JP4674119B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 - Google Patents
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これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する回路基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
以下に本発明を詳述する。
上記熱硬化性基材微粒子としては特に限定されないが、例えば、架橋により熱硬化する樹脂を含有していることが好ましい。
上記架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン及びその誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記非架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記酸性官能基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等のビニル基とカルボキシル基とを有する単量体等が挙げられる。
上記塩基性官能基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、アリルアミン、ビニルアミン等のビニル基とアミノ基とを有する単量体、1−ビニルエタノールNa塩、1−ビニルプロパノールNa塩、1−ビニルブタノールNa塩等のビニル基とONa基とを有する単量体等が挙げられる。
上記樹脂が開環重合性官能基と酸性又は塩基性官能基とを有する樹脂の場合、加熱時に酸性又は塩基性官能基が開始剤となって、エポキシ基等の開環重合を進行させることができる。
熱硬化前において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3000N/mm2を超え、又は、圧縮変形回復率が40%を超えると、本発明の導電性微粒子が硬くなりすぎ、フレキシブルな回路基板等を接続した際に接続不良が生じてしまったり、回路基板等が変形を起こしたりすることがある。
また、熱硬化後において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3600N/mm2未満、又は、圧縮変形回復率が40%未満であると、本発明の導電性微粒子が軟らかくなりすぎ、フレキシブルな回路基板等を接続した際に接続が不安定になることがある。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:導電性微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:導電性微粒子の半径(mm)
また、上記硬化性樹脂は、熱硬化型であることが好ましい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
なお、加熱圧着の際には、硬化後の導電性微粒子を更に加圧状態とするために、硬化後にも再度加圧することが好ましい。
本発明の接続構造体中における導電性微粒子の形状は、アスペクト比により定義され、好ましい下限は1.2、好ましい上限は2.0である。1.2未満であると、熱硬化前の粒子が硬すぎて加熱圧着時に圧縮されて充分な変形が起こっておらず、接続が充分でないことがあり、2.0を超えると、熱硬化前の粒子が軟らかすぎて変形しすぎ、熱硬化後に充分な接続を保てないことがある。なお、加熱圧着前の導電性微粒子のアスペクト比は1.2未満であることが好ましい。
なお、アスペクト比とは粒子の平均長径を平均短径で割った値である。
(1)導電性微粒子の製造
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール溶液100gとを混合し、超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に攪拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128gと、ジビニルベンゼン32gとを、油溶性重合開始剤(日本油脂社製、ナイパーBW)12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間攪拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて85℃、3時間反応させ、樹脂の一部を反応させることにより、樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂を含有する熱硬化性基材微粒子(平均粒子径4μm)を得た。
得られた熱硬化性基材微粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に対し、得られた導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2とした。
その後、導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導電性微粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせた厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラス基板及びポリイミド基板の2枚を用意した。異方性導電フィルムをガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後、ポリイミド基板を異方性導電フィルムが貼り付けられたガラス基板の電極パターンと重なるように位置合わせをし、ガラス基板とポリイミド基板とを、圧力10N、温度150℃の条件で30秒間熱圧着することにより接続構造体を得た。
セパラブルフラスコに、ジビニルベンゼン8重量部、スチレン8重量部、1−ビニル−ブチレンオキシド2重量部、1−ビニルプロパノールNa塩2重量部、及び、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部を投入し、均一に攪拌混合した。次に、ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールGL−03」、クラレ社製)の3重量%水溶液20重量部及びドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部を投入し、均一に攪拌混合した後、イオン交換水140重量部を投入した。次いで、窒素気流下、この混合溶液を攪拌しながら50℃で7時間重合反応を行って粒子を得た。得られた粒子を熱水及びアセトンで十分に洗浄した後、分級操作を行い、アセトンを揮散させて、樹脂中に開環重合性官能基を有する樹脂を含有する熱硬化性基材微粒子(平均粒子径4μm)を得た。
得られた熱硬化性基材微粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
また、実施例1と同様にして異方性導電材料及び接続構造体を製造した。
反応時間を9時間にして樹脂の反応を完全に行ったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子、異方性導電材料及び接続構造体を製造した。
実施例1〜2、及び、比較例1で得られた導電性微粒子及び接続構造体について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所社製)を用いて一辺が50μmの四角柱の平滑端面で、加熱前後の導電性微粒子を圧縮速度2.646mN/秒、最大試験荷重98mNで圧縮することにより10%K値を測定した。
なお、測定は20℃の条件下で行った。
微小圧縮試験機(PCT−200、島津製作所社製)にて加熱前後の導電性微粒子を反転荷重値9.8mNまで圧縮した後、逆に荷重を減らし、荷重を除く際の終点を原点荷重値0.98mN、負荷及び除負荷における圧縮速度0.2842mN/秒とし、反転の点までの変位(L1)と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位(L2)との比(L2/L1)に100を乗じることにより圧縮変形回復率を求めた。
得られた接続構造体の電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。また、得られた接続構造体に対して信頼性試験(80℃、95%RHの高温高湿環境下で1000時間保持)を行った後、電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。
熱硬化前の導電性微粒子、及び熱硬化後の導電性微粒子について、走査電子顕微鏡(SEM)により倍率5000倍で導電性微粒子の平均長径及び平均短径を測定し、アスペクト比を求めた。熱硬化後の導電性微粒子については、接続構造体断面を観察することにより接続構造体内部の導電性微粒子についてアスペクト比を求めた。
Claims (5)
- 加熱により熱硬化する熱硬化性基材微粒子と、前記熱硬化性基材微粒子の表面に形成された導電性金属層とからなる導電性微粒子であって、
前記熱硬化性基材微粒子は、架橋により熱硬化する樹脂を含有し、前記架橋により熱硬化する樹脂は、樹脂中にラジカル重合性官能基が残存する樹脂であり、かつ、
導電性微粒子は、熱硬化前において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3000N/mm 2 以下、圧縮変形回復率が40%以下であり、熱硬化後において、20℃で測定した粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が3600N/mm 2 以上、圧縮変形回復率が40%以上である
ことを特徴とする導電性微粒子。 - 熱硬化性基材微粒子は、100℃以上の加熱により硬化するものであることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- 架橋により熱硬化する樹脂は、樹脂中に開環重合性官能基と酸性又は塩基性官能基とを有する樹脂であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
- 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子及び/又は請求項4記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする接続構造体。
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