JP2011096777A - 太陽電池用裏面保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリプレグ2Aの一方の面に、プリプレグ2A上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印3と、プリプレグ2A面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部4とが、印刷法により形成された太陽電池用裏面保護シート用基材1。また、該太陽電池用裏面保護シート用基材1上に、金属箔と絶縁樹脂層が積層された太陽電池用裏面保護シート。
【選択図】図1
Description
太陽電池用裏面保護シートとしては、ポリエステル系シート基材の両面に接着剤を塗布して接着剤層を形成し、ポリフッ化ビニルからなるフィルム等の耐候性樹脂フィルムを貼り合わせた積層構造を有する、バリア性及び耐候性を高めた太陽電池用裏面保護シートが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
(i)前述したように、前記接着剤を使用すると、長期間の使用において金属箔や耐候性樹脂フィルムが剥離する問題が生じる。また、該接着剤の絶縁性は充分に高くないことから、回路間の絶縁性が充分に確保できない。
(ii)ポリエステル系フィルム基材の耐熱性が低いために、接着剤層を形成する際の乾燥温度、金属箔や耐候性樹脂フィルムを積層する際のラミネート温度、絶縁樹脂層を形成する際の硬化温度等を高温に設定できず、製造条件が限定される。そのため、使用できる材料が限定されるばかりか、生産性も低下する。
(iii)ポリエステル系フィルム基材は高温において寸法変化が大きいため、バックコンタクト用回路材と太陽電池セルの接合部には応力が集中しやすい。その結果、端子接合部が剥離したり、クラックが発生する等、接続信頼性が確保できないことがある。
(iv)金属箔とポリエステル系フィルム基材の熱膨張差により、積層後のバックコンタクト用回路材に反りが発生しやすい。
(v)バックコンタクト用回路材を、ハンダゴテ等を用いて積層して太陽電池モジュールを手工業的に製造する場合、高い精度で積層する部材を位置決めするのは困難であり、生産性が不充分である。今後の急激な需要を考慮すると、回路間の接続及び積層工程の自動化を視野に入れた生産性の向上が望まれる。
また、本発明は、太陽電池モジュールの製造において太陽電池セル等を高い精度で積層でき、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れた太陽電池用裏面保護シートの提供を目的とする。
[1]繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグの一方の面に、該プリプレグ上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印と、該プリプレグ面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部とが、印刷法により形成されていることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート用基材。
[2]前記[1]に記載の太陽電池用裏面保護シート用基材の前記プリプレグが硬化された複合材料層上に、複数の金属箔が前記位置制御用目印により位置決めして積層され、それら金属箔同士が前記導線部により接続されており、さらに、前記金属箔を覆うように、かつ前記位置制御用目印に沿った位置制御用樹脂目印が形成されるように、前記金属箔間を絶縁する絶縁樹脂層が積層されている、太陽電池用裏面保護シート。
[3]前記複合材料層における金属箔及び絶縁樹脂層の積層面と反対側の面に、保護層が積層されている、前記[2]に記載の太陽電池用裏面保護シート。
また、本発明の太陽電池用裏面保護シートは、バックコンタクト用回路材として適用できるものであり、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れている。また、本発明の太陽電池用裏面保護シートを用いれば、太陽電池モジュールの製造において太陽電池セル等を高い精度で積層できる。
