JP2008183607A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンディッシュ交換時や浸漬ノズル交換時のように、鋳片の引抜きを一旦停止した後に、再度、引抜きを開始して連々鋳を継続する際に、機内で引抜きを停止している、二次冷却帯に該当する部位の鋳片の表面温度を所定の温度に制御する。
【解決手段】 連続鋳造機1での機内停止により生じた鋳片12の温度を二次冷却帯6の出側以降で測定し、予め設定した目標温度よりも低い温度部分を特定し、機内停止後の鋳片引抜き速度と経過時間とから、低い温度部分が生じた原因となった二次冷却帯の冷却ゾーン6a〜iを特定し、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を、次回以降の機内停止時の鋳片の表面温度と予め設定した目標温度との差が50℃以下となるように設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、詳しくはタンディッシュ交換或いは浸漬ノズル交換などのために、鋳造中に鋳片の引抜きを一旦停止し、その後、引抜きを再開させて連続鋳造を継続するときの二次冷却パターンを適正化して連続鋳造する方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して各鋳型に注入している。鋳型内に注入された溶鋼は冷却されて鋳型との接触面に凝固シェルを形成し、この凝固シェルを外殻とし、内部に未凝固溶鋼を有する鋳片は、鋳型下方に設けられた二次冷却帯において冷却水(「二次冷却水」という)によって冷却されながら鋳型下方に連続的に引抜かれ、やがて中心部までの凝固が完了する。中心部までの凝固の完了した鋳片を所定の長さに切断して、圧延用素材である鋳片が製造される。
この二次冷却帯における鋳片の冷却は、鋳片の品質を大きく左右する要因の1つとなっている。例えば、冷却強度が強過ぎる場合には、鋳片表面に縦割れや横割れなどの割れが発生し、一方、冷却強度が低過ぎる場合には、鋳片表面温度が高くなり過ぎて凝固シェルの強度が低下し、溶鋼静圧による凝固シェルのバルジング(鋳片が膨らむこと)が大きくなり、このバルジングに起因して内部割れが発生したり中心偏析が悪化したりする。
従って、鋳片の冷却を精度良く制御するために、鋳造方向に長く伸びる二次冷却帯を鋳造方向で複数の部位に分割し、分割した各冷却ゾーン別に冷却水量を決定するのが一般的である。そして、各冷却ゾーンの冷却水の流量(Q)は、鋳片の引抜き速度(V)をパラメータとして、Q=aV2 +bV+c(a、b、cは定数)のような関数を用いて調整することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。ここで、鋳片の引抜き速度がゼロの場合、つまり連続鋳造機の機内停止時の鋳片にも冷却水を噴霧する理由は以下の通りである。即ち、内部に未凝固層を有する鋳片では凝固シェルは未凝固層からの熱を常に受けており、冷却水の噴霧を停止すると、凝固シェルの温度が上昇して凝固シェルのバルジングが大きくなり、再引抜きが困難になる、或いは、バルジングによって凝固シェルが破断してブレークアウトが発生するなどの操業トラブルが発生するからである。
ところで、通常、鋼の連続鋳造では鋳片を連続的に引抜いており、鋳片を機内で停止させる場合は、一般的には次の操業の場合である。
即ち、鋼の連続鋳造では、連続鋳造機の生産性を高めるために、数ヒートの連続連続鋳造(「連々鋳」という)を行うのみならず、数ヒートの連々鋳の後にタンディッシュを交換する或いはタンディッシュ底に配置した浸漬ノズルを交換して、更に数ヒートの連々鋳を実施することが一般的に行われている。このタンディッシュ交換時及び浸漬ノズル交換時には、鋳型への溶鋼の注入を中断するとともに鋳片の引抜きを一旦停止する。そして、鋳片を機内で停止させた状態で新しいタンディッシュ或いは新しい浸漬ノズルが設置されるのを待ち、新しいタンディッシュ或いは新しい浸漬ノズルが設置され次第、更に溶鋼を鋳型に注入し、それに応じて鋳片の引抜きを再開し、定常引抜き速度まで昇速させている。この場合、鋳片は1分間ないし数分間程度機内で停止したままとなる。
