JP5922993B2 - 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体およびライニング方法 - Google Patents

複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体およびライニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体およびライニング方法に関し、さらに詳しくは、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料のひずみ硬化特性を効果的に発揮させて、構造体の曲げ耐力をさらに向上させる構造体およびライニング方法に関するものである。
桟橋や道路橋を支える鋼管杭、鋼管橋脚や鉄筋コンクリート支柱などの柱部材、桟橋や道路橋を構成する鋼桁や鉄筋コンクリート桁などの梁部材を補強する際には、例えば、補強対象体(柱部材や梁部材)の表面にコンクリートを増し打ちすることが行なわれている。しかしながら、コンクリートは、ほとんど伸びないため引張力に対抗することができず、増し打ちしたコンクリートは、専ら圧縮力に対抗することになる。そこで、増し打ちしたコンクリートの表面に鋼板を巻き立てるなどして引張力に対しても十分に対抗できる補強も行なわれている。
一方で、コンクリートに補強繊維を混入することにより、伸びひずみを増大させた短繊維補強セメント複合材料や複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(以下、HPFRCCという)を用いたライニング方法や構造体が提案されている(特許文献1参照)。短繊維補強セメント複合材料やHPFRCCは、通常のコンクリートに比べて引張力に対する変形性能に優れ、複数の微細なひび割れを形成して擬似ひずみ硬化特性を示すので、引張強度および靭性の向上を期待することができる。
ところで、従来、柱部材等に対するコンクリートまたはモルタル巻き立てによる補強構造では、補強層となるライニング部は、上部工や下部工との接合面(境界面)までにしか形成されていないのが一般的である。構造体に地震等により水平力が作用すると、通常、柱部材と上部工や下部工との接合面(断面が大きく変化する部分)に最大曲げモーメントが発生する。したがって、ライニング部が上部工や下部工との接合面(境界面)までにしか形成されていない従来の補強構造では、構造体に水平力が作用した際に、ライニング部は曲げ圧縮応力に抵抗するだけで、曲げ引張り応力に対する抵抗は期待できない。即ち、ライニング部にHPFRCCを使用しても、従来の補強構造では、HPFRCCのひずみ硬化特性を十分に発揮させることができず、構造体の曲げ耐力を向上させることが難しいという問題があった。
特開2011−184859号公報
本発明の目的は、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料のひずみ硬化特性を効果的に発揮させて、補強対象体の曲げ耐力をさらに向上させる構造体およびライニング方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体は、上部工を支えて立設される補強対象体の表面に補強対象体の軸方向に延設して固定された金属製の応力伝達部材と、この応力伝達部材とともに補強対象体の表面を覆う複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料とで構成された補強層を、前記補強対象体に固定して一体化させるとともに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を、前記上部工を形成するコンクリートに入り込ませて、このコンクリートと前記補強層とを一体化させたことを特徴とする。
また、本発明の別の構造体は、立設される補強対象体の表面に補強対象体の軸方向に延設して固定された金属製の応力伝達部材と、この応力伝達部材とともに補強対象体の表面を覆う複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料とで構成された補強層を、前記補強対象体に固定して一体化させ、さらに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により前記補強対象体によって支えられる上部工を形成して、この上部工と前記補強層とを連続させて一体化させたことを特徴とする。
本発明の構造体では、例えば、前記応力伝達部材が、前記上部工の前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で形成された部分にまで延設されている仕様にする。前記上部工との境界となる前記補強層の部分が、補強層の別の部分よりも拡幅化されている仕様にすることもできる。前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料が、圧縮強度90MPa以上でかつ、引張終局ひずみが0.5%以上であり、補強繊維を高強度ポリエチレン繊維にした超高強度ひずみ硬化型セメント系材料である仕様にすることもできる。前記応力伝達部材としては、例えば、異形鉄筋を用いる。
