JP2010076640A - エアバッグ装置 - Google Patents

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岳樹 福山
Shigeyuki Suzuki
滋幸 鈴木
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Abstract

【課題】衝撃に応じ乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動してもその頭部を確実に受け止めて保護する。
【解決手段】エアバッグ31の第1膨張部34は、一端部(後端部)34Aにおいて乗員P2の衝撃箇所側となる箇所の後方に固定されており、衝撃に応じ、乗員P2の衝撃箇所側となる箇所の前方へ向けて膨張する。第2膨張部37は、第1膨張部34に対し屈曲した状態で、同第1膨張部34の他端部(前端部)34Bに連結されている。第2膨張部37は、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧される前には、同第1膨張部34の他端部(前端部)34Bから、頭部Phの前方近傍において衝撃箇所とは反対側へ膨張する。第2膨張部37は、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧されて一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転したときには、その回転に伴い頭部Phの衝撃箇所側の側方へ移動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方に向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、同他の座席に着座し、かつ衝撃に伴い衝撃箇所側へ移動する乗員の少なくとも頭部をエアバッグで受け止めて保護するようにしたエアバッグ装置に関するものである。
車幅方向に一対の座席が並設された車両では、側突によりドア等のボディサイド部に衝撃が加わった場合に、その衝撃箇所(ボディサイド部)に近い側の座席に着座した乗員をエアバッグ装置によって保護することが一般的に行われている。このタイプは、通常、サイドエアバッグ装置と呼ばれるものであり、上記座席に着座した乗員について、衝撃箇所(ボディサイド部)に近い側方かつ後方にエアバッグの後端部が固定される。固定の対象となるのは、上記座席、ボディサイド部等である。上記サイドエアバッグ装置では、ボディサイド部に衝撃が加わると、エアバッグが、乗員とボディサイド部との間を通って前方へ向けて膨張する。衝撃に伴い乗員が衝撃箇所(ボディサイド部)側へ移動するが、この乗員は膨張したエアバッグによって受け止められる。この場合、受け止めに際し、乗員による押圧力が加わり、エアバッグがその固定箇所である後端部を支点として衝撃箇所側へ回転しようとしても、その回転は、ボディサイド部によって規制される。
さらに、近年では、衝撃箇所(ボディサイド部)から遠い側の座席に着座した乗員の少なくとも頭部をエアバッグ装置によって保護することも考えられるようになってきている。とはいえ、このタイプのエアバッグ装置は、上記サイドエアバッグ装置ほど開発が進んでいない。そのため、サイドエアバッグ装置の構成を、後者のタイプのエアバッグ装置に適用することが考えられる。その場合、乗員について、衝撃箇所(ボディサイド部)に近い側方かつ後方にエアバッグの後端部が固定されることとなる。このエアバッグ装置は、ボディサイド部に衝撃が加わった場合、エアバッグを、乗員の少なくとも頭部の側方で前方へ向けて膨張させ、前記衝撃に伴い衝撃箇所(ボディサイド部)側へ移動する乗員の少なくとも頭部を受け止めようとするものである。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、下記特許文献1が挙げられる。これについては後述する。
特開2006−8105号公報
ところが、衝撃箇所(ボディサイド部)から遠い側の座席を基準とし、それよりも衝撃箇所側には、上記サイドエアバッグ装置とは異なり、ボディサイド部のようなエアバッグの回転を規制する部材が存在しない。そのため、側突による衝撃に応じ乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動した場合、エアバッグが頭部によって押され、同エアバッグが、固定箇所である上記後端部を支点として衝撃箇所側へ回転するおそれがある。こうした回転が生ずると、エアバッグに、乗員の頭部を受け止める機能を充分に発揮させることが困難となり、頭部がエアバッグをすり抜けるおそれがある。
なお、こうした問題は、3つ以上の座席が並設された車両においても同様に起こり得る。この場合、座席の並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席が、エアバッグ装置の適用対象となる。また、上記の問題は、乗員が着座したときに、車両の前後方向とは異なる方向、例えば車幅方向を向くように複数の座席が並設された車両においても同様に起こり得る。この場合、車両に対し前方又は後方から衝撃が加わると、その衝撃が並設方向の一方から他方へ向かう衝撃となる。
一方、特許文献1には、車両に対する斜め前方からの衝撃時における頭部の保護性能向上を意図したサイドエアバッグ装置が記載されている。このサイドエアバッグ装置では、エアバッグ本体部及びエアバッグ突出部を備えたエアバッグが採用されている。エアバッグ本体部は、上述した一般的なサイドエアバッグ装置におけるエアバッグに相当する箇所であり、車両のボディサイド部と、乗員の胸部から頭部にかけての部位との間で膨張する。エアバッグ突出部は、エアバッグ本体部から乗員の顔面前方へ突出するように膨張する。このため、車両に対する斜め前方からの衝撃による進入物があっても、乗員の頭部と進入物との間には膨張したエアバッグが介在することとなり、頭部の進入物との接触がエアバッグによって阻止される。
