JP5128396B2 - 等速自在継手の内側継手部材、等速自在継手の組立方法、ドライブシャフトアッシー、およびプロペラシャフトアッシー - Google Patents

等速自在継手の内側継手部材、等速自在継手の組立方法、ドライブシャフトアッシー、およびプロペラシャフトアッシー Download PDF

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Description

本発明は、等速自在継手の内側継手部材、等速自在継手の組立方法、ドライブシャフトアッシー、およびプロペラシャフトアッシーに関する。
4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル間の相対位置変化による軸方向変位と角度変位に対応できる構造とするために等速自在継手を具備する。通常、車両全体の重量軽減という観点から、軽量で、しかも回転バランスおよび振動特性がよいレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)と称される摺動型等速自在継手が組み込まれている。
前記レブロ型等速自在継手としては、フロートタイプとノンフロートタイプの二種類に大別され、両タイプはプロペラシャフトが装備される車両の特性(スライド量など)に応じて使い分けられている。
この種の等速自在継手は、図7と図8に示すように、内輪1、外輪2、ボール3およびケージ4を主要な構成要素としている。図7に示す等速自在継手は、内輪1の最大外径をケージ4の最小内径よりも大きく、つまりケージ4に組込まれた内輪1が軸方向に向かって抜け出さないタイプとなるフロートタイプを示している。図8に示す等速自在継手は、内輪1の最大外径をケージ4の最小内径よりも小さく、つまり内輪1の軸方向スライド量を大きくしたノンフロートタイプを示している。ノンフロートタイプでは、軸方向スライド量が大であるので、軸方向変位のストッパ機構を備える。
内輪1は、その外周面に複数のトラック溝6が形成されている。この内輪1の中心孔5にプロペラシャフトのスタブシャフトを挿入してスプライン嵌合させ、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。
そして、外輪2は、内輪1の外周に位置し、その内周面に内輪1のトラック溝6と同数のトラック溝7が形成されている。すなわち、内輪1のトラック溝6と外輪2のトラック溝7は軸線に対して反対方向に傾斜した所定の角度をなし、対をなす内輪1のトラック溝6と外輪2のトラック溝7との交叉部にボール3が組み込まれている。内輪1と外輪2の間にケージ4が配置され、ボール3は、ケージ4のポケット9内に保持されている。
図7と図8では、外輪2がディスクタイプであったが、図9に示すようなカップタイプのものもある(特許文献1)。この場合の外輪2は、カップ状の大径のカップ部2aと、カップ部2aの底部から突設される軸部2bとを備える。カップ部2aの内径面にトラック溝7が形成される。また、内輪1とケージ4とボール3の内部部品10は、図7や図8に示す内部部品10が用いられる。
ところで、ディスクタイプである場合、外輪2が、車両取付け用フランジ(コンパニオンフランジ)に取付けられる。すなわち、外輪2の挿通孔(ボルト孔)8に挿通されるボルト部材を、車両取付け用フランジのねじ孔に螺合させる。これによって、この等速自在継手 が車両取付け用フランジに締結される。
これに対して、カップタイプでは、コンパニオンフランジと外輪とが一体化されたものである。このため、ボルトの廃止が可能となり、小型化および軽量化を図ることができるとともに、部品点数の削減による低コスト化および組立の簡略化を図ることができる。
特開2003−56590号公報
カップタイプにおいて、内部部品10がノンフロートタイプである場合の組立では、図10に示すように、内輪1の奥側端面をカップ部2aの底面11に当接させ、この状態で、内輪1の孔部5にシャフト17を嵌入することになる。このように、内輪1の奥側端面をカップ部2aの底面に当接させて嵌入することによって、ボール3やケージ4に過大な力が加わらないようにしている。
この場合、内輪1の孔部5の内径面には雌スプライン13が形成され、シャフト17の端部には雄スプライン14が形成されている。嵌入時には、雄スプライン14と雌スプライン13が嵌合することになる。また、雌スプライン13の端部には周方向溝15が設けられ、この周方向溝15に止め輪(サークリップ)16が装着されて、このサークリップ16が内輪1の孔部5の内径面の継手奥側の係合部に係合する。
このように、ノンフロートタイプでは、図14に示すように、車両上の必要スライド領域(ハッチングで示している範囲であって、作動角が0°である状態から作動角を取った状態での内部部品10の軸方向の移動範囲)Hに対して、作動角が0°のときでは、この領域Hよりも大きい範囲でスライドが可能である。これは、車両上の必要スライド範囲を越える位置にカップ部2aの底面11を設け、この底面11に内輪1を当接できるように設定できるためである。