本発明の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法は、構造体の上部工を支えて立設される補強対象体の表面に、金属製の応力伝達部材を補強対象体の軸方向に延設して固定した後、前記補強対象体の表面外側に型枠を配置し、この型枠と前記補強対象体の表面との間に複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を打設して前記応力伝達部材を覆って固化させることにより補強層を形成して、この補強層と前記補強対象体とを一体化させるとともに、前記上部工を形成するコンクリートに、前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を入り込ませて、このコンクリートと前記補強層とを一体化させることを特徴とする。
本発明の別のライニング方法は、立設される補強対象体の表面に、金属製の応力伝達部材を補強対象体の軸方向に延設して固定した後、前記補強対象体の表面外側および前記補強対象体によって支えられる構造体の上部工に相当する対象部分の外側に型枠を配置し、この型枠と前記補強対象体の表面との間および前記対象部分に複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を打設して、前記応力伝達部材を覆って固化させることにより補強層を形成して、この補強層と前記補強対象体とを一体化させ、さらに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により前記対象部分を形成して、前記補強層と上部工とを連続させて一体化することを特徴とする。
本発明のライニング方法では、例えば、前記応力伝達部材を、前記上部工の前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で形成された部分にまで延設する。前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料として、例えば、圧縮強度90MPa以上でかつ、引張終局ひずみが0.5%以上であり、補強繊維が高強度ポリエチレン繊維である超高強度ひずみ硬化型セメント系材料を使用し、前記応力伝達部材として、異形鉄筋を使用する。
本発明によれば、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により形成される補強層と、上部工とが一体化する。これにより、構造体に水平力が作用した際に最大の曲げモーメントが生じる上部工と補強対象体との接合面(断面積が大きく変化する部分)が複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により補強される。それ故、水平力により生じる曲げ圧縮応力および曲げ引張り応力に十分に対抗して構造体の曲げ耐力をさらに向上させることができる。
本発明の構造体の内部構造を例示する正面図である。 図1のA−A断面図である。 図1の構造体を製造するに際して、鋼管杭の表面に応力伝達部材を固定し、上部工の下端部をはつった状態を例示する正面図である。 鋼管杭の表面外側に型枠を配置した状態を例示する正面図である。 応力伝達部材を上部工の下端部まで延設した構造体を例示する正面図である。 上部工との境界となる補強層の部分が、補強層の別の部分よりも拡幅化されている構造体の内部構造を例示する正面図である。 上部工との境界となる補強層の部分が、補強層の別の部分よりも拡幅化されたテーパ部になっている構造体の内部構造を例示する正面図である。 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で形成された上部工と補強層とを連続させて一体化させた構造体の内部構造を例示する正面図である。 図8のB−B断面図である。 図8の構造体を製造するに際して、鋼管橋脚の表面に応力伝達部材を固定し、鋼管橋脚の上端部に鉄筋を配置した状態を例示する正面図である。 図10の鋼管橋脚の表面外側および上部工に相当する対象部分の外側に型枠を配置した状態を例示する正面図である。 上部工と補強層とを連続させて一体化させて製造した構造体の内部構造を例示する正面図である。 鋼管橋脚に本発明を適用した場合の構造体の内部構造を例示する正面図である。 曲げ試験の説明図である。 曲げ試験の試験サンプル(比較例)を例示する断面図である。 曲げ試験の試験サンプル(実施例1)を例示する断面図である。 曲げ試験の試験サンプル(実施例2)を例示する断面図である。 曲げ試験の試験サンプル(実施例3)を例示する断面図である。 曲げ試験の試験サンプル(実施例4)を例示する断面図である。 比較例1の曲げ試験結果を例示するグラフ図である。 実施例1の曲げ試験結果を例示するグラフ図である。 実施例2の曲げ試験結果を例示するグラフ図である。 実施例3の曲げ試験結果を例示するグラフ図である。 実施例4の曲げ試験結果を例示するグラフ図である。
