JP2010069496A - 連続鋳造における二次冷却装置及び方法 - Google Patents

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拓志 田中
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Abstract

【課題】ミストノズルを備えた連続鋳造設備の二次冷却過程において、冷却水温度に関係なく鋳片の均一冷却が可能な冷却装置を提供し、鋼の連続鋳造における冷却水温度変化による鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止する。
【解決手段】連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却装置であって、空気と冷却水を混合した冷却水ミスト20aを前記鋳片に噴霧するミストノズル20が備えられると共に、前記冷却水の温度変化に応じて空気流量を制御可能な空気流量制御手段が備えられてなる。
【選択図】図9

Description

本発明は、連続鋳造設備において鋳片を二次冷却するための二次冷却装置及び方法に関し、更には、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを前記鋳片に噴霧する二次冷却装置及び方法に関するものである。
従来、垂直曲げ型の連続鋳造設備においては、鋳型に注入された溶鋼は、鋳型内で冷却されて表面のみに凝固殻を形成した状態となり(一次冷却)、それを鋳型から引き抜くことにより鋳片が連続的に鋳造される。鋳片は鋳型から下方垂直に引き抜かれた後、連続鋳造設備の曲げ部、円弧部及び矯正部を経て水平方向に引き出されつつ、その移送方向に設けられた二次冷却帯から冷却水が吹き付けられ、凝固が鋳片内部へ進行する様になっている(二次冷却)。
二次冷却帯は、鋳片の移送方向に複数配置された冷却ノズルにより構成されていて、冷却ノズルとしては、二次冷却水(以下、単に冷却水とも言う)をシャワー状に噴射するスプレーノズル、または二次冷却空気(以下、単に冷却空気または空気とも言う)と二次冷却水を混合した状態で噴霧するミストノズルが採用されている。
この様な垂直曲げ型連続鋳造設備の従来技術に係るミストノズルを用いた二次冷却について、以下図13を参照しながら説明する。図13は、連続鋳造における従来技術に係る二次冷却装置及び方法を説明するための制御フロー図である。従来技術に係る二次冷却では、鋳造速度Vc[m/min]に応じて二次冷却水流量Fs[Nm/h]を調整することにより、冷却抜熱量を制御している。
即ち、二次冷却水流量Fs[Nm/h]は、この冷却水流量Fsを鋳造速度Vcの関数で定めたFs=f(Vc)を基に、制御器33の演算部34内の水量分配テーブルに予め設定されており、その時点の設定鋳造速度 Vcを入力することにより算出される。
一方、二次冷却空気流量As[Nm/h]は、二次冷却水流量Fsに応じて前記演算部34内の気水比テーブルに予め設定されており、前記冷却水流量Fsに対する空気流量Asが前記演算部34にて算出される。前記気水比テーブルは、ミストノズル30が冷却水流量Fsに応じて、最も均一冷却もしくは安定噴霧できる気水比条件を定めた関数As=fa(Fs)で設定されている。
そして、算出した冷却水流量Fs及び冷却空気流量Asとなるよう制御器33内の制御部35にて、冷却水流路31及び空気流路32に夫々介設された流量調整弁31a,32aの開度を調節し、冷却水流量及び冷却空気流量を制御している。
従来より、冷却水温の変動が連続鋳造時の鋳片割れに影響を及ぼすことは知られていたが、もっぱら冷却水温が過度に低過ぎた場合に起こる鋳片の過冷却に関する現象であった。
しかしながら、上述した様な従来技術に係る二次冷却においても、鋳造時の鋳片割れ発生を十分に抑止し得なかった。
この様な課題を解決するため提案された従来例につき、以下に順次説明する。先ず、従来例1に係る冷却水制御装置は、鋳造速度に応じた冷却水流量を算出水流量として求める第1の手段と、二次冷却水の温度を計測して計測水流量に基づいて前記算出水流量を補正して設定冷却水流量を得て、この設定冷却水流量に応じて二次冷却水流量を制御する第2の手段とを有するものである(特許文献1参照)。
しかしながら、この従来例1に係る冷却水制御装置は、1流体ノズルであるスプレーノズルを用いた方法であり、2流体である気水ミストノズルを用いた方法ではない。また、二次冷却水温の変化による冷却能力変動を水流量調節により補正する方法であり、均一冷却性に対しては何ら言及していない。
次に、従来例2に係る連続鋳造における二次冷却方法及び装置につき、添付図14を参照しながら説明する。図14は、従来例2に係る二次冷却装置に利用される配管図である。この二次冷却方法は、低水流量域では気液二流体冷却とし、高水領域では一流体水冷却とする二次冷却方法である。
