JP2011096777A - 太陽電池用裏面保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シート - Google Patents

太陽電池用裏面保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、金属箔、絶縁樹脂層、太陽電池セル等の各種積層を高い精度で実施でき、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れた太陽電池用裏面保護シートを製造できる太陽電池用裏面保護シート用基材、及び太陽電池用裏面保護シートの提供を目的とする。
【解決手段】プリプレグ2Aの一方の面に、プリプレグ2A上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印3と、プリプレグ2A面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部4とが、印刷法により形成された太陽電池用裏面保護シート用基材1。また、該太陽電池用裏面保護シート用基材1上に、金属箔と絶縁樹脂層が積層された太陽電池用裏面保護シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用裏面保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シートに関する。
太陽電池は、無公害で地球環境に優しい新たなエネルギー源として注目されている。一般的な太陽電池モジュールの構造は、太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性プラスチックからなる封止樹脂で太陽電池セルを封止し、裏面に耐熱、耐候性プラスチック材料等の裏面保護シートを貼り合わせた構造である。一つの太陽電池モジュールには、数枚から数十枚の太陽電池セルが直列、もしくは並列に接続されている。
太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、充分な耐久性と耐候性が要求される。特に、裏面保護シートには、耐候性に加えて水蒸気バリア性も要求される。これは、太陽電池モジュール内に水分が透過してくると、封止樹脂の変質(剥離や変色)や配線の腐食が起こり、最終的にモジュールの出力が低下するためである。
太陽電池用裏面保護シートとしては、ポリエステル系シート基材の両面に接着剤を塗布して接着剤層を形成し、ポリフッ化ビニルからなるフィルム等の耐候性樹脂フィルムを貼り合わせた積層構造を有する、バリア性及び耐候性を高めた太陽電池用裏面保護シートが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
前記接着剤としては、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂を主成分とするものが用いられる。しかし、これらの接着剤により形成した接着剤層は、10年以上にわたる長期間の使用において、変質により剥離するおそれがある。すなわち、ウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂を主成分とする接着剤は、吸湿による加水分解を受けやすく、樹脂自体の耐熱性も低い。そのため、長期間の使用において熱や湿度、更には紫外線の影響で変質する。その結果、機械的強度が低下して接着剤層界面で剥離が生じ易くなる。
該問題を解決する方法としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材等のポリエステル系シート基材上に、フッ素系樹脂を直接押出して積層する方法が示されている。しかし、該方法では、ポリエステル系シート基材がフッ素樹脂の溶融温度によって収縮し、シート基材にシワが発生する等の問題がある。シート基材の熱収縮を抑制するには、耐熱PETシートやポリエチレンナフタレート(PEN)シートを用いることが考えられるが、該方法はコストが非常に高くなる。
一方、近年では太陽電池モジュールの高効率化に伴い、受光面積の損失となる配線材や電極等、電荷の取り出し構造の全てを太陽電池セルの裏面に形成した、バックコンタクト型と呼ばれる太陽電池セルが開発されている。該太陽電池セルの接続は、表面に回路を形成した裏面保護シート(以下、「バックコンタクト用回路材」ということがある。)により行われる。つまり、太陽電池セルの裏面に端子部を形成し、バックコンタクト用回路材を介して該太陽電池セル同士が接続される。バックコンタクト用回路材は、太陽電池セルの端子部との接続部分以外の回路が絶縁樹脂層で被覆されており、それにより回路の耐腐食性と回路間の絶縁性が確保されている。
バックコンタクト用回路材では、ポリエステル系シート基材の両面に、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂を主成分とする接着剤を塗布し、一方の面に金属箔、残りの面にフッ素樹脂等の耐候性樹脂フィルムが積層される。しかし、該バックコンタクト用回路材では、下記問題がある。
