JP2012125665A - 土壌汚染浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原位置において、短期間で薬液を均一に浸透させて、効率的に汚染土壌を浄化できる土壌汚染浄化方法を提供する。
【解決手段】本発明の土壌汚染浄化方法は、薬液5の土壌1への線供給速度が土壌1の飽和透水係数以下であり、薬液5と略同時にガス6を土壌1に供給する方法である。また、本発明の土壌汚染浄化方法は、薬液5の土壌1への供給圧力が土壌吸引圧以下であり、薬液5と略同時にガス6を土壌1に供給する方法でもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、土壌に薬液を供給する土壌汚染浄化方法に関する。具体的には、本発明は、工場等からの漏洩により土壌中に浸透した汚染物質を、微生物剤等の薬液により、分解又は安定化する方法に関する。
近年、汚染物質が工場等から漏洩することにより、土壌中に浸透し、これの人体へ与える影響が問題視されている。2003年には、土壌汚染対策法が制定され、汚染物質である、ベンゼン、揮発性有機化合物(VOC)、重金属、農薬等の有害物質の処理方法が規制されている。
また有害物質ではないが、油は地下水等と混ざって油膜や油臭を生じるため、対策が必要である。
これら汚染物質による汚染への対策には、これまで、汚染土壌の掘削除去が多く行われてきた。
しかし、汚染物質の拡散、不適切な処理への懸念から、掘削除去における管理を厳しくするため、2010年に法改正が行われた。
これにより、土壌を掘削することなく、汚染土壌が地下にある状態で浄化するイン・サイチュ(in-situ)浄化法、すなわち原位置での浄化が優先されるようになった。
従って、現在では、有害物質、油等の汚染物質を原位置でより効率的に浄化する方法が必要とされている。
これまで、原位置浄化としては、微生物処理、化学酸化処理、揚水処理、洗浄処理、吸引処理、加熱処理等が実施されてきた。
これらの原位置浄化のうち、微生物処理、化学酸化処理においては、薬液を地下の汚染領域へ効果的に浸透させることが必要である。
しかしながら、地下の土質は礫、砂、シルト、粘土、埋設物、遺構、動植物や遺骸等の夾雑物で不均一である。また、地下水の有無、その流動状態も様々であり、さらに汚染物質を含んだ汚染領域も多様である。
ここで、図4を参照して、汚染領域91が分散した土壌92を浄化する従来の技術について説明する。この土壌92は、汚染領域91が地下水位93の上側にあり、この土壌92の粒子同士の間隙が水で飽和していない不飽和状態である。
この場合、原位置で薬液94を供給すると、薬液94が自重によってほぼ直下に流れ落ちてしまうため、薬液供給位置から水平方向に薬液94を浸透させることが困難である。そのため、薬液供給位置から離れた汚染領域91まで薬液94を行きわたらせることが困難である。つまり、土壌92に効果的に薬液94を浸透させることは困難である。
さらに、工場が稼働中の場合やガソリンスタンドが営業中の場合では、地下の土壌を浄化する際、薬液の供給位置、その数、および供給時間に制約が多い。そのため、薬液を十分に浸透させることが困難で浄化不良となったり、浄化に長期間を要する。
そこで、効果的に薬液を浸透させることを狙って、水平ノズルを使用し、薬液を水平方向に加圧供給する方法が実施されてきた。しかしながら、土壌を構成する土粒子のサイズ、その充填密度の分布、夾雑物等により、薬液が浸透する粒子同士の間隙にもばらつきが存在する。例えば、比較的大きな粗大間隙(いわゆる水みち)と、微細な粒子間隙とがある。そのため、粗大間隙に薬液が流れやすく、微細間隙には薬液が流れにくいという現象が発生し、必ずしも土壌に均一に薬液を浸透させることができなかった。また、薬液を水平方向に高速で噴出した場合でも、土壌の抵抗によってすぐに減速し、自重により流れ落ちてしまい、水平方向への浸透が十分ではなかった。
そこで、土壌に薬液を均一に浸透させる方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の方法では、薬液の線供給速度を、土壌の飽和透水係数の1/10以下の値としている。これにより、土壌の粒子間隙の吸引圧を利用して、微細間隙に優先的に薬液を流入させている。そのため、土壌に均一に薬液を浸透させることができ、従来の加圧供給する方法に比べて少ない量の薬液で済む。