また、この二次冷却装置40は、二次冷却帯に気液二流体冷却手段41と一流体水冷却手段42とを具備せしめるとともに、低水流量域では気液二流体冷却とし高水領域では一流体水冷却とする切替手段43を具備せしめた二次冷却装置である(特許文献2参照)。しかし、この従来例2に係る二次冷却方法及び装置は、気液二流体冷却と一流体水冷却とを併用するものである。
また、従来例3に係る高炭素特殊鋼の連続鋳造方法によれば、冷却水温度38℃以上に保つことにより鋳片表面割れ増加を低減する鋳造方法が記載されている(特許文献3参照)。しかしながら、連続鋳造設備による鋳片冷却の均一性について種々検討した結果、後で詳細に述べる様に、二次冷却水温が高過ぎると鋳片の均一冷却ができなくなることが分かった。また、この方法では水温範囲を制限して操業したり、或いは、冷却水温度が低下するまで鋳造停止しなければならず、生産性が低下する。そして、これを回避するには冷却設備の能力を増強しなければならない。
特開2000−271713号公報 特開2004−58117号公報 特許第3455034号公報
本発明は、上述した様に、二次冷却水温が高過ぎると鋳片の均一冷却ができなくなることを知見し鋭意検討した結果なし得たものであって、ミストノズルを備えた連続鋳造設備の二次冷却過程において、冷却水温度に関係なく鋳片の均一冷却が可能な冷却装置及び方法を提供し、鋼の連続鋳造における冷却水温度変化による鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る連続鋳造の二次冷却装置が採用した手段は、連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却装置であって、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを前記鋳片に噴霧するミストノズルが備えられると共に、前記冷却水の温度変化に応じて空気流量を制御可能な空気流量制御手段が備えられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る連続鋳造の二次冷却装置が採用した手段は、請求項1に記載の連続鋳造における二次冷却装置において、前記空気流量制御手段が、前記冷却水の温度変化に応じてこの冷却水の蒸発蒸気量が空気流量に加えられた気体流量のうち、前記空気流量を一定に保つために、次式(1)により空気流量Astを演算する冷却空気演算部と、この演算結果に基づき空気流量を制御する空気流量制御機構とが備えられてなることを特徴とするものである。
Ast=As−Fv (1)
ここで、
As:冷却水常温における設定空気流量〔冷却水温度が常温(20±15℃)
にて設定される空気流量〕
Fv:蒸発蒸気量=fv(As,tw)=(M・As・ρa)/ρv (2)
M:飽和湿度=fm(tw) (3)
ρa:空気密度
ρv:蒸気密度
tw:二次冷却水温度
本発明の請求項3に係る連続鋳造の二次冷却装置が採用した手段は、請求項2に記載の連続鋳造における二次冷却装置において、前記空気流量制御機構が、ミストノズルに空気を供給する空気供給流路に介設された空気流量調整弁を制御対象とする制御機構であって、前記空気供給流路に介設された空気流量計と、前記空気流量調整弁の弁開度を制御する空気流量制御部と、ミストノズルに冷却水を供給する冷却水供給流路に介設された冷却水温計とが備えられている。
一方、前記冷却空気演算部において、この冷却水温計によって検出された検出水温に基づき前式(2)で求められる蒸発蒸気量Fvが演算されると共に、前記冷却空気演算部において演算された前記空気流量Astと前記空気流量計によって検出された検出流量信号との差を基に、前記空気流量制御部において前記空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度が制御されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る連続鋳造の二次冷却方法が採用した手段は、連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却方法であって、ミストノズルに空気と冷却水とを供給して冷却水ミストを発生させると共に、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気の供給流量を制御しつつ前記鋳片に冷却水ミストを噴霧して二次冷却することを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る連続鋳造の二次冷却方法が採用した手段は、請求項4に記載の連続鋳造における二次冷却方法において、前記冷却水の温度変化に応じて発生する蒸発蒸気量Fvを前式(2)により演算すると共に、前記空気の供給流量が前式(1)により算出される空気流量Astとなる様に制御することを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る連続鋳造の二次冷却方法が採用した手段は、請求項5に記載の連続鋳造における二次冷却方法において、空気の供給流路に介設された空気流量計により空気流量を検出すると共に、この検出した空気流量信号と算出された前記空気流量Astとの差を基に、前記空気供給流