しかし、特許文献1に記載のものは、衝撃箇所に近い側の座席に着座している乗員を保護の対象とし、しかも、斜め前方から衝撃が加わった場合に上記乗員の頭部を保護することを目的としている。こうした保護対象及び目的ゆえ、側突により、衝撃箇所から遠い側の座席に着座している乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動することや、その頭部を受け止めたエアバッグ(エアバッグ本体部)が後端部を支点として衝撃箇所側へ回転することまでは想定されていない。特に、衝撃箇所に近い側の座席に着座している乗員を保護の対象としている以上、上述したように、エアバッグ(エアバッグ本体部)の回転は、その近傍のボディサイド部によって規制される。従って、こうした想定のなされていない特許文献1に記載のものでは、衝撃箇所から遠い側の座席に着座していて、衝撃に応じ衝撃箇所側へ移動する乗員の頭部を受け止めて保護することは難しい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、衝撃に応じ乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動してもその頭部を確実に受け止めて保護することのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、同他の座席に着座し、かつ前記衝撃に伴い前記衝撃箇所側へ移動する乗員の少なくとも頭部をエアバッグで受け止めるようにしたエアバッグ装置であって、前記エアバッグは、前記乗員の前記衝撃箇所側となる箇所の後方に一端部が固定され、前記衝撃に応じ、前記乗員の少なくとも前記衝撃箇所側となる箇所の前方へ向けて膨張する第1膨張部と、前記第1膨張部に対し屈曲した状態で、同第1膨張部の他端部に連結された膨張部であり、前記第1膨張部が、前記衝撃箇所側へ移動する前記頭部により押圧される前には、前記第1膨張部の前記他端部から、前記頭部の前方近傍において衝撃箇所とは反対側へ膨張し、前記第1膨張部が、前記衝撃箇所側へ移動する前記頭部により押圧されて前記一端部を支点として前記衝撃箇所側へ回転したときには、その回転に伴い前記頭部の前記衝撃箇所側の側方近傍へ移動する第2膨張部とを備えることを要旨とする。
ここで、上記「前方」は、座席に着座している乗員が向いている方向であり、車両の進行方向とは限らない。また、上記「後方」は、上記「前方」に対し反対となる方向、すなわち、上記乗員が向いている方向とは逆の方向である。
上記の構成によれば、車両に対し、座席の並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わると、他の座席に適用されたエアバッグ装置のエアバッグが次のように膨張する。まず、乗員の衝撃箇所側となる箇所の後方に一端部が固定された第1膨張部が、乗員の衝撃箇所側となる箇所の前方へ向けて膨張する。また、第2膨張部が、上記第1膨張部の他端部から、乗員の頭部の前方近傍において衝撃箇所とは反対側へ膨張する。
一方、上記衝撃に伴い乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動する。この移動する頭部により上記第1膨張部が押圧されると、同第1膨張部はその一端部を支点として衝撃箇所側へ回転する。しかし、第1膨張部の回転に伴い、第2膨張部が頭部の衝撃箇所側の側方近傍へ移動し、上記衝撃箇所側へ移動する頭部を受け止め、これを衝撃から保護する。その結果、頭部がエアバッグをすり抜けることが起こりにくくなり、すり抜けに起因するエアバッグの拘束性能低下が抑制される。
ここで、膨張状態の第1膨張部が回転する前には、第2膨張部について第1膨張部とは反対側の端部は、請求項2に記載の発明によるように、前記他の座席の幅方向についての中央部よりも第1膨張部から遠い側に位置することが望ましい。これは、第2膨張部について第1膨張部から遠い側の端部が、上記中央部、又は同中央部よりも第1膨張部に近い側に位置すると、第2膨張部について第1膨張部に近い側の端部と遠い側の端部との間の長さが充分に長くならない。その結果、第2膨張部が頭部の衝撃箇所側の側方へ移動したときに、衝撃箇所側へ移動する頭部を第2膨張部によって確実に受け止めることができず、頭部が第2膨張部をすり抜けるおそれがあるからである。
また、前記一端部を支点として前記衝撃箇所側へ回転する前の前記第1膨張部の前記他端部は、請求項3に記載の発明によるように、前記乗員の顔面の斜め前方近傍に位置することが望ましい。これは、1つには、第1膨張部の他端部に連結された第2膨張部を乗員の頭部の前方近傍で膨張させることができるからである。また、第1膨張部の回転半径を短くして、第2膨張部の移動量を少なくし、衝撃に応じ同第2膨張部を頭部の側方近傍へ素早く移動させることができるからである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記第1膨張部及び前記第2膨張部間に架け渡され、かつ、同第2膨張部が同第1膨張部の回転に伴い移動するときに緊張することにより、同第2膨張部の同第1膨張部となす角が同第2膨張部の移動前よりも拡大するのを規制するテザーをさらに備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、衝撃箇所側へ移動する頭部により第1膨張部が押圧されて、同第1膨張部が一端部を支点として衝撃箇所側へ回転すると、その回転がテザーを通じて第2膨張部に伝達される。このテザーは、緊張することにより、第2膨張部の第1膨張部となす角が、第2膨張部の移動前よりも拡大するのを規制する。従って、第1膨張部の前記回転に伴い、第2膨張部を頭部の衝撃箇所側の側方近傍へ確実に移動させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記テザーは、前記第2膨張部について前記第1膨張部に近い側の端部と遠い側の端部との間の中央部よりも同第1膨張部側となる箇所に連結されていることを要旨とする。
