JP4662748B2 - 導電性微粒子及び異方性導電材料 - Google Patents
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導電性微粒子の表面に突起を付与することで、バインダー樹脂の排除性を高め、接続抵抗の低減化や導電信頼性の向上を図っている。
本発明の導電性微粒子は、非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子Aより小さい非導電性微粒子Bが結合した複合微粒子の表面に、金属メッキを施してなるものである。
更に、本発明の導電性微粒子は、導電性微粒子を10%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜8500N/mm2 で、かつ30%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(30%K値)が1500〜3000N/mm2であることが必要である。
K=(3/√2)・F1・S1-3/2・R-1/2
F1:導電性微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S1:導電性微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R :導電性微粒子の半径(mm)
K=(3/√2)・F2・S2-3/2・R-1/2
F2:導電性微粒子の30%圧縮変形における荷重値(N)
S2:導電性微粒子の30%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R :導電性微粒子の半径(mm)
上記非架橋性単量体としては、上述の非導電性微粒子Aの非架橋性単量体で述べたものが挙げられる。
非導電性微粒子Bの平均粒子径が非導電性微粒子Aの平均粒子径より小さく、特に、1/10以下であることにより、導電性微粒子全体としての粒子径が揃い、電極間に挟み込んで使用されたときに、良好な接続を得ることができる。
上記非導電性微粒子Aの平均粒子径は、特に限定されないが、10μm以下が好ましく、1〜5μmがより好ましい。非導電性微粒子Aの平均粒子径が10μmを超えると、異方性導電材料として基板電極間等で用いられる範囲を超えてしまうことがある。
上記非導電性微粒子Bの平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜1μmが好ましい。非導電性微粒子Bの平均粒子径が0.1μm未満であると、非導電性微粒子Bを結合させ突起とした効果が得られにくく、1μmを超えると、導電性微粒子全体としての粒子径の均一さが損なわれ、電極間に挟み込んで使用されたときに、良好な接続を得にくくなることがある。
非導電性微粒子Bの存在個数の制御は、例えば、非導電性微粒子Aに対して、添加する非導電性微粒子Bの量を変化させれば容易に行うことができる。
従って、上記導電性微粒子は、非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子Bを結合させ形成された突起をそのまま残して、表面に金属メッキを施して得られたものとなる。
シード粒子として0.75μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128g、ジビニルベンゼン32gを、油溶性重合開始剤12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液をセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを加え窒素ガスを導入しオートクレーブ中にて130℃、9時間反応させ、平均粒子径が3.75μmの架橋樹脂微粒子からなる非導電性微粒子Aを得た。
スチレン95重量%、及びメタクリル酸5重量%を混合溶解し、得られたモノマー混合物100重量部を70℃まで昇温した後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム2重量部を加え、更に70℃で12時間加熱反応させ、非架橋樹脂微粒子を得た。その後、乾燥して、平均粒子径が0.3μm、CV値(粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除して百分率とした値)が3%の非架橋樹脂微粒子からなる非導電性微粒子B1を得た。
スチレン75重量%、ジビニルベンゼン20重量%、及びメタクリル酸5重量%を混合溶解し、得られたモノマー混合物100重量部を70℃まで昇温した後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム2重量部を加え、更に70℃で12時間加熱反応させ、架橋樹脂微粒子を得た。その後、乾燥して、平均粒子径が0.3μm、CV値が3%の架橋樹脂微粒子からなる非導電性微粒子B2を得た。
(複合微粒子の作製)
ハイブリダイザにより、非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子B1を付着させて、表面に突起を持った複合微粒子を得た。
得られた複合微粒子10gに、水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ脱脂、酸中和、二塩化スズ溶液におけるセンシタイジングを行った。その後、二塩化パラジウム溶液におけるアクチベイチングからなる無電解メッキ前処理を施し、濾過洗浄後、粒子表面にパラジウムを付着させた複合微粒子を得た。
得られたパラジウムを付着させた複合微粒子を更に水1200mlで希釈し、メッキ安定剤4mlを添加後、この水溶液に硫酸ニッケル450g/l、次亜リン酸ナトリウム150g/l、クエン酸ナトリウム116g/l、メッキ安定剤6mlの混合溶液120mlを8定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ前期工程を行った。
次いで、更に硫酸ニッケル450g/l、次亜リン酸ナトリウム150g/l、クエン酸ナトリウム116g/l、メッキ安定剤35mlの混合溶液650mlを定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ後期工程を行った。
次いで、メッキ液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥してニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
また、得られた導電性微粒子について、10%K値、及び30%K値を微小圧縮試験器(Fischer H−100、Fischer社製)を用いて測定した。
これらの結果を表1に示した。
(複合微粒子の作製)
ハイブリダイザにより、非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子B2を付着させて、表面に突起を持った複合微粒子を得た。
複合微粒子の作製は行わなかった。
無電解ニッケルメッキ工程において、複合微粒子を用いず、代わりに非導電性微粒子Aを用いたこと、及び、最初に添加するメッキ安定剤4mlの代わりにメッキ安定剤1mlとし、その後はメッキ安定剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。無電解ニッケルメッキ工程では、メッキ液の自己分解が起こっており、自己分解によるニッケル塊がニッケル被膜と同時に形成されており、ニッケル塊(粒子径が約0.3μm程度の塊状)が突起になっていた。
その後、金メッキ工程を実施例1と同様にして行い、導電性微粒子を得た。
エポキシ系接着剤(三井化学社製、「ストラクトボンドXN−5A」)に、得られた導電性微粒子2重量%、及びシリカ微粒子1重量%の割合で混合して、異方性導電接着剤とした。
この異方性導電接着剤を、300μmピッチ幅でITO電極が形成されたガラス板(20mm×40mm)上のほぼ中央にスクリーン印刷により塗布した。もう一方の、300μmピッチ幅でITO電極が形成されたガラス板(20mm×40mm)を、電極部分が垂直に重なるように重ね合わせた後、325kPaの圧力を加え、160℃で5分間加熱圧縮し貼り合わせた。このとき、圧縮率(%)と接続抵抗値(Ω)とを測定した。接続抵抗値は、単粒子当たりに換算した粒子抵抗値(Ω/個)で、圧縮率10%と圧縮率30%となるようにシリカ微粒子の粒子径を変えて値を求めた。これらの結果を表1に示した。
Claims (5)
- 異方性導電材料に用いられ、非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子Aより小さい非導電性微粒子Bが結合した複合微粒子の表面に、金属メッキを施してなる導電性微粒子であって、
非導電性微粒子Aが架橋性単量体を用いた架橋樹脂微粒子からなり、非導電性微粒子Bが非架橋性単量体を用いた非架橋樹脂微粒子からなり、
前記架橋性単量体として、ジビニルベンゼン、共役ジエン類又は多官能(メタ)アクリレート類が用いられており、前記非架橋性単量体として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、塩化ビニル、不飽和ニトリル類又は単官能(メタ)アクリレート類が用いられており、
導電性微粒子を10%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(10%K値)が5000〜8500N/mm2で、かつ30%圧縮変形させたときの圧縮弾性率(30%K値)が1500〜3000N/mm2であることを特徴とする導電性微粒子。 - 非導電性微粒子Aの平均粒子径に対して、非導電性微粒子Bの平均粒子径が1/10以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性微粒子。
- 非導電性微粒子Aの平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性微粒子。
- 非導電性微粒子Aの表面に非導電性微粒子Bが10個以上結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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