）であって、外部接続用コネクタ１５の各ターミナル４８を介して、外部回路と電気接続されている。

また、コイル９の外周部、およびコイル９の各コイルリード線と各ターミナル４８との導通接合部は、絶縁性を有する合成樹脂（２次成形樹脂部、モールド樹脂部）製のソレノイドケース４９によって被覆されて保護されている。このソレノイドケース４９は、コイル９およびボビン４７の周囲を円周方向に取り囲む円筒部、および一対のターミナル４８の先端側（外部接続端子）を露出して収容するコネクタケース（外部接続用コネクタ１５のコネクタケース）を有している。

本実施例の固定子は、コイル９の内周側に磁路を形成する内周側固定コア（ステータコア１１、ヨーク１２のプランジャガイド４１）と、コイル９の外周側に磁路を形成する外周側固定コア（ヨーク１２の円筒外周ヨーク５１）と、コイル９の軸線方向の一端側（先端側）を覆う先端側固定コア（リングコア１３）と、コイル９の軸線方向の他端側（基端側）を覆う基端側固定コア（ヨーク１２の円環基端ヨーク５２）とによって構成されている。

ステータコア１１は、コイル９が通電されると励磁（磁化）される磁性金属（例えば鉄等の強磁性材料）よりなる。このステータコア１１は、ハウジング３の基端側に一体的に形成されている。また、ステータコア１１の円環状の基端側端面には、プランジャ８をソレノイド軸方向の先端側に磁気吸引するための磁気吸引部（円錐台形状の円錐面）５０が設けられている。この磁気吸引部５０は、コイル９への通電が停止（ＯＦＦ）している時、プランジャ８の第１端面との間に所定距離を隔てて対向配置された対向部であって、プランジャ８の凸曲面の形状に対応し、且つプランジャ８の凸曲面が当接可能な円錐面形状の凹曲面を有している。

ヨーク１２は、コイル９が通電されると励磁（磁化）される磁性金属（例えば鉄等の強磁性材料）よりなる。このヨーク１２は、プランジャガイド４１、円筒外周ヨーク５１および円環基端ヨーク５２を備えている。
ヨーク１２のプランジャガイド４１は、ステータコア１１に隣接するように設けられて、プランジャ８の周囲と磁気の受け渡しを行う円筒状の円筒内周ヨークである。このプランジャガイド４１の内周側には、プランジャ８を往復摺動可能に支持する断面円形状のガイド孔が形成されている。また、プランジャガイド４１の内周面には、プランジャ８の外周面が直接摺動する摺動面が形成されている。

また、ステータコア１１の磁気吸引部５０と円筒外周ヨーク５１との間には、これらの間の磁束の流れを低減する磁気抵抗部（ギャップ）が設けられている。
ヨーク１２の円筒外周ヨーク５１は、ソレノイドＳの外周側の外壁を形成し、コイル９の外周側を円筒状に覆っている。この円筒外周ヨーク５１の先端側には、リングコア１３の外周部分を係止する円環状の段差（面）５３、およびハウジング３の段差１９とボビン４７の鍔状部との間にリングコア１３の内周部分、円環板状のワッシャ５４および非磁性体製のカラー５５を挟み込んだ状態で、リングコア１３の外周部分にカシメ固定される爪部５６が設けられている。

ヨーク１２の円環基端ヨーク５２は、ソレノイドＳの基端側の外壁を形成し、コイル９の軸線方向の基端側を円環状に塞ぐように覆っている。この円環基端ヨーク５２は、プランジャガイド４１の基端側の屈曲部（略直角に折り曲げた部分）と、円筒外周ヨーク５１の基端側の屈曲部（略直角に折り曲げた部分）とを連結する連結部であり、プランジャガイド４１の基端側と円筒外周ヨーク５１の基端側との間に形成される基端側円筒開口部を閉塞する閉塞部でもある。

リングコア１３は、コイル９が通電されると励磁（磁化）される磁性金属（例えば鉄等の強磁性材料）よりなる。このリングコア１３は、ハウジング３の段差１９と当接する位置まで押し込まれてハウジング３の外周壁１８の外周に圧入嵌合により固定されている。また、リングコア１３には、バルブボディ２等の固定部材にソレノイドバルブを締結固定するためのブラケット５７が一体的に設けられている。