鋳片が一旦停止した際にも、前述のように鋳片に対して二次冷却水が噴霧されるが、幅の狭い鋳片では、鋳片の短辺面が鋳片長辺面を冷却するための二次冷却水によって冷却されるので、鋳片コーナー部が特に過冷却になることが多かった。鋼の連続鋳造操業では、鋳片の曲げや曲げ戻しの矯正を鋼の脆性域よりも高温側で行うことが一般的であり、このようにして鋳片コーナー部が過冷却になると、コーナー部は脆性域に入り、鋳片の曲げ或いは曲げ戻しの際に鋳片コーナー部に、横割れの1種である、鋳片の長辺面から短辺面にわたるコーナー割れ(「コーナーカギ割れ」ともいう)が発生する。コーナー割れが発生すると、鋳片の表面手入れが必要となり、熱片直送圧延ができない、歩留りが低下する、製造工程が延長するなど、様々な問題が発生する。
特開昭61−238453号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タンディッシュ交換時や浸漬ノズル交換時のように、鋳片の引抜きを一旦停止した後に、再度、引抜きを開始して連々鋳を継続する際に、機内で引抜きを停止している、二次冷却帯に該当する部位の鋳片の表面温度を所定の温度に制御することのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、連続鋳造機での機内停止により生じた鋳片の温度を二次冷却帯の出側以降で測定し、予め設定した目標温度よりも低い温度部分を特定し、機内停止後の鋳片引抜き速度と経過時間とから、低い温度部分が生じた原因となった二次冷却帯の冷却ゾーンを特定し、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を、次回以降の機内停止時の鋳片の表面温度と予め設定した目標温度との差が50℃以下となるように設定することを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、前記冷却ゾーンにおける冷却水量を、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルからの冷却水量を個別に調整することによって設定することを特徴とするものである。
第3の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1または第2の発明において、前記冷却ゾーンにおける冷却水量を、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの内、少なくとも鋳片のコーナー部に配置したスプレーノズルからの冷却水量を減少させることによって設定することを特徴とするものである。
本発明によれば、タンディッシュ交換などによって鋳片が連続鋳造機の機内で停止する毎に、鋳片の表面温度を測定し、測定される表面温度が予め設定した目標温度よりも低い場合には、その低い部位に該当する二次冷却ゾーンを特定し、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を、予め設定した目標温度との差が50℃以下となるように設定し直すので、次回の機内停止時の鋳片表面温度を目標温度の近くにすることができる。そして、コーナー部を含めて鋳片の表面温度が目標温度と同等になることで、鋳片コーナー部は脆性域を外れ、鋳片の曲げ部或いは曲げ戻し部において鋳片コーナー部に矯正応力が作用しても、コーナー割れの発生を防止することができ、歩留りの向上、鋳片の熱片直送圧延が可能となるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を適用した垂直曲げ型連続鋳造機の側面概略図である。
図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機1は、鋳型4と、鋳型4の上方に配置されるタンディッシュ2と、鋳型4の直下に配置されるローラーエプロン5と、ローラーエプロン5の下方に設置される複数対のピンチロール7と、鋳造される鋳片12を円弧状に曲げるための曲げロール8と、円弧状に曲げられた鋳片12を平板状に曲げ戻すためのストレートナー9と、を備えている。タンディッシュ2の底部には浸漬ノズル3が設置されている。