図14において、L1は、作動角が0°のとき(θ=0°)のジョイントセンターから奥側への内部部品10の移動範囲を示す。L2は、図11に示すように、作動角を取った状態ときのジョイントセンターから奥側への内部部品10の移動範囲を示す。また、18は内輪1と外輪2の底面11の干渉線を示している。このように、車両上の必要スライド領域Hを確保できる。なお、スライドインとは、内部部品10がジョイントセンターから外輪2のカップ部2aの奥側(底面11側)へスライドすることをいい、スライドアウトとは、内部部品10がジョイントセンターから外輪2のカップ部2aの開口側へスライドすることをいう。
しかしながら、フロートタイプでは、図12に示すように、内輪1の奥側端面をカップ部2aの底面11に当接させ、この状態で、内輪1の孔部5にシャフト17を嵌入するようにすれば、図15に示すように、車両上の必要スライド領域(ハッチングで示している範囲)Hを確保できない。すなわち、作動角が0°のとき(θ=0°)における内部部品10のジョイントセンターから奥側への移動範囲L3を、車両上の必要スライド領域Hに対応させることができるが、図13に示すように作動角を取った場合、内部部品10のジョイントセンターから奥側への移動範囲L4は、車両上の必要スライド領域Hよりも狭くなっている。図15の19は内輪1と外輪2の底面11の干渉線、又はケージ4と外輪2の底面11の干渉線を示している。
本発明は、前記課題に鑑みて、ボールやケージに過大な力をかけることなく、シャフトの組み付けが可能で、しかも、車両上の必要スライド領域を確保できる等速自在継手の内側継手部材の提供、このような内側継手部材を用いた等速自在継手の組立方法、ドライブシャフトアッシー、およびプロペラシャフトアッシーを提供する。
本発明の等速自在継手の内側継手部材は、等速自在継手の外側継手部材のカップ部内に収容されてシャフトが嵌入される等速自在継手の内側継手部材であって、前記等速自在継手が、内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した前記内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備えたクロスグルーブ型等速自在継手であり、前記外側継手部材の開口側端面に当接してシャフトの嵌入時の嵌入力の受けとなる治具が装着される治具引っ掛け用の溝を、継手開口側に設けるとともに、治具の装着時には、前記治具引っ掛け用の溝である引っ掛け溝が外側継手部材の開口側端面よりも継手外部へ突出して、継手奥側端部が外側継手部材のカップ部の底面に非接触状態となり、シャフトの嵌入時には、所定の締め代を持ってシャフトが嵌入されるものである。
本発明の等速自在継手の内側継手部材によれば、治具引っ掛け用の溝に治具を引っ掛けることによって、治具を内側継手部材に装着することができ、シャフトの嵌入時の受けを構成することができる。しかも、この治具は外側継手部材に当接することによって、シャフトの嵌入時の嵌入力(圧入荷重)を受けることができる。このため、外側継手部材のカップ部の底面(奥側端面)にこの内側継手部材の端面(継手奥側端面)を当接させる必要がなくなって、このカップ部の底面の位置を奥側に配置することができる。また、所定の締め代を持ってシャフトが嵌入されるのが好ましい。これによって、ガタつくことなくトルク伝達が可能となる。
前記引っ掛け溝はその溝深さを3mm以上とするとともに、引っ掛け溝よりも開口側の嵌入反力受け部の肉厚を3mm以上とするのが好ましい。溝深さが3mm以上あれば、嵌入力(圧入荷重)を付与する際、引っ掛け溝からの治具の外れを防止できる。また、嵌入反力受け部の肉厚を3mm以上とすることによって、嵌入反力を安定して受けることができる。
シャフトに抜け止め用の止め輪を装着することができる。これによって、内側継手部材
からのシャフトの抜けを防止できる。
等速自在継手が、内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備え、内側継手部材の最大外径をケージの最小内径よりも大きく設定されるものである。すなわち、フロートタイプのクロスグルーブ型の摺動型等速自在継手である。
前記等速自在継手が、内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備え、前記内側継手部材の最大外径を前記ケージの最小内径よりも小さくしたものである。すなわち、ノンフロートタイプのクロスグルーブ型の摺動型等速自在継手である。
このように、等速自在継手としては、クロスグルーブ型の摺動型等速自在継手に適用可能である。ボールが、6個、8個あるいは10個の中から選択されるいずれかの個数である。
