JP2004060269A - 袖壁付柱の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】袖壁付きの既設柱を、十分な耐震性を有するように補強でき、しかも柱配設空間を狭めたりすることなく、かつ低コストで施工できるようにする。
【解決手段】既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袖壁付柱の補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、袖壁が連設された柱を、地震などに耐えられるように補強する場合、図5に示す構造となるようにしていた。
【0003】
すなわち、既設柱100に連設された袖壁200における前記既設柱100に近接した位置に、適宜間隔をあけて上下に複数の貫通孔300を穿設する。
【0004】
次いで、既設柱100の外周面に沿って縦筋となる主筋410を適宜間隔で配設し、前記各貫通孔300を介して既設柱100を巻くように帯筋420を配設するとともに、前記各主筋410とそれぞれ結束線を用いて結束するか、または溶接し、既設柱100を囲繞する補強筋400を構築する。なお、手順は逆にして、先ず、各貫通孔300を介して既設柱100を巻くように帯筋420をそれぞれ配設するとともに、水平方向に所定間隔をあけて主筋410を配設し、前記各帯筋420とそれぞれ結束線を用いて結束するか、または溶接するようにしてもよい。
【0005】
その後、補強筋400の外方に所要間隔をあけて型枠(図示せず)を設け、型枠内にコンクリート、あるいはモルタルを充填し、硬化・養生させて型枠をはずし、所定の肉厚Dが増された補強柱500とするのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の補強方法、及びその補強結果には、未だ下記の問題が残されていた。
【0007】
すなわち、通常のモルタルやコンクリートでは、既設柱100との馴染みが悪く、既設柱100との付着力に関する信頼性が低いために、既設柱100と補強部分とが確実に一体化なされるかが疑問視されており、信頼性の面で問題とされていた。
【0008】
また、施工についていえば、貫通孔300に関する問題が一番のネックとなっている。すなわち、補強強度を上げるためには、袖壁200に多数の貫通孔300を設ける必要があるが、既設柱100に近接した位置に穿孔すること自体が難しい作業であり、しかも穿孔作業時に騒音を発生するので、作業時間に大きな制約があった。
【0009】
また、袖壁200に多数の貫通孔300を設けるとなると、袖壁200内に既設されている補強鉄筋を切断したりするおそれがあった。(貫通孔300の数を減らしてしまうと、所望する強度を得られないというジレンマがある。)
また、上述した従来の補強方法では、型枠を構築してコンクリートやモルタルを充填するのであるが、コンクリートやモルタルを型枠内全体に円滑に行き渡らせるために、主筋410の数を少なくしている。このように、主筋410を密となるような配筋ができないために、所望する強度を確保するにはコンクリートやモルタルを厚くするしかなく、補強柱500は既設柱100に比べて著しく太くなって、柱配設空間全体が窮屈になっていた。
【0010】
また、貫通孔300に帯筋420を通した後、端部同士をジョイントする必要があるとともに、この工法によれば上述したようにどうしても型枠が必要となるので、施工に手間がかかり、補強工事全体のコストが嵩んでいた。
【0011】
本発明は、上記課題を解決することのできる袖付柱の補強方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとした。
【0013】
また、請求項2記載の本発明では、上記補強部材を補強筋とした。
【0014】
請求項3記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強鉄板を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとした。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとしたものである。
【0016】
また、既設柱の側半部を囲繞可能に形成した上記第1、第2の補強部材としては、それぞれ同種の補強筋、あるいは鉄板とすることができる。
【0017】
上記した実施の形態によれば、袖壁に貫通孔などを設ける必要がないので、施工時に騒音を発生するおそれがなく、なおかつ袖壁の強度を低下させるおそれもない。さらに、補強用コンクリートは吹き付け、こて塗りなどでもよく、型枠も必要なくなり、補強工事コストを大幅に低減することができる。しかも、補強用コンクリートによる補強厚みも従来に比べて比較的に薄くなり、空間を狭めるおそれがない。