ローラーエプロン5には複数対のガイドロール(図示せず)が配置されており、ローラーエプロン5の領域が二次冷却帯6となっている。この二次冷却帯6は、鋳型4の直下側から順に、第1ゾーン6a、第2ゾーン6b、第3ゾーン6c、第4ゾーン6d、第5ゾーン6e、第6ゾーン6f、第7ゾーン6g、第8ゾーン6h、第9ゾーン6iの9つの冷却ゾーンに分かれており、これらの冷却ゾーンには、それぞれ、図2に示すように水スプレーノズルまたはエアーミストスプレーノズルからなるスプレーノズル13が、鋳造方向に隣り合うガイドロールの間隙に設置されている。尚、図2は、スプレーノズル13の配置を示す概略図で、図2(A)は鋳造方向に平行な方向から見た配置図で、図2(B)は鋳造方向に垂直な方向から見た配置図である。
この場合、スプレーノズル13への冷却水供給配管14は、ルート1,2,3の3つの系統に分かれており、ルート1が鋳造可能な最大幅の鋳片に対してその中央部を冷却し、ルート3がその端部を冷却し、ルート2がルート1とルート3との間を冷却するように構成されている。第1ゾーン6aから第9ゾーン6iまでの各冷却ゾーンで、それぞれ独立して二次冷却水の供給量が調整可能となっているのみならず、各冷却ゾーンのルート1,2,3の3つの系統でも独立して二次冷却水の供給量が調整可能となっている。それぞれのスプレーノズル13は、鋳造方向に千鳥配置されており、これらのスプレーノズル13から噴霧される二次冷却水によって鋳片12は冷却されるようになっている。
溶鋼11を取鍋(図示せず)からタンディッシュ2に注入し、タンディッシュ2に所定量の溶鋼11が収容された状態を維持しつつ、浸漬ノズル3を介してタンディッシュ2に収容された溶鋼11を鋳型4に注入する。そして、溶鋼11が鋳型4と接触して形成される凝固シェル(図示せず)を外殻とし、内部を未凝固層(図示せず)とする鋳片12をピンチロール7によって連続的に鋳型4の下方に引抜く。鋳型4から引抜かれた、内部に未凝固層を有する鋳片12は、下方に引抜かれながらローラーエプロン5の領域に設けられた二次冷却帯6の二次冷却水によって冷却され、ピンチロール7に至る以前のローラーエプロン5の領域で鋳片中心部までの凝固を完了する。つまり、垂直曲げ型連続鋳造機1の垂直部で凝固を完了する。
凝固が完了し、ピンチロール7を通過した鋳片12は、曲げロール8によって円弧状に曲げられ、次いで、円弧状に曲げられた鋳片12は、ストレートナー9によって平板状に曲げ戻される。平板状に曲げ戻された鋳片12は、ストレートナー9の下流側に配置されたトーチ式切断機(図示せず)によって所定の長さに切断される。曲げロール8とストレートナー9との間(鋳型内溶鋼湯面から32.6mの位置)に、温度の低下しやすい、鋳片12のコーナー部の温度を測定するための温度計測センサー10が設置されている。温度計測センサー10による計測値は演算機(図示せず)に入力され、温度計測値が表示されるようになっている。尚、温度計測センサー10の設置位置は図1に示す位置である必要はなく、二次冷却帯6を通過した以降であるならば、どこであっても構わない。
尚、このような垂直曲げ型連続鋳造機1において、鋳片12の表面に引張応力が作用する位置は、主に、曲げロール8によって鋳片12を円弧状に曲げるときの鋳片下面側、及び、ストレートナー9によって円弧状の鋳片12を平板状に曲げ戻すときの鋳片上面側であり、引張応力が作用するときに鋳片12のコーナー表面温度が鋼の脆性域に入ると、鋳片12にコーナー割れが発生する。
このようにして構成される垂直ベンディング型連続鋳造機1において、タンディッシュ2を交換するために鋳片12を機内で一旦停止させ、タンディッシュ2を交換し、次いで溶鋼11の鋳型4への注入を再開した後に、鋳片12の引抜きを再開したときの鋳片下面側コーナー部の表面温度の推移の例を図3に示す。鋳片表面温度は温度計測センサー10で測定したものである。
図3には、鋳片12の冷却が正常であった場合と冷却が異常であった場合とを比較して、鋳片コーナー温度を示している。図3の横軸は鋳片の引抜きを再開してからの経過時間であり、冷却異常時の例で説明すると、引抜き再開後およそ25分経過時点から鋳片コーナー温度が550℃未満になっていることを示し、25分経過時点の部位は、二次冷却帯6の第8ゾーン6hに該当することを示している。尚、図3に示す冷却異常時の場合には、第8ゾーン6hのみが過冷却になっているのではなく、第1ゾーン6aから第8ゾーン6hの範囲で冷却が強すぎることが分かる。これに対して冷却が正常な場合には、二次冷却帯6の範囲で停止していた部位の鋳片コーナー温度はほとんどが650℃程度であり、600℃未満となるのは鋳型直下の第1ゾーン6aのほんの一部分であり、550℃未満の部分はないことが分かる。
