JP2005320819A - 既設柱の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柱間に例えばアルミサッシなどが配設されている既設柱について、十分な耐震性を有する補強構造を提供する。
【解決手段】 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ略コ字状に形成した第1の補強部材及び第2の補強部材を、これら補強部材の自由端同士が対向するように前記既設柱に取付けるとともに、両補強部材を補強用増厚材で埋設した。また、補強用増厚材は、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとするか、あるいは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、既設柱の補強構造に関するものである。
従来、柱状構造物の補強方法として、例えば地震などにも充分耐えられるようにする場合は、既設柱を囲むように鉄筋を配して型枠を組み、コンクリートを打設して鉄筋コンクリートによる増厚を図るRC巻立て工法、あるいは、既設柱の外周に鋼板を配設し、この鋼板と柱との間にモルタルなどの充填材を充填して既設柱と鋼板とを一体化する鋼板巻立て工法などが知られている。
そこで、耐震性の中でも特に変形性能をより向上させるために既設柱の外周面に間隔をあけて配設したスペーサを介して引っ張り抵抗材(鋼板やガラス繊維シートなど)を巻立て、この引っ張り抵抗材と既設柱との間に膨張性恒久材(例えば膨張性コンクリートや膨張性モルタルなど)を注入し、これにより既設柱に横方向拘束圧を与える耐震補強構造が開示されている(例えば特許文献1を参照。)。
しかし、上記従来の巻立て工法で用いられる引っ張り抵抗材と既設柱との間に注入する膨張性恒久材(膨張性コンクリートや膨張性モルタルなど)は、硬度は高いものの、接着力に劣り、ひび割れなどを生起するおそれがあった。
また、上記従来の巻立て工法において、鋼板巻立ての場合は袖壁付きの柱に適用することができず、また、RC巻立て工法の場合は、柱に近接した袖壁部分に補強筋を通すための貫通孔を設ける必要があるが、この貫通孔を既設柱に近接した位置に穿孔することは極めて難しく、しかも穿孔作業時に騒音を発生するので、作業時間に大きな制約があった。また、貫通孔に補強筋を通した後、端部同士をジョイントする必要があるので施工に手間がかかり、補強工事全体のコストが嵩んでいた。
そこで、本出願人は、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートを、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合したポリマーセメントとした袖壁付柱の補強方法を提案した(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平09ー59934号公報 特開2004ー060269号公報
ところが、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した略コ字状とした前記第1、第2の補強部材を、そのまま袖壁無しの柱に適用すると、例えば地震などで横揺れが生じた場合、図7に示すように、第1、第2の補強部材の自由端部分が外方へ開いてしまうおそれがある。
だからといって、従来の巻立て工法では、既設柱を増厚するためのモルタルやコンクリートなどは接着力や靭性と柔軟性に劣るのでひび割れを生じるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決することのできる既設柱の補強構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ略コ字状に形成した第1の補強部材及び第2の補強部材を、これら補強部材の自由端同士が対向するように前記既設柱に取付けるとともに、両補強部材を補強用増厚材で埋設した既設柱の補強構造とした。
請求項2記載の本発明では、請求項1記載の既設柱の補強構造において、前記補強用増厚材は、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明では、請求項1記載の既設柱の補強構造において、前記補強用増厚材は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設柱の補強構造において、前記第1の補強部材及び第2の補強部材の対向する自由端同士を、少なくとも一箇所で連結したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の既設柱の補強構造において、前記第1の補強部材及び第2の補強部材を、それぞれ複数の縦筋と複数の横筋とから構成し、前記複数の横筋のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材と第2の補強部材とで共用したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたことを特徴とする。