第1膨張部及び第2膨張部間に架け渡されて緊張するテザーは、エアバッグによって乗員の頭部を保護する際に同頭部の近傍に位置する。中でも、テザーの第2膨張部との連結部分は顔面の斜め前方近傍に位置する。しかし、テザーを第2膨張部の上記箇所に連結することで、同テザーを上記中央部よりも第1膨張部から遠い側で連結する場合に比べ、テザーにおける第2膨張部との連結部分が顔面から斜め前方へ遠ざかる。そのため、エアバッグによる頭部の保護の際に、テザーにおける第2膨張部との連結部分近傍を同頭部(顔面)に触れにくくすることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記テザーは、前記第1膨張部の前記一端部と前記他端部との間の中央部よりも同他端部に近い側の箇所で同第1膨張部に連結されていることを要旨とする。
第1膨張部及び第2膨張部間に架け渡されて緊張するテザーは、エアバッグによって乗員の頭部を保護する際に同頭部の近傍に位置する。中でも、テザーの第1膨張部との連結部分は頭部の側方近傍に位置する。しかし、テザーを第1膨張部の上記箇所に連結することで、同テザーを上記中央部よりも一端部側で連結する場合よりも、テザーにおける第1膨張部との連結部分が頭部(側頭部)から斜め前方へ遠ざかる。そのため、エアバッグによる頭部の保護の際に、テザーにおける第1膨張部との連結部分を同頭部(側頭部)に触れにくくすることが可能となる。
テザーによって規制される第2膨張部の第1膨張部となす角は、請求項7に記載の発明によるように、45°〜90°の範囲のいずれかの値に設定されることが望ましい。これは、上記角が45°よりも小さくなると、第1膨張部と第2膨張部とによって挟まれる空間が過剰に狭くなり、衝撃に伴い頭部が衝撃箇所側へ移動したときに、その空間に入り込めなくなるおそれがあるからである。また、上記角が90°よりも大きくなると、第2膨張部が頭部の衝撃箇所側の側方へ移動したときに、衝撃箇所側へ移動する頭部を第2膨張部によって確実に受け止めることができず、頭部がエアバッグ(第2膨張部)をすり抜けるおそれがあるからである。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の発明において、前記エアバッグは、膨張前には、前記他の座席の内部に収容され、前記第1膨張部の前記一端部において同座席に固定されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグの収容及び固定のために座席の内部空間が利用されるため、同座席とは異なる箇所に、エアバッグの収容及び固定のためのスペースを別途用意しなくてもすむ。また、座席内のシートフレーム等の硬質の部材を利用して固定箇所とすることで、第1膨張部の一端部を容易に固定することが可能となる。
本発明のエアバッグ装置によれば、衝撃に応じ乗員の頭部が衝撃箇所側へ移動してもその頭部を確実に受け止めて保護することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図3の少なくとも1つに示すように、車両における車室11内の前部には、車幅方向に一対の座席(前席)12,13が所定の間隔をおいて並設されている。座席12,13の各々は、略水平状に配置された座部14と、その座部14の後側に配置された背もたれ部15と、その背もたれ部15の上に配置されたヘッドレスト16とを備えている。車室11の前部であって車幅方向についての中央部には、車両前後方向へ延びるセンターコンソール17が設けられている。センターコンソール17にはシフトレバー、サイドブレーキレバー等の操作部が設けられるほか、カップホルダ、灰皿、小物入れ等の収納スペースが設けられている。センターコンソール17の後部17Rは上記両座席12,13間に位置している。このセンターコンソール17の後部17Rは、各座席12,13の座部14よりも若干高くなっている(図2参照)。
上記のように一対の座席12,13が並設された車両に対し、側突により、実線の矢印及び二点鎖線の矢印で示すように、座席12,13の並設方向(車幅方向)の一方から他方へ向けて衝撃が加わる場合がある。こうした衝撃が加わった場合、その衝撃を受けたボディサイド部18,19が車室11の内方(他方のボディサイド部19,18側)へ変形する。ここで、ボディサイド部18,19とは、車両の車幅方向についての両側部に配置された部材を指し、例えば、前席に対応するボディサイド部18,19は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、上記衝撃により、座席12に着座した乗員P1、及び座席13に着座した乗員P2に対し衝撃箇所(ボディサイド部18,19)側へ向かう慣性力が作用する。この慣性力により、いずれの座席12,13に着座した乗員P1,P2も同衝撃箇所側へ相対移動(以下、単に「移動」という)しようとする。
なお、車室11内には、各座席12,13に着座した乗員P1,P2を拘束するためのシートベルト装置が座席12,13毎に装備されているが、図1〜図3では、このシートベルト装置の図示が省略されている。
