JP5355007B2 - 球状銀粉の製造方法 - Google Patents

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本発明は、球状銀粉およびその製造方法に関し、積層コンデンサの内部電極や回路基板の導体パターン、プラズマディスプレイパネル用基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペースト用に好適な球状銀粉およびその製造方法に関する。
積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池やプラズマディスプレイパネル(PDP)用基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペーストとして、銀粉をガラスフリットとともに有機ビヒクル中に加えて混練することによって製造される導電性ペーストが使用されている。当該導電性ペースト用の銀粉は、電子部品の小型化、導体パターンの高密度化、ファインライン化などに対応するため、粒径が適度に小さく、粒度が揃い、高分散性であることが要求されている。
このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法としては、銀塩含有水溶液へ、アルカリまたは錯化剤を添加して、銀錯体含有水溶液を生成させた後、還元剤としてヒドロキノン等の多価フェノールを添加することで、0.6μm以下の微粒子化した高分散性の球状の銀粉を還元析出させる方法が知られている(特許文献1)。
しかし、本発明者らの検討によると、銀塩含有水溶液へアルカリ等を添加し、酸化銀含有スラリー等を生成させた後、還元剤としてヒドロキノン等の多価フェノールを添加して銀粉を還元析出させる方法では、微粒子化した球状の銀粉を生成させることができるものの、ヒドロキノン等を含む褐色の排水が生成してしまい、排水処理に課題を残し、その処理に多大なコストを要することが課題となった。
この排水処理という課題に対し本発明者らは、銀粒子の還元析出前または還元析出中にイミン化合物を添加し、還元剤にエアーバブリングで分解可能なものを用いることにより、難排水処理水を発生させずに球状の銀粉を製造する方法を開示した(特許文献2)。さらに、銀粒子の還元析出反応を、種粒子の存在下で行うこと、または、銀粒子の還元析出前または還元析出中に、標準電極電位が銀より大きいイオン性の物質を溶液中に添加しておくことにより、所望の平均粒径を有する銀粉を製造する方法を開示した(特許文献3)。
特開2005−48237号公報 特願2007−227171号 特願2008−082008号
一方、導電性ペーストを用いた導体パターンの形成方法としては、スクリーン印刷方式、感光方式、オフセット方式等ある。ここで、製造コストの低減を目的として検討されているオフセット方式で使用される導電性ペーストは、これまで以上の配線パターンのファインライン化が求められている。そこで、オフセット方式で使用される導電性ペーストに於いては、特に、一次粒径が1μmよりも微粒で、高分散性を有する銀粉が求められている。
しかしながら、本発明者等がさらに研究を行ったところ、特許文献2、3に係る製造方法により製造した銀粉を、オフセット用途に適用したところ、ファインラインへの対応が
困難な場合があった。具体的には、配線パターンの直線性、塗膜状態、および導電性に問題が生じる場合があった。
本発明は、このような状況下でなされたものであり、その解決しようとする課題は、オフセット用途に適用しても問題なくファインラインを形成することの出来る球状銀紛、および難処理排水を発生させずに当該球状銀紛を製造する製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解明するため鋭意研究した。そして、従来の技術に係る銀粉をオフセット用途に適用した際に問題が生じるのは、製造される銀粉の一次粒径は小さいものの、各々の粒子の一次粒径がばらついていること。銀粉の製造過程において、各々の粒子同士が凝集することにより、結果的に銀粉の微粒子の粒度分布が、ブロードとなっていることであることに想到した。
つまり、粒度分布がブロードな銀粉を含んだペーストをオフセット用途に用いると、当該銀粉中に一次粒径や凝集粒径の大きい粒子が存在するため、ファインライン化への対応が困難となることに想到したものである。より具体的には、銀紛粒子の分散性が悪い場合には、形成された配線パターンの直線性が劣り、塗膜状態に問題が生じ、さらには、凝集粒子によるかさばりや粒径の不揃いな粒子の存在により粒子間の空隙が大きくなるという理由で、ペースト中の銀粉の充填性が低下するため、銀紛の膜密度が低くなり、導電性に問題が生じると考えられた。
次に、本発明者等は、上記課題を解決できる球状銀粉とその製造方法とを鋭意研究した。そして、当該球状銀紛のレーザー回折法による平均粒径D50が0.1μm以上で1μmより小さく、かつレーザー回折法による平均粒径D50と走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMの比:D50/DSEMが1.3以下であり、かつ(D90−D10)/D50で表わされる値が0.8以下であることが肝要であることに想到した。
これは、D50が0.1μm以上あれば、ファインラインへの対応が可能であると同時に、粒子活性が過剰に高くならないので、400℃以上での焼成も可能になるからであると考えられる。一方、D50が1μm未満であれば、ファインライン化への対応は容易であり、ラインの直線性に優れた微細なパターンを形成することが出来るからであると考えられる。
また、レーザー回折法による粒径測定は、凝集した粒子(二次粒子)が含まれる場合には、二次粒子を含む粒径を表わしているのに対し、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径は、後述のように1次粒子の粒径の平均値である。従って、D50の値が、一次粒子の平均粒径DSEMの値に近いほど、一次粒子同士の凝集が少なく、粒子が分散していることを示す。理論上、D50の値が、DSEMの値以下になることはないため、サンプリング誤差等を考慮しなければ、D50/DSEMの最下限値はD50/DSEM=1となる。ここで、D50/DSEMの値が1.3以下であれば、当該球状銀粉のファインライン化への対応が可能であることに想到したものである。
尚、本発明において、D10、D50、D90、とは、銀粉試料0.3gをイソプロピルアルコール30mLに入れ、45W超音波洗浄器にて5分間処理後、当該処理液に対しマイクロトラック9320−X100(ハネウエル−日機装製)を用いて粒径測定した際の、累積10質量%粒径をD10、累積50質量%粒径をD50、累積90質量%粒径をD90と表記したものである。
また、DSEM、とは、SEM(日本電子製JSM−6100、)を用いて10000倍にて撮影を行ない、三谷商事製の画像処理ソフトWinRoofを用いて、Digital Slow Scan image recording System SemAfore ver.5.01(JEOLスカンジナビア社製)により取り込んだ当該SE
M画像のBMPイメージから、一次粒子の輪郭が確認できる当該銀粒子100個以上について、1次粒子円相当径を測定することにより求めた平均粒径をDSEMと表記したものである。
さらに本発明者等は、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得、当該銀アンミン錯体水溶液に還元剤水溶液を接触混合して、銀粒子を還元析出させるとともに、この銀粒子の還元析出前の反応系に種になる粒子およびイミン化合物を存在させておくことにより、難処理排水を発生させずに本発明に係る球状銀紛を製造出来ることに想到し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決する第1の発明は、