請求項7記載の本願発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成した。
請求項8記載の本願発明では、請求項6又は7に記載の既設柱の補強構造において、前記第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板の対向する自由端同士を、前記既設柱の縦方向において少なくとも一箇所で連結したことを特徴とする。
請求項9記載の本願発明では、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートからなる補強用増厚材で埋設した。
請求項10記載の本願発明では、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を補強用増厚材で埋設し、しかも、この補強用増厚材を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成した。
(1)請求項1記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ略コ字状に形成した第1の補強部材及び第2の補強部材を、これら補強部材の自由端同士が対向するように前記既設柱に取付けるとともに、両補強部材を補強用増厚材で埋設した既設柱の補強構造としたために、既設柱間にアルミサッシなどが取付けられている場合であっても簡単な工事で既設柱の補強が可能となる。また、既設柱に対して型枠を設置する必要がないので補強工事のコストを大幅に低減することができる。しかも、補強用コンクリートによる補強厚みも従来に比べて比較的に薄くなり、柱設置空間を狭めるおそれがない。
(2)請求項2記載の本発明では、前記補強用増厚材は、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたために、付着力、引張強度、曲げ強度が高く、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、十分な耐震構造を得ることができる。
(3)請求項3記載の本発明では、前記補強用増厚材は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルとしたために、極めて高い付着力、十分な引張強度及び曲げ強度を有し、さらに十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も極めて強力であり、より確実な耐震構造を得ることができる。
(4)請求項4記載の本発明では、前記第1の補強部材及び第2の補強部材の対向する自由端同士を、少なくとも一箇所で連結した構成としたために、補強部材の自由端部分が外方へ開いてしまうようなことを確実に防止して、より補強強度を増すことができる。
(5)請求項5記載の本発明では、前記第1の補強部材及び第2の補強部材を、それぞれ複数の縦筋と複数の横筋とから構成し、前記複数の横筋のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材と第2の補強部材とで共用したために、配筋数などの設定によって、所望する補強強度が得やすくなるとともに、第1の補強部材及び第2の補強部材同士の連結が極めて簡単でコスト的に有利となる。
(6)請求項6記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたために、接着剤の付着力、引張強度、曲げ強度が高く、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強鋼板との接着力も強力であり、十分な耐震構造を得ることができる。接着剤の極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度と、十分な靭性と柔軟性とから、補強鋼板との接着力も十分となり、肉厚の薄い補強で十分な補強効果、耐震効果を得ることができる。
(7)請求項7記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルとしたために、接着剤の極めて高い付着力、十分な引張強度及び曲げ強度、さらには十分な靭性と柔軟性とを有することから、補強鋼板との接着力も十分となり、肉厚の薄い補強でより確実な補強効果、耐震効果を得ることができる。
(8)請求項8記載の本発明では、前記第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板の対向する自由端同士を、前記既設柱の縦方向において少なくとも一箇所で連結したために、補強鋼板の自由端部分があたかも観音開きのように外方へ開いてしまうことを確実に防止して、より補強強度を増すことができる。
(9)請求項9記載の本願発明では、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートからなる補強用増厚材で埋設したために、この補強用増厚材の付着力、引張強度、曲げ強度が高くなり、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、従来からの巻立て工法を採用しながらも十分な耐震構造を得ることができる。