衝撃箇所に近い側の座席12,13に着座し、かつ衝撃により衝撃箇所側へ移動する上記乗員P1,P2は、側突により車室11内へ変形したボディサイド部18,19と接触するおそれがあるが、この乗員P1,P2については、いわゆるサイドエアバッグ装置20によって保護される。車両に対しては、座席12,13の並設方向の両方から衝撃が加わる可能性があることから、上記サイドエアバッグ装置20は、一対の座席12,13の各々に装備されている。各サイドエアバッグ装置20は、後述するエアバッグ装置30と同様の構成を有している。すなわち、各サイドエアバッグ装置20は、エアバッグ21及びインフレータ22を備えており、これらのエアバッグ21及びインフレータ22は、各座席12,13についてボディサイド部18,19に近い側の側部25に収容されている。インフレータ22は、エアバッグ21内の後端部に配置されており、同インフレータ22がエアバッグ21の後端部と一緒に、各座席12,13内のシートフレーム24に締結されている。
側突により、ボディサイド部18,19に対し側方から衝撃が加わると、衝撃箇所に近い側の座席12,13に装備されたサイドエアバッグ装置20では、インフレータ22から膨張用ガスがエアバッグ21内に供給される。この膨張用ガスによりエアバッグ21が、同座席12,13に着座した乗員P1,P2とボディサイド部18,19との間を通って前方へ向けて膨張し、上記衝撃に伴い衝撃箇所側へ移動する乗員P1,P2を受け止める。この受け止めに際し、乗員P1,P2の移動に伴う押圧力により、エアバッグ21がその固定端(後端部)を支点として衝撃箇所側へ回転しようとしても、その回転はボディサイド部18,19によって規制される。
また、衝撃箇所から遠い側の座席12,13に着座し、かつ上記衝撃箇所側へ移動する乗員P1,P2については、本実施形態のエアバッグ装置30によって保護される。ここで、衝撃箇所から遠い側の座席12,13に着座した乗員P1,P2についても、慣性力により衝撃箇所側へ移動しようとすることについては上述したが、センターコンソール17の後部17Rは、この乗員P1,P2の腰部の上記移動を規制する。これに対し、着座姿勢を採った乗員P1,P2の腰部よりも上側部分(上半身Pu)については、衝撃箇所側への移動を規制するものが特段ない。そのため、乗員P1,P2の腰部がセンターコンソール17に当った後は、同乗員P1,P2の上半身Puが上側ほど上記衝撃箇所に近づくように傾斜し、さらに、頭部Phが上側ほど上記衝撃箇所に近づくように傾斜する。これらの傾斜により頭部Phが上記衝撃箇所に近づき、隣(衝撃箇所側)の座席12,13や、衝撃により車室11内へ変形したボディサイド部18,19に接触するおそれが生ずる。本実施形態のエアバッグ装置30は、この衝撃箇所側へ変位する頭部Phを受け止めて、上記隣(衝撃箇所側)の座席12,13等との接触から保護する。車両に対しては、座席12,13の並設方向の両方から衝撃が加わる可能性があることから、上記エアバッグ装置30は、一対の座席12,13の各々に装備されている。
各エアバッグ装置30は、エアバッグ31、及び膨張流体発生源としてのインフレータ38を備えている。エアバッグ31は、折り畳まれてコンパクトにされた状態で、各座席12,13の背もたれ部15について、ボディサイド部18,19から遠い側の側部32の上部に収容されている。この箇所は、同座席12,13に着座した乗員P1,P2からすると、衝撃箇所側となる箇所の後方上部である。
図2〜図4は、膨張用ガスが充填されて展開膨張させられた状態のエアバッグ31を模式的に示している。これらの図2〜図4の少なくとも1つに示すように、エアバッグ31は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等によって形成した織布等を基布として用い、この基布の周縁部を縫製糸で縫着すること等によって所定の袋状に形成されている。展開膨張させられた状態のエアバッグ31の内部には、縦長の直線状をなすシーム33(図3及び図4参照)が、同エアバッグ31の車幅方向に相対向する部分を縫糸で縫合することにより形成されている。このシーム33により、エアバッグ31は第1膨張部34及び第2膨張部37に区画されている。第1膨張部34及び第2膨張部37は、エアバッグ31内であってシーム33よりも上側部分31Uと下側部分31Lとにおいて相互に連通している(図3参照)。
第1膨張部34は、縦膨張部35及び横膨張部36の2つの膨張部分からなる(図3参照)。縦膨張部35は、背もたれ部15内の収容箇所から出た後、頭部Phの衝撃箇所側の側方近傍を経由して略上方へ膨張する部分である。縦膨張部35の前後方向についての幅Wは、膨張時に乗員P1,P2の肩部Psに接触しないような比較的小さな値に設定されている。横膨張部36は、上記縦膨張部35の前端上部から略前方へ向けて膨張する部分である。
第2膨張部37は、第1膨張部34に対し屈曲した状態で、同第1膨張部34の他端部(前端部)34Bに連結されている。第2膨張部37は、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧される前には、第1膨張部34の他端部(前端部)34Bから、頭部Phの前方近傍において衝撃箇所から遠ざかる側へ向けて膨張する。また、第2膨張部37は、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧されて前記一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転したときには、その回転に伴い頭部Phの衝撃箇所側の側方近傍へ移動する(図6参照)。
インフレータ38は縦長の円柱状をなし、エアバッグ31内の一端部(後端部)、より詳しくは、第1膨張部34の縦膨張部35内に配置されている。インフレータ38には、膨張流体としての膨張用ガスの生成態様の違いから複数のタイプがあるが、ここでは、パイロタイプと呼ばれるインフレータ38が用いられている。インフレータ38の内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ38には、同インフレータ38への制御信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ38として、上記パイロタイプとは異なるタイプが用いられてもよい。こうしたタイプとしては、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるストアードガスタイプや、パイロタイプとストアードガスタイプの両者を組み合わせた形態のハイブリッドタイプ等が挙げられる。
