JP2008069457A - ドロップ状銅粉、ドロップ状銅粉の製造方法および導電性ペースト - Google Patents

ドロップ状銅粉、ドロップ状銅粉の製造方法および導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】従来の物理的手法を用いて製造したフレーク銅粉よりも、安価に製造することが可能で、粉体特性に優れたドロップ状銅粉を提供することを目的とする。
【解決手段】物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる銅粉であって、当該銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴としたドロップ状銅粉を採用した。また、硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、還元剤I及び還元剤IIを添加して銅を晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴としたドロップ状銅粉の製造方法を採用した。
【選択図】図1

Description

本件出願に係る発明は、略球状の形状を持つ銅粉ではなく、ドロップ状に扁平化したドロップ状銅粉及びそのドロップ状銅粉の製造方法並びにそのドロップ状銅粉を用いた導電性ペーストに関するものである。
従来から銅粉は、銅ペーストの原料として広く用いられてきた。そして、銅ペーストは、プリント配線板の回路形成、セラミックコンデンサの外部電極に代表されるように各種電気的接点部等に応用され、電気的導通確保の手段に用いられてきた。
通常、銅粉は略球形の形状をしており、銅ペーストにして導体形成を行った場合には、その導体の抵抗を上昇させることなく、しかも同時に、プリント配線板のビアホールの穴埋め等の場合には穴埋め性の向上、形成する導体の形状の精度等も望まれてきた。これらの市場要求に応えるため、銅ペーストの製造に用いる銅粉に、略球形の粉粒の銅粉を用いるのではなく、フレーク状の粉粒で構成された銅粉(本件明細書においては、単に「フレーク銅粉」と称する。)を用いることが検討されてきた。フレーク銅粉は、鱗片化又は扁平化した形状であるが故に、粉粒の比表面積が大きくなり、粉粒同士の接触面積が大きくなるため、電気的抵抗を減少させ、導体形状の精度を上げるには非常に有効な方法であった。
特開平8−325612号
しかしながら、従来のフレーク銅粉は、専ら物理的な製造方法を採用し、略球形の銅粉の粉粒を押しつぶす等して得られるものであり、物理加工に要する費用分は、製品のコストアップとならざるを得なかった。
しかも、従来の物理的手法で製造されたフレーク銅粉は、得られる粉粒が均一な粒径や厚さを備えるものでもなく、微細な粉粒の製品は存在せず、大きな粗粒がある一定の割合で含まれ、亀裂があるものも見られるという品質のもので、非常に広い粒度分布を持つ製品であった。
このような品質のフレーク銅粉では、上述した意味での電気的抵抗改善という点でのある程度の目標は達成できても、銅粉としての品質安定性に欠け、銅ペーストに加工して形成する導体回路のファインパターン化、プリント配線板のビアホールの充填性を良好にすることが出来ないと言うのが現実であった。従って、従来のフレーク銅粉を用いた銅ペーストの用途は、粗いパターンの導体回路の形成に用いる等に限定されてきた。
これらのことから分かるように、フレーク銅粉の粒度分布を揃え、しかも、より安価な製品が市場で求められてきたのである。
そこで、本件発明者等は、従来のフレーク銅粉の持つ粒度分布がブロードであるという問題と、生産コストが高いという問題を解決することを目的に、鋭意研究を行った結果、従来の常識を覆し、湿式法で直接ドロップ形状を持つ銅粉を得る方法を見いだすに到ったのである。そして、この製造方法で得られるドロップ状銅粉は、従来のフレーク銅粉とは異なる表面状態及び従来にない形状を備えるものとなるのである。以下、本件発明を説明する。
〈ドロップ状銅粉〉
本件発明に係るドロップ状銅粉は、物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる銅粉であって、当該銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴とする。
本件発明に係るドロップ状銅粉は、より好ましくは、ドロップ状銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が3.0以下である。
本件発明に係るドロップ状銅粉は、より好ましくは、平均粒径が15μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、ドロップ状銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.4〜1.6である。
〈ドロップ状銅粉の製造方法〉
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、上記ドロップ状銅粉の製造方法であって、硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに以下に示す還元剤I及び還元剤IIを添加して銅を晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とした。
還元剤I:単糖類及び還元性のある少糖類から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤。
