JP2015016559A - 押出機内洗浄用プロピレン系重合体、押出機内洗浄用ペレット及びこれを用いた押出機内の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄効果の高い押出機内の洗浄方法、及びこれを実現する押出機内洗浄用プロピレン系重合体及び押出機内洗浄用ペレットを提供する。
【解決手段】下記(1)を満たす押出機内洗浄用プロピレン系重合体、これを含む押出機内洗浄用ペレット、及びこれを用いた押出機内の洗浄方法。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
【選択図】なし
【解決手段】下記(1)を満たす押出機内洗浄用プロピレン系重合体、これを含む押出機内洗浄用ペレット、及びこれを用いた押出機内の洗浄方法。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
【選択図】なし
Description
本発明は、押出機内洗浄用プロピレン系重合体、押出機内洗浄用ペレット及びこれを用いた押出機内の洗浄方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂加工装置においては、樹脂材料、色、充填剤の切り替えを頻繁に行う必要がある。樹脂材料、色、充填剤などの変更に際しては、その都度加工機の分解掃除を行うことが、変更前の熱可塑性樹脂基材の残留物が変更後の熱可塑性樹脂基材による成形に与える影響を排除する上で確実であるが、加工装置の冷却、分解、クリーニング、組立、加熱が必要であり、生産性の低下をもたらすと共にコストアップの要因となる。
これに対し、特許文献1には、未架橋ポリオレフィン樹脂の架橋を進行させながら、熱可塑性樹脂加工装置に残留する熱可塑性樹脂基材を洗浄剤と共に排出、洗浄する方法が開示されている。また、特許文献2には、複数のポリプロピレンと、低分子量の添加剤とを含む樹脂組成物を用いて、Tダイ付き押出機内を洗浄する方法が開示されている。
これに対し、特許文献1には、未架橋ポリオレフィン樹脂の架橋を進行させながら、熱可塑性樹脂加工装置に残留する熱可塑性樹脂基材を洗浄剤と共に排出、洗浄する方法が開示されている。また、特許文献2には、複数のポリプロピレンと、低分子量の添加剤とを含む樹脂組成物を用いて、Tダイ付き押出機内を洗浄する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の洗浄方法は、特殊な配合を要し、また、押出機から排出される洗浄剤に含まれる添加剤が金型を汚すおそれがあり、さらに、洗浄剤を特定の樹脂でパージする際に、樹脂同士の混合性や相溶性が悪く、洗浄剤自体を押出機から排出するのに時間が掛かるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、洗浄効果の高い押出機内の洗浄方法、及びこれを実現する押出機内洗浄用プロピレン系重合体及び押出機内洗浄用ペレットを提供することにある。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記(1)を満たす押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
[2] さらに、下記(2)及び(3)の少なくとも一方を満たす[1]に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(2)ショアーA硬度が50〜95である。
(3)ショアーD硬度が10〜60である。
[3] さらに、下記(4)を満たす[1]又は[2]に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(4)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
[4] さらに、下記(5)及び(6)を満たす[1]〜[3]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(5)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(6)分子量分布(Mw/Mn)<4.0
[5] さらに下記(7)及び(8)を満たす[1]〜[4]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(7)[rmrm]>2.5モル%
(8)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体を含有する押出機内洗浄用ペレット。
[7] 前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体を50質量%以上含有する[6]に記載の押出機内洗浄用ペレット。
[8] 押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物Aを成形する第一押出工程と、[6]又は[7]に記載の押出機内洗浄用ペレットを該押出機に供給し、押出成形を行うことで押出機内を洗浄する洗浄工程とをこの順に行う押出機内の洗浄方法。
[9] 前記熱可塑性樹脂基材Aのメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)に対する、前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)の比が20〜0.05である[8]に記載の押出機内の洗浄方法。
[10] 前記洗浄工程の後に、さらに、熱可塑性樹脂組成物Bを成形する第二押出工程を有する[8]又は[9]に記載の押出機内の洗浄方法。
[11] 前記熱可塑性樹脂組成物Aと、熱可塑性樹脂組成物Bとが、異なる組成物である[8]〜[10]のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
[12] 前記熱可塑性樹脂組成物Aが、基材樹脂としてプロピレン系重合体を含む[8]〜[11]のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
[13] 前記熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂の、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃超である請求項8〜11のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
[1] 下記(1)を満たす押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
[2] さらに、下記(2)及び(3)の少なくとも一方を満たす[1]に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(2)ショアーA硬度が50〜95である。
