JP2012224235A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドエアバッグ装置のエアバッグ本体による衝撃荷重入力時でのエネルギ吸収量を充分確保する。
【解決手段】サイドエアバッグ装置1は、側面衝突時の衝撃入力を受けることで、エアバッグ本体3が、シートバック11の側部から車両前方へ膨張展開して乗員5と車体側部内面との間に入り込む。エアバッグ本体3は、乗員5の肩部5b付近に膨張展開する上側展開部3bを備えている。展開時での上側展開部3bは、肩部5bの車両前後方向中心位置Cに対応して縫い合わせ部Bを設けてあり、前方側部分3bf及び後方側部分3brの車幅方向の厚さを縫い合わせ部Bよりも厚くしている。縫い合わせ部Bには肩部5bに対応する内側凹部3biが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両が衝撃を受けたときに、車両の側部内面と乗員の側部との間で、袋状のバッグ本体が展開して乗員に対する衝撃を吸収するサイドエアバッグ装置に関する。
袋状のエアバッグ本体が車両の側部内面と乗員との間で展開するサイドエアバッグ装置としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。このサイドエアバッグ装置のエアバッグ本体は、乗員が着座するシート背後のシートバックの側部から膨張展開する構成となっていて、車両上下方向から見た平面視での展開時での断面形状がほぼ楕円形状となる。
特開2005−22473号公報
ところで、上記した展開時での平面視断面楕円形状のエアバッグ本体は、展開終了時に車両前後方向の中心が乗員の肩部の車両前後方向中心に対応していると、シートバック側部からの膨張展開過程での乗員への入力荷重は車両前方に向かう成分を持つことになる。つまり、楕円形状のエアバッグ本体は、車両前方側が先細形状となるので、この先細形状の円弧状の傾斜面によって乗員肩部を車両前方へ押し出す入力荷重が生じることになる。
このため、この車両前方に向かう成分の入力荷重によって、乗員が車両前方へ押されて肩が回転し、かつその回転をきっかけとして上体も回転し、衝撃荷重の入力時に上体の側部とエアバッグ本体との相対的位置がずれることになる。その結果、エアバッグ本体での衝撃荷重入力時でのエネルギ吸収量が減少する恐れがある。
そこで、本発明は、エアバッグ本体による衝撃荷重入力時でのエネルギ吸収量を充分確保することを目的としている。
本発明は、展開時でのエアバッグ本体の乗員の肩部に対応する部分が、該肩部に対応する部分に対して車両前後方向の少なくともいずれか一方に対応する部分よりも、車両の側部内面側に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、エアバッグ本体が展開するときに、エアバッグ本体の車両の側部内面側に位置している部分を設けることによって、乗員に対する車両前方に向かう成分の入力荷重を抑えることができる。このため、肩部及び上体の車両前方への移動を抑えて上体とエアバッグ本体との相対的位置ずれを抑制でき、エアバッグ本体でのエネルギ吸収量を充分確保することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係わるサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート及び乗員の側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 第1の実施形態における側面衝突時での衝突荷重のサイドエアバッグ装置から乗員への入力経路を示す作用説明図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係わるサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート及び乗員の側面図、(b)は(a)のF−F断面図である。 第2の実施形態における側面衝突時での衝突荷重のサイドエアバッグ装置から乗員への入力経路を示す作用説明図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係わるサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート及び乗員の側面図、(b)は(a)のG−G断面図である。 (a)は乗員の肩部から胸部にわたる3箇所に対応するエアバッグ本体の断面位置を示す側面図、(b)は(a)のI−I断面図、(c)は(a)のJ−J断面図、(d)は(a)のK−K断面図である。 