【0018】
また、前記補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合したポリマーセメントとしているので、極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も十分である。
【0019】
なお、ポリマーセメントとしてのより望ましい実施形態としては、架橋材としてZnOを使用し、また助材としてアミノ酸の一つで動物蛋白質に多く含まれているグリシンを使用するものである。かかる構成によれば、ポリマーセメントの上記物性をより高めることができ、さらに、コンクリート躯体が変位したりしてもその動きに追従するので、後に補強部分がひび割れしたり崩壊することを確実に防止することができる。また、防錆機能を果たすことが確認されているので、補強部材が補強筋などのように鋼製であっても錆びて劣化することを防止して補強効果を長期にわたって持続させることができ、十分な耐震効果を得ることができる。
【0020】
特に、補強部材として補強筋を用いることができ、これは配筋数などの設定によって、所望する補強強度を得やすく、また、材料も既存のものでよいために安価な施工が可能となる。
【0021】
また、他の実施の形態として、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強鉄板を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとすることができる。
【0022】
この場合も、上記構成要素からなる接着剤は極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、十分な靭性と柔軟性を有し、補強鉄板との接着力も十分である。
【0023】
なお、上述した実施の形態では、第1、第2の補強部材は袖壁を挟んで分離した状態のものとなっているが、例えば袖壁が一側方にのみ連設されて、他側方には連設されていない場合、この連設されていない側では第1、第2の補強部材を互いに接合することができる。
【0024】
【実施例】
以下、添付図に基づいて、本発明を具体的に説明する。
【0025】
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係る袖壁付柱の補強方法による補強構造を示す説明図、図2は同横断面図である。
【0026】
既設柱1は、所定間隔をあけて複数立設されており、既設柱1同士間が前記袖壁2で連設されていたり、あるいは間口として開口されていたりする場合があるが、本実施例では、図1及び図2に示すように、既設柱1の左右側壁10a,10bから袖壁2,2がそれぞれ連設されたものとして説明する。
【0027】
図1及び図2に示した補強構造において、3aは第1の補強部材として、3bは第2の補強部材としてそれぞれ用いられる補強筋であり、既設柱1の側半部11,12それぞれを囲繞可能に形成して、前記既設柱1から延設した袖壁2,2を挟んで補強筋3a,3bが対向状態に取付けられている。
【0028】
補強筋3a,3bは、それぞれ縦筋となる主筋31を既設柱1の半側周面(図面上、前後の半側周面)ごとに、外周面に沿って適宜間隔で蜜状態に配設するとともに、平面視略コ字状とした帯筋32を、これも既設柱1の半側周面ごとに、それぞれ上下方向に密に配設して各主筋31とそれぞれ溶接して構成している。なお、前記主筋31は、既設柱1に直接打ち込むアンカーなどを具備する取付金具(図示せず)を介して既設柱1に連結固定している。
【0029】
4は補強用コンクリートであり、前記補強筋3a,3bを埋設可能な厚みとしている。
【0030】
かかる補強用コンクリート4は、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントを材料としている。さらに、架橋材としてZnOを使用するとともに、助剤としてグリシンを使用して金属架橋を促すようにすることもできる。
【0031】
上記ポリマーセメントは、極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、かつ十分な靭性と柔軟性を有するので、コンクリート躯体である既設柱1が変位したりしてもその動きに追従し、後に補強部分がひび割れしたり崩壊することを確実に防止することができ、さらに、補強筋3a,3bをしっかりとグリップすることができる。したがって、耐震構造としても十分な強度を有し、補強厚みを比較的薄くすることができ、また、補強後についても柱の配設空間を狭めることがない。
【0032】
上記ポリマーセメントの強力な付着力は、下記のメカニズムから生じると考えられる。