(3)ショアーD硬度が10〜60である。
[3] さらに、下記(4)を満たす[1]又は[2]に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(4)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
[4] さらに、下記(5)及び(6)を満たす[1]〜[3]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(5)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(6)分子量分布(Mw/Mn)<4.0
[5] さらに下記(7)及び(8)を満たす[1]〜[4]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(7)[rmrm]>2.5モル%
(8)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体を含有する押出機内洗浄用ペレット。
[7] 前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体を50質量%以上含有する[6]に記載の押出機内洗浄用ペレット。
[8] 押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物Aを成形する第一押出工程と、[6]又は[7]に記載の押出機内洗浄用ペレットを該押出機に供給し、押出成形を行うことで押出機内を洗浄する洗浄工程とをこの順に行う押出機内の洗浄方法。
[9] 前記熱可塑性樹脂基材Aのメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)に対する、前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)の比が20〜0.05である[8]に記載の押出機内の洗浄方法。
[10] 前記洗浄工程の後に、さらに、熱可塑性樹脂組成物Bを成形する第二押出工程を有する[8]又は[9]に記載の押出機内の洗浄方法。
[11] 前記熱可塑性樹脂組成物Aと、熱可塑性樹脂組成物Bとが、異なる組成物である[8]〜[10]のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
[12] 前記熱可塑性樹脂組成物Aが、基材樹脂としてプロピレン系重合体を含む[8]〜[11]のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
[13] 前記熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂の、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃超である請求項8〜11のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体及び押出機内洗浄用ペレットは、押出機内の洗浄効果の高いものである。
<押出機内洗浄用プロピレン系重合体>
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、下記(1)を満たすことを特徴とし、さらに下記(2)〜(8)を満たすことが好ましい。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
(2)ショアーA硬度が50〜95である。
(3)ショアーD硬度が10〜60である。
(4)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
(5)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(6)分子量分布(Mw/Mn)<4.0
(7)[rmrm]>2.5モル%
(8)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、下記(1)を満たすことを特徴とし、さらに下記(2)〜(8)を満たすことが好ましい。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
(2)ショアーA硬度が50〜95である。
(3)ショアーD硬度が10〜60である。
(4)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
(5)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(6)分子量分布(Mw/Mn)<4.0
(7)[rmrm]>2.5モル%
(8)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、示差走査型熱量計(DSC)により観測される融点(Tm−D)が0〜120℃であり、好ましくは20〜120℃であり、より好ましくは20〜100℃であり、更に好ましくは40〜100℃であり、特に好ましくは50〜90℃であり、最も好ましくは60〜90℃である。押出機内洗浄用プロピレン系重合体の融点(Tm−D)が0℃未満であると、通常取り扱う室温付近では押出機内洗浄用プロピレン系重合体が一定形状を保持しないため、押出機のホッパーに投入する際に、ホッパーが汚れるため生産性に劣り、一方、融点(Tm−D)が120℃超であると、押出機内の洗浄性に劣る。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、押出機内との密着性の観点から、ショアーA硬度が50〜95であることが好ましく、60〜95であることがより好ましく、70〜95であることがさらに好ましい。
上記ショアーA硬度は、JIS K6301に準拠して測定される。
また、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、ショアーD硬度が10〜60であることが好ましく、15〜55であることがより好ましく、20〜50であることがさらに好ましい。
上記ショアーD硬度は、ASTM D−2240に準拠して測定される。
上記のショアーA硬度やショアーD硬度を有する押出機内洗浄用プロピレン系重合体は適度な柔らかさを有するため、押出機の樹脂投入直後の比較的温度が低い部分でも、押出機内と密着しやすくなり、汚れの掻き出し効果が高くなる。
上記ショアーA硬度は、JIS K6301に準拠して測定される。
また、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、ショアーD硬度が10〜60であることが好ましく、15〜55であることがより好ましく、20〜50であることがさらに好ましい。
