JP2006196411A - 導電性微粒子及び異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料を提供する。
【解決手段】架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成された導電性微粒子であって、導電性微粒子の平均粒子径が2.5〜4.5μmであり、150℃加熱環境下で測定した導電性微粒子直径を20%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(20%K値)が882〜4410N/mm2 である導電性微粒子、該導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなる異方性導電材料。
【選択図】なし
【解決手段】架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成された導電性微粒子であって、導電性微粒子の平均粒子径が2.5〜4.5μmであり、150℃加熱環境下で測定した導電性微粒子直径を20%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(20%K値)が882〜4410N/mm2 である導電性微粒子、該導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなる異方性導電材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性微粒子及び異方性導電材料に関し、詳しくは、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料に関する。
導電性微粒子は、バインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。
これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
上記異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、従来から、金属粒子の他、樹脂粒子や有機質無機質複合粒子を芯粒子としてその表面に無電解メッキ法により金メッキ等を施した金属メッキ粒子が用いられている。樹脂粒子を芯粒子とした金属メッキ粒子については、例えば、特許文献1に記載されている。
これらの導電性微粒子のなかで、金属粒子は、金属メッキ樹脂粒子や金属メッキ有機質無機質複合粒子に比べ、硬く、金バンプにくい込んでしまい、また復元性が乏しいため、基板やバンプの高さのばらつきを吸収できず、接続信頼性が低いのに対し、金属メッキ樹脂粒子や金属メッキ有機質無機質複合粒子は、金属粒子より柔らかく、復元力も高いため、電極端子間を比較的高い信頼性で接続することができる。
しかしながら、金属メッキされた導電性微粒子は、バインダー樹脂等と混ぜ合わされて、例えば異方性導電フィルムとして用いられているが、電極端子間に異方性導電フィルムを挟み、加熱しながら圧着することにより電極端子間を接続しようとしたときに、圧着する際の加熱温度により導電性微粒子の圧縮特性が変わり、導通が不安定になることがあった。
本発明は、上記現状に鑑み、電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成された導電性微粒子であって、導電性微粒子の平均粒子径が2.5〜4.5μmであり、150℃加熱環境下で測定した導電性微粒子直径を20%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(20%K値)が882〜4410N/mm2 である導電性微粒子を提供する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなる異方性導電材料を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の導電性微粒子は、架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成されたものである。
本発明の導電性微粒子は、架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成されたものである。
本発明の導電性微粒子の芯粒子となる架橋樹脂粒子を得る方法は特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法等が挙げられる。なかでも、重合後の架橋樹脂粒子を分級せずとも均一な粒子径の架橋樹脂粒子が得られるのでシード重合法が好ましい。なお、シード重合法については、例えば、特開2000−230005号公報等が知られている。
上記シード重合法の具体的方法としては、例えば、シード粒子を分散した水中に、エチレン性不飽和単量体からなる水性エマルジョンと、油溶性重合開始剤の水性エマルジョンとを添加し、シード粒子にエチレン性不飽和単量体及び油溶性重合開始剤を吸収させた後、エチレン性不飽和単量体を重合する方法が挙げられる。
なお、シード粒子の重量平均分子量は20000以下が好ましい。また、上記エチレン性不飽和単量体は、シード粒子1重量部に対して10〜500重量部とすることが好ましい。
本発明における架橋樹脂粒子を形成するために用いるエチレン性不飽和単量体は、架橋性単量体が含有されていれば特に限定されない。従って、架橋性単量体のみから形成されていてもよいが、架橋性単量体に加えて非架橋性単量体が併用されてもよい。
上記架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン及びその誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートとはメタクリレート又はアクリレートを意味する。上記架橋性単量体は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記非架橋性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。上記非架橋性単量体は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
上記油溶性重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましい。
また、重合に際しては必要に応じて界面活性剤、分散安定剤を用いてもよい。
本発明の導電性微粒子は、架橋樹脂粒子を芯粒子とした表面に導電性金属層が被覆された粒子である。
上記導電性金属層に使用される金属は特に限定されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅、コバルト又はこれらを主成分とする合金等が挙げられる。
上記導電性金属層は、例えば、無電解メッキ等により芯粒子を金属メッキして形成することができる。なお、金属メッキは単一の金属層であっても複数の金属からなる複層であってもよい。