なお、リングコア１３をハウジング３の外周壁１８に溶接しても良く、また、リングコア１３をハウジング３に一体的に形成しても良い。また、ハウジング３に対して、ステータコア１１やリングコア１３を別体部品で構成しても良い。
また、リングコア１３とブラケット５７とを別体部品で構成しても良い。この場合には、リングコア１３を磁性金属で形成し、ブラケット５７を非磁性金属で形成する。

ストッパプレート１４は、非磁性金属または合成樹脂によって所定の形状に形成されている。このストッパプレート１４は、ヨーク１２の円環基端ヨーク５２に複数のリベット５９を用いて固定される円環状の平板隔壁（プレート、肉薄部）６１と、この平板隔壁６１の中央部の外面からソレノイド外部側へ向かって突出した円形状の突条隔壁（ブロック、肉厚部）６２と、平板隔壁６１および突条隔壁６２を貫通して第２容積変化室４４の内部とソレノイドＳの外部とを連通するストッパ呼吸通路（第２オイル呼吸経路）６３を備えている。

平板隔壁６１および突条隔壁６２は、ソレノイド内部（プランジャ収容室４２の第２容積変化室４４）とソレノイド外部（オイルが貯留されるオイルパン１のオイル貯留室（内部空間）、少なくともオイルの液面よりも車両搭載状態において重力方向下方の部位）とを区画する区画部である。つまりソレノイドＳの内外を区画する区画部である。
平板隔壁６１の内面は、コイル９への通電停止時における、プランジャ８の軸線方向の他端側（基端側）への移動量を規制する規制面である。

突条隔壁６２には、その外周から半径方向外側へ向かって突出する円環状の鍔状部６５が一体的に設けられている。
ストッパ呼吸通路６３は、ソレノイドＳの中心軸線を中心にした同一円周上に所定の間隔（例えば等間隔：９０°間隔）で設けられる複数のストッパ呼吸孔６６、および平板隔壁６１の外面と鍔状部６５の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔６６に連通する円環状のオイル導流部６７を備えている。

複数のストッパ呼吸孔６６は、ストッパプレート１４の平板隔壁６１を、その板厚方向（ソレノイド軸方向と平行な方向）に貫通して平板隔壁６１の内面と外面とを連通する内外連通孔である。
これらのストッパ呼吸孔６６は、ストッパプレート１４の平板隔壁６１の内面で開口する第１開口部（以下呼吸孔内側出入り口）、ストッパプレート１４の平板隔壁６１の外面で開口する第２開口部（以下呼吸孔外側出入り口）、および呼吸孔内側出入り口と呼吸孔外側出入り口とを連通し、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる呼吸孔流路を有している。

本実施例のソレノイドＳは、ストッパ呼吸通路６３のオイル導流部（呼吸通路出入り口）近傍、つまり複数のストッパ呼吸孔６６の各呼吸孔外側出入り口の直前の部位が、コイル９を通電することで発生した磁束がプランジャ８、ステータコア１１、ヨーク１２およびリングコア１３を通過する磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する洩れ磁束が通過する円環状の磁気印加領域６９に形成されている。この磁気印加領域６９とは、コイル９への通電（コイル９をＯＮすること）による磁気漏れ領域のことである。

ここで、ストッパ呼吸通路６３のオイル導流部６７は、鍔状部６５の周方向全体で開口している。このオイル導流部６７は、ソレノイドＳの外部から複数のストッパ呼吸孔６６へ流入するオイルの流れ方向を、磁気印加領域６９へ向けるように設けられている。また、オイル導流部６７は、複数のストッパ呼吸孔６６の各呼吸孔外側出入り口からソレノイドＳの外部へ流出するオイルの流れ方向を、磁気印加領域６９へ向けるように設けられている。

［実施例１の作用］
次に、本実施例のソレノイドバルブに使用される油圧制御バルブＶを駆動するソレノイドＳの作用を図１ないし図３に基づいて簡単に説明する。

ソレノイドＳのコイル９への通電が停止（ＯＦＦ）している場合、リターンスプリング７の付勢力によってボールバルブ４、ブリードバルブ５、バルブシャフト６およびプランジャ８がデフォルト位置に止まっている。このとき、ソレノイドＳのプランジャ８は、その第２端面がストッパプレート１４の内面に当接しているので、これ以上のプランジャ８の軸線方向の他端側（基端側）への移動が規制される。

