JP2010235824A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐加水分解性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。詳しくは、太陽電池用バックシートとした際に環境変化による劣化が少なく、耐久性が優れた太陽電池用バックシートを提供し、電気絶縁用フィルムとした際に厳しい環境下でも劣化せず、耐久性に優れた電気絶縁用フィルムを提供する。
【解決手段】二軸配向ポリエステルフィルムは、示差走査熱量分析(DSC)による結晶化パラメータΔTcgが70〜110℃であり、カルボキシル末端量が0.1〜10当量/トンであり、固有粘度が0.50〜0.90dl/gの二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐加水分解性に優れた二軸配向ポリエステルフィルム、それを用いた太陽電池用バックシートおよび電気絶縁用フィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムは、優れた機械特性、熱特性、電気特性、表面特性および耐熱性などの性質を利用して、磁気記録媒体用、電気絶縁用、太陽電池用、コンデンサー用、包装用および各種工業用材料など種々の用途に用いられている。これらの用途の高品質化の中で、例えば、近年、半永久的で無公害の次世代のエネルギー源としてクリーンエネルギーである太陽電池の需要が伸びており、太陽電池の高寿命化として太陽電池用バックシートの耐久性(耐加水分解性)向上の要求が高まっている。また、次世代冷媒を使用した電動カーエアコンの電気絶縁用フィルムも耐加水分解性の向上が求められている。
耐加水分解性の向上について、種々の検討が行われている。具体的に、カルボジイミド化合物を添加し、ポリエステル樹脂の耐加水分解性を向上させる技術が提案されている(特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、これらの提案ではフィルムについての詳細な記載はなく、樹脂の耐加水分解性向上がそのままフィルムでの耐加水分解性にはならないため、特許文献1および2の樹脂組成物をフィルム化しても、要求特性を達成することは困難である。
また、フィルムの固有粘度(IV)や面配向係数(fn)を制御する技術が提案されている(特許文献3参照。)。しかしながら、次世代の要求はさらに高まっており、この提案では要求特性を達成することは困難である。
また、カルボジイミド化合物を添加し、ポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させる技術が提案されている(特許文献4および特許文献5参照。)。しかしなから、これらの提案では高い固有粘度のフィルムであったり、ポリイミドを含有していたりと安定製膜が難しくさらにカルボジイミド化合物はポリエステルの押出条件では熱分解を起こし、分解ガスが発生するなど問題があるため、生産性に課題がある。また、近年の要求特性の高まりからさらなる耐加水分解性の向上が必要となり要求特性の達成が困難である。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、ポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させるには、固有粘度およびカルボキシル末端量と合わせて結晶化しにくいこと(結晶化パラメータΔTcgが大きい)が重要であることを見出した。ポリエステルは、湿熱処理によって伸度が低下する。これは、水分による分子鎖の切断だけでなく、結晶化が同時進行で起こるため脆化が促進されていることがわかった。そこで、結晶化パラメータをある特定の範囲にすることにより耐加水分解性が飛躍的に向上することを見出した。
特開平11−34048号公報 特表平11−506487号公報 特開2007−70430号公報 特開平9−7423号公報 特開2003−160718号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決し、耐加水分解性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。詳しくは、本発明の目的は、太陽電池用バックシートとした際に環境変化による劣化が少なく、耐久性が優れた太陽電池用バックシートを提供し、電気絶縁用フィルムとした際に厳しい環境下でも劣化せず、耐久性に優れた電気絶縁用フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(8)を特徴とするものである。
(1)示差走査熱量分析(DSC)による結晶化パラメータΔTcgが70〜110℃であり、カルボキシル末端量が0.1〜10当量/トンであり、固有粘度が0.50〜0.90dl/gであることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム
(2)125℃の温度、100%RHの湿度で72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%であることを特徴とする上記(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)300℃の温度で30分間における熱分解重量減少量が0〜0.2重量%であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)300℃の温度で30分間におけるイソシアネート系ガスの発生量が0〜0.05重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)末端封止剤を0.1〜5重量%含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6)末端封止剤がカルボジイミド化合物であることを特徴とする上記(5)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(7)面配向係数fnが0.155〜0.180であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを用いた太陽電池用バックシート。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを用いた電気絶縁用フィルム。
本発明によれば、耐加水分解性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムであって、詳しくは、太陽電池用バックシートとした際に環境変化による劣化が少なく、耐久性が優れた太陽電池用バックシートを提供し、電気絶縁用フィルムとした際に厳しい環境下でも劣化せず、耐久性に優れた電気絶縁用フィルムを得ることができる。
本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムとは、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマー(ポリエステル)で構成されたものである。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸および4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。