(i)前述したように、前記接着剤を使用すると、長期間の使用において金属箔や耐候性樹脂フィルムが剥離する問題が生じる。また、該接着剤の絶縁性は充分に高くないことから、回路間の絶縁性が充分に確保できない。
(ii)ポリエステル系フィルム基材の耐熱性が低いために、接着剤層を形成する際の乾燥温度、金属箔や耐候性樹脂フィルムを積層する際のラミネート温度、絶縁樹脂層を形成する際の硬化温度等を高温に設定できず、製造条件が限定される。そのため、使用できる材料が限定されるばかりか、生産性も低下する。
(iii)ポリエステル系フィルム基材は高温において寸法変化が大きいため、バックコンタクト用回路材と太陽電池セルの接合部には応力が集中しやすい。その結果、端子接合部が剥離したり、クラックが発生する等、接続信頼性が確保できないことがある。
(iv)金属箔とポリエステル系フィルム基材の熱膨張差により、積層後のバックコンタクト用回路材に反りが発生しやすい。
(v)バックコンタクト用回路材を、ハンダゴテ等を用いて積層して太陽電池モジュールを手工業的に製造する場合、高い精度で積層する部材を位置決めするのは困難であり、生産性が不充分である。今後の急激な需要を考慮すると、回路間の接続及び積層工程の自動化を視野に入れた生産性の向上が望まれる。
特開2001−68701号公報 特開2001−68695号公報 特開昭61−251176号公報
本発明は、回路を形成する金属箔や、絶縁樹脂層を高い精度で積層でき、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れた、バックコンタクト用回路材として適用できる太陽電池用裏面保護シートを与える太陽電池用裏面保護シート用基材の提供を目的とする。
また、本発明は、太陽電池モジュールの製造において太陽電池セル等を高い精度で積層でき、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れた太陽電池用裏面保護シートの提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグの一方の面に、該プリプレグ上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印と、該プリプレグ面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部とが、印刷法により形成されていることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート用基材。
[2]前記[1]に記載の太陽電池用裏面保護シート用基材の前記プリプレグが硬化された複合材料層上に、複数の金属箔が前記位置制御用目印により位置決めして積層され、それら金属箔同士が前記導線部により接続されており、さらに、前記金属箔を覆うように、かつ前記位置制御用目印に沿った位置制御用樹脂目印が形成されるように、前記金属箔間を絶縁する絶縁樹脂層が積層されている、太陽電池用裏面保護シート。
[3]前記複合材料層における金属箔及び絶縁樹脂層の積層面と反対側の面に、保護層が積層されている、前記[2]に記載の太陽電池用裏面保護シート。
本発明の太陽電池用裏面保護シート用基材を用いることにより、回路を形成する金属箔や、絶縁樹脂層を高い精度で積層でき、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れた、バックコンタクト用回路材として適用可能な太陽電池用裏面保護シートを製造できる。
また、本発明の太陽電池用裏面保護シートは、バックコンタクト用回路材として適用できるものであり、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、かつ絶縁信頼性にも優れている。また、本発明の太陽電池用裏面保護シートを用いれば、太陽電池モジュールの製造において太陽電池セル等を高い精度で積層できる。
本発明の太陽電池用裏面保護シート用基材の実施形態の一例を示した平面図である。 本発明の太陽電池用裏面保護シートの実施形態の一例を示した平面図である。 図2の太陽電池用裏面保護シートを直線I−I’で切断した断面図である。 本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法の一工程を示した平面図である。 本発明の太陽電池用裏面保護シートを備えた太陽電池モジュールの一実施形態例を示した断面図である。 図5の太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示した断面図である。
[太陽電池用裏面保護シート用基材]
本発明の太陽電池用裏面保護シート用基材(以下、単に「保護シート用基材」という。)は、太陽電池モジュールの裏面を保護する太陽電池用裏面保護シート、特にバックコンタクト用回路材として適用する太陽電池用裏面保護シートに用いる基材である。以下、本発明の保護シート用基材の実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本実施形態の保護シート用基材1は、繊維基材に熱硬化性樹脂が含浸され、乾燥されたプリプレグ2Aの一方の面に、プリプレグ2A上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印3と、プリプレグ2A面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部4とを有している。