第3の実施形態における側面衝突時での衝突荷重のサイドエアバッグ装置から乗員への入力経路を示す作用説明図であり、(a)は衝突荷重の入力初期、(b)は(a)の衝突荷重入力後に乗員の肩が回転限界に達した時期、にそれぞれ対応している。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1(a)は、サイドエアバッグ装置1の袋状に形成したエアバッグ本体3が、乗員5の図中で紙面裏側に位置する側部と車両の側部内面6(図2参照)との間にて展開した状態を示している。乗員5が着座している車両用シート7は、車両右側に位置するフロントシートであり、このため、図1(a)中で紙面裏側の乗員5の側部に対向して車両のフロントドアを含む側部が存在する。
なお、図1を含む以後の図面中のFRで示す方向が車両前方である。また、以下に説明する各実施形態におけるサイドエアバッグ装置は、車両右側のフロントシートに対応するものとしているが、車両左側のフロンドシートにも適用できる。
車両用シート7は、下部のシートクッション9と、シートクッション9の後端から立ち上がるシートバック11と、シートバック11の上端に取り付けてあるヘッドレスト13とを備えている。そして、サイドエアバッグ装置1は、シートバック11の図1中で紙面裏側の側部に取り付けてあり、エアバッグ本体3は、展開前の状態では小さく折りたたまれてシートバック11の内部に収容してある。
また、上記したサイドエアバッグ装置1は、図示していないが、ガス発生源としてのインフレータを備え、インフレータには、車両側部に対する外部からの衝撃を検出するセンサを、制御装置を介して電気的に接続している。そして、車両側部に対して他の車両などが衝突したときに、センサからの検出信号に基づいて、制御装置を介してインフレータが作動し、インフレータ内で発生したガスがエアバック本体3に供給されて膨張展開することとなる。
サイドエアバッグ装置1は、図1(a)に示すように、シートバック11の下部側のほぼ半分の領域に設定した取付部位15に取り付けてあり、取付部位15からエアバック本体3が車両前方に向けて展開する。車両前方に向けて展開するエアバック本体3は、シートクッション9の後端上部にほぼ対応する乗員5の腰部5a付近に向けて下方に展開する下側展開部3aと、シートバック11の上部にほぼ対応する乗員5の肩部5bや胸部5c付近に向けて上方に展開する上側展開部3bとを備えている。上側展開部3bは、取付部位15がシートバック11の下部側に位置していることから、下側展開部3aに比較して展開領域が大きくなっている。
すなわち、エアバック本体3は、下側展開部3aよりも上側展開部3bのほうが容積が大きく、このように展開するエアバック本体3によって、乗員5の側部のほぼ全域を覆うことになる。
ここで、エアバッグ本体3は、例えば織布などからなる一対の基布をそれらの周縁において全体として袋状となるよう縫い合わせたものである。本実施形態では、このエアバッグ本体3の上側展開部3bに、一対の基布同士を縫い合わせた縫い合わせ部Bを設けている。縫い合わせ部Bは、乗員5の肩部5bに対応する部分の上側展開部3bの車両前後方向ほぼ中心位置にある。
上記した縫い合わせ部Bは、図1(b)に示すように、乗員5の肩部5bの車両前後方向中心位置Cに対応しており、縫い合わせることによってその車両前後方向両側よりも膨張しない構造としている。このため上側展開部3bの縫い合わせ部Bは、図1(b)に示すように、展開時でその車両前後方向(図1(b)中で左右方向)両側よりも、車幅方向(図1(b)中で上下方向)の厚さが薄くなっている。
上記した縫い合わせ部Bに対して車幅方向の厚さが厚い車両前後方向の前方側部分3bf及び後方側部分3brは、縫い合わせ部Bに対し車幅方向両側に突出しており、車幅方向内側及び外側の各外表面のいずれにおいてもほぼ円弧形状となっている。そして、この円弧形状の最も車幅方向内側及び外側に突出した部分の最凸部位置D及びEは、乗員5の肩部5bの車両前後方向の前端部付近及び後端部付近にそれぞれほぼ対応している。
また、縫い合わせ部Bは、前方側部分3bf及び後方側部分3brに対し、乗員5に対向する側が曲面状に凹んだ凹部としての内側凹部3biとなり、内側凹部3biと反対の車両の側部内面6に対向する側が曲面状に凹んだ外側凹部3boとなっている。
