JP2008126714A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】肩拘束部を有するエアバッグにおいて、乗員の頭部を効果的に拘束するエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】車両衝突時に展開膨張するエアバッグ100は、肩拘束部107を構成する左右のインナパネル130,140の間に挟まれた頭部拘束パネル180,190を有する。頭部拘束パネル180、190は、エアバッグ100の正面部105において、乗員Pの頭部に対して正対する少し凸状の面部である頭部拘束面部106を形成し、乗員Pの頭部を正面から効果的に拘束する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載され、衝突時に展開して乗員を拘束するためのエアバッグ装置に関する。特に、乗員の両肩をそれぞれ拘束する複数の肩拘束部を備えたいわゆるツインタイプのエアバッグ装置に関する。
助手席用のエアバッグ装置として、乗員の頭部を柔軟に拘束し、また両肩部を拘束するために、乗員と対向する正面部における幅方向中央部を凹ませて、その両側を肩拘束部としたものが知られている。
例えば、特許文献1には、このような肩拘束部を形成するため、両側面部をそれぞれ構成する一対の外側パネルと、外側パネルの内側であって乗員と対向する領域を幅方向に2分割して配置され、略C字形状とされた一対の内側パネルとを有し、内側パネルの外周縁部を隣接する外側パネルの外周縁部と接合するとともに、内側パネルの内周縁部どうしを相互に接合することによって、肩拘束部を形成したエアバッグが記載されている。
特開2006−103654号公報
しかし、上述した従来のエアバッグ装置では、衝突時に乗員の頭部は内側パネルによって形成されるV字状の谷部によって拘束されるが、このV字状の谷部によって、エアバッグの前後長のうち乗員の衝撃吸収に寄与する部分の有効長さ(ストローク)が少なくなる場合がある。
本発明は、このような観点からなされたものであって、肩拘束部を有するエアバッグにおいて、乗員の頭部を効果的に拘束するエアバッグ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明のエアバッグ装置は、基布によって形成された複数のパネルを接合して構成され、展開時に乗員と面する正面部、この正面部から離間し吹込み口が設けられた基端部、並びに、正面部と基端部との間に配設された左右側面部及び上下面部とを有するエアバッグと、吹込み口に展開用ガスを供給するガス供給手段を少なくとも備える。
エアバッグは、車両事故の際、車両乗員とインストルメントパネルとの間の領域において展開膨張する構成を有する。本発明において、「基端部」は、エアバッグが車体側に支持される基部を示し、典型的にはエアバッグの車両前方側の端部に設けられる。また、「正面部」は、前面衝突時に乗員を拘束する面部であって、典型的には車両後方側の端部に、車両後方側に面して配置される。
特に本発明のエアバッグは、基布によって構成された左側アウタパネル、右側アウタパネル、左側インナパネル、右側インナパネル、頭部拘束パネルを少なくとも備える。本発明には、これら以外のパネルを含む構成や、これらのパネルの1つを複数のパネルに分割した構成も包含される。また、複数のパネルの基布を部分的に接合した構成も包含される。
各アウタパネルは、主にエアバッグの左右側面部を構成するが、左右側面部とともにエアバッグの前面部、上面部、正面部等の一部を構成するものも包含される。
各インナパネルは、各アウタパネルの内側に配置され、頭部拘束パネルとともに主に展開時に乗員と面する正面部を構成する。各インナパネルは外周縁部において各アウタパネルの外周縁部とそれぞれ接合され外側接合線が形成される、また、湾曲して形成された内周縁部は頭部拘束パネルの幅方向における端部と接合され内側接合線が形成される。
本発明においては、頭部保護パネルの周長は、外側接合線の周長よりも短いことから、エアバッグを展開膨張した際に、外側接合線よりも頭部保護パネルの方が小径となって引きつりが生じ、頭部拘束位置は外側接合線よりも基端部側に奥まった位置に配置される。その結果、頭部拘束パネルを含む正面部の幅方向における中央部に、上下方向に延在する略溝状の凹部が形成される。そして、凹部を挟んだ両側には、乗員の肩部を拘束する一対の肩拘束部が形成される。