上記の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分としては、炭素数2〜10のアレキレンが好ましく、具多的に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分は主成分として用いることもできるが、他の芳香族ポリエステル成分と共重合させることが好ましい。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の好ましい共重合量は、5〜50モル%であり、より好ましくは10〜40モル%、さらに好ましくは15〜30モル%である。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコールおよび2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコールやイソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトールおよび2,4−ジオキシ安息香酸等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分とジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、およびp−アミノフェノールやp−アミノ安息香酸などを、本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合させることができる。ポリマーの共重合割合は、NMR法(核磁気共鳴法)や顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)を用いて調べることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。また、ポリエステルはこれらの共重合体、変性体および他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイでもよい。ここでいうポリマーアロイとは高分子多成分系化合物のことであり、共重合によるブロックコポリマーであってもよいし、混合などによるポリマーブレンドでもよい。結晶性の観点からポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが主成分であることが好ましく、特に90%以上がポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、示差走査熱量分析(DSC)による結晶化パラメータΔTcgが70〜110℃であることが必要である。結晶化パラメータΔTcgが70℃より小さいと、ポリエステルの結晶化速度が速すぎて湿熱処理による結晶化が促進され耐加水分解性が悪化する。また、結晶化パラメータΔTcgが110℃以上を超えると、結晶化速度が遅すぎるためポリエステルフィルムの結晶化度が低くなりやすく、機械物性や耐熱性が低く、また、延伸工程で配向結晶化が起こりにくく耐加水分解性も悪化する。結晶化パラメータΔTcgの好ましい下限値は75℃であり、さらに好ましい下限値は80℃である。また、結晶化パラメータΔTcgの好ましい上限値は105℃であり、さらに好ましい上限値100℃である。結晶化パラメータΔTcgの好ましい範囲は75〜105℃であり、さらに好ましい範囲は80〜100℃である。
結晶化パラメータは、ポリエステルの結晶化速度を表す指標であり、分子構造が結晶化し難いポリエステルであれば大きくなり、結晶化しやすい分子構造であれば小さくなる。さらに、フィルムの固有粘度も影響し、フィルムの固有粘度が高いほど結晶化パラメータが大きくなり、フィルムの固有粘度が低いほど小さくなる。また、末端封止剤を添加すると分子鎖の末端に末端封止剤が結合するため結晶化し難くなり、結晶化パラメータが大きくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、カルボキシル末端量が0.1〜10当量/tであることが必要である。カルボキシル末端はプロトンを解離し、加水分解の触媒的な作用をするため、カルボキシル末端量が10当量より大きい場合は、耐加水分解性が悪化する。一方、カルボキシル末端量が0.1当量/tより小さいポリエステルを得ることは困難である。耐加水分解性向上のためには、カルボキシル末端量はできるだけ小さい方が好ましい。カルボキシル末端量の好ましい上限値は7当量/tであり、さらに好ましい上限値は5当量/tである。カルボキシル末端量の好ましい範囲は0.1〜7当量/tであり、さらに好ましい範囲は0.1〜5当量/tである。
カルボキシル末端量は、ポリエステルに末端封止剤を添加するとポリエステルのカルボキシル末端と末端封止剤が結合し、カルボキシル末端量が減少する。末端封止剤の添加量によって、カルボキシル末端量を制御することができる。また、末端封止剤の種類によってカルボキシル末端との反応性が変わるため、カルボキシル末端量が変化する。また、カルボキシル末端量は多くの要因で変化するが特にマスターチップの固有粘度が大きく影響する。マスターチップの固有粘度が高いほどカルボキシル末端量は小さくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、固有粘度が0.50〜0.90dl/gであることが必要である。固有粘度が0.50dl/gより小さいと、分子鎖が短く一度加水分解が起こると加速的に加水分解が起こるため耐加水分解性が悪化する。一方、固有粘度が0.90dl/gより大きいと、溶融状態で粘度が高くフィルム製膜時の押出機に負荷がかかり安定した吐出が困難となる。また、延伸による配向がつきにくく延伸倍率を高める必要がでてくるため、フィルム破れが多く製膜安定性に劣る。
好ましい固有粘度の下限値は0.60dl/gであり、さらに好ましい下限値は0.70dl/gである。また、好ましい固有粘度の上限値は0.85dl/gであり、さらに好ましい上限値は0.80dl/gである。固有粘度の好ましい範囲は0.60〜0.85dl/gであり、さらに好ましい範囲は0.70〜0.80dl/gである。
フィルムの固有粘度は、特に原料の固有粘度が影響する。フィルムの固有粘度は、原料の固有粘度やマスターペレットの固有粘度が高いほど高くなる。また、押出機の温度が高いと熱分解などにより固有粘度が落ちることがあるため、できるだけ低温で押し出すことにより固有粘度の低下を防ぐことができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、125℃の温度、100%RHの湿度で72時時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%であることが好ましい。破断伸度の保持率が10%より小さいと、太陽電池用バックシートや電気絶縁用フィルムにした際に耐久性が悪化する傾向を示す。また、破断伸度の保持率が100%であることは、125℃の温度、100%RHの湿度で72時間の処理では変化しないことを表し、最も好ましい態様である。破断伸度の保持率が100%より大きいとポリエステルフィルムが配向緩和し易いことを表すため、機械物性が低く取扱が困難となる。より好ましい破断伸度の保持率は下限値は20%であり、さらに好ましい下限値は30%である。破断伸度の保持率のより好ましい範囲は20〜100%であり、さらに好ましい範囲は30〜100%である。
温度125℃湿度100%RHという環境下では、ポリエステルフィルムは加水分解や熱結晶化を起こし破断伸度が低下する。破断伸度の保持率を高めるためには加水分解や熱結晶化を抑制する必要があり、加水分解の抑制にはカルボキシル末端量を低減し、熱結晶化の抑制には結晶化パラメータを大きくすることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、300℃の温度で30分間における熱分解重量減少量が0〜0.2重量%であることが好ましい。熱分解重量減少量が0.2重量%より大きいと熱分解し易いことを表し、製膜時に熱分解がおこり欠点が発生したり、フィルムが破れたりする傾向を示す。また、熱分解重量減少量が0重量%より小さいとは300℃の温度で30分間で反応していることを表す。より好ましい上限は0.15重量%、さらに好ましい上限は0.1重量%である。より好ましい熱分解重量減少量の範囲は0〜0.15重量%であり、さらに好ましい範囲は0〜0.1重量%である。