以下、本発明の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体およびライニング方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、2に例示するように、本発明の構造体1は、上部工6を支えて立設される補強対象体2の表面に固定された金属製の応力伝達部材5と、補強対象体2の表面を覆う複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料4(以下、HPFRCC4という)とで構成された補強層3と、上部工6を形成するコンクリートとが一体化されて構築されている。この実施形態では、コンクリート6aと鉄筋6bとで形成された桟橋等の上部工6を支える鋼管杭2aが補強対象体2になっている。鋼管杭2aの内部には中詰コンクリート2cが充填されている。
応力伝達部材5は、鋼管杭2aの軸方向に延設されている。この応力伝達部材5とともにHPFRCC4とで構成された補強層3が鋼管杭2aに固定されて一体化されている。さらに、HPFRCC4が上部工6を形成するコンクリート6aに入り込んで、このコンクリート6aと補強層3とが一体化されている。
応力伝達部材5としては、例えば、異形鉄筋が使用される。その他に、丸棒鉄筋などの種々の金属棒、型鋼等を用いることもできる。応力伝達部材5は、円筒断面の鋼管杭2aに対して周方向等間隔で配置される。例えば、12本の異形鉄筋が、円筒断面の鋼管杭2aに対して周方向等間隔で配置され、鋼管杭2aの軸方向(管長手方向)に平行に延設される。それぞれの応力伝達部材5は、点溶接によって鋼管杭2aの外周表面に固定される。図における符号Wは、鋼管杭2aと応力伝達部材5との点溶接部を示している。応力伝達部材5の本数や配置は、この実施形態に限定されず、適宜決定することができる。応力伝達部材5を異形鉄筋にした場合、例えば、呼び名D6〜D19の仕様を用いて、それぞれを300mm〜500mmの等間隔で配置する。
応力伝達部材5の鋼管杭2aに対する固定は、点溶接に限らず、応力伝達部材5を全長に渡って溶接することもできる。また、ボルト等の固定部材や磁石を用いて応力伝達部材5を鋼管杭2aに固定することもできる。
HPFRCC4の構成材料は、セメント、細骨材、混和材、混和剤、強化繊維、水である。セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメントを用いる。細骨材としては、例えば、珪砂を用いる。混和材としては、例えば、フライアッシュを用いる。混和剤としては、例えば、高性能AE減水剤および消泡剤を用いる。強化繊維としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、高強度ポリエチレン繊維を用いて、これら繊維の直径は、0.04mm程度、長さ12mm程度、弾性係数40.6GPa程度、引張破断強度1690MPa程度である。補強繊維混入率は、体積割合で0.5%〜2.0%程度である。
HPFRCC4の中でも、超高強度および超高靭性を併せ持つ超高強度ひずみ硬化型セメント系材料(以下、UHP−SHCCという)を用いるとよい。UHP−SHCCの構成材料は、セメント、細骨材、混和材、混和剤、強化繊維、水である。セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメントを用いる。細骨材としては、例えば、珪砂を用いる。混和材としては、例えば、シリカフュームおよび膨張材を用いる。混和剤としては、例えば、高性能AE減水剤および消泡剤を用いる。強化繊維としては、例えば、高強度ポリエチレン繊維(直径0.012mm程度、密度0.97g/cm2程度、弾性係数88GPa程度、引張破断強度2700MPa程度)を用いる。
補強層3(HPFRCC4)の層厚は、補強に必要な強度等に基づいて決定されるが、応力伝達部材5の腐食等を防止するために、かぶり厚は30mm以上とする。
補強層3にHPFRCC4を使用した場合、鋼管杭2aが負荷を受けて変形した際に、引張応力下においてHPFRCC4に複数の微細ひび割れが発生することで、通常のセメント材料に比して高い靭性や強度を発揮する。さらに、鋼管杭2aの外周表面に鋼管杭2aの軸方向に延設するように固定した応力伝達部材5によって、鋼管杭2aとHPFRCC4とが応力伝達部材5の延設方向に連続的に一体化しているので、鋼管杭2aとHPFRCC4との剥離が生じ難くなっている。そのため、微細なひび割れがHPFRCC4のより広い範囲に分散されて、HPFRCC4が有する擬似ひずみ硬化特性を効果的に発揮させることができ、一段と耐力を向上させた補強が可能になる。
加えて、本発明の構造体1では、HPFRCC4を、上部工6を形成するコンクリート6aに入り込ませて、コンクリート6aと補強層3とを一体化させているので、構造体1に水平力が作用した際に最大の曲げモーメントが生じる上部工6と鋼管杭2aとの接合面(断面積が大きく変化する部分)がHPFRCC4により補強されることになる。そのため、補強層3を構成するHPFRCC4が、水平力により生じる上部工6と鋼管杭2aとの接合面における曲げ圧縮応力だけでなく、曲げ引張り応力に対抗することができる。即ち、この曲げ圧縮応力を補強層3の広い範囲に分担させることにより、構造体1の曲げ耐力をさらに向上させることが可能になっている。このようにして、HPFRCC4のひずみ硬化特性が効果的に発揮できる構造になっている。
