JP2012041116A - エレベータの点検システム - Google Patents
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Abstract
【課題】作業員が点検モードの切り替え操作を忘れても、安全性を確保して点検作業を行うことのできるエレベータの点検システムを提供する。
【解決手段】本実施形態によるエレベータの点検システムは、昇降路1内を昇降動作する乗りかご4の上あるいは昇降路1のピットにいる作業員を検出するかご上作業員検出装置19,20a,20bと、このかご上作業員検出装置19,20a,20bによる作業員の検出状態に応じて、点検モードへの切り替えを制御するモード切替え制御部2aと、点検モードに切り替えられた場合に、乗りかご4の運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って乗りかご4を通常速度よりも遅い速度で運転する運転制御部2bとからなる。
【選択図】 図1
【解決手段】本実施形態によるエレベータの点検システムは、昇降路1内を昇降動作する乗りかご4の上あるいは昇降路1のピットにいる作業員を検出するかご上作業員検出装置19,20a,20bと、このかご上作業員検出装置19,20a,20bによる作業員の検出状態に応じて、点検モードへの切り替えを制御するモード切替え制御部2aと、点検モードに切り替えられた場合に、乗りかご4の運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って乗りかご4を通常速度よりも遅い速度で運転する運転制御部2bとからなる。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータの乗りかごの上や昇降路のピットで点検作業を行う作業員の安全を確保するためのエレベータの安全システムに関する。
建物にエレベータの機械室を持たない所謂「マシンルームレスエレベータ」では、昇降路の最上部にエレベータ制御装置が設置されているのが一般的である。このようなエレベータにおいて、作業員は乗りかごの上に乗って、乗りかごを最上部のエレベータ制御装置の近くまで運転しながら点検作業を行う。その際、乗りかごが通常速度で移動しないように、乗りかご上に設置された点検スイッチの操作により点検モードに切り替えることで、乗りかごを低速で運転することが必要となる。
保守員が昇降路の最下部であるピットに入って点検作業を行う場合も同様である。すなわち、乗りかごあるいはカウンタウェイトが急速に降りてこないように、上記点検スイッチと同様の機能を有するピット安全スイッチの操作により、点検モードに切り替えて乗りかごを低速で運転することが必要となる。
なお、エレベータの点検作業に関し、保守員が所持する無線カードから現在位置を検知することにより、作業注意情報を通知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
上述したように、作業員が乗りかごの上やピットで点検作業を行う場合には、スイッチ操作により点検モードに切り替えることで、作業時の安全を確保していた。しかしながら、作業員が点検モードの切り替え操作を忘れると、乗りかごが通常の速度で動き出してしまう問題があった。
そこで、作業員が点検モードの切り替え操作を忘れても、安全性を確保して点検作業を行うことのできるエレベータの点検システムが望まれる。
実施形態によれば、昇降路内を昇降動作する乗りかごの上あるいは上記昇降路のピットにいる作業員を検出する作業員検出手段と、この作業員検出手段による作業員の検出状態に応じて、点検モードへの切り替えを制御するモード切替え制御手段と、このモード切替え制御手段によって上記点検モードに切り替えられた場合に、上記乗りかごの運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って上記乗りかごを通常速度よりも遅い速度で運転する運転制御手段とを具備したエレベータの点検システムが提供される。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は一実施形態に係るエレベータの点検システムの構成を示す図であり、ここでは、昇降路内にエレベータ制御装置を有するマシンルームエレベータの構成を例にしている。
図1に示すように、昇降路1の最上部に設置された巻上機3の近傍に、エレベータ制御装置2が設置されている。このエレベータ制御装置2は、エレベータ(乗りかご4)の運転動作を制御するための装置であり、小型・薄型の本体を有するコンピュータで構成されている。