(10)請求項10記載の本願発明では、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を補強用増厚材で埋設し、しかも、この補強用増厚材を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したために、補強用増厚材の極めて高い付着力、十分な引張強度及び曲げ強度、さらには十分な靭性と柔軟性とによって補強部材との接着力も十分となり、従来の巻立て工法を採用しながらも、肉厚の薄い補強としつつ、かつより確実な補強効果、耐震効果を得ることができる。
本発明は、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ略コ字状に形成した第1の補強部材及び第2の補強部材を、これら補強部材の自由端同士が対向するように前記既設柱に取付けるとともに、両補強部材を補強用増厚材で埋設した既設柱の補強構造としたものである。
かかる補強構造とするためには、既設柱の表面のケレン工程と、下塗材による下塗り工程と、補強部材取付工程と、前記補強用増厚材による増厚工程とからなる補強方法を採用すればよい。
前記補強用増厚材は、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとすることができる。樹脂モルタルや樹脂コンクリートは、通常のモルタルやコンクリートに比べ、付着力、引張強度、曲げ強度が高く、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、十分な耐震構造を得ることができる。
さらに、これら樹脂モルタルや樹脂コンクリートとしては、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成することが好ましい。
そして、前記増厚工程は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材とを、1:3.5の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルからなる第1のタイプの増厚材を吹き付け又はハケ塗りをした後、前記複合ポリマーエマルジョンと主材とを1:7の割合で混合したポリマーセメントモルタルからなる第2のタイプの増厚材をその表面上に連続してコテ塗りする作業を1セットとして、これを所定の厚みとなるまで複数回繰り返せばよい。
かかる工法による補強構造は、特に、既設の柱と柱との間にアルミサッシなどが設けられている場合に好適である。
すなわち、既設柱の内側面に近接して設けられたサッシ枠などを傷つけることなく、またかかるサッシ枠が邪魔になることなく、そして型枠などを組む必要もない簡単な工事で既設柱の補強が可能となるのである。補強用増厚材による補強厚みも従来に比べて比較的に薄くなり、空間を狭めるおそれがない。
また、前記構成の補強用増厚材は、極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、十分な耐震構造を得ることができる。
なお、前記下塗材としても、上述した構成からなる第1の増厚材と同質のものを用いることができ、やはり吹き付け又はハケ塗りすればよい。
なお、ポリマーセメントモルタルからなる増厚材としてのより望ましい実施形態としては、架橋材としてZnOを使用し、また助材としてアミノ酸の一つで動物性蛋白質に多く含まれているグリシンを使用するものである。かかる構成によれば、ポリマーセメントモルタルの上記物性をより高めることができ、さらに、既設柱が地震などで変位したりしてもその動きに追従するので、後に補強部分がひび割れしたり崩壊することを確実に防止することができる。また、防錆機能を果たすことが確認されているので、補強部材が補強筋などのように鋼製であっても錆びて劣化することを防止して補強効果を長期にわたって持続させることができ、十分な耐震効果を得ることができる。
ところで、前記第1の補強部材及び第2の補強部材の対向する自由端同士を、少なくとも一箇所で連結した構成とすることが望ましい。
このように、第1の補強部材及び第2の補強部材との自由端同士を、少なくとも一箇所で連結することにより、地震などで柱が横揺れしても補強部材の自由端部分が外方へ開いてしまうようなことがなくなり、補強強度をより向上させることができる。
また、前記第1の補強部材及び第2の補強部材を、それぞれ複数の主筋(縦筋)と複数の帯筋(横筋)とから構成するとよく、そして、前記複数の帯筋のうち、すくなくとも対向する一対の帯筋同士を連結すればよい。
あるいは、前記複数の帯筋のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材と第2の補強部材とで共用すれば、結果的には、第1の補強部材及び第2の補強部材の対向する自由端同士を連結した構成とすることがより簡単となり、材料も既存のものでよいためにコスト的に有利となる。さらに、かかる構成とすれば、共用する横筋の配筋数などの設定によって、所望する補強強度を得やすくなる。