本発明の太陽電池用裏面保護シート用基材(以下、単に「保護シート用基材」という。)は、太陽電池モジュールの裏面を保護する太陽電池用裏面保護シート、特にバックコンタクト用回路材として適用する太陽電池用裏面保護シートに用いる基材である。以下、本発明の保護シート用基材の実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本実施形態の保護シート用基材1は、繊維基材に熱硬化性樹脂が含浸され、乾燥されたプリプレグ2Aの一方の面に、プリプレグ2A上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印3と、プリプレグ2A面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部4とを有している。
繊維基材の繊維形状としては、平織り、綾織、朱子織り、目抜き平織り、目抜きカラミ織り等、長繊維を用いた織物が好ましい。短繊維状物は、プリプレグの表面に繊維端が突出しやすいため、金属箔や絶縁樹脂層との界面に気泡が発生するおそれがある。
付加重合型の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、シアナート樹脂、シアン酸エステル−エポキシ樹脂、シアン酸エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、マレイミド−ビニル樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、これらを2種以上配合してなる混合樹脂等が挙げられる。
プリプレグ2Aの厚さは、絶縁破壊耐性、耐突き刺し性の点から、50μm以上が好ましく、特に製造時のハンドリング性(曲げ剛性)の点から、100〜300μmが好ましい。
位置制御用目印3の形状、形成位置及び数は、特に限定されず、プリプレグ2A面上に積層する部材の積層位置が明確になるように適宜選定すればよい。本実施形態では、十字形状の4つの位置制御用目印3が、プリプレグ2A面の上下左右の縁部にそれぞれ形成されている。これにより、例えば、図4に示すように、上下方向に3枚ずつ2列で合計6枚の金属箔5を積層する場合、上下方向の3枚の金属箔5を、その中央に位置する金属箔5が前記左右方向の2つの位置制御用目印3の位置にくるように配置し、かつ、左右方向の2列の金属箔5が上下方向の2つの位置制御用目印3を挟むように配置するようすることで、積層位置を高い精度で制御できる。また、絶縁樹脂層を形成する硬化性樹脂の塗布する位置も、位置制御用目印3を基準にすることで高い精度で制御できる。
印刷後の乾燥温度は、100〜130℃が好ましい。乾燥温度が100℃以上であれば、保護シート用基材1の生産性が向上する。
次に、本発明の太陽電池用裏面保護シートについて説明する。本発明の太陽電池用裏面保護シートは、前述した本発明の保護シート用基材を有する保護シートであり、特にバックコンタクト用回路材として適用する保護シートである。以下、本発明の太陽電池用裏面保護シートの一例として、前記保護シート用基材1を用いた実施形態を示して詳細に説明する。
本実施形態の太陽電池用裏面保護シート10は、図2及び図3に示すように、保護シート用基材1と、保護シート用基材1の位置制御用目印3及び導線部4を形成した面に積層された複数の金属箔5(本実施形態では6枚)と、金属箔5上に形成された絶縁樹脂層6と、保護シート用基材1の残りの面に積層された保護層7と、を有している。絶縁樹脂層6には、各金属箔5に対応する開口部6aが形成されている。また、保護シート用基材1の導線部4と金属箔5とは、電気的に接続されている。
金属箔5は、電気伝導性を有する金属箔であればよく、例えば、金箔、アルミニウム箔、銅箔、亜鉛箔、ステンレス箔等が挙げられる。なかでも、電気特性及び材料コストの点から、銅箔が特に好ましい。
金属箔5の厚さは、電気特性の点から、10μm以上が好ましく、12〜50μmがより好ましい。
金属箔5は、保護シート用基材1上に積層した後に所望の回路パターンに加工してもよく、予め所望の回路形状に加工したものを積層してもよい。
開口部6aの平面形状(充填される導電部の平面形状)は特に限定されず、真円、楕円等、接続する太陽電池セルの端子形状に合わせた種々の形状が適用できる。
開口部6aの大きさ(充填される導電部の大きさ)は、太陽電池セルとの接続強度を考慮して選定すればよい。例えば、開口部6aの平面形状が真円の場合、その直径は、5mm以上が好ましく、特に太陽電池用裏面保護シート10の製造時において、プリプレグ2Aから熱硬化性樹脂が染み出すことによる閉塞を考慮すると、10mm以上がより好ましい。また、開口部6aの前記直径は、太陽電池モジュールの製造における加圧積層時に金属箔5が凹むことを最小限に抑える目的から、15mm以下が好ましい。
保護層7としては、低コストで、クラックやピンホールが形成されにくいことから、フッ素含有樹脂を含む層が好ましい。