熱分解重量減少量は、添加した末端封止剤が分解されガスが発生によって変化する。特に、末端封止剤の種類によって耐熱性が異なり熱分解重量減少量が変化する、ポリカルボジイミドは、耐熱性が高く熱分解重量減少量が小さい。ポリマーとモノマーでは、ポリマーの方が熱分解重量減少量は小さい。同種の添加剤であれば、添加量が少ないほど熱分解重量減少量は小さくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、300℃の温度で30分間におけるイソシアネート系ガスの発生量が0〜0.02重量%であることが好ましい。イソシアネート系ガスとはイソシアネート基をもつガスであり、例えば、ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート、2−アミノ−1,3,5−トリイソプロピルフェニル−6−イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびシクロヘキシルイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアネート系ガスの発生量が0.02重量%より大きいと、製膜時にイソシアネート系ガスの発生により作業者の体調悪化などの問題が発生する可能性がある。イソシアネート系ガス発生量は0重量%であることが最も好ましい。より好ましい上限は0.015重量%であり、さらに好ましい上限は0.01重量%である。イソシアネート系ガスの発生量のより好ましい範囲は0〜0.015重量%であり、さらに好ましい範囲は0〜0.1重量%である。
イソシアネート系ガス発生量は、添加した末端封止剤が分解されガスの発生によって変化する。特に、末端封止剤の種類によって耐熱性が異なりイソシアネート系ガス発生量が変化する。同種の添加剤であれば、添加量が少ないほどイソシアネート系ガス発生量は小さくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、末端封止剤を0.1〜5重量%含有することが好ましい。末端封止剤が0.1重量%より少ないと、カルボキシル基を封止する効果が小さく耐加水分解性が悪化する。また、末端封止剤が5重量%よりも大きいと製膜時に異物が多く発生したり、分解ガスが発生したりして生産性に影響がある。より好ましい末端封止剤の含有量の上限値は4重量%であり、さらに好ましい上限値は2重量%である。より好ましい末端封止剤の含有量の下限値は0.3重量%、さらに好ましい下限値は0.5重量%である。末端封止剤の含有量のより好ましい範囲は0.3〜4重量%であり、さらに好ましい範囲は0.5〜2重量%である。
末端封止剤とは、ポリエステルの末端のカルボキシル基と反応し、ポリエステルのカルボキシル末端量を減少させる添加剤であり、カルボジイミド基、エポキシ基およびオキサゾリン基を有する化合物であることが好ましい。
カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物は、一官能性カルボジイミドと多官能性カルボジイミドがあり、一官能性カルボジイミドとしては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミドおよびジ−β−ナフチルカルボジイミドなどが挙げられる。特に好ましくは、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドである。
また、多官能性カルボジイミドとしては、重合度3〜15のカルボジイミドが好ましく用いられる。具体的には、1,5−ナフタレンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルジメチルメタンカルボジイミド、1,3−フェニレンカルボジイミド、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンカルボジイミド、2,6−トリレンカルボジイミド、2,4−トリレンカルボジイミドと2,6−トリレンカルボジイミドの混合物、ヘキサメチレンカルボジイミド、シクロヘキサン−1,4−カルボジイミド、キシリレンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−カルボジイミド、メチルシクロヘキサンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドおよび1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−カルボジイミドなどを例示することができる。
カルボジイミド化合物は、熱分解によりイソシアネート系ガスが発生するため、耐熱性の高いカルボジイミド化合物が好ましい。耐熱性を高めるためには、分子量(重合度)が高いほど好ましく、より好ましくはカルボジイミド化合物の末端を耐熱性の高い構造にすることが好ましい。また、一度熱分解を起こすとさらなる熱分解を起こし易くなるため、ポリエステルの押出温度をなるべく低温下にするなどの工夫が必要である。
また、エポキシ化合物の好ましい例としては、グリシジルエステル化合物やグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。
グリシジルエステル化合物の具体例としては、安息香酸グリシジルエステル、t−Bu−安息香酸グリシジルエステル、P−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ペラルゴン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ベヘン酸グリシジルエステル、バーサティク酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレイン酸グリシジルエステル、ベヘノール酸グリシジルエステル、ステアロール酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステルおよびピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどを挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、グリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエ−テル、O−フェニルグリシジルエ−テル、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ブタン、1,6−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ヘキサン、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ベンゼン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−エトキシエタン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−ベンジルオキシエタン、2,2−ビス−[р−(β,γ−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどのビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応で得られるビスグリシジルポリエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、オキサゾリン化合物としては、ビスオキサゾリン化合物が好ましく、具体的には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−9,9’−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)および2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等を例示することができる。これらの中では、ポリエステルとの反応性の観点から、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)が最も好ましく用いられる。さらに、上記で挙げたビスオキサゾリン化合物は本発明の目的を達成する限り、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもどちらでも良い。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、面配向係数が0.155〜0.300であることが好ましい。面配向係数は、より好ましくはポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合は0.155〜0.180であり、ポリエチレンナフタレートの場合は0.180〜0.300である。ポリエチレンテレフタレートの場合、面配向係数が0.155より小さいと分子鎖の配向が小さく機械物性や耐加水分解性が低下する傾向がある。また、面配向係数が0.180より大きいフィルムは極度に配向させる必要があるため製膜時にフィルム破れが多発し製膜性が悪化することがある。面配向係数のより好ましい下限値は0.157であり、さらに好ましい下限値は0.160である。より好ましい上限値は0.175であり、さらに好ましい上限値は0.170である。より好ましい範囲は0.157〜0.175であり、さらに好ましい範囲は0.160〜0.170である。
