JP2010144197A - 金属粉及び金属粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細で分散性に優れるのみならず、粗大凝集粒子が少ない金属粉及びその製造方法を提供する。
【解決手段】湿式還元反応又は水アトマイズ法により金属粒子及び水を含有する原料スラリーを得る工程と、該原料スラリーを前記金属粒子の濃度が100〜1000g/Lとなるように調整したスラリーを乾燥機に投入し前記スラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させる工程とを具備する。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属粉及び金属粉の製造方法に関し、特に微細で分散性に優れた金属粉に関する。
従来から金属粉は、各種導電性ペーストの原料として広く用いられてきた。導電性ペーストは、主に電子産業用途を中心に、簡便に導体を形成するために使用される。例えば、プリント配線板の導体回路形成、多層プリント配線板の層間導通導体の形成、各種電極形成、低温焼成セラミック基板等に用いられる。そして、導電性ペーストにて得られた電極や回路には大幅なファイン化が要求されており、配線の高密度化、高精度化が必要であることはいうまでもない。
たとえば、チップ部品、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の電極や回路の形成には、銀粉が使用されているが、上記配線の高密度化、高精度化を目的として、微細で高分散性のものが求められている。
このようなファインライン化が進むPDP等の電極や回路の導電パターン形成に好適に使用できる銀粉を製造することを目的とした銀粉の製造方法が開示されている(特許文献1)。
特開2008−1974号公報(特許請求の範囲、段落[0007]等)
最近の配線の高密度化、高精度化に伴って、微細で分散性に優れた金属粉が求められていることは上記のとおりである。
一方、それとは別に、金属粉中に含まれる好ましくない粗大凝集粒子が、用途によるものの、電極や回路の導電パターン形成の際の信頼性に多大な影響を及ぼす。したがって、そのような粗大凝集粒子の低減化がより望まれている。
しかしながら、この特許文献1の方法により得られる銀粉では、ハンドリング時の取扱い形態に起因して、乾燥に伴う凝集粒子の低減が徹底できず、分散性の面で劣るのみならず、粗大凝集粒子が多く含まれるものである。
本発明は上述した事情に鑑み、微細で分散性に優れるのみならず、粗大凝集粒子が少ない金属粉及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の金属粉の製造方法は、湿式還元反応又は水アトマイズ法により金属粒子及び水を含有する原料スラリーを得る工程と、該原料スラリーを前記金属粒子の濃度が100〜1000g/Lとなるように調整したスラリーを乾燥機に投入し前記スラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させる工程とを具備することを特徴とする。
そして、前記金属粉は、銀又は銅であってもよい。
また、上記製造方法により製造された金属粉は、1000倍の走査型電子顕微鏡により10箇所観察した際に各視野で観察される10μm以上の粗大粒子の合計が3個未満であることが好ましい。
本発明の金属粉の製造方法によれば、微細で分散性に優れるのみならず、粗大凝集粒子が少ない金属粉及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の金属粉の製造方法は、湿式還元反応又は水アトマイズ法により金属粒子及び水を含有する原料スラリーを得る工程と、該原料スラリーを金属粒子の濃度が100〜1000g/Lとなるように調整したスラリーを乾燥機に投入し、スラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させる工程とを具備するものである。具体的には、まず、湿式還元反応又は水アトマイズ法により金属粒子を含有する原料スラリーを得る。
金属としては、銀、銅、ニッケル、その他合金、これらの金属に異種金属を被覆したコート粉等が挙げられる。
湿式還元反応とは、たとえば金属塩含有水溶液にアルカリを加えて、金属酸化物含有スラリーを生成した後、還元剤を加えて金属を還元析出させる方法が代表的である。その際、必要に応じて錯化剤、保護剤、あるいは分散剤等を適宜反応系に添加することができる。
具体的には、例えば、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ(反応系にゼラチン等を添加してもよい)、銀アンミン錯体水溶液を得て、この銀アンミン錯体水溶液に、ヒドラジン等の還元剤水溶液を添加して銀を還元析出させることにより、銀粒子を含有するスラリーを得ることができる。
水アトマイズ法とは、金属を溶融した溶湯の流れに高圧の水ジェットを噴射して金属粒子を含有するスラリーを得る方法である。