また、他の実施の形態として、設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとすることができる。
また、前記接着剤として、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルとすることができる。
この場合、前記構成の接着剤は極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度と、十分な靭性と柔軟性とを有することから、補強鋼板との接着力も十分となり、肉厚の薄い補強で十分な補強効果、耐震効果を得ることができる。
そして、さらに前記第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板の対向する自由端同士を、前記既設柱の縦方向において少なくとも一箇所で連結すれば、補強鋼板の自由端部分があたかも観音開きのように外方へ開いてしまうことを確実に防止して、より補強強度を増すことができる。なお、連結する材料としては、補強鋼板の一部同士を同質の連結用鋼板で溶接などにより連結してもよいし、第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板の外周を補強筋で巻くようにしてもよい。
ところで、上述してきた実施の形態では、特に既設の柱と柱との間にアルミサッシなどが設けられている場合に好適なものとして説明したが、通常の柱単体の補強をする場合は、下記の構成として耐震効果を得ることができる。
すなわち、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートからなる補強用増厚材で埋設するものである。
つまり、前記補強用増厚材の付着力、引張強度、曲げ強度が高くなり、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、従来から知られている巻立て工法を採用しながらも十分な耐震構造を得ることができる。
また、既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を補強用増厚材で埋設し、しかも、この補強用増厚材を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したものであってもよい。
この場合、補強用増厚材は前述した樹脂モルタルや樹脂コンクリートよりもさらに高い付着力、十分な引張強度及び曲げ強度、そして十分な靭性と柔軟性とが期待できることから補強部材との接着力も極めて高くなり、やはり従来の巻立て工法を採用しながら、肉厚の薄い補強としつつ、かつより確実な補強効果、耐震効果を得ることができる。
以下、添付図に基づいて、本発明の実施例を具体的に説明する。
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係る既設柱の補強構造を示す説明図、図2は同横断面図である。なお、本実施例においては、既設柱1は所定間隔をあけて複数立設されており、既設柱1同士間には間口が形成され、この間口内には図示しないアルミサッシが取付けられているものとする。
かかる既設柱1の耐震性を高めるために、本実施例に係る補強構造は、図1及び図2に示すように、既設柱1の側半部11,12それぞれを囲繞できるように略コ字状に形成した第1の補強部材3a及び第2の補強部材3bを、これら補強部材3a,3bの自由端同士が対向状態となるように前記既設柱1を抱くように取付けている。
前記第1の補強部材3a及び第2の補強部材3bは、それぞれ縦筋となる主筋31を既設柱1の半側周面(図面上、前後の半側周面)ごとに、外周面に沿って適宜間隔で蜜状態に配設するとともに、平面視略コ字状とした横筋となる帯筋32を、これも既設柱1の半側周面ごとに、それぞれ上下方向に密に配設するとともに、各主筋31とそれぞれ溶接して構成している。なお、前記主筋31は、既設柱1に直接打ち込むアンカーなどを具備する取付金具(図示せず)を介して既設柱1に連結固定している。
そして、前記第1の補強部材3a及び第2の補強部材3bを補強用増厚材4により埋設している。
前記補強用増厚材4は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材とを、1:3〜8の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルを材料としている。さらに、架橋材としてZnOを使用するとともに、助剤としてグリシンを使用して金属架橋を促すようにすることもできる。なお、前記主材に代えてセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとしてもよい。
