JP5812113B2 - 連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法、及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法、及び連続鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続鋳造に関する技術であり、連続鋳造中のストランド内の凝固完了位置・形状を正確に把握し、凝固完了位置が常時連続鋳造機内にあるように制御しつつ最大の引き抜き速度(鋳造速度)を実現するとともに、鋳片内部品質と相関の高い凝固完了形状を最適に制御することを可能とするための連続鋳造技術に関する。
連続鋳造機の操業において、鋳造中の鋳片の凝固状態を把握することはきわめて重要である。例えば、鋳型内冷却後の冷却スプレーによる2次冷却が不十分なために鋳片内部が完全に凝固しないまま連続鋳造機外に出た場合には、その鋳片を切断したときに鋳片内部の未凝固の溶鋼が流出し、大きなトラブルになる。また、連続鋳造機内では、鋳型直下で下方に引き抜かれた鋳片を、水平方向に曲げる矯正部がある。その矯正する部分における鋳片温度が鋳片の脆化温度域にならないように2次冷却を設定する必要がある。また、冷却スプレーの配置や特性などにより、鋳片の幅方向の水量密度分布は一様ではない場合がある。このため、一般に凝固完了位置の鋳片幅方向の形状は完全にフラットではなく、多少の凹凸が生じる。この凹凸が大きくなると、凹凸の凹み部分に不純物が濃縮されることで、不純物を起点とした割れなどが生じやすくなり、製品品質を低下させる。
連続鋳造中の鋳片の内部温度の実計測についてさまざまな提案がなされている。しかし、一般的には計測器等の使用環境が高温で非常に苛酷であるために、操業中に常時使用できるものはまだない。そのため、一般には伝熱モデルを用いた伝熱計算によって鋳片長手方向に沿った鋳片温度を推定することで、凝固状態の推定が行われている。
例えば特許文献1では、連続鋳造中のストランド内に所定長さの鋳込みが進行する毎に鋳込み方向に垂直な計算断面を発生させている。そして、その計算断面が鋳込み方向に連続して設定された複数のゾーンをそれぞれ通過し、次のゾーン入側境界に到達した時点で、計算端面が直前に通過したゾーンの平均冷却条件を基に該計算断面内の2次元凝固計算を行う。更に、その計算で得られた計算断面内の温度分布を、次のゾーン以降で行なう上記凝固計算の初期値として与え、順次、計算断面内の凝固計算を行って、最終ゾーン入側境界での計算断面内の温度分布を求める方法が開示されている。
これに対して、特許文献2には、連続鋳造機の物理現象を数式化した制御モデルを用いて設定した冷却スプレーの流量指令に基づいて鋳造した結果得られた鋳片の温度と、上記制御モデルを用いて算出された鋳片の温度との差分から、該制御モデルの有するパラメータの値を修正することが開示されている。
また、特許文献3には、連続鋳造において、少なくとも連鋳品の合金成分、断面寸法、鋳造温度、鋳造速度、鋳片表面からの熱流束分布に関する操業条件に基づいて、凝固の状態をシミュレートする演算手段を有する連続鋳造システムが開示されている。この連続鋳造システムでは、鋳片表面温度を少なくとも1点測定する手段を具備し、当該測定温度に基づいて、上記演算において、上記測定点における表面温度の計算値が上記測定温度と一致するよう、上記鋳片表面からの熱流束分布を補正する。
特開2002−178117号公報 特開平9−24449号公報 特開平10−291060号公報
上記特許文献1のような凝固計算では、鋳片に鋲打ち(nail shooting method)などを行って、凝固位置を確認し、実際の凝固状態との一致性を補償するのが一般的である。そして、一旦調整が行われると、その状態で計算結果を利用した操業が行われる。しかしながら、鋳造条件や鋼種が異なる場合や冷却機器の変更、あるいは経年劣化、一時的な故障など、計算調整が行われた時点と異なる状態が発生した場合には、計算による凝固状態の推定結果が実際と異なったものとなるという問題がある。
特許文献2及び3の技術では、伝熱モデルのパラメータを修正することによって、温度測定点においては、鋳片温度の測定値と計算値を一致させることはできる。
しかし、鋳片の内部温度の計算値に関しては実際の鋳片の内部温度に合わせているわけではないので、修正後の伝熱モデル(伝熱計算)を用いたとしても凝固完了位置を正しく推定できていることは保証できない。そのため、凝固完了位置が連鋳機を外れて大きなトラブルになる恐れがある。また、矯正ポイントにおける鋳片温度が鋳片の脆化域となり、鋳片表面に割れが生じる品質トラブルをもたらす恐れもある。