レーザー回折法により測定した累積10質量%粒径をD 10 、累積50質量%粒径をD 50 、累積90質量%粒径をD 90 と表記し、走査型電子顕微鏡像の画像解析から得られる一次粒子の平均粒径をD SEM と表記したとき、
50 が0.1μm以上、1μm未満、且つ、D 50 /D SEM の値が1.2以下、且つ、(D 90 −D 10 )/D 50 の値が0.8以下であることを特徴とする球状銀粉である。
第2の発明は、
第1の発明に記載の球状銀粉の製造方法であって、
硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させて銀アンミン錯体水溶液を得、種になる粒子およびイミン化合物の存在下において、当該銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液としてのヒドラジン水溶液とを混合して、銀粒子を還元析出させることを特徴とした球状銀粉の製造方法である。
第3の発明は、
前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、合流点で合流する別々の流路に流し、
当該合流点において、前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、接触混合させることを特徴とする第2の発明に記載の球状銀粉の製造方法である。
第4の発明は、
前記合流点で合流する別々の流路とは、Y字型管路、T字型管路、同軸二重管路のいずれかであることを特徴とする第3の発明に記載の球状銀粉の製造方法である。
第5の発明は、
前記イミン化合物が、ポリエチレンイミンであることを特徴とする第2〜第4の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第6の発明は、
前記種になる粒子が、金、銀、銅、白金族元素、鉄族元素から選択される1種以上の金属、または金属化合物の粒子であることを特徴とする第2〜第5の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
第7の発明は、
前記種になる粒子が、コロイダルシリカおよび/または酸化物ガラスの粒子であること
を特徴とする第2〜第5の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第8の発明は、
前記銀粒子の還元析出前に、標準電極電位が銀より大きいイオン性物質を、前記銀アンミン錯体水溶液へ添加し、種粒子を生成させることを特徴とする第2〜第5の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第9の発明は、
前記銀粒子の還元析出前に、前記銀アンミン錯体水溶液および/または前記還元剤水溶液に分散剤を存在させておくことを特徴とする第2〜第8の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第10の発明は、
前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを混合して銀粒子を還元析出させた後に、当該混合液へ分散剤を添加することを特徴とする第2〜第8の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第11の発明は、
前記還元剤がヒドラジンであることを特徴とする第2〜第10の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
第12の発明は、
前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを混合した混合溶液中の銀濃度が0.01〜0.15mol/L、且つ、還元剤量は、当該銀に対し1〜4当量である状態に維持して、銀粒子を還元析出させることを特徴とする第2〜第11の発明のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法である。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池・プラズマディスプレイパネル用基板の電極、及び回路などの電子部品に適用できる微粒の銀粉および、その製造方法を提供することができる。特に、オフセット用途に適用でき、ファインライン化に対応可能な平均粒径が1μm未満で、高分散性およびシャープな粒度分布を有する銀粉を提供する。そして、当該銀粉を、難処理排水を発生させずに製造する方法を提供する。
本発明に係る銀粉および銀粉の製造方法について、以下に説明する。尚、本発明において、「銀イオン含有水性反応系」とは、硝酸銀、銀錯体または、銀中間体等の、銀イオンを含有する水溶液のことをいう。
1.球状銀粉
本発明に係る球状銀粉は、レーザー回折法により測定した平均粒径D50が0.1μm以上、1μm未満であるが、0.2μm〜0.6μmであるとより好ましい。D50が0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上あれば、ファインラインへの対応は可能であと同時に、粒子活性が過剰に高くならないので、400℃以上での焼成も可能になる。一方、D50が1μm未満、好ましくは0.6μm以下であれば、ファインライン化への対応は容易であり、ラインの直線性に優れた微細なパターンを形成することが出来る。
また、レーザー回折法による平均粒径D50と、走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMとの比である、D50/DSEMの値が1.3以下、好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下である。
これは、レーザー回折法による粒径測定は、粒子の回折パターンから粒径を算出しているため凝集粒子は凝集粒子の粒径が測定されるのであって、その値は真の一次粒径の平均粒径を表わしていない。他方、走査型電子顕微鏡像の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径は、一次粒子の粒径の平均値である。
従って、D50の値が、一次粒子の平均粒径DSEMの値に近いほど、一次粒子同士の
凝集が少なく、粒子が分散していることを示す。理論上、サンプリング誤差等を考慮しなければ、D50の値が、DSEMの値以下になることはないため、D50/DSEMの最下限値はD50/DSEM=1となる。つまり、D50/DSEMの値が1に近いほど、高分散の状態であると言える。
さらに、(D90−D10)/D50の値は0.8以下が好ましい。(D90−D10)/D50で表わされる値が小さいほど粒度分布の幅がシャープであり、粒度が揃っていることを示すからである。そして、当該粒度分布の幅がシャープな球状銀紛が、高精度パターンへの対応に好適である。
ここで、(D90−D10)/D50が0.8以下であると銀粒子各々の粒径がばらつかず、配線パターンを描く際に直線性に優れる。
また、本発明に係る球状銀粉の結晶子径は、15〜40nmが好ましく、より好ましくは15〜30nm、さらに好ましくは20〜30nmである。球状銀粉の結晶子径が15nm以上あれば、早過ぎる焼結を回避できる為、樹脂が銀の焼結体に取り込まれ残存したり、収縮が大き過ぎてライン破断が起きたりする等の問題を回避できる。また、結晶子径が40nm以下であれば焼結が容易で、形成された配線の抵抗値を低く保つことが出来るからである。
また、本発明に係る球状銀粉は、タップ密度が2g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは2.5g/cm以上、さらに好ましいくは3g/cm以上である。タップ密度が2g/cmより大きければ銀粒子同士の凝集が抑えられ充填性が高くなる為、高精度パターンへの対応が容易になるからである。当該観点からタップ密度は高い方が望ましいが、銀の真密度と均一な球状の粉の最密充填を考慮すると、タップ密度の上限値は7g/cmである。