すなわち、本実施形態では、展開時でのエアバッグ本体3の乗員5の肩部5bに対応する部分が、肩部5bに対応する部分に対して車体前後方向の少なくともいずれか一方に対応する部分3bf,3brよりも、車両の側部内面6側(図1(b)中で上方)に位置している。
この際、本実施形態では、車両の側部内面6側に位置している乗員5の肩部5bに対応するエアバッグ本体3の部分は、車両の側部内面6側に向けて凹んだ内側凹部3biによって構成している。
このような構成のサイドエアバッグ装置1は、車両の側面衝突時に、エアバッグ本体3が、シートバック11の側部から車両前方に向けて膨張展開し、展開完了時には、図1(a)のように、乗員5の側部と車両の側部内面6との間に位置して乗員5を保護する。
この膨張展開の過程でのエアバッグ本体3は、車両前方に向けて膨張した後、下方に向けて膨張することで、下側展開部3aが形成されて乗員5の腰部5aに対応する位置に達する。一方、車両前方に向けて膨張した後、上方に向けて膨張することで、上側展開部3bが形成されて乗員5の肩部5bや胸部5cに対応する位置に達する。
その際、本実施形態では、エアバッグ本体3の上側展開部3bが、肩部5bの車両前後方向中央位置Cに対応して内側凹部3biを有するように、内側凹部3biの前方側部分3bf及び後方側部分3brが乗員5に向けて突出するよう膨張する。このとき、図2に示すように、肩部5bが凹部3biに入り込んだ状態となる。この状態で、前方側部分3bf及び後方側部分3brの内側凹部3bi側の互いに逆に傾斜している傾斜面が、肩部5bの中央位置Cに対して車両前後方向両側を、接触部17,19にてそれぞれ押し付ける。
ここで側面衝突時に、エアバッグ本体3における上側展開部3bの車両前後方向両側部分3bf、3brにそれぞれ衝突荷重F1、F2として外部から作用する場合を想定する。この衝突荷重F1、F2は、上記した接触部17,19で肩部5bの表面に対してほぼ直交する法線方向の分力F1a、F2aと、肩部5bの表面に対する接線方向の分力F1b、F2bとに分けられる。
そして、これら分力F1a、F2aと分力F1b、F2bとのそれぞれの合力F1’、F2’は、肩部5bに対し、肩部回転中心Pを中心としてそれぞれ逆方向に回転させるモーメントMs1=F1’×L1、Ms2=F2’×L2を発生させる。なお、L1は、肩部回転中心Pと接触部17との間の車両前後方向間距離であり、L2は、肩部回転中心Pと接触部19との間の車両前後方向間距離である。
すなわち、上側展開部3bの前方側部分3bfによって発生するモーメントMs1は、肩部5bを図2中で反時計方向に回転させるように作用し、後方側部分3brによって発生するモーメントMs2は、肩部5bを図2中で時計方向に回転させるように作用する。
その結果、乗員5の肩部5bは、これら各モーメントMs1、Ms2が相殺されるので、車両前後方向に移動しにくくなって、肩部5b及び肩部5bを含む上体の回転を抑えることができる。これにより、側面衝突時に上体とエアバッグ本体3との相対的位置ずれを抑制し、エアバッグ本体3での衝突時でのエネルギ吸収効率を高めてエネルギ吸収量を充分確保することができる。
その際、本実施形態では、乗員保護のために、エアバッグ本体3の上側展開部3bに縫い合わせ部Bを設定すればよく、エアバッグ本体3を大型化する必要がないので、コスト上昇を抑えることができる。
このように、本実施形態によれば、エアバッグ本体3が展開するときに、エアバッグ本体3の車両の側部内面6側に位置している部分(縫い合わせ部B)を設けることによって乗員5に対する車両前方に向かう成分の入力荷重を抑えることができる。このため、肩部5b及び上体の車両前方への移動を抑えて上体とエアバッグ本体3との相対的位置ずれを抑制し、エアバッグ本体でのエネルギ吸収量を充分確保することができる。
また、本実施形態によれば、車両の側部内面6側に位置している乗員5の肩部5bに対応する部分は、車両の側部内面6側に向けて凹んだ凹部3biを備えている。このため、この凹部3biに肩部5bが入り込むことによって、その前後に位置して肩部5b側に突出している前方側部分3bf及び後方側部分3brが、肩部5bの回転をより確実に抑えることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図3に示すように、サイドエアバッグ装置1Aにおけるエアバッグ本体3Aの上側展開部3Abを、前記図1に示した第1の実施形態の上側展開部3bと形状を異ならせている。このエアバッグ本体3Aも、取付部位15からエアバック本体3Aが車両前方に向けて展開し、乗員5の腰部5a付近に向けて下方に展開する下側展開部3Aaと、乗員5の肩部5bや胸部5c付近に向けて上方に展開する上側展開部3Abとを備えている。