【0033】
すなわち、無機物質は、一般に構成元素が規則的に配列した結晶構造をもっており、大きな機械的強度や高い融点を有する優れた性質を有する一方、表面の構造欠陥も大きく、脆性体としての特徴もある。
【0034】
このような表面は水を吸着して安定化しようとし、表面で解離した水のHは表面の酸素と結合して水酸基OHを形成する。
【0035】
この水酸基は有機物との化学反応性があり、また、主材中の酸化珪素の表面は極性が大きく反応性に富んでいるので種々な有機反応が可能である。
【0036】
またセメント成分であるCaOは塩基性の強い酸化物で、Ca+2の成分を溶出し、水和を内部まで進行させる。
【0037】
無機素材を水などの溶液に接触させると、表面水酸基の解離、イオンの吸着、分子の双極子配向などにより界面に電位差を生じ、電気二重層を形成させる。無機素材表面の電化の性質は分散、吸着、電着による表面改質や素材間の吸着に大きな影響力をもつ。また、この電荷はアルカリ性環境下で負電荷を帯びる。さらに、アルカリ性で電解質が存在する条件下では吸着量が増大する。
【0038】
上記したポリマーセメントモルタルからなる補強用コンクリート4は、無機質主剤が有するこのような性質を、多数の親水基をもち屈曲性を有する水溶性のアクリル酸エステルを主成分とする複合ポリマーエマルジョンと混和し、その相互作用により固体表面への吸着性能の大きい、耐水性、耐環境性に優れた接着層を形成することから、強力な付着力が生じるものと考えられている。
【0039】
しかも、上記したように、セメント成分が強アルカリ環境にあるので、補強筋3a,3bや取付金具などで発生しやすい錆を、不動酸化物の一種でその主成分が水化酸化鉄(II)である酸化皮膜(黒錆)に変性させて腐食を防止することができる。したがって、補強効果をきわめて長期間維持することができる。
【0040】
また、上記したポリマーセメントモルタルは無害であり、施工中及び施工後についても有害ガスを発生したり、引火・爆発のおそれもない。
【0041】
このように、本実施例では、既設柱1に連結固定した主筋31に、略コ字状とした帯筋32を取付け、既設柱1の半側部を抱くように上下に密に配設して補強筋3a,bを構築しているので、従来のように袖壁2に貫通孔を設ける必要がなく、施工が簡単になるとともに、袖壁2の強度を損なうことがない。しかも、上述の補強用コンクリート4を用いることによって、補強筋3a,3bを塗り込めるだけの薄い厚みの補強だけで十分な耐震効果を奏し、柱配設空間を補強前に比べて大きく狭めるおそれもない。
【0042】
上述してきた補強構造は、下記の手順で施工される。
【0043】
先ず、袖付きの既設柱1の側半部11,12を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強筋3a,3bを、前記既設柱1から延設した袖壁2,2を挟んで対向状態に取付ける。
【0044】
すなわち、各補強筋3a,3bを構成する主筋31を、既設柱1の側半部11,12の外周面に沿って、図示しない取付金具を用いて密状態に配置していく。
【0045】
次いで、既設柱1の側半部11,12に対応するように、予め略コ字状に折曲形成した帯筋32を、前記主筋31に溶接しながら上下方向に密に配置していく。かかる主筋31、帯筋32の配設により、既設柱1の側半部11,12には補強筋3a,3bが構築される。
【0046】
そして、上述した成分構成からなる補強用コンクリート4を、吹き付け、あるいはこて塗りにより、補強筋3a,3bが埋設状態となるまで既設柱1上に積層していく。
【0047】
そして、適宜時間固化、養生させて既設柱1の補強が完了する。
【0048】
このように、きわめて簡単な施工で十分な補強が行え、作業コストを従来よりも大幅に低減することができる。袖壁2に穿孔する必要もないので、騒音問題も発生することがない。
【0049】
ところで、前記補強筋3a,3bは、主筋31と帯筋32とからそれぞれ構成したものとしたが、変形例として、それに代えて、図3に示すように、予め網状としたメッシュ体5a,5bを補強筋3a,3bとして用いることもできる。奏する効果も前述同様である。なお、この場合、メッシュ体5a,5bを設柱1に沿って配設する際には、前記した取付金具を用いて直接取付ければよい。
【0050】
(第2実施例)
図4は第2実施例を示しており、ここでは、前記補強筋3a,3bに代えて、補強鉄板6a,6bを用いている。なお、図4において使用した符号は、第1実施例と同一構成要素については同一符号とした。
【0051】