また、ポリエチレンナフタレートの場合は、面配向係数が0.180より小さいと分子鎖の配向が小さく耐加水分解性が低下する傾向がある。また、面配向係数が0.300より大きいフィルムは極度に配向させる必要があるため製膜時にフィルム破れが多発し製膜性が悪化することがある。より好ましい面配向係数の下限値は0.200であり、さらに好ましい下限値は0.220である。より好ましい面配向係数の上限値は0.290であり、さらに好ましい上限値は0.280である。面配向係数のより好ましい範囲は0.200〜0.290であり、さらに好ましい範囲は0.220〜0.280である。
面配向係数は、ポリエステルフィルムの延伸条件によって制御することができる。特に、本発明のポリエステルフィルムは、ΔTcgが大きいため面配向係数を高めにくい。面配向係数を上記のような範囲内にするには、最初に低温でMD延伸を行い、その後温度を上げてMD延伸する2段階MD延伸を行うことが好ましい。面配向係数は延伸倍率が高いほど高くなるが、倍率が高すぎると製膜性が悪くなるため、最適な延伸倍率がある。
本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムとしての厚みは、用途に応じて適宜決定できるが、太陽電池バックシートや電気絶縁フィルム用途では25〜250μmが好ましい。この厚みが25μmより小さい場合、フィルムの腰がなくなり搬送が難しいなどの問題がある。一方、この厚みが250μmより大きい場合は、フィルムが厚すぎて加工性に優れないことがある。厚みの下限値はより好ましくは30μmであり、さらに好ましくは40μmである。また、厚みの上限値はより好ましくは220μmであり、さらに好ましくは200μmである。厚みのより好ましい範囲は30〜220μmであり、より好ましい範囲は40〜200μmである。
上記したような本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、例えば、次のようにして製造される。まず、二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムを製造する。ポリエステルフィルムを製造するには、例えば、ポリエステルのペレットを押出機を用いて溶融し、口金から吐出した後、冷却固化してシート状に成形する。このとき、ポリマー中の未溶融物を除去するために、繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過することが好ましい。
また、ポリエステルフィルムの表面に易滑性、耐摩耗性および耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子や有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーンおよびイミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、およびポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などを添加することも好ましい態様である。
さらに、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料および染料などが添加されてもよい。
続いて、上記のようにして得られたシート状物を、長手方向と幅方向の二軸に延伸した後、熱処理する。延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(PET)をポリエステルとして用いた例を代表例として説明する。もちろん、本発明は、PETフィルムを用いた二軸配向ポリエステルフィルムに限定されるものではなく、他のポリマーを用いたものものでもよい。例えば、ガラス転移温度や融点の高いポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを用いてポリエステルフィルムを構成する場合は、以下に示す温度よりも高温で押出や延伸を行えばよい。
まず、ポリエチレンテレフタレートを準備する。ポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、および(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウムおよびチタン等の化合物を触媒に用いてエステル化を進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、その反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。得られたPETペレットを回転型真空重合装置を用いて1mmHgの減圧下、225℃の温度で35時間加熱処理し、固有粘度を高めることが好ましい。
フィルムを構成するポリエステルに末端封止剤を含有させる場合には、末端封止剤を直接PETペレットと混合し、270〜275℃の温度に加熱したベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込み高濃度マスターペレット化する方法が有効である。このときのPETの固有粘度IVは通常よりも高めで好ましくは0.7〜1.6である。固有粘度IVは、より好ましくは1.2〜1.4である。固有粘度IVが0.7より小さいと、マスターペレットのカルボキシル末端量が多くなりマスターペレット化するときに末端封止剤との反応が起こりすぎるため、フィルム原料との押出時に末端を封止する効果が小さくなり、カルボキシル末端量を低下させることができなくなることがある。また、固有粘度IVが1.6よりも大きいと、溶融粘度が高くなりすぎるため、押出が安定せずマスターペレットが作製できないことがある。その溶融粘度を低くするために押出機の温度を上げると、末端封止剤が熱分解を起こし効果が現れないことがある。
次に、得られたPETのペレットを、180℃の温度で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、265〜280℃の温度より好ましくは270〜275℃の温度に加熱された押出機に供給し、スリット状のダイから押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンドおよび金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層する。
次に、このようにして得られた未延伸フィルムを、数本のロールの配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用して縦方向に延伸し(MD延伸)、続いてステンターにより横延伸を行う(TD延伸)という二軸延伸方法について説明する。
まず、未延伸フィルムをMD延伸する。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、結晶化パラメータΔTcgが通常のポリエステルよりも大きいため配向結晶化が起こりにくい。そこで、MD延伸では最初に低温で延伸を行い、その後温度を上げて2段階延伸すると配向結晶化が起こり配向を高めることができる。最初の低温での延伸(MD1延伸)は(Tg−20)〜(Tg+10)℃の範囲、さらに好ましくは(Tg−10)〜(Tg+5)℃の範囲にある加熱ロール群で加熱し、長手方向に好ましくは1.1〜3.0倍、より好ましくは1.2〜2.5倍、さらに好ましくは1.5〜2.0倍に延伸し、次にMD延伸1温度より高温(Tg+10)〜(Tg+50)でMD延伸2を行う。より好ましい温度は(Tg+15)(〜Tg+30)である。MD延伸2の好ましい延伸倍率は1.2〜4.0倍であり、より好ましくは1.5〜3.0倍である。MD延伸1とMD延伸2の合わせたMD延伸倍率は、好ましくは2.0〜6.0倍であり、より好ましくは3.0〜5.5倍であり、さらに好ましくは3.5〜5.0倍である。延伸後、20〜50℃の温度の冷却ロール群で冷却することが好ましい。