これにより、プランジャ収容室４２のうちで、ステータコア１１の磁気吸引部５０とプランジャ８の第１端面との間に形成された第１容積変化室４３の容積が最大となり、また、プランジャ８の第２端面とストッパプレート１４の内面との間に形成された第２容積変化室４４の容積が最小となる。
このとき、バルブシャフト６の大径軸部３９の外周と、ステータコア１１の内周の軸方向凹溝４５の溝底面との間に形成される第１呼吸通路およびドレインポート２３を介して、ソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）と第１容積変化室４３との間でオイルが流出入することはなく、また、ストッパプレート１４に形成されたストッパ呼吸通路６３を介して、ソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）と第２容積変化室４４との間でオイルが流出入することはない。

一方、ソレノイドＳのコイル９への通電が開始（ＯＮ）されると、コイル９を流れる励磁電流の大きさに対応した磁気吸引力でステータコア１１の磁気吸引部５０にプランジャ８が引き寄せられる（磁気吸引される）。これに伴って、先端にボールバルブ４が当接し、中間部分にブリードバルブ５を形成したバルブシャフト６が、油圧制御バルブＶのハウジング３の軸線方向の一方側へ押し出されることにより、コイル９への電流供給の増大に従ってボールバルブ４が出力ポート２２とドレインポート２３との連通面積を段階的または連続的に減少させ、且つブリードバルブ５が入力ポート２１と出力ポート２２との連通面積を段階的または連続的に増加させる。

これにより、プランジャ収容室４２のうちで、ステータコア１１の磁気吸引部５０とプランジャ８の第１端面との間に形成された第１容積変化室４３の容積が減少側に変動し、また、プランジャ８の第２端面とストッパプレート１４の内面との間に形成された第２容積変化室４４の容積が増加側に変動する。
このとき、第１容積変化室４３の容積が減少傾向にあるので、バルブシャフト６の外周と軸方向凹溝４５の溝底面との間に形成される第１呼吸通路およびドレインポート２３を介して、第１容積変化室４３からソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）へオイルが吐き出される（流出する）。また、第２容積変化室４４の容積が増加傾向にあるので、ストッパプレート１４のストッパ呼吸通路６３を介して、ソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）から第２容積変化室４４へオイルが吸い込まれていく（流入していく）。

ここで、本実施例のソレノイドＳは、ストッパ呼吸通路６３のオイル導流部近傍、つまり複数のストッパ呼吸孔６６の各呼吸孔外側出入り口の直前の部位は、磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する洩れ磁束が通過する円環状の磁気印加領域６９に形成されているので、ソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）から第２容積変化室４４へ吸い込まれるオイルに混入している異物（例えば鉄系の磁性異物）は、磁気回路からソレノイド外部（オイルパン１のオイル貯留室）へ漏洩する漏れ磁束により吸着（捕捉、補集）される。

ここで、図３（ｂ）では、コイル９に流れる励磁電流値を最大値に設定してボールバルブ４およびバルブシャフト６が（バルブシート３２に対して）フルリフトし、且つブリードバルブ５がゼロリフト（バルブシート３４に対してシート）している状態を示している。
このとき、プランジャ収容室４２の中で第２容積変化室４４の容積（呼吸量）は、図３（ｂ）に示したように、ストッパプレート１４に形成されストッパ呼吸通路６３の通路容積よりも明らかに少ないことが分かる。

また、コイル９への電流を減少すると、プランジャ８が軸線方向の基端側へ戻されるので、プランジャ収容室４２のうちで、ステータコア１１の磁気吸引部５０とプランジャ８の第１端面との間に形成された第１容積変化室４３の容積が増加側に変動し、また、プランジャ８の第２端面とストッパプレート１４の内面との間に形成された第２容積変化室４４の容積が減少側に変動する。
このとき、第１容積変化室４３の容積が増加傾向にあるので、バルブシャフト６の外周と軸方向凹溝４５の溝底面との間に形成される第１呼吸通路およびドレインポート２３を介して、ソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）から第１容積変化室４３へオイルが吸い込まれていく（流入していく）。また、第２容積変化室４４の容積が減少傾向にあるので、ストッパプレート１４のストッパ呼吸通路６３を介して、第２容積変化室４４からソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）へオイルが吐き出される（流出する）。