また、凝固完了位置での凝固形状の推定については考慮されておらず、凝固形状の幅方向の凹凸には対応できない。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、連続鋳造によって製造される鋳片の凝固完了位置若しくは形状をより精度良く推定することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)鋳型に注入された溶鋼を該鋳型内で1次冷却後、表層が凝固した鋳片を引き抜きながら2次冷却を行うことで連続して鋳片を製造する連続鋳造における、前記鋳片長手方向の各位置における鋳片の温度を、少なくとも前記2次冷却の冷却条件に基づく熱流束を使用した伝熱計算によって推定する鋳片温度推定方法において、
前記鋳片に対し超音波を送受信することで当該鋳片の凝固完了位置の通過を検出する超音波センサ、及び鋳片の表面温度を測定する表面温度計測手段をそれぞれ連続鋳造機に配置し、
鋳造速度を変化させることで、鋳片の凝固完了位置を移動させ、前記超音波センサの受信信号の強度変化に基づき凝固完了位置を検出し、
前記超音波センサが前記凝固完了位置を検出したときに、前記表面温度計測手段の検出位置を通過した鋳片の表面温度を当該表面温度計測手段で測定し、
前記凝固完了位置を検出したタイミングで、前記超音波センサが凝固完了位置を検出した鋳片位置における、鋳片厚さ方向中心部の温度の計算値が固相線温度と一致し、且つ表面温度計測手段の検出位置における表面温度の計算値が当該表面温度計測手段の測定値と一致するように、前記伝熱計算で用いる熱伝導率、鋳型での抜熱量、2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータの値を修正し、該修正後のパラメータを用いて前記伝熱計算を再度行うことを特徴とする連続鋳造における鋳片温度推定方法。
(2)前記鋳造速度を増速することで、前記鋳片の凝固完了位置を、前記超音波センサによる検出位置よりも上流側から下流側に向けて移動させることを特徴とする上記(1)に記載の連続鋳造における鋳片温度推定方法。
(3)前記表面温度計測手段は、鋳片の表面温度を幅方向分布として測定し、表面温度計測手段の検出位置における表面温度の幅方向分布の計算値が当該表面温度計測手段の測定値と一致するように、前記修正を行うことを特徴とする上記(1)に記載した連続鋳造における鋳片温度推定方法。
(4)前記表面温度計測手段は、鋳片の表面温度を幅方向分布として測定し、表面温度計測手段の検出位置における表面温度の幅方向分布の計算値が当該表面温度計測手段の測定値と一致するように、前記修正を行うことを特徴とする上記(2)に記載した連続鋳造における鋳片温度推定方法。
(5)上記(1)から(4)に記載の鋳片温度推定方法による前記パラメータ修正後の鋳片温度推定結果に基づき、連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定することを特徴とする連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法。
(6)上記(3)に記載の連続鋳造における鋳片温度推定方法による前記パラメータ修正後の鋳片温度推定結果に基づき、連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置の形状を推定することを特徴とする連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法。
(7)上記(4)に記載の連続鋳造における鋳片温度推定方法による前記パラメータ修正後の鋳片温度推定結果に基づき、連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置の形状を推定することを特徴とする連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法。
(8)上記(5)に記載の鋳片の凝固完了状態推定方法による推定結果に基づき、連続鋳造の操業条件を操作することで、凝固完了位置の状態を制御することを特徴とする連続鋳造方法。
(9)上記(6)または(7)に記載の鋳片の凝固完了状態推定方法による推定結果に基づき、連続鋳造の操業条件を操作することで、凝固完了位置の状態を制御することを特徴とする連続鋳造方法。
(10)前記連続鋳造の操業条件が、2次冷却条件、軽圧下条件、鋳造速度および鋳型電磁攪拌強度の少なくとも一つであることを特徴とする上記(8)に記載の連続鋳造方法。
(11)前記連続鋳造の操業条件が、2次冷却条件、軽圧下条件、鋳造速度および鋳型電磁攪拌強度の少なくとも一つであることを特徴とする上記(9)に記載の連続鋳造方法。
本発明によれば、凝固完了位置の鋳片内部及び表面温度測定位置の各推定温度の計算値を実際の温度に一致させることで、鋳片温度の推定精度が向上する。特に、凝固完了位置での推定温度の精度が向上する。
