JP2008051223A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

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健太 山崎
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Abstract

【課題】押圧部および受け部からなる予圧手段の構造を改善し、押圧部材の機能を阻害することなく、適正な予圧を確実に付与し得ることができ、しかも組立性の向上を達成できる固定型等速自在継手を提供する。
【解決手段】トラック溝14が形成された球状内面12を備えた外方部材と、トラック溝24が形成された球状外面22を備えた内方部材と、ボールトラックに配置したボール30を保持する保持器40とを備え、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部52を内方部材側に、かつ、押圧部からの押圧力を受ける受け部58を保持器側に設けた固定型等速自在継手である。ケース55の先端開口部に配置される押圧部に弾性的な押圧力を付与する弾性部材とを有するプランジャユニット50を備える。ケースの外径面66aと、内方部材に形成された凹陥部2aの内径面68との間に弾性体67が介装された状態で、ケースが内方部材の凹陥部に圧入される。
【選択図】図4

Description

本発明は固定型等速自在継手に関し、詳しくは、自動車のステアリング装置に組み込まれる固定型等速自在継手に関する。
等速自在継手は、入出力軸間の角度変位のみを許容する固定型と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型に大別され、それぞれ用途・使用条件等に応じて機種選定される。固定型等速自在継手としては、ツェッパ型(以下、「BJ」と称す)やアンダーカットフリー型(以下、「UJ」と称す)が広く知られている。
BJおよびUJのいずれも、内周に複数の曲線状のトラック溝を有する外輪と、外周に複数の曲線状のトラック溝を有する内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に組み込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とで構成される。外輪のトラック溝中心は外輪内球面中心に対して外輪開口側、また、内輪のトラック溝中心は内輪外球面中心に対して外輪奥側に位置し、軸方向で互いに逆方向に等距離だけオフセットしている。これにより、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝とで構成されるボールトラックは、外輪の開口側に向けて拡開する楔形となっている。BJでは各トラック溝の全域が曲線状になっているが、UJでは各トラック溝の一方の端部が軸線と平行なストレート状になっている。
一般的に自動車のステアリング装置に組み込まれる軸継手にはカルダンジョイントを2個以上使用している。このジョイントは、単体では不等速なことから、等速性を確保するために互いの変動成分を打ち消し合うよう配置し使用している。このため車両の設計自由度が損なわれるという問題がある。任意の角度で等速性が確保できる等速自在継手をステアリング用軸継手として用いることで、車両の設計自由度が増すことは可能であるが、等速自在継手は回転方向ガタが大きいため、車両直進付近のステアリング操作感の悪化や、異音の原因となることが懸念される。これを解決するため、等速自在継手内部に予圧手段を設けてトラック溝すきまを詰めることを提案している(例えば、特許文献1参照)。
固定型等速自在継手には機能及び加工面から、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝間にはボールを介してすきまがあり、また、外輪の内球面と保持器の外球面、内輪の外球面と保持器の内球面にもすきまが存在する。これらすきまは、継手の中立状態で内輪または外輪のどちらか一方を固定して他方をラジアル方向またはアキシャル方向に移動させたときの移動量をいい、移動させる方向によって、ラジアルすきま、アキシャルすきまのように呼ばれる。これらすきまは、内・外輪間の円周方向のガタツキ(回転バックラッシュ)に大きく影響を与え、特にトラック溝すきまが大きい程回転バックラッシュも大きくなる。このため、一定以上の回転バックラッシュは避けられないことから、この種の固定型等速自在継手は、例えば自動車のステアリング装置のように回転バックラッシュを嫌う用途には一般採用されるには至っていない。
