JP2006198476A - 汚染底質の無害化処理方法 - Google Patents

汚染底質の無害化処理方法 Download PDF

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Yuichi Tanaka
裕一 田中
Yoshinori Kurumada
佳範 車田
Koji Shioda
耕司 塩田
Katsuji Nakajima
勝治 中島
Yuichi Takahashi
祐一 高橋
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Abstract

【課題】
低コストで汚染底質の無害化処理ができ、処理作業中及び処理作業後に周囲の水を汚染することが無い汚染底質の無害化処理方法の提供。
【解決手段】
上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼5を備えたケーシング1を、ダイオキシン等の化学物質に汚染された底質を有する水底地盤10表面より該地盤内に向けて圧入し、そのケーシング1内に汚染物質分解材13を供給し、撹拌翼5を回転させることにより、原位置で底質に対して嫌気性微生物又は化学物質からなる汚染物質分解材を混合させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主としてダイオキシン類、PCB等の有機塩素系の汚染物質(以下、ダイオキシン類と記す)を含む水底に堆積した土砂(以下、「底質」と記す)を、移動させること無く、水底の堆積位置(以下「原位置」と記す)で浄化する汚染底質の分解処理方法に関する。
一般に、ダイオキシン類による汚染物質の多くは、微細粒子に付着した状態で存在し、微細粒子が水に移行するか、汚染物質自体が水に溶出することによって汚染が広がる。また、微細粒子あるいは溶解した状態で存在する汚染物質は、貝などの生物に取り込まれることになる。
従来の底質中ダイオキシン類についての対策としては、ダイオキシン類が食物連鎖を通じて魚介類に蓄積され、汚染された魚介類を人が摂取することによって人体に入り込むという食物連鎖経路を遮断することを目的としたものがあり、こうした経路を遮断する方法として、浚渫・掘削除去、覆砂、原位置固化処理の3つの方法が提案されている。
これらの従来方法の内、浚渫・掘削除去は、汚染底質を浚渫・掘削除去し、最終処分場に埋設処理するかあるいは熱処理等により無害化する方法である。
覆砂は、汚染底質の上に、汚染されていない土砂などを撒布する方法である。この方法は、最終処分を行う必要がないため比較的安価である。
原位置固化処理は、水底の底質に原位置でセメント系固化材を混合するか、又は底質を浚渫により作業船上に移動させてセメント系固化材を混合して元の位置に戻し、原位置で固化させる方法である。
また、上述のようにダイオキシン類が拡散しないように汚染底質を封じ込めたり、焼却したりする方法の他に、ダイオキシン類を分解することによって無害化する方法が提案されている。この方法には、化学物質を使用する方法と、微生物を使用する方法がある。微生物を使用する方法には、酸化的条件下で分解作用を行う好気性微生物と、還元的条件下で分解作用を行う嫌気性微生物とが知られている。
化学物質を使用する方法としては、鉄粉等の金属還元剤を用いたトリクロロエチレンの脱塩素技術が知られている(例えば非特許文献1)。
また、ダイオキシン類のような汚染物質を分解する方法として、フェントン反応を利用した方法が知られている(例えば特許文献1〜4)。この方法は、鉄又は鉄の塩などの触媒と過酸化水素水とを反応させ、フェントン反応を引き起こすことにより、汚染水中のダイオキシン類などを分解する方法であり、フェントン反応は、下記の化学反応式で表される。
Fe + + H → Fe + + OH-+ OH……(1)
Fe + + OH → Fe ++ OH- ……(2)
Fe ++ H → Fe+ + H++ OOH……(3)
式(1)〜(3)から
Fe + + 2H → Fe ++ H+ + 2OH- + OOH……(4)
このフェントン反応において発生するヒドロペルオキシラジカルが、
OOH + C → COOH……(5)
により有機物と反応する。このように反応が進んで有機物が酸化され、有機物の二酸化炭素と水への分解又は低分子量物質への変換が進む。
また、好気性微生物を使用する方法としては、堆肥を用いたダイオキシン類汚染土壌の好気的な浄化方法が、既に知られている(例えば、特許文献5)。