上記ショアーD硬度は、ASTM D−2240に準拠して測定される。
上記のショアーA硬度やショアーD硬度を有する押出機内洗浄用プロピレン系重合体は適度な柔らかさを有するため、押出機の樹脂投入直後の比較的温度が低い部分でも、押出機内と密着しやすくなり、汚れの掻き出し効果が高くなる。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]は20〜60モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜55モル%、さらに好ましくは40〜55モル%である。押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]は20モル%以上であると、ペレット形状を保持することが可能となるため、樹脂の取り扱い性が容易となり、60モル%以下であると、結晶化度が高過ぎることがなく、ペレットの軟質性を維持することができ、洗浄性の観点から好ましい。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、[rrrr]/(1−[mmmm])が好ましくは0.1以下である。[rrrr]/(1−[mmmm])は、低結晶性ポリプロピレンの規則性分布の均一さを示す指標である。この値が大きくなると既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高立体規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、高融点成分を含むこととなり融解に時間がかかる原因となる。このような観点から、[rrrr]/(1−[mmmm])は、好ましくは0.001〜0.05、より好ましくは0.001〜0.04、さらに好ましくは0.01〜0.04である。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、GPC法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは4.0未満である。分子量分布が4.0未満であれば、流動性の低下が抑制される。この分子量分布は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは1.5〜2.5である。
また、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、GPC法により測定した重量平均分子量(Mw)が好ましくは3,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜200,000、更に好ましくは7,000〜150,000である。重量平均分子量(Mw)が3,000以上であると、べたつきが低減される。またMwが1,000,000以下であると、流動性が向上し、塗工性が良好となる。
なお、上記重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算のものであり、上記分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ミリリットル/分
試料濃度 :2.2mg/ミリリットル
注入量 :160マイクロリットル
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ミリリットル/分
試料濃度 :2.2mg/ミリリットル
注入量 :160マイクロリットル
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、[rmrm]が好ましくは2.5モル%を超えるものである。[rmrm]が2.5モル%を超えていれば、プロピレン系重合体のランダム性を保持できるため、アイソタクチックポリプロピレンブロック鎖が適度に短くなり低融点と低硬度を両立したペレットが出来る。このような観点から、[rmrm]は、好ましくは2.6モル%以上、より好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常、好ましくは10モル%程度であり、より好ましくは7モル%、更に好ましくは5モル%、特に好ましくは4モル%である。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、[mm]×[rr]/[mr]2が好ましくは2.0以下である。[mm]×[rr]/[mr]2は、重合体のランダム性の指標を示す。この値が2.0以下であれば、高融点成分を含まず、融点が低く、かつ、ペレット形状を保つことが出来る。このような観点から、[mm]×[rr]/[mr]2は、好ましくは0.25を超え1.8以下、より好ましくは0.5〜1.8、更に好ましくは1〜1.8、特に好ましくは1.2〜1.6である。
本発明において、メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]およびラセミメソラセミメソペンダッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、およびラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、トリアッド分率[mm]、[rr]および[mr]も上記方法により算出する。
13C−NMRスペクトルの測定は、下記の装置及び条件にて行った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:230mg/ミリリットル
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
13C−NMRスペクトルの測定は、下記の装置及び条件にて行った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:230mg/ミリリットル
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は、上記(1)、好ましくは上記(2)〜(8)を満たせばプロピレン単独重合体であってもよく、共重合体であってもよいが、共重合体である場合はプロピレン単位の共重合比は50モル%以上であり、60モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2もしくは4〜20のα−オレフィン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニルなどが挙げられるが、後述する熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂がプロピレン系重合体である場合、洗浄対象となる熱可塑性樹脂組成物Aとの相溶性の観点からプロピレン単独重合体が好ましい。洗浄対象となる熱可塑性樹脂組成物Aとの相溶性が高い場合、洗浄後の押出機内に樹脂残りが少なくなり、変更後の熱可塑性樹脂の成形時に押出機内の残留物が混入する等の影響が少なくなる。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体の製造方法としては、(a)2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と(b)助触媒を組み合わせて得られるメタロセン触媒を用いてプロピレンを重合する方法が好ましい。