次いで湿式還元反応又は水アトマイズ法により得られた金属粒子を含有する原料スラリーを、金属粒子の濃度が100〜1000g/Lとなるように調整する。金属粒子の濃度が1000g/L以下であれば金属粒子間の距離がある程度保てるためか、後段の乾燥工程により微細で分散性に優れた金属粉を得ることができる。また、100g/L未満では生産性が極端に悪化してしまう。金属粒子の濃度は、水や、メタノール等の水溶性有機溶媒、これらの混合物を添加することにより、又は、濃縮することにより調整できる。湿式還元反応又は水アトマイズ法により得られた原料スラリーが、金属粒子の濃度が100〜1000g/Lであれば、勿論、そのまま用いてもよい。ここで、上述したように、本発明で用いるのは金属粒子を含有し、該金属粒子の濃度が1000g/L以下のスラリーであり、一般的に固形分濃度が2000g/L以上であるケーキとは金属粒子の濃度が全く異なるものである。なお、特許文献1に開示されるように、ケーキを用いた場合、後述する比較例でも明らかなとおり、本願発明が目的とする粗大凝集粒子が少ない金属粉を得ることはできない。
次に、金属粒子の濃度が100〜1000g/Lのスラリーを乾燥機に投入し、スラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させる。
乾燥機は、粉体ではなく原料スラリーで供給できること及びスラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させることができるものであれば特に限定はないが、チャンバ内に熱風(気流)を導入して流れに乗せて金属粉を乾燥する所謂気流乾燥機が好ましい。気流乾燥機としては、スプレードライヤー、フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)、マイクロミストドライヤー(藤崎電機製)等が例示できる。
スラリーの水分率の低下速度とは、乾燥機への投入時のスラリーの水分率(質量%)から、乾燥機での乾燥が終了した直後の粉体の水分率(質量%)を引き算し、その値を乾燥時間で割った値(質量%/分)である。なお、乾燥時間は、スラリーの乾燥機への投入から乾燥機での乾燥が終了するまでの時間(分)であり、気流乾燥機であれば、チャンバの内容積[m]を熱風の風量[m/sec]で割った値[sec]である。このスラリーの水分率の低下速度が、0.3質量%/分以上10000質量%/分未満になる条件で乾燥することにより、微細で分散性に優れた金属粉を得ることができる。0.3質量%/分未満では、微細で分散性に優れた金属粉を得ることはできず、また、10000質量%/分以上では、過大なエネルギーを消費するにもかかわらずそれ以上の分散性の向上もない。なお、この水分率の低下速度は、2500質量%/分以上10000質量%/分未満であると、高い分散性と粗大凝集粒子低減が実現でき、好ましい。スラリーの水分率の低下速度は、スラリーに含まれる金属粒子の濃度、スラリーの溶媒、乾燥温度等を調整し、0.3質量%/分以上10000質量%/分未満になるようにすれば良い。
ここで、金属粉、特に湿式還元プロセスによる製造工程では、湿潤ケーキ等から乾燥する際に、通常乾燥凝集が発生するため、微細で分散性に優れた金属粉を得難い。この乾燥凝集は、金属粒子表面に付着した水分が蒸発する過程において、その表面張力により金属粒子同士が圧密されることにより粒子相互表面融着が促進されて発生すると考えられる。
本発明においては、スラリー状で乾燥機に導入し、且つ、金属粒子表面の水分蒸発速度を所定値にする、すなわちスラリーの水分率の低下速度を0.3質量%/分以上10000質量%/分未満になる条件で乾燥することで、水の表面張力による乾燥凝集を回避して微細で分散性に優れた金属粉を得ることができる。
上記本発明の金属粉の製造方法により得られた金属粉は、1000倍の走査型電子顕微鏡(視野:縦130μm×横90μm)により10箇所観察した際に各視野で観察される10μm以上の粗大粒子の合計が3個未満である。
このように粗大とみなされる粒子の度数が限りなく小さい金属粉を含む導電性ペーストを用いれば、高密度化、高精度化のみならず、信頼性の高い材料形成を実現することが可能である。
上記本発明の金属粉の製造方法により得られた金属粉は、走査型電子顕微鏡により観察される一次粒子径が0.2〜0.8μm、BET法により測定される比表面積が0.9〜4(m/g)、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D50と上記比表面積より算出されるBET径との比D50/BET径が2.0未満、D50が0.3〜0.9μmでDmax/D50<4.0というような特性を備えていることが、各種用途にかかわらず分散性に優れ、好ましい。ここで、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D50とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる体積累積50%における粒径のことであり、この体積累積粒径D50の値は、真に粉粒の一つ一つの径を直接観察したものではなく、凝集した粉粒を一個の粒子(凝集粒子)として捉えて、体積累積粒径を算出している。即ち、現実の金属粉の粉粒は、個々の粒子が完全に分離した、いわゆる単分散粉ではなく、複数個の粉粒が凝集した状態になっているのが通常と考えられるからである。しかしながら、粉粒の凝集状態が少なく、単分散に近いほど、体積累積粒径D50の値は小さなものとなるのが通常である。なお、本明細書における、レーザー回折散乱式粒度分布測定法は、金属粉0.1gをイオン交換水と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定したものである。また、BET径は、BET比表面積を用い下記式で算出した。なお、真比重は銀粉であれば10.49であり、銅粉であれば8.92である。