プリプレグ2Aの繊維基材としては、ガラス繊維、アラミド繊維、フッ素繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。なかでも、熱硬化性樹脂との親和性、絶縁信頼性、材料コストの観点から、ガラス繊維が好ましい。
繊維基材の繊維形状としては、平織り、綾織、朱子織り、目抜き平織り、目抜きカラミ織り等、長繊維を用いた織物が好ましい。短繊維状物は、プリプレグの表面に繊維端が突出しやすいため、金属箔や絶縁樹脂層との界面に気泡が発生するおそれがある。
熱硬化性樹脂としては、副生物を生成せずに硬化する付加重合型の熱硬化性樹脂が好ましい。
付加重合型の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、シアナート樹脂、シアン酸エステル−エポキシ樹脂、シアン酸エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、マレイミド−ビニル樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、これらを2種以上配合してなる混合樹脂等が挙げられる。
プリプレグ2Aの厚さは、絶縁破壊耐性、耐突き刺し性の点から、50μm以上が好ましく、特に製造時のハンドリング性(曲げ剛性)の点から、100〜300μmが好ましい。
本発明における位置制御用目印3は、太陽電池用裏面保護シートの製造において、プリプレグ2A上に積層する部材(回路を形成する金属箔、回路間の絶縁を確保する絶縁樹脂層)の積層位置の位置決めをする目印であり、導電性インキを用いた印刷法により形成される。
位置制御用目印3の形状、形成位置及び数は、特に限定されず、プリプレグ2A面上に積層する部材の積層位置が明確になるように適宜選定すればよい。本実施形態では、十字形状の4つの位置制御用目印3が、プリプレグ2A面の上下左右の縁部にそれぞれ形成されている。これにより、例えば、図4に示すように、上下方向に3枚ずつ2列で合計6枚の金属箔5を積層する場合、上下方向の3枚の金属箔5を、その中央に位置する金属箔5が前記左右方向の2つの位置制御用目印3の位置にくるように配置し、かつ、左右方向の2列の金属箔5が上下方向の2つの位置制御用目印3を挟むように配置するようすることで、積層位置を高い精度で制御できる。また、絶縁樹脂層を形成する硬化性樹脂の塗布する位置も、位置制御用目印3を基準にすることで高い精度で制御できる。
位置制御用目印3を形成するインキは、印刷法により印刷、乾燥することで所望の目印を形成できるインキであればよく、例えば、プロセスインキ等の非導電性のインキ、銀インキ、銅インキ、銀と銅の混合インキ、ブラックカーボン等の導電性インキが挙げられる。また、導電性ペーストを用いてもよい。なかでも、生産性の点から、導線部4を形成するインキと同じインキであることが好ましく、導電性インキ、導電性ペーストが好ましい。
位置制御用目印3の印刷の膜厚は、積層部材の積層位置が明確に判断できる範囲であれば特に限定されず、2〜40μmが好ましい。
導線部4は、太陽電池用裏面保護シートにおいて、保護シート用基材上に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続することで、回路を形成する部分である。すなわち、保護シート用基材上に積層される複数の金属箔と、それら金属箔を接続する導線部4により、バックコンタクト用回路材(太陽電池用裏面保護シート)の回路が形成される。
導線部4は、導電性インキを用いた印刷法により形成される。導線部4を形成する導電性インキは、印刷法により印刷、乾燥することで所望の導線を形成できる導電性のインキであればよく、位置制御用目印3と同じ導電性インキが使用でき、銀インキ、銅インキ、銀と銅の混合インキが好ましい。また、ブラックカーボン等の他の導電性インキや導電性ペーストを用いてもよい。
導線部4の印刷の膜厚は、金属箔と接続することで良好な回路が形成できる範囲であれば特に限定されず、20〜40μmが好ましい。
位置制御用目印3及び導線部4を形成する印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、孔版印刷法が挙げられる。位置制御用目印3及び導線部4の形成は、これら印刷法により、クリーン度クラス1万以下の環境下で行うことが好ましい。
印刷後の乾燥温度は、100〜130℃が好ましい。乾燥温度が100℃以上であれば、保護シート用基材1の生産性が向上する。
位置制御用目印3と導線部4は、同一又は異なる導電性インキを用いて別々に形成してもよく、同じ導電性インキを用いて同時に形成してもよいが、生産性の点から、同じ導電性インキを用いて同時に形成することが好ましい。
[太陽電池用裏面保護シート]
次に、本発明の太陽電池用裏面保護シートについて説明する。本発明の太陽電池用裏面保護シートは、前述した本発明の保護シート用基材を有する保護シートであり、特にバックコンタクト用回路材として適用する保護シートである。以下、本発明の太陽電池用裏面保護シートの一例として、前記保護シート用基材1を用いた実施形態を示して詳細に説明する。