上部工6を形成するコンクリート6aにHPFRCC4を入り込ませる深さ(上下方向長さ)は、10cm以上であれば一定の効果が得られるので、例えば、10cm〜30cmに設定する。
この構造体1を構築して鋼管杭2aを補強する手順は、以下のとおりである。
まず、図3に例示するように、既設の鋼管杭2aの外周表面に、応力伝達部材5を点溶接する。これにより、応力伝達部材5を補強対象部分のほぼ全長に渡って鋼管杭2aの軸方向に延設するように固定する。また、既設の上部工6の下端部(コンクリート6a)をはつっておく。
次いで、図4に例示するように、鋼管杭2aの外周表面外側にすき間をあけて型枠8を配置する。この実施形態では、合成樹脂繊維製のシールカバーを型枠8として使用しているが、一般的な剛体の型枠8を用いることもできる。この型枠8を鋼管杭2aの外周に巻付けて、下端部等を結束バンド等の固定部材9によって締め付けて固定する。鋼管杭2aの外周に固定された型枠8の下端部には注入管10aが設けられ、上端部にはエア抜き管10bが設けられている。
次いで、注入管10aからHPFRCC4を注入して、この型枠8と鋼管杭2aの外周表面との間のすき間にHPFRCC4を打設する。上部工6の下端部のコンクリート6aをはつった部分にもHPFRCC4を入り込ませる。打設したHPFRCC4により応力伝達部材5aを覆って固化させることにより補強層3を形成するとともに、補強層3と鋼管杭2aとを一体化させる。さらに、上部工6の下端部に入り込ませたHPFRCC4と上部工を形成するコンクリート6aとを固着させてコンクリート6aと補強層3とを一体化させることにより、構造体1を構築する。
上部工6のコンクリート6aをはつった部分(その後、HPFRCC4で形成される部分)にまで応力伝達部材5を延設した状態にして、HPFRCC4を打設することもできる。これにより、図5に例示するように、応力伝達部材5が上部工6のHPFRCC4で形成される部分にまで延設されている構造体1が構築される。この仕様では、上部工6のHPFRCC4で形成される部分にまで延設された応力伝達部材5を通じて、応力がHPFRCC4に伝わるので、一段と耐力を向上させることが可能になる。
図6に例示するように、上部工6との境界となる補強層3の部分が、上部工6よりも狭幅であるとともに補強層2の別の部分よりも拡幅化された拡幅部3aを有する仕様にすることもできる。図7に例示するように、この拡幅部3aを下方に向かって縮径するテーパ部3bにすることもできる。
このように拡幅部3a、テーパ部3bを設けることにより、上部工6との境界となる補強層3の部分への応力集中が抑制されるので、耐力を向上させるには有利になる。図6、図7の仕様の場合も、上部工6のHPFRCC4で形成される部分にまで応力伝達部材5を延設させた仕様にすることもできる。
図8、図9に本発明の構造体1の別の実施形態を例示する。この実施形態は、既設ではなく、新設の鋼管杭2a等を補強対象体2にするものである。この構造体1は、上部工6を支えて立設される鋼管杭2aの表面に固定された応力伝達部材5と鋼管杭2aの表面を覆うHPFRCC4とで構成された補強層3と、上部工6とが一体化されて構築されている。応力伝達部材5は、鋼管杭2aの軸方向に延設されている。この補強層3が鋼管杭2aに固定されて一体化されている。さらに、上部工6が鉄筋6bとHPFRCC4とで形成されていて、補強層3と上部工6とが一体化されている。
この実施形態では、上部工6を形成するHPFRCC4と補強層3とを一体化させているので、先の実施形態と同様に、構造体1に水平力が作用した際に最大の曲げモーメントが生じる上部工6と鋼管杭2aとの上下方向の接合面がHPFRCC4により補強されることになる。そのため、HPFRCC4が、水平力により生じる上部工6と鋼管杭2aとの接合面における曲げ圧縮応力だけでなく、曲げ引張り応力に対抗して、構造体1の曲げ耐力をさらに向上させることが可能になっている。
さらに、上部工6と補強層3とが、同じHPFRCC4によって継ぎ目なく形成されているので、上部工6との境界となる補強層3の部分での応力がより広い範囲のHPFRCC4に分担されるので、応力集中が抑制されて耐力を向上させるには有利になる。図8の仕様の場合も、上部工6(HPFRCC4で形成される部分)にまで応力伝達部材5を延設させた仕様にすることもできる。
この構造体1を構築して鋼管杭2aを補強する手順は、以下のとおりである。
まず、図10に例示するように、新設の鋼管杭2aの外周表面に応力伝達部材5を点溶接する。これにより、応力伝達部材5を補強対象部分のほぼ全長に渡って鋼管杭2aの軸方向に延設するように固定する。また、上部工6を形成する鋼管杭2aの上端部には鉄筋6bを配筋しておく。
次いで、図11に例示するように、鋼管杭2aの外周表面外側にすき間をあけて型枠8を配置し、上部工6に相当する対象部分の外側にも型枠8を配置する。この型枠8を鋼管杭2aの外周に巻付けて、下端部等を結束バンド等の固定部材9によって締め付けて固定する。鋼管杭2aの外周に固定された型枠8の下端部には注入管10aが設けられている。