なお、上記パラメータの修正は、予め設定した時間間隔で定期的に実施したり、連続鋳造条件が定常状態から非定常状態になったりしたときなどに、適宜実施すれば良い。すなわち、常時実施する必要はない。
また、鋳片の表面温度を幅方向の分布として測定して修正を実施することにより、鋳片温度の幅方向分布の推定精度を向上させることが可能となる。
また、鋳片の凝固完了位置をより高精度で予測、推定することが可能となる。
また、得られた鋳片温度の幅方向分布推定結果に基づき、連続鋳造機内における鋳片の凝固完了形状を推定することにより、鋳片の凝固完了位置の凹凸形状をより高精度で予測、推定することが可能となる。
また、得られた凝固完了位置や形状などの凝固状態の推定結果に基づき、2次冷却条件、軽圧下条件、鋳造速度、鋳型電磁攪拌強度などの連続鋳造の操業条件を操作することで、凝固完了位置・形状、つまり凝固状態を目的とする所望の位置形状に制御することが可能となる。この結果、連続鋳造の能率、品質の向上を実現することが可能となる。
凝固完了位置4(図1に示す)の制御に適用可能な操業パラメータとしては、例えば2次冷却条件(全冷却水量の増減、長手方向及び/又は幅方向の水量分布パターン、冷却スプレー条件他)、軽圧下条件、鋳造速度、鋳型電磁攪拌強度(鋳型内溶鋼流動条件の変更)が挙げられる。上記の操業パラメータと凝固完了位置4との関係を予め実験的或いは理論的に把握しておくことによって、連続鋳造の操業時にこれらの操業パラメータの調整により、凝固完了位置4を正確に制御することができる。
以上のように、本発明によれば、鋳片の凝固完了位置や形状をより高精度で予測、推定することが可能となる。これを用いて、凝固完了形状がフラットになるような冷却条件を見出すことにより、中心偏析などの内部品質の問題を発生させずに連続鋳造機の操業を行うことが可能となり、優れた品質のスラブを提供することできる。また、凝固完了位置をより高精度で制御できることから、凝固完了位置が連続鋳造機の機端に近い位置となるように冷却条件を操作することも可能となる。この場合には、設備能力を最大に発揮させて高生産性を維持する鋳造方法も提供できる。
図1は本発明に基づく実施形態に係る連続鋳造機の概略と横波超音波センサ、温度計の配置例を示す概要構成図である。 図2はパラメータの修正の処理の一例を示す図である。 図3は2次冷却計算におけるパラメータ修正による凝固完了位置の推定精度向上効果を表す線図である。 図4は2次冷却計算による表面温度推定値と温度計による測定値を比較した線図(ただし、熱伝導率修正前)である。 図5は2次冷却計算による表面温度推定値と温度計による測定値を比較した線図(ただし、熱伝導率修正後)である。 図6は熱伝達係数の幅方向補正値を表す線図である。 図7は2次冷却計算による表面温度推定値と温度計による測定値を比較した線図(熱伝導率修正、熱伝達係数の幅方向補正を行った後)である。 図8は凝固完了位置と形状の推定結果を比較した線図である。 図9は本発明に基づく凝固完了位置の形状推定結果とその測定結果を比較した線図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明を適用した本実施形態の連続鋳造機の概略図である。
(構成)
本実施形態の連続鋳造機は、図1に示すように、溶鋼14が満たされたタンディッシュ1の下方に鋳型2が設けられ、タンディッシュ1の底部に鋳型2への溶鋼供給口となる浸漬ノズル3が設けられている。鋳型2の下方には、サポートロール6が設置されている。符号7〜13は、それぞれ分割された冷却ゾーンであって、2次冷却帯を構成している。各冷却ゾーンには、複数のスプレーまたはエアミストスプレー用のノズルが2次冷却装置として配置されており、スプレーノズルから鋳片の表面に2次冷却水が噴霧される。なお、冷却ゾーンにおいて、反基準面側(the opposite side of the base plane)(上面側)の冷却ゾーンをaで表示し、基準面側(base plane)(下面側)をbで表示している。上記各冷却ゾーンの2次冷却装置は、コントローラ20からの指令に応じた冷却状態に調整される。
また、2次冷却されている若しくは2次冷却が終了した鋳片に引き抜き方向の力を付加して、鋳造速度を調整するためのピンチロール(不図示)を備える。このピンチロールは、該ピンチロールを駆動する駆動モータ(不図示)によって、コントローラ20からの指令に応じた目標回転速度に調整される。
ここで、図1では冷却ゾーンが合計7つの場合を例示しているが、これは概念図であり、実際の連続鋳造機のゾーン数は機長などによりいくつに分割されるかは様々である。