BET径=6÷BET比表面積÷真比重
また、該金属粉は、ペースト化した際のグラインドゲージ測定値が10μm以下であると好ましい。このグラインドゲージは、JIS K 5101−1991に準拠して測定することができる。具体的には、金属粉25gをペースト化したものを用い、一端の深さが100μmで他端の深さが0μmであるみぞを掘った板上を水平方向に深さ100μmから0μmに向って、ペーストをスクレーパーで溝に押し付けながら引き動かし、溝のペースト膜面に現れた線の開始位置を測定したものである。このような微細で分散性に優れた金属粉を用いることにより、配線の微細加工を達成することができる。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。
(銀粒子を含有する原料銀スラリーの作成)
硝酸銀63.3gを純水3.1Lに溶解させ硝酸銀水溶液を調製し、濃度25質量%のアンモニア水235mLを添加して攪拌することにより、銀アンミン錯体水溶液を得た。次いで、20℃で、この銀アンミン錯体水溶液に濃度21g/Lのヒドロキノン水溶液3.4Lを混合することにより銀粒子を析出させて原料銀スラリーを得た。
(銅粒子を含有する原料銅スラリーの作成)
硫酸銅(五塩水)4kg及びアミノ酢酸120gを水に溶解させて、液温60℃の8Lの銅塩水溶液を作製した。そして、この水溶液を攪拌しながら6.25kgの25wt%水酸化ナトリウム溶液を約5分間かけて定量的に添加し、液温60℃で60分間の攪拌を行い、液色が完全に黒色になるまで熟成させて酸化銅第二銅を生成した。その後、30分間放置しグルコース1.5kgを添加して、1時間熟成することで酸化第二銅を酸化第一銅に還元した。さらに、水和ヒドラジン1kgを5分間かけて定量的に添加して酸化第一銅を還元することで金属銅にして、原料銅スラリーを生成した。
(実施例1)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が100g/Lとなるように水を加え、スプレードライヤー(大川厚化工機株式会社製スプレードライヤーCOC−12)で乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:80mL/分、乾燥時間:1秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は5460質量%/分であった。
(実施例2)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が1000g/Lとなるように水を加え、スプレードライヤーCOC−12で乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:80mL/分、乾燥時間:1秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は2820質量%/分であった。
(実施例3)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が100g/Lとなるように水を加え、フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業株式会社製フラッシュジェットドライヤーFJD−4)で乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、スラリー流量:150mL/分、乾燥時間:0.7秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は7799質量%/分であった。
(実施例4)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が1000g/Lとなるように水を加え、フラッシュジェットドライヤーFJD−4で乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、スラリー流量:150mL/分、乾燥時間:0.7秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は4029質量%/分であった。