巻上機3は、エレベータ制御装置2から出力される駆動指令により回転駆動する。この巻上機3の回転駆動により、乗りかご4とカウンタウェイト5がメインロープ6を介して昇降動作する。このとき、巻上機3の回転数に同期して、巻上機3の回転軸に取付けられたパルスジェネレータ7からパルス信号が出力される。エレベータ制御装置2は、このパルス信号の数を計数することで、乗りかご4の現在位置を検出する。
また、乗りかご4の正面の出入り口には、かごドア8が開閉自在に取り付けられている。乗りかご4が各階床の乗場30に着床すると、かごドア8が乗場ドア31に係合して開閉する。この場合、かごドア8に動力源(モータ)があり、乗場ドア31はかごドア8に連動して開閉する。
また、乗りかご4の上には、着床スイッチ9が設置されている。昇降路1内には、各階床の乗場30の位置(フロアレベル)に合わせて着床検知板10が昇降方向に配列されている。乗りかご4が乗場30に着床すると、着床スイッチ9が着床検知板10を検出してONする。エレベータ制御装置2は、この着床スイッチ9の信号を入力することにより、乗りかご4が乗場30に着床したことを検出する。
ここで、昇降路1の最下階の近くにピット安全スイッチ11が設けられている。このピット安全スイッチ11は、後述する点検スイッチ13,17と同様の機能を有し、作業員が手動操作により、通常モードから点検モードへの切り替えを行う場合に用いられる。通常、作業員が昇降路1のピットに入って点検作業を行う際に、このピット安全スイッチ11の操作により点検モードに切り替える必要があるが、本システムでは、その切り替え操作は不要となる。
また、乗りかご4の上には、かごブザー12、かご上点検スイッチ13、安全帯固定部14、かご上点検運転スイッチ22が設けられている。
かごブザー12は、点検作業を行う作業員に注意を促すための警告音を発生する。安全帯固定部14は、乗りかご4の上にいる作業員に装着された安全帯14aを固定しておく。
かご上点検スイッチ13は、作業員が手動操作により、通常モードから点検モードへの切り替えを行う場合に用いられる。「通常モード」とは、乗場呼びやかご呼びに応答して、通常速度(定格速度)で乗りかご4を運転するモードのことである。「点検モード」とは、作業員の運転操作に従って、通常速度(定格速度)よりも遅い速度で乗りかご4を上昇あるいは下降方向に運転するモードのことである。通常、作業員が乗りかご4の上で点検作業を行う際に、このかご上点検スイッチ13の操作により点検モードに切り替える必要があるが、本システムでは、その切り替え操作は不要となる。
かご上点検運転スイッチ22は、点検モードのときに、作業員が乗りかご4を上昇または下降方向に運転する場合に用いられる。この場合、点検モードが設定されているので、乗りかご4は通常運転時の速度よりも遅い速度で、ゆっくりと移動することになる。
また、乗りかご4内の操作パネル上には、かご内点検運転スイッチ15、かご内非常停止スイッチ16、かご内点検スイッチ17が設けられている。
かご内点検運転スイッチ15は、点検モードのときに、作業員が乗りかご4を上昇または下降方向に運転する場合に用いられる。上記かご上点検運転スイッチ22は乗りかご4に乗った作業員が操作するのに対し、かご内点検運転スイッチ15はピット作業で乗りかご4内に乗った別の作業員が操作する。この場合も、上記かご上点検運転スイッチ22を操作したときと同様に、点検モードが設定されているので、乗りかご4は通常運転時の速度よりも遅い速度で、ゆっくりと移動することになる。
かご内非常停止スイッチ16は、乗りかご4の運転を停止させるためのスイッチであり、ピット作業で乗りかご4の動きをロックしておく場合などに用いられる。
かご内点検スイッチ17は、作業員が手動操作により、通常モードから点検モードへの切り替えを行う場合に用いられる。通常、作業員が昇降路1のピットに入って点検作業を行う際に、乗りかご4内に乗り込んだ別の作業員がこのかご内点検スイッチ17を操作して点検モードに切り替える必要があるが、本システムでは、その切り替え操作は不要となる。
ここで、本システムでは、上記構成に加え、乗りかご4の上に設置されたかご上作業員検出装置19と、乗りかご4の下部に設置されたピット作業員検出装置20aと、カウンタウェイト5の下部に設置されたピット作業員検出装置20bと、乗りかご4の上の安全帯固定部14に設置された安全帯検出スイッチ21とを備える。