ここで、図３（ａ）では、コイル９への通電を停止（ＯＦＦ）してボールバルブ４およびバルブシャフト６がゼロリフト（バルブシート３２に対してシート）し、且つブリードバルブ５が（バルブシート３４に対して）フルリフトしている状態を示している。
なお、コイル９への通電を停止（ＯＦＦ）して磁気回路からソレノイド外部（オイルパン１のオイル貯留室）へ漏洩する漏れ磁束が消磁した場合には、磁気印加領域６９に補集（捕捉）されていた鉄系の磁性異物は、磁気印加領域６９から離れてオイルパン１の内の重力方向下方に沈殿していく。

［実施例１の効果］
以上のように、本実施例のソレノイドバルブに使用されるソレノイドＳのストッパプレート１４は、プランジャ収容室４２の第２容積変化室４４の内部とソレノイドＳの外部（オイルパン１のオイル貯留室）とを区画する平板隔壁６１および突条隔壁６２、および平板隔壁６１および突条隔壁６２を貫通して第２容積変化室４４の内部とソレノイドＳの外部とを連通するストッパ呼吸通路６３を備えている。また、ストッパ呼吸通路６３は、平板隔壁６１を貫通する複数のストッパ呼吸孔６６、および平板隔壁６１の外面と鍔状部６５の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔６６の各呼吸孔外側出入り口から流出または流入するオイルの流れ方向を、磁気印加領域６９へ向けるオイル導流部６７を備えている。

そして、ストッパ呼吸通路６３のオイル導流部近傍、つまり複数のストッパ呼吸孔６６の各呼吸孔外側出入り口の直前の部位が、コイル９をＯＮすることで発生した磁束が通過する磁束通路である磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する漏れ磁束が通過する円環状の磁気印加領域６９に形成されている。
これによって、例えば鉄系の磁性異物等の異物が、ソレノイドＳのコイル９へのＯＮ時に磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する漏れ磁束により吸着（捕捉、補集）される。このとき、ストッパプレート１４の平板隔壁６１の外面の、オイル導流部６７の付近に吸着（捕捉、補集）されるため、ソレノイドＳの外部からストッパ呼吸通路６３を通ってプランジャ収容室４２の第２容積変化室４４へ異物が侵入し難くなる。

したがって、プランジャ８の外周面（摺動面）とヨーク１２のプランジャガイド４１のガイド孔の孔壁面（内周面）との間の摺動クリアランスへの異物の侵入を抑制できるので、摺動クリアランス内への異物噛み込みによるシャフト６およびプランジャ８の動作不能（バルブロック）または動作不良の発生を効果的に防止することができる。
これにより、変速制御による燃費向上と、異物混入による作動不良防止に伴う信頼性向上との両立を図ることが可能となる。

また、ヨーク１２のプランジャガイド４１の内周側で、且つステータコア１１の磁気吸引部５０とストッパプレート１４との間に形成されるプランジャ収容室４２の第２容積変化室４４内への異物の流入を防止できるので、プランジャ８の外周面とヨーク１２のプランジャガイド４１の内周面との間の摺動部（摺動クリアランス）に異物が噛み込み難くなる。これにより、ソレノイドＳの作動時において、プランジャガイド４１のガイド孔に対するプランジャ８の軸線方向への円滑な（スムーズな）往復運動を実現することができる。
したがって、プランジャ収容室４２内への異物侵入（混入）を防止できるので、ソレノイドＳおよび油圧制御バルブＶの動作不能（バルブロック）または動作不良を防止することができる。これにより、適正な油圧制御を行うことができる。

［実施例２の構成］
図４および図５は、本発明を適用したソレノイドバルブ（実施例２）を示したものである。ここで、実施例１と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。

本実施例のソレノイドバルブは、実施例１と同様に、コイル９を通電（ＯＮ）することで、プランジャ８、ヨーク１２およびリングコア１３を磁束が通過する磁気回路を形成し、ボールバルブ４、ブリードバルブ５およびバルブシャフト６をその軸線方向の一端側（先端側）へ駆動して、出力ポート２２とドレインポート２３との連通面積、および入力ポート２１と出力ポート２２との連通面積を可変するソレノイドＳを備えている。
具体的には、ソレノイドＳは、プランジャ８、コイル９、ステータコア１１、ヨーク１２、リングコア１３、ストッパプレート１４および外部接続用コネクタ１５等を備えている。