更に、嫌気性微生物を使用する方法としては、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を脱塩素化によって無害化する方法が知られている(例えば非特許文献2)。
更に、多塩素化ダイオキシン汚染土壌を還元脱塩素化により無害化する方法が知られている(例えば非特許文献3)。
更に、有機汚染物質を含有する土壌に堆肥を混入させ、たん水状態において嫌気状態にして汚染土壌を浄化する方法が知られている(例えば、特許文献特許6)。
特開平5−345189号公報 特開平6−91276号公報 特開平10−277568号公報 特開2001−259688号公報 特開2000−107742号公報 特開2004−230374号公報 今村聡著「土壌汚染浄化の実話例(土壌における難分解性有機化合物・重金属汚染の浄化技術,NTS,2002)」 ジョン・T・クックソン・Jr.著「バイオレンスメディエーション エンジニアリング」1997年エヌ・ティーエス社発行 平成14年度廃棄物処理等科学研究推進事業 第1部廃棄物処理対策研究発表会論文「22生物学的ダイオキシン分解技術の研究発表」発表者平石明他
上述した従来の技術において、浚渫・掘削除去して無害化する方法は、汚染底質が除去されるため、より確実な汚染処理方法であるが、無害化に一般的に使用される熱処理は高価であり、熱処理等による無害化以外の方法は、汚染物質が存在する場所を変えたり、溶出を抑制したりする操作を行っているに過ぎず、汚染物質自体は残存している。
覆砂による方法は、汚染底質は海底にそのまま残置されているために、覆砂層が波等に対して安定していることと、処理後の継続的なモニタリングが必要である。
原位置固化処理による方法は、固化層中にダイオキシン類が残存するため、固化層の状態を確認するための処理後の継続的なモニタリングが必要である。
更に、微生物処理による方法は、好気性微生物を使用する場合、水底に堆積している汚染底質の浄化には、好気的条件を維持するために汚染部分を止水壁で囲み、水を除去した状態で行うか、浚渫により地上に移動させるか、酸素の送り込みが必要となる。
嫌気性微生物や化学物質を使用する場合にあっては、酸素の供給は必要ないが、これらによって原位置で汚染底質の浄化処理を行う方法は従来知られていなかった。更に、これらによって浄化処理を行うとしても、汚染物質分解材を原位置の底質に混入する際、汚染底質が舞い上がり、あるいは底質から汚染物質が溶出し汚染が周辺に拡散する危険性があった。
本発明はこのような従来の問題に鑑み、低コストで汚染底質の無害化処理ができ、また、原位置で処理するに際し、処理作業中に周囲の水を汚染することが無く、更に処理作業後の、汚染物質分解工程中においても周囲を汚染させることがない汚染底質の無害化処理方法の提供を目的としたものである。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、水底に堆積しているダイオキシン等の化学物質により汚染された底質に対し、水底の堆積位置にて、微生物又は化学物質からなる汚染物質分解材を混入させることにより無害化処理する汚染底質の無害化処理方法にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、前記請求項1の構成に加え、汚染物質分解材である微生物としては、還元的条件下で汚染物質の分解能力を持つ微生物を使用することにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、前記請求項1の構成に加え、汚染物質分解材である化学物質として、鉄、酸化鉄、カルシウム系化合物、マグネシ'ウム系化合物を使用することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、前記請求項1,2又は3の構成に加え、底質に対し、汚染物質分解材の混入前に活性炭及び/又はゼオライト等の吸着材を混合させた後、該底質に対して汚染物質分解材を混入させることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、前記請求項1〜3又は4の構成に加え、上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、ダイオキシン等の化学物質に汚染された底質を有する水底地盤表面より該地盤内に向けて圧入し、然る後、該ケーシング内に汚染物質分解材を供給し、前記撹拌翼を回転させることにより、底質に対して汚染物質分解材を混合させることにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、前記請求項1〜4又は5の構成に加え、汚染物質分解材を混合させた底質の表面に覆砂層を敷設することにある。