本実施形態の太陽電池用裏面保護シート10は、図2及び図3に示すように、保護シート用基材1と、保護シート用基材1の位置制御用目印3及び導線部4を形成した面に積層された複数の金属箔5(本実施形態では6枚)と、金属箔5上に形成された絶縁樹脂層6と、保護シート用基材1の残りの面に積層された保護層7と、を有している。絶縁樹脂層6には、各金属箔5に対応する開口部6aが形成されている。また、保護シート用基材1の導線部4と金属箔5とは、電気的に接続されている。
太陽電池用裏面保護シート10における保護シート用基材1は、プリプレグ2Aの熱硬化性樹脂が硬化された複合材料層2を有している。プリプレグ2Aの硬化は、金属箔5の積層時に行われる。
金属箔5は、導線部4と電気的に接続することで、所望の形状及び寸法の回路を形成する役割を果たす。
金属箔5は、電気伝導性を有する金属箔であればよく、例えば、金箔、アルミニウム箔、銅箔、亜鉛箔、ステンレス箔等が挙げられる。なかでも、電気特性及び材料コストの点から、銅箔が特に好ましい。
金属箔5の厚さは、電気特性の点から、10μm以上が好ましく、12〜50μmがより好ましい。
金属箔5の形状及び大きさは、所望の回路パターンを形成するために適宜選定できる。金属箔5の形状としては、例えば、櫛型、正方形型等が挙げられる。
金属箔5は、保護シート用基材1上に積層した後に所望の回路パターンに加工してもよく、予め所望の回路形状に加工したものを積層してもよい。
絶縁樹脂層6は、位置制御用目印3、導線部4及び金属箔5の腐食を防止し、さらに回路間の絶縁性を確保する役割を果たす層である。絶縁樹脂層6は、金属箔5を覆うように、かつ保護シート用基材1の位置制御用目印3に沿った位置制御用樹脂目印6bが形成されるように積層される。位置制御用樹脂目印6bは、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池用裏面保護シート10を太陽電池セルと重ね合わせるときに、それぞれの位置を高い精度で制御して重ね合わせるために使用される。
絶縁樹脂層6を形成する材料としては、前記腐蝕防止機能及び絶縁性を付与できる樹脂であれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂類、ビスマレイミド類、ビスマレイミド類とジアミンとの付加重合物、フェノール樹脂、レゾール樹脂、イソシアネート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びビニル基含有ポリオレフィン化合物等の熱硬化性樹脂が挙げられる。なかでも、耐熱性、絶縁性等の性能のバランスの点から、エポキシ樹脂が特に好ましい。
絶縁樹脂層6の厚さは、10〜60μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。絶縁樹脂層6の厚さが10μm以上であれば、充分な腐蝕防止機能及び絶縁性が得られやすい。絶縁樹脂層6の厚さが60μmを超えると、保護シート用基材1が曲がったときにクラックが発生しやすくなるうえ、乾燥不良を起こし、絶縁抵抗が低下するおそれがある。
絶縁樹脂層6には、それぞれの金属箔5に対応する開口部6aが形成されている。開口部6aに導電性材料を充填して導電部を形成し、該導電部と、金属箔5及び太陽電池セルの端子部とを接続することで、金属箔5と太陽電池セルとが電気的に接続される。
開口部6aの平面形状(充填される導電部の平面形状)は特に限定されず、真円、楕円等、接続する太陽電池セルの端子形状に合わせた種々の形状が適用できる。
開口部6aの大きさ(充填される導電部の大きさ)は、太陽電池セルとの接続強度を考慮して選定すればよい。例えば、開口部6aの平面形状が真円の場合、その直径は、5mm以上が好ましく、特に太陽電池用裏面保護シート10の製造時において、プリプレグ2Aから熱硬化性樹脂が染み出すことによる閉塞を考慮すると、10mm以上がより好ましい。また、開口部6aの前記直径は、太陽電池モジュールの製造における加圧積層時に金属箔5が凹むことを最小限に抑える目的から、15mm以下が好ましい。
保護層7は、耐候性を有し、複合材料層2、並びに導線部4及び金属箔5からなる回路を保護する層である。また、保護層7は、耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れていることが好ましい。
保護層7としては、低コストで、クラックやピンホールが形成されにくいことから、フッ素含有樹脂を含む層が好ましい。
フッ素含有樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合樹脂(ECTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)・ヘキサフルオロプロピレン(HFP)・ビニリデンフロライド(VDF)の三元共重合体樹脂等が挙げられる。
また、保護層7がフッ素含有樹脂を含む場合には、複合材料層2との密着性を改善するため、その表面に、コロナ放電処理、プラズマ放電処理等の易接着処理が施されていることが好ましい。
