JPH0910752A - 土壌微生物を用いた汚染土壌の浄化方法及び浄化システム - Google Patents
土壌微生物を用いた汚染土壌の浄化方法及び浄化システムInfo
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- JPH0910752A JPH0910752A JP7188528A JP18852895A JPH0910752A JP H0910752 A JPH0910752 A JP H0910752A JP 7188528 A JP7188528 A JP 7188528A JP 18852895 A JP18852895 A JP 18852895A JP H0910752 A JPH0910752 A JP H0910752A
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Abstract
能な微生物を活性化することにより、効果的に汚染土壌
を浄化することが可能な汚染土壌の浄化方法及び浄化シ
ステムの提供。 【構成】土壌中の汚染物質を分解可能な微生物の生育を
促進し、当該微生物に汚染物質を分解させることを特徴
とする汚染土壌の浄化方法において、上記微生物の生育
を促進する複数の要素を3以上の供与地点において分離
して土壌に供与し、次いで土壌に供与した上記要素を帯
水層中の水流により移動させて当該帯水層中において混
交し、当該混交地点で上記微生物を活性化して、上記微
生物の活性化領域における汚染物質を分解することを特
徴とする汚染土壌の浄化方法及びこの方法を効率的に実
施するための浄化システム。
Description
染土壌の浄化方法及び浄化システムに関する。より詳細
には、原則として土壌中に生息する汚染物質を分解可能
な微生物を活性化することにより、効果的に汚染土壌を
浄化することが可能な汚染土壌の浄化方法及び浄化シス
テムに関する。
ロエチレン等の揮発性有機塩素化合物やガソリン等石油
系炭化水素による地層又は地下水の汚染が全世界的に広
がっていることが明らかになっており、地下環境の汚染
が地球規模で深刻な問題になっている。
て、活性炭に汚染物質を吸着されたり、セメントで汚染
物質を固化したりする物理的方法や、化学的に汚染物質
を中和又は分解する方法等が知られている。
的方法に加えて、汚染物質を微生物の力で分解する生物
的方法が着目され、実用化が進められている。
利用するので、汚染物質の処理に要するエネルギーが少
なくて済み、経済的であり、汚染物質を分解又は無害
化するので2次廃棄物の発生が認められない恒久的な浄
化手段であり、原位置又はオンサイトで汚染修復が可
能である等の利点が認められる。
イト又はオフサイトの土壌処理ユニットを設計・設備
し、その中で汚染土を浄化処理する処理方法である「固
相処理法」、前処理として掘削した汚染土をスラリー
状に調製し、スラリーバイオリアクターを用いて、土中
の汚染物質の微生物分解を行う処理方法である「スラリ
ー処理法」及び汚染物質で汚染された通気層、帯水層
を掘削することなく、井戸や散水溝を用いて地中へ微生
物の栄養源や酸素等を注入して、汚染物質の微生物分解
を行う処理方法である「原位置処理法」の3種類の処理
方法に大別される。
法」は、最も費用対効果の高い処理方法であるが、個々
の汚染部位の特異性に左右される要素が多い。そして、
地上に設置したバイオリアクターを用いて汲み上げた汚
染地下水の浄化をおこない、浄化処理後の地下水を地中
へ再注入する循環機構がしばしば用いられる。
機構において、メタン等の汚染物質を分解することがで
きる微生物の栄養源を注入井戸等を通じて土壌中に供給
し、当該土壌中の当該微生物を活性化させて、当該微生
物による汚染物質の分解を一層促進させる試みがなされ
ている。
生物のみが特異的に増殖してしまい、注入井戸が過度に
増殖した微生物により目詰まりを起こし、その上、注入
井戸付近の土壌環境が、かかる微生物のためにかえって
汚染されてしまう傾向があるという点は否めない。
微生物の栄養源の積極的な注入を行っても上記の欠点が
生ぜず、さらにより効果的に土壌微生物による汚染物質
の分解を促進させる手段を提供することにある。
解決のために鋭意検討を重ねた。その結果、主に土壌中
の微生物の栄養源の供給地点を栄養源の要素毎に分離
し、当該供給地点を特定の配置とすることにより、上記
課題を解決し得ることを見出した。すなわち、本発明者
は、以下に掲げる発明を提供するものである。
可能な微生物の生育を促進し、当該微生物に汚染物質を
分解させることを特徴とする汚染土壌の浄化方法におい
て、上記微生物の生育を促進する複数の要素を3以上の
供与地点において分離して土壌に供与し、次いで土壌に
供与した上記要素を帯水層中の水流により移動させて当
該帯水層中において混交し、当該混交地点で上記微生物
を活性化して、上記微生物の活性化領域における汚染物
質を分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法を提
供する。
土壌の浄化方法において、混交地点に汚染物質を分解可
能な微生物の生育を促進する複数の要素を移動させるた
めの水流を発生させる手段を設けて、当該手段で上記微