請求項7に記載の発明の特徴は、前記請求項1,2又は3の構成に加え、化学物質に汚染された底質の表面に覆砂層を設置した後、該底質に汚染物質分解材を混合させることにある。
請求項8に記載の発明の特徴は、前記請求項7の構成に加え、化学物質に汚染された底質を有する水底地盤表面に覆砂層を敷設した後、上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、前記覆砂層表面より前記水底地盤内に圧入し、然る後前記覆砂層下の底質内に汚染物質分解材を注入し、該底質内で前記撹拌翼を回転させることにより水底地盤表面に敷設した覆砂層下の底質に汚染物質分解材混合させることにある。
請求項9に記載の発明の特徴は、前記請求項6,7又は8の構成に加え、覆砂層に、活性炭及び/又はゼオライト等の汚染物質吸着材を混入した砂を使用することにある。
本発明においては、水底に堆積しているダイオキシン等の化学物質により汚染された底質に対し、水底の堆積位置、即ち原位置にて、微生物又は化学物質からなる汚染物質分解材を混入させることにより無害化処理するものであるため、大量の汚染底質を移動させる必要がなく、また、汚染物質が微生物又は化学物質によって原位置で分解されて無害化されるため、処理後における汚染物質溶出防止のための管理が不要になる。
また、汚染物質分解材である微生物としては、還元的条件下で汚染物質の分解能力を持つ微生物を使用するか、又は汚染物質分解材である化学物質として、鉄、酸化鉄、カルシウム系化合物、マグネシ'ウム系化合物を使用することにより、原位置で汚染物質の分解処理を行う場合において、底質を大気中に露出させるための処理や、エアレーション、切り替えし等の作業が不要になり、低コストで処理できる。
更に、底質に対し、汚染物質分解材の混入前に活性炭及び/又はゼオライト等の吸着材を混合させた後、該底質に対して汚染物質分解材を混入させることにより、底質に付着している汚染物質が吸着材に強く吸着され、汚染物質分解材を底質に混合させる際に底質を撹拌した場合においても汚染物質の水への拡散が防止される。
更に、上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、底質を有する水底地盤表面より該地盤内に向けて圧入し、然る後、該ケーシング内に汚染物質分解材を供給し、前記撹拌翼を回転させて底質と汚染物質分解材とを混合させるようにしたことにより、底質に対する汚染物質分解材を混合するためにこれらを撹拌した場合においても、ケーシングによって底質、汚染物質、汚染物質分解材の逸散が防止され、周囲を汚染することなく無害化処理がなされる。
更に、汚染物質分解材を混合させた底質の表面に覆砂層を敷設することにより、底質に対する汚染物質分解材混合後、生物的又は化学的な分解作用が完了するまでの期間に汚染物質が水中への溶出をより効果的に防止できる。
更に、化学物質に汚染された底質の表面に覆砂層を設置した後、該底質に汚染物質分解材を混合させることにより、覆砂層の下で汚染物質分解材の混合がなされるため、その混合作業の際に汚染物質の水中への移行が防止できる。
更に、化学物質に汚染された底質を有する水底地盤表面に覆砂層を敷設した後、上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、前記覆砂層表面より前記水底地盤内に圧入し、然る後前記覆砂層下の底質内に汚染物質分解材を注入し、該底質内で前記撹拌翼を回転させることにより水底地盤表面に敷設した覆砂層下の底質に汚染物質分解材混合させることにより、覆砂層による汚染物質の逸散防止に加え、ケーシングにより更に汚染物質の逸散が防止されるため、無害化処理作業時における汚染物質の周囲への拡散がより効果的に防止できる。
更に、覆砂層を使用する場合において、その中に活性炭及び/又はゼオライト等の汚染物質吸着材を混入しておくことにより、底質に対する汚染物質分解材混合後、生物的又は化学的な分解作用が完了するまでの期間に、覆砂層を通過しようとする汚染物質が吸着材に吸着されることとなり、水中への溶出をより効果的に防止でき、このように汚染物質の溶質防止効果が発揮されることにより、覆砂層の厚さを薄くできる。