具体的には、下記一般式(I)で表される遷移金属化合物(a)、及び該(a)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物(b−1)及びアルミノキサン(b−2)から選ばれる助触媒成分(b)を含有する重合用触媒の存在下、プロピレンを重合する方法が挙げられる。
具体的には、下記一般式(I)で表される遷移金属化合物(a)、及び該(a)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物(b−1)及びアルミノキサン(b−2)から選ばれる助触媒成分(b)を含有する重合用触媒の存在下、プロピレンを重合する方法が挙げられる。
(a)遷移金属化合物上記(a)遷移金属化合物の具体例としては、上記一般式(I)で表される二架橋メタロセン化合物が好ましく用いられる。
上記一般式(I)中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、またそれらはたがいに同一でも異なっていてもよい。Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E1、E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY、E1、E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
上記一般式(I)中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、またそれらはたがいに同一でも異なっていてもよい。Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E1、E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY、E1、E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
前記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジ−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等、及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものが挙げられる。
次に、(b)成分のうちの(b−1)成分としては、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム等が挙げられる。
(b−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、(b−2)成分のアルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。これらのアルミノキサンは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記(b−1)成分1種以上と(b−2)成分1種以上とを併用してもよい。
上記重合用触媒としては、上記(a)成分及び(b)成分に加えて(c)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。ここで、(c)成分の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。ここで、プロピレンの重合に際しては、触媒成分の少なくとも1種を適当な担体に担持して用いることができる。
重合方法は特に制限されず、スラリー重合法、気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、塊状重合法、溶液重合法が特に好ましい。重合温度は通常−100〜250℃、反応原料に対する触媒の使用割合は、「原料モノマー/上記(A)成分」(モル比)が好ましくは1〜108、より好ましくは10〜1
05、更に好ましくは102〜105である。さらに、重合時間は、通常、好ましくは5分〜10時間、反応圧力は、通常、好ましくは常圧〜20MPa(ゲージ圧)である。
05、更に好ましくは102〜105である。さらに、重合時間は、通常、好ましくは5分〜10時間、反応圧力は、通常、好ましくは常圧〜20MPa(ゲージ圧)である。
<押出機内洗浄用ペレット>
本発明の押出機内洗浄用ペレットは、上述の押出機内洗浄用プロピレン重合体を含有する。
本発明の押出機内洗浄用ペレットにおける上記押出機内洗浄用プロピレン重合体の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の押出機内洗浄用ペレットは、上述の押出機内洗浄用プロピレン重合体を含有する。
本発明の押出機内洗浄用ペレットにおける上記押出機内洗浄用プロピレン重合体の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の押出機内洗浄用ペレットは、上記押出機内洗浄用プロピレン重合体以外の熱可塑性樹脂を含有していてもよく、このような熱可塑性樹脂としては、融点(Tm−D)が120℃超のポリプロピレンが挙げられる。
また、本発明の押出機内洗浄用ペレットは、必要に応じてさらに滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、発泡剤などを含有していてもよい。
また、本発明の押出機内洗浄用ペレットは、必要に応じてさらに滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、発泡剤などを含有していてもよい。
<押出機内の洗浄方法>
本発明の押出機内の洗浄方法では、押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物Aを成形する第一押出工程と、上記押出機内洗浄用ペレットを該押出機に供し、押出成形を行う洗浄工程とをこの順に行う。
本発明の押出機内洗浄用ペレットを押出機に投入するタイミングとしては、第一押出工程の熱可塑性樹脂組成物Aが押出機から全て吐出された後に投入することが好ましいが、熱可塑性樹脂組成物Aが押出機から吐出されている最中に投入しても良い。