図4に示すように、インフレータ38からは、ボルト39がそのインフレータ38の軸線に直交する方向(図4では左方)へ延びており、このボルト39が上記エアバッグ31の一端部(後端部)34A及びシートフレーム24に挿通されている。さらに、ボルト39にナット40が螺合されることにより、インフレータ38がエアバッグ31の一端部(後端部)34Aと一緒にシートフレーム24に締結されている。
エアバッグ31は、上記のように、その一端部(後端部)34Aにおいてのみシートフレーム24に固定されることから、同エアバッグ31、特に第1膨張部34に対し側方から力が加わった場合、同エアバッグ31がその固定端である上記一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転しようとする。ここでは、側突により衝撃箇所側へ移動する頭部Phによる押圧力が、上記エアバッグ31に対し側方から加わる力となる。
上記エアバッグ31では、第1膨張部34が一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転する前には、第2膨張部37について第1膨張部34とは反対側の端部37Bが、座席12,13の幅方向についての中央部C1よりも、第1膨張部34から遠い側に位置している。また、上記エアバッグ31では、第1膨張部34が一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転する前には、第1膨張部34の他端部(前端部)34Bが、乗員P1,P2の顔面Pfの斜め前方近傍に位置している。
第1膨張部34及び第2膨張部37間には帯状のテザー41が架け渡されている。テザー41の一方の端部41Aは、第1膨張部34について衝撃箇所とは反対側の面に縫着され、他方の端部41Bは、第2膨張部37の後ろ側の面に縫着されている。ここで、第2膨張部37の第1膨張部34となす角を「α」とすると、テザー41は、第2膨張部37が第1膨張部34の回転に伴い移動するときに、移動前よりも角αが拡大するのを規制するために設けられている。この角αは、45°〜90°の範囲のいずれかの値に設定されることが望ましく、本実施形態では90°に設定されている。
テザー41の一方の端部41Aは、第1膨張部34の一端部(後端部)34Aと他端部(前端部)34Bとの間の中央部C2よりも同他端部(前端部)34Bに近い側の箇所で同第1膨張部34に連結されている。また、テザー41の他方の端部41Bは、第2膨張部37について第1膨張部34に近い側の端部37Aと遠い側の端部37Bとの間の中央部C3よりも同第1膨張部34側となる箇所に連結されている。
上述したサイドエアバッグ装置20及びエアバッグ装置30は、共通の構成部材として、さらに衝撃センサ45,46及び制御装置47を備えている(図3参照)。衝撃センサ45,46は加速度センサ等からなり、車両のボディサイド部18,19(図2参照)等に設けられており、ボディサイド部18,19に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置47は、衝撃センサ45,46からの検出信号に基づきインフレータ22,38の作動を制御する。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
両座席12,13にそれぞれ乗員P1,P2が着座している状況のもと、側突により、車両に対し、座席12,13の並設方向(車幅方向)の一方から他方へ向けて衝撃が加わる場合がある。ここでは、一方のボディサイド部18に対し、図1、図2及び図4において実線の矢印で示すように衝撃が加わったものとする。このように、一方のボディサイド部18に対し側突による衝撃が加わると、そのボディサイド部18が車室11の内方(他方のボディサイド部19側)へ変形しようとする。
また、上記衝撃により、各座席12,13に着座した乗員P1,P2に対して衝撃箇所側(ボディサイド部18側)へ向かう慣性力が作用する。この慣性力により、各乗員P1,P2は、図4において矢印Aで示すように、衝撃箇所側(ボディサイド部18側)へ移動しようとする。
一方、ボディサイド部18に所定値以上の衝撃が加わったことが衝撃センサ45によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置47から、サイドエアバッグ装置20のインフレータ22、及びエアバッグ装置30のインフレータ38に対し、これらを作動させるための指令信号が出力される(図3参照)。この指令信号に応じてインフレータ22,38から膨張用ガスが対応するエアバッグ21,31に供給され、同エアバッグ21,31が膨張展開する。
図1及び図2に示すように、衝撃箇所側の座席12に着座し、かつ上記衝撃箇所側へ移動する乗員P1は、前述したサイドエアバッグ装置20のエアバッグ21によって受け止められる。また、側突により車室11内へ変形したボディサイド部18と乗員P1との間に膨張状態のエアバッグ21が介在することとなり、同乗員P1がそのボディサイド部18と接触することがエアバッグ21によって抑制される。
また、衝撃箇所から遠い側の座席13に設けられたエアバッグ装置30では、上記膨張用ガスの供給によりエアバッグ31が、次のように膨張展開する。
まず、図4に示すように、乗員P2よりも衝撃箇所側(図4の右側)となる箇所の後方近傍に一端部(後端部)34Aが固定された第1膨張部34が、乗員P2の衝撃箇所側の側方近傍において上方(図3参照)及び前方(図4の下方)へ向けて展開膨張する。また、第2膨張部37が、上記第1膨張部34の他端部(前端部)34Bから、乗員P2の頭部Phの前方近傍において衝撃箇所とは反対側(図4の左側)へ展開膨張する。