また、本発明に係る球状銀粉は、比表面積(BET法によって測定された比表面積)が0.3m/g以上、6m/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.5m/g以上、2m/g以下である。比表面積が0.3m/gより大きければ、銀粒子の粒径が大き過ぎず高精度パターンへの対応が容易であり、前記比表面積が6m/gより小さければ、ペーストの粘度が高くなりすぎず、作業性に優れ、また400℃以上での焼成であっても、焼結膜にクラックが入ることがなく好ましいからである。
2.球状銀粉の製造方法
本発明に係る球状銀粉の製造方法は、
硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させて銀アンミン錯体水溶液を得、種になる粒子およびイミン化合物の存在下において、当該銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液とを混合して、銀粒子を還元析出させるものである。
ここで、銀アンミン錯体の配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニアを2モル(すなわち1当量)以上添加する。実際の製造においてはアンモニアの揮発等による濃度の変化を考慮し、1.5当量以上添加するのが望ましい。アンモニアの添加量の上限については特に規定されないが、添加量を増やすにつれ、コストアップにも繋がるため、銀アンミン錯体の適度な安定性を得るために必要な量を添加すればよい。
また、銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液とを接触混合させる際の反応温度は20℃以上が好ましく、より好ましくは30℃以上、さらに好ましくは40℃以上である。反応温度が20℃以上であると、理由は定かではないが、粒子同士が凝集せず粒度分布がシャープになるからである。反応温度の上限については、この銀粉の還元反応が水溶性の反応系であることから100℃となるが、本反応系からの水の沸騰やアンモニアの揮発、ヒド
ラジンの分解等による濃度変化を考慮すると、その上限値は100℃よりも低い値が適当である。
3.銀アンミン錯体水溶液を還元する還元剤
上述した、銀アンミン錯体水溶液を還元する還元剤としては、生成した排水が簡易な設備により処理が可能で、排水処理コストを引き上げないものであることが肝要である。例えば、エアーバブリング等の、簡便な排水処理で分解可能なものが望ましい。具体例としては、ヒドラジン水溶液を挙げることができる。尚、銀の反応収率を上げる観点から、還元剤量は、銀に対して1当量以上添加するのが望ましい。
4.銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液とを混合する際の銀濃度
上述した、銀アンミン錯体水溶液を還元する際の銀濃度は、還元析出後の銀濃度として0.15mol/L以下が好ましく、0.1mol/L以下がより好ましく、0.05mol/L以下がさらに好ましい。これは、銀濃度を0.15mol/L以下とすることで、還元生成後の銀粒子の粒子間距離を確保し、凝集が抑制されるからである。当該観点からは、銀濃度が低い方が分散した銀粒子を得る事が容易であるが、経済的な観点からは、銀濃度が0.01mol/L以上あることが好ましい。
5.銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液との混合方法
銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液との混合は、種になる粒子を核として粒子を均一に成長させ、均一な一次粒径を得るという理由から、高速、且つ、十分に行うことが肝要である。
化学工学的観点からは、銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液の流速は、混合後のレイノルズ数が1500以上を満たす流速が好ましく、9000以上を満たす流速がより好ましい。そのため、混合前の銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液の流速は異なっていてもよい。ここでレイノルズ数とは液中の流れの状態(混合状態)を表す指標である。混合後のレイノルズ数が1500以下である場合、銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液の混合が不十分であり、生成する銀粒子の一次粒径がばらつく。レイノルズ数の上限値は特に規定されないが、レイノルズ数を上げるにつれ、生成した銀粒子同士で凝集することが懸念されるため、粒度が揃いかつ高分散性が得られる値であればよく、具体的には、200000以下であればよい。
尚、レイノルズ数は以下の式により求めた(銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液が接触混合する下流の値)。
レイノルズ数=Duρ/μ
D(cm):管の直径
u(cm/sec):管内の溶液の線速度
ρ(g/cm):溶液の密度
μ(g/(cm・sec)):溶液の粘度
このうち、溶液の密度ρおよび溶液の粘度μは、この銀粉の還元反応が水溶性の反応系であるため、ρ=1(g/cm)、μ=0.01(g/(cm・sec))とする。これにより、レイノルズ数は管の直径Dと管内の溶液の線速度uの二つの値から求まる値となる。例えば、銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液の混合後の管の直径Dが0.6cmの場合、液の線速度uが25cm/secでは、レイノルズ数は1500と計算できる。
好ましい混合方法の具体例について、図1〜3を参照しながら説明する。
図1〜3は、後述するY字型管路(図1)、T字型管路(図2)および同軸二重型管路(図3)の模式的な斜視図である。図1〜3において、a管、b管はそれぞれ異なる流入路であり、c管は流出路である。a管、b管からそれぞれ流入した液体は、合流点で混合され、c管から流出する。
ここで、銀アンミン錯体水溶液と、還元剤水溶液のそれぞれを、a管・b管別々の管路に流し、合流部にて接触させ、且つ、混合させる方法、銀アンミン錯体水溶液と、還元剤水溶液のそれぞれを、同軸二重管路のa管、b管である内側管路と外側管路とに流し、当該同軸二重型管路が合流して一重型管路となる合流点にて接触させ、且つ、混合させる方法、等を挙げることが出来る。
6.銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液との混合の際、存在させるイミン化合物
銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液との混合の際、存在させるイミン化合物は、当該混合により生成する銀の粒子形状を球状に制御するのに効果を発揮する。当該効果の観点から、当該イミン化合物は高分子のイミン化合物があることが好ましく、中でもポリエチレンイミンが望ましい。
具体的には、銀の粒子形状を球状化し、表面を滑らかにする観点から、平均分子量1000以上のポリエチレンイミンが望ましい。一般に入手可能なポリエチレンイミンの平均分子量の上限値は70,000であるが、平均分子量70,000のものでも粒子形状を球状化し、表面を滑らかにする効果を発揮する。従って、銀イオンを含有する水性反応系に溶解可能な限り、ポリエチレンイミンの平均分子量の上限値は特に規定されない。
当該イミン化合物の存在量は、銀の仕込量に対して0.05重量%以上あれば生成する銀の粒子形状を球状に制御することが出来る。一方、銀イオンを含有する水性反応系に溶解可能な限り、添加量の上限値は、特に規定されない。