次に本発明の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に使用する装置の概略を示しており、符号1は処理しようとする汚染底質が堆積している地盤に圧入する筒状をしたケーシングである。このケーシング1は、筒状をした胴部1aの下端が開放され、上端が天板2によって気密に閉鎖されて構成されている。尚、胴部1aの筒状は、円筒状の他、四角その他の多角形筒状であっても良い。天板2には撹拌軸3が回転及び上下方向に移動可能に貫通されている。この撹拌軸3は、ケーシング1上に設置した駆動装置4によって回転駆動及び軸方向の駆動がなされるようになっている。撹拌軸3には複数の撹拌翼5が放射状に突設されている。
ケーシング1の天板2には一対の注排水管路6a,6bが貫通され、ケーシング1内に連通開口されている。この注排水管路6a,6bは水上の作業船から繰り出され、これを通して作業支援船(図示せず)上より注排水及び後述する汚染物質分解材の注入ができるようになっている。
次に図2について上述した装置を使用した本発明の実施の一例を説明する。図において符号10は水底地盤、11は水底地盤を構成している非汚染地盤、12はその上に堆積し同じく水底地盤を構成している汚染底質層を示している。尚、ここに言う底質とは水底に堆積した軟弱な泥をいい、環境保全の観点から処分の対象となるくらい汚染されている底泥、汚泥又はヘドロ等と称されているものを含む。
この水底地盤10に向け、図2(a)に示すようにケーシング1を水上の作業支援船から降下させる。降下に際しては注排水管路6a,6bから空気を排出し、内部に水が満たされた状態で汚染底質層12の表面近くまで降下させる。然る後、汚染底質層12の表層の浮泥を撹乱しないようにケーシング1の降下速度に合わせて排水させ、浮泥が沈静を保った状態でケーシング1内に挿入されるようにする。
このようにしてケーシング1を、その上より静的な鉛直荷重を掛けながら図2(b)に示すように地盤10中に圧入し、ケーシング1の天板2と汚染底質層12の表面との間に後述する必要量の汚染物質分解材が収容できる隙間を残してケーシング1の圧入を停止させる。この時、下端が汚染底質層12下の安定地盤11に達する高さのケーシング1を予め選択して使用する。
次いで、一方の注排水管路6aから排水しながら他方の注排水管路6bから汚染物質分解材13を注入する。この注入は注排水管路6aからの排水圧力によって汚染物質分解材13が吸引されるようにすることが好ましく、このようにすることによりケーシング1内が外部に対して負圧状態に維持され、汚染物質の注入によりケーシング1の下端から底質が外部に漏れることが防止できる。
このようにして図2(c)に示すようにケーシング1内の水を抜きつつ汚染物質分解材13をケーシング1の天板2下の隙間に充填させた後、図2(d)に示すようにケーシング1内の撹拌翼5を駆動装置4により撹拌軸3を介して回転させつつ上下動作させ、汚染物質分解材13が汚染底質層12内に均一に行き渡るように混合撹拌させ、ケーシング1内を略均一な混合状態の分解材混合底質14となす。
この混合撹拌作業の完了後、図2(e)に示すように撹拌翼5を天板2に最も接近する位置まで引き上げた状態でケーシング1を引き抜く、この引き抜きに際し、分解材混合底質14が撹乱されないように、加減圧用管路6a,6bを通してケーシング1内に注水する。
引き抜いたケーシング1は次の処理位置に移動させ、前述と同様の工程を繰り返し、所望の広さの汚染底質を原位置で浄化処理する。
また、上述のようにして汚染底質に汚染物質分解材を混合させてケーシングを引き抜いた後の水底地盤上に図3に示すように覆砂層15を敷設する。この覆砂層15を敷設することにより、汚染物質分解材が混合された底質が水流によって拡散されるのを防止すると共に、底質に含まれている分解前の汚染物質の水中への溶出が防止される。
この覆砂層15の砂に活性炭やゼオライト等の吸着材を混入させておくことが好ましく、吸着材を混入しておくことにより、覆砂層15内を移動する水によって底質内から覆砂層15内に入り込む汚染物質が吸着材に吸着されるため、底質内の汚染物質が覆砂層を通って水中に溶出することが防止される。また、そのため薄い覆砂層であっても汚染物質の溶出防止効果が高くなり、軽くて薄い覆砂層により効果的な汚染物質溶出防止がなされる。
混入量は覆砂全量に対してゼオライト2.5%〜10%(重量%、以下同じ)、活性炭0.5%〜2%が好ましく、覆砂層厚さは20cm〜50cmが好ましい。
また、上述したケーシング1の水底地盤10への圧入作業前に、汚染底質層12内に吸着材を混合させておき、然る後前述のケーシング1を使用した汚染物質分解材の混入作業を行ってもよい。このようにすることにより、底質粒子に付着しているダイオキシン類は吸着材に吸着されて水中へ溶出し難い状態となり、その後の汚染物質分解材の混入作業やその後の分解終了前における汚染物質の溶出が防止される。