本発明のドライブシャフトアッシーは、前記記載の等速自在継手の内側継手部材を用いたものである。
本発明のプロぺラシャフトアッシーは、前記記載の等速自在継手の内側継手部材を用いたものである。
本発明の等速自在継手の組立方法は、内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備えたクロスグルーブ型等速自在継手の組立方法であって、内側継手部材の継手開口側に設けたられた引っ掛け用の溝に、その引っ掛け用の溝が外側継手部材の開口側端面よりも継手外部へ突出するように、治具を装着して、この状態で、この治具を外側継手部材の開口側端面に押し当てて、継手奥側端部を外側継手部材のカップ部の底面から非接触状態として、シャフトの嵌入力をこの開口側端面にて受けつつ、所定の締め代を持ってシャフトを嵌入していくものである。
本発明の等速自在継手の組立方法によれば、シャフトを内側継手部材に嵌入(圧入)する際、内側継手部材の継手開口側に装着された治具が外側継手部材の開口側端面に押し当たって、シャフトを内側継手部材に対して圧入していくことができる。すなわち、内側継手部材を外側継手部材のカップ部の底面に当接させる必要が無くなり、カップ部の底面の位置を奥側に配置することができる。
本発明では、シャフトの嵌入時の受けとなる治具が装着されるので、シャフト嵌入(圧入)時にボールやケージに過大な荷重が負荷されず、組立後にガタ等を生じさせることがない高品質の等速自在継手を構成することができる。しかも、この内側継手部材が組み込まれる外側継手部材においては、カップ部の底面を奥側に配置することが可能となり、車両上の必要スライド領域(必要軸方向スライド量および必要作動角)を確保でき、機能上安定する。
溝深さが3mm以上あれば、嵌入力(圧入荷重)を付与する際、引っ掛け溝からの治具の外れを防止でき、嵌入反力受け部の肉厚を3mm以上とすることによって、嵌入反力を安定して受けることができる。このため、このように設定することによって、より安定した圧入が可能となって、組立性に優れる。
止め輪によって、内側継手部材からのシャフトの抜けを防止でき、製品として安定する。また、所定の締め代を持ってシャフトが嵌入されるものでは、ガタつくことなくトルク伝達が可能となり、品質の向上を達成できる。
等速自在継手として、クロスグルーブ型の摺動型等速自在継手であり、ケージの最小内径よりも内側継手部材の最大外径を大きくしたフロートタイプのクロスグルーブ型であっても、車両上の必要スライド領域(必要軸方向スライド量および必要作動角)を確保でき、機能上安定する。また、ノンフロートタイプのクロスグルーブ型では、カップ部の底部の位置を奥側にとることによって、スライド領域を大きくとることができ、大きなスライド量を必要とする車両に最適となる。
このように、必要スライド量を大きくする必要があるドライブシャフトアッシーやプロペラシャフトアッシーを必要とする車両に対して、本発明にかかる等速自在継手を用いることによって対応できる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明にかかる内側継手部材を用いた等速自在継手を示している。この等速自在継手は、本発明にかかる内側継手部材としての内輪21、外側継手部材としての外輪22、ボール23およびケージ24を主要な構成要素としている。
内輪21は、図4に示すように、本体部21Aと、この本体部21Aの継手開口側に連設される副部21Bとからなり、その外周面には複数のトラック溝26が形成されている。副部21Bには、後述する治具50が装着される引っ掛け溝40が設けられている。この引っ掛け溝40は、断面矩形状の周方向溝からなり、その溝深さtとしては、3mm以上に設定される。また、溝幅W1としては、2mmから4mm程度とされる。
引っ掛け溝40は副部21Bにおける本体部側に設けられ、これによって、引っ掛け溝40よりも継手開口側に嵌入反力受け部41が形成される。嵌入反力受け部41の肉厚Wとしては、3mm以上に設定される。なお、この嵌入反力受け部41の高さ寸法(径方向寸法)は前記溝深さtと同一とされる。
図1等に示すように、内輪21の孔部25の内径面には雌スプライン33が形成され、この孔部25に嵌入されるシャフト37の端部には雄スプライン34が形成されている。嵌入時には、雄スプライン34と雌スプライン33が嵌合することになる。また、雌スプライン33の端部には周方向溝35が設けられ、この周方向溝35に止め輪(サークリップ)36が装着されて、このサークリップ36が内輪21の孔部25の内径面の継手奥側の係合部38に係合する。
外輪22は、カップ状の大径のカップ部22aと、カップ部22aの底部から突設される軸部22bとを備える。カップ部22aの内径面にトラック溝27が形成される。この場合、内輪21のトラック溝26と外輪22のトラック溝27は軸線に対して反対方向に傾斜した所定の角度をなし、対をなす内輪21のトラック溝26と外輪22のトラック溝27との交叉部にボール23が組み込まれている。