頭部拘束パネルは、各インナパネルとともに正面部を構成し、該正面部において略上下方向に伸びる帯状に形成され、幅方向における両端部をそれぞれ各インナパネルの内周縁部と上述した内側接合線において接合される。
典型的には、頭部拘束パネルは、エアバッグの上面部、正面部、下面部にかけて、エアバッグの幅方向における中心線に略沿って、側方から見たときに湾曲して配置された帯状に形成される。そして、頭部拘束パネルは、上述した略溝状の凹部の溝底面を構成する。
このような構成によれば、各肩拘束部の間に、頭部拘束パネルが乗員の頭部に対して略正対して配置される少し凸状の頭部拘束面部が形成される。この頭部拘束面部は、乗員の頭部との接触時に側方等へ逃げることがなく、展開用ガスの圧力を乗員の頭部に正面から効果的に伝達できるため、乗員の頭部をより良好に拘束することができる。これによって、乗員の頸部に加わる負担が軽減される。
また、乗員の拘束性を向上するためにエアバッグ全体を幅広に形成した場合であっても、頭部拘束パネルがない場合に対して、頭部拘束面部周辺の凹み部分が大きく(幅広に)なることによりエアバッグの容量を小さくすることができ、ガス供給手段が発生する展開用ガスを有効に利用して、比較的少ないガス発生量であってもエアバッグの展開膨張を適切な形態で行うことができる。
さらに、このような頭部拘束面部が存在することによって、エアバッグの展開時に展開用ガスを略正面から受けることができ、エアバッグの展開が安定する。
本発明においては、頭部拘束パネルは、上方側が下方側よりも幅広に形成される構成とすることができる。
このような構成によれば、拘束対象となる乗員の体格に応じて、適切なストローク及び頭部拘束面部の面幅を得ることができる。具体的には、体格が小さく頭部拘束面部の下方側の領域に頭部が接触するような搭乗者の場合には、この領域の頭部拘束パネルの幅を上方側の領域よりも狭くすることによって、ストローク及び頭部拘束面部の面幅を小さくするとともに、左右の肩拘束部の間隔を狭めることによって、体格に応じた効果的な乗員拘束を実現できる。
本発明においては、頭部拘束パネルと同じ基布から一体的に形成され、各アウタパネルを連結するテザー部を有する構成としてもよい。
このような構成によれば、エアバッグの幅方向寸法を規制することによって、エアバッグが幅方向に過度に膨らんで容積が増大することを防止し、肩拘束部及び頭部拘束面部が適切な形態となるようにエアバッグを展開膨張することができる。
本発明においては、複数のパネルとして、エアバッグの基端部側の領域において、各アウタパネルの外周縁部間にわたして設けられたフロントパネルを含み、頭部拘束パネルは、フロントパネルと同じ基布から一体的に形成される構成としてもよい。
このような構成によれば、フロントパネルを有する既存のエアバッグに対して部品点数を増加させることなく上述したような頭部拘束面部を形成することができる。
以上のように、本発明によれば、エアバッグが展開した際に頭部拘束パネルが乗員の頭部に対して正対する少し凸状の頭部拘束面部を形成し、この頭部拘束面部は、乗員との接触により横方向等へ逃げることがなく展開用ガスの圧力を乗員の顔面等に正面から効果的に伝達できるため、乗員の頭部を適切なストロークで拘束することができる。
また、乗員拘束面部周辺の凹みが増大し、エアバッグの容量が低減されることから、比較的少ないガス発生量であってもエアバッグの展開膨張を適切な形態で行うことができる。
以下、本発明のエアバッグ装置の実施の形態について、図1から図14を参照して説明する。
なお、本明細書において、前後方向、上下方向、左右方向(幅方向)は、エアバッグ装置が搭載される車両の前後、上下、左右方向をそれぞれ示すものとする。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のエアバッグ装置の全体構成を示す模式的側面図である。
エアバッグ装置は、例えば自動車の助手席用として用いられるものであって、インストルメントパネル10の上部に装着されるトップマウントタイプのものである。
エアバッグ装置は、エアバッグ100や、ケース210、衝突センサ220、コントローラ230、インフレータ240等を備えている。
