JP2009161974A - 鉄筋コンクリート梁の構築方法 - Google Patents

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慶  祐一
Satoru Kusaka
哲 日下
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Abstract

【課題】柱と鉄筋コンクリート梁を剛接合した両端固定の架構において、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する端部モーメントを抑制できるようにした鉄筋コンクリート梁の構築方法を提供する。
【解決手段】少なくとも端部がプレキャストコンクリート製品とされた鉄筋コンクリート梁6の前記端部に埋設されたスリーブ7又は15に柱15側から梁長手方向に突出させた鉄筋2を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト13注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、鉄筋コンクリート梁の構築方法に関し、詳しくは、柱と鉄筋コンクリート梁を剛接合した両端固定の架構において、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する応力(端部モーメント)を抑制できるようにした鉄筋コンクリート梁の構築方法に関する。
一般に、超高層建物においては、図1に示すように、1本の柱Aを耐力の大きな基礎杭Bで1本ずつ支持することが多いが、建物中央部では、隣り合う基礎杭Bによる地中での応力線が重なり合ういわゆる群杭効果によって、建物外周部よりも建物中央側において基礎杭Bの沈下が大きくなる傾向がある。この基礎杭沈下量の差(建物の不同沈下)により、図1に示すように、大梁Cに強制変形が生じるので、大梁Cの外側端部には、強制変形による端部モーメントのつりあがり(矢印a)が生じる。従って、大梁Cとして、梁成の大きな耐力の大きいものが要求されることになり、発生応力に対して断面設計が困難になるケースもある。尚、建物中央側には、複数本の柱Aが所定スパンの格子状に配置され、基礎杭Bもそれに対応して配置されるが、図1は、大梁Cの強制変形による端部モーメントのつりあがりを説明する模式図であるため、説明の便宜上、建物中央側の柱Aと基礎杭Bは、夫々、1本ずつしか示されていない。
また、鉄筋コンクリート造建物の柱梁のような両端固定の架構においては、図2に示すように、スパン端部に、自重と、仕上げ荷重及び積載荷重の総和に起因する応力(端部モーメント)が生じ、スパン端部の応力はスパンが大きくなるにつれ、スパンの二乗に比例して増大する。そのため、ロングスパンの大梁を構築すると、スパン端部に生じる応力(矢印b)が極端に大きくなり、この応力に対処するためには、梁成を増し、梁端部の鉄筋量を増すなどの対策が講じられることになる。
また、大梁の重量が増すと共に、大梁端部の応力(矢印b)が大きくなることによって、大梁を支持する柱に生じる応力(矢印c)も必然的に大きくなるため、大梁と同様、断面を増す、大量の配筋をするなどの対策が必要となる。
尚、鉄骨造の大梁を対象とする技術ではあるが、鉄骨梁の端部応力を低減するために、梁端部を柱にボルト連結することによってピン接合状態とし、この状態で、デッキプレートの敷設、スラブ配筋、コンクリート打設等の工程を進め、スラブの完成後、梁端部を柱に溶接することによって剛接合状態とする柱と鉄骨梁の接合方法が、特許文献1によって提案されている。
この従来技術は、鉄骨梁の端部のウエブを柱に設けられたガセットプレートにボルト締めしてピン接合とし、続いて梁端部の上下フランジを柱に突合せ溶接して剛接合し、しかる後、スラブを構築するという一般的な施工手順を、ボルト締め、スラブ構築、突合せ溶接の順序に変更するだけで、鉄骨梁の端部応力を低減できるという利点を有している。
しかしながら、鉄筋コンクリート梁には、元々、鉄骨梁のボルト締めや溶接といった工程が存在しないため、上記の従来技術を鉄筋コンクリート梁の接合に適用する訳にはいかない。また、スラブを1層ずつ構築する都度、梁端部の上下フランジを柱に突合せ溶接して剛接合とするので、建物の不同沈下に起因する鉄骨梁の強制変形に対しては、別途、対策が必要である。
特開平8−218640号公報
本発明は、上記の問題点を踏まえてなされたものであって、その目的とするところは、柱と鉄筋コンクリート梁を剛接合した両端固定の架構において、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する端部モーメント(例えば、建物の不同沈下による鉄筋コンクリート梁の外端部モーメントのつりあがりや、ロングスパンの鉄筋コンクリート梁の端部モーメントのつりあがりなど、)を抑制できるようにした鉄筋コンクリート梁の構築方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明による鉄筋コンクリート梁の構築方法は、少なくとも端部がプレキャストコンクリート製品とされた鉄筋コンクリート梁の前記端部に