生物の生育を促進する複数の要素を混交地点に向けて移
動させることを特徴とする汚染土壌の浄化方法を提供す
る。
土壌の浄化方法において、混交地点に汚染物質を分解可
能な微生物の生育を促進する複数の要素を移動させるた
めの水流を発生させる手段が、帯水層中の水の揚水であ
ることを特徴とする汚染土壌の浄化方法を提供する。
生物の生育を促進する複数の要素として、当該微生物に
対する電子供与体及び電子受容体を含むことを特徴とす
る前記請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の
汚染土壌の浄化方法を提供する。
土壌の除去方法において、土壌に汚染物質を分解可能な
微生物における電子供与体を供与する地点から、帯水層
中の水流を基準にして、下流でかつ等距離の地点に複数
の土壌に電子受容体を供与する地点を設け、帯水層中の
水流によって、土壌中に供与された上記電子供与体及び
上記電子受容体がそれぞれ移動して混交した地点におい
て、上記微生物を活性化することを特徴とする汚染土壌
の浄化方法を提供する。
生物がメタン資化性菌であることを特徴とする前記請求
項1乃至請求項5のいずれかの請求項記載の汚染土壌の
浄化方法を提供する。
域における汚染物質を分解可能な微生物を添加すること
を特徴とする前記請求項1乃至請求項6のいずれかの請
求項記載の汚染土壌の浄化方法を提供する。
7のいずれかの請求項記載の汚染土壌の浄化方法におい
て、以下の工程を繰り返すことを特徴とする汚染土壌の
浄化方法を提供する。 汚染物質を分解可能な微生物を活性化させる第一工
程; 第一工程後、上記微生物の生育を促進する複数の要素
の土壌への供与を停止した状態で汚染物質を上記微生物
に分解させる第二工程; 第二工程後、上記微生物の活性が低下した時点で再び
上記微生物の生育を促進する複数の要素の土壌への供与
を行う第三工程。
生物に対する電子供与体溶存水供給手段により供給され
た電子供与体溶存水を帯水層中に注入する電子供与体溶
存水注入手段及び汚染物質を分解可能な微生物に対する
電子受容体溶存水供給手段から供給された電子受容体溶
存水を帯水層中に注入する電子受容体溶存水注入手段
を、帯水層中の水流において汚染領域の上流であり、か
つ上記電子供与体溶存水注入手段により土壌中に注入さ
れた電子供与体溶存水及び上記電子受容体溶存水注入手
段により土壌中に注入された電子受容体溶存水が上記汚
染領域において混交するように、上記電子供与体溶存水
注入手段及び上記電子受容体溶存水注入手段を3か所以
上の地点に設けたことを特徴とする汚染土壌の浄化シス
テムを提供する。
微生物に対する電子供与体溶存水供給手段により供給さ
れた電子供与体溶存水を帯水層中に注入する電子供与体
溶存水注入手段及び汚染物質を分解可能な微生物におけ
る電子受容体溶存水供給手段から供給された電子受容体
溶存水を帯水層中に注入する電子受容体溶存水注入手段
並びに帯水層中の水を揚水する揚水手段を、当該揚水手
段における揚水により生じた帯水層中の水流により、上
記電子供与体溶存水注入手段により土壌中に注入された
電子供与体溶存水及び上記電子受容体溶存水注入手段に
より土壌中に注入された電子受容体溶存水が汚染領域に
おいて混交することが可能な配置で、上記電子供与体溶
存水注入手段及び上記電子受容体溶存水注入手段を3か
所以上の地点に設け、かつ上記揚水手段を設け、さらに
上記揚水手段から揚水した水を上記電子供与体溶存水供
給手段及び/又は電子受容体溶存水供給手段に配給し
て、電子供与体溶存水及び/又は電子受容体溶存水の製
造に資することを特徴とする汚染土壌の浄化システムを
提供する。
汚染土壌の浄化システムにおいて、揚水手段により揚水
された地下水における汚染物質を分離する手段を設け、
当該手段によって再浄化された地下水を汚染物質を分解
可能な電子供与体溶存水供給手段及び/又は汚染物質を
分解可能な微生物に対する電子受容体溶存水供給手段に
配給して、上記電子受容体溶存水及び/又は上記電子受
容体溶存水の製造に資することを特徴とする汚染土壌の
浄化システムを提供する。
上流に、汚染物質を分解可能な微生物に対する電子供与
体溶存水注入手段を設け、当該地点から上記地下水流の
下流に向けて等距離の地点に複数の電子受容体溶存水供
給手段を設けたことを特徴とする前記請求項10又は請
求項11記載の汚染土壌の浄化システムを提供する。
領域における汚染物質を分解可能な微生物を添加してな
ることを特徴とする前記請求項8乃至請求項12のいず
れかの請求項記載の汚染土壌の浄化システムを提供す
る。
中の汚染物質を分解可能な微生物の生育を促進し、当該
微生物に汚染物質を分解させる汚染土壌の浄化方法に関
する。
浄化方法を実現するための機構について説明した概略図
である。
20における帯水界面30を貫通して帯水層40にまで
届く、揚水井戸11;揚水ポンプ12により揚水され、
吸水管13によって供給される地下水を曝気等により前
処理する前処理手段14;排水管13’によって供給さ
れる、前処理手段14により前処理された地下水に、栄
養分及び空気を添加及び混合して富栄養水を調製する混
合手段15;並びに混合手段15によって供給される富
栄養水の注入用配管13''が通じる注入井戸16を含
む。図1中の矢印は、水の流れる方向を示すが、注入用