特開2008−211984号公報
上述したように、ガソリンスタンドの地下の土壌を浄化する際、ガソリンスタンドが営業中の場合では、薬液の供給期間が制限されている。たとえ部分的な浄化の場合でも、薬液の供給期間は、せいぜい1,2週間までとしなければならない。
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いた場合では、薬液の線供給速度が10−4cm/s程度であるため、1m浸透させるのに、約4ヶ月も必要となる。従って、特許文献1に記載の方法では、短期間で薬液を均一に浸透させることができないという問題がある。
本発明の目的は、原位置において、短期間で薬液を均一に浸透させて、効率的に汚染された土壌を浄化できる土壌汚染浄化方法を提供することにある。
(1)本発明の土壌汚染浄化方法は、土壌に薬液を供給する土壌汚染浄化方法であって、前記薬液の前記土壌への線供給速度が前記土壌の飽和透水係数以下であり、前記薬液と略同時にガスを前記土壌に供給することを特徴とする。
(2)本発明の土壌汚染浄化方法は、土壌に薬液を供給する土壌汚染浄化方法であって、
前記薬液の前記土壌への供給圧力が土壌吸引圧以下であり、前記薬液と略同時にガスを前記土壌に供給することを特徴とする。
(3)本発明では、上記(1)に記載の土壌汚染浄化方法において、前記薬液の線供給速度が10−3cm/s以下であることが好ましい。
(4)本発明では、上記(1)から(3)までのいずれか一つに記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスの前記土壌への容積供給速度(単位:mL/min)が前記薬液の容積供給速度(単位:mL/min)の100倍以下であることが好ましい。
(5)本発明では、上記(4)に記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスの容積供給速度が前記薬液の容積供給速度の10倍以上100倍以下であることが好ましい。
(6)本発明では、上記(1)から(5)までのいずれか一つに記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスの前記土壌への供給位置が前記薬液の供給位置よりも下方であることが好ましい。
(7)本発明では、(1)から(6)までのいずれか一つに記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスの前記土壌への供給方向が略水平方向であることが好ましい。
(8)本発明では、(1)から(7)までのいずれか一つに記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスが空気、空気と酸素ガスとの混合体、及び酸素ガスのいずれかであることが好ましい。
(9)本発明では、(8)に記載の土壌汚染浄化方法において、前記ガスが空気と酸素ガスとの混合体であり、前記混合体は、酸素ガスの濃度が混合体全量基準で42体積%以上であることが好ましい。
(10)本発明では、(1)から(9)までのいずれか一つに記載の土壌汚染浄化方法において、前記薬液は、水溶液又は懸濁液であり、微生物剤、微生物の栄養剤、酸素発生剤、pH調整剤、酸化剤、及び重金属不溶化剤のいずれか一種もしくは二種以上の組み合わせであることが好ましい。
本発明の土壌汚染浄化方法によれば、原位置において、短期間で薬液を均一に浸透させて、効率的に汚染された土壌を浄化できる。
本発明に係る土壌汚染浄化方法を説明するための概略図。 本発明の実施例1に係る土壌汚染浄化方法を説明するための概略図。 本発明の実施例2に係る土壌汚染浄化方法を説明するための概略図。 従来の土壌汚染浄化方法を説明するための概略図。
以下、本発明の土壌汚染浄化方法について具体的に説明する。
本発明の土壌汚染浄化方法は、稼働中の工場、営業中のガソリンスタンドの地下の土壌が汚染物質により汚染されている場合において、その土壌を浄化する場合に有効な方法である。特に、地面がコンクリート、舗装材で覆われている状況において、部分的にしか掘削できず、その限られた位置からしか薬液等を供給できない場合に有効である。この場合、薬液等を供給できる地点間の距離は、短くとも1m程度である。