次に、ステンターを用いて、幅方向の延伸を行う。その延伸倍率は、好ましくは2.0〜6.0倍であり、より好ましくは3.0〜5.5倍であり、さらに好ましくは3.5〜5.0倍である。また、温度は好ましくは(Tg)〜(Tg+50)℃の範囲であり、さらに好ましくは(Tg)〜(Tg+30)℃の範囲で行う(TD延伸)。TD延伸後、熱固定処理を行うが、フィルムの配向緩和を抑制するために通常よりも低温で熱処理を行うことが好ましい。熱固定処理はフィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら、好ましくは150〜190℃の温度、より好ましくは165〜185℃の温度、さらに好ましくは160〜180℃の温度の範囲で熱処理する。熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うことが好ましい。その後、25℃に冷却後、フィルムエッジを除去し、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃の温度で測定した溶液粘度から、下式に基づいて計算する。
ηsp/C=[η]+K[η]×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)であり、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度と溶媒粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定する。
(2)カルボキシル末端量
Mauliceの方法によって、カルボキシル末端量を測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。
(3)結晶化パラメータ
{ガラス転移温度Tg、結晶化温度Tc、融点Tm、結晶化パラメータΔTcg}
Seiko Instrument(株)製示差走査熱量分析装置DSCII型を用い、試料5mgを速度20℃/分で昇温させてJIS−K7121(1987)に準拠し、ガラス転移温度(Tg)、昇温時の結晶化温度(Tc)および融点(Tm)を測定した。具体的測定法を下記する。
1)JIS−K7121(1987)の3.(1)および3.(3)に記載の方法に基づき、試料の状態調節を行う。なお、3.(3)における状態調節は、25℃から300℃まで昇温速度20℃/分で昇温した後、25℃まで急冷するものとする。
2)次いで、1)にて状態調節した試料を用いて、JIS−K7121(1987)および上記条件に基づき、ガラス転移温度(Tg)、昇温時の結晶化温度(Tc)および融点(Tm)を測定する。また、測定は、25℃から300℃まで昇温速度20℃/分で昇温することにより行う。なお、JIS−K7121(1987)に記載の中間点ガラス転移温度の測定方法に基づいて得られる温度をガラス転移温度(Tg)とする。また、JIS−K7121(1987)に記載の結晶化ピーク温度の測定方法に基づいて得られる温度を結晶化温度(Tc)とする。また、JIS−K7121(1987)に記載の融解ピーク温度の測定方法に基づいて得られる温度を融点(Tm)とする。
3)結晶化パラメータΔTcgを、下式から求める。
・ΔTcg=Tc−Tg。
(4)伸度保持率
破断伸度は、ASTM−D882(1999)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E0とした。また、伸度保持率は、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、タバイエスペック(株)製プレッシャークッカーにて、温度125℃、湿度100%、圧力1.5atmの条件下で72時間処理を行った後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1999)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E1とした。得られた破断伸度E0とE1を用いて、下記式により伸度保持率を算出した。
・伸度保持率(%)=E1/E0×100。
(5)熱分解減少量
熱分解減少量は、次の熱重量分析機を用い加熱時重量減少率により評価した。
・装置:パーキンエルマー社製TGA7
・測定雰囲気:窒素気流下
・試料仕込み重量:約10mg
・測定条件:
(a)プログラム温度50℃で1分保持
(b)プログラム温度50℃から300℃まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際に、100℃の温度に到達した時点の試料重量(W1)を基準とした300℃の温度に到達後、30分間ホールドしたときの試料重量(W2)から、次式によりΔW300℃を求め、そのΔW300℃を熱分解減少量と定め、算出した。
ΔW300℃=(W1−W2)/W1×100(%)。
(6)イソシアネートガス発生量
発生したイソシアネートガスを吸着管(Tenax−GR)で捕集し、次のGC/MS装置にセットし分析を行った。
[発生ガス採取条件]
・加熱温度:300℃
・加熱時間:30分
・パージガス:窒素100mL/分
・サンプル量:1mg
[GS/MS分析]
・熱脱離装置:TDS−A+CIS−4(Gerstel社製)
・熱脱離温度:20℃(2分保持)→280℃(昇温速度60℃/分)
280℃で15分保持
・GC/MS装置:GC6890+MSD5973N(Agilent社製)
・分離カラム:SPB−1Sulfur
(長さ30m 内径0.32mmID 液相膜厚4.0μm
・オーブン条件:40℃→300℃(昇温速度10℃/分)
・キャリアーガス:ヘリウム1.5mL/分
・スプリット比:33:1
・注入口温度:コールドトラップ時−150℃、導入時300℃
・GC/MSトランスファーライン:280℃
・イオン源:EI
・イオン源温度:230℃
・Scan範囲:m/z29〜600
・検量線:同条件でトルエンを分析し、検量線を作成する
イソシアネート基を持つ化合物(2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート(Mw:203)、1,3,5−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(Mw:286)、および2−アミノ−1,3,5−トリイソプロピルフェニル−6−イソシアネート(Mw:260))の合計をイソシアネートガス発生量とする。
(7)面配向係数
面配向係数は、JIS−K7142(1996)に準拠して測定する。ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いてMD、TDおよびZD方向の屈折率を測定した。マウント液はヨウ化メチレンを用い、温度25℃、湿度65%RHの条件下で測定した。
・試料幅:25mm
・試料長:30mm
・測定装置:アッベ屈折率計 NAR−1T (株)アタゴ社製
・マウント液:ヨウ化メチレン(ポリエチレンナフタレートの場合は、硫黄ヨウ化メチレン)
・測定環境:温度23℃湿度65%RH。
・算出式:
面配向係数fn=(nMD+nTD)/2−nZD。
(8)耐加水分解性
二軸配向ポリエステルフィルムを第1層として用い、接着層として“タケラック”(登録商標)A310(三井武田ケミカル(株)製)90重量部と“タケネート”(登録商標)A3(三井武田ケミカル(株)製)を塗布し、その上に第2層として厚さ125μmの二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)S10(東レ(株)製を張り合わせた。次に、上記の第2層上に上述の接着層を塗布し、厚さ12μmのバリアロックス“HGTS”(登録商標)(東レフィルム加工(株)製のアルミナ蒸着PETフィルム)を蒸着層が第2層と反対側になるように張り合わせ、厚さ188μmのバックシートを形成した。