還元剤II:還元剤Iより還元能力の高い還元剤及び還元剤Iより標準電極電位の低い還元剤から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、より好ましくは、還元剤Iは、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースの1種又は2種以上を混合した粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として用いる。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、より好ましくは、還元剤IIは、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルマリンの1種又は2種以上を混合したものである。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、上記ドロップ状銅粉の製造方法であって、液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が1.0mol未満となるよう添加した溶液を用いて、これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを10〜12として反応させ、これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで一酸化銅と水酸化銅との混合状態から銅をドロップ形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴とする。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、システインのいずれか一種又は二種以上の混合したものであることがより好ましい。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、より好ましくは、アンモニウム塩含有溶液は、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれか一種又は二種以上を含有した溶液である。
本件発明に係るドロップ状銅粉の製造方法は、水酸化アルカリ金属塩含有溶液は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の一種又は二種を含有した溶液であることが好ましい。
〈導電性ペースト〉
本件発明に係る導電性ペーストは、上記ドロップ状銅粉を含有したことを特徴とする。
本件発明に係るドロップ状銅粉は、その粉粒形状からして、導電性ペーストに加工して、導体を形成したときの導体の膜密度を向上させ、電気抵抗の低減化に大きく寄与するものとなるのではないかと考えられる。また、本件発明に係るドロップ状銅粉の製造は、本件発明者等の見いだした製造方法は極めて工程変動に強く、得られるドロップ状銅粉の粉体特性が極めて優れ、非常に高い分散性と非常にシャープな粒度分布を備えるようになる。
以下、本発明に係るドロップ状銅粉とドロップ状銅粉の製造方法の実施の形態について説明する。
<ドロップ状銅粉>
最初に、本件発明に係るドロップ状銅粉に関して説明する。この本件発明に係るドロップ状銅粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を示したのが図1である。
以下に述べるドロップ状銅粉は、従来の銅粉にない、極めて特殊な形状をしている。即ち、図1(A)及び図1(B)に示した如き、粉粒自体が薬剤の錠剤の如き形状、やや長細い紡錘状の形状等であり、これらを総称して本件明細書では「ドロップ状」又は「ドロップ形状」と称しているのである。以下、そのドロップ状銅粉に関して説明することとする。
このドロップ状銅粉は、湿式で出来たことを想起させるような微細な表面凹凸が見られる。従って、請求項には「物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる銅粉であって、当該銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴としたドロップ状銅粉。」としているのである。このドロップ状銅粉は、以下に述べる製造方法を採用することにより初めて得られるようになったものであり、従来の銅粉では全く存在しなかったものである。
従って、今後どのような用途に最も適するものとなるかさえ現段階では明らかではない。しかしながら、ドロップ状銅粉を用いて、銅ペーストを製造し、プリント配線板のビアホールの充填、プリント配線回路の引き回しに用いれば、形成される導体の膜密度を向上させることの出来る可能性があり、導体の電気抵抗を低くすることが期待できるのである。
しかも、このドロップ状銅粉も、湿式法を用いて製造されるものであるため、次のような分散性に優れた粉体特性を付与することが可能となるのである。即ち、「ドロップ状銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が3.0以下であることを特徴とするドロップ状銅粉。」とすることが可能なのである。
また、以下に述べる湿式製造方法を採用したことから、粒径の微細化が可能であり、平均粒径が15μm以下の微細粒とすることが可能である。従って、「平均粒径が15μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、ドロップ状銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.4〜1.6であることを特徴とするドロップ形状のドロップ状銅粉。」とする事ができるのである。