イミン化合物を存在させる為の添加方法としては、上述した還元剤による還元前に、予め、銀イオン含有水性反応系へイミン化合物を添加しておいてもよいし、予め、還元剤水溶液へ添加しておいても良く、特に限定されない。
7.種になる粒子
本発明において、種になる粒子とは、還元析出反応時に銀粒子の成長の核となる粒子のことをいう。
本発明に係る銀粉の製造方法においては、生成する銀粒子を微粒子化するために、当該銀還元反応を種になる粒子の存在下で行うことが肝要である。そして、当該種になる粒子の添加量調整により、所望の平均粒径を有する銀粉を再現性よく得ることが可能である。
当該種になる粒子は、本発明に係る還元析出反応とは異なる工程において、予め、微粒子を生成させ、この微粒子を本発明に係る銀還元反応系に添加して用いるものである。尤も、異なる態様として、予め、標準電極電位が銀より大きい物質のイオン化合物を、本発明に係る銀イオン含有水性反応系に添加することで、予め、イオンの状態から微粒子を生成させ、当該微粒子を銀還元反応の際の種になる粒子として生成させることも出来る。
以下、まず、本発明に係る銀の還元析出反応とは異なる工程で微粒子を生成させ、この微粒子を当該銀還元反応系に添加する態様について説明し、次に、予め、標準電極電位が銀より大きいイオン性物質を、銀の還元析出前に銀イオン含有水性反応系に添加することで、当該銀イオン含有水性反応系において金属イオンの状態から微粒子を生成させる態様について説明する。
(1)本発明に係る銀の還元析出反応とは異なる工程で生成させた微粒子を添加する態様
種になる粒子は、金属粒子に限られず非金属粒子でも良い。この理由は定かではないが、銀粒子の形状を制御する目的で添加しているイミン化合物が銀イオンと錯体を形成する一方で、種になる粒子とも結合するためであると考えられる。つまり、種になる粒子が非金属粒子であっても表面にイミン化合物が結合し、これを核として銀が、種になる粒子となる非金属粒子表面に析出するためと考えられる。したがって、種になる粒子として使用
できる粒子は、水系に分散できるものであれば特に制限されない。例えば、金、銀、銅、白金族元素、鉄族元素の粒子、さらに、コロイダルシリカ(SiO)や酸化物ガラス等の酸化物の粒子が好ましい様態である。
種になる粒子の粒径は、平均粒径が1nm以上、50nm以下の微粒子であることが好ましい。平均粒径が1nm以上であれば、当該微粒子表面上に銀の析出する箇所を確保することが出来る。一方、平均粒径が50nm以下であれば、当該種になる粒子の粒径が製造される銀粉の粒径と比較して1/2以下となり、種になる粒子の形状によって、製造される銀粉の形状が球状にならなくなることを回避できるからである。
また、種になる粒子に銀以外の材料を使用する場合には、製造される銀粉において、銀の含量が低下する。そこで、銀の含量をあまり下げないように保つ観点からは、平均粒径が小さい方が好ましい。これらの点を考慮すると、種になる粒子の平均粒径は、1nm以上、25nm以下がさらに好ましい。
銀の還元析出反応は、上述した種になる粒子を核として開始するため、生成する銀粒子の平均粒径は、種になる粒子を添加しない場合と比較して、反応バッチごとに大きな変化を示さず、反応毎の再現性が向上する。また、生成する銀粒子の粒径のばらつきを低減することができる。そして、種になる粒子を構成する物質と添加量を一定にすることで、核の個数を一定とし、生成する銀粒子の粒径と粒度分布の再現性を向上することが出来る。
(2)標準電極電位が銀より大きいイオン性物質を、予め、銀の還元析出前に銀イオン含有水性反応系に添加することで、当該銀イオン含有水性反応系において金属イオンの状態から微粒子を生成させる態様
標準電極電位が銀より大きいイオン性物質(例えば、イオン状態の金、白金属化合物)を、予め、銀の還元析出前に銀イオン含有水性反応系に添加することでも、本発明の目的とする効果を得ることができる。
これは、銀の還元析出反応前に、銀イオン含有水性反応系に添加されるイオンの状態の金、白金族元素等の標準電極電位が銀より大きいため、還元反応の初期に銀イオン含有水性反応系中において、金、白金族元素が還元析出して粒子を生成し、この粒子を核として銀粒子が生成する為であると考えられる。この結果、上記(1)で説明した、本発明に係る銀の還元析出反応とは異なる工程で生成させた粒子を添加する態様と、同様な効果が得られるのだと考えられる。
結局、種粒子の添加方法は、予め、銀イオン含有水性反応系に添加しておいてもよいし、予め、還元剤に添加しておいてもよい。また上述したように、当該種になる粒子は、銀還元反応系とは異なる系で生成させた粒子でもよいし、系内で生成させた粒子でもよい。
8.分散剤
本発明の銀粉の製造方法において、生成する銀粒子の分散性を向上させるため、銀粒子の還元析出前の銀アンミン錯体水溶液または還元剤水溶液、または、銀粒子の還元析出後のスラリー状の反応物に、分散剤を添加することも好ましい構成である。当該分散剤の添加により、表面が分散剤で被覆された銀粉を製造することができる。
当該添加する分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート剤、保護コロイド等が挙げられる。また、分散剤の量は、水性反応系に仕込まれる銀に対して0.05〜2%の間で必要とされる特性に合わせて調整される。
以下、添加する分散剤について、具体的に説明する。
(1)脂肪酸
分散剤として脂肪酸を用いる場合の好ましい例としては、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、等が挙げられる。
(2)脂肪酸塩
分散剤として脂肪酸塩を用いる場合の好ましい例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、スズ、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、銅などの金属と、(1)で説明した脂肪酸とが塩を形成したものが挙げられる。
(3)界面活性剤
分散剤として界面活性剤を用いる場合の好ましい例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、等が挙げられる。
(4)有機金属
分散剤として有機金属を用いる場合の好ましい例としては、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、等が挙げられる。
(5)キレート形成剤
分散剤としてキレート形成剤を用いる場合の好ましい例としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、2H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3,5−チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、等、および、これらのキレート形成剤の塩、が挙げられる。
(6)保護コロイド
分散剤として保護コロイドを用いる場合の好ましい例としては、ペプチド、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸、膠、等が挙げられる。
9.銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液との混合後の操作
銀アンミン錯体水溶液へ、還元剤、種粒子およびイミン化合物の添加により得られた銀粉含有スラリーを、濾過、水洗することによって、銀重量に対して1〜200質量%の水を含み、流動性がほとんどない塊状のケーキが得られる。
当該ケーキを、強制循環式大気乾燥機、真空乾燥機、気流乾燥装置等の乾燥機で乾燥することにより本発明に係る銀粉が得られる。また、当該ケーキの乾燥を早めるために、ケーキ中の水分を低級アルコール等で置換してもよい。さらに、必要に応じて当該ケーキに