本発明の押出機内の洗浄方法では、押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物Aを成形する第一押出工程と、上記押出機内洗浄用ペレットを該押出機に供し、押出成形を行う洗浄工程とをこの順に行う。
本発明の押出機内洗浄用ペレットを押出機に投入するタイミングとしては、第一押出工程の熱可塑性樹脂組成物Aが押出機から全て吐出された後に投入することが好ましいが、熱可塑性樹脂組成物Aが押出機から吐出されている最中に投入しても良い。
第一押出工程においては、事前に調製した熱可塑性樹脂組成物Aのペレットを押出機のホッパーに投入して押出成形を行うこともできるが、熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂(基材樹脂a)と、必要に応じて添加される一種以上の添加剤とを、押出機のホッパーに投入して押出成形を行うこともできる。熱可塑性樹脂組成物Aに含まれる添加剤は、熱可塑性樹脂組成物Aを押出機から吐出された後に、押出機内に残留する残留物の原因となる。
基材樹脂aと添加剤は、事前にドライブレンドを行うなどして混合した上でホッパーに投入されることが好ましい。
基材樹脂aと添加剤は、事前にドライブレンドを行うなどして混合した上でホッパーに投入されることが好ましい。
前記基材樹脂aは特に限定されず、通常、熱可塑性樹脂であり、プロピレン系重合体が好ましく用いられ、1種又は2種以上を用いることができる。前記プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体であってもよく、共重合体で合っても良い。共重合体の例としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィングラフト共重合体等が挙げられる
また、基材樹脂aとしては、融点(Tm−D)が120℃超のものを用いると、押出機内においてダイ寄りの高温部にて溶解する。これに対し、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は融点(Tm−D)が0〜120℃であるため、より手前(ホッパー寄り)で軟化、溶融する。従って、基材樹脂aの融点(Tm−D)が120℃以下であると、押出機内の洗浄性が良好となるため好ましい。
さらに、基材樹脂aのメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)に対する、前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)の比が、同程度の粘度を有する樹脂のパージのほうが、より効率的に樹脂の置換が可能であるという観点から、20〜0.05であることが好ましく、15〜0.1であることがより好ましく、15〜1.0であることがさらに好ましい。
また、基材樹脂aとしては、融点(Tm−D)が120℃超のものを用いると、押出機内においてダイ寄りの高温部にて溶解する。これに対し、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は融点(Tm−D)が0〜120℃であるため、より手前(ホッパー寄り)で軟化、溶融する。従って、基材樹脂aの融点(Tm−D)が120℃以下であると、押出機内の洗浄性が良好となるため好ましい。
さらに、基材樹脂aのメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)に対する、前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)の比が、同程度の粘度を有する樹脂のパージのほうが、より効率的に樹脂の置換が可能であるという観点から、20〜0.05であることが好ましく、15〜0.1であることがより好ましく、15〜1.0であることがさらに好ましい。
上記添加剤としては、フィラー、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、結晶核剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤,耐熱安定剤、難燃剤、合成油、ワックス、電気的性質改良剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、粘度調製剤、着色防止剤、防曇剤、滑剤、染料、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、塩素捕捉剤、酸化防止剤、粘着防止剤等が挙げられる。また、上記添加剤は、事前に樹脂基材の一部と混合してなるマスターバッチとして添加してもよい。
上記フィラーの具体例としては、有機顔料、無機顔料、タルク、マイカ、ガラス繊維などが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ、ハンザ系、ベンズイミダゾロン系、ジアリライド系、ピラゾロン系、イエロー系、レッド系等のアゾ系顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、イソインドリノン系等の多環系顔料およびアニリンブラック等を挙げることができる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等を挙げることができる。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ、ハンザ系、ベンズイミダゾロン系、ジアリライド系、ピラゾロン系、イエロー系、レッド系等のアゾ系顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、イソインドリノン系等の多環系顔料およびアニリンブラック等を挙げることができる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂組成物Aにおける基材樹脂aの比率は、通常50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、添加剤の比率は、通常50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
本発明において、洗浄対象とされる押出機は特に制限されず、単軸押出機でも二軸押出機でもよく、押出機内にスクリューを持つものでも良い。また押出機は、射出成型機、押出成形機、ブロー成形機のいずれの押出機であってもよい。