なお、D10、D50、D90及びDmaxとは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる重量累積10%、50%、90%における粒径及び最大粒径のことであり、フレーク銅粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定したものである。
また、ここで言うアスペクト比は、ドロップ状銅粉の扁平度を表すものであると言える。アスペクト比の値が0.4未満の場合には、粉粒の厚さが薄くなりすぎ、形成した導体の電気抵抗の上昇を引き起こすのである。これに対し、アスペクト比の値が1.6を超えると、扁平率が低いため、粉粒同士の十分な接触界面面積が得られず、形成した導体の電気抵抗を下げる事が出来なくなるのである。
ここで、従来の物理的手法を用いて製造したフレーク銅粉の粉体特性がどの程度のものであるかを認識しておく必要があるため、本件発明者等が従来のフレーク銅粉の諸特性を調査した結果を、表1に示す。
この表1に示した結果の内、まず注目すべきは標準偏差SDの値である。この標準偏差SDとは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られる全粒径データのバラツキを表す指標であり、この値が大きな程、バラツキが大きなものとなる。従って、ここで測定した5ロットの標準偏差SDの値は、0.343〜14.280の範囲でばらついていることが分かり、ロット間の粒径分布のバラツキが非常に大きな事が分かる。次に、変動係数であるSD/D50の値に着目すると0.55〜0.87の範囲でバラツクという結果が得られており、且つ、D90/D10で表される値が4.04〜7.61の範囲でバラツクものとなっている。更に、Dmaxの値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて得られた最大粒径を示すものであり、最大104.70μmという大きな粗粒が含まれている事も分かる。この従来のフレーク銅粉を、走査電子顕微鏡で観察したのが図2である。図2から分かるように、従来の銅粉は、その粉粒の厚さが薄くなりすぎ、その厚さにも均一性が無いものであり、粉粒としての形状自体にも安定性が無いものなのである。
これらの粉体特性を持つ従来のフレーク銅粉を用いて、銅ペーストを製造し、セラミックコンデンサの外部電極を製造した場合には形状精度がバラツキ、プリント配線板のビアホールの充填を行うと充填性及び形成した導体の電気抵抗にバラツキが生ずる事になるのである。
<ドロップ状銅粉の製造方法>
従来、湿式法を用いて銅粉を製造しようとしても、得られるのは粉粒が略球形のものであり、市場に於いても種々の形状の銅粉に対する要求も存在していなかった。しかしながら、本件発明者等の鋭意研究の結果、以下の方法でドロップ状銅粉を得ることに成功したのである。
ドロップ状銅粉製造の基本フロー:基本的に「硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して溶液pHを調製し銅アンミン錯体を生成し、これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させることを特徴としたドロップ状銅粉の製造方法。」を採用することにより、湿式法で直接ドロップ状銅粉を採取することに想到したのである。
「硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、」としているように、アンモニウムイオンを添加することは必須であり、硫酸銅溶液中の銅イオンと反応させ銅アンミン錯体を形成させるのである。ここで、硫酸銅溶液にアンモニウムイオンを添加するためには、アンモニウム塩含有溶液であって、水酸化アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれか一種又は二種以上を含有した溶液を用いることが好ましい。
そして、硫酸銅溶液にアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加する場合がある。このときのアミノ酸は、後に加える還元剤の補助還元剤としての役割を果たすものであるが、この段階でアミノ酸を加えることで、後に添加する還元剤量を削減することも可能となるのである。ここで言うアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、システインのいずれか一種又は二種以上の混合したものを用いれば、以下に述べる還元剤I及び還元剤IIとの相性に優れ、取扱いが容易であり、工程変動を引き起こすものではなく好ましいのである。
以上に述べた溶液に、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させるのであるが、この工程は主に銅アンミン錯体から一酸化銅(CuO)を生成する工程と考えて良い。この水酸化アルカリ金属塩含有溶液とは、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の1種又は2種を含有した溶液を用いることが好ましい。安価でしかも工程に悪影響を与えないからである。但し、この工程で完全に一酸化銅に変えるか一部を一酸化銅に変えるかでフレーク状の銅粉となるか、ドロップ状銅粉となるかが定まるのである。