尚、図3には、鋳片12の停止時の位置を一点鎖線で表示している。例えば、鋳片12の引抜きを再開して25分経過した時点で温度計測センサー10の位置を通過した部位は、停止時の鋳型内湯面から鋳造方向下方の約17mの位置であったことを示している。
図4は、温度計測センサー10の設置位置における鋳片コーナー温度の目標温度を600℃として定め、鋳片コーナー温度がこの目標値の600℃よりも低下した場合に、目標温度との差と、鋳片コーナー割れとの関係を示す図である。図4からも明らかなように、温度計測センサー10で測定した鋳片コーナー温度が、目標温度の600℃よりも50℃を越えて低下すると、鋳片コーナー割れが発生し、温度差が大きくなるほど鋳片コーナー割れが激しくなることが分かる。
これらの結果から、図3に示す「正常時」には鋳片コーナー割れが発生しないことが分かる。尚、鋳片12のコーナー温度は鋳造方向下流側になるほど放熱によって低下することから、目標温度の絶対値は、温度計測センサー10の設置位置に応じて、この温度降下を加味して設定することが好ましい。
そこで本発明では、タンディッシュ交換のために鋳片12を機内で停止する際に、タンディッシュ交換後の鋳片12の引抜きの再開後、二次冷却帯6の出口以降で鋳片コーナー部の温度を測定し、測定したコーナー温度を予め設定した目標温度と比較し、この目標温度よりも低い温度部分の鋳片コーナー部に該当する、機内停止時の二次冷却帯6の冷却ゾーンを、機内停止後の鋳片引抜き速度と経過時間とから特定する。そして、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を、次回以降の機内停止時の鋳片の表面温度と予め設定した目標温度との差が50℃以下となるように設定し直し、次回のタンディッシュ交換を実施する。タンディッシュ交換のつど冷却水量を設定し直すことで、より精度の高い二次冷却パターンを構築することが可能となる。
本発明は、鋳片12のコーナー部の過冷却に起因して発生するコーナー割れを防止すること目的としており、鋳片12のコーナー部の冷却強度を正確に調整できることから、冷却ゾーンの冷却水量を設定する場合に、図2に示すような鋳片12の幅方向で二次冷却水の供給流量を制御できる装置を用い、鋳片幅方向で個別に冷却水量を調整することが好ましい。具体的には、鋳片コーナー部に相当する位置のスプレーノズル13からの供給流量を減少させる、或いは停止するなどして、鋳片コーナー側の冷却強度を減少させることが好ましい。
このようにして鋼の連続鋳造操業を行うことで、仮に鋳片コーナー部の表面温度が目標温度よりも低くなったとしても、その都度、その温度の低い部位に該当する冷却ゾーンを特定し、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を設定し直すので、次回以降の機内停止時の鋳片表面温度を目標温度の近くすることができる。その結果、鋳片コーナー割れの発生が大幅に低減され、製造コストを大幅に削減することが可能となる。
尚、上記説明では、タンディッシュ交換のために鋳片12を機内で停止する場合について説明したが、タンディッシュ交換ではなく、浸漬ノズル3のみを交換する場合にも本発明を適用することができ、また、何らかの理由によって鋳片12を一旦機内で停止せざるを得ない場合にも本発明を適用することができる。
また、連続鋳造機の型式も、図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機1でなくとも、二次冷却帯6の以降に曲げ部や曲げ戻しの矯正部が設置された連続鋳造機であれば、本発明を適用することができる。但し、本発明の目的は過冷却による矯正時の鋳片コーナー割れを防止することであるので、従って、二次冷却帯6の範囲内に矯正部の設置された連続鋳造機では、上記方法をそのまま適用することはできない。これは、二次冷却帯6の範囲内に矯正部の設置された連続鋳造機では、鋳片12のコーナー温度を測定する場所を矯正部の上流側に配置する必要がある、或いは、矯正部を境として二次冷却の冷却強度を考える必要があるなど、上記の方法だけではそぐわないことがあるからである。
