JP2013061005A - 電磁スプール弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】「スプール内ドレン穴6」と「プランジャ2の前側の第1空間A」の間に、「流路面積を絞る絞り部」と「この絞り部の周囲を覆う容積空間」とからなる3つの異物トラップ(第1〜第3異物トラップX1〜X3)を設ける。また、プランジャ2の後側の第2空間Bを、第1空間Aのみに連通させる。これにより、スプール内ドレン穴6に排出された異物が後方へ流れたとしても、異物が第1〜第3異物トラップX1〜X3によってトラップされ、異物がプランジャ2に達するのを防ぐことができる。この結果、プランジャ摺動部の摩耗や摺動不良を防ぐことができ、信頼性を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
・スプールおよびプランジャの移動方向(軸方向)を前後方向と称し、
・電磁アクチュエータの駆動力(軸力)によりスプールおよびプランジャが移動する方向を前(フロント:図1左側参照)、
・リターンスプリングの付勢力によりスプールおよびプランジャが移動する方向を後(リヤ:図1右側参照)、
と称する。
この前後方向は、説明のためのものであって、実際の搭載方向を限定するものではない。
特許文献1は、エンジン(内燃機関)によって駆動されるカムシャフトの進角量を可変するVVTに関する技術であり、
・進角室と遅角室の油圧差によってカムシャフトの進角量の可変を行なう可変カムシャフトタイミング機構(バリアブル・カムシャフト・タイミング:以下、VCTと称す)と、・進角室と遅角室の油圧差をコントロールするオイルフロー・コントロール・バルブ(以下、OCVと称す:電磁スプール弁の一例)と、
が用いられている。
OCV1は、四方弁構造を採用したスプール弁5と、このスプール弁5を駆動する電磁アクチュエータ3(リニアソレノイド)とを結合したものである。
そして、電磁アクチュエータ3におけるプランジャ2の軸方向の両側の空間が、スプール4内に形成されたスプール内ドレン穴6を介してドレン空間に連通する。
なお、以下では、プランジャ2の軸方向の両側の空間のうち、プランジャ2に接する前側の空間(プランジャ2に近い側の空間)を第1空間Aと定義し、プランジャ2に接する後側の空間(プランジャ2から離れた側の空間)を第2空間と定義して説明する。
このため、スプール内ドレン穴6に排出された作動油(進角室および遅角室から排出された作動油)が容易にプランジャ2まで達してしまう。
その結果、スプール内ドレン穴6に排出された作動油に含まれる異物もプランジャ摺動部まで容易に達してしまう。プランジャ摺動部に達した異物は、プランジャ摺動部の摩耗を引き起こすとともに、摺動不良の要因になってしまう。
電磁スプール弁は、スプール内ドレン穴と第1空間との間に、「流路面積を絞る絞り部」と「この絞り部の周囲を覆う容積空間」とからなる1つまたは複数の異物トラップを介在させ、1つまたは複数の異物トラップを介して第1空間をスプール内ドレン穴に連通させるものである。このため、1つまたは複数の異物トラップによって異物がプランジャの前部に達するのを防ぐことができる。
また、第2空間は、異物の到達が阻止される第1空間のみに連通するものであるため、異物がプランジャの後部に達するのを防ぐことができる。
このように、異物トラップによって異物がプランジャに達するのを防ぐことができるため、プランジャ摺動部の摩耗を抑えることができるとともに、摺動不良の発生を未然に防ぐことができ、結果的に電磁スプール弁の信頼性を高めることができる。
異物トラップは、2つ以上設けられる。
これにより、第1空間に達する異物の量を、より確実に抑えることができ、電磁スプール弁の信頼性を高めることができる。
異物トラップの1つは、スプール端絞り部(スプール内ドレン穴の後側の絞り部)と、カップ内容積空間(カップシャフトの内部空間)とで構成される第1異物トラップである。
スプール端絞り部を通過した流体は、カップ内容積空間で減速する。これにより、流体の流れが遅くなり、異物をカップ内容積空間内に留めることができ、異物がプランジャ側に侵入するのを防ぐことができる。