この吸着材の混入作業は、例えば前述したケーシング1を使用した汚染物質分解材混入作業と同様にして行うことができ、ケーシング1水底地盤に圧入して吸着材の混入作業を行った後、ケーシング1を水底地盤内に寛入したままの状態で底質の沈静化を待って汚染物質分解材の注入混合作業を行う。
次に本発明の第2実施例を図4について説明する。この実施例はケーシングを使用した汚染物質分解材混入作業に先立って水底地盤10の汚染底質層12上に覆砂層15を敷設しておくものである。先ず、図4(a)に示すように浄化処理しようとする汚染底質層12の上に所望厚さ覆砂層15を敷設する。尚、この覆砂層15内に前述と同様に吸着材を混入させておくことが好ましい。
しかる後、前述の実施例と同様のケーシング1を降下させ、図4(b)に示すように覆砂層15の表面を通してその下の汚染底質層12内に圧入する。尚、この例では撹拌軸3に分解材注入路を設けるとともにこれに連通する分解材吐出ノズル7aを撹拌翼5に備えたものを使用し、分解材注入路に対し撹拌軸3の上端にて分解材注入管7を連通させておく
ケーシング1の圧入作業は前述の第1実施例と同様にケーシング1内の水を注排水管路6a,6bから排出しつつ圧入する。尚、この実施例では水底地盤表面に覆砂層15が敷設されているため、水底表面の撹乱は少なく、第1実施例に比べて水底土砂撹乱防止のための慎重さはそれほど要しない。
また、ケーシング1内の撹拌翼5はケーシング1が所定の深さに圧入された際に覆砂層15の下に位置するようにその高さを調節しておくことが好ましいが、ケーシング1内の最上部に位置させておいてもよい。
このようにしてケーシング1の圧入作業が完了した後、図4(c)に示すように一方の注排水管路6a,6bから排水しつつ分解材注入管7を通して汚染物質分解材13を注入し、撹拌翼5のノズル7aから吐出させる。この吐出は高圧噴射であってもよい。この作業は撹拌翼5を旋回させながら行ってもよく、停止させたままで行ってもよい。
このようにして汚染底質層12上に汚染物質分解材14を注入した後、図4(d)に示すように駆動装置4により撹拌翼5を回転させつつ上下動させて底質と汚染物質分解材とを撹拌し混合させる。この時、覆砂層15が撹乱されないようにその下側においてのみ撹拌翼5の上下動及び回転運動させる。
このようにして撹拌混合を行った後、第1実施例と同様にしてケーシング1を引き抜き、引き抜いたケーシング1を次の処理位置に移動させて前述と同様の工程を繰り返し、所望の広さの汚染底質を原位置で浄化処理する。
尚、図4に示す実施例において、汚染物質分解材13の注入と同時に撹拌翼5の旋回と上下移動とを同時に行って、底質に対する汚染物質分解材の混合撹拌を行ってもよい。
また、汚染物質分解材13の注入は上述の他、図5に示すように、底質内21内に1又は複数の注入管8を挿入し、この注入管8を通して汚染物質分解材13を低圧で注入することにより、底質21の土壌間隙に汚染物質分解材13を注入するようにしてもよく、これは土壌間隙水を汚染物質分解材13に置き換えるものであり、押し出された土壌間隙水は注排水管路6a,6bから排出される。
上述した各実施例における汚染物質分解材は、次のものが使用できる。
化学物質
鉄、酸化鉄、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物
微生物
ダイオキシン類の嫌気分解微生物として……Dehalococcoides
PCBの嫌気性分解微生物として……Desulfomomnile tiedjei
ダイオキシン及びPCBの嫌気性分解微生物として
……分解能力を持つ微生物を含む堆肥等
上記化学物質は、これに海水を添加してスラリー状にて使用する。使用量は鉄粉(Fe)酸化鉄粉(FeO−Fe2O3の混合物)を使用する場合には両者の混合物を底質に対して5%〜50%(重量)混合させる。
底質に対して分解微生物の培養液を直接、あるいは分解能力を持つ堆肥等を粉砕し、海水を加えてスラリー化した後に、或いは分解微生物と堆肥等を混合しスラリー化した後に使用する。また、微生物の分解を促進する、栄養塩・有機物等の分解促進材を同時に添加してもよい。堆肥等の場合、底質に対して5〜50%となるように添加する。
試験例