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法であって、鉄筋コンクリート梁のうち端部だけがプレキャストコンクリート製品とされ、当該プレキャストコンクリート製品に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入し、且つ、当該スリーブを貫通した鉄筋の先端側とコンクリートの現場打ちにより構築される梁部分の梁主筋とを継手で接続することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法であって、鉄筋コンクリート梁の全体がプレキャストコンクリート製品とされ、当該プレキャストコンクリート製品の端部に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴としている。
尚、請求項1〜3に記載の発明は、施工途中においては梁の両端をピン接合とし、所定の工程が完了した後、梁の両端を剛接合する場合と、施工途中においては梁の一端のみをピン接合(他端は剛接合)とし、所定の工程が完了した後、梁の前記一端を剛接合とする場合とを包含している。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法であって、柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋とプレキャストコンクリート製品に埋設された梁主筋とが同芯状に配置され、且つ、前記鉄筋と梁主筋のうち何れか一方にのみ嵌合した非接続状態と、両者に略半分ずつ嵌合した接続状態とにわたってスライド可能な継手用スリーブと、その収納スペースを形成するシース管とを備えたスライド継手により接続されることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法であって、施工途中においては柱に対して鉄筋コンクリート梁の外側端部をピン接合とし、上棟後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合と
することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法であって、施工途中においては柱に対して鉄筋コンクリート梁の両端部をピン接合とし、前記梁上のスラブコンクリートの打設後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴としている。
請求項1〜3に記載の発明によれば、柱と鉄筋コンクリート梁を剛接合した両端固定の架構において、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する端部モーメントを抑制でき、合理的な大梁断面設計が可能となる効果がある。
即ち、超高層建物のように、施工途中で群杭効果による建物の不同沈下が予想される鉄筋コンクリート造建物の建築に際しては、鉄筋コンクリート梁の外側端部に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、例えば、請求項5に記載の発明のように、上棟後に、スリーブ内にグラウト注入を行って梁端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させることになる。
従って、施工途中において、建物の不同沈下により鉄筋コンクリート梁に強制変形が生じても、梁端部がピン接合となっているので、鉄筋コンクリート梁の強制変形に起因する外側端部の応力(端部モーメント)が原理的にゼロとなる。そして、鉄筋コンクリート梁の強制変形が生じた後、スリーブ内にグラウト注入を行って梁端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させるので、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する端部モーメントを、鉄筋コンクリート梁の強制変形に起因する端部モーメントが作用しないようにした分、低減することができる。
また、ロングスパンの鉄筋コンクリート梁を構築する場合であれば、鉄筋コンクリート梁の両端部に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、請求項6に記載の発明のように、前記梁上のスラブコンクリートの打設後、スリーブ内にグラウト注入を行って梁端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させることになる。
従って、施工途中においては、自重に対して端部ピンで構造的に成立させ、鉄筋コンクリート梁端部がピン接合となっているので、端部モーメントが原理的にゼロとなる。そして、スラブコンクリートの打設後、スリーブ内にグラウト注入を行って梁端部を剛接合するので、スラブ構築後の鉄筋コンクリート梁端部に生じる端部モーメントは、仕上げ荷重と積載荷重に起因するものだけになり、ロングスパンの鉄筋コンクリート梁であるにもかかわらず鉄筋コンクリート梁端部に発生する端部モーメントを低減できる。