次いで、注入管10aからHPFRCC4を注入して、この型枠8と鋼管杭2aの外周表面との間のすき間および上部工6に相当する対象部分にHPFRCC4を打設する。図12に例示するように、打設したHPFRCC4により応力伝達部材を覆って固化させることにより補強層3を形成して補強層3と鋼管杭2aとを一体化させる。さらに、HPFRCC4により上部工6を形成して、補強層3と上部工6とを継ぎ目なく連続させて一体化させることにより、構造体1を構築する。
この実施形態の場合も、上述した拡幅部3a、テーパ部3bを有する仕様にすることもできる。また、上部工6のHPFRCC4で形成される部分にまで応力伝達部材5を延設させた仕様にすることもできる。
図13に例示するように、本発明の構造体1は陸上の杭等を補強対象体2にすることもできる。例えば、道路橋などの上部工6を支える鋼管橋脚2bを補強対象体2にできる。この実施形態においても上述した実施形態と同様に、既設の上部工6の下端部をはつって、上部工6を形成するコンクリート6aに、補強層3を構成するHPFRCC4を入り込ませて、このコンクリート6aと補強層3とを一体化させることもできる。或いは、HPFRCC4により上部工6を新設して、補強層3と上部工6とを連続させて一体化させることもできる。また、上述した種々の仕様を適用することができる。
下部工7を形成するコンクリート7aに、補強層3を構成するHPFRCC4を入り込ませて、このコンクリート6aと補強層3とを一体化させることもできる。
本発明は、鋼管杭2a、鋼管橋脚2bだけではなく、鉄筋コンクリート杭、鉄筋コンクリート柱等を補強対象体2とすることができる。
図14に示すように、同仕様の鋼管(長さ2000mm、外径89.1mm、厚さ4.2mm)を補強対象体2として、この鋼管に上部工6および下部工7を設けた5種類の構造体の試験サンプルS(比較例、実施例1〜4)を作製した。鋼管の外周面には応力伝達部材5として異形鉄筋(D6)を鋼管の外周面に周方向に等間隔で4本固定して鋼管の軸方向に延設した。そして、これら異形鉄筋とUHP−SHCC4とからなる厚さ21mmの補強層3を鋼管と一体化させて設けた。鋼管の内部には中詰コンクリートが充填されている。上部工6および下部工7の外形は300mm×300mmの正方形である。
比較例および実施例1〜4に使用したUHP−SHCC4の配合は、水結合材比(W/B)が0.22、砂結合材比(S/B)が0.10、補強繊維混入率(Vf)が1.5%である。Bは結合材(セメント+シリカヒューム+膨張材)を示している。補強繊維は、高強度ポリエチレン繊維(直径0.012mm、長さ6mm、密度0.97g/cm2、弾性係数88GPa、引張破断強度2700MPa)を使用した。
それぞれの試験サンプルSについて、支持部材11により支持スパン1800mmで両端支持し、上部工6側の支持部材11から800mmの位置を載荷点にして、荷重Fを負荷して曲げ試験を行った。その際の荷重Fと載荷点での変位との関係を図20〜図24に示す。
比較例は図15に示すように、UHP−SHCC4を上部工6と下部工7とのそれぞれの境界面までにしか設けなかった仕様である。異形鉄筋は、鋼管と下部工7との境界面から上部工6との境界面の100mm手前まで延設した。
実施例1は図16に示すように、UHP−SHCC4を、上部工6を形成するコンクリート6aに境界面から100mmの位置まで入り込ませた仕様である。その他の仕様は比較例と同じである。
実施例2は図17に示すように、上部工6をUHP−SHCC4により形成して、補強層3と連続させて継ぎ目なく一体化させた仕様である。その他の仕様は比較例と同じである。
実施例3は図18に示すように、図16に示した実施例1の異形鉄筋5を上部工6に境界面から100mmの位置まで延設した仕様である。
実施例4は図19に示すように、図17に示した実施例2の異形鉄筋5を上部工6に境界面から100mmの位置まで延設した仕様である。
図20〜図24に示すように、実施例1〜4は比較例に対して荷重Fの最大値が大きくなり、耐力が向上することが分かる。
実施例1、3の結果(図21、図23)と実施例2、4の結果(図22、図24)との比較により、補強層3を形成するUHP−SHCC4を上部工6のコンクリート6aに入り込ませる仕様と、上部工6をUHP−SHCC4により形成して、UHP−SHCC4により形成される補強層3と一体化させる仕様では同等の耐力向上効果が得られることが分かる。
実施例1、2の結果(図21、図22)と実施例3、4の結果(図23、図24)との比較により、異形鉄筋5を上部工6を形成するUHP−SHCC4にまで延設すると、延設しない場合に比して、耐力が向上することが分かる。
1 構造体
2 補強対象体
2a 鋼管杭
2b 鋼管橋脚
2c 中詰コンクリート
3 補強層
3a 拡幅部
3b テーパ部
4 HPFRCC(UHP−SHCC)
5 応力伝達部材(異形鉄筋)
6 上部工
6a コンクリート
6b 鉄筋
7 下部工
7a コンクリート
8 型枠
9 固定部材
10a 注入管
10b エア抜き管
11 支持部材
S 試験サンプル
W 点溶接部

Claims (10)

