JP2009066652A - 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋳造条件の変化による凝固完了位置の変化に合わせて軽圧下の圧下勾配を変化させ、鋳片を軽圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量をも考慮して圧下勾配を変化させることにより、従来に比較して格段に鋳片の中心偏析を低減する。
【解決手段】 複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯14を備えた連続鋳造機1を用い、軽圧下帯で鋳片10を圧下しながら溶鋼9を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するとともに、圧下ロールのロール間隔を測定し、前記ロール間バルジング量の測定値と、前記圧下ロールのロール間隔測定値に基づいて、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下帯のロールの圧下勾配を求め、求めた圧下勾配になるように、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中心偏析の少ない鋳片を製造することのできる、鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機に関するものである。
鋼の凝固現象では、炭素、燐、硫黄などの溶質元素は、凝固時の再分配によって未凝固の液相側に濃化される。これがデンドライト樹間に形成されるミクロ偏析である。鋳片が凝固する際の凝固収縮や、連続鋳造機のロール間で発生するバルジングなどによって、鋳片中心部に空隙が形成されたり、負圧が生じたりすると、このミクロ偏析によって濃縮された溶鋼が流動し、鋳片中心部に集積して凝固する。このようにして形成された偏析スポットは、溶鋼の初期濃度に比べ格段に高濃度となっている。これを一般にマクロ偏析と呼び、その存在部位から中心偏析と呼んでいる。
この中心偏析は、一般に、鋼製品の品質を劣化させる。例えば、石油・天然ガス輸送用のラインパイプ材においては、サワーガスの作用により中心偏析を起点として水素誘起割れが発生する。また、飲料用の缶製品に用いられる深絞り材においては、成分の偏析により加工性に異方性が出現することもある。そのため、鋳造工程から圧延工程に至るまで、鋳片の中心偏析を低減する対策が多数実施されている。
そのなかで、効果的に鋳片の中心偏析を低減する手段として、連続鋳造機内において、未凝固相を有する凝固末期の鋳片を凝固収縮量程度の圧下量で圧下(以下、「軽圧下」と呼ぶ)する方法が広く行われている。また、最近では鋳造速度や二次冷却水量の変化に応じて鋳造中の鋳片の凝固完了位置を推定し、凝固完了位置に応じて軽圧下の位置を変更する、所謂「ダイナミック軽圧下法」が行われている。
このダイナミック軽圧下法に関連する技術として、例えば、特許文献1には、鋳造中の鋳片厚みを測定し、この測定値と目標鋳片厚みとの偏差を求め、この偏差を解消すべく連続鋳造機のピンチロールの圧下量を調整する技術が開示されている。
また、特許文献2には、連続鋳造機の軽圧下適用ゾーン内に複数台の軽圧下適用可能ロールスタンドを設け、連続鋳造中の鋳造速度の変化、溶鋼温度の変化、二次冷却条件の変化などによる凝固完了位置の変化に合わせて軽圧下適用可能ロールスタンドのロール間隔を変更することにより、鋳造長手方向に対して軽圧下適用位置を移動させる技術が開示されている。
また、特許文献3には、凝固末期に、圧下量を制限しないフリー圧下ロールによる鋳片の圧下量を少なくとも2箇所以上測定し、ロール毎の圧下量算出式を導出し、ロール毎の圧下量が適性になるように、ロール間隔の制限及び圧下量の調整を行う技術が開示されている。
また更に、特許文献4には、連続鋳造機の引抜きセクションにおける鋳片の軽圧下装置の手前に、鋳片に対向し且つ離間して設置されたレーザー距離測定装置によって鋳片までの距離を測定し、この測定結果から鋳片の厚みを算出し、この鋳片厚みに基づいて軽圧下装置の圧下ロールのストローク量を調整する技術が開示されている。
特開昭58−13457号公報 特開平5−15956号公報 特開平4−22552号公報 特開2004−306053号公報
上記のダイナミック軽圧下の先行技術では、圧下ロールのロール間隔を鋳造中に調整する際の鋳片形状に関する因子として、鋳片の厚みを採用している。鋳片厚みの鋳造方向変化は圧下勾配(ロール間隔の減少勾配)を意味するので、鋳片厚みは取り入れるべき因子であることに間違いないが、中心偏析の発生メカニズムには、鋳片のロール間バルジングによる残溶鋼の流動が大きく関わっており、従って、鋳片のバルジング量が変化すれば、最適とするべき圧下勾配もバルジング量に合わせて変化させなければならない。しかしながら、上記先行技術では、ロール間隔を鋳造中に調整する際の鋳片形状に関する因子として、鋳片のロール間バルジング量は考慮されていない。