符号4は、横波超音波センサ(transverse ultrasonic sensor)である。横波超音波センサ4は、検出位置において、一対のセンサ(送信センサと受信センサ)が鋳片5を挟んで上下に対向して設置されている。ここで、鋳片内に液相がある場合には横波超音波は透過しないが、液相がない場合には横波超音波は透過する。このため、一方のセンサから横波超音波を送信し、他方のセンサで受信したときの信号レベルを観測することによって、鋳片内の液相の有無を判別できる。これによって鋳片内部、特に鋳片中央部の凝固完了位置の通過を検出することが可能となる。図1では、横波超音波センサ4を、連続鋳造機の機端に設置している場合を例示している。横波超音波センサ4の配置位置は、例えば目標とする凝固完了位置よりも上流側に設置しておく。
符号15は、表面温度計測手段を構成する温度計である。この温度計15は、連続鋳造機内における鋳片5の表面温度の幅方向分布を計測する。使用する温度計15としては、例えば、面上あるいは線上の温度分布を計測できる放射温度計、一点を測定する温度計を鋳片幅方向にスキャンすることで表面温度の幅方向分布を計測する構成の温度計が例示出来る。ここで、図1では、温度計15を、機端であって且つ横波超音波センサ4と近接した位置に設置する場合を例示している。温度計15の設定位置はこれに限定されない。温度計15を、図1の位置よりも上流側とし、例えば冷却ゾーンの間に設置するようにしてもよい。ただし、その場合は、鋳片が復熱過程にあることや冷却水や水蒸気による測定誤差の問題が生じることを考慮する必要がある。この点からすると、温度計15の配置位置は、横波超音波センサ4と近接した位置が好ましい。
ここで、本実施形態の温度計15の好ましい態様として、鋳片5の表面温度の幅方向分布を計測する場合を例にして説明する。本実施形態の温度計15は、幅方向中央部の表面温度を計測する構成であっても構わない。
なお、凝固完了位置が機端よりも上流側にあり、横波超音波センサ4を上記凝固完了位置に合わせて上流側に設置する場合には、温度計15を横波超音波センサ4の下流側に設置する構成とすることも可能である。ただし、鋳片内の熱の拡散により、下流側ほど鋳片内の温度分布が均一化し、表面温度を用いて伝熱計算のパラメータを修正する本発明の効果が小さくなるため、この場合であっても、温度計15の配置位置は、横波超音波センサ4と近接した位置が好ましい。
コントローラ20は、注湯する溶鋼温度、鋳型内の冷却条件、鋳造品の成分、寸法、鋳造温度、鋳造速度、連続鋳造機内のスプレー水条件などの操業条件に基づき、後述の伝熱計算の式に基づく2次冷却計算を実施して、上記スプレーからの水量やピンチロールの回転速度等についての指令値を出力する。またコントローラ20は、上記超音波センサ4の検出信号、温度計15が出力した温度情報を使用する。
また、コントローラ20は、凝固完了位置移動手段20Aとパラメータ修正部20Bとを備える。
凝固完了位置移動手段20Aは、例えば、上記ピンチロールの回転速度を変更することで上記鋳造速度を増速して、鋳片の凝固完了位置を、上記超音波センサ4による検出位置に対し上流側から下流側に向けて移動させる。上記とは逆に、鋳造速度を減速させる場合は、鋳片の凝固完了位置を、上記超音波センサ4による検出位置に対し下流側から上流側に向けて移動させる。
ここで、特に凝固完了位置移動手段20Aを専用に持っているわけではない。鋳造速度を増速して鋳片の凝固完了位置を変更することが出来る機能部分を、凝固完了位置移動手段20Aと呼称している。
パラメータ修正部20Bは、上記超音波センサ4が凝固完了位置を検出した鋳片位置における、鋳片厚さ方向中心部の温度の計算値を固相線温度と一致させ、且つ凝固完了位置を検出したタイミングで、上記温度計15の検出位置における鋳片表面温度を上記温度計15による測定結果と一致させるように、上記伝熱計算で用いる熱伝導率、鋳型での抜熱、2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータの値を修正する。修正方法の具体的方法については、後述する。
(伝熱計算について)
連続鋳造機における2次冷却計算(鋳片の2次冷却に関する伝熱計算)は、例えば、単位長さ(鋳造方向)にスライスされた鋳片断面を考え、鋳造中のストランド内の場所に応じて、水冷、空冷、ミスト冷却、ロール抜熱などで様々な状況での境界条件の熱流速を例えば下記式(1)で与えて、下記式(2)の2次元伝熱方程式を解くことで実施される。この伝熱計算は、公知の伝熱モデルによる計算式であり、他の伝熱計算の式を使用しても良い。
Figure 0005812113
ここで、
Q:熱流束
h:熱伝達係数
T:モデル表面温度
Ta:雰囲気温度である。
Figure 0005812113
ここで、
c:比熱
ρ:密度
k:熱伝導率
T:温度
である。