かご上作業員検出装置19は、乗りかご4の上で作業員が持つlCチップ18を所定の範囲内(数m以内)で非接触で検出する。ピット作業員検出装置20a,20bは、昇降路1内にピットにいる作業員が持つlCチップ18を所定の範囲内(数m以内)で非接触で検出する。
lCチップ18は、例えば作業員が常時携帯するカード状の従業員証あるいは名札などに内蔵されている。これにより、乗りかご4の上に作業員が来たときに、乗りかご4の上に設置されたかご上作業員検出装置19にて検出することができる。同様に、昇降路1のピットの中に作業員が来たときに、乗りかご4の下部に設置されたピット作業員検出装置20aあるいはカウンタウェイト5の下部に設置されたピット作業員検出装置20bにて検出することができる。
なお、lCチップ18の非接触検出方法としては電磁誘導方式が用いられるが、その具体的な方法について公知であるため、ここでは説明を省略するものとする。また、lCチップ18の他に、例えば人感センサや温度センサ、光センサなどを用いて作業員を検出する構成であっても良い。
安全帯検出スイッチ21は、作業員が安全帯14aを装着したことを機械的あるいは電気的に検出する。
上述したパルスジェネレータ7の信号や各種スイッチ11,13,15,16,17,21の信号や、作業員検出装置19,20の信号などは、それぞれに図示せぬ伝送ケープを介してエレベータ制御装置2に送られる。
このエレベータ制御装置2には、点検作業に関する機能として、モード切替え制御部2aおよび運転制御部2bを備える。
モード切替え制御部2aは、かご上作業員検出装置19、ピット作業員検出装置20aあるいはピット作業員検出装置20bによる作業員の検出状態に応じて、点検モードへの切り替えを制御する。
運転制御部2bは、モード切替え制御部2aによって点検モードに切り替えられた場合に、乗りかご4の運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って乗りかご4を通常速度よりも遅い速度で運転する。
次に、同実施形態の動作を説明する。
図2および図3は同実施形態におけるエレベータの点検システムの処理動作を示すフローチャートである。
図2および図3は同実施形態におけるエレベータの点検システムの処理動作を示すフローチャートである。
まず、かご上作業時の動作について説明する。
作業員が図示せぬアンロックキーを使用して乗場ドア8を開き、乗りかご4の上に乗る。乗りかご4の上に設置されたかご上作業員検出装置19がICチップ18を検出すると(ステップS1,S2のYes)、エレベータ制御装置2は、乗りかご4をその場所で停止させて、エレベータの運転を禁止する(ステップS3)。
作業員が図示せぬアンロックキーを使用して乗場ドア8を開き、乗りかご4の上に乗る。乗りかご4の上に設置されたかご上作業員検出装置19がICチップ18を検出すると(ステップS1,S2のYes)、エレベータ制御装置2は、乗りかご4をその場所で停止させて、エレベータの運転を禁止する(ステップS3)。
ここで、作業員が安全帯14aを安全帯固定部14に取り付けたことが安全帯検出スイッチ21によって検出されると(ステップS4のYes)、エレベータ制御装置2は、エレベータの運転モードを通常モードから点検モードに切り替えて(ステップS5)、かご上点検運転スイッチ22の操作に従った点検運転を許可する(ステップS6)。これにより、乗りかご4の上に乗った作業員は、かご上点検運転スイッチ22を操作しながら、乗りかご4を上昇あるいは下降方向に移動させて点検作業を行うことができる。
一方、安全帯検出スイッチ21によって安全帯14aが検出されなかった場合(ステップS4のNo)、エレベータ制御装置2は、エレベータの運転禁止状態を維持する(ステップS3)。
すなわち、作業員が乗りかご4の上に乗って点検作業を行う場合に、安全帯検出スイッチ21によって安全帯14aが検出されるまでは、エレベータの運転が禁止され、点検モードには切り替えられない。そして、安全帯検出スイッチ21によって安全帯14aが検出されると、点検モードに切り替えられ、乗りかご4を通常速度よりも遅い速度で上昇あるいは下降方向に移動させることができる。
作業員が安全帯14aを安全帯固定部14から取り外し、安全帯検出スイッチ21が安全帯14aを検出しなくなると(ステップS7のYes)、エレベータ制御装置2は、乗りかご4をその場所で停止させて、運転禁止状態とする(ステップS8)。