対し、乾式解砕処理や、特開2005−240092号公報に記載するような、高速攪拌機を使用して粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施した後、分級することで所定粒径より大きい銀粉の凝集体を除去する分級処理を行ってもよい。さらに、当該ケーキに対し、乾燥、解砕および分級を行なうことができる一体型の装置((株)ホソカワミクロン製のドライマイスタや、ミクロンドライヤなど)を用いて、乾燥、粉砕、分級を行なってもよい。
上述の操作を行って得られた銀粉は、粒度分布がシャープでかつ高分散性の微粒であり、オフセット方式をはじめとしたPDP用途等に使用する導電性ペースト用の銀粉として適したものであった。
一方、上述の銀粉含有スラリーを濾過、水洗することによって生成した排水は、流量1〜10L/min程度のエアーのバブリングを1〜5時間程度行うことで、ヒドラジン濃度が1ppm以下となり、容易に分解可能であった。なお、ヒドラジンの分解を促進させるため、エアーのバブリング時のpH調整や加温も有効である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
〈銀粉の製造〉
まず、種になる粒子としてパラジウムナノ粒子を準備した。具体的には、パラジウムを8.5mg含む硝酸パラジウム水溶液738gを25℃とし、そこに0.10質量%のヒドラジン一水加物水溶液20g、および、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10,000)42.5gを加えることにより生成したパラジウムナノ粒子を含有する水溶液である。ここで、生成した種になる粒子をTEMにより観察し、100個の粒子の平均粒径を求めたところ6nmであった。
次に、銀を13.5g含む硝酸銀水溶液4990gへ、28質量%のアンモニア水を30.4g(銀に対して2当量)添加し、0.025mol/Lの銀濃度の銀アンミン錯体水溶液(A液)を得た。
一方、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)28.3gおよび前記パラジウムナノ粒子を含有する水溶液101.4gを、純水4870gで希釈し、ポリエチレンイミン(銀に対して0.5質量%)および種になる粒子を含んだ0.0075mol/Lのヒドラジン水溶液(B液)を得た(銀に対して1.2当量)。
A液、B液のそれぞれの液温を40℃とした後、図1に示す内径6mmのY字型管路におけるa管、b管に、それぞれの溶液を1.36L/min(80cm/sec)で流し、a管、b管の合流点で、A液、B液を接触混合させ銀粒子を析出させながら内径6mmのc管より排出させた。
1質量%のステアリン酸ナトリウム水溶液13.5g(銀に対して1質量%)を純水1000gにて希釈した水溶液内へ、当該c管より排出させた液を撹拌しながら添加してスラリー化させ、銀粒子に表面処理を行った。
得られたスラリーを加圧濾過し、電気伝導度が0.2mS/m以下になるまで純水洗浄したのち、真空乾燥機で真空雰囲気75℃にて乾燥し、実施例1に係る銀粉を得た。
当該実施例1に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図4に示す。
上記の銀粉製造に際して生成した排水は、無色透明であった。当該排水を40℃とし、撹拌しながら5L/min.のエアーを用いて2時間バブリングした。すると、当該バブリング後には、当該排水中のヒドラジンが分解され、当該ヒドラジンの濃度が1ppm以
下まで低下することを確認した。
〈銀粉の評価〉
得られた実施例1に係る銀粉のレーザー回折法による粒度分布は、D10=0.39μm、D50=0.53μm、D90=0.74μmであり、粒度分布のバラツキを表す(D90−D10)/D50は0.66であった。これより、実施例1に係る銀粉の粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.52μmであったことから、レーザー回折法による平均粒径D50と走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMの比D50/DSEMは1.02である。この結果から、実施例1に係る銀粉が高分散性であることが確認できた。
得られた実施例1に係る銀粉のタップ密度は3.8g/cm、比表面積が0.84m/gであり、X線結晶子径は23nmであった。
尚、前記比表面積は、カウンタクローム社製モノソーブによりBET法(測定前の脱気条件は脱気温度60℃、脱気時間10分間)で測定した。
X線結晶子径は、下記Scherrerの式によって求めた。
すなわち、
Dhkl=Kλ/βcosθ
ここで、
Dhkl(Å):結晶子径の大きさ(hklに垂直な方向の結晶子の大きさ)
λ(Å):測定X線の波長(Cuターゲット使用時1.5405Å)
β(rad):結晶子の大きさによる回折線の広がりであり、半価幅を用いた。
θ(rad):回折角のブラッグ角であって、入射角と反射角が等しいときの角度であり、ピークトップの角度を使用した。
K:Scherrer定数(Dやβの定義により異なる。βに半価幅を用いる場合K=0.94)
尚、測定は粉末X線回折装置リガクRint RAD−rBを用い、ステップ0.02°、測定速度0.5°/minで行い、計算には(111)面のピークデータを用いた。
(実施例2)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)5.4g、および種粒子を含有する水溶液532.5gを、純水4460gで希釈したものを用いた以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例2に係る銀粉を得た。
当該実施例1に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図5に示す。
実施例2に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例2に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.23μm、D50=0.30μm、D90=0.48μmであり、(D90−D10)/D50は0.80であった。これより、実施例2に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.27μmであったことから、D
50/DSEM=1.11であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は2.9g/cm、比表面積が1.58m/gであり、X線結晶子径は30nmであった。
(実施例3)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)31.0g、および種粒子を含有する水溶液50.7gを、純水4920gで希釈して得た以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例3に係る銀粉を得た。
当該実施例3に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図6に示す。
実施例3に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例3に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.53μm、D50=0.72μm、D90=1.00μmであり、(D90−D10)/D50は0.65であった。これより、実施例3に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.64μmであったことから、D50/DSEM=1.12であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.7g/cm、比表面積が0.54m/gであり、X線結晶子径は26nmであった。