本発明の導電性微粒子における導電性金属層の厚さは0.02〜5μmが好ましい。導電性金属層の厚さが0.02μm未満であると、金属層が薄く導電性が得られにくい。また、導電性金属層の厚さが5μmを超えると導電性微粒子が硬くなりすぎ電極端子間の間隔に追随して導電性微粒子が変形し難くなる。
上記導電性金属層の厚さは、例えば透過電子顕微鏡(TEM)による導電性微粒子の断面観察により求めることができる。倍率としては、観察しやすい倍率を選べばよいが、例えば5万倍が用いられる。
本発明においては、導電性微粒子の平均粒子径が、2.5〜4.5μmであることが必要である。平均粒子径が2.5μm未満であると、導電性金属層を形成する際に凝集が生じやすく、単粒子としにくくなることがあり、平均粒子径が4.5μmを超えると、異方性導電材料として微細な配線を有する基板等の電極端子間で用いられる範囲を超えてしまうことがある。
また、導電性微粒子のCV値(粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除して百分率とした値)が、10%以下であることが好ましい。CV値が10%以下であると、導電性微粒子と電極端子との接触面積のばらつきが小さく安定した接続が得られやすい。
本発明においては、150℃加熱環境下で測定した、導電性微粒子直径を20%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(以下、20%K値ともいう)が、882〜4410N/mm2 であることが必要である。
本発明の導電性微粒子は、加熱圧着時に良好な導通を確保するため特定の硬さであることが重要であり、例えば異方性導電フィルムとして用いられた際に、150℃加熱環境下で測定した、20%K値が、882〜4410N/mm2 であることにより、加熱圧着時に、硬すぎて接触面積が狭くなったりして導通が不安定になることがなく、また、軟らかすぎて導電性微粒子と電極端子との間のバインダー樹脂が排除されなかったり復元力が低いため基板やバンプの高さのばらつきを吸収できなかったりして導通が不安定になることがない。また、例えば異方性導電フィルムを加熱圧着する際には、通常150℃以上に加熱され圧着されるが、本発明の導電性微粒子は、150℃程度の比較的低温に加熱温度が設定されていても良好な導通を確保することができる。
本発明の導電性微粒子は、加熱圧着時に良好な導通を確保するため特定の硬さであることが重要であり、例えば異方性導電フィルムとして用いられた際に、150℃加熱環境下で測定した、20%K値が、882〜4410N/mm2 であることにより、加熱圧着時に、硬すぎて接触面積が狭くなったりして導通が不安定になることがなく、また、軟らかすぎて導電性微粒子と電極端子との間のバインダー樹脂が排除されなかったり復元力が低いため基板やバンプの高さのばらつきを吸収できなかったりして導通が不安定になることがない。また、例えば異方性導電フィルムを加熱圧着する際には、通常150℃以上に加熱され圧着されるが、本発明の導電性微粒子は、150℃程度の比較的低温に加熱温度が設定されていても良好な導通を確保することができる。
本発明における、20%K値は、微小圧縮試験器(Fischer H−100、Fischer社製)を用いて一辺が50μmの四角柱の平滑端面で、上記導電性微粒子を圧縮速度0.33mN/秒、最大試験荷重40mNで圧縮し求めることができる。なお、測定は150℃加熱環境下で行う。150℃加熱環境下での測定は、測定台を150℃に設定されたホットプレートとし、ホットプレートの上に導電性微粒子をのせて行う。
上記20%K値については下記式より求めることができる。
K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
F:導電性微粒子の20%圧縮変形における荷重値(N)
S:導電性微粒子の20%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:導電性微粒子の半径(mm)
K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
F:導電性微粒子の20%圧縮変形における荷重値(N)
S:導電性微粒子の20%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:導電性微粒子の半径(mm)
本発明の導電性微粒子について、上記の特定の硬さにする方法は、芯粒子である架橋樹脂粒子の架橋密度を調節することにより達成することができる。すなわち、芯粒子を形成するエチレン性不飽和単量体の種類を選択することにより制御できる。
本発明の異方性導電材料は、上述した本発明の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなるものである。
上記異方性導電材料としては、本発明の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されていれば特に限定されるものではなく、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
本発明の異方性導電材料の作製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して導電性組成物を作製した後、この導電性組成物を必要に応じて有機溶媒中に均一に溶解(分散)させるか、又は加熱溶融させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、作製しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の作製方法をとればよい。また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを、混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
上記絶縁性の樹脂バインダーの樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等のビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂及びこれらの硬化剤からなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型等のいずれの硬化形態であってもよい。
本発明の異方性導電材料には、絶縁性の樹脂バインダー、及び、本発明の導電性微粒子に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、軟化剤(可塑剤)、粘接着性向上剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤の1種又は2種以上が併用されてもよい。