ところで、前述の特許文献1に記載された発明は、回転バックラッシュを詰めることを目的にした固定型等速自在継手であり、等速自在継手内部に予圧手段を設けてトラック溝すきまを詰めるようにしている。この特許文献1には、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を内方部材側に設けると共に、その押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた予圧手段が開示されている。
特許文献1に記載の予圧手段は、図12に示すように、内方部材を構成する内輪100の内周に結合されたシャフト101の軸端に円筒状の収容部材102が埋め込まれており、この収容部材102の内部に押圧部材103および弾性部材104が収容されている。押圧部材103の頭部の端面は凸球面状に形成され、この凸球面部分が弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部105として機能する。一方、保持器106の端部には、シャフト101と対向する凹球面状の球面部107aを有する受け部材107が取り付けられ、この受け部材107の凹球面部分が押圧部105からの押圧力を受ける受け部108として機能する。
前述のような構造により、回転バックラッシュを防止するようにしているが、円筒状の収容部材102をシャフト101の軸端に強固に埋め込むためには、その収容部材102をシャフト101の端面に設けられた凹陥部109内に圧入する必要がある。しかしながら、収容部材102を凹陥部109内に圧入すると、押圧部105が配された収容部材102の開口部近傍がわずかに縮径することが考えられる。この収容部材102の開口部近傍では、受け部材107の球面部107aに当接する押圧部材103が動作する部位であり、この部位で収容部材102が縮径していると、押圧部材103の動作を阻害するおそれがあり、適正な予圧を付与することが困難になることが考えられる。
そこで、従来には、収容部材102の基端側(凹陥部の奥側対応部)のみを圧入して、収容部材102の開口側を縮径させないようにして、押圧部105の突出退入動作を滑らかに行わせようとしたものがある(特許文献2)。
特開2003−130082号公報 特開2005−214297号公報
しかしながら、収容部材102の圧入部位における寸法公差のばらつきによっては、この収容部材102を凹陥部109内に圧入する際に過大な圧入荷重が発生するおそれがある。このように、過大な圧入荷重が発生すれば、圧入作業が困難であって、組立性に劣る。また、圧入の際に収容部材102が変形する場合がある。このように変形すれば、この収容部材102内の弾性部材104(ばね部材)に影響を及ぼして、押圧部105としての押圧部材103に安定した押圧力を付与できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、特許文献1に開示された押圧部および受け部からなる予圧手段の構造を改善し、押圧部材の機能を阻害することなく、適正な予圧を確実に付与し得ることができ、しかも組立性の向上を達成できる固定型等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明の固定型等速自在継手は、複数のトラック溝が形成された球状内面を備えた外方部材と、複数のトラック溝が形成された球状外面を備えた内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝の協働で形成された楔形のボールトラックに配置したボールと、外方部材の球状内面と内方部材の球状外面との間に配置され、ボールを保持する保持器とを備え、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を前記内方部材側に、かつ、押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた固定型等速自在継手において、ケースと、ケースの先端開口部に配置される前記押圧部と、ケースに収納されて押圧部に弾性的な押圧力を付与する弾性部材とを有するプランジャユニットを備え、ケースの外径面と、内方部材に形成された凹陥部の内径面との間に弾性体が介装された状態で、ケースが内方部材の凹陥部に圧入されたものである。なお、弾性体として、樹脂やゴム等を使用できる。
本発明の固定型等速自在継手では、ケースの外径面と、内方部材に形成された凹陥部の内径面との間に弾性体が介装されるので、ケースを凹陥部に圧入した状態でのケースへの反力(押圧力)を緩和することができる。しかも、弾性体が弾性変形して、ケースの凹陥部内での係合力(係止力)の向上を図ることができる。また、ケースの外径面と内方部材の凹陥部の内径面との公差範囲が比較的大きくても、弾性体は弾性変形するのでその差を吸収することができる。
弾性体を凹陥部の奥側に配置しても、凹陥部の開口側に配置してもよい。もちろん、ケースの外径面と内方部材の凹陥部の内径面との間の全体に弾性体を配置してもよい。なお、弾性体を凹陥部の奥側に配置する場合、プランジャユニット先端に位置する押圧部が突出退入動作する先端側部位を除く部位に配置するのが好ましい。