通常の押出機は、熱可塑性樹脂投入直後の押出機部における温度は低く、押出機の吐出部に向かって高温になる。そのため、樹脂投入直後の押出機部位における温度よりも融点が高い樹脂を洗浄工程で使用すると、樹脂投入直後の押出機部位に存在する残留物を掻き出すことができず、洗浄後に変更する熱可塑性樹脂に残留物が混入し、残留物が取り除かれるまでに時間を要する。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は融点が低く、かつ適度な硬度を有するため、樹脂投入直後の押出機部位においても、押出機内に密着する面積が多く、残留物を掻き出しやすい。また、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は常温で一定形状を保持することから、樹脂を投入する際に使用するホッパーを汚すことが無い。
通常の押出機は、熱可塑性樹脂投入直後の押出機部における温度は低く、押出機の吐出部に向かって高温になる。そのため、樹脂投入直後の押出機部位における温度よりも融点が高い樹脂を洗浄工程で使用すると、樹脂投入直後の押出機部位に存在する残留物を掻き出すことができず、洗浄後に変更する熱可塑性樹脂に残留物が混入し、残留物が取り除かれるまでに時間を要する。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は融点が低く、かつ適度な硬度を有するため、樹脂投入直後の押出機部位においても、押出機内に密着する面積が多く、残留物を掻き出しやすい。また、本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体は常温で一定形状を保持することから、樹脂を投入する際に使用するホッパーを汚すことが無い。
洗浄工程における押出機の洗浄条件としては、押出機の吐出部の温度が通常150℃〜300℃であり、スクリュー回転数や吐出量は特に制限されないが、例えば洗浄対象となる熱可塑性樹脂基材Aの押出条件と同じ条件で洗浄することができる。
本発明の押出機内の洗浄方法は、上記洗浄工程の後に、さらに、熱可塑性樹脂組成物Bを成形する第二押出工程を有していてもよい。
ここで、熱可塑性樹脂組成物Bとしては、上述の熱可塑性樹脂組成物Aと同様のものから選択できるが、本発明の洗浄方法は、第一押出工程後に押出機内に残留している熱可塑性樹脂組成物Aをパージする必要がある状況において用いられるため、通常、熱可塑性樹脂組成物Aと、熱可塑性樹脂組成物Bとは、異なる組成となっている。
本発明の洗浄方法が用いられる状況の具体例としては、第一押出工程において成形される熱可塑性樹脂組成物Aが添加物としてカーボンブラックを含有し、第二押出工程において成形される熱可塑性樹脂組成物Bには添加物が含まれていない状況や、熱可塑性樹脂組成物の基材樹脂aと、熱可塑性樹脂組成物Bの基材樹脂bとが異なる種類である場合などが挙げられる。
ここで、熱可塑性樹脂組成物Bとしては、上述の熱可塑性樹脂組成物Aと同様のものから選択できるが、本発明の洗浄方法は、第一押出工程後に押出機内に残留している熱可塑性樹脂組成物Aをパージする必要がある状況において用いられるため、通常、熱可塑性樹脂組成物Aと、熱可塑性樹脂組成物Bとは、異なる組成となっている。
本発明の洗浄方法が用いられる状況の具体例としては、第一押出工程において成形される熱可塑性樹脂組成物Aが添加物としてカーボンブラックを含有し、第二押出工程において成形される熱可塑性樹脂組成物Bには添加物が含まれていない状況や、熱可塑性樹脂組成物の基材樹脂aと、熱可塑性樹脂組成物Bの基材樹脂bとが異なる種類である場合などが挙げられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
製造例1[押出機内洗浄用プロピレン系重合体の製造]
攪拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/h、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンとを質量比1:2:20で、事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hで連続供給した。
重合温度を55℃に設定し、反応器の気相部の水素濃度が8モル%、反応器内の全圧が1.0MPa・Gに保たれるように、プロピレンと水素を連続供給し、重合反応を行った。
得られた重合溶液に、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)をその含有割合が1000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、押出機内洗浄用プロピレン系重合体を得た。
製造例1で得られた押出機内洗浄用プロピレン系重合体について、以下の測定を行った。測定結果を第1表に示す。
攪拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/h、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/h、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートと(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドとトリイソブチルアルミニウムとプロピレンとを質量比1:2:20で、事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hで連続供給した。
重合温度を55℃に設定し、反応器の気相部の水素濃度が8モル%、反応器内の全圧が1.0MPa・Gに保たれるように、プロピレンと水素を連続供給し、重合反応を行った。
得られた重合溶液に、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)をその含有割合が1000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、押出機内洗浄用プロピレン系重合体を得た。
製造例1で得られた押出機内洗浄用プロピレン系重合体について、以下の測定を行った。測定結果を第1表に示す。
〔ショアーA硬度〕
プレス成形機により3mm厚シートを作製し、測定後室温で48時間経過させた後、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(ASTMD 2240に準拠)
プレス成形機により3mm厚シートを作製し、測定後室温で48時間経過させた後、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(ASTMD 2240に準拠)
〔ショアーD硬度〕
プレス成形機により3mm厚シートを作製し、測定後室温で48時間経過させた後、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(ASTMD 2240に準拠)
プレス成形機により3mm厚シートを作製し、測定後室温で48時間経過させた後、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(ASTMD 2240に準拠)