ここで、ストッパプレート１４は、ヨーク１２の円環基端ヨーク５２に複数のリベット５９を用いて固定される円環状の平板隔壁（プレート、肉薄部）７１と、この平板隔壁７１の中央部の外面からソレノイド外部側へ向かって突出した円形状の突条隔壁（ブロック、肉厚部）７２と、平板隔壁７１および突条隔壁７２を貫通して第２容積変化室４４の内部とソレノイドＳの外部とを連通する呼吸通路（オイル呼吸経路）７３を備えている。
平板隔壁７１および突条隔壁７２は、プランジャ収容室４２の第２容積変化室４４の内部とソレノイドＳの外部とを区画する区画部である。

平板隔壁７１の内面は、コイル９への通電停止（ＯＦＦ）時における、プランジャ８の軸線方向の他端側（基端側）への移動量を規制する規制面である。
突条隔壁７２は、平板隔壁７１の外面に対して所定距離（軸方向距離）を隔てて対向する円板状の天板部７４が一体的に設けられている。この天板部７４には、その外周から半径方向外側へ向かって突出する円環状の鍔状部７５が一体的に設けられている。
ストッパ呼吸通路７３は、ソレノイドＳの中心軸線上に設けられるストッパ呼吸孔７６、および平板隔壁７１の外面と鍔状部７５の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔７６に連通する複数のオイル導流部７７を備えている。

複数のストッパ呼吸孔７６は、ストッパプレート１４の平板隔壁７１の中央部を、その板厚方向（ソレノイド軸方向と平行な方向）に貫通して平板隔壁７１の内面と外面とを連通する内外連通孔である。
これらのストッパ呼吸孔７６は、ストッパプレート１４の平板隔壁７１の内面で開口する第１開口部（以下呼吸孔内側出入り口）、ストッパプレート１４の平板隔壁７１の外面で開口する第２開口部（以下呼吸孔外側出入り口）、および呼吸孔内側出入り口と呼吸孔外側出入り口とを連通し、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる呼吸孔流路を有している。

本実施例のソレノイドＳは、ストッパ呼吸通路７３のオイル導流部（呼吸通路出入り口）近傍、つまりストッパ呼吸通路７３の呼吸孔外側出入り口の直前の部位が、コイル９をＯＮすることで発生した磁束がプランジャ８、ステータコア１１、ヨーク１２およびリングコア１３を通過する磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する洩れ磁束が通過する円環状の磁気印加領域７９に形成されている。この磁気印加領域７９とは、コイル９への通電による磁気漏れ領域のことである。

ここで、ストッパ呼吸通路７３のオイル導流部７７は、鍔状部７５の周方向に所定の間隔（例えば等間隔：９０°間隔）で設けられている。このオイル導流部７７は、ソレノイドＳの外部からストッパ呼吸孔７６へ流入するオイルの流れ方向を、磁気印加領域７９へ向けるように設けられている。また、オイル導流部７７は、ストッパ呼吸孔７６の呼吸孔外側出入り口からソレノイドＳの外部へ流出するオイルの流れ方向を、磁気印加領域７９へ向けるように設けられている。
以上のように、本実施例のソレノイドバルブに使用されるソレノイドＳにおいては、実施例１と同様な効果を奏する。

［変形例］
本実施例では、本発明のソレノイドを、自動車の自動変速機の油圧制御を行う油圧制御装置に組み込まれる油圧制御バルブＶの第１、第２弁体（４、５）を駆動するソレノイド（アクチュエータ）Ｓに適用しているが、本発明のソレノイドを、電磁スイッチ、電磁クラッチや電磁ブレーキ等の可動部材（プランジャと別体部品でも一体部品でも構わない）を駆動するソレノイドに適用しても良い。