以上で説明した固定型等速自在継手は、自動車のステアリング装置に組み込めば、等速自在継手内のトラック溝すきまを詰めて回転バックラッシュを防止する上で、より一層顕著な効果を発揮する。自動車のステアリング装置は、モータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置であってよいし、油圧式のパワーステアリング装
置であってもよい。
本発明によれば、ケースを凹陥部に圧入した状態でのケースへの反力(押圧力)を緩和することができる。このため、プランジャユニット先端に位置する押圧部の突出退入動作を阻害する可能性が少なくなり、プランジャユニット先端の押圧部が適正な押圧力でもって受け部を押圧するので、予圧を確実に付与することができる。従って、等速自在継手内のトラック溝すきまを無くして回転バックラッシュを確実に防止でき、信頼性の高い固定型等速自在継手を提供できる。
また、圧入力の緩和を図れることによって、このプランジャユニットの組込み性の向上を図ることができる。しかも、弾性体が弾性変形して、ケースの凹陥部内での係合力(係止力)の向上を図ることができる。このため、プランジャユニットを内方部材に確実に固定することができ、予圧付与を安定して行うことができる。また、ケースの外径面と内方部材の凹陥部の内径面との公差範囲が比較的大きくても、弾性体は弾性変形するのでその差を吸収することができる。このため、ケースの外径面と内方部材の凹陥部の内径面との寸法を高精度に設定する必要がなく、製造性の向上を図って低コスト化を達成できる。
弾性体を凹陥部の奥側に配置したり、凹陥部の開口側に配置したりする場合、圧入範囲を少なくでき、組込み性の一層の向上を図ることができる。しかも、使用する弾性体を小さくでき、コスト低減に寄与する。
本発明に係る固定型等速自在継手の実施形態を詳述する。以下の実施形態では、ステアリング用固定型等速自在継手の一種であるツェッパ型(BJ)に適用した場合を例示するが、本発明はこれに限定されることなく、アンダーカットフリー型(UJ)にも適用可能である。また、本発明の固定型等速自在継手は、ステアリング用に限らず、ドライブシャフト用あるいはプロペラシャフト用としても使用することが可能である。
まず、固定型等速自在継手が組み込まれるステアリング装置を簡単に説明する。ステアリング装置は、図11に示すようにステアリングホイール6の回転運動を、一または複数のステアリングシャフト2からなるステアリングコラムを介してステアリングギヤ8に伝達することにより、タイロッド9の往復運動に変換するようにしたものである。車載スペース等との兼ね合いでステアリングシャフト2を一直線に配置できない場合は、ステアリングシャフト2間に一または複数の軸継手1を配置し、ステアリングシャフト2を屈曲させた状態でもステアリングギヤ8に正確な回転運動を伝達できるようにしている。この軸継手1に固定型等速自在継手を使用する。図11(B)における符号αは継手の折り曲げ角度を表しており、折り曲げ角度αが30°を越える大角度も設定可能である。
次に固定型等速自在継手について説明する。この第1実施形態の固定型等速自在継手1はツェッパ型ジョイント(BJ)で、図4に示すように外方部材としての外輪10と、内方部材を構成する内輪20およびシャフト2と、トルクを伝達するボール30と、ボール30を支持する保持器40を主要な構成要素として成り立っている。外輪10は入力軸または出力軸と接続し、内輪20は出力軸または入力軸と接続する。この実施形態では、内輪20の内周にセレーションやスプライン等のトルク伝達手段を介してシャフト2を結合することにより、内方部材を構成している。
前述の外輪10は一端にて開口したカップ状で、球状内面12の円周方向等配位置に、軸方向に延びるトラック溝14が形成されている。また、内輪20は、球状外面22の円周方向等配位置に、軸方向に延びるトラック溝24が形成されている。外輪10のトラック溝14と内輪20のトラック溝24とは対をなして軸方向の一方から他方へ楔状に拡がるボールトラックを形成し、各ボールトラックに一個のボール30がそれぞれ組み込んである。保持器40は外輪10の球状内面12と内輪20の球状外面22との間に摺動自在に介在し、各ボール30は保持器40のポケット46に収容されて円周方向で等間隔に保持されている。
保持器40の外周面42は外輪10の球状内面12と球面接触し、保持器40の内周面44は内輪20の球状外面22と球面嵌合している。そして、外輪10の球状内面12の中心と、内輪20の球状外面22の中心は継手中心Oと一致している。これに対して、外輪10のトラック溝14の中心O1と、内輪20のトラック溝24の中心O2は、軸方向で、互いに逆方向に等距離だけオフセットしている。このため、一対のトラック溝14,24により形成されるボールトラックは、外輪10の奥部側から開口側に向かって拡がる楔状を呈している。
