JP2013042078A - 太陽電池モジュール、回路シート、着色封止材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路シート10は、絶縁樹脂からなるベースフィルム11と、前記ベースフィルムの一方の面側に配される導電層12と、前記ベースフィルム11の一方の面と前記導電層12を覆う着色封止層13と、を備え、前記導電層12は、前記セル電極40と電気的に接続される回路パターンを有し、前記着色封止層13は、光透過率が10%以下、かつ、体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、前記セル電極40に対応する位置に穴が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール1。
【選択図】図2
Description
従来、太陽電池モジュールのセル間同士の電気的な接続は、セルの受光面側(マイナス電極、N型半導体電極)から隣接するセルの非受光面側(プラス電極、P型半導体電極)に配線を回り込ませて接続する構造となっていた。この構造では受光面に入射する太陽光を配線が遮るために、受光面積が減少し、発電効率が低下する問題があった。
絶縁層の上には、セル電極に対応する位置に穴を形成された封止層が太陽電池セルを覆うように配置される。セル電極と導電層とは、封止層の穴を通じて導通が取れるように接続されている。
この場合、着色封止層が一方の面側に反射層を備えている構成となっている。このため、太陽電池セルと太陽電池セルの隙間を通り抜けて太陽電池セル表面に吸収されなかった光を再度、着色封止層で反射させて、発電効率を向上させることができる。
着色封止層の厚さが、これよりも厚いと経済的でなく、これよりも薄いと、隠蔽性や発電効率の向上の効果が得られなかったり、セルが割れてしまったりすることがある。
本発明の着色封止材料によれば、体積抵抗率が1×108Ω・cmとなっている。そのため、体積抵抗率が高いので、太陽電池モジュールの回路シートに使用したときに、回路パターンの間隙の絶縁を好適に確保することができる。
また、着色封止材料の光透過率が10%以下となっている。そのため、入射した光が透過されず、隠蔽性が良好である。
まず、本発明の実施形態で用いられる着色封止材料について説明する。
着色封止材料は、例えば、エチレンビニルアセテート系、ポリビニルブチラール、アイオノマー、EMAA、EMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂などに、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、アニリンブラックなどを添加し着色されたものが使用される。この着色封止材料には、回路シートに使用したときに配線を見えなくするために、白色や黒色の着色剤が添加されている。
図1に本実施形態の太陽電池モジュール用の回路シート10を示す。この回路シート10は、絶縁樹脂からなるベースフィルム11と、ベースフィルム11の一方の面側に配される導電層12と、ベースフィルム11の一方の面側と導電層12を覆う着色封止層13と、を備えている。ここで、一方の面側とは、図1のベースフィルム11の上面側を意味している。
パターンニング方式としては、エッチング、金属ペーストの印刷、金属箔などの打ち抜き加工、などを用いればよい。
この穴は貫通穴となっており、セル電極40と導電層12が、この穴を通じて後述する接合層70を介し、電気的に接続されるようになっている。
反射層は、例えば、ガラスの微小球などを含有したエチレンビニルアセテート系、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂などで構成される。
この太陽電池モジュール1は、図2で示すように、太陽電池セル20と、太陽電池セル20の受光面側を覆う透明封止層30と、太陽電池セル20の非受光面側に配置されるセル電極40と、太陽電池セル20の非受光面側に配置される回路シート10と、を備えている。ここで、受光面側とは、太陽電池モジュール1の光が入射される面側(図2の太陽電池セル20の上面側)のことを意味し、非受光面側とは、光が入射されない面側(図2の太陽電池セル20の下面側)を意味している。
さらに太陽電池モジュール1は、透明封止層30の上に積層された透光性基板50と、回路シート10の下に配置されたバックシート60と、セル電極40と回路シート10の間に形成された接合層70を有している。
また、着色封止材料は、光透過率が10%以下とされているので、入射した光が透過されず、隠蔽性が良好である。
ポリフッ化ビニル(商品名:PV2111、デュポン製、厚さ25μm)、ポリエチレンテレフタレート(商品名:S10、東レ製、厚さ250μm)、電解銅箔(商品名JTC銅箔、日鉱金属製、厚さ35μm)を、この順に積層し、2液硬化型ウレタン系接着剤(商品名:A511/A50、三井化学製)を用いてドライラミネート法で貼り合わせた。さらに、電解銅箔をエッチング法によりパターンニングし、回路パターンを作製した。