一方、上記衝撃に伴い乗員P2の頭部Phが上述したように衝撃箇所側へ移動する。第1膨張部34及び第2膨張部37間で緊張するテザー41は、エアバッグ31によって乗員P2の頭部Phを保護する際に同頭部Phの近傍に位置する。中でも、テザー41の第2膨張部37との連結部分(端部41B)は顔面Pfの斜め前方近傍に位置する。しかし、端部41Bは、第2膨張部37についてその中央部C3よりも第1膨張部34側となる箇所に連結されている。そのため、同端部41Bが中央部C3よりも第1膨張部34から遠い箇所に連結される場合に比べ、テザー41における端部41Bの近傍部分が顔面Pfから遠ざかる。
また、テザー41の第1膨張部34との連結部分(端部41A)は、頭部Phについて衝撃箇所側の側方近傍に位置する。しかし、端部41Aは、第1膨張部34についてその中央部C2よりも他端部(前端部)34Bに近い箇所に連結されている。そのため、同テザー41が中央部C2よりも一端部(後端部)34Aに近い箇所に連結される場合よりも、テザー41における端部41Aの近傍部分が頭部Phから斜め前方へ遠ざかる。
そして、上記のように移動する頭部Phは、第1膨張部34及び第2膨張部37によって挟まれた空間S(図4参照)に入り込もうとする。ここで、第2膨張部37の第1膨張部34となす角αがテザー41によって規制されることについては前述したが、この角αが45°よりも小さいと上記空間Sが過剰に狭くなり、衝撃に伴い頭部Phが衝撃箇所側へ移動したときに、その空間Sに入り込みにくくなるおそれがある。しかし、本実施形態では、上記角αが45°〜90°の範囲のいずれかの値に設定されている。そのため、空間Sが適度な大きさとなり、衝撃に伴い衝撃箇所側へ移動する頭部Phは空間Sに入り込みやすくなる。
図5に示すように、上記頭部Phによって第1膨張部34が衝撃箇所側へ押圧されると、同第1膨張部34は、矢印Bで示すように、自身の固定端である一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転しようとする。この第1膨張部34の回転は、テザー41を通じて第2膨張部37に伝達される。この回転の伝達された第2膨張部37はテザー41によって第1膨張部34側へ引っ張られ、自身の端部37Aを支点として、矢印Cで示すように頭部Ph側へ回転しようとする。また、上記テザー41は、緊張することにより、第2膨張部37の同第1膨張部34となす角αが、移動前の同第2膨張部37の同第1膨張部34となす角αよりも拡大するのを規制する。図6に示すように第1膨張部34が回転し、それに伴い第2膨張部37が端部37Aを支点として回転しながら頭部Phの衝撃箇所側の側方へ確実に移動し、上記衝撃箇所側へ移動する頭部Phを受け止める。また、側突により車室11内へ変形したボディサイド部18と乗員P2の頭部Phとの間に膨張状態のエアバッグ31が介在することとなる。
また、上記角αが90°よりも大きいと、第2膨張部37が頭部Phの衝撃箇所側の側方へ移動したときに、衝撃箇所側へ移動する頭部Phを第2膨張部37によって確実に受け止めることができず、頭部Phがエアバッグ31(第2膨張部37)をすり抜けるおそれがある。しかし、本実施形態では、上述したように上記角αが45°〜90°の範囲のいずれかの値に設定されていることから、衝撃箇所側へ移動する頭部Phが第2膨張部37によって確実に受け止められる。
ここで、膨張状態の第1膨張部34が回転する前に、仮に第2膨張部37の端部37Bが、上記中央部C1、又は同中央部C1よりも第1膨張部34側に位置すると、第2膨張部37の端部37A及び端部37B間の長さが充分に長くならない。その結果、第2膨張部37が頭部Phの衝撃箇所側の側方へ移動したときに、衝撃箇所側へ移動する頭部Phを第2膨張部37によって確実に受け止めることができず、頭部Phがエアバッグ31(第2膨張部37)をすり抜けるおそれがある。
しかし、本実施形態では、第1膨張部34が回転する前には、第2膨張部37の端部37Bが、座席13の中央部C1よりも第1膨張部34から遠い側に位置している(図4参照)。そのため、第2膨張部37の端部37Bが、上記中央部C1、又は同中央部C1よりも第1膨張部34に近い側に位置する場合に比べ、第2膨張部37の端部37A及び端部37B間の長さが充分に長くなる。その結果、第2膨張部37が頭部Phの衝撃箇所側の側方へ移動したとき(図6参照)に、衝撃箇所側へ移動する頭部Phが第2膨張部37によって確実に受け止められる。
また、一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転する前の第1膨張部34の他端部(前端部)34Bが、仮に、乗員P2の顔面Pf から遠く離れていると、同他端部(前端部)34Bに連結された第2膨張部37が乗員P2の頭部Phの前方近傍で膨張されなくなる。第1膨張部34の回転半径が長くなり、第2膨張部37の移動量が少なくなり、同第2膨張部37が頭部Phの側方近傍へ移動するまでに時間がかかる。この点、本実施形態では、一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転する前の第1膨張部34の他端部(前端部)34Bが、乗員P2の顔面Pfの斜め前方近傍に位置している(図4参照)。そのため、第2膨張部37は、乗員P2の頭部Phの前方近傍で膨張させられる。また、第1膨張部34の回転半径が短くなり、第2膨張部37の移動量が少なくなり、同第2膨張部37が頭部Phの側方近傍へ素早く移動させられる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)エアバッグ装置30のエアバッグ31として、第1膨張部34と第2膨張部37とを備えるものを採用している。