路に介設された空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度を制御することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る連続鋳造の二次冷却装置によれば、連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却装置であって、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを前記鋳片に噴霧するミストノズルが備えられると共に、前記冷却水の温度変化に応じて空気流量を制御可能な空気流量制御手段が備えられてなるので、ミストノズルを用いた連続鋳造の二次冷却において、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却ができ、その結果、鋳片の表面割れや表面傷の発生を抑制可能な二次冷却装置を提供することができる。
また、本発明の請求項2に係る連続鋳造の二次冷却装置によれば、前記空気流量制御手段が、前記冷却水の温度変化に応じてこの冷却水の蒸発蒸気量が空気流量に加えられた気体流量のうち、前記空気流量を一定に保つために、前式(1)により空気流量Astを演算する冷却空気演算部と、この演算結果に基づき空気流量を制御する空気流量制御機構とが備えられてなるので、前記冷却水の蒸発蒸気量による影響が排除される結果、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却ができ、鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止可能な二次冷却装置を提供することができる。
更に、本発明の請求項3に係る連続鋳造の二次冷却装置によれば、前記空気流量制御機構が、ミストノズルに空気を供給する空気供給流路に介設された空気流量調整弁を制御対象とする制御機構であって、前記空気供給流路に介設された空気流量計と、前記空気流量調整弁の弁開度を制御する空気流量制御部と、ミストノズルに冷却水を供給する冷却水供給流路に介設された冷却水温計とが備えられている。
一方、前記冷却空気演算部において、この冷却水温計によって検出された検出水温に基づき前式(2)で求められる蒸発蒸気量Fvが演算されると共に、前記冷却空気演算部において演算された前記空気流量Astと前記空気流量計によって検出された検出流量信号との差を基に、前記空気流量制御部において前記空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度が制御されてなるので、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却が可能な連続鋳造の二次冷却装置に係る空気流量制御機構を具体化し得る。
そして、本発明の請求項4に係る連続鋳造の二次冷却方法によれば、連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却方法であって、ミストノズルに空気と冷却水とを供給して冷却水ミストを発生させると共に、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気の供給流量を制御しつつ前記鋳片に冷却水ミストを噴霧して二次冷却するので、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却ができ、その結果、鋳片の表面割れや表面傷の発生を抑制可能な二次冷却方法を提供することができる。
また、本発明の請求項5に係る連続鋳造の二次冷却方法によれば、前記冷却水の温度変化に応じて発生する蒸発蒸気量Fvを前式(2)により演算すると共に、前記空気の供給流量が前式(1)により算出される空気流量Astとなる様に制御するので、前記冷却水の蒸発蒸気量による影響が排除される結果、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却ができ、鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止可能な二次冷却方法を提供することができる。
更に、本発明の請求項6に係る連続鋳造の二次冷却方法によれば、空気の供給流路に介設された空気流量計により空気流量を検出すると共に、この検出した空気流量信号と算出された前記空気流量Astとの差を基に、前記空気供給流路に介設された空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度を制御するので、冷却水温に関係なく均一な鋳片冷却が可能な連続鋳造の二次冷却方法に係る空気流量制御方法を具体化し得る。
先ず、本発明の実施の形態に係る二次冷却装置及び方法が適用可能な垂直曲げ型の連続鋳造設備につき、以下添付図1,2を参照しながら詳細に説明する。図1は垂直曲げ型連続鋳造設備の基本構造を示す模式図、図2は図1の矢視X−Xを示す断面図である。
