JP4674119B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブルな回路基板等を接続した際にも接続不良や変形を生じることのない導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体に関する。
導電性微粒子は、バインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。
これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する回路基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
このような異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、従来、金属粒子の他、樹脂粒子や有機質無機質複合粒子を芯粒子として、その表面に無電解メッキ法により金メッキ等を施した金属メッキ粒子が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ガラス基板等の硬質の基板に対してFPC(Flexible Printed Circuit)等のフレキシブルな回路基板等を接続させる際には、従来のような導電性微粒子を用いる場合は加熱圧着時に緻密な圧力制御が必要であった。すなわち、回路基板等の加熱圧着後に導電性微粒子の高い圧縮変形回復率により回路基板が剥がれたり、回路基板が変形して電極が剥がれたりすることがないよう充分な圧力制御を行う必要があった。一方、このような問題に対して、回路基板の加熱圧着時に圧力により導電性微粒子を割ることにより反発を抑えることも考えられるが、導電性微粒子を割ると導電層も割れてしまうため、導通不良が生じる可能性が残るという問題があった。
特公平3−44149号公報
本発明は、上記現状に鑑み、フレキシブルな回路基板等を接続した際にも接続不良や変形を生じることのない導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、加熱により熱硬化する熱硬化性基材微粒子と、前記熱硬化性基材微粒子の表面に形成された導電性金属層とからなる導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、回路基板等の電気的接続の際に用いる導電性微粒子として、回路基板等の接続前(加熱圧縮前)は軟らかく、回路基板等の接続後(加熱圧縮後)は硬化する微粒子、すなわち、加熱により熱硬化する熱硬化性基材微粒子と、該熱硬化性基材微粒子の表面上に形成された導電性金属層とからなる導電性微粒子を用いることにより、FPC等のフレキシブルな回路基板等であっても接続不良等を起こすことなく、高い信頼性で回路基板等を接続することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性微粒子は、加熱により熱硬化する熱硬化性基材微粒子と、上記熱硬化性基材微粒子の表面に形成された導電性金属層とからなる導電性微粒子である。このような導電性微粒子を用いることにより、FPC等のフレキシブルな回路基板等であっても接続不良等を起こすことなく、高い信頼性で回路基板等を接続することができる。
上記熱硬化性基材微粒子としては特に限定されないが、例えば、架橋により熱硬化する樹脂を含有していることが好ましい。
上記架橋により熱硬化する樹脂としては特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性単量体を用いてラジカル重合を行う際に未反応のラジカル重合性単量体を残存させた、樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂や、ラジカル重合性単量体を用いてラジカル重合を行う際に開環重合性官能基を有する単量体と酸性又は塩基性官能基を有する単量体とを共重合させた、樹脂中に開環重合性官能基と酸性又は塩基性官能基とを有する樹脂等が好適に用いられる。
上記ラジカル重合性単量体としては特に限定されず、架橋性単量体のみを用いてもよいし、架橋性単量体に加えて非架橋性単量体を併用してもよい。
上記架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン及びその誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記非架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記開環重合性官能基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、ビニル基とエポキシ基とを有する単量体等が挙げられ、具体的には、例えば、1−ビニル−プロピレンオキシド、1−ビニル−ブチレンオキシド、1−ビニル−へキセンオキシド、1−ビニル−オクテンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記酸性官能基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等のビニル基とカルボキシル基とを有する単量体等が挙げられる。
上記塩基性官能基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、アリルアミン、ビニルアミン等のビニル基とアミノ基とを有する単量体、1−ビニルエタノールNa塩、1−ビニルプロパノールNa塩、1−ビニルブタノールNa塩等のビニル基とONa基とを有する単量体等が挙げられる。
上記樹脂が開環重合性官能基と酸性又は塩基性官能基とを有する樹脂の場合、加熱時に酸性又は塩基性官能基が開始剤となって、エポキシ基等の開環重合を進行させることができる。
上記樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂を得るためには、上記ラジカル重合性単量体から該樹脂を製造する際に、反応が完全に行われないように反応時間等を適宜調整すればよい。