作業員の安全帯14aが外された後、かご上作業員検出装置19によってICチップ18が検出されている場合には(ステップS9のYes)、エレベータ制御装置2は、作業員が乗りかご4の上にまだいるものと判断して、運転禁止状態を維持する(ステップS3)。
また、かご上作業員検出装置19によってICチップ18が検出されなかった場合には(ステップS9のYes)、エレベータ制御装置2は、作業員が乗りかご4から降りたものと判断して、点検モードを終了する(ステップS12)。
ここで、本システムでは、かご上点検スイッチ13を操作しなくても、点検モードに切り替えられるようになっている。しかし、点検モードを完全に自動化してしまうと、作業員の注意力が薄れるため、点検モードを終了するときには、作業員にかご上点検スイッチ13を操作させることが好ましい。
すなわち、上記ステップS9において、ICチップ18が検出されなかった場合に、エレベータ制御装置2は、かご上点検スイッチ13の状態を確認する(ステップS10)。作業員が点検作業を行う前は、かご上点検スイッチ13は“通常”の状態に設定されている。したがって、かご上点検スイッチ13が“通常”のままであった場合には(ステップS10のNo)、エレベータ制御装置2は、例えばかごブザー12を鳴らすなどして、かご上点検スイッチ13の操作を促す(ステップS14)。
これにより、エレベータ制御装置2は、作業員によってかご上点検スイッチ13が“点検”の状態に切り替えられたことを確認した後に(ステップS14)、このかご上点検スイッチ13を再び“通常”に戻して(ステップS11)、点検モードを終了する(ステップS12)。
また、作業員が点検作業に入る前に、今までの習慣で、かご上点検スイッチ13を“点検”の状態に切り替えることもある。この場合、かご上点検スイッチ13の操作に関係なく、点検モードが自動的に設定される。そして、上記ステップS10では、かご上点検スイッチ13が“点検”の状態に切り替えられていることにより、エレベータ制御装置2は、かご上点検スイッチ13を通常”にして(ステップS11)、点検モードを終了する(ステップS12)。
このようにして、点検モードを終了した後、エレベータ制御装置2は、乗りかご4を通常速度で運転することを許可する(ステップS13)。
次に、ピット作業時の動作について説明する。
作業員が図示せぬアンロックキーを使用して最下階の乗場ドア8を開き、昇降路1のピットに入る。なお、ピット作業時には、運転要員として、別の作業員が乗りかご4の中にいるものとする。
作業員が図示せぬアンロックキーを使用して最下階の乗場ドア8を開き、昇降路1のピットに入る。なお、ピット作業時には、運転要員として、別の作業員が乗りかご4の中にいるものとする。
乗りかご4の下部に設置されたピット作業員検出装置20aまたはカウンタウェイト5に設置されたピット作業員検出装置20bがICチップ18を検出すると(ステップS21)、エレベータ制御装置2は、乗りかご4をその場所で停止させて、かごブザー12を一定時間鳴動させる(ステップS22)。かごブザー12の鳴動により、昇降路1のピットに入る作業員に乗りかご4が近くにあることを知らせることができる。
かごブザー12の鳴動が停止すると、エレベータ制御装置2は、エレベーの運転モードを点検モードに切り替える(ステップS23)。そして、エレベータ制御装置2は、乗りかご4を通常速度での運転を禁止すると共に、最下階および最上階への移動を禁止する(ステップS24)。これにより、昇降路1のピットに入った作業員は、安全に点検作業を行うことができる。
なお、最下階および最上階への移動禁止は、エレベータ制御装置2がモータ3に取り付けられたパルスジェネレータ7のパルス信号を計数することにより、乗りかご4が最下階の1階床上の位置および最上階の1階床下の位置にきたことを検出することで行う。あるいは、乗りかご4に設けられた着床スイッチ9が最下階の1階床上の着床検知板9および最上階の1階床下の着床検知板9を検出することで行う。これにより、昇降路1のピットに入った作業員に下降中の乗りかご4またはカウンタウェイト5がぶつかることを回避することができる。
ここで、乗りかご4を最下階まで下降させる場合を想定する。
乗りかご4内にいる別の作業員がかご内点検運転スイッチ15を操作して、乗りかご4を最下階の1階床上まで移動させると(ステップS25)、エレベータ制御装置2は、かごブザー12を鳴動させる(ステップS26)。そして、かごブザー12の鳴動中に、かご内点検運転スイッチ15の操作が継続されていた場合、つまり、さらに下降させる操作があった場合には(ステップS27のYes)、エレベータ制御装置2は、作業員の存在を確認するために、乗りかご4の下部に設けられたピット作業員検出装置20aがICチップ18を検出しているか否かを判断する(ステップS28)。