内輪21と外輪22の間にケージ24が配置され、ボール23は、ケージ24のポケット29内に保持されている。内輪21の最大外径をケージ24の最小内径よりも大きく設定されるものである。すなわち、フロートタイプのクロスグルーブ型の摺動型等速自在継手を構成している。
図1から図3等において、Mは内部部品45(内輪21と外輪22とボール23とケージ24との組立体)のセンターラインを示し、M1はスライドインラインを示し、M2はスライドアウトラインを示している。図1は内部部品45(内輪21と外輪22とボール23とケージ24との組立体)の内輪21がジョイントセンターラインM上に配設された状態である。図2は内輪21がスライドインラインM1上に配設された状態であり、(a)は作動角が0°の状態であり、(b)は作動角θを取った状態である。図3は内輪21がスライドアウトラインM2上に配設された状態である。
次に、前記図1から図3に示した等速自在継手の組立方法を説明する。まず、内輪21とボール23とケージ24を組み付けた内部部品45を構成し、この内部部品45を外輪22のカップ部22aに挿入する。その後、図5に示すように、内部部品45の一部を外輪22の開口部から突出させた状態で、治具50をこの内輪21の引っ掛け溝40に引っ掛けることによって装着する。この治具50は、複数のセグメント51からなる円盤状体からなる。各セグメント51は内径側に薄肉部52が形成され、この薄肉部52の内径端部52aが前記引っ掛け溝40に嵌合する。すなわち、この薄肉部52は、裏面53の内径側に切欠部54を設けることによって形成される。
そして、各セグメント51の薄肉部52の内径端部52aを引っ掛け溝40に嵌合させた状態で、治具50の裏面、つまりセグメント51の裏面53を外輪22の開口側端面55を当接させる。なお、装着状態の各セグメント51を一体化しても一体化しなくてもよい。一体化を図る手段としては、全セグメント51を両面から挟持するもの等で構成できる。また、セグメント51の数は任意に設定できる。治具50としては、このような複数のセグメントを使用することなく、一枚の円盤体にて構成することも可能である。この場合、周方向に沿って所定ピッチで配設される内径突出部を有する軸孔を設け、内径突出部を内輪21のトラック溝26に対応させた状態で、内輪21の副部21Bに挿入し、その後、この治具50を軸心廻りに回動させて、内径突出部を引っ掛け溝40に嵌合させるようにすればよい。
この状態で、シャフト37を内輪21の孔部25に嵌入(圧入)することになる。この場合、止め輪36をシャフト37の周方向溝35に装着しておき、この状態でシャフト37を圧入していくことになる。内輪21の孔部25の継手開口端部には、開口側に向かって拡径するテーパ部39が設けられ、このテーパ部39にガイドされて、止め輪36が縮径して、周方向溝35に嵌り込む状態となって、シャフト37の圧入の障害とならない。なお、前記切欠部54は、内部部品45との接触を回避するための隙間を形成することができる。
この圧入状態では、前記したように、治具50の裏面が外輪22の開口側端面55に当接しているので、圧入力を治具50を介して外輪22の開口側端面55にて受けることができる。このため、シャフト37の内輪21の孔部25への圧入を可能とする。
止め輪36が内輪21の係合部38に達した際には、縮径していた止め輪36が拡径して、係合部38に係合する。すなわち、止め輪36は、その内径側がシャフト37の周方向溝35に係合し、その外径側が内輪21の係合部38に係合する。これによって、圧入作業が終了する。この圧入終了時には、シャフト37のテーパ部46が内輪21のテーパ部39に当接して、シャフト37の軸方向の抜けを規制することができる。すなわち、止め輪36によって、シャフト37の引き抜き方向(反圧入方向)の抜けを規制し、テーパ部46によって、シャフト37の押し込み方向(圧入方向)の抜けを規制する。なお、圧入終了後は、治具50を引っ掛け溝40から取外すことになる。
ところで、シャフト37は、所定の締め代を持って嵌入(圧入)される。ここで、所定の締め代とは、シャフト37の雄スプライン34と内輪21の雌スプライン33とが密着(密接)して、トルク伝達時にガタが生じない程度の締め代である。
本発明では、シャフト37の嵌入時の受けとなる治具50が装着されるので、シャフト嵌入(圧入)時にボール23やケージ24に過大な荷重が負荷されず、組立後にガタ等を生じさせることがない高品質な等速自在継手を構成することができる。