また、上記先行技術では鋳片の凝固完了位置を伝熱計算やロールの圧下荷重で推定しているので、凝固完了位置の推定精度が悪く、軽圧下を付与する位置が最終凝固部からずれる恐れがある。これが、前述の圧下勾配のずれと重なると、中心偏析低減効果は更に低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳片の中心偏析を軽減するべく、連続鋳造中の鋳造速度の変化、溶鋼温度の変化、二次冷却条件の変化などの鋳造条件の変化による凝固完了位置の変化に合わせて軽圧下の圧下勾配を変化させ、鋳片を軽圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量をも考慮して、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように圧下勾配を変化させることにより、従来に比較して格段に鋳片の中心偏析を低減することのできる、鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用い、軽圧下帯で鋳片を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するとともに、圧下ロールのロール間隔を測定し、前記ロール間バルジング量の測定値と、前記圧下ロールのロール間隔測定値に基づいて、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下帯のロールの圧下勾配を求め、求めた圧下勾配になるように、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整することを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用い、軽圧下帯で鋳片を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するとともに、圧下ロールのロール間隔を測定し、且つ、鋳片の凝固完了位置を検出するための凝固完了位置検出装置を用いて鋳片中心部の固相率が0.3〜0.85の区間を測定し、前記ロール間バルジング量の測定値と、前記圧下ロールのロール間隔測定値と、前記固相率が0.3〜0.85の区間の測定値に基づいて、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下帯のロールの圧下勾配を求め、求めた圧下勾配になるように、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整することを特徴とするものである。
第3の発明に係る連続鋳造機は、複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機において、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するためのバルジング量測定装置と、圧下ロールのロール間隔を測定するためのロール間隔測定装置と、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整するためのロール間隔調整と、前記バルジング量測定装置による測定値と前記ロール間隔測定装置による測定値とから、軽圧下帯のロールの圧下勾配を演算して求める圧下条件演算装置と、を具備し、前記圧下条件演算装置の演算結果に基づいて鋳造中に圧下ロールのロール間隔が調整されることを特徴とするものである。
第4の発明に係る連続鋳造機は、複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機において、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するためのバルジング量測定装置と、圧下ロールのロール間隔を測定するためのロール間隔測定装置と、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整するためのロール間隔調整と、鋳片の凝固完了位置を検出するための凝固完了位置検出装置と、前記バルジング量測定装置による測定値と前記ロール間隔測定装置による測定値と前記凝固完了位置検出装置による測定値とから、軽圧下帯のロールの圧下勾配を演算して求める圧下条件演算装置と、を具備し、前記圧下条件演算装置の演算結果に基づいて鋳造中に圧下ロールのロール間隔が調整されることを特徴とするものである。
本発明によれば、鋳片のロール間バルジング量を測定し、ロール間バルジング量を考慮して軽圧下帯での最適な圧下勾配を決定し、決定した圧下勾配になるように鋳造中に軽圧下帯の圧下ロールのロール間隔を調整するので、鋳造速度などの鋳造条件が変更になった場合にも、鋳片に対してバルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下が実施されて、中心偏析の少ない鋳片ひいては鉄鋼製品を製造することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係るスラブ連続鋳造機の側面概略図である。