異物トラップの1つは、カップ絞り部(カップシャフトの径方向に貫通形成された穴)と、カップ外容積空間(カップシャフトの周囲を覆う空間)とで構成される第2異物トラップである。
カップ絞り部を通過した流体は、カップ外容積空間で減速する。これにより、流体の流れが遅くなり、異物をカップ外容積空間内に留めることができ、異物がプランジャ側に侵入するのを防ぐことができる。
異物トラップの1つは、隙間絞り部(カップシャフトに設けられた小径筒部とカラーの隙間)と、第1空間とで構成される第3異物トラップである。
隙間絞り部を通過した流体は、第1空間で減速する。これにより、流体の流れが遅くなり、異物を第1空間に留めることができ、異物が第2空間に侵入するのを防ぐことができる。
さらに、第1空間に到達した鉄系異物がカラーに吸引されることで、第1空間に到達した鉄系異物がプランジャに達するのを防ぐことができる。
第1空間とプランジャ内呼吸孔は、カップシャフトの底部(プランジャに直接当接する部分)に形成された径方向溝のみを介して連通する。
これにより、第1空間からプランジャ内呼吸孔へ至る連通路を複雑化(曲折化)することができるため、第2空間への異物の侵入がより困難となる。その結果、第2空間に異物が侵入するのを防ぐことができる。
スプール内に設けられるスプール内ドレン穴は、第1、第2空間をドレン空間に連通させる呼吸通路の機能の他に、スプール弁の出力ポートから排出される作動油をドレン空間に導く作動油排出通路の機能を備えるものである。
このように、スプール内ドレン穴が作動油排出通路の機能を備えるものであっても、上記[請求項1の手段]で示したように、第1、第2空間への異物の到達が防がれる。このため、プランジャ摺動部の摩耗を抑えることができるとともに、プランジャの摺動不良の発生を未然に防ぐことができ、電磁スプール弁の信頼性を高めることができる。
請求項8の電磁スプール弁は、VCTにおける進角ポートと遅角ポートの油圧差をコントロールするOCVであり、スプール内ドレン穴は、第1、第2空間をドレン空間に連通させる呼吸通路の機能の他に、進角ポートおよび遅角ポートを介して排出される作動油をドレン空間に導く作動油排出通路の機能を備えるものである。
このように、スプール内ドレン穴が進角ポートおよび遅角ポートを介して排出される作動油の作動油排出通路の機能を備えるものであっても、上記[請求項1の手段]で示したように、第1、第2空間への異物の到達が防がれる。このため、プランジャ摺動部の摩耗を抑えることができるとともに、プランジャの摺動不良の発生を未然に防ぐことができ、OCVの信頼性を高めることができる。
電磁スプール弁1(後述する実施例ではOCV)は、通電量に応じた起磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャ2を有する電磁アクチュエータ3と、プランジャ2によって軸方向へ駆動されるスプール4を有するスプール弁5とを具備し、プランジャ2の軸方向の両側の空間(第1空間Aおよび第2空間B)が、スプール4内に形成されたスプール内ドレン穴6を介してドレン空間に連通するものである。
プランジャ2とスプール4の間には、有底のカップ形状を呈し、プランジャ2の軸力をスプール4に伝達するカップシャフト8が設けられる。
さらに、第2空間Bは、第1空間Aのみに連通する。
なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
VVTは、車両走行用のエンジンに搭載されるものであり、
・カムシャフト(例えば、吸気バルブ用カムシャフト等)に取り付けられてカムシャフトの進角量を連続的に可変することでバルブ(例えば、吸気バルブ等)の開閉タイミングを連続的に可変可能なVCT11と、
・このVCT11の作動を油圧制御するOCV1を用いた油圧回路12と、
・OCV1を電気的に制御するECU13(エンジン・コントロール・ユニットの略)と、
から構成されている。
一方、ベーンロータ15は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