〔融点測定〕
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
〔NMR測定〕
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]およびラセミメソラセミメソペンダッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、およびラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、トリアッド分率[mm]、[rr]および[mr]も上記方法により算出した。
〔重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)測定〕
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を得た。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を得た。
<GPC測定装置>
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
〔メルトフローレイト測定〕
JIS K7210に準拠し、温度230℃、加重21.18Nの条件で測定した。
JIS K7210に準拠し、温度230℃、加重21.18Nの条件で測定した。
実施例1
吐出部温度が200℃である40mm単軸押出機に、熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂aとしてプロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119、MFR (g/10min)=60)と0.8質量%となるように調整したカーボンブラック(三菱化学株式会社製、#1000N)のドライブレンド物を吐出20kg/hの吐出量で4kg流し(第一押出工程)、ホッパー内を清掃した後、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体を2kg流し(洗浄工程)、さらにホッパー内にペレットが残っていないことを確認してからプロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)を30分間流した(第二押出工程)。第二押出工程の所定時間ごとにプロピレン系重合体のペレタイズサンプルを採取し、その色調を確認し、目視により第二押出工程において樹脂成形に影響が無くまでの時間を評価した。
結果を表1に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図1に示す。
なお、実施例1においては、押出機内の洗浄効果を確認するために、第二押出工程の熱可塑性樹脂組成物Bに、顔料等の添加物が添加されていない樹脂(本発明では、熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂aと同様)を使用した。これは、以下の実施例、比較例においても同様である。
吐出部温度が200℃である40mm単軸押出機に、熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂aとしてプロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119、MFR (g/10min)=60)と0.8質量%となるように調整したカーボンブラック(三菱化学株式会社製、#1000N)のドライブレンド物を吐出20kg/hの吐出量で4kg流し(第一押出工程)、ホッパー内を清掃した後、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体を2kg流し(洗浄工程)、さらにホッパー内にペレットが残っていないことを確認してからプロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)を30分間流した(第二押出工程)。第二押出工程の所定時間ごとにプロピレン系重合体のペレタイズサンプルを採取し、その色調を確認し、目視により第二押出工程において樹脂成形に影響が無くまでの時間を評価した。
結果を表1に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図1に示す。
なお、実施例1においては、押出機内の洗浄効果を確認するために、第二押出工程の熱可塑性樹脂組成物Bに、顔料等の添加物が添加されていない樹脂(本発明では、熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂aと同様)を使用した。これは、以下の実施例、比較例においても同様である。
[洗浄効果の評価方法]
第二押出工程における、押出機から吐出された樹脂の色調を目視で確認し、第一押出工程で発生した残留物が、第二押出工程に影響を与えなくなる時間を評価した。結果を第2表に示す。
○:第二押出工程における樹脂成形に影響が無い。
×:第二押出工程における樹脂成形に影響がある。
第二押出工程における、押出機から吐出された樹脂の色調を目視で確認し、第一押出工程で発生した残留物が、第二押出工程に影響を与えなくなる時間を評価した。結果を第2表に示す。
○:第二押出工程における樹脂成形に影響が無い。
×:第二押出工程における樹脂成形に影響がある。
比較例1
実施例1の洗浄工程において、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体に代えてポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、S119、融点(Tm−D)=161℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図1に示す。
実施例1の洗浄工程において、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体に代えてポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、S119、融点(Tm−D)=161℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図1に示す。
実施例2