本実施例では、本発明のソレノイドを、自動車の自動変速機の油圧制御を行う油圧制御装置に組み込まれる油圧制御バルブＶの第１、第２弁体（４、５）を駆動するソレノイドＳに適用しているが、本発明のソレノイドを、流体圧制御、流量制御、流路切替制御に用いる制御バルブの弁体（スプールバルブ、ボールバルブ、ブリードバルブ等）を駆動する（リニア）ソレノイド（アクチュエータ）に適用しても良い。
すなわち、本発明のソレノイドを、電磁（流体）圧力制御弁、電磁（流体）流量制御、電磁流路切替制御弁等の電磁制御弁の弁体を駆動するソレノイド（アクチュエータ）に適用しても良い。

また、本発明のソレノイドを、エンジンの吸気弁または排気弁の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置（ＶＶＴ）に使用される電磁油路切替弁（ＯＣＶ）の弁体を駆動するソレノイド（アクチュエータ）に適用しても良い。
また、ボールバルブ４、ブリードバルブ５の代わりに、スプールバルブ、ポペットバルブ等の他の形状のバルブ（弁体）を駆動するソレノイド（アクチュエータ）に本発明を適用しても良い。
また、シャフトとプランジャとが一体構造の可動コアに本発明の構造を適用しても良い。また、シャフトを磁性体で構成しても良い。

本実施例では、ソレノイドバルブとして、ノーマリクローズ（Ｎ／Ｃ）タイプの電磁油圧制御弁（電磁制御弁、電磁弁）を採用しているが、ソレノイドバルブとして、ソレノイドＳのコイル９への電力の供給（ＯＮ）時に入力ポート２１と出力ポート２２とを連通し、且つ出力ポート２２とドレインポート２３とを遮断すると共に、コイル９への電力供給の減少に従って入力ポート２１と出力ポート２２との連通面積を段階的または連続的に減少させ、且つ出力ポート２２とドレインポート２３との連通面積を段階的または連続的に増加させるノーマリオープン（Ｎ／Ｏ）タイプの電磁油圧制御弁（電磁制御弁、電磁弁）を採用しても良い。

本実施例では、ソレノイドＳのストッパ呼吸通路（第２オイル呼吸経路）６３、７３のオイル導流部（呼吸通路出入り口）近傍が、磁気回路からソレノイド外部（ストッパプレート１４の外面（表面）上を含む）へ漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域６９、７９に形成されている例を示したが、ソレノイドＳのストッパ呼吸通路（第２オイル呼吸経路）の一部または全部が、磁気回路からソレノイド外部（ストッパプレート１４の外面（表面）上を含む）へ漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域に形成されていても良い。

また、ソレノイドＳの第１オイル（流体）呼吸経路のオイル（流体）導流部（呼吸通路出入り口）近傍、あるいはソレノイドＳの第１オイル（流体）呼吸経路の一部または全部が、磁気回路から漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域に形成されていても良い。
また、プランジャ８の第１端面（磁極面）または凸曲面に、プランジャ８のフルリフト時にコイル９への通電を停止（ＯＦＦ）した時の残留磁気による磁気吸引部５０からのプランジャ８の離脱の遅れ（プランジャ８の動作不良）を防ぐという目的で、ステータコア１１の磁気吸引部５０との間の接触面積を小さくするための複数のスリット（例えば十字状の凹溝）を形成しても良い。

また、ステータコア１１の磁気吸引部５０の端面（磁極面）または凹曲面に、同様な目的で、プランジャ８の第１端面との間の接触面積を小さくするための複数のスリット（例えば十字状の凹溝）を形成しても良い。
なお、プランジャ８の第１端面（磁極面）およびステータコア１１の端面（磁極面）が平坦面であっても構わない。

８ プランジャ
９ コイル
１１ ステータコア
１４ ストッパプレート
４２ プランジャ収容室
４４ 第２容積変化室
６３ ストッパ呼吸通路
６６ ストッパ呼吸孔
６７ オイル導流部
６９ 磁気印加領域

Claims (8)