(実施例4)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、銀アンミン錯体水溶液(A液)として、銀を27.0g含む硝酸銀水溶液4990gに、28質量%のアンモニア水を60.7g添加し、0.05mol/Lの銀濃度の銀アンミン錯体水溶液を得た。
一方、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液4.70g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)56.6g、および種粒子を含有する水溶液202.9gを、純水4740gで希釈してヒドラジン水溶液を得た。
続いて、当該A液、B液それぞれの液温を60℃とした以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例4に係る銀粉を得た。
当該実施例4に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図7に示す。
実施例4に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例4に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.38μm、D50=0.55μm、D90=0.83μmであり、(D90−D10)/D50は0.81であった。これより、実施例4に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画
像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.51μmであったことから、D50/DSEM=1.08であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.5g/cm、比表面積が0.80m/gであり、X線結晶子径は26nmであった。
(実施例5)
〈銀粉の製造〉
まず、種になる粒子として銀ナノ粒子を準備した。具体的には、銀を86mg含む硝酸銀水溶液677gを25℃とし、そこに0.0086質量%のクエン酸三ナトリウム水溶液100g、および、0.10質量%のヒドラジン一水加物水溶液33.4g、2.0質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10,000)43.2gを加えることにより生成した銀ナノ粒子を含有する水溶液である。ここで、生成した種粒子をTEMにより観察し、100個の粒子の平均粒径を求めたところ20nmであった。
次に、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)28.3g、および種になる粒子(銀ナノ粒子)を含有する水溶液10.0gを、純水4960gで希釈したものを用いた以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例5に係る銀粉を得た。
当該実施例5に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図8に示す。
実施例5に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例5に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.43μm、D50=0.57μm、D90=0.79μmであり、(D90−D10)/D50は0.63であった。これより、実施例3に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.55μmであったことから、D50/DSEM=1.04であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.6g/cm、比表面積が0.80m/gであり、X線結晶子径は32nmであった。
(実施例6)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例5と同様の銀ナノ粒子を準備した。
次に、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)0.7g、および種になる粒子(銀ナノ粒子)を含有する水溶液61.3gを、純水4940gで希釈したものを用いた以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例6に係る銀粉を得た。
当該実施例6に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図9に示す。
実施例6に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例6に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.26μm、D50=0.33μm、D90=0.47μmであり、(D90−D10)/D50は0.64であった。これより、実施例6に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.29μmであったことから、D50/DSEM=1.14であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.1g/cm、比表面積が1.11m/gであり、X線結晶子径は30nmであった。
(実施例7)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
そして、図1に示す内径6mmのY字型管路を、図2に示す内径6mmのT字型管路に代替した以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例7に係る銀粉を得た。
当該実施例7に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図10に示す。
実施例7に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例7に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.37μm、D50=0.51μm、D90=0.73μmであり、(D90−D10)/D50は0.70であった。これより、実施例7に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.48μmであったことから、D50/DSEM=1.06であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.5g/cm、比表面積が0.78m/gであり、X線結晶子径は24nmであった。
(実施例8)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、銀アンミン錯体水溶液(A液)として、銀を13.5g含む硝酸銀水溶液7940gに、28質量%のアンモニア水を30.4g添加し、0.0156mol/Lの銀濃度の銀アンミン錯体水溶液を得た。
一方、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)28.3g、および種粒子を含有する水溶液101.4gを、純水1870gで希釈し、ポリエチレンイミンおよび種になる粒子を含んだ0.0188mol/Lのヒドラジン水溶液を得た。