配管13''により注入井戸16に注入された富栄養水
は、主に揚水ポンプ12における揚水によって生じる難
透水層60の上層に位置する帯水層40において生ずる
地下水流によって、汚染土50に向けて移動する。そし
て、汚染土50において、汚染物質を分解可能な微生物
の生育を促進させて、当該汚染物質の分解をすることに
より、汚染土50を浄化することが可能になる。
栄養水により、注入井戸60付近の微生物の生育を過度
に促進させてしまい、当該注入井戸60が過度に増殖し
た微生物により目詰まりを起こし、その上、注入井戸6
0付近の土壌環境が上記微生物によりかえって汚染され
てしまう傾向があるという点は否めない。
能な微生物の生育を促進する複数の要素を3以上の供与
地点において分離して土壌中に供与する汚染土壌の浄化
方法に関する。本発明の適用対象となる汚染物質として
は、ベンゼン,トルエン,エチルベンゼン,キシレン,
トリクロロエチレン,ジクロロエチレン,テトラクロロ
エチレン,クロロフォルム,四塩化炭素等の有機溶剤;
クレオソート,ペンタクロロフェノール等の木材保存
剤;ポリ塩化ビフェニール(PCB)等の高分子ハロゲ
ン化芳香族;各種の農薬;重金属イオン;又はこれらの
混合物等を広く挙げることができ、さらにここで例示し
た汚染物質に本発明の適用対象となる汚染物質が限定さ
れるものではない。
浄化を図る汚染物質の種類に応じて、適宜選択すること
ができる。
ロロエチレン,テトラクロロエチレン等の揮発性有機塩
素化合物の土壌中からの浄化を図る場合には、かかる揮
発性有機塩素化合物を分解可能な微生物、すなわちメタ
ン資化性菌、フェノール資化性菌、硝化菌等の好気性菌
のみならず、上記揮発性有機塩素化合物、例えばテトラ
クロロエチレンを分解可能な嫌気性菌をも用いることが
できる。
もと汚染地域の土壌中に生息する微生物を汚染手段とし
て用いるが、例えば、浄化を図る土壌中に所望する微生
物が存在しない場合や存在しても衰弱等している場合に
は、積極的に外部からかかる所望の微生物を、汚染領域
に向けて補充することができる。
に存在する微生物のみならず、遺伝子工学的手法により
創生した微生物をも用いることができる。
に限定されず、例えば、後述する微生物の生育を促進す
る要素と共に補充することや、個別に微生物補充用の注
入口を設けて、当該注入口から補充することも可能であ
る。
素」とは、文字通り、添加することにより、その微生物
の活力を増進して増殖を促進する複数の要素をいう。か
かる要素は、土壌の浄化手段として選択する微生物の種
類によって異なるものであるが、概して、微生物におけ
る汚染物質の分解反応の「電子供与体」若しくは「電子
受容体」又は微生物の生育に必要なその他の栄養源(例
えば、含リン化合物,以下同様)等を用いることができ
る。
は、可溶性メタンモノオキシゲナーゼの働きにより、
「電子供与体」であるメタンと「電子受容体」である酸
素とが反応して二酸化炭素と水が生成する。そして、当
該酵素の働きによる、上と類似した反応により、トリク
ロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物も、かかる好気
性メタン資化性菌においては「電子供与体」となり得
る。
化合物が好気性メタン資化性菌によって、分解される。
は、メタン資化性菌等の好気性微生物においては概ね酸
素であるが、電子供与体として供与され得る成分は、生
育の促進を企図する微生物の種類により多岐にわたり、
また特に限定されるものではない。例えば、メタン資化
性菌における電子供与体としては、前記のメタン、揮発
性有機塩素化合物の他、メタノール、フェノール、トリ
プトファン又は単純な炭化水素等を挙げることができ
る。さらに、炭化水素の資化性菌の電子供与体として
は、メタン、エタン又はプロパン等の種々の炭化水素等
を挙げることができる。
選択する汚染物質を分解する微生物の性質や汚染物質の
除去を図る土壌成分によっても決定付けられる。
微生物として選択する場合であり、かつ汚染物質とかか
る好気性微生物の電子供与体が一致しない場合、上記要
素を電子供与体と電子受容体に分離して用いることが好
ましい。例えば、好気性のメタン資化性菌を土壌中のト
リクロロエチレンの浄化を図る目的で用いる場合には、
電子供与体としてのメタンと電子受容体として酸素を分
離して供与することが通常好ましい。
解性微生物として選択する場合であっても、汚染物質と
かかる好気性微生物の電子供与体が一致する場合、上記
要素を電子受容体と電子供与体以外の栄養源に分離して
用いることが好ましい。例えば、好気性のフェノール資
化性菌を用いて土壌中のフェノールの分解を図る場合に
は、フェノールをさらに土壌に供与することは、土壌中
のフェノール汚染をさらに助長する可能性がある。ゆえ
に、かかる場合には、電子受容体である酸素とフェノー
ル以外の当該土壌中で比較的欠乏していると判断できる
栄養源を分離して供与するのが好ましい。
壌中の汚染物質、例えばテトラクロロエチレンの浄化を
図る場合には、当該嫌気性菌に対して、電子受容体とし
て酸素を供与することはできない。かかる場合は、適切
な電子供与体(上記の例であればメタン等)とその他の
当該土壌中で比較的欠乏していると判断できる栄養源を
分離して供与するのが好ましい。