進角室αは、油圧によってベーン15aを進角側へ駆動するための油圧室であって、ベーン15aの反回転方向側の凹部14a内に形成されるものであり、逆に、遅角室βは油圧によってベーン15aを遅角側へ駆動するための油圧室であって、ベーン15aの回転方向側の凹部14a内に形成されるものである。なお、進角室αと遅角室βの液密性は、シール部材16等によって保たれる。
・エンジン部品に設けられたOCV装着穴に挿入配置されるスリーブ21と、
・このスリーブ21の内部において軸方向へ摺動自在に支持され、各ポートの連通状態を調整するスプール4と、
・このスプール4を後方へ付勢するリターンスプリング22と、
を備える。
スリーブ21は、略円筒形状を呈し、外周面がOCV装着穴に対して微細なクリアランスを介して挿入配置される。
スリーブ21の内部には、スプール4を軸方向へ摺動自在に支持する摺動穴23が形成され、この摺動穴23の内周面においてスプール4を軸方向へ摺動自在に支持する。
具体的に、スリーブ21の径方向には、オイルポンプ17のオイル吐出口に連通する入力ポート24、進角室αに通じる進角ポート25、遅角室βに通じる遅角ポート26が設けられている。
これらの径方向のポートは、スリーブ21の前側から後側に向かって、進角ポート25、入力ポート24、遅角ポート26の順に配置されている。
一方、スリーブ21の前端には、ドレン空間(ドレンパンに通じる空間)に通じるドレンポート27が設けられている。
スプール4は、略円筒形状を呈し、外周面がスリーブ21の内周面に対して微細なクリアランスを介して挿入配置される。
そして、スプール4が後方から前方へスライド変位することで、各ポートの切替え状態が変化して、遅角状態(カムシャフトを遅角側へ駆動する状態)、保持状態(カムシャフトの進角量を保持する状態)および進角状態(カムシャフトを進角側へ駆動する状態)が達成される。
この全周溝33は、入力ポート24と常に連通するものであり、
(i)スプール4が前方へ移動した際に入力ポート24と進角ポート25を連通して進角室αの油圧を上昇させ、
(ii)スプール4が後方へ移動した際に入力ポート24と遅角ポート26を連通して遅角室βの油圧を上昇させる分配室の機能を果たすものである。
リターンスプリング22は、スプール4を後方へ向けて付勢する圧縮コイルスプリングである。
ここで、スリーブ21は、ドレンポート27の周囲に、軸方向に対して垂直な環状壁36を備えており、この環状壁36と、スプール4に設けたバネ受段差37(スプール内ドレン穴6の前側で前方に拡径する部位の段差)の間で軸方向に圧縮された状態で組付けられるものである。
なお、リターンスプリング22が配置されるバネ室(スプール4の前部に設けられる容積変動室)は、ドレンポート27を介してドレン空間と連通するものである。
電磁アクチュエータ3は、コイル41、プランジャ2、カップガイド43、磁気吸引ステータ44、カラー45、磁気受渡ステータ46、ヨーク47、ステー48およびコネクタ49を備える。
コイル41は、通電されるとプランジャ2を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製のコイルボビンの周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
筒状部44bは、プランジャ2が前方へ移動した際、軸方向に交差可能に設けられている。また、筒状部44bの端部にはテーパが形成されており、このテーパによってプランジャ2のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
このカラー45は、例えば磁性体の金属板(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)を円環状にプレス加工したものであり、スリーブ21の後端に形成された段差とカップガイド43との間に挟まれて固定される。