そして、最後に還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させドロップ状銅粉とするのである。ここで言う「還元剤I」とは、単糖類及び還元性のある少糖類から選ばれる1種又は2種以上から成る粉状の還元剤のことであり、具体的にはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースの1種又は2種以上で構成されたものである。この還元剤Iは、粉状又は濃度2.5mol/l以上の高濃度溶液として添加することが好ましい。粉状の還元剤Iを添加する方法が最も好ましいのであるが、溶液中での分散性を考慮して、還元剤Iを水、アルコール等の溶媒に2.5mol/l以上の濃度として溶解させた溶液を用いることも可能である。溶液として添加する際の還元剤Iの濃度が2.5mol/l未満の領域でも2.0mol/l以上であれば一定のレベルのドロップ状銅粉を得ることが可能であるが収率のバラツキが大きくなり、更に低濃度になるとドロップ状銅粉そのものが全く得られなくなるのである。以上に述べたようにして還元剤Iを用いることで、製品として得られるドロップ状銅粉の粒度分布のバラツキを著しく小さくすることが可能となるのである。また、「還元剤II」とは、還元剤Iより還元能力の高い還元剤及び還元剤Iより標準電極電位の低い還元剤から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤のことであり、具体的にはヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルマリンの1種又は2種以上で構成されたものである。
このような還元剤を用いることにより、起こる反応を大まかに捉えれば、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して銅アンミン錯体から得た一酸化銅(CuO)を、還元剤Iと還元剤IIとを添加して銅を晶出させるものであり、本件発明で言うドロップ状銅粉を製造するためには、還元剤Iの添加条件が重要になる。還元剤Iは、一括で添加するか、溶液を攪拌しつつ添加速度を一定にして60分以内に添加を終了することが望ましいのである。これに対し、添加時間が60分を超えるものとすると、工業的生産性を満足しないものとなるばかりでなく、得られるドロップ状銅粉の粉体特性のバラツキが大きく、粒度分布がブロードになり品質の低下を招くのである。しかしながら、本件発明者等の研究によれば、粒度分布をシャープに保とうとする場合の品質安定性の観点から、最も安定した品質が得られるのが還元剤Iを一括で添加して反応させる場合であり、少なくとも添加時間を30分以内に設定することで、ロット間での粒度分布の著しい安定化が図れることが明らかとなっている。以上のようにして、本件発明に係るドロップ状銅粉を製造するのである。なお、還元剤IIに関しての添加方法に関しては、特に限定は要さない。
次に、より好ましいドロップ状銅粉の製造方法(以下「ドロップ製造方法」と称する。)を説明する。この製造方法は「液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液」を出発原料として用いる。
出発原料として用いる硫酸銅溶液の液温を50℃〜90℃としているのは、液温が50℃未満となっても液温が90℃を超えることになっても、反応速度が適正ではなく、良好な形状と粒度分布を持つドロップ状銅粉を得ることが出来ないのである。即ち、液温50℃〜90℃の範囲は、適正な反応速度を得られる範囲として定めたものであり、工程の最後までこの温度範囲に維持し、ドロップ状銅粉を得ることが好ましいのである。そして、硫酸銅溶液の銅濃度は、0.1mol/l〜5.0mol/lの範囲のものを用いることが好ましい。銅濃度が0.1mol/l未満の場合には、生産効率が悪く工業生産ベースに合致しないのである。一方、銅濃度が5.0mol/lを超えると、液温の変動に応じて鋭敏に再結晶が起こりやすく、溶液管理が煩雑化し、得られるドロップ状銅粉の形状バラツキも大きくなるのである。
その硫酸銅溶液に、アミノ酸を添加する。即ち、銅含有量1molあたりアミノ酸が1.0mol未満となるよう添加した溶液とするのである。1.0mol未満であるから、当然にアミノ酸を全く含まない0molをも包含する概念として用いている。このように、還元助剤として機能すると考えられるアミノ酸の添加量を減量する結果、最終的な還元に粉状の還元剤Iだけではなく、還元剤IIを組みあわせて用いなければならないこととなる。ここで、アミノ酸を銅含有量1molあたり1.0mol以上とすると、ドロップ状銅粉の収率が低下するのである。
1.0mol未満のアミノ酸を含む硫酸銅溶液に、上述したと同様のアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加する。このときの溶液は、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む状態になるのである。
そして、次に、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加するのであるが、この工程がドロップ製造方法において最も特徴的な部分である。この水酸化アルカリ金属塩含有溶液の添加量は、比較的少量の水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の一種又は二種を含有した溶液を用いるのである。即ち、水酸化アルカリ金属塩含有溶液を、溶液pHが10〜12の範囲となるよう添加し、酸化銅と水酸化銅との混合状態とするのである。ここで、溶液pHが10未満だと良好な酸化銅と水酸化銅との混合状態が得られず、溶液pHが12を超えると、水酸化銅が生成せず、銅アンミン錯体が一酸化銅に転化して、ドロップ状銅粉の製造が不可能となるのである。