乗りかご4内にいる別の作業員がかご内点検運転スイッチ15を操作して、乗りかご4を最下階の1階床上まで移動させると(ステップS25)、エレベータ制御装置2は、かごブザー12を鳴動させる(ステップS26)。そして、かごブザー12の鳴動中に、かご内点検運転スイッチ15の操作が継続されていた場合、つまり、さらに下降させる操作があった場合には(ステップS27のYes)、エレベータ制御装置2は、作業員の存在を確認するために、乗りかご4の下部に設けられたピット作業員検出装置20aがICチップ18を検出しているか否かを判断する(ステップS28)。
その結果、ピット作業員検出装置20aがICチップ18を検出していれば(ステップS28のYes)、エレベータ制御装置2は、ピットに作業員がいるというものと判断して、最下階への移動を禁止する(ステップS24)。
また、ピット作業員検出装置20aがICチップ18を検出していなければ(ステップS28のNo)、エレベータ制御装置2は、乗りかご4を最下階に向けて移動させる(ステップS29)。
ただし、検出精度を高めるために、ピット作業員検出装置20aの検出範囲は狭く設定されている(他の作業員検出装置20bやかご上作業員検出装置19も同様)。このため、ピット作業員検出装置20aがピットから離れていると、ピット作業員検出装置20aにてICチップ18を検出できないことがある。
そこで、最下階への移動に伴い、ピット作業員検出装置20aがピットに近づいたときに、再びICチップ18の検出を行う(ステップS30)。そして、もしICチップ18を検出できた場合には(ステップS30のYes)、エレベータ制御装置2は、作業員がピットにいないものと判断し、直ちに乗りかご4の下降動作を停止し、そこから最下階の1階床上へ移動させて止める(ステップS36)。ICチップ18が検出されなければ(ステップS30のNo)、エレベータ制御装置2は、作業員がピットにいないものと判断して、そのまま最下階へ移動させる(ステップS31)。
なお、乗りかご4を最上階へ移動させる場合も同様である。つまり、乗りかご4の上昇に伴い、カウンタウェイト5が下降するため、昇降路1のピットに作業員がいると危険である。そこで、乗りかご4内にいる別の作業員がかご内点検運転スイッチ15を操作して乗りかご4を最上階へ移動させるときに、かごブザー12を鳴動し、カウンタウェイト5の下部に設置されたピット作業員検出装置20bでlCチップ18を2段階で検出することで乗りかご4の上昇方向の運転を制御する。
また、ピット作業員検出装置20aによってlCチップ18が検出されずに乗りかご4が最下階まで到着した場合、あるいは、ピット作業員検出装置20bによってlCチップ18が検出されずに乗りかご4が最上階まで到着した場合に(ステップS30,S31)、エレベータ制御装置2は、作業員が昇降路1のピットから出たものと判断して、点検モードを終了する(ステップS34)。
その際、上述したかご上作業時と同様に、点検モードを完全に自動化してしまうと、作業員の注意力が薄れるため、点検モードを終了するときには、乗りかご4内にいる作業員にかご内点検スイッチ17を操作させることが好ましい。
すなわち、上記ステップS32において、ICチップ18が検出されなかった場合に、エレベータ制御装置2は、かご内点検スイッチ17の状態を確認する(ステップS33)。作業員が点検作業を行う前は、かご内点検スイッチ17は“通常”の状態に設定されている。したがって、かご内点検スイッチ17が“通常”のままであった場合には(ステップS32のNo)、エレベータ制御装置2は、例えばかごブザー12を鳴らすなどして、かご内点検スイッチ17の操作を促す(ステップS37)。
これにより、作業員によってかご内点検スイッチ17が“点検”の状態に切り替えられたことを確認した後に(ステップS37)、このかご内点検スイッチ17を再び“通常”に戻して(ステップS33)、点検モードを終了する(ステップS35)。
また、作業員が点検作業に入る前に、今までの習慣で、かご内点検スイッチ17を“点検”の状態に切り替えることもある。この場合、かご内点検スイッチ17の操作に関係なく、点検モードが自動的に設定される。そして、上記ステップS32では、かご内点検スイッチ17が“点検”の状態に切り替えられていることにより、エレベータ制御装置2は、かご内点検スイッチ17を通常”にして(ステップS33)、点検モードを終了する(ステップS34)。