そして、本実施形態の上側展開部3Abは、図3(b)に示すように、乗員5の肩部5bの車両前後方向中心位置Cに対して車両前方側の前方側部分3Abfの車幅方向(図3(b)中で上下方向)の厚さを展開時で厚くしている。逆に、乗員5の肩部5bの車両前後方向中心位置Cに対して車両後方側の後方側部分3Abrの車幅方向の厚さを展開時で薄くしている。全体として展開時での上側展開部3Abは、前方側部分3Abfから後方側部分3Abrに向けて、車幅方向の厚さが徐々に薄くなるようにしている。
また、本実施形態の上側展開部3Abは、図3に示すように、それより下部の乗員5の胸部5cや腹部5dに対応する部分よりも車両前方にやや突出させている。
ここで、上側展開部3Abの乗員5(肩部5b)に対向する面でみると、図3(b)に示すように、前方側部分3Abfの最も肩部5bに向けて突出して接近する位置となる最凸部位置Dは、乗員5の肩部5bの車両前後方向の前端部付近にほぼ対応している。
すなわち、本実施形態では、車両の側部内面6側に位置している乗員5の肩部5bに対応する部分は、該肩部5bに対応する部分に対して車両前方側の、肩部5bに対応する部分よりも車両の側部内面6から車室20側に離れた位置とする前方側部分3Abfと、肩部5bに対応する部分に対して車両後方側の、肩部5bに対応する部分よりも車両の側部内面6に近い位置とする後方側部分3Abrとの間に設定されている。
このような構成のサイドエアバッグ装置1Aは、車両の側面衝突時に、エアバッグ本体3Aが、シートバック11の側部から車両前方に向けて膨張展開し、展開完了時には、図3(a)のように、乗員5の側部と車両の側部内面6との間に位置して乗員5を保護する。
この膨張展開の過程でのエアバッグ本体3Aは、車両前方に向けて膨張した後、下方に向けて膨張することで、下側展開部3Aaが形成されて乗員5の腰部5aに対応する位置に達する。一方、車両前方に向けて膨張した後、上方に向けて膨張することで、上側展開部3Abが形成されて乗員5の肩部5bや胸部5cに対応する位置に達する。
その際、本実施形態では、エアバッグ本体3Aの上側展開部3Abの特に最凸部位置Dが、図3(b)に示すように、乗員5の肩部5bの車両前後方向中心位置Cより車両前方に位置している。このとき、エアバッグ本体3Aは、図4に示すように、上記中心位置Cより車両前方側の接触部21で乗員5の肩部5bに接触する。
この接触部21でのエアバッグ本体3Aは、車両上下方向から見た平面視で、車両前方から後方に向けて乗員5から離れる方向に傾斜する傾斜面となっている。このとき、図4に示すように、側面衝突時に車体側部が外部から受ける衝突荷重Fは、エアバック本体3Aの上側展開部3Abの最凸部位置D付近を介して伝達荷重F’として乗員5に作用する。この伝達荷重F’は、上記傾斜面を有する接触部21では、車幅方向内側の車両斜め後方(図4中で右斜め下方)を向く力Fn’となって乗員5の肩部5bに作用することになる。
この車幅方向内側の車両斜め後方に向く力Fn’は、乗員5を、肩回転中心Pを中心として図4中で時計方向に回転させるモーメントMs=Fn’×Lを発生させ、乗員5をシートバック11に押し付けるように作用する。なお、Lは、肩部回転中心Pと接触部21との間の、平面視での力Fn’の作用する方向と直交する方向間距離である。
このように、力Fn’が乗員5をシートバック11に押し付けるように作用することで、乗員5の肩部5bが車両前方へ移動するようにして回転するのを抑制でき、肩部5b及び肩部5bを含む上体の回転を抑えることができる。これにより、側面衝突時に上体とエアバッグ本体3Aとの相対的位置ずれを抑え、エアバッグ本体3Aでの衝突時でのエネルギ吸収効率を高めてエネルギ吸収量を充分確保することができる。
その際、本実施形態では、乗員保護のために、エアバッグ本体3Aの上側展開部3Abの形状を、前方側部分3Abfから後方側部分3Abrに向けて、車幅方向の厚さを徐々に薄くしている。このため、エアバッグ本体3を大型化する必要がなく、コスト上昇を抑えることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、図5に示すように、サイドエアバッグ装置1Bのエアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbにおける、乗員5の胸部5c付近から肩部5b付近にわたる部分の形状を、前記図1に示した第1の実施形態におけるエアバッグ本体3と異ならせている。