すなわち、既設柱1の両側半部11,12を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強鉄板6a,6bを、前記既設柱1から延設した袖壁2,2を挟んで接着剤7を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤7を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとしている。
【0052】
すなわち、この場合は、既設柱1の両側半部11,12全体に上記接着剤7を塗布し、次いで既設柱1の両側半部11,12に対応するように略コ字状に成形した補強鉄板6a,6bを配設し、アンカーボルト8で既設柱1に連結固定する。
【0053】
既設柱1の外周面には補強鉄板6a,6bが露出した状態での補強構造となるが、上記接着剤7による強力な接着力によって、既設柱1と補強鉄板6a,6bとが略一体化され、耐震効果の高い十分な補強が行える。
【0054】
そして、この場合も補強に要する厚みが薄く済むので、柱配設空間を狭めることがない。しかも、補強工事がきわめて簡単であり、コスト的にも有利となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は上記した形態で実施されるものであり、以下の効果を奏する。
【0056】
(1)請求項1記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとした。したがって、袖壁に貫通孔などを設ける必要がないので、施工時に騒音を発生するおそれがなく、なおかつ袖壁の強度を低下させるおそれもない。さらに、型枠を設置する必要がなく、補強工事コストを大幅に低減することができる。しかも、補強用コンクリートによる補強厚みも従来に比べて比較的に薄くなり、柱設置空間を狭めるおそれがない。しかも、上記補強用コンクリートを用いることで、極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度を有し、かつ十分な靭性と柔軟性を有していることから、補強部材との接着力も強力であり、十分な耐震構造を得ることができる。
【0057】
また、請求項2記載の本発明では、上記補強部材を補強筋としたことにより、配筋数などの設定によって、所望する補強強度を得やすくなる。また、材料も既存のものでよいために安価な施工となる。
【0058】
請求項3記載の本発明では、既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強鉄板を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとした。したがって、接着剤の極めて高い付着力、引張強度、曲げ強度と、十分な靭性と柔軟性とから、補強鉄板との接着力も十分となり、肉厚の薄い補強で十分な補強効果、耐震効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る袖壁付柱の補強方法による補強構造を示す説明図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】同補強構造の変形例を示す説明図である。
【図4】第2実施例に係る袖壁付柱の補強方法による補強構造を示す説明図である。
【図5】従来の既設柱の補強方法による補強構造の説明図である。
【符号の説明】
1 既設柱
2 袖壁
3a,3b 補強筋(第1、第2補強部材)
4 補強用コンクリート
6a,6b 補強鉄板
7 接着剤
8 アンカーボルト

Claims (3)

  1. 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強部材を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで対向状態に取付け、次いで、両補強部材を補強用コンクリートで埋設し、しかも、同補強用コンクリートは、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとしたことを特徴とする袖壁付柱の補強方法。
  2. 補強部材を補強筋としたことを特徴とする請求項1記載の袖壁付柱の補強方法。
  3. 既設柱の側半部を囲繞可能にそれぞれ形成した第1、第2の補強鉄板を、前記既設柱から延設した袖壁を挟んで接着剤を介して対向状態に取付け、しかも、前記接着剤を、アクリル酸エステル共重合体を主成分とする複合ポリマーエマルジョンと、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とした主材、又はセメント、砂、砂利を主成分としたコンクリートとを、1:3〜10の割合で混合して生成したポリマーセメントとしたことを特徴とする袖壁付柱の補強方法。
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