土壌は、汚染物質を含む汚染帯域や汚染土層を有している。汚染物質としては、土壌汚染対策法により規定されている有害物質、油等が挙げられる。有害物質としては、ベンゼン、揮発性有機化合物(VOC)、重金属、農薬等が挙げられる。
また、土壌は、粗大間隙と微細間隙とを有している。粗大間隙とは、例えば、植物の根の跡、昆虫その他の地中生物の生活跡等であり、土壌に形成されたミリオーダーサイズ又はサブミリオーダーサイズの隙間である。粗大間隙は、マクロポアとも言う。一方、微細間隙とは、土壌の粒子間の微細な隙間であり、ミクロポアとも言う。
このような土壌は、礫、砂、シルト、粘土、それらの集合物などからなっている。土壌は、これらの組成物の違いによって、飽和透水係数が異なる。ここで、飽和透水係数とは、土壌の粒子同士の間隙が水で飽和した状態において、その土壌に単位時間あたりにどれだけの水量を流し得るかを表す値である。なお、飽和透水係数とは、重力のみによって水が土壌中に浸透しうる最大値でもある。
表1に、土壌を構成する礫、砂、シルト、シルトと粘土との混合物、粘土の各飽和透水係数を示す。なお、飽和透水係数が10−7cm/s以下の場合、不透水と呼ばれるレベルである。
Figure 2012125665
本発明は、このような土壌に薬液を供給して浄化する方法である。すなわち、本発明の土壌汚染浄化方法は、薬液の土壌への線供給速度が土壌の飽和透水係数以下であり、薬液と略同時にガスを土壌に供給する方法である。
薬液の線供給速度が土壌の飽和透水係数を超える場合、薬液が微細間隙よりも粗大間隙に優先して流入しやすくなる。この場合、薬液が粗大間隙を通ってほぼ直下に流れ落ちやすくなり、微細間隙を通して土壌に薬液を均一に浸透させることができない。また、薬液がほぼ直下にしか流れないので、薬液供給位置から離れた位置まで浸透させるには、長期間必要となる。
これに対して、本発明では、薬液を飽和透水係数以下の線供給速度で供給し、薬液と略同時にガスを供給するので、粗大間隙にガスが優先的に流入し、粗大間隙に薬液が流入することを防止できる。これにより、薬液を微細間隙に選択的に流入させることができるので、短期間で微細間隙を通して均一に薬液を土壌に浸透させることができる。
また、線供給速度が飽和透水係数の場合でも、特許文献1の方法の10倍の供給速度となるので、従来よりもさらに短期間で薬液を浸透させることができる。
また、薬液が粗大間隙に流入する場合、薬液が多量に必要になる。しかし、薬液を微細間隙に選択的に流入させるため、薬液の無駄をなくして、少量で土壌に均一に浸透させることができる。
また、土壌は、砂のサイズ以下の粒子から構成されていることが多く、飽和透水係数は、一般に10−3cm/s以下である。そのため、薬液の線供給速度は、10−3cm/s以下であることが好ましい。すなわち、薬液の線供給速度を一般的な土壌の飽和透水係数以下とすることにより、土壌に短期間で均一に薬液を浸透させることができる。
また、土壌は、微細間隙に負圧、すなわち、土壌吸引が働く。この土壌吸引圧により、土壌は自ら微細間隙に薬液を吸い込む状態となっている。
このことから、本発明での薬液の供給圧力は、土壌吸引圧以下としてもよい。
これにより、従来実施していた薬液の加圧注入と異なり、強制的に薬液を供給することなく、微細間隙に優先して薬液を浸透させることができる。
なお、土壌吸引圧力は、粒子同士の間隙に水が少量しか存在しない状態において強く働く。一方、土壌が飽和透水係数を有する状態に近い場合では、粒子同士の間隙が水でほとんど飽和された状態となるため、土壌吸引圧はほとんど働かなくなる。
土壌への薬液の供給は、種々の薬液供給手段により実施することができる。薬液供給手段は、飽和透水係数以下の供給ができるものであればいずれでもよいが、薬液が自重で流れ落ちてあふれ出ないものとすることが好ましい。このような薬液供給手段としては、例えば、多孔体、繊維状体、細管等であり、微細孔を有するものが好ましい。
微細孔を有することにより、微細孔の表面を土壌に接触させて、この微細孔から薬液を土壌に浸透させることができる。
薬液供給手段は、掘削により設けられた穴(溝)に設置される。ここで、穴の底に設置する場合には、薬液供給手段の上部に重りを乗せる等して加重することが好ましい。