(実施例5)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が100g/Lとなるように水を加え、マイクロミストドライヤー(藤崎電機株式会社製マイクロミストドライヤーMDL−050B)で乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:40mL/分、乾燥時間:0.6秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は9100質量%/分であった。
(実施例6)
上記原料銀スラリーに銀粒子の濃度が1000g/Lとなるように水を加え、マイクロミストドライヤーMDL−050Bで乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:80mL/分、乾燥時間:0.6秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は4700質量%/分であった。
(実施例7)
上記原料銅スラリーに、水:メタノール:銅粒子=45.5:45.5:9(質量比)となるように水及びメタノールを加え、スプレードライヤーCOC−12で乾燥して、銅粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:80mL/分、乾燥時間:1秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は5460質量%/分であった。
(実施例8)
上記原料銅スラリーに、水:メタノール:銅粒子=23.5:23.5:53(質量比)となるように水及びメタノールを加え、スプレードライヤーCOC−12で乾燥して、銅粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:70℃、スラリー流量:80mL/分、乾燥時間:1秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は2820質量%/分であった。
(実施例9)
上記原料銅スラリーに、水:メタノール:銅粒子=45.5:45.5:9(質量比)となるように水及びメタノールを加え、フラッシュジェットドライヤーFJD−4で乾燥して、銅粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、スラリー流量:150mL/分、乾燥時間:0.7秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は7799質量%/分であった。
(実施例10)
上記原料銅スラリーに、水:メタノール:銅粒子=23.5:23.5:53(質量比)となるように水及びメタノールを加え、フラッシュジェットドライヤーFJD−4で乾燥して、銅粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、スラリー流量:150mL/分、乾燥時間:0.7秒としたところ、スラリーの水分率の低下速度は4029質量%/分であった。
(比較例1)
上記原料銀スラリーを、ろ過し水洗して水分率が10質量%の銀ケーキ(ケーキ中銀粒子濃度:4737g/L)を得た。この銀ケーキ10kgをバットに入れて乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、温度:70℃、時間:6時間、風量:1m/分で乾燥したところ、水分率の低下速度は0.028質量%/分であった。
(比較例2)
上記原料銀スラリーを、ろ過し水洗して銀スラリー(スラリー中銀粒子濃度:900g/L)を得た。この銀スラリー20kgを真空流動乾燥機(中央化工機株式会社製VH−25)に入れて乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、設定温度:110℃、時間:7時間、振動:10秒/分で乾燥したところ、水分率の低下速度は0.12質量%/分であった。
(比較例3)
上記原料銀スラリーを、ろ過し水洗して水分率が7質量%の銀ケーキ(ケーキ中銀粒子濃度:5700g/L)を得た。この銀ケーキ10kgをフラッシュジェットドライヤーFJD−4に入れて乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、原料ケーキ供給速度:1500g/分、乾燥時間:0.7秒で乾燥したところ、水分率の低下速度は600質量%/分であった。
(比較例4)
上記原料銅スラリーを、ろ過し水洗して水分率が7質量%の銅ケーキ(ケーキ中銅粒子濃度:5700g/L)を得た。この銅ケーキ10kgをフラッシュジェットドライヤーFJD−4に入れて乾燥して、銀粉を得た。乾燥条件は、入口温度:120℃、出口温度:80℃、原料ケーキ供給速度:1500g/分、乾燥時間:0.7秒で乾燥したところ、水分率の低下速度は600質量%/分であった。
(比較例5)