そして、これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで前記酸化銅と水酸化銅との混合状態から銅をドロップ形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させるのである。また、還元剤Iと還元剤IIとを組みあわせて用いる必要性が生じるのは、当初の硫酸銅溶液に添加する還元助剤であるアミノ酸の添加量が少ないためでもある。最終的には、ドロップ形状に晶出した銅粉を濾別分離して、洗浄、乾燥させることで、ドロップ状銅粉が得られるのである。このときの濾過方法、洗浄方法、乾燥条件等に関しては、特に制限はなく、種々の方法を採用することが可能である。
<導電性ペースト>
以上に述べてきたドロップ状銅粉は、粒度分布が非常にシャープであり、分散性に優れるため、これらのドロップ状銅粉を用いて製造した導電性ペーストは、ロット間のペースト粘度の安定性に優れたものとなる。また、本件発明に係るドロップ状銅粉は、通常の銅粉である略球形の銅粉と混合して、有機ビヒクル内に分散させることで、従来にない導電性ペーストの品質を期待できるものとなるのである。
そこで、請求項には、「本件発明に係るドロップ状銅粉を含有した導電性ペースト」を規定しているのである。
この実施例1では、上述したドロップ製造方法に示したフローに従って、ドロップ状銅粉の製造を行った。硫酸銅溶液には、液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットルを用いた、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.40molとなるよう、47.7g(0.64mol相当)を添加した溶液調製した。
そして、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを3.2mol含む490mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが2.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを11.0として反応させ、一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態を形成した。
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、3.5mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり1.5molとなるように、434g(2.4mol)を一定の添加速度で15分間かけて添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり2.5molとなるように200g(4.0mol)を一定の添加速度で30分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態から二酸化銅(CuO)を経て銅をドロップ形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図1(A)に示した如きドロップ状銅粉を得たのである。
以上のようにして得られたドロップ状銅粉の諸特性は、表2に試料1として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが52.33μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.29であり、D90/D10で表される値が2.08、アスペクト比が0.54となっている。従って、本件発明に係るドロップ状銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
更に、本件発明者等は、上述の製造方法でドロップ状銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのドロップ状銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。このエポキシ系導電性ペーストは、ドロップ状銅粉を85重量部、第1のエポキシ樹脂には油化シェル社製のエピコート806を3.5重量部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD−141を10.2重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味の素株式会社製のアミキュアMY−24を1.3重量部として、これらを混錬したものである。以上のようにして得られた10ロットのエポキシ系導電性ペーストの粘度を測定した結果、ペースト粘度は、350Pa・s〜430Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、25×10−6Ω・mであった。
この実施例2では、上述したドロップ製造方法に示したフローに従って、ドロップ状銅粉の製造を行った。実施例1と同様に、硫酸銅溶液には、液温60℃、銅濃度2.0mol/lの硫酸銅溶液0.8リットルを用い、銅含有量1molあたりアミノ酸としてグリシンが0.40molとなるよう、47.7g(0.64mol相当)を添加した溶液調製した。
そして、実施例1と同様に、アンモニウム塩含有溶液として水酸化アンモニウムを3.2mol含む490mlの溶液をアンモニウムイオンの供給源として用い、これを上記硫酸銅溶液に添加し、銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが2.0molとなるようして、アンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とした。
これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液として25%水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液pHを11.0として反応させ、一酸化銅(CuO)と水酸化銅との混合状態を形成した。
これに還元剤Iと還元剤IIとを添加した。還元剤Iには、3.0mol/l濃度のグルコース水溶液を用いて銅含有量1molあたり0.5molとなるように、144g(0.8mol)を一定の添加速度で20分間かけて添加した。還元剤IIには、ヒドラジンを用いて銅含有量1molあたり3.0molとなるように240g(4.8mol)を一定の添加速度で20分間かけて添加した。このようにして還元することで前記一酸化銅(CuO)から二酸化銅(CuO)を経て銅をドロップ形状に晶出させた。その後、濾別分離して、洗浄、乾燥させることで図1(B)に示した如きドロップ状(紡錘状)の銅粉を得たのである。
以上のようにして得られたドロップ状銅粉の諸特性は、表2に試料2として示している。この表2に示した結果から分かるように、最大粒径Dmaxが44.00μmであって、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積D10、D50、D90、及びレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.30であり、D90/D10で表される値が2.11、アスペクト比0.90となっている。従って、本件発明に係るドロップ状銅粉の具備すべき要件を満足するものであることが分かるのである。
更に、本件発明者等は、実施例1と同様の方法で、上述の製造方法でドロップ状銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのドロップ状銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、300Pa・s〜400Pa・sの範囲に収まっており、ロット間変動が非常に小さく、粉体特性が非常に安定していることが推察できるのである。
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、26×10−6Ω・mであった。
[比較例]
比較例では、従来のフレーク銅粉を製造した。最初に、フレーク銅粉の製造に用いた略球形の銅粉の製造に関して説明する。硫酸銅(五水塩)100kgを、温水に溶解させ液温60℃の200リットルの溶液とした。そして、ここに125リットルの25質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を60℃に維持しつつ、1時間の攪拌を行い、酸化第二銅を生成した。
酸化第二銅の生成が終了すると、液温を60℃に維持し続け、ここに濃度450g/lのグルコース水溶液80リットルを、20分かけて一定の速度で添加し、酸化第一銅スラリーを生成した。ここで、このスラリーを一旦濾過し、洗浄した後、温水を加えて320リットルの再スラリーとした。
次に、再スラリーに、1.5kgのアミノ酢酸及び0.7kgのアラビアゴムを添加し、攪拌して、溶液温度を50℃に保持した。この状態の再スラリーに、20質量%濃度の水加ヒドラジン50リットルを、60分かけて一定の速度で添加し、酸化第一銅を還元して銅粉として、銅粉スラリーを生成した。
続いて、この銅粉スラリーを濾過し、純水で十分に洗浄し、濾過して水切りを行い、乾燥して銅粉を得た。
次に、この銅粉を、媒体分散ミルであるWilly A.Bachofen AG Maschinenfabrik製のダイノーミル KDL型を用いて、0.7mm径のジルコニアビーズをメディアとして用い、溶媒にメタノールを用いて30分間分散し、銅粉の粉粒を圧縮して塑性変形させる事で、略球形の銅粉をアスペクト比が0.18のフレーク状の銅粉にした。この結果、得られたフレーク銅粉の粉体特性が、表1の試料番号5として示したものであり、粉粒が図1(B)に示す如き形態を備えるものである。そして、圧縮試験の結果、300kgfの応力で圧縮したときの圧縮密度は4.2g/cm以下、P値は0.117であった。従って、本件発明に係るフレーク銅粉の具備すべき要件を満足するものでないことが分かるのである。
本件発明者等は、実施例1と同様の方法で、比較例の製造方法でフレーク銅粉を複数回製造し10ロット分を得て、各ロットのフレーク銅粉を用いて10ロットのエポキシ系導電性ペーストを製造し、ペースト粘度の変動幅を測定した。その結果、ペースト粘度は、420Pa・s〜600Pa・sの範囲になり、ロット間変動が非常に大きく、粘度が非常に不安定であることが分かるのである。
更に、この導電性ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法を採用した。その結果の抵抗値は、50×10−6Ω・mであった。
実施例と比較例との対比:比較例1と上記各実施例とを比較すると、各実施例の標準偏差が小さく、変動係数も小さくなっており、本件発明に係るドロップ状銅粉は、非常にシャープな粒度分布を持っていることが分かるのである。そして、導電性ペーストに加工し、ペレットに加工して測定した抵抗値は、本件発明に係るドロップ状銅粉の方が小さくなり、電気抵抗に優れた導体形成に有効であることが分かるのである。