垂直曲げ型連続鋳造設備1(以下、単に鋳造設備とも言う)には、鋳型2と、溶鋼3を一時的に蓄えて鋳型2へ注入するタンデッシュ4と、鋳型2から鋳抜かれた鋳片5を支えつつ搬送するサポートロール6とが備えられている。そして、取鍋7により運ばれてきた溶鋼3は、先ずタンデッシュ4に注がれ、このタンデッシュ4の底面に設けられた浸漬ノズル8から鋳型2に注入される。
鋳型2では溶鋼3が冷却(一次冷却)され、その表面部のみが凝固した状態の鋳片5となって、鋳型2の下部から垂直に引き抜かれるようになる。尚、引き抜かれた鋳片5の搬送方向に沿って鋳型2に近い側を上流側、鋳型2から遠い側を下流側と呼ぶことにする。
そして、鋳型2から引き抜かれた鋳片5は、その断面の長辺側及び/または短辺側に夫々配置された複数のサポートロール6で支持されつつ除々に水平方向に湾曲され、水平になった鋳片5は、下流側に備えられたガス切断機9により所定長のスラブ片11に分割される。
鋳型2の直下には、鋳片5を最初に支持するフットロール12が設置されており、その下流側は、鋳片5を円弧状に曲げる様にサポートロール6が複数配置された曲げ部13となる。また、この曲げ部13の下流側は、曲げ部13を通過して円弧状となった鋳片5を搬送するサポートロール6が複数配置された円弧部14となる。更に、この円弧部14の下流側は、円弧状となった鋳片5が水平方向を向く様に矯正するためのサポートロール6が配置された矯正部15となる。そして更に、この矯正部15の下流側には、鋳片5を引き抜くピンチロール16や鋳片5を下流側に搬送する搬送ロール17が配置されている。
加えて、各サポートロール6間には、鋳片5に冷却水ミストを噴射して二次冷却を行うミストノズル20からなる二次冷却帯が構成されている。このミストノズル20の機幅方向への配置は、図2に示す如く、鋳片5へ到達する冷却水ミスト20aの噴霧領域Aが不連続部を形成することなく配置されることが肝要である。また、二次冷却帯における二次冷却過程では、鋳片5がミスト噴霧の直下を通過する時とその周辺を通過する時に冷却速度が変化するので、鋳片5の割れ抑制のためには、この温度差を可能な限り小さくして均一冷却することが肝要である。
本発明者等は、この様な垂直曲げ型連続鋳造設備1のミストノズル20を用いて、前述の従来技術に係る二次冷却方式の冷却均一性について種々検討した結果、下記に説明する通り、二次冷却水温が高すぎると鋳片5の均一冷却ができなくなることが分かった。即ち、鋳造設備1自体の負荷変動や冷却水クーラーの負荷変動により冷却水温度が上昇したり、夏季に鋳造設備1が定期整備などにより停止した時に冷却水温度が外気温度と同等まで上昇すると、鋳片5のミスト冷却の均一性に大きな影響を及ぼすのである。
そこで、連続鋳造設備1の二次冷却帯における鋳片5の冷却時表面温度の実測結果について、添付図3〜7を参照しながら説明する。図3は二次冷却帯における鋳片の温度測定部位を説明するための片側側面図、図4は冷却水温30℃における鋳片表面温度の経時変化を示す図、図5は冷却水温80℃における鋳片表面温度の経時変化を示す図、図6は冷却水温30℃における鋳片表面温度と鋳片への熱伝達率との関係を示す図、図7は冷却水温80℃における鋳片表面温度と鋳片への熱伝達率との関係を示す図である。
鋳片5の温度測定部位は、図3に示す如く、二次冷却帯におけるミストノズル20の噴射直下にある鋳片5の表面をノズル直下部Bとし、ミスト噴霧領域A内においてノズル直下部Bから下流側に40mm離れた鋳片5の表面をノズル周辺部Cとし、冷却中の両部B,Cの鋳片表面温度を測定した。これらの表面温度測定結果は、図4,5に示す通り、ノズル直下部Bの方が周辺部Cよりも冷却速度が大きいため、これら両部B,C間に鋳片表面温度差が発生するが、冷却水温が30℃の場合に比べ80℃の方がこの温度差が大きくなることが分かった。
これらの鋳片温度測定結果から、鋳片冷却における冷却ミスト20aから鋳片5への熱伝達率を算出した結果、図6,7に示す様に、冷却水温30℃の場合よりも80℃の場合の方が、ノズル直下Bと周辺部C間の熱伝達率差が大きい。即ち、ミストノズル噴霧領域Aにおけるノズル直下部Bとノズル周辺部Cの温度差は、冷却水温が高いほど大きくなり、冷却の均一性が劣ることを見出した。
ミストノズル20は、冷却水と圧縮空気を供給混合されて微細な冷却水ミスト20aを生成することを特徴としているが、冷却水温が上昇した場合、空気と水の混合部において、冷却水が蒸発することによって発生した蒸気が空気に加わり、前記ノズル20から噴出される実質の気体量が、前記空気流量と蒸発水蒸気量の合計値に増加する。
即ち、図8に示す様に、水温が上昇し実質の気体量が増加することにより気水比も増加する。図8は、冷却水温が上昇した時に、空気量に冷却水の蒸発蒸気が加えた実質の気水比の差を示す図である。ここで、前記気水比は、ミストノズル20において空気流量と水流量のバランスを意味し、二次冷却空気流量/二次冷却水流量で表す。また、横軸の水流量比とは、ミストノズル20の設計最大水流量を100%と設定したときの水流量比率を示す。