得られたバックシートをASTM−D882(1999)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E0とした。
また、伸度保持率は、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、恒温恒湿槽(エスペック(株)製恒温恒湿槽KH−60A)を用いて、温度85℃、湿度85%RHの雰囲気下で3000時間放置した後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1999)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minで引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E1とした。
得られた破断伸度E0とE1を用いて、下記式により伸度保持率を算出した。
・伸度保持率(%)=E1/E0×100
伸度保持率を下記の基準で判定し、耐加水分解性を評価した。
◎:伸度保持率が70%以上
○:伸度保持率が50%以上70%未満
△:伸度保持率が30%以上50%未満
×:伸度保持率が30%未満
判定は、伸度保持率30%以上を合格とし30%未満を不合格とした。
(9)機械強度
機械強度は、ASTM−D882(1997)に準拠して測定する。装置に次のインストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとする。
・測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
・試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
・引張り速度:200mm/分
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
・測定回数:5回測定し、平均値から算出する
MDとTDのヤング率の合計(トータルヤング率)を算出し、下記基準で評価した。
◎:トータルヤング率が6.5GPa以上
○:トータルヤング率が6.2GPa以上6.5GPa未満
△:トータルヤング率が6.0GPa以上6.2GPa未満
×:トータルヤング率が6.0GPa未満
判定は、トータルヤング率6.0GPa以上を合格とし、6.0GPa未満を不合格とした。なお、○および◎のいずれかであると、機械特性が求められる用途(太陽電池用バックシートや電気絶縁用フィルム)に、より好適に用いることができる。そして、◎であることが最も好ましい。
(10)製膜安定性
フィルムの製膜性について、下記の基準で評価した。
○:フィルム破れの発生がほとんどなく、安定製膜が可能である。
△:フィルム破れが時々発生し、製膜安定性が若干低い。
×:フィルム破断が多数発生し、製膜安定性が低い。
判定は、○と△を合格とし、×を不合格とした。
(11)低熱分解発生ガス性
フィルム製膜時の押出機周辺の臭気を採取し、上記(6)の方法でイソシアネート系ガス発生量を分析し、低熱分解発生ガス性を下記基準で評価した。
○:発生ガス量が0.015mg/m未満
△:発生ガス量が0.015mg/m以上0.035mg/m未満
×:発生ガス量が 0.035mg/m以上
判定は、発生ガス量が0.035mg/m未満を合格とし、発生ガス量が0.035mg/m以上を不合格とした。
(参考例1)
テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール64質量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃の温度に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら、酢酸カルシウム0.09質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を加え、140〜230℃の温度でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、酢酸リチウム0.18質量部とリン酸トリメチルの5重量%エチレングリコール溶液を4.8質量部(リン酸トリメチルとして0.24質量部)添加した。
トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加すると、反応内容物の温度が低下する。そこで、余剰のエチレングリコールを留出させながら、反応内容物の温度が230℃に復帰するまで撹拌を継続した。このようにしてエステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃に達したら、反応内容物を重合装置に移行した。
反応内容物を重合装置に移行後、反応系を230℃から290℃の温度にまで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度290℃と最終圧力0.1kPa到達までの時間はともに60分とした。最終温度と最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置で固有粘度0.55のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を、窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして、固有粘度0.55のポリエチレンテレフタレートのPETペレットX(3mm立方)を得た。
(参考例2)
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットXを0.1kPaの減圧下230℃の温度で長時間加熱処理し、固相重合を行った。加熱処理時間が長いほど固有粘度は高くなる。処理時間が1時間で固有粘度が0.60、5時間で固有粘度が0.70、15時間で固有粘度が0.80、25時間で固有粘度が0.85、40時間で固有粘度が0.90、100時間で固有粘度が1.0である。
(参考例3)
温度275℃に加熱されたニーディングパドル混練部を1箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、上記の参考例2で得られた固有粘度1.4PETペレットの90質量部と参考例4で作製したポリカルボジイミド10質量部を供給し、スクリュー回転数200回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(I)を作製した。
(参考例4)
29.5質量%のNCO含量を有する2,4,6−トリイソプロピルフェニル1,3−ジイソシアネート295.0g(1.03モル)を、無水キシレン200ml中の1−メチルホスホレン1−オキシド0.2質量%(0.59g)の存在で100℃の温度に加熱し、かつ二酸化炭素の放出下にこの温度で縮合させた。反応混合物中での5.0質量%のNCO含量が達成された(反応時間約11時間)後、溶剤、残留モノマーおよび触媒残留物を真空で留去した。その結果、7.0質量%のNCO含量および12.6質量%のカルボジイミド含量を有するオリゴマーポリカルボジイミド混合物270.2gが得られた。
得られたオリゴマーポリカルボジイミド85gを、窒素下で60℃の温度で無水トルエン100ml中に均質化した。次いで、粉末にした2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16.3g(0.14モル)をバッチ式に添加し、引き続き、触媒1.5g、ジプロピレングリコール中のトリエチレンジアミンの33%溶液を添加した。混合物を、還流下に12時間沸騰させた。次いで溶剤を真空で留去した。その結果、0質量%のNCO含量、10.6質量%のカルボジイミド含量、75.2℃のガラス転移点および5300g/モルの平均分子量を有するポリカルボジイミド93gが得られた。
(実施例1)