本発明の導電性微粒子は、上述の構成よりなるので、電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができるものを得ることができる。特に、圧着させる際の加熱温度が150℃程度の比較的低温に設定されていても良好な導通を確保することができる。
また、該導電性微粒子を用いた異方性導電材料は、電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる。
また、該導電性微粒子を用いた異方性導電材料は、電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128g、ジビニルベンゼン32gを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、「ナイパーBW」)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて85℃、9時間反応させ平均粒子径4μmの架橋樹脂粒子を得た。
得られた架橋樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子について、150℃加熱環境下で測定した、20%K値を求めた。測定結果を表1に示した。
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128g、ジビニルベンゼン32gを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、「ナイパーBW」)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて85℃、9時間反応させ平均粒子径4μmの架橋樹脂粒子を得た。
得られた架橋樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子について、150℃加熱環境下で測定した、20%K値を求めた。測定結果を表1に示した。
(比較例1)
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ジビニルベンゼン150gを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、「パーブチルZ」)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて130℃、9時間反応させ平均粒子径4μmの架橋樹脂粒子を得た。
得られた架橋樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子について、150℃加熱環境下で測定した、20%K値を求めた。測定結果を表1に示した。
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ジビニルベンゼン150gを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、「パーブチルZ」)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて130℃、9時間反応させ平均粒子径4μmの架橋樹脂粒子を得た。
得られた架橋樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子について、150℃加熱環境下で測定した、20%K値を求めた。測定結果を表1に示した。
(異方性導電材料の導電性評価)
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、実施例1又は比較例1で得られた導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2 とした。
その後、導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導電性微粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、実施例1又は比較例1で得られた導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2 とした。
その後、導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導電性微粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラス基板を2枚用意した。異方性導電フィルムを一方のガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後、他方のガラス基板を異方性導電フィルムが貼り付けられたガラス基板の電極パターンと重なるように位置あわせをして貼り合わせた。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度150℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を測定した。測定は、実施例1又は比較例1で得られた導電性微粒子を用いた異方性導電フィルムについてそれぞれ行った。評価結果を表1に示した。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度150℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を測定した。測定は、実施例1又は比較例1で得られた導電性微粒子を用いた異方性導電フィルムについてそれぞれ行った。評価結果を表1に示した。
表1より、実施例で得られた導電性微粒子を用いた異方性導電フィルムは、150℃加熱環境下で測定した20%K値が特定の範囲の、特定の硬さであり、抵抗値が低く良好な導通となっている。
本発明によれば、電極端子間を接続しようとしたときに、加熱圧着時に良好な導通を確保することができる導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料を提供できる。
Claims (2)
- 架橋樹脂粒子の表面に導電性金属層が形成された導電性微粒子であって、導電性微粒子の平均粒子径が2.5〜4.5μmであり、150℃加熱環境下で測定した導電性微粒子直径を20%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(20%K値)が882〜4410N/mm2 であることを特徴とする導電性微粒子。
- 請求項1記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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-
2005
- 2005-01-17 JP JP2005009375A patent/JP2006196411A/ja active Pending
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