水温が上昇することにより均一冷却性が悪化するのは、ミストノズル20から噴出される実質の気体量が増加することにより、前記ノズル20直下でのミスト衝突力が大きくなったり、衝突後に鋳片5上に残る水の排除される速度が大きくなる等の現象が起こり、その結果、ミストノズル20直下の冷却速度が周辺部に比べて大きくなるからだと考えられる。
この様な知見を得てなされた本発明の実施の形態に係る二次冷却装置及び方法につき、以下図9を主体に前図1,2も参照しながら説明する。図9は、連続鋳造における本発明の実施の形態に係る二次冷却装置及び方法を説明するための制御フロー図である。
本発明の実施の形態に係る二次冷却装置には、冷却水と空気とが混合されることによって、冷却水ミスト20aを形成して鋳片5を冷却する複数のミストノズル20が備えられると共に、これらのミストノズル20に冷却水を供給する冷却水供給流路21と、空気を供給する空気供給流路22とが備えられている。そして、前記冷却水供給流路21には、冷却水流量を調整するための冷却水流量調整弁21aとこの流量を測定するための冷却水流量計21bとが介設されると共に、前記空気供給流路22には、空気流量を調整するための空気流量調整弁22aとこの流量を測定するための空気流量計22bとが介設されている。
同時に、この二次冷却装置には、前記冷却ミスト20aを形成させる上で、冷却水と空気の各必要流量を演算するための演算部24と、前記各流量を制御する制御部25が収納された制御器23が備えられている。そして、前記演算部24には、水量分配テーブルが収納された冷却水演算部24aと気水比テーブルが収納された冷却空気演算部24bが、前記制御部25には、冷却水流量制御部25aと空気流量制御部25bが夫々収納されている。
前記冷却水演算部24aに収納された水量分配テーブルは、冷却水流量Fsを鋳造速度Vcの関数で定めたFs=f(Vc)を基に設定されており、設定鋳造速度Vcの入力に応じて必要な冷却水流量Fsが算出される様に構成されている。一方、前記冷却空気演算部24bに収納された気水比テーブル24bは、ミストノズル20が冷却水流量Fsに応じて、冷却水温度が常温において均一冷却もしくは安定噴霧できる気水比条件を関数として求めた空気流量As=fa(Fs)が設定されている。
冷却水温が上昇すると、冷却水が蒸発することによって発生した蒸気が二次冷却空気に加わり、ミストノズル20から噴霧される時の実質の気体量が、空気流量と蒸発水蒸気量の合計値に増加する。そのため、前記冷却空気演算部24bには、前記空気流量As中に含まれる蒸発蒸気流量Fvが、前記空気流量Asと冷却水流路21に設けられた冷却水温計21cにより計測された冷却水温度twの関数Fv=fv(As,tw)Fvとして設定されると共に、実質の気体流量を冷却水温twに拘わらず一定に保つため、前記蒸発蒸気量Fv分を空気流量Asから減じる様に補正する。
即ち、本発明に係る二次冷却の空気流量Ast[Nm/h]が次式(1)の如く設定されている。
Ast=As−Fv (1)
ここで、
Fv:蒸発蒸気量[Nm/h]
=fv(As,tw)=(M・As・ρa)/ρv (2)
ρa:空気密度[kg/Nm3]
ρv:蒸気密度[kg/Nm3]
tw:二次冷却水温度[K]
また、Mは次式(3)で定義されるtwの関数fmにより算出される飽和湿度[kg水蒸気/kg空気]である。
M=fm(tw) (3)
そして、この様に算出された前記冷却水流量Fsは、制御部25内の冷却水流量制御部25aに送信されて、冷却水流路21に介設された冷却水流量調整弁21aの弁開度を以下の如く制御する一方、前記の如く算出された空気流量Astは、制御部25内の空気流量制御部25bに送信され、空気流路22に介設された空気流量調整弁22aの弁開度を以下の如く制御する様に構成されている。
即ち、前記冷却水流量制御部25a及び空気流量制御部25bには、夫々冷却水流量Fs及び空気流量Astが入力信号として送信される一方、冷却水流路21及び空気流路22に介設された冷却水流量計21b及び空気流量計22bからの夫々の検出流量信号PV1,PV2も常時送信されている。
そして、前記冷却水流量制御部25a及び空気流量制御部25bにおいて、前記冷却水流量Fs信号と検出流量信号PV1との差及び空気流量Ast信号と検出流量信号PV2との差を基に、前記冷却水流量調整弁21aの弁開度操作量MV1及び空気流量調整弁22aの弁開度操作量MV2が決定され、制御信号として前記冷却水流量調整弁21a及び空気流量調整弁22aに送信され、冷却水流量及び空気流量を制御する様に構成されている。
次に、本発明の実施の形態に係る二次冷却方法につき、以下図9を主体に前図1,2も参照しながら説明する。
先ず、制御器23に、連続鋳造設備1の設定鋳造速度Vcを入力する。この設定鋳造速度Vcの入力は手動入力でも良いし、連続鋳造設備1からの信号による自動入力でも良い。すると、演算部24内の冷却水演算部24aにおいて、水量分配テーブルFs=f(Vc)により冷却水流量Fsが自動的に算出される一方、この冷却水流量Fs信号が冷却空気演算部24bへ送られ、この冷却空気演算部24b内において、気水比テーブルAs=fa(Fs)から空気流量Asが算出されると共に、前式(2)により蒸発蒸気量Fvが算出される。そして、この蒸発蒸気量Fvにより補正された二次空気流量Astが前式(1)より算出される。