図1に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼9を冷却して凝固シェル11を形成するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼9を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。タンディッシュ2の底部には、溶鋼9の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、浸漬ノズル4が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール、ガイドロール及びピンチロールからなる複数対の鋳片支持ロール6が配置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片10は引抜かれながら冷却されるようになっている。また、鋳片支持ロール6の下流側には、鋳造された鋳片10を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されており、この搬送ロール7の上方には、鋳造される鋳片10から所定の長さの鋳片10aを切断するための鋳片切断機8が配置されている。
鋳片10の凝固完了位置13を挟んで鋳造方向の上流側及び下流側には、鋳片10を挟んで対向する鋳片支持ロール間の間隔(この間隔を「ロール間隔」と呼ぶ)を鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定された、複数対の鋳片支持ロール群から構成される軽圧下帯14が設置されている。軽圧下帯14では、その全域または一部選択した領域で、鋳片10に軽圧下を行うことが可能である。軽圧下帯14の各鋳片支持ロール間にも鋳片10を冷却するためのスプレーノズルが配置されている。尚、軽圧下帯14の鋳片支持ロール6を、軽圧下を施すためのロールであることから「圧下ロール」とも称している。また、鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定されたロール間隔の状態を「圧下勾配」或いは「ロール勾配」と称している。圧下勾配は、通常1m当たりのロール間隔絞り込み量(mm)で表示される。
図1に示す軽圧下帯14は、3対の圧下ロールを1組とするセグメント構造の圧下ロール群が鋳造方向に3基つながって構成されており、各セグメントの上流側端部と下流側端部には、圧下ロールのロール間隔を鋳造中に測定するためのロール間隔測定装置16が設置されている。このロール間隔測定装置16は、各セグメントの端部の圧下ロールの位置を、レーザー光などを利用して非接触で測定しており、測定値は圧下条件演算装置19に入力され、圧下条件演算装置19は上下一対の圧下ロールの位置の測定値からロール間隔を算出している。各セグメントの端部に設けた圧下ロールのロール間隔が測定されるので、それぞれのセグメントの圧下勾配が分かるようになっている。尚、このロール間隔測定装置16は非接触で測定しているが、本発明を実施する上で非接触とする必要はなく、作動トランスなどを圧下ロールに接触させて配置し、それによりロール間隔を測定しても構わない。
軽圧下帯14の各セグメントの上面側のセグメントには、その上流側端部及び下流側端部に、油圧或いは電動機による遠隔操作によって鋳造中でも圧下ロールの間隔を調整可能なロール間隔調整装置17が設置されている。但し、セグメント構造であるので、3対の圧下ロールのロール間隔が一括して調整されるようになっている。また、軽圧下帯14の各セグメントには、隣り合う圧下ロール同士のほぼ中心位置に、鋳片10のロール間バルジング量を測定するためのバルジング量測定装置15が設置されている(図1では一部を省略している)。バルジング量測定装置15の測定結果は、圧下条件演算装置19に入力されている。このバルジング量測定装置15は、レーザー光などを利用して非接触で測定する装置であるが、接触式であっても構わない。
また、軽圧下帯14の出口には、鋳片10の凝固完了位置13を検出するための凝固完了位置検出装置18が設置されている。この凝固完了位置検出装置18は、対向する1対のセンサーを介して鋳片10に縦波超音波または横波超音波を透過させ、縦波超音波または横波超音波の透過速度が鋳片10の温度に依存することを利用して、鋳片中心部の温度を求め、求めた鋳片中心部の温度から伝熱計算などを利用して凝固完了位置13を検出する装置である。尚、横波超音波は鋳片10の内部に未凝固相12が存在する場合には、鋳片10を透過しないので、凝固完了位置13が凝固完了位置検出装置18よりも上流側に在るときのみ凝固完了位置13の検出が可能となる。凝固完了位置検出装置18の測定結果は、圧下条件演算装置19に入力されている。
圧下条件演算装置19は、バルジング量測定装置15及びロール間隔測定装置16の測定結果、更には、凝固完了位置検出装置18の測定結果も加えて、測定時の鋳造条件下における最適な軽圧下条件、具体的には、ロール間バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように、軽圧下帯14における最適な圧下勾配や圧下範囲などを演算して求める装置である。
このようにして構成される本発明のスラブ連続鋳造機1を用いて、以下のようにして溶鋼9の連続鋳造を実施する。