一方、薬液供給手段を穴の壁面に設置する場合には、薬液供給手段を機械的に拡大させることにより、微細孔の表面を壁面の土壌に押し付けることが好ましい。また、薬液供給手段が環状である場合には、その内部に袋体を配置し、その袋体を膨らませてもよい。なお、薬液供給手段を穴の壁面に設置後、薬液供給手段と穴の壁面との隙間に細土を充填しても良い。
特に、薬液の供給圧力を土壌吸引圧以下として薬液を供給する場合では、薬液供給手段としてパーミアメーター等を用いることができる。これにより、薬液に正圧がかからないようにして土壌に供給できる。
薬液は、水溶液又は懸濁液であり、微生物剤、微生物の栄養剤、酸素発生剤、pH調整剤、酸化剤、重金属不溶化剤、及び吸着剤のいずれか一種もしくは二種以上の組み合わせであることが好ましい。これらの薬液を用いることにより、汚染物質を二酸化炭素、水などの無害で安定な無機物に酸化分解したり、安定化することができる。
本発明に用いるガスとしては、どのような種類でもよいが、空気、酸素ガス、及びそれらの混合体が好ましい。空気を用いるとコストの面で有利である。
薬液が好気性微生物剤及び酸化剤の少なくともいずれか一種である場合では、ガスとして、酸素ガス、酸素ガスと空気との混合体を用いることが好ましい。これにより、好気性微生物の活動や酸化作用を促進させることができる。酸素ガスと空気との混合体としては、高酸素濃度空気であることが好ましい。この高酸素濃度空気としては、酸素ガスの濃度が混合気体全量基準で42体積%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、63体積%以上であり、さらにより好ましくは、84体積%以上である。
従来のような、圧力をかけて薬液を供給する浄化方法では、粗大間隙に薬液が流入していた。そのため、粗大間隙を通して酸素ガスを十分土壌中に行きわたらせることができなかった。しかし、本発明では、粗大間隙を通して酸素ガス等を供給するため、酸素ガス等を隅々まで行きわたらせることができる。そのため、上述したように、好気性微生物の活動や酸化作用を劇的に促進させることができる。
一方、薬液が嫌気性微生物剤である場合、土壌に含まれる酸素ガスを取り除くことが好ましい。例えば、窒素等の不活性ガスを用いることにより、土壌中の酸素ガスが無くなるまでの時間を短縮できる。
ガスの土壌への容積供給速度(単位:mL/min)は、常温、常圧下、薬液の容積供給速度の100倍以下であることが好ましく、より好ましくは、10倍以上100倍以下であり、さらにより好ましくは、20倍以上50倍以下である。
ガスの容積供給速度を100倍以下とすることにより、ガスが微細空間に流入することを防止でき、薬液が微細空間に浸透しやすくなる。これにより、薬液の浸透時間を短くすることができる。一方、10倍以上とすることにより、粗大間隙に薬液が流入することを防止できる。
ガスの供給位置は、薬液の供給位置の近傍であることが好ましく、下方であることがより好ましい。薬液を飽和透水係数のような高い線供給速度で供給した場合、特に、薬液が粗大間隙に流入しやすくなる。しかし、ガスの供給位置を薬液の供給位置の近傍とすることにより、ガスにより薬液を拡散させて、薬液が粗大間隙に流入することを防止できる。
また、薬液を飽和透水係数のような高い線供給速度で供給した場合、薬液が自重により略直下に流れ落ちやすくなる。しかし、ガスの供給位置を薬液の供給位置の下方とすることにより、薬液が略直下に流れ落ちることを防止できる。
また、ガスの供給方向は、略水平方向であることが好ましい。これにより、薬液が自重により略直下に流れ落ちることを防止できるとともに、薬液の水平方向への移動を促進し、より広範囲に浸透させることができる。なお、薬液を特定の方向に浸透させたい場合では、その方向に向けてガスを供給すると良い。
土壌へのガスの供給は、ガス供給手段により実施される。ガス供給手段としては、ガスを供給するためのガスノズルを土壌に設置できるものであれば、いずれでもよい。
次に、汚染物質と、汚染物質を含む土壌を浄化するための薬液と、この薬液を用いた本発明の具体的方法との関係を以下に例示する。なお、本発明の具体的方法は、イン・サイチュ処理に関するものであり、それ以外のオンサイト処理、場外処理は除かれる。