フッ素含有樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合樹脂(ECTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)・ヘキサフルオロプロピレン(HFP)・ビニリデンフロライド(VDF)の三元共重合体樹脂等が挙げられる。
また、保護層7がフッ素含有樹脂を含む場合には、複合材料層2との密着性を改善するため、その表面に、コロナ放電処理、プラズマ放電処理等の易接着処理が施されていることが好ましい。
以下、太陽電池用裏面保護シート10の製造方法について説明する。ただし、本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法は以下に示す方法には限定されない。
太陽電池用裏面保護シート10の製造方法としては、例えば、下記工程(I)及び(II)を有する方法が挙げられる。
(I)図4に示すように、保護層7を形成する樹脂フィルム上にプリプレグ2Aを配置し、該プリプレグ2A上に位置制御用目印3を用いて位置決めして金属箔5を配置し、プリプレグ2Aを硬化して、保護層7、複合材料層2及び金属箔5の積層シートを得る。
(II)図2に示すように、位置制御用目印3を基準にして、金属箔5を覆い、かつ位置制御用目印3に沿った位置制御用樹脂目印6bが形成されるように、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を積層する。
図4に示すように、保護層7を形成する樹脂フィルム上にプリプレグ2Aを配置し、該プリプレグ2A上に、位置制御用目印3を用いて位置決めして金属箔5を配置し、プリプレグ2Aを硬化することで、保護層7と金属箔5をそれぞれ積層して保護層7/複合材料層2/金属箔5の積層構成の、所定の形状及び寸法のパターンの回路を有する積層シートを得る。
金属箔5の回路パターンは、金属箔5の積層後に、ドライフィルムレジストや液状レジストを用いたフォトリソグラフィ/エッチング法により形成してもよく、刃先を回路形状に加工したトムソン刃による抜き加工によって積層前に予め形成してもよい。
前記加圧積層工法における積層時の真空度は、20Torr以下が好ましく、10Torr以下がより好ましい。
金属箔5の積層圧力は、0.5〜3.0MPaが好ましい。
金属箔5の積層時間は、10〜40分が好ましい。
図2に示すように、位置制御用目印3を基準にして、金属箔5を覆い、かつ位置制御用目印3に沿った位置制御用樹脂目印6bが形成されるように、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を積層する。
絶縁保護層6を形成する熱硬化性樹脂の形態としては、ワニス、2液性インキ、ドライフィルム等、特に限定されない。開口部6aの形成方法としては、感光性を備えた熱硬化性樹脂をフィルム基材上に塗布して半硬化させた、金属箔5及び位置制御用目印3の形状に対応する形状のドライフィルムを用いて絶縁保護層6を形成し、フォトリソグラフィにより開口部6aを形成する方法が好ましい。このとき、ドライフィルムの配置を位置制御用目印3を基準にして行うことで、絶縁樹脂層6の積層位置が高い精度で制御できる。
また、開口部6aの位置に高い精度を必要せず、寸法が数ミリ以上と充分に大きい場合には、材料コストと生産性の点から、スクリーン印刷にて直接開口部6aを有する絶縁保護層6を形成する方法が特に好ましい。該絶縁保護層6の形成では、全ての金属箔5と位置制御用目印3の形状に対応する形状の版孔を有するスクリーン版を用いることで、位置制御用目印3を基準にして絶縁保護層6の積層位置を高度に制御できる。
また、本発明の保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シートは、位置制御用目印を用いた製造の自動化により、高い精度で各層が積層された高品質な製品をより簡便に製造できると期待される。
以下、前述した太陽電池用裏面保護シートを有する太陽電池モジュールの実施形態の一例を説明する。ただし、本発明の太陽電池用裏面保護シートを有する太陽電池モジュールは、以下に説明する太陽電池モジュールには限定されない。
本実施形態の太陽電池モジュール100は、図5に示すように、太陽電池セル20と、太陽電池セル20を封止する封止層30と、封止層30における太陽電池セル20の受光面側に配置された透光性基板40と、封止層30の裏面側に、保護層7が最表層となるように配置された太陽電池用裏面保護シート10と、太陽電池セル20と太陽電池用裏面保護シート10の金属箔5とを電気的に接続する導電部50と、を有する。太陽電池用裏面保護シート10の導電部50の上端部が太陽電池セル20の裏面側の端子部20aと電気的に接続されている。