上記ポリマーセメントモルタルは、極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、かつ十分な靭性と柔軟性を有するので、コンクリート躯体である既設柱1が変位したりしてもその動きに追従し、後に補強部分がひび割れしたり崩壊することを確実に防止することができ、さらに、第1、第2の補強部材3a,3bをしっかりとグリップすることができる。したがって、補強厚みを比較的薄くしながらも耐震構造として十分な強度を有し、また、補強後については既設柱1の配設空間を狭めることがない。
上記ポリマーセメントモルタルの強力な付着力は、下記のメカニズムから生じると考えられる。
すなわち、無機物質は、一般に構成元素が規則的に配列した結晶構造をもっており、大きな機械的強度や高い融点を有する優れた性質を備える一方、表面の構造欠陥も大きく、脆性体としての特徴もある。そして、このような表面は水を吸着して安定化しようとし、表面で解離した水のH+は表面の酸素と結合して水酸基OHを形成する。この水酸基は有機物との化学反応性があり、また、主材中の酸化珪素の表面は極性が大きく反応性に富んでいるので種々な有機反応が可能である。またセメント成分であるCaOは塩基性の強い酸化物で、Ca+2の成分を溶出し、水和を内部まで進行させる。
無機素材を水などの溶液に接触させると、表面水酸基の解離、イオンの吸着、分子の双極子配向などにより界面に電位差を生じ、電気二重層を形成させる。無機素材表面の電化の性質は分散、吸着、電着による表面改質や素材間の吸着に大きな影響力をもつ。また、この電荷はアルカリ性環境下で負電荷を帯びる。さらに、アルカリ性で電解質が存在する条件下では吸着量が増大する。
上記したポリマーセメントモルタルからなる補強用増厚材4は、無機質主剤が有するこのような性質を、多数の親水基をもち屈曲性を有する水溶性のアクリル酸エステルを主成分とする複合ポリマーエマルジョンと混和し、その相互作用により固体表面への吸着性能の大きい、耐水性、耐環境性に優れた接着層を形成することから、強力な付着力が生じるものと考えられている。
しかも、上記したように、セメント成分が強アルカリ環境にあるので、第1、第2の補強部材3a,3bや取付金具などで発生しやすい錆を、不動酸化物の一種でその主成分が水化酸化鉄(II)である酸化皮膜(黒錆)に変性させて腐食を防止することができる。したがって、補強効果をきわめて長期間維持することができる。
また、上記したポリマーセメントモルタルは無害であり、施工中及び施工後についても有害ガスを発生したり、引火・爆発のおそれもない。
このように、本実施例では、既設柱1に連結固定した主筋31に、略コ字状とした帯筋32を取付け、既設柱1の半側部を抱くように上下に密に配設しているので、既設柱1同士の間にアルミサッシなどが配設されていても簡単に施工することができ、しかも十分な強度を有することが実験的に確かめられた。
また、上述の補強用増厚材4を用いることによって、第1、第2の補強部材3a,3bを塗り込めるだけの薄い厚みの補強だけで十分な耐震効果を奏する。
上述してきた補強構造は、下記の手順で施工される。
(1)ケレン工程
先ず、既設柱1の表面をディスクサンダーなどで削り、旧い塗膜等を剥離させる。
(2)下塗り工程
次いで、前述の増厚材と同成分からなる下塗り材を、既設柱1の表面に吹き付けあるいはハケ塗りする。このときの下塗り材は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材とを、1:3.5の割合で混合して生成している。
(3)補強部材取付工程
既設柱1の側半部11,12を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材3a,3bを対向状態に取付ける。すなわち、各補強部材3a,3bを構成する主筋31を、既設柱1の側半部11,12の外周面に沿って、図示しない取付金具を用いて密状態に配置していく。次いで、既設柱1の側半部11,12に対応するように、予め略コ字状に折曲形成した帯筋32を、前記主筋31に溶接しながら上下方向に密に配置していく。かかる主筋31、帯筋32の配設により、既設柱1の側半部11,12に第1及び第2の補強部材3a,3bが対向状態に構築される。
このとき、図3に示すように、前記複数の帯筋32のうち、適宜の帯筋32を第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとで共用する共用帯筋32’とし、第1及び第2の補強部材3a,3bが構築されたときに、両者が共用した前記共用帯筋32’によって連結された状態とする。
(4)増厚工程
そして、前述した成分構成からなる補強用増厚材4を積層して第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとを埋設するのであるが、このとき、先ず第1増厚工程として、前記下塗り材と同質成分からなる増厚材を吹き付け又はハケ塗りして所定厚み分増厚する。すなわち、ここでの補強用増厚材4は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材とを、1:3.5の割合で混合して生成したものである。