取鍋からタンディッシュ2に溶鋼9を注入してタンディッシュ2に所定量の溶鋼9を滞留させ、次いで、タンディッシュ2に滞留した溶鋼9を、浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入する。鋳型5に注入された溶鋼9は、鋳型5で冷却されて凝固シェル11を形成し、外殻を凝固シェル11とし、内部に未凝固相12を有する鋳片10として、鋳片支持ロール6に支持されながらピンチロールによって鋳型5の下方に連続的に引抜かれる。鋳片10は、鋳片支持ロール6を通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、凝固シェル11の厚みを増大し、軽圧下帯14で軽圧下されながら凝固完了位置13で内部までの凝固を完了する。鋳片10は、鋳片切断機8によって切断されて鋳片10aとなる。この場合、少なくとも凝固完了位置13が軽圧下帯14の設置範囲内になるように伝熱計算などの手法を用いて鋳造速度を設定する。
この連続鋳造操業において、圧下条件演算装置19は、ロール間バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すことを目的として、先ず第1に、バルジング量測定装置15による鋳片10のバルジング量測定値と、ロール間隔測定装置16による、そのときの圧下ロールのロール間隔測定値とを対比し、バルジング量が大きいときには圧下勾配が大きくなるように、バルジング量に応じて軽圧下条件を設定し直す。鋳片10の中心偏析防止のためには、軽圧下速度は0.8〜1.5mm/min程度が望ましいことが知られており、従って、軽圧下速度が1.5mm/minを越えない範囲で圧下勾配を設定し直す。軽圧下速度が0.8mm/min未満では、濃化溶鋼の流動を十分に阻止することができず、一方、軽圧下速度が1.5mm/minを越えると、濃化溶鋼が鋳造方向とは逆方向に絞り出され、鋳片中心部には負偏析が生成される。尚、前述した圧下勾配は、軽圧下速度を鋳造速度で除算した値である。
鋳片10のロール間バルジングは鋼種によって異なるのみならず、同一鋼種であっても鋳造速度や二次冷却水量の変更によって変化するので、それぞれの鋼種でしかも鋳造条件毎に、中心偏析が軽微であったときの鋳片バルジング量を予め調査しておき、その値を標準とし、それに対する変化量を用いてバルジング量の大小を評価すればよい。
また、圧下条件演算装置19は、凝固完了位置測定装置18による凝固完了位置13の検出結果に基づいて軽圧下条件を設定し直す。つまり、凝固完了位置検出装置18によって検出される鋳片中心部の固相率が0.3〜0.85の区間には、上記のバルジング量に応じた軽圧下が必ず付与されるように、軽圧下条件を設定し直す。鋳片中心部の固相率が0.3未満の範囲は残溶鋼が多く溶鋼流動が発生しても中心偏析には至らず、一方、鋳片中心部の固相率が0.85を超える範囲はバルジングなどが発生しても溶鋼流動が生じず、どちらも軽圧下の効果が見られなくなり、軽圧下の必要性がないからである。但し、この範囲を軽圧下しても構わない。
圧下条件演算装置19による軽圧下条件が設定し直されたなら、オペレーターはそれを確認し、遠隔でロール間隔調整装置17を操作して、設定し直された圧下勾配或いは圧下範囲となるように、圧下ロールのロール間隔を鋳造中に変更する。この場合、圧下条件演算装置19の信号をロール間隔調整装置17に入力し、自動的にロール間隔を変更するようにしてもよい。
このように、本発明によれば、鋳片10のロール間バルジング量を測定し、測定されたロール間バルジング量を考慮してロール間バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように、軽圧下帯14における最適な圧下勾配を決定し、また、凝固完了位置13を測定し、測定された凝固完了位置13に応じて圧下範囲を決定し、そして、決定された最適圧下勾配及び圧下範囲に応じて、鋳造中に軽圧下帯14の圧下ロールのロール間隔を調整し直すので、鋳造速度などの鋳造条件が変更になった場合にも鋳片10に対して最適な軽圧下が実施され、中心偏析の少ない鋳片10aを製造することが可能となる。
尚、本発明は上記説明に限るものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明の連続鋳造機では、軽圧下帯14がセグメント構造であるが、セグメント構造とする必要はなく、軽圧下帯14のそれぞれの圧下ロールを油圧或いは電動機で個別に昇降させるようにしてもよい。また、図1では、連続鋳造機1の水平部に軽圧下帯14が設置されているが、鋳片支持ロール6の設置されている範囲であればどこであっても、例えば湾曲部であっても軽圧下帯14とすることができる。
以下、本発明の実施例(本発明例)を従来例と比較して説明する。前述した図1に示すスラブ連続鋳造機を用い、表1に示す化学成分の溶鋼を、表2に示す鋳造条件で鋳造した。そして、圧下条件演算装置により、バルジング量測定装置及び凝固完了位置検出装置の測定値に基づいて、最適圧下条件、つまりロール間バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すような圧下勾配及び圧下範囲を演算して求め、演算された圧下勾配となるように、鋳造中にロール間隔測定装置及びロール間隔調整装置を用いて軽圧下帯の圧下ロールのロール間隔を修正しながら鋳造した。軽圧下条件は、鋳片中心部の固相率が0.3〜0.85の区間には必ず1.0mm/minの圧下速度が付与され、且つ鋳片のロール間バルジングが大きくなったときには、1.5mm/minの圧下速度を付与した。