生物の生育を促進する要素の土壌への供与形態は、特に
限定されないが、かかる要素を水に溶存させた溶存水の
形態で供与することが、上記要素をより効率的に土壌中
へ供給可能であるという点から好ましい。
の汚染物質を分解可能な微生物の生育を促進する複数の
要素を、3以上の供与地点において分離して土壌に供与
する。すなわち、上記の生育の促進を企図する微生物
の、「電子供与体」若しくは「電子受容体」又は微生物
の生育に必要な他栄養源等の要素を少なくとも2種類に
分離して、3以上設けた供与地点から土壌中へ供与す
る。
て全て別個に供与地点を設けて土壌中へ供与しなければ
ならないことを意味するものではなく、例えば3か所設
けた供与地点のうち2か所において同一の上記要素を土
壌中へ供与し、他の要素を残りの1か所において土壌中
に供与するごとき態様をも許容するものである。
地点においては一つの要素のみを供与できないものでは
なく、例えば電子供与体と電子受容体を分離した場合で
あっても、かかる電子供与体及び/又は電子受容体中に
これら以外の栄養源を含ませることを除外するものでは
ない。
中に供与することにより、注入井戸に代表される注入手
段付近で微生物が過度に増殖することを回避することが
可能になり、当該注入手段の目詰まりや当該注入手段の
土壌環境の微生物汚染、すなわち上述の従来技術におけ
る欠点を克服し得る。また、後述するように、汚染領域
において上記複数の要素を混交させることで、当該汚染
領域において微生物の生育の促進を図ることにより、汚
染物質の除去を極めて効率的に実現することが可能であ
る。
地点を設けることにより、可能な限り漏れなく微生物の
生育を促進する上記の要素を、所望する汚染領域におい
て混交することが可能である。
に供与した上記要素を帯水層中の水流により移動させて
当該帯水層中において混交し、当該混交地点で上記微生
物を活性化して、上記微生物の活性化領域における汚染
物質を上記微生物により分解する汚染土壌の供与方法に
関する。
において土壌中に供与された上記の微生物の生育を促進
する要素を混交する手段は、別個に帯水層中の水流を惹
起しない場合には、現に存在する帯水層における地下水
流の方向及び速度等を勘案して、土壌中に供与したそれ
ぞれの微生物の生育を促進する要素が所望する汚染領域
において混交するべき配置で、上記3か所以上の供与地
点を設定する。
分離して、かつ3か所の供与地点からこれらを土壌中に
供与する場合には、帯水層中の地下水流において、1か
所の電子供与体の供与地点から、下流方向に向けて等距
離の地点に2か所の電子受容体の供給地点を設けること
が好ましい。
べき電子供与体は、爆発性を有する物質であったり、そ
れ自体が土壌を深刻に汚染し得る物質であったり、さら
にかかる特性故に土壌中の濃度が法的に規制されること
が多い物質であるために、供与した電子供与体は可能な
限り効率的に土壌中の微生物により分解させる必要があ
るからである。
の生育を促進する要素は、帯水層における水流によっ
て、供与地点からその流れの方向に向けて紡錘形に拡散
するが、仮に供与地点を2か所に設定し、供与した電子
供与体と電子受容体を微生物の生育の促進がある程度効
果的になされると予想される濃度で、上記の供与地点の
地下水流の下流の汚染領域において混交することを図る
場合には、一般的に、紡錘形に拡散した上記電子供与体
が全て、同じく紡錘形に拡散した上記電子受容体と混交
することは困難であり、微生物に容易に分解されないま
ま、上記電子供与体の一部が土壌中に残留してしまう危
険を避け難い。
て、1か所の電子供与体の供与地点から、下流方向に向
けて等距離の地点に2か所の電子受容体の供給地点を設
けることで、これらの電子供与体と電子受容体を混交を
企図する領域において可能な限り効率的に土壌中の微生
物に電子供与体を資化させることが可能である。
体以外の微生物の栄養源を分離して土壌中に供与する場
合にも、上記と同様に3か所の供与地点を配置(電子供
与体以外の微生物の栄養源を地下水流の上流から供与)
することにより、効率的に微生物に供与した上記栄養源
を供給することが可能になり、当該栄養源により土壌が
汚染する危険性を回避することができる。
染物質を分解可能な微生物の生育を促進する複数の要素
を移動させるための水流を発生させる手段を設けて、当
該手段で上記微生物の生育を促進する複数の要素を混交
地点に向けて移動させることも可能である。
り、積極的に水を帯水層中に送り込んで水流を発生させ
ることや、逆に、揚水ポンプ等の揚水手段により、帯水
層中の水を揚水して水流を発生させることができる。
限り土壌に供与した微生物の生育を促進する要素を、当
該微生物に効率良く利用させる必要性があることから、
後者の揚水手段により、地下水流を発生させることが非
常に好ましい。
容体を分離して、かつ3か所の供与地点からこれらを土
壌中に供与する場合に、帯水層中の地下水流において、
1か所の電子供与体の供与地点から、下流方向に向けて
等距離の地点に2か所の電子受容体の供給地点を設けた
場合を想定する。
図する汚染領域に向けて地下水流を発生させるように、
言い換えれば、結果として揚水手段を設けた地点が発生
させた地下水流の下流に位置するように当該揚水手段を
設けることにより、上記汚染領域において、さらに効率