上記単量体から上記樹脂を製造する方法としては特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法等が挙げられる。上記製造方法のなかでも、懸濁重合は、粒子径分布が比較的広く、多分散の微粒子を得ることができるので、多品種の粒子径の微粒子を製造する目的に適している。但し、懸濁重合による微粒子を熱硬化性基材微粒子として用いる場合には分級操作を行って、所望の粒子径や粒子径分布を有するものを選別して用いることが好ましい。また、シード重合は、分級操作を必要とせず、単分散の微粒子を得ることができるので、特定の粒子径の微粒子を大量に製造する目的に適している。
上記シード重合の具体的方法としては、例えば、シード粒子を分散した水中に、上記樹脂を形成する単量体からなる水性エマルジョンと、油溶性重合開始剤の水性エマルジョンとを添加し、シード粒子に上記樹脂を形成する単量体及び油溶性重合開始剤を吸収させた後、上記樹脂を形成する単量体を重合する方法が挙げられる。
上記シード粒子の重量平均分子量としては特に限定されないが、好ましい上限は2万である。また、上記樹脂を形成する単量体は、上記シード粒子1重量部に対して10〜500重量部とすることが好ましい。
上記油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
上記油溶性重合開始剤の使用量としては特に限定されないが、上記樹脂を形成する単量体100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は3重量部である。
また、上記熱硬化性基材微粒子を製造する際には、必要に応じて、界面活性剤、分散安定剤等を用いてもよい。
上記熱硬化性基材微粒子は、100℃以上の加熱により硬化するものであることが好ましい。100℃未満で硬化してしまうと、本発明の導電性微粒子を用いて回路基板等を接続する際に、回路基板等の加熱圧着前に硬化してしまうことがあり、FPC等のフレキシブルな回路基板等の接続において接続不良が生じることがある。より好ましくは120℃以上である。
上記導電性金属層に使用される金属としては特に限定されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅、コバルト、及び、これらを主成分とする合金等が挙げられる。
上記熱硬化性基材微粒子の表面に上記導電性金属層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、無電解メッキ法等により上記熱硬化性基材微粒子の表面を金属メッキする方法等が挙げられる。
上記導電性金属層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.02μm、好ましい上限は5μmである。0.02μm未満であると、導電性微粒子が導電性を得られなくなることがあり、5μmを超えると、導電性微粒子が硬くなりすぎて電極端子間の間隔に追随して導電性微粒子が変形しにくくなることがある。
上記導電性金属層の厚さは、例えば、本発明の導電性微粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより測定することができる。倍率としては特に限定されず、観察しやすい倍率を選べばよいが、例えば、5万倍が用いられる。
本発明の導電性微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は2.5μm、好ましい上限は15μmである。2.5μm未満であると、導電性金属層を形成する際に凝集しやすく、単粒子としにくくなることがあり、15μmを超えると、異方性導電材料として微細な配線を有する基板等の電極端子間で用いられる範囲を超えてしまうことがある。
本発明の導電性微粒子のCV値(粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除して百分率とした値)が10%以下であることが好ましい。CV値が10%以下であることにより、導電性微粒子と回路基板等との接触面積のばらつきが小さく、安定した接続が得られやすい。
また、本発明の導電性微粒子は、熱硬化前において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3000N/mm以下、圧縮変形回復率が40%以下であり、熱硬化後において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3600N/mm以上、圧縮変形回復率が40%以上である導電性微粒子であることが好ましい。
熱硬化前において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3000N/mmを超え、又は、圧縮変形回復率が40%を超えると、本発明の導電性微粒子が硬くなりすぎ、フレキシブルな回路基板等を接続した際に接続不良が生じてしまったり、回路基板等が変形を起こしたりすることがある。
また、熱硬化後において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3600N/mm未満、又は、圧縮変形回復率が40%未満であると、本発明の導電性微粒子が軟らかくなりすぎ、フレキシブルな回路基板等を接続した際に接続が不安定になることがある。
上記10%K値は、微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所社製)を用いて一辺が50μmの四角柱の平滑端面で、本発明の導電性微粒子を圧縮速度2.646mN/秒、最大試験荷重98mNで圧縮することにより測定することができる。
上記10%K値は、下記式により求めることができる。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:導電性微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:導電性微粒子の半径(mm)