図6に示す円筒型容器20の底部にダイオキシン6200pg−TEQ/gを含む底質21を入れ、その上に厚さ20cmの覆砂22を載せ、その上に底質に対して4倍料(重量)の水23を入れ、1ケ月後及び3ケ月後における水20へのダイオキシン溶出量を測定した。尚、本試験例では、覆砂しない場合、覆砂のみで吸着材を混入しない場合、覆砂に人工ゼオライトを5%混入させた場合、覆砂に活性炭1%を混入させた場合について試験を行った。その結果は第1表に示す如くであった。










第1表
Figure 2006198476

活性炭1%を混入した覆砂では、1ケ月後にダイオキシンの溶出は認められなかった。また、人工ゼオライト5%混入覆砂の1ケ月後及び活性炭1%混入覆砂の3ケ月後の溶出はいずれも0.1以下であった。この結果から、ゼオライトでは5%、活性炭では1%を添加することによりダイオキシンの溶出抑制作用が認められた。
本発明方法を実施するためのケーシングの一例を示す断面図である。 本発明方法の第1実施例の作業工程を示す断面図である。 図2に示す第1実施例の施工後に覆砂層を敷設した状態を示す断面図である。 本発明方法の第2実施例の作業工程を示す断面図である。 本発明方法の第2実施例における汚染物質分解材注入工程の他の例を示す断面図である。 本発明における覆砂によるダイオキシン溶出抑制試験例を示す断面図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 天板
3 撹拌軸
4 駆動装置
5 撹拌翼
6a,6b 注排水管路
7 分解材注入管
7a 分解材吐出ノズル
8 注入管
10 水底地盤
11 非汚染地盤
12 汚染底質層
13 汚染物質分解材
14 分解材混合底質
15 覆砂層
20 円筒型容器
21 底質
22 覆砂
23 水

Claims (9)

  1. 水底に堆積しているダイオキシン等の化学物質により汚染された底質に対し、水底の堆積位置にて、微生物又は化学物質からなる汚染物質分解材を混入させることにより無害化処理する汚染底質の無害化処理方法。
  2. 汚染物質分解材である微生物としては、還元的条件下で汚染物質の分解能力を持つ微生物を使用する請求項1に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  3. 汚染物質分解材である化学物質として、鉄、酸化鉄、カルシウム系化合物、マグネシ'ウム系化合物を使用する請求項1に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  4. 底質に対し、汚染物質分解材の混入前に活性炭及び/又はゼオライト等の吸着材を混合させた後、該底質に対して汚染物質分解材を混入させる請求項1,2又は3に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  5. 上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、ダイオキシン等の化学物質に汚染された底質を有する水底地盤表面より該地盤内に向けて圧入し、然る後、該ケーシング内に汚染物質分解材を供給し、前記撹拌翼を回転させることにより、底質に対して汚染物質分解材を混合させる請求項1〜3又は4に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  6. 汚染物質分解材を混合させた底質の表面に覆砂層を敷設する請求項1〜4又は5に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  7. 化学物質に汚染された底質の表面に覆砂層を設置した後、該底質に汚染物質分解材を混合させる請求項1,2又は3に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  8. 化学物質に汚染された底質を有する水底地盤表面に覆砂層を敷設した後、上端側が閉鎖され下端側が開放された筒状をなし、内部に撹拌翼を備えたケーシングを、前記覆砂層表面より前記水底地盤内に圧入し、然る後前記覆砂層下の底質内に汚染物質分解材を注入し、該底質内で前記撹拌翼を回転させることにより水底地盤表面に敷設した覆砂層下の底質に汚染物質分解材混合させる請求項7に記載の汚染底質の無害化処理方法。
  9. 覆砂層に、活性炭及び/又はゼオライト等の汚染物質吸着材を混入した砂を使用する請求項6,7又は8に記載の汚染底質の無害化処理方法。
JP2005010541A 2005-01-18 2005-01-18 汚染底質の無害化処理方法 Pending JP2006198476A (ja)

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