エアバッグ(本体)100は、例えばナイロン系の基布を切り出して形成された複数のパネルを縫合して形成され、車両の衝突時にインストルメントパネル10とフロントスクリーン20との間から、車両後方側へ展開し、助手席シート30に座った乗員Pが前進したときに、これを拘束する。
エアバッグ100については、後にさらに詳しく説明する。
ケース210は、展開前の折畳まれたエアバッグ100と、インフレータ240とを収容し固定する部分である。ケース210は、インストルメントパネル10内における上面部の下側に配置されている。
衝突センサ220は、車両の衝突時に発生する衝撃を検出する加速度ピックアップを備え、その出力をコントローラ230に出力する。
コントローラ230は、衝突センサ220の出力に基づいてエアバッグ100の展開要否を判別し、展開が必要と判定された場合に、インフレータ240に展開信号を供給する。
インフレータ240は、エアバッグ100の展開時(車両の衝突時等)に、エアバッグ100を展開させる展開用ガスを発生するガス発生装置である。インフレータ240は、燃焼時に窒素ガスなどを発生するガス発生剤や、着火剤を介してガス発生剤に点火するイグナイタを備えている。
図2は、展開(膨張)後のエアバッグ100を上方から見た平面図である。
図3は図2のIII−III部矢視断面図である。
エアバッグ100は、前面部101、側面部102、上面部103、下面部104、正面部105を有して構成されている。
前面部101は車両の前方側に面して配置された少し凸状の面部である。また、正面部105は、エアバッグ100の乗員P側(車両後方側)の端部において、乗員Pに面して配置され、衝突時に乗員Pを拘束する部分である。
側面部102、上面部103、下面部104は、前面部101及び正面部105の側縁部間、上縁部間、下縁部間にそれぞれわたして設けられた面部である。
前面部101は、車両前方側から見たときの投影面積が、正面部105よりも小さく形成され、その結果、エアバッグ100は、全体として前方側が窄まった略四角錐台状に形成されている。
また、正面部105は、頭部拘束面部106及び肩拘束部107(107L,107R)を備えている。
頭部拘束面部106は、正面部105の車幅方向における中央部を、略上下方向に延在する溝状に凹ませて形成され、その表面は乗員Pに対して略正対する少し凸面状の面部となっている。頭部拘束面部106の上端部及び下端部は、上面部103及び下面部104の車両後方側の一部まで回り込んでいる。
肩拘束部107は、頭部拘束面部106を車幅方向に挟んだ両側にそれぞれ設けられ、頭部拘束面部106に対して相対的に乗員P側(車両後方側)へ突き出して形成されている。
また、下面部104は、その車両前方側に設けられた基端部に、展開用ガスが吹き込まれる吹込み口108(図4参照)が形成されている。エアバッグ100は、この吹込み口108の周縁部を、上述したケース210に固定される図示しないリテーナに固定されることによって支持されている。
図4は、エアバッグ100を構成するパネルを平面状に展開した状態を示す図である。
エアバッグ100は、左側アウタパネル110、右側アウタパネル120、左側インナパネル130、右側インナパネル140、メインパネル150を備えて構成されている。
左側アウタパネル110及び右側アウタパネル120は、それぞれ展開後のエアバッグ100の左右の側面部102を構成する。
左側アウタパネル110及び右側アウタパネル120は、それぞれ前端縁部111,121、上端縁部112,122、下端縁部113,123、後端縁部114,124から構成される外周縁部を備えている。このうち、上端縁部112,122、下端縁部113,123、後端縁部114,124は、これらを連続させるとリングを略半周程度にわたって切り出した形状となるように湾曲して形成されている。
また、各アウタパネル110,120は、展開膨張後のエアバッグ100の内圧を調整するためにエアバッグ100内から展開用ガスを排出する図示しないベントホールが適宜配設される。
左側インナパネル130及び右側インナパネル140は、上述した左側アウタパネル110及び右側アウタパネル120の内側に、これらに挟まれた状態で配置され、展開後のエアバッグ100の正面部105における肩拘束部107を構成する。