このとき、スライスされた単位長さの断面を連続的に次々と発生させ、各スライスについての伝熱計算を行うことによって、鋳造速度や冷却水量が鋳造中に変化する場合の非定常温度計算も実現することができる。現在、計算機能力が飛躍的に向上しており、水冷実績データ、鋳造速度、T/D(タンディッシュ)内溶鋼温度などの操業条件をオンラインで取り込み、リアルタイムで2次冷却計算を実施することが可能となっている。この計算によって計算される鋳片温度の厚み方向中央部の温度と固相線温度を比較することにより凝固完了位置および形状を求めることができる。
(パラメータ修正について)
本実施形態では、この2次冷却計算に用いるパラメータのうち少なくとも1つのパラメータについて、上記横波超音波センサ4による凝固完了位置の検出と温度計15で測定した鋳片温度との2つの情報を用いて修正する。そして、修正後のパラメータを使用して上記各伝熱計算を再計算する。
次に、上記修正方法について説明する。
まず、凝固完了位置移動手段20Aが、鋳造速度を段階的に増速して、鋳片の凝固完了位置を上記横波超音波センサ4の配置位置よりも鋳造方向上流側から下流側に移動させる。これとは逆に鋳造速度を段階的に減速する場合は、鋳片の凝固完了位置を上記横波超音波センサ4の配置位置よりも鋳造方向下流側から上流側に移動させる。
上記凝固完了位置の移動と同期をとって、横波超音波センサ4の受信信号の強度変化を連続的に検出して、横波超音波センサ4を配置した検出位置を凝固完了位置が通過するときを検出する。すなわち、鋳片中心部の固相率が1となる位置が横波超音波センサ4での検出位置と一致したことを検知する。なお、鋳片の凝固完了位置においては、鋳片の中心部の温度は固相線温度となっているはずである。
次に、温度計15が測定した測定結果に基づき、上記凝固完了位置を検出したとき上記温度計15の測定位置を通過した鋳片の表面温度を取得する。本実施形態では、温度計15を超音波センサ4に近接して配置しているため、上記横波超音波センサ4が鋳片の凝固完了位置を検出したときに温度計15が測定した表面温度を、凝固完了位置の表面温度とみなしても良い。
次に、パラメータ修正部20Bが、上記凝固完了位置の通過を検出した際の鋳造条件を用いて、鋳造方向単位長さの2次元断面スライス1枚について、上記2次冷却計算により連続鋳造機長手方向の温度変化を計算する。
ここで、2次冷却計算のパラメータの初期値は、実際の2次冷却現象を正しく表現していない可能性がある。このため、上記凝固完了位置の通過を検出したときの横波超音波センサ4の配置位置に対応する鋳片中心温度の計算値は、固相線温度とは一致せず、また、温度計15の配置位置に対する表面温度の計算値も、温度計15で測定した表面温度測定値とは一致しないのが通例である。そこで、これらを一致させるべくパラメータ修正を行う。
パラメータ修正部20Bによるパラメータ修正は次のように実施する。
まず、上記温度計15の配置位置で測定した表面温度測定値と、その温度計15の配置位置での鋳片表面温度計算値とが一致するように、2次冷却計算で用いる2次冷却帯の抜熱量を修正する。抜熱量を修正するには、伝熱計算で用いる熱伝達係数を修正するのが簡便である。
次に、上記で修正した抜熱量を用いて2次元断面スライス1枚について再度2次冷却計算を行い、横波超音波センサ4の位置における2次元断面の厚み方向中央部の温度が固相線温度に一致するように熱伝導率を修正する。
上記説明では、最初に表面温度でパラメータを修正し、次に中心温度の計算値を実際と合うようにパラメータ修正を行った場合で説明したが、その順番を逆にしてもよい。
また、上述のように2回に分けて熱伝達係数と熱伝導率を修正することによって、2次冷却計算による鋳片の表面温度と中心温度の計算値を実際の温度と合わせ込む方法で実用上十分な精度が得られる。さらにきめ細かく合わせ込むのであれば、熱伝達係数と熱伝導率を少しずつ変えながら2次冷却計算を繰り返し行い、中心温度と表面温度が最も実際とよく一致するパラメータを見出す方法をとることもできる。
また、熱伝達係数と熱伝導率の代わりに固相線温度、鋳型での抜熱量を修正してもよい。いずれにしても、2次冷却計算による鋳片の中心温度と表面温度がともに実際の温度と一致するように、2次冷却計算におけるパラメータを修正することが本実施形態の特徴の一つである。
上記処理の一例を、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
まずステップS10では、初期設定したパラメータを用いて、上記伝熱計算の式に基づく2次冷却計算を行うことで、鋳片長手方向位置における横波超音波センサ4による検出位置での鋳片温度を計測する。
次に、ステップS20では、凝固完了位置を検出したときの横波超音波センサ4の幅方向位置における鋳片厚さ方向中央部の温度計測値が固相線温度となるように、鋳片の熱伝導率を表すパラメータを修正する。