カップガイド43の前端には、径方向に広がる拡径フランジ部が設けられており、この拡径フランジ部がスリーブ21(具体的には、スリーブ21の後端に配置されたOリング51)と磁気吸引ステータ44との間に挟まれることで、カップガイド43の内外のシールが成される。
なお、スリーブ21の後部外周に配置されたOリング52は、OCV装着穴からオイルが漏れるのを防ぐためのものである。
そして、上述したように、スプール弁5をOCV装着穴の内部に挿入し、電磁アクチュエータ3のステー48をエンジン部品に締結することで、OCV1がエンジンに組付けられる。
ECU13は、エンジン運転状態に応じた「目標の位相角」を算出する機能を備えるとともに、シューハウジング14に対するベーンロータ15の「実際の位相角」を検出する手段を備え、「実際の位相角」が「目標の位相角」となるようにコイル41の通電制御を実施するように設けられている。
具体的な一例として、ECU13は、デューティ比制御によりコイル41へ供給する電流量を制御するものであり、コイル41の供給電流量を制御することで、スプール4の軸方向の位置をリニアにスライド制御し、エンジン運転状態に応じた作動油圧を進角室αおよび遅角室βに発生させてカムシャフトの進角量を可変制御する。
プランジャ2は、上述したように、カップガイド43の内部で軸方向へ摺動するものである。プランジャ2が軸方向へ移動するには、プランジャ2の後端とカップガイド43の底部との間に形成される第2空間Bの容積を変動可能に設ける必要がある。
この第2空間Bは、プランジャ2の中心部において軸方向に貫通形成されたプランジャ内呼吸孔53を介して、スプール4とプランジャ2の間の空間に連通するものである。
また、スプール4とプランジャ2の間の空間は、上述したスプール端絞り部7およびスプール内ドレン穴6を介してドレンポート27に連通するものである。
このカップシャフト8は、前側に大径筒部が設けられ、後側に小径筒部が設けられた2段筒形状を呈する非磁性体材料(例えば、ステンレス等)によって設けられたプレス加工品である。そして、カップ開口部(大径筒部の前側)がスプール4の後端に形成された小径部の周囲に外嵌され、カップ底部がプランジャ2の前端に当接して、プランジャ2の軸力をスプール4に伝えるとともに、リターンスプリング22の付勢力をプランジャ2に伝えるように設けられている。
・カップシャフト8内のカップ内容積空間Cと、
・カラー45の前側で、カップシャフト8の周囲を覆うカップ外容積空間Dと、
・カラー45の後側でプランジャ2に接する第1空間Aと、
に区画される。
(a)流路面積を絞る絞り部と、この絞り部の周囲を覆う容積空間とからなる異物トラップ(この実施例では第1〜第3異物トラップX1〜X3)を介して第1空間Aがスプール内ドレン穴6に連通するように設けられるとともに、
(b)第2空間Bが第1空間Aのみに連通するように設けられている。
この実施例のOCV1は、スプール内ドレン穴6と第1空間Aとの間に、3つの異物トラップ(第1〜第3異物トラップX1〜X3)を設けている。
第1異物トラップX1は、
・スプール4の後端のスプール端絞り部7と、
・カップシャフト8内のカップ内容積空間Cと、
で構成される。
このように、第1異物トラップX1によって、異物がカップシャフト8よりプランジャ2側に侵入する量を減らすことができる。
・カップシャフト8の大径筒部の径方向に貫通形成されたカップ絞り部54と、
・カップシャフト8の周囲を覆うカップ外容積空間Dと、
で構成される。
特に、この実施例では、カラー45における大径筒部が、スリーブ21に設けられる摺動穴23の内径寸法より大きく設けられているため、作動油に含まれる異物をカラー45における大径筒部に留めることができる。
このように、第2異物トラップX2によって、異物がカップシャフト8よりプランジャ2側に侵入する量を減らすことができる。
・カップシャフト8に設けられた小径筒部(筒状部44bに挿入される部分)とカラー45の径方向の隙間による隙間絞り部55と、
・第1空間Aと、
で構成される。
また、カラー45は、コイル41の通電時に磁力が生じる部品であるため、カップシャフト8の内部に侵入した鉄系異物を、カラー45のスプール4側(特に、カップシャフト8の内部)に留めることができ、鉄系異物がカラー45よりプランジャ2側に侵入するのを防ぐことができる。