275℃の温度に加熱された押出機Eには、参考例2で得られた固有粘度0.85のPETペレット90質量部と、参考例3で得られたブレンドチップ(I)10質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給し、窒素雰囲気下Tダイ口金に導入した。次いで、Tダイ口金内から、シート状に押出して溶融単層シートとし、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。
続いて、得られた未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、80℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに95℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで170℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに170℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ50μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性、製膜性および機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例2)
固有粘度1.0のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性に優れた特性を有していた。
(実施例3)
固有粘度0.6のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性や機械物性が優れた特性を有していた。
(実施例4)
参考例3で用いるPETペレットの固有粘度を0.8にすることこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性や機械物性が優れた特性を有していた。
(実施例5)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度0.85のPETペレット70質量部、参考例3で得られたブレンドチップ(I)30質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、カルボキシル末端量が0.1当量/トンであって耐加水分解性、製膜性、機械物性が優れた特性を有していた。
(実施例6)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度1.0のPETペレット80質量部、参考例3で得られたブレンドチップ(I)20質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性に優れた特性を有していた。
(実施例7)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度1.0のPETペレットを供給したこと以外は、実施例4と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例8)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度0.6のPETペレットを供給したこと以外は、実施例4と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性と機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例9)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度0.60のPETペレット40質量部と、参考例3で得られたブレンドチップ(I)60質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性、機械物性が優れた特性を有していた。
(実施例10)
固有粘度0.90のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性と機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例11)
固有粘度0.80のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性、製膜性および機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例12)
固有粘度0.95のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ表1と表2に示すように、耐加水分解性と機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例13)
固有粘度0.70のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.6であっても耐加水分解性、製膜性および機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例14)
参考例3で用いるPET原料が固有粘度1.2であること以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、カルボキシル末端量が5当量/トンであっても耐加水分解性、製膜性および機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例15)
参考例3で用いるPET原料が固有粘度1.0であること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、カルボキシル末端量が7当量/トンであっても耐加水分解性、製膜性および機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例16)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03質量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024質量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042質量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023質量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下で重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置で固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで、反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットX’を得た。
回転型真空重合装置を用いて、参考例1で得られたPENペレットX’を0.1kPaの減圧下、230℃の温度で長時間加熱処理し、固相重合を行った。20時間で固有粘度0.80である。
温度300℃に加熱されたニーディングパドル混練部を1箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、得られた固有粘度0.80のPENペレットの90質量部とラインケミー社製末端封止剤“スタバックゾールP400”10質量部を供給し、スクリュー回転数200回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(II)を作製した。
300℃の温度に加熱された押出機Eには、固相重合で得られた固有粘度0.80のPENペレット90質量部と、ブレンドチップ(II)10質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給し、窒素雰囲気下Tダイ口金に導入した。次いで、Tダイ口金内から、シート状に押出して溶融単層シートとし、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。