次いで、この第1増厚工程に連続して、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材とを、1:7の割合で混合して生成した補強用増厚材4をコテ塗りする第2増厚工程を実行してさらに所定の増厚量を得る。
そして、増厚量が補強に必要な所定厚みとなるように、前記第1増厚工程と第2増厚工程とを必要回数繰り返すのである。
(5)養生工程
その後、適宜時間おいて補強用増厚材4を固化させるとともに養生して既設柱1の補強が完了する。
このように、きわめて簡単な施工で十分な補強が行え、作業コストを従来よりも大幅に低減することができる。また、前記複数の帯筋32のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとで共用したために、第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとが連結されることになり、第1、第2の補強部材3a,3bの各自由端部分があたかも観音開きのように外方へ開いてしまうこと(図6参照)を確実に防止することができ、より補強強度を増すことができる。
しかも、第1の補強部材3aと第2の補強部材3b同士の連結が極めて簡単となり、低コスト化が図れ、また、帯筋32の配筋数などの設定によって、所望する補強強度を得やすくなる。
なお、前記(3)の補強部材取付工程において、複数の帯筋32のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとで共用したものとして説明したが、前記第1の補強部材3aと第2の補強部材3bが備える複数の帯筋32のうち、すくなくとも対向する一対の帯筋32同士を、他の連結部材で連結してもよい。連結部材としては帯筋32などと同質の金属材料を用い、これを溶接により連結することが可能である。
ところで、前記補強部材3a,3bは、主筋31と帯筋32とからそれぞれ構成したものとしたが、変形例として、それに代えて、図4に示すように、予め網状とした第1のメッシュ体5aと第2のメッシュ体5bとを第1の補強部材3aと第2の補強部材3bとして用いることもできる。この場合の補強効果も前述同様である。なお、この場合、第1、第2のメッシュ体5a,5bを既設柱1に沿って配設する際には、図示しない取付金具を用いて直接取付ければよい。さらに、第1、第2のメッシュ体5a,5b同士は、同構成のメッシュ体を連結材として用い、この連結材の両端を前記第1、第2のメッシュ体5a,5bにそれぞれ溶接するなどすればよい。
(第2実施例)
図5は第2実施例を示しており、ここでは、前記第1、第2の補強部材3a,3bに代えて、第1、第2の補強鋼板6a,6bを用いている。なお、図5において使用した符号は、第1実施例と同一構成要素については同一符号とした。
すなわち、既設柱1の両側半部11,12を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1、第2の補強鋼板6a,6bを、対向状態となるように接着剤7を介して取付けている。
しかも、前記接着剤7を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したポリマーセメントモルタルとしている。
すなわち、この場合は、ケレン工程の後、既設柱1の両側半部11,12全体に上記接着剤7を塗布し、次いで既設柱1の両側半部11,12に対応するように略コ字状に成形した第1、第2の補強鋼板6a,6bを配設し、アンカーボルト8で既設柱1に連結固定している。
既設柱1の外周面には第1、第2の補強鋼板6a,6bが露出した状態での補強構造となるが、上記接着剤7による強力な接着力によって、既設柱1と補強鋼板6a,6bとが略一体化され、耐震効果の高い十分な補強が行える。
そして、この場合も補強に要する厚みが薄く済むので、柱配設空間を狭めることがない。しかも、補強工事がきわめて簡単であり、コスト的にも有利となる。
また、この場合においても、第1の補強鋼板6a及び第2の補強鋼板6bの対向する自由端同士を、前記既設柱1の縦方向において少なくとも一箇所で連結するとよい。
かかる構成により、第1、第2の補強鋼板6a,6bの自由端部分があたかも観音開きのように外方へ開いてしまうこと(図6参照)を確実に防止して、より補強強度を増すことができる。なお、連結する材料としては、第1、第2の補強鋼板6a,6bの一部同士を同質の連結用鋼板で溶接などにより連結してもよいし、第1の補強鋼板6a及び第2の補強鋼板6bの外周を実施例1で示した帯筋32同様の補強筋で巻くこともできる。このとき、補強筋と第1の補強鋼板6a及び第2の補強鋼板6bとを適宜溶接するとよい。
(第3実施例)
図6は第3実施例を示している。上述してきた第1、第2実施例では、特に既設の柱と柱との間にアルミサッシなどが設けられている場合に好適なものとして説明したが、通常の柱単体の補強をする場合は、下記の構成として耐震効果を得ることができる。なお、図6において使用した符号は、第1実施例及び第2実施例と同一構成要素については同一符号とした。