この固定型等速自在継手において、図5に示すように外輪10と内輪20とがどのような折り曲げ角、つまり作動角θをとっても、保持器40に案内されたボール30は常に作動角θの二等分線に垂直な平面内に維持され、継手の等速性が確保される。
この固定型等速自在継手では、図4と図5に示すようにシャフト2の軸端にプランジャユニット50を取り付けている。このプランジャユニット50は、図1と図3に示すように先端に押圧部52を有する押圧部材としてのボール53、弾性部材としての圧縮コイルばね54、ボール53と圧縮コイルばね54を収容するケース55からなるアッセンブリ体である。この圧縮コイルばね54は、ボール53を外輪10の奥部側(ボール突出方向)へ押圧する弾性力の発生源としている。
また、ケース55は図1と図3に示すように、底壁65と、円筒体からなる周壁66と、この周壁66の開口端縁部に外径側へ張り出したフランジ55bとを備える。なお、フランジ55bは、このプランジャユニット50をシャフト2の軸端に取り付けた際にプランジャユニット50の位置決めとなる。また、周壁66の開口端縁部に内径側へ突出する係止部55a(図6参照)を設けることにより、ボール53の突出を規制する。これによって、押圧部52がケース55の先端開口部に配設されることになる。
また、ケース55の周壁66乃至底壁65の外面には、樹脂やゴム等からなる弾性体67(67A)が付設されている。すなわち、この場合の弾性体67Aは有底円筒体からなり、その周壁67aがケース55の周壁66を覆い、その底壁67bがケース55の底壁65を覆うものである。
前記のように構成されたプランジャユニット50は、図1に示すように、シャフト2の凹陥部2aに圧入することになる。この場合、シャフト2の凹陥部2aの開口側部位bを、図2に示すように、プランジャユニット50の圧入後にケース55の基端近傍が位置する奥側部位aよりも拡径させる。なお、凹陥部2aの開口端には、図1等に示すように、開口側に向かって順次拡径するテーパ部60が設けられている。また、凹陥部2aの内径面68において、奥側部位aと開口側部位bとの間にはテーパ部68cが設けられている。
また、シャフト2の凹陥部2aの奥側部位aでの内径をプランジャユニット50のケース55の外径よりも大きくする。すなわち、この実施形態では、凹陥部2aの開口側部位bでの内径をDs1とし、凹陥部2aの奥側部位aでの内径をDs2とし、ケース55の外径をDpとした場合に、Dp<Ds2<Ds1としている。なお、凹陥部2aの奥側部位aは、プランジャユニット先端に位置する押圧部52が突出退入動作する先端側部位を除く部位である。
自由状態での弾性体67Aの肉厚Tを、ケース55の外径面66a(周壁66の外径面)と、凹陥部2aの開口側部位bにおける内径面68bとの間の隙間寸法T1よりも小さく設定するとともに、ケース55の外径面66aと、凹陥部2aの奥側部位aにおける内径面68aとの間の隙間寸法T2よりも大きく設定する。
前記のように構成されたプランジャユニット50は、シャフト2の凹陥部2aに圧入することになるが、この場合、図3に示すように、ケース55に弾性体67(67A)を装着(付設)した状態として、矢印のように凹陥部2aに嵌め込む。これによって、図2に示すように、凹陥部2aの奥側部位aにおいて、弾性体67Aの周壁67aが厚さ方向に圧縮され、弾性変形する。この圧縮量T5は、弾性体67Aの肉厚Tと前記隙間寸法T2との差である。また、凹陥部2aの開口側部位bでは、隙間寸法T1と弾性体67Aの肉厚Tとの差T6分の隙間75が形成される。さらに、ボール53と、ケース55の周壁66の内径面66bとの間に隙間76が形成される。なお、この隙間76の寸法T7としては、押圧部52(ボール53)が突出退入動作するのを規制しない程度であればよい。
そして、この固定型等速自在継手では、図6に示すように、保持器40の外輪10奥側端部には受け部材56を取り付けている。この受け部材56は、保持器40の端部開口を覆う蓋状をなし、部分球面状の球面部56aとその外周に環状に形成された取付け部56bとで構成される。球面部56aの内面(シャフト2と対向する面)は凹球面で、この凹球面は押圧部52からの押圧力を受ける受け部58として機能する。取付け部56bは、保持器40の端部に圧入、溶接等の適宜の手段で固定されている。
この等速自在継手のシャフト2が作動角をとった際に、プランジャユニット50の押圧部52と受け部材56の受け部58間をスムーズに摺動させるため、図7に示すように凹球面状の受け部58の内径寸法Roは、押圧部52を有するボール53の外径寸法r(図6参照)よりも大きくする(Ro>r)。また、作動角θ(図5参照)をとった際の受け部材56と内輪20との干渉を防止するため、受け部58の内径寸法Roは、内輪20の球状外面22の外径寸法Riよりも大きくする(Ro>Ri)。