続いて、当該A液、B液それぞれの水溶液を、図1(Y字管)に示す内径6mmのa管、b管から、それぞれ2.18L/min(128cm/sec)、0.54L/min(32cm/sec)で流した以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例8に係る銀粉を得た。
当該実施例8に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図11に示す。
実施例8に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを
確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例8に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.41μm、D50=0.54μm、D90=0.75μmであり、(D90−D10)/D50は0.63であった。これより、実施例8に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.51μmであったことから、D50/DSEM=1.06であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.6g/cm、比表面積が0.77m/gであり、X線結晶子径は24nmであった。
(実施例9)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、銀アンミン錯体水溶液(A液)として、銀を13.5g含む硝酸銀水溶液1970gに、28質量%のアンモニア水を30.4g添加し、0.0625mol/Lの銀濃度の銀アンミン錯体水溶液を得た。
一方、ヒドラジン水溶液(B液)として、80質量%のヒドラジン一水加物水溶液2.35g、0.20質量%のポリエチレンイミン水溶液(平均分子量10000)28.3g、および種になる粒子を含有する水溶液101.4gを、純水7870gで希釈し、ポリエチレンイミンおよび種粒子を含んだ0.00469mol/Lのヒドラジン水溶液を得た。
続いて、当該A液、B液それぞれの水溶液を、図1(Y字管)に示す内径6mmのa管、b管からそれぞれ、0.54L/min(32cm/sec)、2.18L/min(128cm/sec)で流した以外は、実施例1と同様の条件、操作にて反応を行い実施例9に係る銀粉を得た。
当該実施例9に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図12に示す。
実施例9に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
実施例9に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.39μm、D50=0.52μm、D90=0.73μmであり、(D90−D10)/D50は0.65であった。これより、実施例9に係る銀粉は粒度分布がシャープであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.48μmであったことから、D50/DSEM=1.08であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.8g/cm、比表面積が0.96m/gであり、X線結晶子径は28nmであった。
(比較例1)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
次に、銀アンミン錯体水溶液(A液)として、銀として5.4gを含む硝酸銀水溶液3730gに、28重量%のアンモニア水12.2g(銀に対して2当量)を添加し、銀アンミン錯体水溶液を得た後、液温を40℃とした。
種になる粒子を含有する水溶液40.0gと、含有される銀に対して0.5重量%のポ
リエチレンイミン(平均分子量10,000)を含有する0.3重量%のヒドラジン一水
加物水溶液250gを加えて、銀粒子を析出させた。その後、1質量%のステアリン酸ナトリウム水溶液5.4gを加えて、銀粒子に表面処理を行った。このスラリーを加圧濾過し、電気伝導度が0.2mS/m以下になるまで純水洗浄したのち、真空乾燥機で真空雰囲気75℃にて乾燥し、比較例1に係る銀粉を得た。
当該比較例1に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図13に示す。
比較例1に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
比較例1に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.36μm、D50=0.59μm、D90=0.90μmであり、(D90−D10)/D50は0.92であった。これより、比較例1に係る銀粉は実施例に比べ粒度分布がブロードであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.40μmであったことから、D50/DSEM=1.48であり、実施例に係る銀紛に比べ凝集していることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.3g/cm、比表面積が0.85m/gであり、X線結晶子径は27nmであった。
(比較例2)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
そして、種になる粒子を含有する水溶液量を213gにした以外は、比較例1と同様の条件、操作にて反応を行い比較例2に係る銀粉を得た。
当該比較例2に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図14に示す。
比較例2に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
比較例2に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.26μm、D50=0.44μm、D90=0.85μmであり、(D90−D10)/D50は1.33であった。これより、比較例2に係る銀粉は、実施例に係る銀紛に比べ粒度分布がブロードであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.30μmであったことから、D50/DSEM=1.47であり、実施例に比べ凝集していることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は2.6g/cm、比表面積が1.59m/gであり、X線結晶子径は26nmであった。
(比較例3)
〈銀粉の製造〉
種になる粒子として実施例1と同様のパラジウムナノ粒子を準備した。
そして、実施例1と同様の条件、操作にて製造した、銀アンミン錯体溶液(A液)と、ヒドラジン水溶液(B液)とを、図1(Y字管)に示す内径6mmのa管、b管からそれぞれ0.34L/min(20cm/sec)で流した以外は実施例1と同様の条件、操
作にて反応を行い比較例3に係る銀粉を得た。
当該比較例3に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図15に示す。
比較例3に係る銀粉の製造により生成する排水は、実施例1に係る排水と同様に無色透明であった。当該排水も実施例1に係るバブリング操作でヒドラジンを分解できることを確認した。
〈銀粉の評価〉