図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機において本発明を適用した例について説明する。
厚みが310mm、幅が2450mmの中炭素鋼の鋳片を連々鋳する際に、タンディッシュ交換を実施した。鋳片を機内でおよそ1分間停止し、新たに設置されたタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入開始と同時に、機内で停止していた鋳片の引抜きを開始した。そして、この鋳片のコーナー部を温度測定センサーによって測定した。
表1に、鋳片の機内停止時における二次冷却帯の第2ゾーン〜第9ゾーンの各二次冷却水量、及びコーナー部温度の目標温度(600℃)との差を示す。表1に示すように、第6ゾーンの位置に該当する鋳片のコーナー温度は目標温度よりも63℃低くなった。他の冷却ゾーンでは目標温度に対して50℃以内であった。
Figure 2008183607
表1の結果に基づき、第6ゾーンの二次冷却水量を減少し、226L/minから199L/minに設定し直した。この場合、二次冷却水量は図2に示すルート3の水量を減少させた。そして、次回のタンディッシュ交換時に機内停止した部位の鋳片コーナー温度を温度測定センサーによって測定した。
表2に、鋳片の機内停止時における二次冷却帯の第2ゾーン〜第9ゾーンの各二次冷却水量、及びコーナー部温度の目標温度(600℃)との差を示す。表2に示すように、第6ゾーンの位置に該当する鋳片のコーナー温度は上昇し、目標温度との差は37℃であり、全ての冷却ゾーンで目標温度に対して50℃以内であった。
Figure 2008183607
鋳造後鋳片を冷却し、浸透探傷法を用いて鋳片のコーナー割れの発生状況を調査した。図5は、本発明を適用した場合(本発明例)と、本発明を適用せずに表1に示す二次冷却水量で鋳造した場合(従来例)とで、鋳片コーナー割れの発生率を比較調査した結果である。図5からも明らかなように、本発明によって鋳片のコーナー割れは大幅に低減した。
本発明を適用した垂直曲げ型連続鋳造機の側面概略図である。 スプレーノズルの配置を示す概略図である。 タンディッシュ交換後に鋳片の引抜きを再開したときの鋳片下面側コーナー部の表面温度の推移の例を示す図である。 目標温度との差と、鋳片コーナー割れとの関係を示す図である。 本発明例と従来例とで、コーナー割れの発生率を比較調査した結果である。
符号の説明
1 垂直曲げ型連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 鋳型
5 ローラーエプロン
6 二次冷却帯
7 ピンチロール
8 曲げロール
9 ストレートナー
10 温度計測センサー
11 溶鋼
12 鋳片
13 スプレーノズル
14 冷却水供給配管

Claims (3)

  1. 連続鋳造機での機内停止により生じた鋳片の温度を二次冷却帯の出側以降で測定し、予め設定した目標温度よりも低い温度部分を特定し、機内停止後の鋳片引抜き速度と経過時間とから、低い温度部分が生じた原因となった二次冷却帯の冷却ゾーンを特定し、特定した冷却ゾーンにおける冷却水量を、次回以降の機内停止時の鋳片の表面温度と予め設定した目標温度との差が50℃以下となるように設定することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記冷却ゾーンにおける冷却水量を、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルからの冷却水量を個別に調整することによって設定することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 前記冷却ゾーンにおける冷却水量を、鋳片の長辺方向に複数配列したスプレーノズルの内、少なくとも鋳片のコーナー部に配置したスプレーノズルからの冷却水量を減少させることによって設定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
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