本発明の組立方法では、シャフト37を内輪21に嵌入(圧入)する際、内輪21の継手開口側に装着された治具50が外輪22の開口側端面55に押し当たって、シャフト37を内輪21に対して圧入していくことができる。このため、内輪21を外輪22のカップ部22aの底面に当接させる必要が無くなり、カップ部22aの底面60(図5等参照)を奥側に配置することが可能となり、車両上の必要スライド領域(必要軸方向スライド量および必要作動角)を確保でき、機能上安定する。すなわち、図2(a)に示すように、車両上の必要なスライド量のスライドイン状態を確保でき、しかも、図2(b)に示すように作動角をとっても内部部品45がカップ部22aの底面60に接触することがなく、安定した作動角をとることができる。
溝深さが3mm以上あれば、嵌入力(圧入荷重)を付与する際、引っ掛け溝40からの治具50の外れを防止でき、嵌入反力受け部41の肉厚を3mm以上とすることによって、嵌入反力を安定して受けることができる。すなわち、溝深さや嵌入反力受け部41の肉厚としては、シャフト37の圧入力(圧入荷重)を考慮して、圧入荷重最大力(例えば、20kN程度であって、内輪21とシャフト37間が完全締め代状態となる圧入荷重)に耐えるものであればよい。このため、このように設定することによって、より安定した圧入が可能となって、組立性に優れる。
止め輪36によって、内輪21からのシャフト37の抜けを防止でき、製品として安定する。また、所定の締め代を持ってシャフト37が嵌入されるものでは、ガタつくことなくトルク伝達が可能となり、品質の向上を達成できる。
前記実施形態では、内輪21の最大外径がケージ24の最小内径よりも大きく設定されるフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手であったが、内輪21の最大外径をケージ24の最小内径よりも小さくしたノンフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手であってもよい。
すなわち、ケージの最小内径よりも内側継手部材の最大外径を大きくしたフロートタイプのクロスグルーブ型であれば、車両上の必要スライド領域(必要軸方向スライド量および必要作動角)を確保でき、機能上安定する。また、ノンフロートタイプのクロスグルーブ型では、カップ部の底部の位置を奥側にとることによって、スライド領域を大きくとることができ、大きなスライド量を必要とする車両に最適となる。
いずれのタイプの等速自在継手であっても、トルク伝達部材としてのボールは、6個、8個あるいは10個の中から選択される。すなわち、ボールを8個や10個とすることは、小型化を達成できる等で優れているので好ましいが、従来から通常に使用されているように6個であってもよい。
本発明にかかる摺動型等速自在継手(フロートタイプのクロスグルーブ型およびノンフロートタイプのクロスグルーブ型)においては、ドライブシャフトアッシーやプロペラシャフトアッシーの摺動側の等速自在継手に使用することができる。
すなわち、必要スライド量を大きくする必要があるドライブシャフトアッシーやプロペラシャフトアッシーを必要とする車両に対して、本発明にかかる等速自在継手を用いることによって対応できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、引っ掛け溝40の大きさとしては、溝深さtを3mm以上とするのが好ましいが、あまり大きすぎると、内輪21の肉厚を大きくしたり、治具50の内径端部52aの径方向長さを長くしたりする必要があるため、引っ掛け溝40の溝深さtとしては、5mm以下とするのが好ましい。また、治具50の材質や治具50の内径端部52aの肉厚としても、前記した圧入荷重最大力(例えば、20kN程度であって、内輪21とシャフト37間が完全締め代状態となる圧入荷重)に耐えることが範囲で種々変更できる。引っ掛け溝40の溝幅に応じて種々変更できる。この場合、引っ掛け溝40の溝幅と内径端部52aの肉厚とを同一にして、治具50を引っ掛け溝40に装着した際に、軸方向に隙間無く嵌合するものであっても、多少隙間があるものであってもよい。
本発明の内側継手部材を用いた等速自在継手の断面図である。 前記等速自在継手のスライドイン状態を示し、(a)は作動角が0°であるときの断面図であり、(b)は作動角θを取ったときの断面図である。 前記等速自在継手のスライドアウト状態の断面図である。 前記内側継手部材の拡大断面図である。 前記等速自在継手の組立方法の初期段階を示す断面図である。 前記等速自在継手の組立方法の終期段階を示す断面図である。 ディスクタイプの外輪を用いたフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手の断面図である。 ディスクタイプの外輪を用いたノンフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手の断面図である。 カップタイプの外輪を用いたノンフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手の断面図である。 