的に上記電子供与体と電子受容体とを混交させて、土壌
中の微生物の生育を促進させることができる。
は、当該汚染物質を分解することにより生育が可能であ
るが、当該汚染物質の量が余りに多いとかえって生育が
阻害される傾向にある。すなわち、本発明における注入
手段を3か所以上の地点に設ける他の意義として、上記
微生物生育促進要素の土壌への注入時においては、主に
地下水流の上流域からのさらなる汚染物質による浄化区
域の汚染を防ぐことが可能であり、これにより上記微生
物生育促進要素の注入時におけるさらなる汚染物質によ
る、汚染物質を分解可能な微生物の上記生育阻害を回避
することが可能である。これを言い換えれば、浄化開始
当初の土壌中の汚染物質の濃度を基準にして、当該汚染
物質の浄化作業を行うことが可能である。
おいて土壌中に供与された上記の微生物の生育を促進す
る要素を混交する手段の一つとして、別個に帯水層中の
水流を発生させる場合には、結果として発生する帯水層
における地下水流の方向及び速度等を勘案して、土壌中
に供与したそれぞれの微生物の生育を促進する要素が所
望する汚染領域において混交するべき配置で、上記3か
所以上の供与地点を設定するのが好ましい。
ても、供与地点を2か所しか設けない場合には、上記
C.において述べた場合と同様の不都合が生じる。
は、 汚染物質を分解可能な微生物を活性化させる第一工
程、 第一工程後、上記微生物の生育を促進する複数の要素
の土壌への供与を停止した状態で汚染物質を上記微生物
に分解させる第二工程、 第二工程後、上記微生物の活性が低下した時点で再び
上記微生物の生育を促進する複数の要素の土壌への供与
を行う第三工程; 以上の工程を繰り返すことにより、一層効率的に汚染物
質を土壌から除去することができる。
たごとく、汚染物質を分解可能な微生物の生育を促進す
ることが可能な要素を土壌中に供与することにより、当
該微生物を活性化、すなわちその活力を増進して増殖を
促し;第二工程において、上記要素の供与を停止するこ
とによって、供与されてきた要素に代えて土壌における
汚染物質の上記微生物による分解を促進させ;第三工程
において、再び疲弊した上記微生物を活性化させる;こ
れらの工程を繰り返すことによって、一層効率的に汚染
物質を土壌から除去することができる。
化する場合等において、メタン等の電子供与体と揮発性
有機塩素化合物等の分解を企図する汚染物質が異なる場
合に、特に有効な方法である。
することが可能な微生物の生育を促進する要素の具体的
な分離の態様、当該要素の供与量及び上記Eに記載した
各工程について要する時間等は、汚染物質の浄化を企図
する領域の状況に応じて、個別具体的に決定されるべき
事項であり、一概に限定されるべきものではない。よっ
て、これらの事項については、後述する実施例において
具体的に開示する。
みならず、当該浄化方法を実施するための汚染土壌の浄
化システムをも提供する。本発明の浄化システムの構成
は、基本的には前述の図1に準ずる構成を含んでなる。
「汚染物質を分解可能な微生物に対する電子供与体溶存
水供給手段」及び「汚染物質を分解可能な微生物に対す
る電子受容体溶存水供給手段」は、図1における混合手
段15に対応する。また、かかる電子供与体溶存水供給
手段により供給された「電子供与体溶存水を帯水層中に
注入する電子供与体溶存水注入手段」及びかかる電子受
容体溶存水供給手段により供給された「電子受容体溶存
水を帯水層中に注入する電子受容体溶存水注入手段」は
図1における注入井戸16に対応する。
容体溶存水には、土壌中に供給することを企図する電子
供与体及び電子受容体がそれぞれ溶存していることは言
うまでもないが、必要に応じてこれらの溶存水中に他の
栄養源を含ませることも可能である。
溶存水を効率的に土壌に供与できる限りにおいて特に限
定されず、例えば図1に示したごとく「注入井戸」の形
態とすることができる。
ける意義及びこれらの注入手段において、上記電子供与
体溶存水注入手段を設け、かつ当該地点から上記地下水
流の下流に向けて等距離の地点に複数の電子受容体溶存
水供給手段を設ける意義については上述した。
水を揚水して、さらに所望の地下水流を生ずる揚水手段
を設ける意義についても上述した。
おける注入手段等の配置を示した概略図である。
水層中の地下水を揚水する揚水井戸110;揚水井戸1
10によって揚水され、吸水管130によって供給され
る地下水を2つに分けて、一方に電子供与体及びその他
の栄養分を添加及び混合し、他方に電子受容体及びその
他の栄養分を添加及び混合する混合手段150;混合手
段150で調製された、電子供与体及びその他の栄養分
を含む地下水を供給するための電子供与体注入用配管1
31が通じる電子供与体注入用井戸161;混合手段1
50で調製された、電子受容体及びその他の栄養分を含
む地下水を供給するための電子受容体注入用配管132
が通じる電子供与体注入用井戸162を含む。また、図
2中の***170は、当該位置の帯水層の汚染状況等を
監視する観測井戸である。さらに矢印180は、地下水
流の流れる方向を示す。
30と混合手段150との間には、図1に示したと同様
に、給水管130によって供給される地下水を曝気等に
より前処理する前処理手段を伴うこともできる(図示せ