第1膨張部34の一端部(後端部)34Aを乗員P1,P2の衝撃箇所側となる箇所の後方に固定している。第1膨張部34を、衝撃に応じ、乗員P1,P2の衝撃箇所側となる箇所の上方及び前方へ向けて膨張させるようにしている。第2膨張部37を、第1膨張部34に対し屈曲した状態で、同第1膨張部34の他端部(前端部)34Bに連結している。そして、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧される前には、第2膨張部37を、第1膨張部34の他端部(前端部)34Bから、頭部Phの前方近傍において衝撃箇所とは反対側へ膨張させている(図4参照)。さらに、第1膨張部34が、衝撃箇所側へ移動する頭部Phにより押圧されて一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転したときには、その回転に伴い第2膨張部37を頭部Phの衝撃箇所側の側方近傍へ移動させるようにしている(図6参照)。
そのため、衝撃に応じ頭部Phが衝撃箇所側へ移動して、第1膨張部34が一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転しても、頭部Phを第2膨張部37によって確実に受け止めることで、頭部Phがエアバッグ31(第1膨張部34)をすり抜けるのを抑制し、同頭部Phを衝撃から保護することができる。
(2)膨張状態の第1膨張部34が回転する前には、第2膨張部37について第1膨張部34とは反対側の端部37Bを、座席13の幅方向についての中央部C1よりも第1膨張部34から遠い側に位置させるようにしている(図4参照)。このため、第2膨張部37を充分に長いものとして頭部Phを確実に受け止めることができ、頭部Phがエアバッグ31(第2膨張部37)をすり抜けるのを確実に抑制することができる。
(3)一端部(後端部)34Aを支点として衝撃箇所側へ回転する前の第1膨張部34の他端部(前端部)34Bを、顔面Pfの斜め前方近傍に位置させるようにしている(図4参照)。このため、第2膨張部37を頭部Phの前方近傍で膨張させることができ、さらには、同第2膨張部37を同頭部Phの衝撃箇所側の側方近傍へ素早く移動させて同頭部Phを早期に保護することができる。
(4)第1膨張部34の衝撃箇所とは反対側の面と、第2膨張部37の後面との間にテザー41を架け渡している(図4参照)。そのため、第1膨張部34の回転に伴い、第2膨張部37を頭部Phの衝撃箇所側の側方近傍へ確実に移動させることができる。
(5)テザー41の端部41Bを、第2膨張部37について第1膨張部34に近い側の端部37Aと遠い側の端部37Bとの間の中央部C3よりも同第1膨張部34側となる箇所に連結している(図4参照)。このため、エアバッグ31による頭部Phの保護の際に、テザー41における端部41Bの近傍部分を同頭部Ph(顔面Pf)に触れにくくすることができる。
(6)テザー41の端部41Aを、第1膨張部34についてその一端部(後端部)34Aと他端部(前端部)34Bとの間の中央部C2よりも同他端部(前端部)34Bに近い側の箇所に連結している(図4参照)。そのため、エアバッグ31による頭部Phの保護の際に、テザー41における端部41Aの近傍部分を頭部Ph(側頭部)に触れにくくすることができる。
(7)第2膨張部37の第1膨張部34となす角αを、テザー41により、45°〜90°の範囲の値である90°に規制するようにしている(図4参照)。このため、第1膨張部34と第2膨張部37とによって挟まれる空間Sを確保し、衝撃に伴い頭部Phが衝撃箇所側へ移動したときに、その空間Sに確実に入り込ませることができる。また、第2膨張部37が頭部Phの衝撃箇所側の側方へ移動したときに、衝撃箇所側へ移動する頭部Phを第2膨張部37によって確実に受け止め、頭部Phがエアバッグ31(第2膨張部37)をすり抜けるのを抑制することができる。
(8)エアバッグ31を背もたれ部15の内部に収容し、第1膨張部34の一端部(後端部)34Aにおいて同背もたれ部15内のシートフレーム24に固定している(図4参照)。そのため、エアバッグ31の収容及び固定のためのスペースを座席13とは異なる箇所に別途用意しなくてもすむ。また、座席13内の硬質の部材であるシートフレーム24を利用してエアバッグ31及びインフレータ38の固定箇所とすることで、第1膨張部34の一端部(後端部)34Aを容易に固定することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<第1膨張部34について>
・乗員P1,P2の衝撃箇所側となる箇所の後方に一端部(後端部)34Aが固定された第1膨張部34は、衝撃に応じ、同乗員P1,P2の衝撃箇所側となる箇所の前方へ向けて膨張するものであればよい。従って、第1膨張部34は、上記実施形態とは異なり、上方へは膨張せず、前方へのみ膨張するものであってもよい。
・第1膨張部34の膨張時の外形形状を、前記実施形態とは異なる外形形状、例えば、乗員P1,P2の肩部Psから腰部にかけての広い箇所を保護し得る外形形状に変更してもよい。要は、上記外形形状は、乗員P1,P2について、衝撃に伴い衝撃箇所側へ移動する部位のうち、少なくとも頭部Phを含む部位を受止めることのできるものであればよい。
・膨張状態の第1膨張部34について、その一端部(後端部)34Aから他端部(前端部)34Bまでの長さを、一端部(後端部)34Aから隣(衝撃箇所に近い側)の座席の背もたれ部15までの距離よりも長く設定してもよい。このようにすると、膨張状態の第1膨張部34の回転は、同第1膨張部34が隣の座席の背もたれ部15に当ることによって止まる。第1膨張部34のそれ以上の回転が背もたれ部15によって規制される。そのため、第1膨張部34の過回転を抑制することができる。
<エアバッグ31の収容箇所について>