上記原料銀スラリーを、ろ過し水洗して水分率が7質量%の銀ケーキ(ケーキ中銀粒子濃度:5700g/L)を得た。この銀ケーキ10kgを図1の乾燥装置10を用いて乾燥して銀粉を得た。乾燥装置10は、断面図である図1に示すように、20cmの均熱帯11を有する縦型管状炉12内に全長800mm、外径13mm、内径9mmのアルミナ管13が設けられており、均熱帯11は縦型管状炉12内のアルミナ管13の垂直方向のほぼ中央部に位置している。該均熱帯11は800℃に加熱され、アルミナ管13の上端近傍に設けられた開口部14からアルミナ管13内に空気が100mL/minで上から下に向けて吹き込まれている。そして、原料である銀ケーキをアルミナ管13の上部に設けられたホッパー15に入れ、ホッパー15の電磁フィーダーにより銀ケーキを0.5g/minの速度でアルミナ管13の上部から投入し、原料銀ケーキをアルミナ管13内で自由落下させて、均熱帯11を通過するときに瞬間乾燥させて銀粉を得た。この時の銀ケーキの水分率の低下速度を均熱帯11の長さとケーキの落下速度から算出すると、5800質量%/分であった。
上記実施例1〜10及び比較例1〜5で得られた銀粉又は銅粉について、それぞれ、1000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)により10箇所観察した際に各視野で観察される10μm以上の粗大粒子の個数の合計(表1中、「SEM10視野」と表記)、一次粒子径、BET比表面積、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D10、D50、D90、D100(Dmax)、タップ密度(TD)、銀粉をペースト化した際のグラインドゲージ(GG)を測定した。各評価方法は以下に記すとおりで、結果は表1に示す。
1000倍の走査型電子顕微鏡により10箇所観察した際に各視野で観察される10μm以上の粗大粒子の個数の合計は、1000倍の走査型電子顕微鏡(視野:縦130μm×横90μm)による観察で10μm以上の粗大粒子を一つ探し当該粗大粒子を含む視野の範囲内に含まれる10μm以上の粗大粒子の個数を求める操作を観察箇所を変えて10箇所で行い、各視野で観察される10μm以上の粒子の個数を合計して求めた。この際、10μm以上の粗大粒子が見つからなかった場合は、零とした。
一次粒子径は、上記走査型電子顕微鏡による観察像を撮像し、当該粉末粒子径を視野中より粒子を100個無作為に選び、フェレ径を直接測定し、観察倍率で換算し、平均を求めた。
BET比表面積は、試料1gを取り比表面積測定装置(QUANTACHROEM社製MONOSORB)を用いBET法(窒素吸着1点法)により測定した。
レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径は、スラリーに含まれる銀粉又は銅粉0.1gをイオン交換水と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定した。
グラインドゲージは、JIS K 5101−1991に準拠した測定方法で測定し、銀粉又は銅粉25gをペースト化したものを用い、一端の深さが100μmで他端の深さが0μmであるみぞを掘った板上を水平方向に深さ100μmから0μmに向って、ペーストをスクレーパーで溝に押し付けながら引き動かし、溝のペースト膜面に現れた線の開始位置を測定することにより求めた。また、上記測定値から、D50/BET、Dmax/D50径を算出した。
タップ密度は、試料100gを精秤して150mlのメスシリンダーに入れ、筒井理化学社製タップデンサーを用い、ストローク(落下距離)40mmで1000回タッピングした後試料の容積を測定し、下記式にて算出した。
タップ密度TD[g/cm]=100[g]÷X[cm
X:試料の容積
表1に示すように、金属粒子の濃度が100〜1000g/Lのスラリーを、水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させた実施例1〜10では、粗大微粒子の頻度が格段に少ないことが明白である。また、乾燥凝集が抑制され微細で分散性に優れた銀粉又は銅粉が得られていた。一方、比較例1〜5では、粗大微粒子の頻度が相当大きいのみならず、分散性等の面でも実施例の銅粉より劣るものであった。
Figure 2010144197
比較例5の乾燥装置の概略断面図である。
符号の説明
10 乾燥装置
11 均熱帯
12 縦型管状炉
13 アルミナ管
14 開口部
15 ホッパー

Claims (4)

  1. 湿式還元反応又は水アトマイズ法により金属粒子及び水を含有する原料スラリーを得る工程と、該原料スラリーを前記金属粒子の濃度が100〜1000g/Lとなるように調整したスラリーを乾燥機に投入し前記スラリーの水分率の低下速度が0.3質量%/分以上10000質量%/分未満の条件で乾燥させる工程とを具備することを特徴とする金属粉の製造方法。
  2. 前記金属粉が、銀又は銅であることを特徴とする請求項1に記載の金属粉の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする金属粉。
  4. 1000倍の走査型電子顕微鏡により10箇所観察した際に各視野で観察される10μm以上の粗大粒子の合計が3個未満であることを特徴とする請求項3に記載の金属粉。
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