次に、ステップS30では、修正した熱伝導率のパラメータを用いて上記伝熱計算の式に基づく2次冷却計算により、幅方向表面温度計15に長手方向及び幅方向位置における鋳片温度を計算する。
次に、ステップS40では、上記凝固完了位置を検出したタイミングで温度計15の測定位置を通過した鋳片位置の表面温度計算値が温度計15による測定値と一致するように、熱伝達係数を修正する。
次に、ステップS50では、修正した熱伝導率及び熱伝達係数のパラメータを用いて上記伝熱計算の式に基づく2次冷却計算の再計算を実施、つまり鋳片温度を再計算し、厚み方向中央部の温度が固相線温度と一致する鋳片位置を求め、その求めた位置を凝固完了位置と推定する。
ここで、上記パラメータ修正の処理において、2次冷却帯の熱伝達係数を幅方向で調整し、2次冷却計算による表面温度計15の位置における幅方向表面温度分布を上記の幅方向温度分布と一致させるように修正しても良い。この場合には、鋳片の内部温度についても、幅方向の温度分布の推定精度を向上させることができる。また、各スライスについて、凝固完了位置を幅方向の複数のポイントで求めることにより、凝固完了位置の形状を求めることができる。
ここで、連続鋳造機によっては、鋳片5を軽圧下するための圧下ロールが設置されている場合もある。しかし、本発明の技術は軽圧下の有無には左右されない。
2次冷却計算に用いる鋳片の熱伝導率や2次冷却による鋳片からの抜熱量などのパラメータは、初期値のままでは実態と整合していない部分があり、温度分布の推定値と測定値は異なっているのが通例である。このような状況では、上記伝熱計算の式に基づく2次冷却計算結果から凝固完了位置や形状を予測しても実態と合っていることは期待できない。これに対し、本実施例では、超音波センサ4と表面温度計15を用いて、これらのパラメータの修正を行う。
ここで、連続鋳造においては、溶鋼を輸送する取鍋を交換しながら、連続的に鋳片を製造するのが一般的であるが、鋼種が変わる場合などで一連の鋳造が途切れる期間がある。そして次の鋳造開始時には、鋳造速度を徐々に上げて定常の鋳造速度に到達させる。このとき、鋳造開始時には鋳片の凝固完了位置は鋳型寄りであり、徐々に機端側に移動して定常状態における位置に到達する。本実施例では、これを凝固完了位置移動手段の処理として利用する。そこで、連続鋳造の操業中に横波超音波センサ4から超音波信号の送信と受信を繰り返し行い、受信信号の強度を観測することにより、凝固完了位置が横波超音波センサ4の位置に到達したタイミングを捉えることが可能である。このように、横波超音波センサ4による凝固完了位置の検出を上記鋳造開始時に実施することが好ましい。
ここで、横波超音波センサ4の鋳込み方向位置は、鋳型内の湯面レベルを基準として41mの位置とし、幅方向位置は、鋳片の幅方向中央部とした。また、横波超音波センサ4が凝固完了位置を検出したときに上記温度計15での測定位置を通過した鋳片に対し、当該温度計15で鋳片表面温度を計測する。なお、温度計15を横波超音波センサ4に近接して設定している場合には、横波超音波センサ4が凝固完了位置を検出したときに温度計15が測定した表面温度を、上記「横波超音波センサ4が凝固完了位置を検出したときに当該横波超音波センサ4での検出位置を通過した鋳片位置が、上記温度計15での測定位置を通過したときに温度計15で測定した鋳片表面温度」とみなしても良い。
また、横波超音波センサ4が凝固完了位置を検出したタイミングの鋳造条件を用いて、鋳造方向単位長さの2次元断面スライス1枚について連続鋳造機長手方向の温度変化を計算する。
上記鋳造条件とは、注湯する溶鋼温度、鋳型内の冷却条件、鋳造品の成分、寸法、鋳造温度、鋳造速度、連続鋳造機内の2次冷却条件の操業条件である。
上述のように、温度計15の配置位置における鋳片表面温度計算値と表面温度測定値が一致するように、2次冷却計算で用いる2次冷却帯の熱伝達係数を抜熱量の修正として修正するのが簡便である。そして修正した抜熱量を用いて2次元断面スライス1枚について再度2次冷却計算を行い、横波超音波センサ4の検出位置における2次元断面の厚み方向中央部の温度が固相線温度に一致するように熱伝導率を修正する。
図3は、前述のパラメータ調整効果を表す図である。この図3において、(a)は、温度計15で測定した鋳片表面温度測定値、(b)は伝熱計算による凝固完了位置推定値、(c)は、横波超音波センサ4で5秒間隔おきに超音波信号の送信と受信を行って鋳片を通過する横波超音波信号の強度をモニターした横波信号強度をそれぞれ表す。図3(c)に表されているように、時刻60[min]付近において横波信号強度が大きく低下したのを確認した。これは、鋳片内の液相の先端部が横波超音波センサ4の検出位置に到達したことを示す。横波信号強度50mVを凝固完了位置検出のしきい値とし、横波強度信号