カップタイプの外輪を用いたノンフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手の組立方法を説明する断面図である。 前記図10の等速自在継手が作動角θを取った状態の断面図である。 カップタイプの外輪を用いたフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手の組立方法を説明する断面図である。 前記図12の等速自在継手が作動角θを取った状態の断面図である。 カップタイプの外輪を用いたノンフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手のスライド領域を示すグラフ図である。 カップタイプの外輪を用いたフロートタイプのクロスグルーブ型の等速自在継手のスライド領域を示すグラフ図である。
符号の説明
22a カップ部
23 ボール
24 ケージ
26 トラック溝
27 トラック溝
36 止め輪(サークリップ)
37 シャフト
40 引っ掛け溝
41 嵌入反力受け部
50 治具
55 開口側端面

Claims (9)

  1. 等速自在継手の外側継手部材のカップ部内に収容されてシャフトが嵌入される等速自在継手の内側継手部材であって、
    前記等速自在継手が、内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した前記内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備えたクロスグルーブ型等速自在継手であり、前記外側継手部材の開口側端面に当接してシャフトの嵌入時の嵌入力の受けとなる治具が装着される治具引っ掛け用の溝を、継手開口側に設けるとともに、治具の装着時には、前記治具引っ掛け用の溝である引っ掛け溝が外側継手部材の開口側端面よりも継手外部へ突出して、継手奥側端部が外側継手部材のカップ部の底面に非接触状態となり、シャフトの嵌入時には、所定の締め代を持ってシャフトが嵌入されることを特徴とする等速自在継手の内側継手部材。
  2. 前記引っ掛け溝はその溝深さを3mm以上とするとともに、引っ掛け溝よりも開口側の嵌入反力受け部の肉厚を3mm以上としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手の内側継手部材。
  3. シャフトに抜け止め用の止め輪を装着したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手の内側継手部材。
  4. 前記等速自在継手が、内側継手部材の最大外径をケージの最小内径よりも大きく設定される等速自在継手であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手の内側継手部材。
  5. 前記等速自在継手が、前記内側継手部材の最大外径を前記ケージの最小内径よりも小さくした等速自在継手であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手の内側継手部材。
  6. ボールが、6個、8個あるいは10個の中から選択されるいずれかの個数であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の等速自在継手の内側継手部材。
  7. 前記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手の内側継手部材を用いたことを特徴とするドライブシャフトアッシー。
  8. 前記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手の内側継手部材を用いたことを特徴とするプロペラシャフトアッシー。
  9. 内周面に直線状トラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と軸方向に対して反対方向に傾斜させたトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝の各交叉部のそれぞれに配されてトルク伝達を行う複数個のボールと、前記外側継手部材と前記内側継手部材の間に配置され、前記ボールを保持するポケットを有するケージとを備えたクロスグルーブ型等速自在継手の組立方法であって、
    内側継手部材の継手開口側に設けたられた引っ掛け用の溝に、その引っ掛け用の溝が外側継手部材の開口側端面よりも継手外部へ突出するように、治具を装着して、この状態で、この治具を外側継手部材の開口側端面に押し当てて、継手奥側端部を外側継手部材のカップ部の底面から非接触状態として、シャフトの嵌入力をこの開口側端面にて受けつつ、所定の締め代を持ってシャフトを嵌入していくことを特徴とする等速自在継手の組立方法
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