  1. 上部工を支えて立設される補強対象体の表面に補強対象体の軸方向に延設して固定された金属製の応力伝達部材と、この応力伝達部材とともに補強対象体の表面を覆う複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料とで構成された補強層を、前記補強対象体に固定して一体化させるとともに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を、前記上部工を形成するコンクリートに入り込ませて、このコンクリートと前記補強層とを一体化させたことを特徴とする複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  2. 立設される補強対象体の表面に補強対象体の軸方向に延設して固定された金属製の応力伝達部材と、この応力伝達部材とともに補強対象体の表面を覆う複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料とで構成された補強層を、前記補強対象体に固定して一体化させ、さらに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により前記補強対象体によって支えられる上部工を形成して、この上部工と前記補強層とを連続させて一体化させたことを特徴とする複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  3. 前記応力伝達部材が、前記上部工の前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で形成された部分にまで延設されている請求項1または2に記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  4. 前記上部工との境界となる前記補強層の部分が、補強層の別の部分よりも拡幅化されている請求項1〜3のいずれかに記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  5. 前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料が、圧縮強度90MPa以上でかつ、引張終局ひずみが0.5%以上であり、補強繊維を高強度ポリエチレン繊維にした超高強度ひずみ硬化型セメント系材料である請求項1〜4のいずれかに記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  6. 前記応力伝達部材が、異形鉄筋である請求項1〜5のいずれかに記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体。
  7. 構造体の上部工を支えて立設される補強対象体の表面に、金属製の応力伝達部材を補強対象体の軸方向に延設して固定した後、前記補強対象体の表面外側に型枠を配置し、この型枠と前記補強対象体の表面との間に複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を打設して前記応力伝達部材を覆って固化させることにより補強層を形成して、この補強層と前記補強対象体とを一体化させるとともに、前記上部工を形成するコンクリートに、前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を入り込ませて、このコンクリートと前記補強層とを一体化させることを特徴とする複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法。
  8. 立設される補強対象体の表面に、金属製の応力伝達部材を補強対象体の軸方向に延設して固定した後、前記補強対象体の表面外側および前記補強対象体によって支えられる構造体の上部工に相当する対象部分の外側に型枠を配置し、この型枠と前記補強対象体の表面との間および前記対象部分に複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を打設して、前記応力伝達部材を覆って固化させることにより補強層を形成して、この補強層と前記補強対象体とを一体化させ、さらに、この複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料により前記対象部分を形成して、前記補強層と上部工とを連続させて一体化することを特徴とする複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法。
  9. 前記応力伝達部材を、前記上部工の前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で形成される部分にまで延設する請求項7または8に記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法。
  10. 前記複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料として、圧縮強度90MPa以上でかつ、引張終局ひずみが0.5%以上であり、補強繊維が高強度ポリエチレン繊維である超高強度ひずみ硬化型セメント系材料を使用し、前記応力伝達部材として、異形鉄筋を使用する請求項7〜9のいずれかに記載の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法。
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