左側インナパネル130及び右側インナパネル140は、それぞれ外周縁部131,141、内周縁部132,142を備えている。
外周縁部131,141は、リングを略半周程度にわたって切り出した形状に形成され、各アウタパネル110,120の上端縁部112,122、下端縁部113,123、後端縁部114,124にそれぞれ沿わせて配置され、これらと連続的に縫合される部分である。この縫合箇所は、外側接合線Soとなる。これらの外周縁部131,141は、各アウタパネル110,120、各インナパネル130,140をそれぞれ平面上に伸ばした際に、アウタパネルの対応する外周縁部と略一致する形状に形成されている。
内周縁部132,142は、外周縁部131,141から間隔を隔てた内側にそれぞれ配置され、リングを略半周程度にわたって切り出した形状(略円弧に沿って湾曲した帯状)に形成されている。これらの各インナパネル130,140は、内周縁部132,142に沿って、後述するメインパネル150の各頭部拘束パネル部170、180と縫合される。この縫合箇所は、内側接合線Siとなる。
ここで、後述する各頭部拘束パネル部170,180及び外側接合線Soは、側方から見たときに、車両前方側が開口した略円弧状となるように形成されるが、各頭部拘束パネル部170,180の周長は、外側接合線Soの周長よりも短いことから、エアバッグ100の展開時には、この周長差による引きつりに起因して、各頭部拘束パネル部170,180が外側接合線Soを含む肩拘束部107よりも基端部側に奥まって配置された頭部拘束面部106が形成される。
メインパネル150は、フロントパネル部160、上部頭部拘束パネル部170、下部頭部拘束パネル部180を同じ基布から切り出すことによって一体的に形成したものである。
フロントパネル部160は、エアバッグ100の前面部101と、上面部103及び下面部104の車両前方側(基端部側)の部分とを構成するものである。
フロントパネル部160は、左右の側縁部161を備えている。また、フロントパネル部160の上端部及び下端部は、それぞれ上部頭部拘束パネル部170の前端部、下部頭部拘束パネル部180の前端部と連続して形成されている。
フロントパネル部160の側縁部161は、各アウタパネル110,120の前端縁部111,121、並びに、上端縁部112,122及び下端縁部113,123の車両前方側の領域とそれぞれ縫合される部分である。
また、フロントパネル部160には、エアバッグ100の展開時に下面部104側となる領域に、吹込み口108が形成されている。
上部頭部拘束パネル170及び下部頭部拘束パネル180は、エアバッグ100の上面部103、正面部105、下面部104にかけて、幅方向における中心線に沿いかつ側方から見て湾曲して延在する帯状に形成されている。そのうち上部頭部拘束パネル170は正面部105の高さ方向における中央部よりも上方の領域を構成し、下部頭部拘束パネル180はこれよりも下方の領域を構成している。上部頭部拘束パネル170及び下部頭部拘束パネル180の左右の側縁部171、181は、各インナパネル130、140の内周縁部132、142と上述した内側接合線Siに沿って縫合される。
また、上部頭部拘束パネル170及び下部頭部拘束パネル180は、その幅がフロントパネル部160よりもやや狭くなっている。
これら上部頭部拘束パネル170及び下部頭部拘束パネル180は、エアバッグ100の展開時に、頭部拘束面部106を構成する部分である。
これらのフロントパネル部160、上部頭部拘束パネル170、下部頭部拘束パネル180からなるメインパネル150は、図3に示すように、エアバッグ100の正面部105の高さ方向における中央部において、上部頭部拘束パネル170の下端部172と下部頭部拘束パネル180の上端部182とを縫合することによって、エアバッグ100を側方から見たときにリング状となるように形成されている。
エアバッグ100は、上述した各パネルの対応する縁部を縫合してバッグ状に縫製した後、吹込み口108からその全体を裏返すことによって、各パネルの縁部に設けられる縫合代がエアバッグ100の内部側に配置された状態となる。その後、エアバッグ100は、例えば蛇腹状などの所定のパターンに従って折畳まれる。
次に、第1の実施形態のエアバッグ装置における車両衝突時の動作について説明する。