上述のように作成した着色封止層の体積抵抗率は1×109Ω・cmであった。体積抵抗率はJIS Z3197に準拠して測定した。
また、透過率は、5%であった。透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定した。
モジュールラミネートは、真空環境において150℃で5分間熱処理し、次に加圧環境において130℃で3分間熱処理し、最後に架橋のために150℃で30分間熱処理する条件で実施した。
着色封止層を、反射層(厚さ200μm)と黒色着色封止層(厚さ200μm)の2層構造の構成とした以外は、実施例1と同様にして作製した。このとき反射層が透明封止層および太陽電池セルと接続され、黒色着色封止層がベースフィルムおよびパターンニングされた電解銅箔と接続されるように配置した。
反射層は、エチレンビニルアセテート系封止材(商品名:EF1001、凸版印刷製)に、ガラス微小中空球(3M製)を1%添加したもので構成した。
この2層構造の着色封止層の体積抵抗率は、5×109Ω・cmであった。
また、透過率は、8%であった。
ポリフッ化ビニル(商品名:PV2111、デュポン製、厚さ25μm)、ポリエチレンテレフタレート(商品名:S10、東レ製、厚さ250μm)、電解銅箔(商品名JTC銅箔、日鉱金属製、厚さ35μm)を、この順に積層し、2液硬化型ウレタン系接着剤(商品名:A511/A50、三井化学製)を用いてドライラミネート法で貼り合わせた。さらに、電解銅箔をエッチング法によりパターンニングし、回路パターンを作製した。
モジュールラミネートは、真空環境において150℃で5分間熱処理し、次に加圧環境において130℃で3分間熱処理し、最後に架橋のために150℃で30分間熱処理する条件で実施した。
一方、比較例1は、生産性、コストの点で発明例と比較して劣っていた。またスクリーン印刷後の熱架橋工程の熱により回路シートの劣化が見られた。
10 回路シート
11 ベースフィルム
12 導電層
13 着色封止層
20 太陽電池セル
30 透明封止層
40 セル電極
Claims (5)
- 太陽電池セルと、前記太陽電池セルの受光面側を覆う透明封止層と、前記太陽電池セルの非受光面側に配置されるセル電極と、前記太陽電池セルの非受光面側に配置される回路シートと、を備える太陽電池モジュールであって、
前記回路シートは、絶縁樹脂からなるベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方の面側に配される導電層と、前記ベースフィルムの一方の面側と前記導電層を覆う着色封止層と、を備え、
前記導電層は、前記セル電極と電気的に接続される回路パターンを有し、
前記着色封止層は、光透過率が10%以下、かつ、体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、前記セル電極に対応する位置に穴が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記着色封止層は、一方の面側に反射層を備えていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記着色封止層の厚さは、100μm以上、1000μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
- 請求項1から3項のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールに用いられる回路シートであって、
絶縁樹脂からなるベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方の面側に配される導電層と、前記ベースフィルムの一方の面側と前記導電層を覆う着色封止層と、を備え、
前記導電層は、前記太陽電池セルの非受光面側に配置される前記セル電極と電気的に接続される回路パターンを有し、
前記着色封止層は、光透過率が10%以下、かつ、体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であり、前記セル電極に対応する位置に穴が形成されていることを特徴とする回路シート。 - 請求項1から3項のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの着色封止層に用いられる着色封止材料であって、
光透過率が10%以下、かつ、体積抵抗率が1×108Ω・cm以上であることを特徴とする着色封止材料。
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