ず)。さらに必要に応じて、汚染した土壌中に、汚染物
質を分解可能な微生物を補充するための微生物補充用口
を設けて、所望する微生物を意図的に土壌中に補充し
て、当該土壌の浄化に資することが可能である。
て水の流れる方向を示すが、混合手段150において調
製された2種類の富栄養水のうち、電子供与体を含む富
栄養水は、電子供与体注入用井戸161を介して土壌中
に供与される。一方、電子受容体を含む富栄養水は、電
子受容体注入用井戸162を介して土壌中に供与され
る。
容体は、揚水井戸110の揚水力により、当該揚水井戸
110に向かう地下水流180に乗って、揚水井戸11
0と注入用井戸161,162の間に存在する汚染領域
において混交され、当該汚染領域の汚染物質を分解可能
な微生物の生育を促進して、かかる汚染物質を分解する
ことができる。
合には、観測井戸170によって、当該位置の帯水層の
汚染状況を監視して、各工程を進めることができる。
微生物の能力を高めて用いることにより、汚染した土壌
を生物的に浄化することが可能である。
的に説明する。しかしながら、この実施例によって、本
発明の技術的範囲が限定されて解釈されるべきものでは
ない。
A市の民家の井戸からトリクロロエチレンが検出され、
トリクロロエチレンによる土壌汚染が確認された。平成
2年以来、汚染の実態調査が行われている。汚染地層の
サンプルとして、揚水井付近でボーリングを行い、地表
から14〜23mのコアを採取した。汚染地下水は、揚
水井(ストレーナ深度地層から14〜23m)から汲み
上げている地下水を採取した。
対象地域の汚染及び地質状況について種々の試験を行っ
た。その結果の一部を第1表に示す。
等を参考にして、汚染地域のモデリングを行った。モデ
リングは、以下の手順で行った。
モデルは3次元モデルである、米国地質調査所(USG
S)が開発したMODFLOW(McDonald and Harbaug
h 1988)を用いた。また、地下水流動モデルによるシュ
ミレーション結果は、モジュール構造をした3次元有限
要素モデルであるMT3Dを用いた。
試験結果から推定した。動水勾配は、実測値を用いた。
貯留係数は、揚水試験結果から推定した。有効空隙率
は、空隙率より低めの値を推定した。全空隙率は、実測
値を用いた。帯水層の上限と下限は、平均地下水位及び
帯水層と区分する粘土層の標高とした。地層の嵩比重
は、地層の空隙率と地層成分の比重から算出した。汚染
物質の初期濃度は、実測値を用いた。縦方向及び横方向
の分散係数は、Gelharら(EPRI) の理論に基づき算出し
た。有機炭素・水分配係数は、米国EPAのデータベー
スの数値を使用した。有機炭素含有率は、実測値を用い
た。
域は、揚水及び注入の影響がほとんど及ばない程度に十
分広く設定した。その上で、モデリング対象領域を10
0×100程度の格子に分割した。その際、格子の大き
さは、周辺部分では大きく、揚水井及び注入井の近傍で
は小さく設定した。
子の横軸方向の地下水の流向と一致させた。有限要素格
子の左端と右端を汚染源とし、地下水位を実測値に基づ
き固定した。汚染物質、酸素、メタンの初期濃度は、サ
ンプル性状分析の結果の数値を参考にして設定した。
ン:上記〜に基づき、i)揚水井のみの定常状態での
地下水流動シュミレーション、ii) 注入井を加えた定常
状態での地下水流動、物質動態シュミレーション、iii)
遷移状態での物質状態シュミレーションの3段階のシュ
ミレーションを行った。
ーションの結果等により、上記の汚染地域による本発明
浄化システムにおける各種井戸等の配置等を決定した。
かかる配置等を図3に示す。
220は電子供与体(メタン)溶存水・電子受容体(酸
素)溶存水の調製をし、本発明の浄化システムの統括操
作を行う原位置モジュールであり;231は電子供与体
(メタン)溶存水供給管であり:232は電子受容体
(酸素)溶存水供給管であり;241は電子供与体(メ
タン)注入井戸(Iwj-3)であり;251(Iwj-1)及び2
52(Iwj-2)は、共に電子受容体(酸素)注入井戸であ
り;261(Mw-1)及び262(Mw-2)は、共に観測井
戸であり;270は汚染領域である。
間の横軸方向の距離は7m;観測井戸262と観測井戸
261との横軸方向の距離は3m50cm;注入井戸2
51・252と注入井戸241との横軸方向の距離は共
に1m40cm;同じく縦軸方向の距離は共に1m40
cm;観測井戸261と注入井戸241との横軸方向の
距離は3m50cmである。
は、36日間行った。図3に示すごとく、メタンと無機
栄養塩類の混合溶存水は上記供給管231を通って、注
入井戸241(Iwj-3 )を介して土壌中に供給した。さ
らに、酸素と無機栄養塩類の混合溶存水は上記供給管2
32(2管)を通って、注入井戸251(Iwj-1)及び2
52を介して土壌中に供給した。
解しており、このメタン溶存水を0.75t/時間の割合
で土壌中に注入した。また、酸素溶存水には、20ppm
の酸素が溶解しており、この酸素溶存水を0.75t/時
間の割合で土壌中に注入した。