また、保護層7としては、ロールでも入手が可能な厚さ50μm以下の超極薄ガラス、ポリエステル系フィルムに、金属化合物もしくは無機化合物が蒸着積層された蒸着フィルム等を用いてもよい。これらは、優れた水蒸気バリア性を有している。ただし、超極薄ガラス、蒸着フィルムは製造コストが高く、クラックやピンホールが生じ易い傾向にある。
保護層7の厚さは5〜200μmが好ましい。特に、保護層7として、フッ素含有樹脂を含む場合には、水蒸気バリア性の点から、25〜100μmが好ましい。
(製造方法)
以下、太陽電池用裏面保護シート10の製造方法について説明する。ただし、本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法は以下に示す方法には限定されない。
太陽電池用裏面保護シート10の製造方法としては、例えば、下記工程(I)及び(II)を有する方法が挙げられる。
(I)図4に示すように、保護層7を形成する樹脂フィルム上にプリプレグ2Aを配置し、該プリプレグ2A上に位置制御用目印3を用いて位置決めして金属箔5を配置し、プリプレグ2Aを硬化して、保護層7、複合材料層2及び金属箔5の積層シートを得る。
(II)図2に示すように、位置制御用目印3を基準にして、金属箔5を覆い、かつ位置制御用目印3に沿った位置制御用樹脂目印6bが形成されるように、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を積層する。
工程(I):
図4に示すように、保護層7を形成する樹脂フィルム上にプリプレグ2Aを配置し、該プリプレグ2A上に、位置制御用目印3を用いて位置決めして金属箔5を配置し、プリプレグ2Aを硬化することで、保護層7と金属箔5をそれぞれ積層して保護層7/複合材料層2/金属箔5の積層構成の、所定の形状及び寸法のパターンの回路を有する積層シートを得る。
金属箔5の回路パターンは、金属箔5の積層後に、ドライフィルムレジストや液状レジストを用いたフォトリソグラフィ/エッチング法により形成してもよく、刃先を回路形状に加工したトムソン刃による抜き加工によって積層前に予め形成してもよい。
金属箔5及び保護層7の積層方法としては、真空状態での加圧積層工法が好ましい。金属箔5の積層は、常圧下におけるロールラミネーターを用いた方法でも可能であるが、真空状態での加圧積層工法であれば、プリプレグ2Aが硬化して得られる複合材料層2と金属箔5の間に気泡が発生して接着強度が低下することを抑制しやすく、屋外での長期間の使用においても金属箔5が剥離しにくい。
前記加圧積層工法における積層時の真空度は、20Torr以下が好ましく、10Torr以下がより好ましい。
金属箔5及び保護層7の積層条件は、用いるプリプレグ2Aによっても異なるが、温度は150〜200℃が好ましい。また、積層温度は、プリプレグ2Aに含浸された熱硬化性樹脂の溶融温度から±30℃の範囲内で実施することが好ましい。積層温度が低すぎると熱硬化性樹脂が充分に溶融せず、プリプレグ2A表面に濡れ広がりにくくなり、得られる複合材料層2と金属箔5間の接着強度が低くなるおそれがある。また、積層温度が高すぎると、熱硬化性樹脂中の溶媒が急激に蒸発して、気泡が発生するおそれがある。また、熱硬化性樹脂の粘度が下がり過ぎて、繊維基材の外周部に熱硬化性樹脂が流出して、複合材料層2が所定の厚さよりも薄くなるおそれがある。
金属箔5の積層圧力は、0.5〜3.0MPaが好ましい。
金属箔5の積層時間は、10〜40分が好ましい。
位置制御用目印3を利用した金属箔5の位置制御は、目視により行ってもよく、CCDカメラ等の画像認識システムを使用してもよい。
工程(II):
図2に示すように、位置制御用目印3を基準にして、金属箔5を覆い、かつ位置制御用目印3に沿った位置制御用樹脂目印6bが形成されるように、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を積層する。
絶縁保護層6を形成する熱硬化性樹脂の形態としては、ワニス、2液性インキ、ドライフィルム等、特に限定されない。開口部6aの形成方法としては、感光性を備えた熱硬化性樹脂をフィルム基材上に塗布して半硬化させた、金属箔5及び位置制御用目印3の形状に対応する形状のドライフィルムを用いて絶縁保護層6を形成し、フォトリソグラフィにより開口部6aを形成する方法が好ましい。このとき、ドライフィルムの配置を位置制御用目印3を基準にして行うことで、絶縁樹脂層6の積層位置が高い精度で制御できる。
また、開口部6aの位置に高い精度を必要せず、寸法が数ミリ以上と充分に大きい場合には、材料コストと生産性の点から、スクリーン印刷にて直接開口部6aを有する絶縁保護層6を形成する方法が特に好ましい。該絶縁保護層6の形成では、全ての金属箔5と位置制御用目印3の形状に対応する形状の版孔を有するスクリーン版を用いることで、位置制御用目印3を基準にして絶縁保護層6の積層位置を高度に制御できる。
位置制御用目印3を利用した絶縁樹脂層6の積層位置の制御は、目視により行ってもよく、CCDカメラ等の画像認識システムを使用してもよい。
なお、本発明の太陽電池保護シートの製造方法は、前述した方法には限定されない。例えば、前記工程(I)において金属箔のみを積層し、その後に複合材料層2の残りの面に保護層を形成する樹脂を塗布し、硬化させることで保護層を積層する方法であってもよい。この場合、保護層の積層は、絶縁樹脂層の積層前であってもよく、絶縁樹脂層の積層後であってもよい。