さらに、第1空間Aに鉄系異物が到達しても、その鉄系異物がカラー45に吸引されることで、第1空間Aに到達した鉄系異物がプランジャ2に達するのを抑えることができる。
この実施例のOCV1は、上述したように、第2空間Bがプランジャ内呼吸孔53を介して第1空間Aのみに連通するように設けられている。
カップシャフト8のカップ底部は、プランジャ2に直接当接し、第1空間Aとプランジャ内呼吸孔53は、カップシャフト8のカップ底部に形成された径方向に延びる径方向溝56のみを介して連通するものである。
このため、第1空間Aからプランジャ内呼吸孔53へ至るには、径方向に延びる径方向溝56を通る必要があり、第1空間Aからプランジャ内呼吸孔53へ至る連通路を複雑化(曲折化)することができる。
この実施例のOCV1は、上述したように、スプール内ドレン穴6と第1空間Aの間に、「流路面積を絞る絞り部」と「この絞り部の周囲を覆う容積空間」とからなる3つの異物トラップ(第1〜第3異物トラップX1〜X3)を設けている。また、第2空間Bを第1空間Aのみに連通させている。
これにより、スプール内ドレン穴6に排出された異物(作動油に混入した異物)が作動油とともに後方へ流れたとしても、異物が第1〜第3異物トラップX1〜X3によってトラップされるため、異物がプランジャ2に達するのを防ぐことができる。
このため、プランジャ摺動部の摩耗を抑えることができるとともに、プランジャ2の摺動不良の発生を未然に防ぐことができる。その結果、OCV1の信頼性を高め、VVTの信頼性を高めることができる。
この実施例のOCV1は、上述したように、第1空間Aとプランジャ内呼吸孔53がカップシャフト8のカップ底部に設けられた径方向溝56のみを介して連通するものであり、第1空間Aからプランジャ内呼吸孔53へ至る連通路が複雑化(曲折化)している。
これにより、第2空間Bへの異物の侵入を困難にできるため、第2空間Bに異物が侵入する不具合を回避することができる。
また、上記の実施例では、四方弁構造のスプール弁5を用いる例を示したが、スプール弁5は四方弁構造に限定されるものではなく、三方弁構造や五方弁以上の切替数を有するスプール弁5であっても良い。
具体的な一例として、例えば、自動変速機用の三方弁構造の電磁スプール弁に本発明を適用しても良い。
2 プランジャ
3 電磁アクチュエータ
4 スプール
5 スプール弁
6 スプール内ドレン穴
7 スプール端絞り部(第1異物トラップにおける絞り部)
8 カップシャフト
11 VCT(可変カムシャフトタイミング機構)
25 進角ポート(スプール内ドレン穴に作動油を排出可能な出力ポート)
26 遅角ポート(スプール内ドレン穴に作動油を排出可能な出力ポート)
45 カラー
53 プランジャ内呼吸孔
54 カップ絞り部(第2異物トラップにおける絞り部)
55 隙間絞り部(第3異物トラップにおける絞り部)
56 径方向溝
α 進角室
β 遅角室
A 第1空間(第3異物トラップにおける容積空間)
B 第2空間
C カップ内容積空間(第1異物トラップにおける容積空間)
D カップ外容積空間(第2異物トラップにおける容積空間)
X1 第1異物トラップ
X2 第2異物トラップ
X3 第3異物トラップ
Claims (8)
- 通電量に応じた起磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャ(2)を有する電磁アクチュエータ(3)と、前記プランジャ(2)によって軸方向へ駆動されるスプール(4)を有するスプール弁(5)とを具備し、
前記プランジャ(2)の軸方向の両側の空間が、前記スプール(4)内に形成されたスプール内ドレン穴(6)を介してドレン空間に連通する電磁スプール弁(1)において、
前記スプール(4)は、前記スプール内ドレン穴(6)の前記プランジャ(2)に近い側に、前記スプール内ドレン穴(6)より流路面積の小さいスプール端絞り部(7)が設けられ、