尚、施工途中において、鉄筋コンクリート梁の両端部をピン接合とすることで、スパン中央部の応力が大きくなるが、スパン中央付近は、スラブの協同効果が期待できるため、T型合成梁としての耐力を有することになり、施工時、両端部をピン支持としてスパン中央部の応力を増やしても、断面アップにはなりにくい。また、ロングスパン梁では一般的な手法でもあるが、スパン中央部にだけプレストレスを導入してもよい。
殊に、請求項2に記載の発明によれば、上述した効果に加え、長手方向の大半を現場打ちコンクリートによって構築する鉄筋コンクリート梁であるにもかかわらず施工途中において梁端部をピン接合とすることが可能となり、鉄筋コンクリート梁の端部に発生する端
部モーメントを抑制できるという効果がある。
請求項4に記載の発明によれば、鉄筋コンクリート梁の全体がプレキャストコンクリート製品とされている場合であっても、プレキャストコンクリート製品を柱間に上方から吊り込んで、柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋とプレキャストコンクリート製品に埋設された梁主筋とを継手用スリーブにより機械的に接続してピン接合とすることができるので、施工性が良い。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図3〜図8は、本発明に係る鉄筋コンクリート梁の構築方法の一例を示す。この構築方法は、図1に基づいて説明した超高層建物のような施工途中で群杭効果による建物の不同沈下が予想される鉄筋コンクリート造建物において、建物外面側の柱と中央側の柱間に鉄筋コンクリート梁を架設するに際して採用されている。
図3において、1は鉄筋コンクリート造の柱であり、側面には、梁主筋の端部となる複数本の鉄筋2が梁長手方向に突出されている。また、柱1の側面には、仮設の梁受け金具3が取り付けられており、その上方には、コッター係合用凹部4が形成されている。図3、図4において、5は、図8に示す鉄筋コンクリート梁6の端部を構成するプレキャストコンクリート製品であり、前記鉄筋2を挿入する貫通孔形成用のスリーブ(中空管)7が埋設され、端面には、前記コッター係合用凹部4と対面するコッター係合用凹部8が形成されている。そして、図8の(B)に示すように、適当な時点で注入されたグラウト13が前記両凹部4、8に充満された状態に硬化することで、コッターとして機能するように構成されている。また、プレキャストコンクリート製品5には、グラウト注入や注入状態の確認に用いられるパイプ9がスリーブ7と連通する状態に埋設されている。
鉄筋コンクリート梁6の構築方法について説明すると、先ず、図5、図6に示すように、柱1の側面から突出させた鉄筋2をプレキャストコンクリート製品5に埋設されたスリーブ7に挿入し、プレキャストコンクリート製品5のコッター8を柱側面のコッター係合用凹部4に係合させ、且つ、プレキャストコンクリート製品5を梁受け金具3で支持させる。
しかる後、図7に示すように、梁型枠9の組立、梁配筋を行い、スリーブ7を貫通した鉄筋2の先端側とコンクリート10の現場打ちにより構築される梁部分の梁主筋11とを重ね継手、機械継手等の継手12で接続し、コンクリート10を打設して、図8の(A)に示すように、柱1に対して梁端部をピン接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築する。
この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、例えば上棟後、図8の(B)に示すように、スリーブ7内にグラウト13の注入を行うことにより、柱1に対して梁端部を剛接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築する。14はスラブを示す。
図示しないが、鉄筋コンクリート梁6の他端側(内端側)は、図8と対称になっているが、施工途中でピン接合にしなくてもよく、換言すれば、施工途中で剛接合にしてもよい。この場合、コンクリート10の打設前又は打設後、グラウト注入を行うことになる。
尚、仮設の梁受け金具3は、梁型枠9を解体撤去する時点で、撤去してもよい。また、仮設の梁受け金具3に代え、パイプサポート等の支保工を用いてもよい。柱1は、プレキャストコンクリート製であるが、現場打ちコンクリートによって構築してもよい。
上記の構成によれば、柱1と鉄筋コンクリート梁6を剛接合した両端固定の架構において、鉄筋コンクリート梁6の端部に発生する端部モーメントを抑制でき、合理的な大梁断面設計が可能となる。即ち、施工途中において、群杭効果による建物の不同沈下により鉄筋コンクリート梁6に強制変形が生じても、梁の端部がピン接合となっているので、鉄筋コンクリート梁6の強制変形に起因する外側端部の応力(端部モーメント)が原理的にゼロとなる。
そして、鉄筋コンクリート梁6の強制変形が生じた後、スリーブ7内にグラウト13注入を行って梁端部を剛接合とした両端固定の架構を成立させるので、鉄筋コンクリート梁6の端部に発生する端部モーメントを、鉄筋コンクリート梁6の強制変形に起因する端部モーメントが作用しないようにした分、低減することができる。