以上の構成において、シャフト2のセレーション軸部と内輪20をセレーション結合し、シャフト2の周方向溝3に止め輪4を装着して両者が完全に結合されると、プランジャユニット50の押圧部52と受け部材56の受け部58とが互いに当接し、ボール53が図2の仮想線で示すように退入して圧縮コイルばね54が矢印のように圧縮される。これにより、シャフト2と一体化された内輪20が、弾性力により外輪10の開口側に軸方向に変位し、この変位によりトラック溝14,24に配置されたボール30とトラック溝14,24が当接するため、トラック溝14,24のアキシャルすきまが無くなり、回転バックラッシュが防止される。
本発明の固定型等速自在継手では、ケース55の外径面66aと、内方部材に形成された凹陥部2aの内径面68との間に弾性体67が介装されるので、ケース55を凹陥部2aに圧入した状態でのケース55への反力(押圧力)を緩和することができる。このため、プランジャユニット先端に位置する押圧部52の突出退入動作を阻害する可能性はなく、プランジャユニット先端の押圧部52が適正な押圧力でもって受け部を押圧するので、予圧を確実に付与することができる。従って、等速自在継手内のトラック溝すきまを無くして回転バックラッシュを確実に防止でき、信頼性の高い固定型等速自在継手を提供できる。
また、圧入力の緩和を図れることによって、このプランジャユニット50の組込み性の向上を図ることができる。しかも、弾性体が弾性変形して、ケース55の凹陥部2a内での係合力(係止力)の向上を図ることができる。このため、プランジャユニット50を内方部材に確実に固定することができ、予圧付与を安定して行うことができる。また、ケース55の外径面66aと内方部材の凹陥部2aの内径面68との公差範囲が比較的大きくても、弾性体67は弾性変形するのでその差を吸収することができる。このため、ケース55の外径面66aと内方部材の凹陥部2aの内径面68との寸法を高精度に設定する必要がなく、製造性の向上を図って低コスト化を達成できる。
前記実施形態では、凹陥部2aの開口側部位bでの内径を凹陥部2aの奥側部位aよりも大きくしていたが、第2実施形態である図8に示すように、凹陥部2aとして、内径面80に段差部を設けずに、同一内径のものであってもよい。この場合、凹陥部2aの開口側部位bに対応しない弾性体67(67B)を配置している。すなわち、この場合の弾性体67Bは、その軸方向長さが短く凹陥部2aの奥側部位aにのみ対応する周壁67cと、底壁67dとからなる。
凹陥部2aの内径面80の径をDsとし、ケース55の外径をDpとしたときに、Dp<Dsとして、凹陥部2aの内径面80とケース55の外径面66aとの間に隙間77を設ける。そして、この隙間77の寸法T8を、弾性体67Bの周壁67cの自由状態の肉厚T(図2参照)よりも小さくしている。
すなわち、弾性体67Bを装着したプランジャユニット50をシャフト2の凹陥部2aに嵌入すれば、図8に示すように、凹陥部2aの奥側部位aにおいて、弾性体67の周壁67cが厚さ方向に圧縮され、弾性変形する。このため、ケース55を凹陥部2aに圧入した状態でのケース55への反力(押圧力)を緩和することができる。なお、この圧縮量は、弾性体67の肉厚Tと前記隙間寸法T8との差である。
従って、このような図8に示す固定型等速自在継手であっても、前記図1に記載した固定型等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
次に、図9と図10は第3実施形態を示し、この場合、弾性体67(67C)は凹陥部2aの開口側にのみ対応している。すなわち、この弾性体67Cは、ケース55の周壁66のフランジ側に外嵌される円筒体からなり、自由状態での肉厚Tを、ケース55の外径面66aと凹陥部2aの内径面68との間の隙間77の寸法T8よりも大きくしている。なお、図10において、Dpはケース55の外径を示し、Dsは凹陥部2aの内径を示している。
この弾性体67Cを装着したプランジャユニット50をシャフト2の凹陥部2aに嵌入すれば、図9に示すように、凹陥部2aの開口側(範囲b1)において、弾性体67の周壁67eが厚さ方向に圧縮され、弾性変形する。このため、ケース55を凹陥部2aに圧入した状態でのケース55への反力(押圧力)を緩和することができる。なお、この圧縮量は、弾性体67の肉厚Tと前記隙間寸法T8との差である。
従って、このような図9と図10に示す固定型等速自在継手であっても、前記図1に記載した固定型等速自在継手と同様の作用効果を奏する。なお、図8、及び図9と図10に示す固定型等速自在継手の他の構成は、前記図1に示す固定型等速自在継手と同一であるので、図1と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