太陽電池モジュール100は、バックコンタクト用回路材である太陽電池用裏面保護シート10を、保護層7が最表面になるようにユニット化したものである。
太陽電池セル20としては、太陽電池モジュールに通常用いられる太陽電池セルが使用でき、例えば、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板等からなり、内部にPN接合が形成され、裏面に電極(端子部20a)が設けられ、さらに受光面に反射防止膜が設けられたセル等が挙げられる。
封止層30は、通常、前記封止樹脂からなるフィルムを2枚用い、太陽電池セル20を挟み込んで加熱加圧することにより、太陽電池セル20を包埋させて封止することで形成される。
ガラス基板としては、例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラス等が挙げられ、白板強化ガラスが好ましい。
透明樹脂基板を構成する透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
導電部50を形成する導電性材料としては、電流印荷時の発熱を防ぐ点から、体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料が好ましく、導電性ペースト、金属微粒子の導電性ナノインク等が使用できる。
導電部50を形成する導電性材料は、接続強度や材料コストを考慮すると、半田ペーストがより好ましい。半田ペーストは、通常のメタルマスクを用いたスクリーン印刷によって充填できる点でも好ましい。また、充填後の半田ペーストはリフロー処理により溶融することで、金属箔5と電気的に接続できる。
太陽電池モジュール100の製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。ただし、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、以下に示す方法には限定されない。
図6に示すように、絶縁樹脂層6の開口部6aに導電性材料を充填して導電部50を形成した太陽電池用裏面保護シート10を、絶縁樹脂層6を上側にして置く。そして、該太陽電池用裏面保護シート10の上に、太陽電池セル20の端子部20aよりも大きな口径の開口部30aが形成された封止樹脂フィルム30Aと、太陽電池セル20(本実施形態では2つ)と、封止樹脂フィルム30Bと、透光性基板40とを、位置決めした状態で順次重ね合わせる。このとき、各部材の積層位置は、位置制御用目印3を覆う位置制御用樹脂目印6bを用いて制御する。
例えば、封止樹脂フィルム30A、封止樹脂フィルム30B及び透光性基板40に、位置制御用目印3と同様の位置制御用目印を形成しておき、該位置制御用目印と位置制御用樹脂目印6bが一致するように重ねることで、積層位置を高い精度で制御できる。太陽電池セル20は、端子部20aを上面にし(受光面を透光性基板40側に向ける。)、位置制御用樹脂目印6bを基準に重ねることで、該端子部20aが封止樹脂フィルム30Aの開口部30aに対応するように積層する。
前記積層位置の制御は、目視により行ってもよく、CCDカメラ等の画像認識システムを使用して行ってもよい。
まず、真空引きを行いながら120〜150℃で3〜5分間予備加熱を行い、次いで前述の各部材を積層した積層体の両側から減圧しつつ、120〜150℃で3〜10分間加熱してラミネートを行う。このラミネートにより封止樹脂が溶融状態となり、太陽電池セル20及び太陽電池用裏面保護シート10と接着されて一体化される。また、導電部50が熱硬化し、太陽電池セル20の端子部20aと接着される。さらに140〜160℃で20〜40分間加熱し、封止樹脂を熱硬化させることで、封止層30が形成される。
太陽電池モジュール100は、最後に端部をブチルゴムでシールし、アルミニウムの枠体で固定することが好ましい。
[実施例1]
図1に示すように、プリプレグ2A(三菱ガス化学製、CCL−EL190、厚さ150μm)の片面に、導電性ペースト(アサヒ化学研究所製、PLS−4300)を用いたスクリーン印刷法により、厚さ10μmの位置制御用目印3及び導通部4を印刷し、保護シート用基材1を得た。