・エアバッグ31を、「乗員P1,P2の衝撃箇所側となる箇所の後方であること、エアバッグ31の展開膨張に際してその位置が変化しない箇所であること」を条件に、上記実施形態とは異なる箇所に収容してもよい。この箇所としては、座席12,13において背もたれ部15とは異なる箇所であってもよいし、座席12,13とは異なる箇所であってもよい。
<膨張流体発生源及び膨張流体について>
・エアバッグ31は、上記膨張用ガスとは異なる種類の膨張流体によって膨張させられるものであってもよい。この場合には、膨張流体をエアバッグ31に供給する膨張流体発生源として、上記インフレータ38とは異なるものを用いることとなる。
<エアバッグ装置30の適用対象について>
・エアバッグ装置30を後席に適用してもよいし、前席及び後席の両者に適用してもよい。後席に適用した場合、その後席に対応するボディサイド部は、サイドドア(リアドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等となる。
・本発明のエアバッグ装置30は、車幅方向に3つ以上の座席が並設された車両にも適用可能である。この場合、エアバッグ装置30は、車両に対し座席の並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用される。
・本発明のエアバッグ装置30は、乗員P1,P2が着座したときに、車両の前後方向とは異なる方向、例えば直交する方向(車幅方向)を向くように座席の配置された車両にも適用可能である。この場合、車両に対し前方又は後方から衝撃が加わると、その衝撃が並設方向の一方から他方へ向かう衝撃となる。
本発明を具体化した一実施形態において、並設された一対の座席と、座席毎に装備されたサイドエアバッグ装置及びエアバッグ装置とを示す部分平断面図。 同じく正断面図。 一実施形態において、座席と、その座席に装備されたエアバッグ装置とを示す側面図。 エアバッグ装置及び座席の部分平面図。 エアバッグ装置により乗員の頭部を保護する作用を説明する部分平面図。 同じく、エアバッグ装置により乗員の頭部を保護する作用を説明する部分平面図。
符号の説明
12,13…座席、30…エアバッグ装置、31…エアバッグ、34…第1膨張部、34A…一端部、34B…他端部、37…第2膨張部、37A,37B…端部、41…テザー、C1,C2,C3…中央部、P1,P2…乗員、Pf…顔面、Ph…頭部、α…角。

Claims (8)

  1. 複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、同他の座席に着座し、かつ前記衝撃に伴い前記衝撃箇所側へ移動する乗員の少なくとも頭部をエアバッグで受け止めるようにしたエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、
    前記乗員の前記衝撃箇所側となる箇所の後方に一端部が固定され、前記衝撃に応じ、前記乗員の少なくとも前記衝撃箇所側となる箇所の前方へ向けて膨張する第1膨張部と、
    前記第1膨張部に対し屈曲した状態で、同第1膨張部の他端部に連結された膨張部であり、前記第1膨張部が、前記衝撃箇所側へ移動する前記頭部により押圧される前には、前記第1膨張部の前記他端部から、前記頭部の前方近傍において衝撃箇所とは反対側へ膨張し、前記第1膨張部が、前記衝撃箇所側へ移動する前記頭部により押圧されて前記一端部を支点として前記衝撃箇所側へ回転したときには、その回転に伴い前記頭部の前記衝撃箇所側の側方近傍へ移動する第2膨張部と
    を備えることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記第1膨張部が回転する前には、前記第2膨張部について前記第1膨張部とは反対側の端部は、前記他の座席の幅方向についての中央部よりも、前記第1膨張部から遠い側に位置する請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記一端部を支点として前記衝撃箇所側へ回転する前の前記第1膨張部の前記他端部は、前記乗員の顔面の斜め前方近傍に位置する請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記第1膨張部及び前記第2膨張部間に架け渡され、かつ、同第2膨張部が同第1膨張部の回転に伴い移動するときに緊張することにより、同第2膨張部の同第1膨張部となす角が同第2膨張部の移動前よりも拡大するのを規制するテザーをさらに備える請求項2又は3に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記テザーは、前記第2膨張部について前記第1膨張部に近い側の端部と遠い側の端部との間の中央部よりも同第1膨張部側となる箇所に連結されている請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記テザーは、前記第1膨張部の前記一端部と前記他端部との間の中央部よりも同他端部に近い側の箇所で同第1膨張部に連結されている請求項4又は5に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記第2膨張部の前記第1膨張部となす角は、前記テザーにより、45°〜90°の範囲のいずれかの値に規制される請求項4〜6のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  8. 前記エアバッグは、膨張前には、前記他の座席の内部に収容され、前記第1膨張部の前記一端部において同座席に固定されている請求項1〜7のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
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