がしきい値に到達した時刻60[min]を凝固位置検出タイミングとする.この凝固完了位置検出タイミングでは、鋳片の厚み方向中心部の温度は固相線温度と一致する。また、この凝固位置検出タイミングで横波超音波センサ4を通過した鋳片が表面温度計15の位置を通過するタイミングで鋳片の表面温度を測定し、温度計15の配置位置における鋳片表面温度計算値と表面温度測定値が一致するように、また、横波超音波センサ4の検出位置における2次元断面の厚み方向中央部の温度が固相線温度に一致するように、鋳片の熱伝導率と2次冷却帯における熱伝達係数を調整(修正)した。
図3(b)において、2本の実線のプロットは、細い方が初期のパラメータで推定した凝固完了位置、時刻60[min]から始まる太い方が修正後のパラメータで推定した凝固完了位置を表す。また、図3(b)には、公知の超音波を用いた凝固完了位置検知装置によって測定した凝固完了位置も●印でプロットしている。この●印から分かるように、パラメータ修正前は凝固完了位置推定値とはずれがあるが、パラメータ修正後はずれが解消され、精度よく推定が行えていることがわかる。
また、2次冷却計算において、幅方向の水量分布のむらなどによる温度変動は測定を行わないかぎり知りえない。このため、初期のパラメータは幅方向の熱伝達係数は通常一定としている。このとき、鋳片長手方向での横波超音波センサ4の検出位置における、2次元断面の厚み方向中央部かつ幅方向中央部の温度計算値が固相線温度に一致し、且つ、凝固完了位置を検知したタイミングで温度計15の位置を通過した鋳片の表面温度計算値が温度計15による測定値に一致するように2次冷却計算に用いる鋳片の熱伝導率および熱伝達係数の値を修正しても、幅方向の温度分布は正しく予測できない。
図4は、熱伝導率および熱伝達係数の値を修正する前における2次冷却計算による温度計15での測定位置における幅方向の表面温度推定値と、温度計15による測定値との幅方向分布とを比較した図である。なお図4の横軸は鋳片の幅方向位置(0が幅方向中央部である)を示している。
一方、図5は、熱伝導率および熱伝達係数修正後の2次冷却計算による温度計15の位置における幅方向の表面温度推定値と、温度計15による測定値とを比較した図である。上記処理によって、凝固完了位置における、鋳片幅方向中央部においては、温度推定値は測定値に一致しているが、幅方向の温度変動は表現できていない。なお図5の横軸は鋳片の幅方向位置(0が幅方向中央部である)を示している。
そこで、2次冷却計算に用いる熱伝達係数を幅方向一定ではなく、分布を持たせることとし、そのために熱伝達係数の幅方向の補正値を設定する。熱伝達係数の幅方向の補正値は、2次冷却計算による温度計15の位置における表面温度推定値の幅方向の各位置における値が温度計15の測定値の幅方向の当該位置の値に一致するように、補正値を少しずつ変えながら繰り返し2次冷却計算を行うことによって求めることができる。
図6は、求めた熱伝達係数の幅方向の補正値であり、図7は熱伝達係数を幅方向で補正後の2次冷却計算による、凝固完了位置での幅方向の表面温度推定値および温度計15による測定値とを比較した図である。熱伝達係数を幅方向で補正することにより、表面温度推定値と測定値をほぼ一致させることができることが分かる。なお図6および図7の各々の横軸は鋳片の幅方向位置(0が幅方向中央部である)を示している。
図8は、2次冷却計算を用いて凝固完了位置の形状を推定した結果を、初期のパラメータ値を用いた場合、熱伝導率を修正した場合、さらに熱伝達係数を幅方向で補正した場合(温度測定値に基づき幅方向での熱伝達係数が変化するように補正した場合)の3通りについて比較したものである。
図8では、横軸は鋳片の幅方向位置(「0」が幅方向中央部である。)、縦軸は鋳型内の湯面を基準とした距離であり、幅方向の各位置における凝固完了位置を示している。熱伝導率を修正した段階では、横波超音波センサ4によって検出した幅中央部の凝固完了位置とは一致しているが、幅方向にはフラットな形状であり、温度計15で測定された表面温度とは整合しない。熱伝達係数を幅方向で補正した場合には、横波超音波センサ4によって検出した幅中央部の凝固完了位置と一致し、かつ温度計15で測定された表面温度の幅方向分布とも整合する。
図9には公知の超音波を用いた凝固完了位置検知装置によって幅方向に20cmピッチで測定した凝固完了位置と、熱伝導率および熱伝達係数修正後の凝固完了位置の形状推定値をプロットしている。凝固完了位置検知装置の測定点では、推定値と測定値はよく一致しており、高精度の推定が実施できていることがわかる。なお図9の横軸は鋳片の幅方向位置(0が幅方向中央部である)を示している。