前記プランジャ(2)と前記スプール(4)の間には、有底のカップ形状を呈し、前記プランジャ(2)の軸力を前記スプール(4)に伝達するカップシャフト(8)が設けられ、
前記プランジャ(2)の軸方向の両側の空間のうち、前記スプール(4)に近い側で前記プランジャ(2)に接する空間を第1空間(A)と定義し、前記スプール(4)から離れた側で前記プランジャ(2)に接する空間を第2空間(B)と定義した場合、
前記第1空間(A)は、流路面積を絞る絞り部と、この絞り部の周囲を覆う容積空間とからなる1つまたは複数の異物トラップを介して前記スプール内ドレン穴(6)に連通し、
前記第2空間(B)は、前記第1空間(A)のみに連通することを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1に記載の電磁スプール弁(1)において、
前記異物トラップは、前記スプール内ドレン穴(6)と前記第1空間(A)との間に、2つ以上設けられることを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1または請求項2に記載の電磁スプール弁(1)において、
前記異物トラップの1つは、
前記スプール端絞り部(7)と、
前記カップシャフト(8)内のカップ内容積空間(C)と、
で構成される第1異物トラップ(X1)であることを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電磁スプール弁(1)において、
前記異物トラップの1つは、
前記カップシャフト(8)の径方向に貫通形成されたカップ絞り部(54)と、
前記カップシャフト(8)の周囲を覆うカップ外容積空間(D)と、
で構成される第2異物トラップ(X2)であることを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電磁スプール弁(1)において、
前記プランジャ(2)と前記スプール(4)の間には、前記プランジャ(2)の磁気吸引力を高める円環状のカラー(45)が設けられ、
前記異物トラップの1つは、
前記カップシャフト(8)に設けられた小径筒部と前記カラー(45)の隙間による隙間絞り部(55)と、
前記第1空間(A)と、
で構成される第3異物トラップ(X3)であることを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電磁スプール弁(1)において、
前記プランジャ(2)の内部には、前記第1空間(A)と前記第2空間(B)を連通するプランジャ内呼吸孔(53)が設けられ、
前記カップシャフト(8)の底部は、前記プランジャ(2)に直接当接し、
前記第1空間(A)と前記プランジャ内呼吸孔(53)は、前記カップシャフト(8)の底部に形成された径方向に延びる径方向溝(56)のみを介して連通することを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電磁スプール弁(1)において、
前記スプール内ドレン穴(6)は、前記第1、第2空間(A、B)を前記ドレン空間に連通させる呼吸通路の機能の他に、前記スプール弁(5)の出力ポートから排出される作動油を前記ドレン空間に導く作動油排出通路の機能を備えることを特徴とする電磁スプール弁。 - 請求項7に記載の電磁スプール弁(1)において、
この電磁スプール弁(1)は、可変カムシャフトタイミング機構(11)における進角室(α)に通じる進角ポート(25)と、前記可変カムシャフトタイミング機構(11)における遅角室(β)に通じる遅角ポート(26)とを備え、前記進角室(α)と前記遅角室(β)の油圧差をコントロールするものであり
前記スプール内ドレン穴(6)は、前記第1、第2空間(A、B)を前記ドレン空間に連通させる呼吸通路の機能の他に、前記進角室(α)に通じる前記進角ポート(25)および前記遅角室(β)に通じる前記遅角ポート(26)を介して排出される作動油を前記ドレン空間に導く作動油排出通路の機能を備えることを特徴とする電磁スプール弁。
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