Figure 2012125665
次に、本発明の土壌汚染浄化方法を利用できる業界を説明する。表3に示すような業界においては、汚染物質を発生する可能性がある発生物質、発生部品、発生場所などの発生源を有しているので、本発明を好適に利用できる。
Figure 2012125665
次に、図1により、本発明に係る土壌汚染浄化方法を説明する。
本発明の方法により浄化される土壌1は、例えば、稼働中の工場における地下の土壌などである。この土壌1には、汚染物質を含む汚染領域2が様々な位置に分散している。この土壌1は、地下水位3より上側にあり、土壌1の粒子同士の間隙が水で飽和していない状態である。
本発明の方法を実施する際には、まず、コンクリート等をコア抜きより部分的に除去する。これにより、土壌1の表面を露出させた後、薬液供給位置までボーリングを実施して、土壌1を掘り出し、穴を設ける。そして、穴の底に薬液供給手段4と、図示しないガスノズルとを設置する。
そして、薬液供給手段4を適宜加圧することで薬液供給手段4から薬液5を飽和透水係数以下で供給する。この時、薬液5と同時にガス6を供給する。また、ガス6を水平方向から下方にわたって供給する。
これにより、ガス6を粗大間隙に優先的に流入させて、粗大間隙に薬液5が流入することを防止して、選択的に微細間隙に薬液5を流入させることができる。また、土壌1の粒子同士の間隙が不飽和であるため、土壌吸引圧を利用して薬液5を土壌1に均一に浸透させることができる。そして、薬液供給手段4の下方からガス6を水平方向に供給しているので、薬液5が自重により流れ落ちることなく、水平方向に浸透させることができる。従って、薬液供給位置から水平方向に離れた汚染領域2まで薬液5を短期間で均一に行きわたらせることができる。
次に実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、表4に示す土壌に対して、表5,6に示す条件で本発明の土壌汚染浄化方法を実施した。実施例1では、図2に示すように、土壌10の清浄土層11間に汚染物質を含む汚染土層12を有している。
土壌汚染浄化方法を実施するにあたって、まず、汚染土層12まで穴を設けて、ガスノズル13を設置した。このガスノズル13に汚染土層12を被せ、汚染土層12の上の清浄土層11に、薬液供給手段14を設置した。その後、土壌10に薬液15とガス16とを同時に供給して実施例1の土壌汚染浄化方法を実施した。
なお、表5において、栄養塩のN、P、Kの値は、それぞれ、窒素、リン、カリウムの濃度比率を示す。また、表5において、「薬液の供給量」は、汚染土層1mにおいて薬液が1kgとなるように供給した値である。
Figure 2012125665
Figure 2012125665
Figure 2012125665
(実施例2)
実施例2では、薬液供給手段及びガスノズルを変更した以外は、実施例1と同様にして土壌汚染浄化方法を実施した。
実施例2では、図3に示すように、土壌20の汚染土層21の下方まで穴を掘削した。そして、穴の底面に第一ガスノズル22を設置し、その上に薬液供給手段23、ガスノズル22、薬液供給手段23、ガスノズル22、薬液供給手段23を交互に設置した。その後、土壌20に薬液24とガス25とを同時に供給して実施例2の土壌汚染浄化方法を実施した。なお、薬液供給手段としては、微細孔を有する円環状の繊維状体を用いた。
(比較例1)
ガスを供給しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の浄化方法を実施した。
(浄化結果)
実施例1,2では、図2,3に示すように、薬液15,24等を供給して1週間後、薬液供給位置より水平方向に0.5m及び1mの位置31,32でボーリングした。そして、各位置31,32において、地下1mの土壌を採取して、その土壌に含まれる薬液の濃度をパックテストで測定した。
その結果、実施例1では、位置31,32では、それぞれ硝酸濃度が45mg/L、10mg/Lであり、実施例2では、それぞれ硝酸濃度が60mg/L、20mg/Lであった。従って、実施例1,2では、栄養剤が良好に浸透していることが確認できた。
また、実施例1,2では、薬液等を供給して3月後、薬液供給位置より水平方向に1mの位置32でボーリングした。そして、地下1mの土壌を採取して、油分濃度をGC−FID法で測定した。