車両の通常使用時(衝突前)においては、エアバッグ100は、折畳まれてケース210に入れられた状態で、インストルメントパネル10の内部に収容される。
車両が前面衝突すると、衝突により発生する加速度を衝突センサ220が検出する。そして、コントローラ230は、衝突センサ220の出力に基づいて、エアバッグ100の展開が必要と判別すると、インフレータ240に展開信号を出力する。インフレータ240は、展開信号に応じて展開用ガスを発生し、この展開用ガスは吹込み口108を介してエアバッグ100内に導入され、この圧力によってエアバッグ100は展開膨張動作を開始する。
展開後のエアバッグ100は、図1に示すように、その正面部105において、前進してくる乗員Pを拘束する。このとき、左右一対の肩拘束部107は、乗員Pの両肩をそれぞれ拘束し、乗員Pの顔面を含めた頭部は、頭部拘束面部106によって柔軟に拘束される。
次に、第1の実施形態による効果を、以下説明する本発明の比較例に係るエアバッグ装置と対比して説明する。なお、以下説明する各実施形態及び比較例においては、第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略し、相違点について説明する。
図5は、比較例のエアバッグ装置における展開後のエアバッグ100Aを上方から見た平面図である。図6は、図5のVI−VI部矢視断面図である。
エアバッグ100Aにおいては、メインパネル150は、第1の実施形態における上部頭部拘束パネル部170、下部頭部拘束パネル部180が設けられず、フロントパネル部160のみが設けられている。そして、左右の各インナパネル130,140は、その内周縁部132,142を相互に接合され、ここに中央接合線Scが形成される。その結果、図5に示すように、第1の実施形態のような頭部拘束面部106は形成されず、肩拘束部107の間は、上から見て略V字型の溝状部となっている。
図7は、第1の実施形態と比較例における車両衝突時の乗員拘束状態の違いを示す模式的平面図である。
図7(b)に示す比較例の場合には、乗員Pの頭部がエアバッグ100Aの正面部に当接すると、乗員Pの頭部が左右各インナパネル130、140を押し広げてしまい、その結果、乗員Pの頭部が中央接合線Sc付近まで前進してから頭部の拘束が開始される。このため、エアバッグ100Aの前後方向におけるストローク(衝撃吸収に寄与する部分の有効長さ)は小さくなってしまう。
これに対し、図7(a)に示す第1の実施形態の場合には、各肩拘束部107の間に、各頭部拘束パネル部170、180が乗員Pの頭部に対して略正対して配置される少し凸面状の頭部拘束面部106が形成される。この頭部拘束面部106は、乗員Pの頭部との接触時に側方等へ逃げることがないことから衝撃吸収に必要なストロークの確保が容易である。また、展開用ガスの圧力を乗員Pの頭部に正面から効果的に伝達できるため、乗員の頭部をより良好に拘束することができる。これによって、乗員の頸部に加わる負担が軽減される。
また、乗員Pの拘束性を向上するためにエアバッグ100を幅広に形成した場合であっても、各頭部拘束パネル部170、180がない場合に対して、頭部拘束面部106周辺の凹み(溝幅)が大きくなることによって、エアバッグ100の容量を小さくすることができ、インフレータ240が発生するガス量を有効に活用し、比較的少ないガス発生量であっても、エアバッグ100の展開膨張を適切な形態で行うことができる。
さらに、このような頭部拘束面部106が存在することによって、エアバッグ100の展開時に展開用ガスを略正面から受けることができ、エアバッグ100の展開が安定する。
<第2の実施形態>
次に、本発明のエアバッグ装置の第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態における展開後のエアバッグ100Bを上方から見た平面図である。
図9は、図8のIX−IX部矢視図(車両後方側から見た立面図)である。
図10は、図8のX−X部矢視断面図である。
図11は、エアバッグ100Bの車両後方側の部分を斜め上方側かつ斜め後方側から見た状態を示す外観斜視図である。
第2の実施形態のエアバッグ100Bは、頭部拘束面部106を、車両後方側から見たときに、上方側において下方側よりも幅広となるような逆台形状に形成している。