そして、前記演算部24においてこの様に算出された前記冷却水流量Fsは、制御部25内の冷却水流量制御部25aに送信され、冷却水供給流路21に介設された冷却水流量調整弁21aの弁開度を制御する一方、算出された前記空気流量Astは、制御部25内の空気流量制御部25bに送信され、空気供給流路22に介設された空気流量調整弁22aの弁開度を制御する。
前記冷却水制御部25a及び空気流量制御部25bは、夫々演算された冷却水流量Fs及び空気流量Astを受信する一方、夫々冷却水供給流路21及び空気供給流路22に介設された冷却水流量計21b及び空気流量計22bによる夫々の検出流量信号PV1,PV2を常時受信している。
そして、前記冷却水流量制御部25a及び空気流量制御部25bにおいて、前記冷却水流量Fs信号と検出流量信号PV1との差及び空気流量Ast信号と検出流量信号PV2との差を基に、前記冷却水流量調整弁21aの弁開度操作量MV1及び空気流量調整弁22aの弁開度操作量MV2を決定し、制御信号として前記冷却水流量調整弁21a及び空気流量調整弁22aに送信して、冷却水流量及び空気流量を制御するのである。
以上の通り、本発明に係る二次冷却水制御装置及び方法により、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを前記鋳片に噴霧するミストノズルと、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気の供給流量を制御可能な空気流量制御手段とが備えられ、前記ミストノズルに空気と冷却水とを供給して冷却水ミストを発生させると共に、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気流量を制御しつつ前記鋳片に噴霧して二次冷却するので、冷却水温が上昇しても実質の気体量を一定に保つ、即ち、蒸発蒸気量分を空気流量から減じ、実質の気体量を水温にかかわらず一定に保つことにより、均一冷却性の悪化を低減できる。その結果、高水温での鋳片均一冷却性を改善することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る二次冷却水制御装置及び冷却方法により高温鋳片を冷却した実施例と、従来技術により冷却した比較例とを、図10〜12及び前図1〜3を参照しながら以下に説明する。
図10は本発明の比較例に係り、水温30℃〜80℃の冷却水により従来技術を用いて高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の熱伝達率偏差率と累積度数率の関係を示す図、図11は本発明の比較例及び実施例に係り、水温80℃の冷却水により従来技術及び本発明の実施の形態により高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の熱伝達率偏差率と累積度数率の関係を示す図、図12は本発明の比較例及び実施例に係り、水温30℃〜80℃の冷却水により従来技術及び本発明の実施の形態により高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の累積度数率90%における熱伝達率偏差率を示す図である。
実施例においては、鋳片冷却する二次冷却水の水流量密度を550L/m/分、水温を80℃とし、ミストノズルに供給する空気流量Astを前式(1)により補正した1670NL/m/分、気水比を3として鋳片5を冷却した。一方、比較例においては、水温30℃、40℃、60℃及び80℃の4条件において、空気流量は気水比テーブルに設定されている35420NL/m/分、気水比を25.3として鋳片5を冷却した。尚、蒸発蒸気量を考慮した実質の気水比は、水温30℃で26.4、水温40℃で27.3、水温60℃で31.6、水温80℃で48.3である。
そして、図3に示した鋳片5の表面におけるノズル直下部Bの3点及び周辺部Cの6点に貼り付けた図示しない鋳片温度計9点と、前記ノズル直下部B及び周辺部C夫々から深さ25mmに埋め込んだ図示しない鋳片温度計9点の、合計18点における各鋳片温度を0.5秒ごとに検出し、冷却中の鋳片温度が900℃から600℃まで低下する間の、前記ノズル直下部B及び周辺部C夫々における冷却水ミスト20aから鋳片5への熱伝達率αを算出した。
次に、鋳片表面のB点及びC点において、熱伝達率αと熱伝達率αの平均値αaveから、次式(4)で定義される熱伝達率の平均値αaveとの偏差率Δα(以下、熱伝達率偏差率と称す)[%]を算出する。
Δα={|α−αave|/αave}×100 (4)
連続鋳造における二次冷却帯において、鋳片5はミスト冷却、放射冷却及びロール冷却を繰り返しながら冷却される。そのため、ミスト冷却時の熱伝達率偏差率Δαがある一定の範囲内に収まっていれば、放射冷却及びロール冷却中は常に均一冷却であるため、ミスト冷却時の熱伝達率偏差Δαから生じた鋳片5表面及び内部の温度差が、鋳片5内部の熱伝導によって収束するため、均一冷却であるといえる。