その結果、実施例1では、油分濃度が500mg/kg−土壌であり、実施例2では、油分濃度が300mg/kg−土壌であった。従って、実施例1,2では、浄化が進行していることがわかった。
一方、比較例1では、実施例1と同様に、1週間後、位置31,32で硝酸濃度をそれぞれ測定した。その結果、硝酸濃度が5mg/L、1mg/Lであり、栄養剤がほとんど浸透していないことがわかった。
また、比較例1では、実施例1と同様に、3月後、油分濃度を測定した。その結果、2400mg/kg−土壌であり、浄化がほとんど進行していないことがわかった。
従って、実施例1,2では、土壌の飽和透水係数以下の線供給速度で薬液を供給し、薬液と同時にガスを供給しているので、ガスを供給しない比較例1と比較して、短期間で薬液を薬液供給位置から離れた位置まで浸透させることができた。
従って、本発明の土壌汚染浄化方法によれば、短期間で均一に薬液を浸透させて、効率的に汚染された土壌を浄化できることが分かる。
本発明の土壌汚染浄化方法は、稼働中の工場、営業中のガソリンスタンドの地下の土壌が汚染物質により汚染されている場合において、その汚染された土壌を浄化する場合に利用される。
1,10,20 土壌
5,15,24 薬液
6,16,25 ガス

Claims (10)

  1. 土壌に薬液を供給する土壌汚染浄化方法であって、
    前記薬液の前記土壌への線供給速度が前記土壌の飽和透水係数以下であり、
    前記薬液と略同時にガスを前記土壌に供給する
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  2. 土壌に薬液を供給する土壌汚染浄化方法であって、
    前記薬液の前記土壌への供給圧力が土壌吸引圧以下であり、
    前記薬液と略同時にガスを前記土壌に供給する
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  3. 請求項1に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記薬液の線供給速度が10−3cm/s以下である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスの前記土壌への容積供給速度(単位:mL/min)が前記薬液の容積供給速度(単位:mL/min)の100倍以下である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  5. 請求項4に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスの容積供給速度が前記薬液の容積供給速度の10倍以上100倍以下である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスの前記土壌への供給位置が前記薬液の供給位置よりも下方である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスの前記土壌への供給方向が略水平方向である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスが空気、空気と酸素ガスとの混合体、及び酸素ガスのいずれかである
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  9. 請求項8に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記ガスが空気と酸素ガスとの混合体であり、
    前記混合体は、酸素ガスの濃度が混合体全量基準で42体積%以上である
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の土壌汚染浄化方法において、
    前記薬液は、水溶液又は懸濁液であり、微生物剤、微生物の栄養剤、酸素発生剤、pH調整剤、酸化剤、及び重金属不溶化剤のいずれか一種もしくは二種以上の組み合わせである
    ことを特徴とする土壌汚染浄化方法。
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