続いて、得られた未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、1150℃の温度で1.8倍MD延伸1を行い、さらに135℃の温度で2.3倍MD延伸2を行った。トータルで長手方向(MD方向)に4.1倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の135℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に145℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで190℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに190℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性、製膜性、機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例17)
参考例3の参考例4で作製したポリカルボジイミドを、エポキシ系化合物のHexion Speciality Chemicals社製”カージュラE10P”(登録商標)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性と機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例18)
参考例3の参考例4で作製したポリカルボジイミドをオキサゾリン系化合物の日本触媒社製”エポクロスRPS−1005”(登録商標)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、低熱分解発生ガス性に優れた特性を有していた。
(実施例19)
参考例3の参考例4で作製したポリカルボジイミドをモノカルボジイミド化合物のラインケミー社製”スタバックゾールI”(登録商標)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、耐加水分解性と機械物性に優れた特性を有していた。
(実施例20)
参考例3の参考例4で作製したポリカルボジイミドをカルボジイミド化合物の日清紡社製”カルボジライトLA−1”(登録商標)に変更すること以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性、機械物性および低熱分解発生ガス性に優れた特性を有していた。
(実施例21)
未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、MD延伸1を行わずに95℃の温度で3.4倍MD延伸2のみを行いトータルで長手方向(MD方向)に3.4倍延伸を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性に優れた特性を有していた。
(実施例22)
一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで195℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに195℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、製膜性と機械物性に優れた特性を有していた。
(比較例1)
参考例3で用いるPET原料が固有粘度0.6であること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、カルボキシル末端量が11当量/トンであったため、耐加水分解性などに劣る特性であった。
(比較例2)
固有粘度1.1のPETペレットを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.95であったため、製膜性や機械物性が劣る特性を有していた。
(比較例3)
固相重合を行わず、固有粘度0.55のPETペレットXを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.49であったため耐加水分解性が劣る特性を有していた。
(比較例4)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度1.1のPETペレット99質量部と、参考例3で得られたブレンドチップ(I)1質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.95でカルボキシル末端量が11当量/トンであるため、耐加水分解性や製膜性が劣る特性を有していた。
(比較例5)
押出機Eを285℃の温度に加熱し、固相重合を行わず、固有粘度0.60のPETペレットXを使用したこと以外は、比較例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.49で、カルボキシル末端量が11当量/トンで、結晶パラメータΔTcgが60℃であるため、耐加水分解性が劣る特性を有していた。
(比較例6)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度1.1のPETペレット60質量部と、参考例3で得られたブレンドチップ(I)40質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.95で結晶パラメータΔTcgが115℃であるため、耐加水分解性、製膜性、機械物性および低熱分解ガス発生性が劣る特性を有していた。
(比較例7)
275℃の温度に加熱された押出機Eに、参考例2で得られた固有粘度0.55のPETペレット30質量部と、参考例3で得られたブレンドチップ(I)70質量部を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、固有粘度が0.49であり、耐加水分解性、製膜性および低熱分解ガス発生性が劣る特性を有していた。
(比較例8)
ブレンドチップ(I)を使用しないこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1と表2に示すように、カルボキシル末端量が15当量/トンで結晶パラメータΔTcgが65℃であるため、耐加水分解性が劣る特性を有していた。
Figure 2010235824
Figure 2010235824

Claims (9)

  1. 示差走査熱量分析(DSC)による結晶化パラメータΔTcgが70〜110℃であり、カルボキシル末端量が0.1〜10当量/トンであり、固有粘度が0.50〜0.90dl/gであることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 125℃の温度、100%RHの湿度で72時間後における少なくとも一方向の破断伸度の保持率が10〜100%であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 300℃の温度で30分間における熱分解重量減少量が0〜0.2重量%であることを特徴とする請求項1〜2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 300℃の温度で30分間におけるイソシアネート系ガスの発生量が0〜0.05重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 末端封止剤を0.1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 末端封止剤がカルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項5に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 面配向係数fnが0.155〜0.300であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを用いた太陽電池用バックシート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを用いた電気絶縁用フィルム。
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