本件発明に係るドロップ状銅粉は、従来市場に供給されてきた銅粉とは全く異なった粉粒形態をしたものである。従って、現段階において、ドロップ状銅粉の用途がどのように広がっていくのかを推測することは困難である。しかしながら、その粉粒形状からして、導電性ペーストに加工して、導体を形成したときの導体の膜密度を向上させ、電気抵抗の低減化に大きく寄与するものとなるのではないかと考えられ、プリント配線板製造分野、積層セラミックコンデンサ等のチップ部品の電極形成等に有用となるのではないかと考えられる。また、本件発明に係るドロップ状銅粉の製造には、物理的手法を全く用いることなく、専ら湿式法を採用しているためトータル製造コストを下げることが可能である。しかも、本件発明者等の見いだした製造方法は極めて工程変動に強く、得られるドロップ状銅粉の粉体特性が極めて優れ、非常に高い分散性と非常にシャープな粒度分布を備えるようになるのである。
ドロップ状銅粉の走査型電子顕微鏡観察像。 従来のフレーク銅粉との走査型電子顕微鏡観察像。

Claims (11)

  1. 物理的手法を用いることなく湿式法で直接得られる銅粉であって、
    当該銅粉は、粉粒表面に微細な凹凸を備えるドロップ形状であることを特徴としたドロップ状銅粉。
  2. ドロップ状銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D10、D50、D90、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.5以下であり、且つ、D90/D10で表される値が3.0以下であることを特徴とするドロップ形状の請求項1に記載のドロップ状銅粉。
  3. 平均粒径が15μm以下、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した粒度分布の標準偏差SDを用いて表されるSD/D50の値が0.15〜0.35であり、且つ、ドロップ状銅粉を構成する粉粒の厚さと前記重量累積粒径D50とで表されるアスペクト比([平均厚さ]/[D50])の値が0.4〜1.6であることを特徴とするドロップ形状の請求項1又は請求項2に記載のドロップ状銅粉。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のドロップ状銅粉の製造方法であって、
    硫酸銅溶液にアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンとアミノ酸とを添加して銅アンミン錯体を含む溶液を生成し、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して反応させ、これに以下に示す還元剤I及び還元剤IIを添加して銅を晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴としたドロップ状銅粉の製造方法。
    還元剤I:単糖類及び還元性のある少糖類から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤。
    還元剤II:還元剤Iより還元能力の高い還元剤及び還元剤Iより標準電極電位の低い還元剤から選ばれる1種又は2種以上から成る還元剤。
  5. 還元剤Iは、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースの1種又は2種以上を混合した粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として用いるものである請求項4に記載のドロップ状銅粉の製造方法。
  6. 還元剤IIは、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルマリンの1種又は2種以上を混合したものである請求項4又は請求項5に記載のドロップ状銅粉の製造方法。
  7. 請求項4〜請求項6のいずれかに記載のドロップ状銅粉の製造方法であって、
    液温50℃〜90℃で銅濃度0.1mol/l〜5.0mol/lの硫酸銅溶液に、銅含有量1molあたりアミノ酸が1.0mol未満となるよう添加した溶液を用いて、
    これにアンモニウム塩含有溶液をアンモニウムイオンの供給源として、これを上記硫酸銅溶液に銅含有量1molあたりアンモニウムイオンが1.5mol〜10.0molとなるよう添加してアンモニウムイオンと銅アンミン錯体とを含む溶液とし、
    これに水酸化アルカリ金属塩含有溶液を添加して、溶液pHを10〜12として反応させ、
    これに銅含有量1molあたり0.4mol〜2.0molの還元剤I(還元剤Iを粉状又は濃度2.5mol/l以上の溶液として添加するもの)及び銅含有量1molあたり1.0mol〜3.0molの還元剤IIを添加して還元することで一酸化銅と水酸化銅との混合状態から銅をドロップ形状に晶出させ濾別分離して、洗浄、乾燥させることを特徴としたドロップ状銅粉の製造方法。
  8. アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、システインのいずれか一種又は二種以上の混合したものである請求項4〜請求項7のいずれかに記載のドロップ状銅粉の製造方法。
  9. アンモニウム塩含有溶液は、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれか一種又は二種以上を含有した溶液である請求項4〜請求項8のいずれかに記載のドロップ状銅粉の製造方法。
  10. 水酸化アルカリ金属塩含有溶液は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液の一種又は二種を含有した溶液である請求項4〜請求項9のいずれかに記載のドロップ状銅粉の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のドロップ状銅粉を含有したことを特徴とした導電性ペースト。
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