下の無機栄養塩類を溶存させた。 i) 硝酸カリウム(KNO3 )....95.8g/時間(3か所の注入井戸の総和) ii)リン酸2水素カリウム(KH2 PO4 )..33.8g/時間(同上) iii) 炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )... 209.0g/時間(同上) また、pHは、7.0付近に硫酸により調整した。さら
に、揚水井戸210における揚水速度は、4.2t/時間
であった。かかる条件で、原位置モジュールを運転し
た。
ための分解運転は54日間行った。かかる分解運転は、
上記の増殖運転において、メタン、酸素及び無機栄養塩
類の土壌中への注入を停止することにより行った。
量、無機栄養塩類、トリクロロエチレン類の分析を各モ
ニタリング井戸等で行った。
からの経過時間を示し、縦軸に電気伝導度及び溶存酸素
量の「観測井戸262(Mw-2)における濃度/注入井戸
251(Iwj-1)」を示す。すなわち、図4に示したグラ
フは、溶存酸素濃度の推移のシュミレーションから予想
される物質移動と、実測された電気伝導度から推測され
る物質移動(酸素量が多ければ電気伝導度は上昇する)
の相関を示したグラフである。図4に示されているよう
に、溶存酸素濃度の推移のシュミレーションから予想さ
れる物質移動時間と、実測された電気伝導度の推移を示
す物質移動時間がほぼ一致した。このことから、上記シ
ュミレーションの結果が実際の地下水流動に反映してい
ることが明らかになった。
と同じく観測井戸262(Mw-2)における電気伝導度を
測定することによる無機栄養塩類の移動状況のモニタリ
ングを示すグラフである。図5により、無機栄養塩類は
約4日間で上記観測井戸に到達したことが判明した。こ
の結果は、増殖運転中、無機栄養塩類が十分に供給され
ていたことを示している。
入後の観測井戸261(Mw-1)、262(Mw-2)及び注
入井戸241(Iwj-3)における溶存酸素量の変化の推移
を示すグラフである。図6により、酸素を注入している
限りにおいては、微生物の増殖に十分な酸素が上記各地
点に供給されていることが明らかになった。なお、酸素
を注入する前の、上記各地点の溶存酸素濃度は約5〜6
ppm であった。
入開始後の、観測井戸261(Mw-1)、262(Mw-2)
及び注入井戸241(Iwj-3)におけるメタン資化性菌の
菌数(MPN:MOST PROBABLE NUMBER)の変化を示すグ
ラフである。各地点において、メタン資化性菌の十分な
増殖が認められた。なお、当然のことながら、注入井戸
に近い順で、メタン資化性菌が増殖を開始することも示
された。
図8は、全ての観測井戸及び注入井戸におけるトリクロ
ロエチレン濃度の推移を観察した結果を示すグラフであ
る。増殖運転条件下においては、予め行われた実証試験
範囲のトリクロロエチレンは希釈効果により減少した。
また、分解運転条件下においては、微生物分解が起こら
ない限り、上流の高濃度の汚染箇所から随時トリクロロ
エチレンが補給されたために、実証試験範囲内の井戸に
おけるトリクロロエチレン濃度が上昇した。
におけるトリクロロエチレン濃度の回復率は、分解運転
開始後15日目において90〜95%であった。なお、
このシュミレーションは、トリクロロエチレンの微生物
分解の影響を除外したものである。
クロロエチレン濃度の実測値は、各観測地点において、
分解運転開始後約50日後にようやく上昇した。すなわ
ち、上記シュミレーションによる試算よりも約35日も
遅れてトリクロロエチレン濃度が上昇したことが示され
た。これは、トリクロロエチレンが、増殖したメタン資
化性菌により分解したことを明らかに示すものである。
転と分解運転を繰り返すことにより、土壌中に繰り返し
供給されるトリクロロエチレンを、メタン資化性菌によ
り継続的に分解をすることが可能であることも明らかに
なった。
する汚染物質を分解可能な微生物を活性化することによ
り、効果的に汚染土壌を浄化することが可能な汚染土壌
の浄化方法及び浄化システムにが提供された。
現するための機構について説明した概略図。
段等の配置を示した概略図である。
ある。
想される物質移動時間と、実測された電気伝導度の推移
を示す物質移動時間の相関を示すグラフである。
の移動状況のモニタリングを示すグラフである。
の変化の推移を示すグラフである。
タン資化性菌の菌数の変化を示すグラフである。
ロエチレン濃度の推移を観察した結果を示すグラフであ
る。
Claims (13)
- 【請求項1】土壌中の汚染物質を分解可能な微生物の生
育を促進し、当該微生物に汚染物質を分解させることを
特徴とする汚染土壌の浄化方法において、上記微生物の
生育を促進する複数の要素を3以上の供与地点において
分離して土壌に供与し、次いで土壌に供与した上記要素
を帯水層中の水流により移動させて当該帯水層中におい
て混交し、当該混交地点で上記微生物を活性化して、上
記微生物の活性化領域における汚染物質を分解すること
を特徴とする汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項2】請求項1記載の汚染土壌の浄化方法におい
て、混交地点に汚染物質を分解可能な微生物の生育を促
進する複数の要素を移動させるための水流を発生させる
手段を設けて、当該手段で上記微生物の生育を促進する
複数の要素を混交地点に向けて移動させることを特徴と
する汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項3】請求項2記載の汚染土壌の浄化方法におい
て、混交地点に汚染物質を分解可能な微生物の生育を促
進する複数の要素を移動させるための水流を発生させる
手段が、帯水層中の水の揚水であることを特徴とする汚
染土壌の浄化方法。 - 【請求項4】汚染物質を分解可能な微生物の生育を促進
する複数の要素として、当該微生物に対する電子供与体
及び電子受容体を含むことを特徴とする請求項1乃至請
求項3のいずれかの請求項記載の汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項5】請求項4記載の汚染土壌の除去方法におい
て、土壌に汚染物質を分解可能な微生物における電子供
与体を供与する地点から、帯水層中の水流を基準にし
て、下流でかつ等距離の地点に複数の土壌に電子受容体
を供与する地点を設け、帯水層中の水流によって、土壌
中に供与された上記電子供与体及び上記電子受容体がそ
れぞれ移動して混交した地点において、上記微生物を活
性化することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項6】汚染物質を分解可能な微生物がメタン資化
性菌であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
ずれかの請求項記載の汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項7】汚染領域に、当該汚染領域における汚染物
質を分解可能な微生物を添加することを特徴とする請求
項1乃至請求項6のいずれかの請求項記載の汚染土壌の
浄化方法。 - 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれかの請求項
記載の汚染土壌の浄化方法において、以下の工程を繰り
返すことを特徴とする汚染土壌の浄化方法: 汚染物質を分解可能な微生物を活性化させる第一工
程; 第一工程後、上記微生物の生育を促進する複数の要素
の土壌への供与を停止した状態で汚染物質を上記微生物
に分解させる第二工程; 第二工程後、上記微生物の活性が低下した時点で再び
上記微生物の生育を促進する複数の要素の土壌への供与
を行う第三工程。 - 【請求項9】汚染物質を分解可能な微生物に対する電子
供与体溶存水供給手段により供給された電子供与体溶存
水を帯水層中に注入する電子供与体溶存水注入手段及び
汚染物質を分解可能な微生物に対する電子受容体溶存水
供給手段から供給された電子受容体溶存水を帯水層中に
注入する電子受容体溶存水注入手段を、帯水層中の水流
において汚染領域の上流であり、かつ上記電子供与体溶
存水注入手段により土壌中に注入された電子供与体溶存
水及び上記電子受容体溶存水注入手段により土壌中に注
入された電子受容体溶存水が上記汚染領域において混交
するように、上記電子供与体溶存水注入手段及び上記電
子受容体溶存水注入手段を3か所以上の地点に設けたこ
とを特徴とする汚染土壌の浄化システム。 - 【請求項10】汚染物質を分解可能な微生物に対する電
子供与体溶存水供給手段により供給された電子供与体溶
存水を帯水層中に注入する電子供与体溶存水注入手段及
び汚染物質を分解可能な微生物における電子受容体溶存
水供給手段から供給された電子受容体溶存水を帯水層中
に注入する電子受容体溶存水注入手段並びに帯水層中の
水を揚水する揚水手段を、当該揚水手段における揚水に
より生じた帯水層中の水流により、上記電子供与体溶存
水注入手段により土壌中に注入された電子供与体溶存水
及び上記電子受容体溶存水注入手段により土壌中に注入
された電子受容体溶存水が汚染領域において混交するこ
とが可能な配置で、上記電子供与体溶存水注入手段及び
上記電子受容体溶存水注入手段を3か所以上の地点に設
け、かつ上記揚水手段を設け、さらに上記揚水手段から
揚水した水を上記電子供与体溶存水供給手段及び/又は
電子受容体溶存水供給手段に配給して、電子供与体溶存
水及び/又は電子受容体溶存水の製造に資することを特
徴とする汚染土壌の浄化システム。 - 【請求項11】請求項10記載の汚染土壌の浄化システ
ムにおいて、揚水手段により揚水された地下水における
汚染物質を分離する手段を設け、当該手段によって再浄
化された地下水を汚染物質を分解可能な電子供与体溶存
水供給手段及び/又は汚染物質を分解可能な微生物に対
する電子受容体溶存水供給手段に配給して、上記電子受
容体溶存水及び/又は上記電子受容体溶存水の製造に資
することを特徴とする汚染土壌の浄化システム。 - 【請求項12】帯水層中の地下水流の上流に、汚染物質
を分解可能な微生物に対する電子供与体溶存水注入手段
を設け、当該地点から上記地下水流の下流に向けて等距
離の地点に複数の電子受容体溶存水供給手段を設けたこ
とを特徴とする請求項10又は請求項11記載の汚染土
壌の浄化システム。 - 【請求項13】汚染領域に、当該汚染領域における汚染
物質を分解可能な微生物を添加してなることを特徴とす
る請求項8乃至請求項12のいずれかの請求項記載の汚
染土壌の浄化システム。
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