上記圧縮変形回復率とは、上記微小圧縮試験機にて導電性微粒子を反転荷重値9.8mNまで圧縮した後、逆に荷重を減らしていくときの、荷重値と圧縮変位との関係を測定して得られる値であり、荷重を除く際の終点を原点荷重値0.98mN、負荷及び除負荷における圧縮速度0.2842mN/秒として測定され、反転の点までの変位(L1)と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位(L2)との比(L2/L1)を百分率にて表した値である。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料の具体的な例としては、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤層、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記樹脂バインダーとしては特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等のビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂及びこれらの硬化剤からなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、熱硬化型であることが好ましい。
本発明の異方性導電材料には、本発明の導電性微粒子、及び、上記樹脂バインダーの他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、軟化剤(可塑剤)、粘接着性向上剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法としては特に限定されず、例えば、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に溶解(分散)させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、製造しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法をとればよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子及び/又は本発明の異方性導電材料を用いてなる接続構造体もまた、本発明の1つである。
本発明の接続構造体は、一対の回路基板間に、本発明の導電性微粒子及び/又は本発明の異方性導電材料を充填することにより、一対の回路基板間を接続させたものである。本発明の接続構造体は、本発明の導電性微粒子及び/又は本発明の異方性導電材料を用いてなるものであることから、上記回路基板がFPC等のフレキシブルなものである場合であっても、接続不良や変形を生じることがない。
本発明の接続構造体を製造する前は、本発明の導電性微粒子は架橋により熱硬化する樹脂を含有しているため、本発明の導電性微粒子は軟らかいものであるが、一対の回路基板と本発明の導電性微粒子及び/又は本発明の異方性導電材料とを接続する際には、加熱圧着を行うため架橋反応が進行し、その結果、導電性微粒子は硬化する。従って、本発明の接続構造体中の導電性微粒子は完全な球状ではなく、楕円状である。
なお、加熱圧着の際には、硬化後の導電性微粒子を更に加圧状態とするために、硬化後にも再度加圧することが好ましい。
本発明の接続構造体中における導電性微粒子の形状は、アスペクト比により定義され、好ましい下限は1.2、好ましい上限は2.0である。1.2未満であると、熱硬化前の粒子が硬すぎて加熱圧着時に圧縮されて充分な変形が起こっておらず、接続が充分でないことがあり、2.0を超えると、熱硬化前の粒子が軟らかすぎて変形しすぎ、熱硬化後に充分な接続を保てないことがある。なお、加熱圧着前の導電性微粒子のアスペクト比は1.2未満であることが好ましい。
なお、アスペクト比とは粒子の平均長径を平均短径で割った値である。
本発明によれば、フレキシブルな回路基板等を接続した際にも接続不良や変形を生じることのない導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)導電性微粒子の製造
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール溶液100gとを混合し、超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に攪拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128gと、ジビニルベンゼン32gとを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、ナイパーBW)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間攪拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて85℃、3時間反応させ、樹脂の一部を反応させることにより、樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂を含有する熱硬化性基材微粒子(平均粒子径4μm)を得た。
得られた熱硬化性基材微粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
(2)異方性導電材料の製造
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に対し、得られた導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとした。
その後、導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導電性微粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせた厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
(3)接続構造体の製造