以上の説明では、最初に横波超音波センサ4を用いて2次冷却計算に用いる熱伝導率を修正し、次に温度計15を用いて熱伝達係数を幅方向に補正することで説明したが、この順序を逆にしてもよい。更に、きめ細かく合わせ込むのであれば、熱伝達係数と熱伝導率を少しずつ変えながら2次冷却計算を繰り返し行い、中心温度と表面温度が最も実際とよく一致するパラメータを見出す方法をとることもできる。また、熱伝達係数の幅方向分布の代わりに水量の幅方向分布を修正してもよい。また、熱伝達係数と熱伝導率の代わりに固相線温度、鋳型での抜熱量のパラメータを修正してもよい。
なお、以上説明した各方法によるパラメータ修正は、伝熱計算による凝固完了位置および形状推定のキャリブレーションの意味を持つので、鋳造開始時に毎回実施する必要はない。例えば、横波超音波センサ4を用いた熱伝導率の修正は一回行えば、熱伝導率は適切な値に修正されるので、その値を次回の鋳造においても使用できる。その場合は、温度計15による熱伝達係数の修正だけを行えばよい。
このように、本発明に基づく方法によれば、鋳片の凝固完了位置および形状を高精度で予測、推定することが可能となる。これを用いて、凝固完了形状がフラットになるような冷却条件を見出すことにより、中心偏析などの内部品質の問題を発生させずに連続鋳造機の操業を行うことが可能となり、優れた品質のスラブを提供することできる。また、凝固完了位置が連続鋳造機の機端になるように冷却条件を操作することも可能となり、設備能力を最大に発揮させて高生産性を維持する鋳造方法も提供できる。
なお、上記実施例は鋳造速度を増速する場合について述べたが、鋳造速度を減速する場合も同様の処理をすればよいことは言うまでもない。
1 タンディッシュ
2 鋳型
3 浸漬ノズル
4 横波超音波センサ
5 鋳片
6 サポートロール
7〜13 冷却ゾーン
14 溶鋼
15 温度計
20 コントローラ
20A 凝固完了位置移動手段
20B パラメータ修正部

Claims (4)

  1. 鋳型に注入された溶鋼を該鋳型内で1次冷却後、表層が凝固した鋳片を引き抜きながら2次冷却を行うことで連続して鋳片を製造する連続鋳造における、前記鋳片長手方向の各位置における鋳片の温度を、少なくとも前記2次冷却の冷却条件に基づく熱流束を使用した伝熱計算によって推定し、推定した鋳片温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置の鋳片幅方向形状を推定する鋳片の凝固完了状態推定方法であって
    前記鋳片に対し超音波を送受信することで当該鋳片の凝固完了位置の通過を検出する超音波センサ、及び鋳片の幅方向における表面温度の分布を測定する表面温度計測手段をそれぞれ連続鋳造機に配置し、
    鋳造速度を変化させることで、鋳片の凝固完了位置を移動させ、前記超音波センサの受信信号の強度変化に基づき凝固完了位置を検出し、
    前記超音波センサが前記凝固完了位置を検出したときに、前記表面温度計測手段の検出位置を通過した鋳片の表面温度の鋳片幅方向分布を当該表面温度計測手段で測定し、
    前記凝固完了位置を検出したタイミングで、前記超音波センサが凝固完了位置を検出した鋳片位置における、鋳片厚さ方向中心部の温度の計算値が固相線温度と一致し、且つ表面温度計測手段の検出位置における表面温度の鋳片幅方向分布の計算値が当該表面温度計測手段の鋳片幅方向分布の測定値と一致するように、前記伝熱計算で用いる熱伝導率、鋳型での抜熱量、2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータの値を修正し、該修正後のパラメータを用いて前記伝熱計算を再度行って鋳片温度を推定し、この推定した鋳片温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置の鋳片幅方向形状を推定することを特徴とする連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法。
  2. 前記鋳造速度を増速することで、前記鋳片の凝固完了位置を、前記超音波センサによる検出位置よりも上流側から下流側に向けて移動させることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造における鋳片の凝固完了状態推定方法。
  3. 請求項又は請求項に記載の鋳片の凝固完了状態推定方法による推定結果に基づき、連続鋳造の操業条件を操作することで、凝固完了位置の状態を制御することを特徴とする連続鋳造方法。
  4. 前記連続鋳造の操業条件が、2次冷却条件、軽圧下条件、鋳造速度および鋳型電磁攪拌強度の少なくとも一つであることを特徴とする請求項に記載の連続鋳造方法。
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