均一冷却であれば、鋳片5の表面及び内部の温度差や、凝固厚さの偏差が小さくなるため、表面割れや表面傷は発生しにくくなる。ミスト冷却時に熱伝達率偏差率Δαのバラツキが大きくある一定の範囲を超え、鋳片5の表面及び内部の温度差が、鋳片5内部の熱伝導によって収束しない場合は、鋳片5の凝固厚さが不均一になり、凝固収縮、変態等による応力集中が生じるため、表面割れや表面傷が発生し易くなる。
表1に、水温30℃〜80℃の冷却水を用い、鋳片表面温度600℃〜800℃で連続鋳造中の高温鋳片を二次冷却した比較例及び実施例における表面割れ及び表面傷の発生結果を示す。表中のノズルタイプとはミストノズルの型式を示し、同一符号のものは同一形状、同一寸法のノズルであることを示す。この結果によれば、従来の二次冷却技術でも、水温30℃〜40℃であれば、表面割れや表面傷は発生していないが、気温が上昇する夏場に長時間の連続鋳造を行い水温が60℃以上に上がった場合、表面割れ、表面傷が発生することがある。
Figure 2010069496
上記一連の試験結果を、前式(4)で定義した熱伝達率偏差率Δαに対する累積度数率として表した図10によれば、各冷却水温における熱伝達率偏差率Δαに対する累積度数率をつなぐ分布曲線が、熱伝達率偏差率Δαが20%において、累積度数率が0〜75%の範囲を通過する場合は表面割れや表面傷が発生し、累積度数率が90〜100%の範囲を通過する場合は表面割れや表面傷は発生しない。つまり、鋳片の表面割れや表面傷は、熱伝達偏差率0〜20%の累積度数率が75%以下であれば発生し、90%以上であれば発生しないことが分かった。
そこで次に、冷却水温80℃の冷却水を用いて高温鋳片を二次冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃における熱伝達率偏差率Δαと累積度数率の関係を、比較例−1と共に実施例−1について示した図11によれば、熱伝達偏差率20%における累積度数率が、比較例−1の75%から実施例−1の93%に改善される。即ち、空気流量を水温により補正する本発明に係る二次冷却は、従来技術に比べ熱伝達率偏差率Δαのバラツキが小さく、水温80℃の高温冷却水でも、熱伝達偏差率20%における累積度数率が90%以上となり表面割れや表面傷が発生しない。
図10,11に示した比較例及び実施例において、累積度数率が90%の時の冷却水温と熱伝達率偏差Δαの関係を示す図12によれば、比較例においては、冷却水温30℃及び40℃では熱伝達率偏差率Δαが13〜18%で表面割れや表面傷は発生しないが、冷却水温60℃では熱伝達率偏差率Δαが28%、冷却水温80℃に至ると熱伝達率偏差率Δαが33%となり、冷却水温が上昇するにつれ熱伝達率のばらつきが大きくなり、表面割れや表面疵が発生することを示している。
一方、実施例では、冷却水温80℃でも熱伝達率偏差率18%であり、従来技術を用いた冷却水温30℃、40℃の比較例と同等に均一冷却できており、表面割れや表面傷が発生しない。即ち、本発明に係る二次冷却装置や方法を用いることにより、冷却水温度変化による鋳片割れや表面傷を防止することができる。
以上説明した通り、本発明に係る連続鋳造の二次冷却水制御装置によれば、冷却水の温度変化に応じて前記空気流量を調整可能な空気流量制御手段が備えられてなるので、前記ミストノズルを用いた連続鋳造の二次冷却において均一な鋳片冷却ができ、その結果、鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止することができる。
一方、本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法によれば、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを噴霧するミストノズルを用い、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気流量を調整しつつ前記鋳片に前記ミストを噴霧して二次冷却するので、連続鋳造における均一な鋳片冷却がなされ、鋳片の表面割れや表面傷の発生を防止することができる。
垂直曲げ型連続鋳造設備の基本構造を示す模式図である。 図1の矢視X−Xを示す断面図である。 二次冷却帯における鋳片の温度測定部位を説明するための片側側面図を示す。 冷却水温30℃における鋳片表面温度の経時変化を示す図である。 冷却水温80℃における鋳片表面温度の経時変化を示す図である。 冷却水温30℃における鋳片表面温度と鋳片への熱伝達率との関係を示す図である。 冷却水温80℃における鋳片表面温度と鋳片への熱伝達率との関係を示す図である。 冷却水温が上昇した時に、空気量に冷却水の蒸発蒸気が加えた実質の気水比の差を示す図である。 連続鋳造における本発明の実施の形態に係る二次冷却装置及び方法を説明するための制御フロー図である。 本発明の比較例に係り、水温30℃〜80℃の冷却水により従来技術を用いて高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の熱伝達率偏差率と累積度数率の関係を示す図である。 本発明の比較例及び実施例に係り、水温80℃の冷却水により従来技術及び本発明の実施の形態により高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の熱伝達率偏差率と累積度数率の関係を示す図である。 本発明の比較例及び実施例に係り、水温30℃〜80℃の冷却水により従来技術及び本発明の実施の形態により高温鋳片を冷却した時の、鋳片表面温度600℃〜800℃の累積度数率90%における熱伝達率偏差率を示す図である。 連続鋳造における従来技術に係る二次冷却装置及び方法を説明するための制御フロー図である。 従来例2に係る二次冷却装置に利用される配管図である。