以上説明した本発明の太陽電池用裏面保護シートは、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂を主成分とする加水分解されやすい接着剤を使用せず、プリプレグが硬化された複合材料層に直接金属箔が積層される。また、保護シート用基材の位置制御用目印を用いることにより、高い精度で金属箔等が積層されている。そのため、接着強度が高く、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、絶縁信頼性にも優れている。また、本発明の太陽電池用裏面保護シートを用いれば、太陽電池モジュールの製造において、太陽電池セル等の積層を高い精度で実施できる。
また、本発明の保護シート用基材及び太陽電池用裏面保護シートは、位置制御用目印を用いた製造の自動化により、高い精度で各層が積層された高品質な製品をより簡便に製造できると期待される。
なお、本発明の太陽電池用裏面保護シートは、前記太陽電池用裏面保護シート10には限定されない。例えば、複合材料層の回路を形成した面の反対側に、保護層を有さない太陽電池用裏面保護シートであってもよい。
[太陽電池モジュール]
以下、前述した太陽電池用裏面保護シートを有する太陽電池モジュールの実施形態の一例を説明する。ただし、本発明の太陽電池用裏面保護シートを有する太陽電池モジュールは、以下に説明する太陽電池モジュールには限定されない。
本実施形態の太陽電池モジュール100は、図5に示すように、太陽電池セル20と、太陽電池セル20を封止する封止層30と、封止層30における太陽電池セル20の受光面側に配置された透光性基板40と、封止層30の裏面側に、保護層7が最表層となるように配置された太陽電池用裏面保護シート10と、太陽電池セル20と太陽電池用裏面保護シート10の金属箔5とを電気的に接続する導電部50と、を有する。太陽電池用裏面保護シート10の導電部50の上端部が太陽電池セル20の裏面側の端子部20aと電気的に接続されている。
太陽電池モジュール100は、バックコンタクト用回路材である太陽電池用裏面保護シート10を、保護層7が最表面になるようにユニット化したものである。
太陽電池セル20は、光電効果により受光面に入射した太陽光を電気に変換する機能を有するセルである。
太陽電池セル20としては、太陽電池モジュールに通常用いられる太陽電池セルが使用でき、例えば、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板等からなり、内部にPN接合が形成され、裏面に電極(端子部20a)が設けられ、さらに受光面に反射防止膜が設けられたセル等が挙げられる。
封止層30を形成する封止樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
封止層30は、通常、前記封止樹脂からなるフィルムを2枚用い、太陽電池セル20を挟み込んで加熱加圧することにより、太陽電池セル20を包埋させて封止することで形成される。
透光性基板40としては、ガラス基板、透明樹脂基板等が挙げられる。
ガラス基板としては、例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラス等が挙げられ、白板強化ガラスが好ましい。
透明樹脂基板を構成する透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
導電部50は、太陽電池用裏面保護シート10における絶縁樹脂層6の開口部6aに導電性材料が充填されて形成された部分であり、その一端が金属箔5と電気的に接続されている。また、他端が太陽電池セル20の端子部20aと電気的に接続されている。
導電部50を形成する導電性材料としては、電流印荷時の発熱を防ぐ点から、体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料が好ましく、導電性ペースト、金属微粒子の導電性ナノインク等が使用できる。
導電部50を形成する導電性材料は、接続強度や材料コストを考慮すると、半田ペーストがより好ましい。半田ペーストは、通常のメタルマスクを用いたスクリーン印刷によって充填できる点でも好ましい。また、充填後の半田ペーストはリフロー処理により溶融することで、金属箔5と電気的に接続できる。
(製造方法)
太陽電池モジュール100の製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。ただし、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、以下に示す方法には限定されない。
図6に示すように、絶縁樹脂層6の開口部6aに導電性材料を充填して導電部50を形成した太陽電池用裏面保護シート10を、絶縁樹脂層6を上側にして置く。そして、該太陽電池用裏面保護シート10の上に、太陽電池セル20の端子部20aよりも大きな口径の開口部30aが形成された封止樹脂フィルム30Aと、太陽電池セル20(本実施形態では2つ)と、封止樹脂フィルム30Bと、透光性基板40とを、位置決めした状態で順次重ね合わせる。このとき、各部材の積層位置は、位置制御用目印3を覆う位置制御用樹脂目印6bを用いて制御する。