図6に示すように、本実施例においては、既設柱1の全体を補強部材9により囲繞し、この補強部材9を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートからなる補強用増厚材4で埋設している。
補強部材9として、ここでは実施例1同様に主筋31と帯筋32とからなる補強筋としたが、実施例1の変形例で説明したようなメッシュ体であっても良いし、実施例2で説明したような鋼板であっても構わない。
つまり、補強用増厚材4を、通常のモルタルやコンクリートなどに代えて、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートを用いることにより、補強用増厚材の付着力、引張強度、曲げ強度を向上させることができ、さらに、樹脂モルタルや樹脂コンクリートは、通常のモルタルやコンクリートなどよりも靭性と柔軟性とを有していることから、補強部材9との接着力も強力であり、従来から知られている巻立て工法を採用しながらも十分な耐震構造を得ることができる。
また、前記補強用増厚材として、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したものとすることができる。
この場合、補強用増厚材は前述した樹脂モルタルや樹脂コンクリートよりもさらに高い付着力、十分な引張強度及び曲げ強度、そして十分な靭性と柔軟性とが期待できることから補強部材との接着力も極めて高くなり、やはり従来の巻立て工法を採用しながら、肉厚の薄い補強としつつ、かつより確実な補強効果、耐震効果を得ることができる。
第1実施例に係る既設柱の補強構造を示す説明図である。 同横断面図である。 共用帯筋の説明図である。 同補強構造の変形例を示す説明図である。 第2実施例に係る既設柱の補強構造を示す説明図である。 第3実施例に係る既設柱の補強構造を示す説明図である。 従来の既設柱の補強構造の説明図である。
符号の説明
1 既設柱
3a 第1の補強部材
3b 第2の補強部材
4 補強用増厚材
6a 第1の補強鋼板
6b 第2の補強鋼板
7 接着剤
9 補強部材

Claims (10)

  1. 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ略コ字状に形成した第1の補強部材及び第2の補強部材を、これら補強部材の自由端同士が対向するように前記既設柱に取付けるとともに、両補強部材を補強用増厚材で埋設したことを特徴とする既設柱の補強構造。
  2. 前記補強用増厚材は、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたことを特徴とする請求項1記載の既設柱の補強構造。
  3. 前記補強用増厚材は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したことを特徴とする請求項1記載の既設柱の補強構造。
  4. 前記第1の補強部材及び第2の補強部材の対向する自由端同士を、少なくとも一箇所で連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設柱の補強構造。
  5. 前記第1の補強部材及び第2の補強部材を、それぞれ複数の縦筋と複数の横筋とから構成し、前記複数の横筋のうち、すくなくとも一つを第1の補強部材と第2の補強部材とで共用したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の既設柱の補強構造。
  6. 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートとしたことを特徴とする既設柱の補強構造。
  7. 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ断面視略コ字状に形成した第1の補強鋼板及び第2の補強鋼板を、前記既設柱に接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したことを特徴とする既設柱の補強構造。
  8. 前記第1の補強及び第2の補強鋼板の対向する自由端同士を、前記既設柱の縦方向において少なくとも一箇所で連結したことを特徴とする請求項6又は7に記載の既設柱の補強構造。
  9. 既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を、ポリマーセメントモルタル等の樹脂モルタル又はこの樹脂モルタルに骨材を混入した樹脂コンクリートからなる補強用増厚材で埋設したことを特徴とする既設柱の補強構造。
  10. 既設柱を補強部材により囲繞し、この補強部材を補強用増厚材で埋設し、しかも、この補強用増厚材を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜8の割合で混合して生成したことを特徴とする既設柱の補強構造。
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