符号の説明
A:ミスト噴霧領域, B:ノズル直下部, C:ノズル周辺部,
1:(垂直曲げ型)連続鋳造設備, 2:鋳型, 3:溶鋼,
4:タンデッシュ, 5:鋳片, 6:サポートロール,
7:取鍋, 8:浸漬ノズル, 9:ガス切断機,
11:スラブ片, 12:フットロール,
13:曲げ部, 14:円弧部, 15:矯正部,
16:ピンチロール, 17:搬送ロール,
20:ミストノズル, 20a:冷却水ミスト,
21:冷却水供給流路, 21a:冷却水流量調整弁, 21b:冷却水流量計,
21c:冷却水温計,
22:空気供給流路, 22a:空気流量調整弁, 22b:空気流量計,
23:制御器,
24:演算部, 24a:冷却水演算部, 24b:冷却空気演算部,
25:制御部, 25a:冷却水流量制御部, 25b:空気流量制御部

Claims (6)

  1. 連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却装置であって、空気と冷却水を混合した冷却水ミストを前記鋳片に噴霧するミストノズルが備えられると共に、前記冷却水の温度変化に応じて空気流量を制御可能な空気流量制御手段が備えられてなることを特徴とする連続鋳造における二次冷却装置。
  2. 前記空気流量制御手段が、前記冷却水の温度変化に応じてこの冷却水の蒸発蒸気量が空気流量に加えられた気体流量のうち、前記空気流量を一定に保つために、次式(1)により空気流量Astを演算する冷却空気演算部と、この演算結果に基づき空気流量を制御する空気流量制御機構とが備えられてなることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造における二次冷却装置。
    Ast=As−Fv (1)
    ここで、
    As:冷却水常温における設定空気流量〔冷却水温度が常温(20±15℃)
    にて設定される空気流量〕
    Fv:蒸発蒸気量=fv(As,tw)=(M・As・ρa)/ρv (2)
    M:飽和湿度=fm(tw) (3)
    ρa:空気密度
    ρv:蒸気密度
    tw:二次冷却水温度
  3. 前記空気流量制御機構が、ミストノズルに空気を供給する空気供給流路に介設された空気流量調整弁を制御対象とする制御機構であって、
    前記空気供給流路に介設された空気流量計と、
    前記空気流量調整弁の弁開度を制御する空気流量制御部と、
    ミストノズルに冷却水を供給する冷却水供給流路に介設された冷却水温計とが備えられる一方、
    前記冷却空気演算部において、この冷却水温計によって検出された検出水温に基づき前式(2)で求められる蒸発蒸気量Fvが演算されると共に、
    前記冷却空気演算部において演算された前記空気流量Astと前記空気流量計によって検出された検出流量信号との差を基に、前記空気流量制御部において前記空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度が制御されてなることを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造における二次冷却装置。
  4. 連続鋳造において鋳片を二次冷却するための二次冷却方法であって、ミストノズルに空気と冷却水とを供給して冷却水ミストを発生させると共に、前記冷却水の温度変化に応じて前記空気の供給流量を制御しつつ前記鋳片に冷却水ミストを噴霧して二次冷却することを特徴とする連続鋳造における二次冷却方法。
  5. 前記冷却水の温度変化に応じて発生する蒸発蒸気量Fvを前式(2)により演算すると共に、前記空気の供給流量が前式(1)により算出される空気流量Astとなる様に制御することを特徴とする請求項4に記載の連続鋳造における二次冷却方法。
  6. 空気の供給流路に介設された空気流量計により空気流量を検出すると共に、この検出した空気流量信号と算出された前記空気流量Astとの差を基に、前記空気供給流路に介設された空気流量調整弁の弁開度操作量を決定し、この操作量信号により前記空気流量調整弁の弁開度を制御することを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造における二次冷却方法。
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