図9は、本発明の他の実施形態を示し、鉄筋コンクリート梁6の全体がプレキャストコンクリート製品5とされている点に特徴がある。即ち、この実施形態では、図9の(A)に示すように、プレキャストコンクリート製品5の端部に埋設された継手用のスリーブ15に柱1の側面から梁長手方向に突出させた鉄筋2を挿入することにより、施工途中においては柱1に対して梁端部をピン接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築している。
そして、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、上棟後、図9の(B)に示すように、スリーブ15内にグラウト13の注入を行うことにより、柱1に対して梁端部を剛接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築するのである。柱1は、プレキャストコンクリート製として図示するが、現場打ちコンクリートにより、仮設の梁受け金具3を取付け可能な高さ(梁下端)まで先行して構築し、鉄筋2の先端をスリーブ15に挿入した状態で、上階へと打ち継ぐようにしてもよい。その他の構成、作用は先の実施形態と同じであるため、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
図10は、本発明の他の実施形態を示し、ヒンジゾーンLを外して、プレキャストコンクリート製品5の接合を行うようにした点に特徴がある。具体的には、図10の(A)に示すように、両側の柱1から、夫々、ヒンジゾーンLに対応する長さのプレキャストコンクリート製梁材5a、5bを突出させ、これらの間にプレキャストコンクリート製品5を配置してある。そして、一方のプレキャストコンクリート製梁材5aから突出させた鉄筋(これは柱側から突出した鉄筋の一例でもある)2をプレキャストコンクリート製品5の一端部に埋設された継手用のスリーブ15に挿入すると共に、プレキャストコンクリート製梁材5の他端から突出させた梁主筋11を、他方のプレキャストコンクリート製梁材5bに埋設された継手用のスリーブ15に挿入することにより、施工途中においては柱1に対して梁端部をピン接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築している。
この状態で、以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、上棟後、図10の(B)に示すように、スリーブ15内にグラウト13の注入を行うことにより、柱1に対して梁端部を剛接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築するのである。図中の16a、16bは、プレキャストコンクリート製梁材5a、5bを貫通する柱主筋17を差し込んでグラウト注入により一体化する柱主筋継手用スリーブである。その他の構成、作用は、図9の実施形態と同じであるため、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
図11〜図13は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、柱1側から梁長手方向に突出させた鉄筋2とプレキャストコンクリート製品5に埋設された梁主筋11とが、何れか一方にのみ嵌合した非接続状態と、両者に略半分ずつ嵌合した接続状態とにわたってスライド可能な継手用のスリーブ15と、その収納スペースを形成するシース管18a、18bとを備えたスライド継手19により接続される点に特徴がある。
具体的には、両側の柱1から、夫々、図10と同様に、ヒンジゾーンLに対応する長さのプレキャストコンクリート製梁材5a、5bを突出させた後、図12の(A)に示すように、プレキャストコンクリート製梁材5aの鉄筋2だけにスリーブ15を嵌合させた非接続状態(或いは、これと逆に、プレキャストコンクリート製品5に埋設された梁主筋11だけにスリーブ15を嵌合させた非接続状態)で、プレキャストコンクリート製品5をプレキャストコンクリート製梁材5a、5b間に吊り込む。この状態で、図12の(B)に示すように、スリーブ15を引き出して、鉄筋2と梁主筋11に略半分ずつ嵌合した接続状態とすることにより、図11の(A)に示すように、施工途中においては柱1に対して梁端部をピン接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築している。ヒンジゾーンLは概ね梁成の1.0〜1.5倍程度となることが多い。
この状態で、以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、具体的には、例えば上棟後、図11の(B)、図13に示すように、スリーブ15内にグラウト13の注入を行うことにより、柱1に対して梁端部を剛接合とした鉄筋コンクリート梁6を構築するのである。