このようにして、点検モードを終了した後、エレベータ制御装置2は、乗りかご4を通常速度で運転することを許可する(ステップS35)。
このように本実施形態によれば、作業員がかご上あるいはピットに入って点検作業する場合において、ICチップなどを用いて作業員の所在を検出することにより、自動的に点検モードに切り替えられる。したがって、作業員が点検モードの切り替え操作(内点検スイッチの操作)を忘れても、点検モードとして乗りかごの運転を規制することができ、かご上あるいはピットにいる作業員の安全を確保することができる。
また、点検モードを終了して通常モードに戻るときに、作業員にスイッチ操作を促すようにしたことで、作業員に点検モード中であったことを改めて認識させて自動化による慣れを防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、かご上点検スイッチ13およびかご内点検スイッチ17を作業員が手動操作により点検作業の終了を明示的に指示するための特定のスイッチとして用いたが、別のスイッチを上記特定のスイッチとして用いるようにしても良い。
また、ピット作業時に作業員が1人で点検作業をする場合には、昇降路1内に設けられたピット安全スイッチ11を上記特定のスイッチとして用いて、点検作業の終了を明示的に指示することでも良い。
さらに、図1の例ではマシンルームレスエレベータの構成を示したが、本発明は制御装置が機械室にあるエレベータなどであっても同様に適用可能である。
要するに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…昇降路、2…エレベータ制御装置、2a…モード切替え制御部、2b…運転制御部、3…巻上機、4…乗りかご、5…カウンタウェイト、6…メインロープ、7…パルスジェネレータ、8…かごドア、9…着床スイッチ、10…着床検知板、11…ピット安全スイッチ、12…かごブザー、13…かご上点検スイッチ、14…安全帯固定部、15…かご内点検運転スイッチ、16…かご内非常停止スイッチ、17…かご内点検スイッチ、18…lCチップ、19…かご上作業員検出装置、20a,20b…ピット作業員検出装置、21…安全帯検出スイッチ、22…かご上点検運転スイッチ、30…乗場、31…乗場ドア。
Claims (5)
- 昇降路内を昇降動作する乗りかごの上あるいは上記昇降路のピットにいる作業員を検出する作業員検出手段と、
この作業員検出手段による作業員の検出状態に応じて、点検モードへの切り替えを制御するモード切替え制御手段と、
このモード切替え制御手段によって上記点検モードに切り替えられた場合に、上記乗りかごの運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って上記乗りかごを通常速度よりも遅い速度で運転する運転制御手段と
を具備したことを特徴とするエレベータの点検システム。 - 上記乗りかごの上で作業員に安全帯が装着されたことを検出する安全帯検出手段を備え、
上記モード切替え制御手段は、
上記作業員検出手段によって上記乗りかご上にいる作業員が検出され、上記安全帯検出手段によって上記安全帯の装着が検出された場合に上記点検モードに切り替えることを特徴とする請求項1記載のエレベータの点検システム。 - 作業員が手動操作により点検作業の終了を明示的に指示するための特定のスイッチを備え、
上記モード切替え制御手段は、
上記点検モードの実行中に上記作業員検出手段によって作業員が検出されなくなった場合に上記特定のスイッチが操作されたことを確認した上で上記点検モードを終了することを特徴とする請求項1記載のエレベータの点検システム。 - 上記運転制御手段は、
上記作業員検出手段によって上記昇降路のピットにいる作業員が検出された場合に、上記乗りかごの運転速度を規制し、作業員による運転操作に従って上記乗りかごを通常速度よりも遅い速度で運転すると共に最下階および最下階への移動を禁止することを特徴とする請求項1記載のエレベータの点検システム。 - 上記作業員検出手段は、
作業員が持つlCチップを所定の範囲内で非接触で検出することを特徴とする請求項1記載のエレベータの点検システム。
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