比較例3に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.39μm、D50=0.57μm、D90=0.94μmであり、(D90−D10)/D50は0.96であった。これより、比較例4に係る銀粉は、実施例に係る銀紛に比べ粒度分布がブロードであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.52μmであったことから、D50/DSEM=1.10であり、高分散性であることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は4.0g/cm、比表面積が0.77m/gであり、X線結晶子径は26nmであった。
(比較例4)
〈銀粉の製造〉
銀イオンとして2.7g/Lを含む硝酸銀溶液3870mlに、28重量%のアンモニア24.3gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を製造した。この銀のアンミン錯体溶液に還元剤として0.05重量%のヒドロキノン水溶液を115.6g加え、銀のスラリーを得た。このスラリーを加圧ろ過し、電気伝導度が0.2mS/m以下になるまで純水洗浄したのち、真空乾燥機で真空雰囲気75℃にて乾燥し、比較例4に係る銀粉を得た。
当該比較例4に係る銀粉の10000倍のSEM写真を図16に示す。
比較例4に係る銀粉の製造により生成する排水は、エアーのバブリングや、酸化剤等の薬品を使用しても分解することができなかった。そこで、蒸発濃縮を試みたが、燃料コストが高価なだけでなく、濃縮分がタール状となり処理困難となることがわかった。次に、微生物処理を試みたが、ヒドロキノン自身の有害性が高いため、かなりの低濃度にしないかぎり微生物が死滅し、処理することができなかった。さらに、焼却処理を試みたところ排水処理可能であったが処理コストが高価であり、銀粉製造コストの増加をもたらすと考えられた。
〈銀粉の評価〉
比較例4に係る銀粉の評価を、実施例1と同様に行った。得られた銀粉のレーザー回折法による粒度分布はD10=0.30μm、D50=0.60μm、D90=1.11μmであり、(D90−D10)/D50は1.35であった。これより、比較例4に係る銀粉は、実施例に係る銀紛に比べ粒度分布がブロードであることが確認できた。走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均粒径DSEMは0.39μmであったことから、D50/DSEM=1.54であり、実施例に係る銀紛に比べ凝集していることが確認できた。
得られた銀粉のタップ密度は3.0g/cm、比表面積が1.88m/gであり、X線結晶子径は32nmであった。
本発明に係るY字型管路の斜視図である。 本発明に係るT字型管路の斜視図である。 本発明に係る同軸二重型管路の斜視図である。 実施例1に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例2に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例3に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例4に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例5に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例6に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例7に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例8に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例9に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 比較例1に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 比較例2に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 比較例3に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 比較例4に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。

Claims (10)

  1. レーザー回折法により測定した累積10質量%粒径をD 10 、累積50質量%粒径をD 50 、累積90質量%粒径をD 90 と表記し、走査型電子顕微鏡像の画像解析から得られる一次粒子の平均粒径をD SEM と表記したとき、
    50 が0.1μm以上、1μm未満、且つ、D 50 /D SEM の値が1.2以下、且つ、(D 90 −D 10 )/D 50 の値が0.8以下である球状銀粉の製造方法であって、
    硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させて銀アンミン錯体水溶液を得、種になる粒子およびイミン化合物の存在下において、当該銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液としてのヒドラジン水溶液とを混合して、銀粒子を還元析出させることを特徴とした球状銀粉の製造方法。
  2. 前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、合流点で合流する別々の流路に流し、
    当該合流点において、前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、接触混合させることを特徴とする請求項に記載の球状銀粉の製造方法。
  3. 前記合流点で合流する別々の流路とは、Y字型管路、T字型管路、同軸二重管路のいずれかであることを特徴とする請求項に記載の球状銀粉の製造方法。
  4. 前記イミン化合物が、ポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  5. 前記種になる粒子が、金、銀、銅、白金族元素、鉄族元素から選択される1種以上の金属、または金属化合物の粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  6. 前記種になる粒子が、コロイダルシリカおよび/または酸化物ガラスの粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  7. 前記銀粒子の還元析出前に、標準電極電位が銀より大きいイオン性物質を、前記銀アンミン錯体水溶液へ添加し、種粒子を生成させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  8. 前記銀粒子の還元析出前に、前記銀アンミン錯体水溶液および/または前記還元剤水溶液に分散剤を存在させておくことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  9. 前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを混合して銀粒子を還元析出させた後に、当該混合液へ分散剤を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
  10. 前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを混合した混合溶液中の銀濃度が0.01〜0.15mol/L、且つ、還元剤量は、当該銀に対し1〜4当量である状態に維持して、銀粒子を還元析出させることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
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