実施例1において、プロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)と0.5質量%となるように調整したマスターバッチのドライブレンド物を第一押出工程に供した以外は、実施例1と同様にして行った。尚、マスターバッチとしては、プロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)に対してカーボンブラック(三菱化学株式会社製、#1000N)を40質量%配合し、事前混練したものを用いた。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図2に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)と0.5質量%となるように調整したマスターバッチのドライブレンド物を第一押出工程に供した以外は、実施例1と同様にして行った。尚、マスターバッチとしては、プロピレン系重合体(プライムポリマー株式会社製、S119)に対してカーボンブラック(三菱化学株式会社製、#1000N)を40質量%配合し、事前混練したものを用いた。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図2に示す。
比較例2
実施例2の洗浄工程において、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体に代えてポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、S119、融点(Tm−D)=161℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして行った。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図2に示す。
実施例2の洗浄工程において、製造例1で得た押出機内洗浄用プロピレン系重合体に代えてポリプロピレン(プライムポリマー株式会社製、S119、融点(Tm−D)=161℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして行った。
実施例1と同様に評価した結果を第2表に、また、得られたペレタイズサンプルの色調を図2に示す。
図1及び図2より、押出機内を洗浄する際に本発明の押出機内洗浄用ペレットを用いることで、より早い段階でペレットの色調が白くなっていることが分かる。
本発明の押出機内洗浄用プロピレン系重合体及び押出機内洗浄用ペレットを用いることで、効率良く押出機内の洗浄を行うことができる。
Claims (13)
- 下記(1)を満たす押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。 - さらに、下記(2)及び(3)の少なくとも一方を満たす請求項1に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(2)ショアーA硬度が50〜95である。
(3)ショアーD硬度が10〜60である。 - さらに、下記(4)を満たす請求項1又は2に記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(4)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。 - さらに、下記(5)及び(6)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(5)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(6)分子量分布(Mw/Mn)<4.0 - さらに下記(7)及び(8)を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体。
(7)[rmrm]>2.5モル%
(8)[mm]×[rr]/[mr]2≦2.0 - 請求項1〜5のいずれかに記載の押出機内洗浄用プロピレン系重合体を含有する押出機内洗浄用ペレット。
- 前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体を50質量%以上含有する請求項6に記載の押出機内洗浄用ペレット。
- 押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物Aを成形する第一押出工程と、請求項6又は7に記載の押出機内洗浄用ペレットを該押出機に供給し、押出成形を行うことで押出機内を洗浄する洗浄工程とをこの順に行う押出機内の洗浄方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物Aのメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)に対する、前記押出機内洗浄用プロピレン系重合体のメルトフローレイト(230℃、2.16kg荷重)の比が20〜0.05である請求項8に記載の押出機内の洗浄方法。
- 前記洗浄工程の後に、さらに、熱可塑性樹脂組成物Bを成形する第二押出工程を有する請求項8又は9に記載の押出機内の洗浄方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物Aと、熱可塑性樹脂組成物Bとが、異なる組成物である請求項8〜10のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物Aが、基材樹脂としてプロピレン系重合体を含む請求項8〜11のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物Aの基材樹脂の、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃超である請求項8〜11のいずれかに記載の押出機内の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013143007A JP2015016559A (ja) | 2013-07-08 | 2013-07-08 | 押出機内洗浄用プロピレン系重合体、押出機内洗浄用ペレット及びこれを用いた押出機内の洗浄方法 |
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JP2013143007A JP2015016559A (ja) | 2013-07-08 | 2013-07-08 | 押出機内洗浄用プロピレン系重合体、押出機内洗浄用ペレット及びこれを用いた押出機内の洗浄方法 |
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JP2016151014A (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-22 | 出光興産株式会社 | 酸変性オレフィン系樹脂組成物 |
-
2013
- 2013-07-08 JP JP2013143007A patent/JP2015016559A/ja active Pending
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