1. （ａ）軸線方向に往復移動可能なプランジャ（８）と、
   （ｂ）このプランジャ（８）との間に所定距離を隔てて軸線方向に対向配置されるコア（１１、５０）、このコア（１１、５０）に隣接するように設けられて、前記プランジャ（８）を往復摺動可能に支持する筒状のプランジャガイド（４１）、およびこのプランジャガイド（４１）の内周側に設けられて、前記プランジャ（８）を往復摺動可能に収容するプランジャ収容室（４２〜４４）を有する固定子（１１〜１３）と、
   （ｃ）通電されると前記プランジャ（８）および前記固定子（１１〜１３）を通過する磁束を発生するコイル（９）と、
   （ｄ）前記コア（１１、５０）との間に前記プランジャ収容室（４２〜４４）を隔てて軸線方向に対向配置されて、前記プランジャ（８）の軸線方向の片側への移動を規制するストッパ（１４）と
   を備え、
   前記コイル（９）を通電することで前記プランジャ（８）および前記固定子（１１〜１３）を含む磁気回路を形成し、前記プランジャ（８）を前記コア（１１、５０）側に磁気吸引するソレノイド（Ｓ）において、
   前記プランジャ収容室（４２〜４４）は、前記プランジャ（８）と前記ストッパ（１４）との間に形成される容積変化室（４４）を有し、
   前記ストッパ（１４）は、前記容積変化室（４４）の内部と外部とを区画する隔壁（６１、６２、６５、７１、７２、７４、７５）、およびこの隔壁（６１、６２、６５、７１、７２、７４、７５）を貫通して前記容積変化室（４４）の内部と外部とを連通する呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）を有し、前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）の近傍、あるいは一部または全部が、前記磁気回路から漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域（６９、７９）に形成されていることを特徴とするソレノイド。
2. 請求項１に記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記磁気印加領域（６９、７９）は、少なくとも前記ストッパ（１４）と共に流体中に浸漬されていることを特徴とするソレノイド。
3. 請求項１または請求項２に記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記ストッパ（１４）は、前記プランジャ（８）の移動に伴う前記容積変化室（４４）の容積の拡大時に、前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）を介して前記容積変化室（４４）に流体を導入可能な流体導流部（６７、７７）を有し、
   前記流体導流部（６７、７７）は、前記ソレノイド（Ｓ）の外部から前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）へ流入する流体の流れ方向を、前記磁気印加領域（６９、７９）へ向けるように、しかも前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）から前記ソレノイド（Ｓ）の外部へ流出する流体の流れ方向を、前記磁気印加領域（６９、７９）へ向けるように設けられていることを特徴とするソレノイド。
4. 請求項１ないし請求項３のうちのいずれか１つに記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）は、前記ソレノイドの中心軸線を中心にした同一円周上に所定の間隔で設けられる複数の呼吸孔（６６、７６）により構成されていることを特徴とするソレノイド。
5. 請求項１ないし請求項４のうちのいずれか１つに記載のソレノイド（Ｓ）において、
   自動変速機に使用されるオイルを貯留するオイルパン（１）と、
   このオイルパン（１）の内部に設置されて、複数の流路（Ｌ１、Ｌ２）を有するバルブボディ（２）と、
   このバルブボディ（２）の流路（Ｌ１、Ｌ２）と共に油圧回路を構成する複数のソレノイドバルブ（Ｖ）と
   を備えたことを特徴とするソレノイド。
6. 請求項５に記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記複数のソレノイドバルブ（Ｖ）のうちの少なくとも１つのソレノイドバルブ（Ｖ）は、前記バルブボディ（２）と共にオイル中に浸漬されていることを特徴とするソレノイド。
7. 請求項５または請求項６に記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記複数のソレノイドバルブ（Ｖ）のうちの少なくとも１つのソレノイドバルブ（Ｖ）は、
   前記バルブボディ（２）に組み込まれて、オイルが流出入する複数のオイル給排ポート（２１〜２３）を有するハウジング（３）と、
   前記プランジャ（８）と同一軸線上に設置されて、前記ハウジング（３）に往復摺動可能に支持されるシャフト（６）と、
   このシャフト（６）と一体移動可能に連結した弁体（４、５）と
   を備えたことを特徴とするソレノイド。
8. 請求項７に記載のソレノイド（Ｓ）において、
   前記ソレノイド（Ｓ）は、前記シャフト（６）を介して、前記弁体（４、５）を駆動するソレノイドアクチュエータを構成し、
   前記弁体（４、５）は、前記コイル（９）への通電時に、前記呼吸通路（６３、６６、６７、７３、７６、７７）側に対して反対側の一端側へ向けて駆動されることを特徴とするソレノイド。

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