例えば、封止樹脂フィルム30A、封止樹脂フィルム30B及び透光性基板40に、位置制御用目印3と同様の位置制御用目印を形成しておき、該位置制御用目印と位置制御用樹脂目印6bが一致するように重ねることで、積層位置を高い精度で制御できる。太陽電池セル20は、端子部20aを上面にし(受光面を透光性基板40側に向ける。)、位置制御用樹脂目印6bを基準に重ねることで、該端子部20aが封止樹脂フィルム30Aの開口部30aに対応するように積層する。
前記積層位置の制御は、目視により行ってもよく、CCDカメラ等の画像認識システムを使用して行ってもよい。
次に、この状態で真空ラミネート処理を行うことで、封止樹脂フィルム30A及び封止樹脂フィルム30Bにより太陽電池セル20を封止し、封止層30を形成する。該真空ラミネート処理により、導電部50と太陽電池セル20の接続部周辺の隙間が封止樹脂で気泡なく封止される。
前記真空ラミネート処理としては、例えば、以下に示す処理が挙げられる。
まず、真空引きを行いながら120〜150℃で3〜5分間予備加熱を行い、次いで前述の各部材を積層した積層体の両側から減圧しつつ、120〜150℃で3〜10分間加熱してラミネートを行う。このラミネートにより封止樹脂が溶融状態となり、太陽電池セル20及び太陽電池用裏面保護シート10と接着されて一体化される。また、導電部50が熱硬化し、太陽電池セル20の端子部20aと接着される。さらに140〜160℃で20〜40分間加熱し、封止樹脂を熱硬化させることで、封止層30が形成される。
太陽電池モジュール100は、最後に端部をブチルゴムでシールし、アルミニウムの枠体で固定することが好ましい。
太陽電池モジュールにおいて、保護シート用基材における位置制御用目印が形成されている縁部分については、切除してもよく、該縁部分まで封止樹脂で封止されてるようにしてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
図1に示すように、プリプレグ2A(三菱ガス化学製、CCL−EL190、厚さ150μm)の片面に、導電性ペースト(アサヒ化学研究所製、PLS−4300)を用いたスクリーン印刷法により、厚さ10μmの位置制御用目印3及び導通部4を印刷し、保護シート用基材1を得た。
その後、図4に示すように、該保護シート用基材1のプリプレグ2A上に、位置制御用目印3により位置決めしつつ、金属箔5として所定寸法の櫛型に分割した複数枚の銅箔(日鉱金属製、JTCS箔、厚さ35μm)を積層し、その上に厚さ1mmのテフロン(登録商標)板を載せ、残りの面に保護層7を形成するポリフッ化ビニルフィルム(デュポン製、テドラーフィルム、厚さ25μm)を重ね合わせ、その外側にステンレス板とクッション材を配置し、これらをテストプレス機(北川精機製、500mm×500mm型)の熱盤間に設置した。この状態で真空引きを開始し、真空度が1.5kPaに到達した段階で加圧を開始した。積層条件は、積層温度180℃、積層時間30分間、積層圧力2.0MPaとした。得られた積層シートは、反りや気泡もみられず良好な仕上がりとなった。
次いで、全金属箔5及び位置制御用目印3の形状に対応する形状の版孔を有するスクリーン版を備えたスクリーン印刷機を用いて、位置制御用目印3を基準にして、回路を形成した前記積層シート上にソルダーレジストインキ(太陽インキ製造製、PSR−4000 EG30)を樹脂厚が35μmになるよう塗布した。その後、80℃で30分間予備乾燥を行い、フィルムマスクを用いて500mJで片面露光を行った後、1.0%炭酸ナトリウム溶液にて120秒間スプレー現像を行って開口部6aを形成し、150℃で30分間加熱硬化させて、図2に例示した絶縁樹脂層6を有する太陽電池用裏面保護シート10を得た。
[実施例2]
平盤プレス機のステージ上に厚さ10mmのテフロン(登録商標)板を固定し、その上面に銅箔(日本電解製、PBN−10、18μm)を1枚置き、刃先を回路形状に加工したトムソン刃にて抜き加工を行い、所定寸法の櫛型の回路パターンを有する複数枚の金属箔5を得た。該抜き加工は、回路パターンの間隙や位置決め用のピン孔等の細かい形状について行い、次いで太陽電池セルの最小単位に相当する寸法(実施例1の銅箔と同じ外形寸法)となるように、回路全体の外形について行った。該回路パターンを形成した金属箔5は、エアー吸着盤にてステージから回収した。
プリプレグ2AとしてELC−4765(住友ベークライト製、厚さ200μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして保護シート用基材1を得た。その後、該保護シート用基材1を、保護層7を形成するポリフッ化ビニルフィルム(デュポン社製、テドラーフィルム、厚さ25μm)の上に重ね、そのプリプレグ2A上に、回路パターンを形成した複数枚の前記金属箔5を位置制御用目印3を基準にして配置し、その外側にステンレス板とクッション材を適宜配置した構成とし、テストプレス機(北川精機製、500mm×500mm型)の熱盤間に設置した。この状態で真空引きを開始し、真空度が1.5kPaに到達した段階で加圧を開始した。積層条件は、積層温度170℃、積層時間30分間、積層圧力2.0MPaとした。得られた積層シートは反りや気泡もみられず良好な仕上がりとなった。