また、上述した第1の実施形態では、メインパネル150をリング状とするための接合部は、上部頭部拘束パネル部170の下端部172と下部頭部拘束パネル部180の上端部182との間に設けられていたが、第2の実施形態においては、フロントパネル部160の上端部と上部頭部拘束パネル部170の前端部との間に設けられている(上部接合線Su)。すなわち、第2の実施形態においては、メインパネル150は、フロントパネル部160、下部頭部拘束パネル部180、上部頭部拘束パネル部170が順次連続した帯状に形成されている。
図12は、車両の衝突時において、第2の実施形態のエアバッグ100Bに体格の異なる乗員Pが当接した状態を示す模式図であって、図12(a)及び図12(b)は、それぞれ側方及び後方から見た状態を示している。
図12(a)に示すように、第2の実施形態のエアバッグ100Bは、乗員Pの体格が大きい場合のストロークS1が、体格が小さい場合のストロークS2よりも大きくなるように頭部拘束面部106が形成されている。これによって、体格が大きく衝突時の衝撃エネルギが大きい乗員Pに対しては、比較的大きいストロークを確保してエアバッグ100Bによる衝撃吸収能力を確保することができ、体格に応じた適切な拘束を行うことができる。
また、図12(b)に示すように、第2の実施形態のエアバッグ100Bは、頭部拘束面部106を逆台形状とした結果、体格が大きい乗員Pを拘束する領域においては、各肩拘束部107の間隔が大きく、体格が小さい乗員Pを拘束する領域においては、各肩拘束部107の間隔が小さくなっているので、乗員Pの体格に応じて良好な肩部の拘束を行うことができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明のエアバッグ装置における第3の実施形態について説明する。
図13は、第3の実施形態におけるエアバッグ100Cを構成する部材を示す展開図である。
第3の実施形態においては、メインパネル150の下部頭部拘束パネル部180の展開膨張時における上端部に、エアバッグ100Cの幅方向寸法を規制するテザー部190を設けている。
このテザー部190は、メインパネル150と同じ基布から一体的に形成されている。
テザー部190は、下部頭部拘束パネル部180の上端部から幅方向に両側に突き出して形成され、その先端部は、エアバッグ100Cの側面部102を構成する各アウタパネル110、120の内面部に接合される。
図14は、第3の実施形態のエアバッグ100Cの展開時における車両後方側の部分を上方側から見た平面図である。
図14に示すように、エアバッグ100Cの展開膨張時においては、テザー部190は、各アウタパネル110、120によって幅方向外側に引っ張られ、緊張した状態となっており、テザーベルトとして機能することによりエアバッグ100Cの幅方向寸法を規制している。
以上のように、第3の実施形態によれば、エアバッグ100Cを展開用ガスにより展開膨張させる際に、テザー部190が伸展されて、エアバッグ100Cの幅方向の寸法を規制するテザーベルトとして機能するから、エアバッグ100が幅方向に必要以上に膨れることを防止できる。これによって、展開用ガスが効果的に車両後方側(乗員側)に供給され、エアバッグ100を適切な形態で展開させることができ、頭部拘束面部106及び肩拘束部107を良好に形成して乗員Pの拘束を効率よく行うことができる。また、エアバッグ100の容積増加を抑制できるため、インフレータが発生する展開用ガスを、乗員側への展開に有効に活用することができ、比較的ガス発生量の少ないインフレータであっても、良好な展開膨張を行うことができる。そして、テザー部190は、メインパネル150の他の部分と共通の基布から一体に形成しているから、パネル等の部品点数を増加させることなく、安価な構成によってエアバッグ100の展開時における外形形状維持が可能となる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記した実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記第3の実施形態では、エアバッグの幅方向寸法を規制するテザー部を設けているが、これに限らず、エアバッグの前後方向や上下方向、また、斜め方向等に伸びるテザー部を設けて、任意の箇所における寸法を規制するようにしてもよい。