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラス基板及びポリイミド基板の2枚を用意した。異方性導電フィルムをガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後、ポリイミド基板を異方性導電フィルムが貼り付けられたガラス基板の電極パターンと重なるように位置合わせをし、ガラス基板とポリイミド基板とを、圧力10N、温度150℃の条件で30秒間熱圧着することにより接続構造体を得た。
(実施例2)
セパラブルフラスコに、ジビニルベンゼン8重量部、スチレン8重量部、1−ビニル−ブチレンオキシド2重量部、1−ビニルプロパノールNa塩2重量部、及び、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部を投入し、均一に攪拌混合した。次に、ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールGL−03」、クラレ社製)の3重量%水溶液20重量部及びドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部を投入し、均一に攪拌混合した後、イオン交換水140重量部を投入した。次いで、窒素気流下、この混合溶液を攪拌しながら50℃で7時間重合反応を行って粒子を得た。得られた粒子を熱水及びアセトンで十分に洗浄した後、分級操作を行い、アセトンを揮散させて、樹脂中に開環重合性官能基を有する樹脂を含有する熱硬化性基材微粒子(平均粒子径4μm)を得た。
得られた熱硬化性基材微粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
また、実施例1と同様にして異方性導電材料及び接続構造体を製造した。
(比較例1)
反応時間を9時間にして樹脂の反応を完全に行ったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子、異方性導電材料及び接続構造体を製造した。
<評価>
実施例1〜2、及び、比較例1で得られた導電性微粒子及び接続構造体について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)10%K値の測定
微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所社製)を用いて一辺が50μmの四角柱の平滑端面で、加熱前後の導電性微粒子を圧縮速度2.646mN/秒、最大試験荷重98mNで圧縮することにより10%K値を測定した。
なお、測定は20℃の条件下で行った。
(2)圧縮変形回復率の測定
微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所社製)にて加熱前後の導電性微粒子を反転荷重値9.8mNまで圧縮した後、逆に荷重を減らし、荷重を除く際の終点を原点荷重値0.98mN、負荷及び除負荷における圧縮速度0.2842mN/秒とし、反転の点までの変位(L1)と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位(L2)との比(L2/L1)に100を乗じることにより圧縮変形回復率を求めた。
(3)接続抵抗値の測定
得られた接続構造体の電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。また、得られた接続構造体に対して信頼性試験(80℃、95%RHの高温高湿環境下で1000時間保持)を行った後、電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。
(4)アスペクト比の測定
熱硬化前の導電性微粒子、及び熱硬化後の導電性微粒子について、走査電子顕微鏡(SEM)により倍率5000倍で導電性微粒子の平均長径及び平均短径を測定し、アスペクト比を求めた。熱硬化後の導電性微粒子については、接続構造体断面を観察することにより接続構造体内部の導電性微粒子についてアスペクト比を求めた。
Figure 0004674119
本発明によれば、フレキシブルな回路基板等を接続した際にも接続不良や変形を生じることのない導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。

Claims (5)

  1. 加熱により熱硬化する熱硬化性基材微粒子と、前記熱硬化性基材微粒子の表面に形成された導電性金属層とからなる導電性微粒子であって、
    前記熱硬化性基材微粒子は、架橋により熱硬化する樹脂を含有し、前記架橋により熱硬化する樹脂は、樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂であり、かつ、
    導電性微粒子は、熱硬化前において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3000N/mm 以下、圧縮変形回復率が40%以下であり、熱硬化後において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3600N/mm 以上、圧縮変形回復率が40%以上である
    ことを特徴とする導電性微粒子。
  2. 熱硬化性基材微粒子は、100℃以上の加熱により硬化するものであることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 架橋により熱硬化する樹脂は、樹脂中に開環重合性官能基と酸性又は塩基性官能基とを有する樹脂であることを特徴とする請求項記載の導電性微粒子。
  4. 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
  5. 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子及び/又は請求項記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする接続構造体。
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