このエアバッグ本体3Bも、取付部位15からエアバック本体3Bが車両前方に向けて展開し、乗員5の腰部5a付近に向けて下方に展開する下側展開部3Baと、乗員5の肩部5bや胸部5c付近に向けて上方に展開する上側展開部3Bbとを備えている。
そして、図5(b)に示すように、エアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分は、その車両前後方向中心位置Hを、肩部5bの車両前後方向中心位置Cよりも、車両後方に位置させている。ここで、上側展開部3Bbは、車両上下方向から見た平面視で、車両前後方向に長い楕円形状としてある。このため、上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分の車両前方側に位置する前方側部分3Bbfは、車両前後方向中心位置Hに対応する部分よりも、車両の側部内面6側(図5(b)中で上部側)に位置していることになる。
また、この上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分よりも下方は、図6(a)のエアバッグ本体3Bの各部の断面図である図6(b)、(c)、(d)に示すように、肩部5bから胸部5cに向かうに従って、楕円形状を保持しつつ断面積(容積)を徐々に大きくしている。
さらに、これら肩部5bから胸部5cにわたるエアバッグ本体3Bの断面形状の中心位置i、j、kは、肩部5bから胸部5cに向かうに従って、より車両前方に位置するよう設定している。つまり、これら各中心位置i、j、k相互を結ぶ直線Lは、肩部5b側が車両後方で胸部5c側が車両前方となるよう傾斜している。
このような構成のサイドエアバッグ装置1Bは、車両の側面衝突時に、エアバッグ本体3Bが、シートバック11の側部から車両前方に向けて膨張展開し、展開完了時には、図5(a)のように、乗員5の側部と車両の側部内面6との間に位置して乗員5を保護する。
この膨張展開の過程でのエアバッグ本体3Bは、車両前方に向けて膨張した後、下方に向けて膨張することで、下側展開部3Baが形成されて乗員5の腰部5aに対応する位置に達する。一方、車両前方に向けて膨張した後、上方に向けて膨張することで、上側展開部3Bbが形成されて乗員5の肩部5bや胸部5cに対応する位置に達する。
その際、本実施形態では、図5(b)に示すように、エアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分は、その車両前後方向中心位置Hを、乗員5の肩部5bの車両前後方向中心位置Cよりも、車両後方に位置させている。これにより、エアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分は、全体として肩部5bよりも車両後方に位置することになる。
この状態では、図7(a)に示すように、側面衝突時に、車両側部に外部から入力された衝突荷重Fは、エアバッグ本体3Bから前方側部分3Bbfにおける接触部23にて乗員5の肩部5bの表面に対して直交する法線方向の力Fn1として作用する。この力Fn1の作用方向は、前方側部分3Bbfの車両前方側ほど車幅方向の厚さが薄くなることによる傾斜面によって、車両前方の車室20側となる。
このような力Fn1によって、乗員5の肩部5bが肩部回転中心Pを中心として図7(a)中で反時計方向に回転するモーメントMs=Fn1×Lが発生する。なお、Lは、肩部回転中心Pと接触部23との間の、平面視での力Fn1の作用する方向と直交する方向間距離である。
図7(a)の状態から衝突荷重Fの入力が大きくなるに従い、エアバッグ本体3Bから肩部5bへの入力Fn1も増大する。その際、肩部5bがモーメントMsにより回転限界に達したときに、エアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分は、図7(b)に示すように、より車両前方側の接触部23aにて肩部5bに接触する。
この接触部23aでの肩部5bの表面に対する法線方向の入力Fn1’は、肩部5bが既に車両前方に向けて回転しているので、図7(a)に示す接触当初の入力Fn1より減少し、かつ肩部5bの回転よって乗員5の背中により近い位置に上側展開部3Bbが接触して入力Fn2が作用することになる。但し、この入力Fn2は、入力Fn1’より大きい値となる。
ここで、乗員5の背中は押し付け力に対する耐性が肩部5bに比較して高く、この耐性の高い背中への入力Fn2によって、エアバッグ本体3Bによるエネルギ吸収効率を高めてエネルギ吸収量を充分確保することができる。