Figure 2009066652
Figure 2009066652
また、比較のために、図1に示すスラブ連続鋳造機を用いて、軽圧下帯の圧下速度が1.0mm/minとなるように圧下ロールの圧下勾配を設定し、鋳造中はロール間隔を調整しないまま鋳造した例(従来例1)と、ロール間隔測定装置とロール間隔調整装置とを用いて軽圧下帯の圧下速度が1.0mm/minとなるように鋳造速度に応じて圧下ロールのロール間隔を調整しながら鋳造した例(従来例2)を実施した。従来例1及び従来例2では、溶鋼の化学成分及び鋳造条件は本発明例と同一とした。表3に試験条件を示す。
Figure 2009066652
鋳造後、鋳片から試料を採取し、鋳片の中心部から鋳片厚み方向に1.0mm毎の区間に分けて分析用試料を採取し、炭素含有量の分析を行った。そして、中心部の炭素含有量のピーク(Cmax )と周辺部の炭素含有量の平均値(Co )との比であるCmax /Co によって偏析度を評価した。図2に、偏析度の調査結果を示す。図2からも明らかなように、本発明を適用することにより、鋳片の中心偏析は従来に比較して格段に低減することが確認できた。
本発明に係るスラブ連続鋳造機の側面概略図である。 本発明例と従来例とで鋳片の偏析度を比較して示す図である。
符号の説明
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 鋳片切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固相
13 凝固完了位置
14 軽圧下帯
15 バルジング量測定装置
16 ロール間隔測定装置
17 ロール間隔調整装置
18 凝固完了位置検出装置
19 圧下条件演算装置

Claims (4)

  1. 複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用い、軽圧下帯で鋳片を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するとともに、圧下ロールのロール間隔を測定し、前記ロール間バルジング量の測定値と、前記圧下ロールのロール間隔測定値に基づいて、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下帯のロールの圧下勾配を求め、求めた圧下勾配になるように、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用い、軽圧下帯で鋳片を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに当たり、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するとともに、圧下ロールのロール間隔を測定し、且つ、鋳片の凝固完了位置を検出するための凝固完了位置検出装置を用いて鋳片中心部の固相率が0.3〜0.85の区間を測定し、前記ロール間バルジング量の測定値と、前記圧下ロールのロール間隔測定値と、前記固相率が0.3〜0.85の区間の測定値に基づいて、バルジングによる残溶鋼の流動を打ち消すように軽圧下帯のロールの圧下勾配を求め、求めた圧下勾配になるように、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  3. 複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機において、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するためのバルジング量測定装置と、圧下ロールのロール間隔を測定するためのロール間隔測定装置と、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整するためのロール間隔調整と、前記バルジング量測定装置による測定値と前記ロール間隔測定装置による測定値とから、軽圧下帯のロールの圧下勾配を演算して求める圧下条件演算装置と、を具備し、前記圧下条件演算装置の演算結果に基づいて鋳造中に圧下ロールのロール間隔が調整されることを特徴とする連続鋳造機。
  4. 複数対の圧下ロールからなる軽圧下帯を備えた連続鋳造機において、鋳片のロール間バルジング量を前記軽圧下帯の少なくとも一箇所で測定するためのバルジング量測定装置と、圧下ロールのロール間隔を測定するためのロール間隔測定装置と、鋳造中に圧下ロールのロール間隔を調整するためのロール間隔調整と、鋳片の凝固完了位置を検出するための凝固完了位置検出装置と、前記バルジング量測定装置による測定値と前記ロール間隔測定装置による測定値と前記凝固完了位置検出装置による測定値とから、軽圧下帯のロールの圧下勾配を演算して求める圧下条件演算装置と、を具備し、前記圧下条件演算装置の演算結果に基づいて鋳造中に圧下ロールのロール間隔が調整されることを特徴とする連続鋳造機。
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