上記の構成によれば、鉄筋コンクリート梁6の全体がプレキャストコンクリート製品5とされているにもかかわらず、梁主筋がプレキャストコンクリート製品より突出しないため、プレキャストコンクリート製品5を柱間に上方から吊り込んで、柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋2とプレキャストコンクリート製品5に埋設された梁主筋11とを継手用のスリーブ15により機械的に接続してピン接合とすることができ、施工性が良い。その他の構成、作用は、図10の実施形態と同じであるため、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
尚、多くの場合、群杭効果による建物の不同沈下の進行は、建物がある程度の高さまで構築されていくと緩やかなものとなり、不同沈下による影響が減少する。従って、グラウト注入は、上述した実施形態のように上棟後に行ってもよいが、上棟前であっても、不同沈下の影響が設計上問題にならない高さまで施工された時点で行ってもよい。また、上述した実施形態は、何れも、図1に基づいて説明した超高層建物のような施工途中で群杭効果による建物の不同沈下が予想される鉄筋コンクリート造建物において、建物外面側の柱と中央側の柱間に鉄筋コンクリート梁を架設する場合を対象としているが、本発明は、ロングスパンの鉄筋コンクリート梁を構築する場合にも、適用できる。この場合には、施工途中では、鉄筋コンクリート梁の両端部をピン接合とし、この鉄筋コンクリート梁で支持されるスラブのコンクリート打設後、スリーブ7又は15内にグラウト注入を行って剛接合とすることになる。
大梁の強制変形による端部モーメントのつりあがりを説明する模式図である。 両端固定の架構におけるモーメント図である。 本発明の実施形態を示す要部の斜視図である。 要部の縦断側面図である。 鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。 図5に続く説明図である。 図6に続く説明図である。 図7に続く説明図である。 本発明の他の実施形態を示す鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す鉄筋コンクリート梁の構築方法の説明図である。 スライド継手を説明する要部の縦断側面図である。 スライド継手を説明する要部の縦断側面図である。
符号の説明
1 柱
2 鉄筋
3 梁受け金具
4 コッター係合用凹部
5 プレキャストコンクリート製品
5a,5b プレキャストコンクリート製品
6 鉄筋コンクリート梁
7 貫通孔形成用のスリーブ
8 コッター係合用凹部
9 梁型枠
10 コンクリート
11 梁主筋
12 継手
13 グラウト
14 スラブ
15 継手用のスリーブ
16a,16b 柱主筋継手用スリーブ
17 柱主筋
18a,18b シース管
19 スライド継手

Claims (6)

  1. 少なくとも端部がプレキャストコンクリート製品とされた鉄筋コンクリート梁の前記端部に埋設されたスリーブに、柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴とする鉄筋コンクリート梁の構築方法。
  2. 鉄筋コンクリート梁のうち端部だけがプレキャストコンクリート製品とされ、当該プレキャストコンクリート製品に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入し、且つ、プレキャストコンクリート製品のスリーブを貫通した鉄筋の先端側とコンクリートの現場打ちにより構築される梁部分の梁主筋とを接続することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法。
  3. 鉄筋コンクリート梁の全体がプレキャストコンクリート製品とされ、当該プレキャストコンクリート製品の端部に埋設されたスリーブに柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋を挿入することにより、施工途中においては柱に対して梁端部をピン接合とし、この状態で以後の建築工事を進め、所定の工程が完了した後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法。
  4. 柱側から梁長手方向に突出させた鉄筋とプレキャストコンクリート製品に埋設された梁主筋とが同芯状に配置され、且つ、前記鉄筋と梁主筋のうち何れか一方にのみ嵌合した非接続状態と、両者に略半分ずつ嵌合した接続状態とにわたってスライド可能な継手用スリーブと、その収納スペースを形成するシース管とを備えたスライド継手により接続されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法。
  5. 施工途中においては柱に対して鉄筋コンクリート梁の外側端部をピン接合とし、上棟後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法。
  6. 施工途中においては柱に対して鉄筋コンクリート梁の両端部をピン接合とし、前記梁上のスラブコンクリートの打設後、スリーブ内にグラウト注入を行うことにより、柱に対して梁端部を剛接合とすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート梁の構築方法。
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