また、エアバッグを構成する各パネルの分割パターンや枚数も適宜変更することができる。例えば、左右のアウタパネルを一体に形成したり、さらに、左右のアウタパネルとフロントパネルとを一体に形成する構成としてもよい。また、強度が必要な箇所においては、複数枚のパネルを重ね合わせて補強する構成としてもよい。また、頭部拘束パネル部を、フロントパネル部と別体に形成してもよい。
本発明のエアバッグ装置の第1の実施形態における構成を示す模式的側面図である。 第1の実施形態におけるエアバッグを上方側から見た平面図である。 図2のIII−III部矢視断面図である。 実施の形態におけるエアバッグの構成部材を示す展開図である。 本発明の比較例であるエアバッグを上方側から見た平面図である。 図5のVI−VI部矢視断面図である。 本発明の第1の実施形態と比較例における車両衝突時の乗員拘束状態の違いを示す模式的平面図である。 本発明のエアバッグ装置の第2の実施形態におけるエアバッグを上方側から見た平面図である。 図8のIX−IX部矢視図である。 図8のX−X部矢視断面図である。 図8のエアバッグの車両後方側の部分を斜め上方側かつ斜め後方側から見た状態を示す外観斜視図である。 第2の実施形態のエアバッグに体格の異なる乗員が当接した状態を示す模式図である。 本発明のエアバッグ装置の第3の実施形態におけるエアバッグの構成部材を示す展開図である。 図13のエアバッグの展開時における車両後方側の部分を上方側から見た平面図である。
符号の説明
10 インストルメントパネル
20 フロントスクリーン
100,100A,100B,100C エアバッグ
101 前面部
102 側面部
103 上面部
104 下面部
105 正面部
106 頭部拘束面部
107 肩拘束部
108 吹込み口
110 左側アウタパネル
120 右側アウタパネル
130 左側インナパネル
131 外周縁部
132 内周縁部
140 右側インナパネル
141 外周縁部
142 内周縁部
150 メインパネル
160 フロントパネル部
170 上部頭部拘束パネル部
180 下部頭部拘束パネル部
190 テザー部
210 ケース
220 衝突センサ
230 コントローラ
240 インフレータ
Si 内側接合線
So 外側接合線
Sc 中央接合線

Claims (4)

  1. 複数の基布パネルを接合して構成された、展開時に乗員と面する正面部、該正面部から離間した展開用ガスを導入する吹込み口が設けられた基端部、並びに、前記正面部と前記基端部との間に配設された左右側面部及び上下面部を有するエアバッグと、
    前記吹込み口に展開用ガスを供給するガス供給手段と
    を備えるエアバッグ装置であって、
    前記複数の基布パネルとして、
    前記左右側面部をそれぞれ構成する左側アウタパネル及び右側アウタパネルと、
    前記各アウタパネルの内側に配置され、その外周縁部において前記各アウタパネルの外周縁部とそれぞれ接合されるとともに、湾曲して形成された内周縁部を有する左側インナパネル及び右側インナパネルと、
    前記各インナパネルとともに前記正面部を構成し、該正面部において略上下方向に延びる帯状に形成され、幅方向における両端部をそれぞれ前記各インナパネルの前記内周縁部と接合される頭部拘束パネルと、を含むこと
    を特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記頭部拘束パネルは、上方側が下方側よりも幅広に形成されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記頭部拘束パネルと同じ基布から一体的に形成され、前記各アウタパネルを連結するテザー部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記複数の基布パネルとして、前記エアバッグの前記基端部側の領域において、前記各アウタパネルの外周縁部間にわたして設けられたフロントパネルを含み、
    前記頭部拘束パネルは、前記フロントパネルと同じ基布から一体的に形成されることを特徴とする請求項1から3に記載のエアバッグ装置。
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