次いで、回路上に染み出したプリプレグの硬化性樹脂片をバフ研磨(ジャブロ工業製、JPバフ)にて切削除去した。更に、導線部4及び金属箔5からなる回路から独立した別の回路を接続するために、スクリーン印刷機にて所定の位置に銀インキ(東洋インキ製造製、REXALPHA/RA FS 005)を配線形状に印刷し、180℃で60分間焼成した。
全金属箔5及び位置制御用目印3の形状に対応する形状の版孔を有するスクリーン版を備えたスクリーン印刷機を用いて、位置制御用目印3を基準にして、回路を形成した前記積層シート上にソルダーレジストインキ(山栄化学製、SSR−671W−9)を樹脂厚が35μmになるよう塗布した。このとき、該塗布膜には、開口部6aとなる開口をスクリーン印刷版にて直接形成した。その後、80度で15分間予備乾燥した後、150℃で60分間加熱硬化させて、開口部6aを有する絶縁樹脂層6を形成し、図2に例示した太陽電池用裏面保護シート10を得た。
[評価方法]
実施例で得られた太陽電池用裏面保護シートについて、以下に示す方法で評価を行った。
(1)初期接着強度(n=5)
前処理:なし
装置:テンシロンRTC−1250(オリエンテック製)
チャック間距離:60mm
クロスヘッド速度:5.0mm/分
試料:10mm×100mm×約0.4mm
(2)ダンプヒート後の接着強度(n=5)
前処理条件:85℃/85%/3000時間
装置、測定条件は(1)と同じ。
(3)冷熱処理後の接着強度(n=5)
前処理条件:−40℃/20分、80℃/20分の冷熱処理を200回
装置、測定条件は(1)と同じ。
(4)絶縁信頼性(n=5)
櫛型寸法:L/S=550/100、550/400、550/600の3種類(線幅Lを固定し、間隙Sを変化させた。)
測定条件:135℃/85%/192時間
印加電圧:1.0V
判定基準は、絶縁抵抗値が1×10−6Ω以上のものを「○」、1×10−6Ω未満のものを「×」とした。
(5)初期抵抗値
前記(2)のダンプヒートを実施する前の太陽電池用裏面保護シートにおける回路(L/S=100/100)の抵抗値を、前記(4)と同じ条件で測定した。
(6)ダンプヒート後の抵抗値
前記(2)のダンプヒートの実施後の太陽電池用裏面保護シートにおける回路(L/S=100/100)の抵抗値を、前記(4)と同じ条件で測定した。
実施例1及び実施例2の太陽電池用裏面保護シートの評価結果を表1に示す。表1における(1)〜(3)の接着強度は5回測定した平均値であり、また( )内は剥離した層である。
Figure 2011096777
表1に示すように、本発明の太陽電池用裏面保護シートである実施例1、2では、優れた接着強度を有しており、ダンプヒート後(85℃/85%/3000時間)も接着強度の低下が抑制された。また、実施例1、2の太陽電池用裏面保護シートは、絶縁信頼性に優れており、ダンプヒートによる抵抗値変化もあまりなかった。このように、本発明の太陽電池用裏面保護シートは、従来のバックコンタクト用回路材と比較して耐久性に優れていた。これらの結果は、接着剤を用いずに真空中で加圧積層することで回路と複合材料層の界面に気泡が発生しておらず、また高度に積層位置が制御されているためであると考えられる。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に優れ、絶縁信頼性にも優れているため、バックコンタクト用回路材として好適に使用できる。
1 太陽電池用裏面保護シート用基材 2A プリプレグ 2 複合材料層 3 位置制御用目印 4 導線部 5 金属箔 6 絶縁樹脂層 6a 開口部 6b 位置制御用樹脂目印 10 太陽電池用裏面保護シート 20 太陽電池セル 30 封止層 40 透光性基板 50 導電部

Claims (3)

  1. 繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、乾燥させたプリプレグの一方の面に、
    該プリプレグ上に積層する部材の位置決めをする位置制御用目印と、該プリプレグ面に積層される複数の金属箔同士を電気的に接続する導線部とが、印刷法により形成されていることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート用基材。
  2. 請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート用基材の前記プリプレグが硬化された複合材料層上に、複数の金属箔が前記位置制御用目印により位置決めして積層され、それら金属箔同士が前記導線部により接続されており、
    さらに、前記金属箔を覆うように、かつ前記位置制御用目印に沿った位置制御用樹脂目印が形成されるように、前記金属箔間を絶縁する絶縁樹脂層が積層されている、太陽電池用裏面保護シート。
  3. 前記複合材料層における金属箔及び絶縁樹脂層の積層面と反対側の面に、保護層が積層されている、請求項2に記載の太陽電池用裏面保護シート。
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