その後、図4に示すように、該保護シート用基材1のプリプレグ2A上に、位置制御用目印3により位置決めしつつ、金属箔5として所定寸法の櫛型に分割した複数枚の銅箔(日鉱金属製、JTCS箔、厚さ35μm)を積層し、その上に厚さ1mmのテフロン(登録商標)板を載せ、残りの面に保護層7を形成するポリフッ化ビニルフィルム(デュポン製、テドラーフィルム、厚さ25μm)を重ね合わせ、その外側にステンレス板とクッション材を配置し、これらをテストプレス機(北川精機製、500mm×500mm型)の熱盤間に設置した。この状態で真空引きを開始し、真空度が1.5kPaに到達した段階で加圧を開始した。積層条件は、積層温度180℃、積層時間30分間、積層圧力2.0MPaとした。得られた積層シートは、反りや気泡もみられず良好な仕上がりとなった。
平盤プレス機のステージ上に厚さ10mmのテフロン(登録商標)板を固定し、その上面に銅箔(日本電解製、PBN−10、18μm)を1枚置き、刃先を回路形状に加工したトムソン刃にて抜き加工を行い、所定寸法の櫛型の回路パターンを有する複数枚の金属箔5を得た。該抜き加工は、回路パターンの間隙や位置決め用のピン孔等の細かい形状について行い、次いで太陽電池セルの最小単位に相当する寸法(実施例1の銅箔と同じ外形寸法)となるように、回路全体の外形について行った。該回路パターンを形成した金属箔5は、エアー吸着盤にてステージから回収した。
全金属箔5及び位置制御用目印3の形状に対応する形状の版孔を有するスクリーン版を備えたスクリーン印刷機を用いて、位置制御用目印3を基準にして、回路を形成した前記積層シート上にソルダーレジストインキ(山栄化学製、SSR−671W−9)を樹脂厚が35μmになるよう塗布した。このとき、該塗布膜には、開口部6aとなる開口をスクリーン印刷版にて直接形成した。その後、80度で15分間予備乾燥した後、150℃で60分間加熱硬化させて、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を形成し、図2に例示した太陽電池用裏面保護シート10を得た。
実施例で得られた太陽電池用裏面保護シートについて、以下に示す方法で評価を行った。
(1)初期接着強度(n=5)
前処理:なし
装置:テンシロンRTC−1250(オリエンテック製)
チャック間距離:60mm
クロスヘッド速度:5.0mm/分
試料:10mm×100mm×約0.4mm
(2)ダンプヒート後の接着強度(n=5)
前処理条件:85℃/85%/3000時間
装置、測定条件は(1)と同じ。
(3)冷熱処理後の接着強度(n=5)
前処理条件:−40℃/20分、80℃/20分の冷熱処理を200回
装置、測定条件は(1)と同じ。
(4)絶縁信頼性(n=5)
櫛型寸法:L/S=550/100、550/400、550/600の3種類(線幅Lを固定し、間隙Sを変化させた。)
測定条件:135℃/85%/192時間
印加電圧:1.0V
判定基準は、絶縁抵抗値が1×10−6Ω以上のものを「○」、1×10−6Ω未満のものを「×」とした。
(5)初期抵抗値
前記(2)のダンプヒートを実施する前の太陽電池用裏面保護シートにおける回路(L/S=100/100)の抵抗値を、前記(4)と同じ条件で測定した。
(6)ダンプヒート後の抵抗値
前記(2)のダンプヒートの実施後の太陽電池用裏面保護シートにおける回路(L/S=100/100)の抵抗値を、前記(4)と同じ条件で測定した。
実施例1及び実施例2の太陽電池用裏面保護シートの評価結果を表1に示す。表1における(1)〜(3)の接着強度は5回測定した平均値であり、また( )内は剥離した層である。
Claims (3)
- 繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグの一方の面に、
該プリプレグ上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印と、該プリプレグ面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部とが、印刷法により形成されていることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート用基材。 - 請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート用基材の前記プリプレグが硬化された複合材料層上に、複数の金属箔が前記位置制御用目印により位置決めして積層され、それら金属箔同士が前記導線部により接続されており、
さらに、前記金属箔を覆うように、かつ前記位置制御用目印に沿った位置制御用樹脂目印が形成されるように、前記金属箔間を絶縁する絶縁樹脂層が積層されている、太陽電池用裏面保護シート。 - 前記複合材料層における金属箔及び絶縁樹脂層の積層面と反対側の面に、保護層が積層されている、請求項2に記載の太陽電池用裏面保護シート。
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