このため、弾性体67を凹陥部2aの奥側に配置したり、凹陥部2aの開口側に配置したりすれば、圧入範囲を少なくでき、組込み性の一層の向上を図ることができる。しかも、使用する弾性体を小さくでき、コスト低減に寄与する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、図1に示す弾性体67A及び図8に示す弾性体67Bにおいては、底壁66b,67dを備えていたが、このような底壁66b,67dを有さない円筒体にて弾性体67を構成してもよい。また、弾性体67としては、ケース55が圧入された際に、図2等のように、弾性変形すればよいので、この固定型等速自在継手が使用される環境に対応できる種々の弾性材にて構成することができる。また、弾性体67の自由状態の肉厚Tとしても、材質等によって相違するが、弾性体が弾性変形して、ケース55の凹陥部2a内での係合力(係止力)の向上を図ることができて、プランジャユニット50を内方部材に確実に固定することができるものであれば、種々の選択できる。
さらに、前記実施形態では、プランジャユニット50を凹陥部2aに嵌め込む際に、プランジャユニット50側に弾性体67を付設していたが、逆に、凹陥部2a側に弾性体67を付設しておいてもよい。また、弾性体67をプランジャユニット50側に付設する場合であっても、凹陥部2a側に付設する場合であっても、その付設する側に接着(付着)させるのが好ましいが、弾性体67が、ケース55の外径面66aと凹陥部2aの内径面68との間に介装されればよいので、このように接着させなくてもよい。
また、図9と図10に示す弾性体67Cの軸方向長さとしては、プランジャユニット50を内方部材に確実に固定することができるものであれば、材質や肉厚等に応じて相違するが、種々変更できる。なお、図2に示す凹陥部2aの内径面68に段差部を設ける場合、テーパ部68cではなく、径方向面等であってもよい。
本発明の第1実施形態の固定型等速自在継手のプランジャユニットをシャフトに取り付けた状態を示す拡大図である。 プランジャユニットの圧入状態を示す要部拡大図である。 プランジャユニットの圧入方法を示す分解図である。 本発明に係る固定型等速自在継手の断面図である。 前記固定型等速自在継手で二軸が作動角をとった状態を示す断面図である。 前記固定型等速自在継手の要部拡大断面図である。 前記固定型等速自在継手の他の要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の固定型等速自在継手の要部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態の固定型等速自在継手の要部拡大図である。 前記図9の要部拡大断面図である。 ステアリング装置を示し、(A)は平面図であり、(B)は側面図であり、(C)は斜視図である。 従来の固定型等速自在継手の断面図である。
符号の説明
2a 凹陥部
10 外輪(外方部材)
12 球状内面
14 トラック溝
20 内輪(内方部材)
22 球状外面
24 トラック溝
30 ボール
40 保持器
50 プランジャユニット
52 押圧部
55 ケース
58 受け部
66a 外径面
67 弾性体
68 内径面

Claims (4)

  1. 複数のトラック溝が形成された球状内面を備えた外方部材と、複数のトラック溝が形成された球状外面を備えた内方部材と、外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝の協働で形成された楔形のボールトラックに配置したボールと、外方部材の球状内面と内方部材の球状外面との間に配置され、ボールを保持する保持器とを備え、弾性的な押圧力を軸方向に作用させる押圧部を前記内方部材側に、かつ、押圧部からの押圧力を受ける受け部を保持器側に設けた固定型等速自在継手において、
    ケースと、ケースの先端開口部に配置される前記押圧部と、ケースに収納されて押圧部に弾性的な押圧力を付与する弾性部材とを有するプランジャユニットを備え、ケースの外径面と、内方部材に形成された凹陥部の内径面との間に弾性体が介装された状態で、ケースが内方部材の凹陥部に圧入されたことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記弾性体を凹陥部の奥側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 前記弾性体を凹陥部の開口側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  4. 自動車のステアリング装置に組み込まれた請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固定型等速自在継手。
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