その際、本実施形態では、乗員保護のために、エアバッグ本体3Bの上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分の車両前後方向中心位置Hを、肩部5bの車両前後方向中心位置Cよりも車両後方に位置させればよい。このため、エアバッグ本体3Bを大型化する必要がなく、コスト上昇を抑えることができる。
また、本実施形態では、エアバッグ本体3Bは、乗員5の肩部5bから胸部5cに向かうに従って、車体上下方向から見た平面視での断面積が大きくかつ、車両前後方向の中心が車両前方側となるよう設定している。
これにより、エアバッグ本体3Bにおける上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分の中心位置Hを、肩部5bの中心位置Cよりも車両後方側により確実に位置させることができる。その結果、上側展開部3Bbの肩部5bに対応する部分による乗員5の肩部5bへの衝突荷重の入力は、より確実に乗員5の背中に作用させることができるようになり、エアバッグ本体3Bによるエネルギ吸収効率をより高めることが可能となる。
また、上側展開部3Bbの胸部5cに対応する部分の断面積(容積)を大きくすることで、胸部5cをしっかりと保護することができる。さらに、上側展開部3Bbの各部の中心i、j、kを、肩部5bから胸部5cに向かうに従って車両前方となるよう設定することで、上側展開部3Bbは、肩部5bに対応する部分でのエネルギ吸収効率の向上と、胸部5cに対応する部分での胸部5cの充分な保護を両立させることができる。
1,1A,1B サイドエアバッグ装置
3,3A,3B エアバッグ本体
3b,3Ab,3Bb エアバッグ本体の上側展開部(乗員の肩部に対応する部分)
3bf,3Abf,3Bbf 上側展開部の前方側部分
3br,3Abr,3Bbr 上側展開部の後方側部分
3bi 上側展開部の内側凹部(凹部)
5 乗員
5b 乗員の肩部
5c 乗員の胸部
6 車両の側部内面
C 乗員の肩部の車両前後方向中心位置
H エアバッグ本体の上側展開部の車両前後方向中心位置

Claims (5)

  1. 車両が衝撃を受けたときに、車両の側部内面と乗員の側部との間で、袋状のエアバッグ本体が展開して乗員に対する衝撃を吸収するサイドエアバッグ装置であって、展開時での前記エアバッグ本体の前記乗員の肩部に対応する部分が、該肩部に対応する部分に対して車両前後方向の少なくともいずれか一方に対応する部分よりも、前記車両の側部内面側に位置していることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記車両の側部内面側に位置している乗員の肩部に対応する部分は、前記車両の側部内面側に向けて凹んだ凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記車両の側部内面側に位置している乗員の肩部に対応する部分は、該肩部に対応する部分に対して車両前方側の、前記肩部に対応する部分よりも前記車両の側部内面から車室側に離れた位置とする部分と、前記肩部に対応する部分に対して車両後方側の、前記肩部に対応する部分よりも前記車両の側部内面に近い位置とする部分との間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグ本体の少なくとも車両前方側を車両前後方向中心よりも前記車両の側部内面側に位置する形状とし、前記エアバッグ本体の車両前後方向中心位置を、前記乗員の肩部の車両前後方向中心位置よりも、車両後方に位置させることで、前記乗員の肩部に対応する部分を、前記車両の側部内面側に位置させていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグ本体は、前記乗員の肩部に対応する部分から胸部に対応する部分に向かうに従って、車両上下方向から見た平面視での断面積が大きくかつ、車両前後方向の中心が車両前方側となるよう設定したことを特徴とする請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
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JP2016068656A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 ダイハツ工業株式会社 乗員保護装置

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