JP2005105409A - 多孔質シリコン構造体の製造方法および金属担持多孔質シリコンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリコン基体を陽極酸化して前記シリコン基体の表面側から背面側まで貫通する多孔質シリコン層を有する多孔質シリコン構造体を製造でき、また、その多孔質シリコンの孔内部にまで金属の析出を促進させ、さらに析出する金属の分布を制御して多孔質シリコンの表層から数μm程度の深さまで、従来よりも大量の金属を析出させて、金属担持多孔質シリコンを得ることができる。
【解決手段】 シリコン基体の背面側を酸化保護膜で被覆した後、陽極酸化する工程を含む多孔質シリコン構造体の製造方法、およびその多孔質シリコン構造体に、フッ素イオンを200mmol/dm3以下含む金属めっき液を用いて、無電解めっきと電解めっきを行って金属持多孔質シリコンを製造する方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 シリコン基体の背面側を酸化保護膜で被覆した後、陽極酸化する工程を含む多孔質シリコン構造体の製造方法、およびその多孔質シリコン構造体に、フッ素イオンを200mmol/dm3以下含む金属めっき液を用いて、無電解めっきと電解めっきを行って金属持多孔質シリコンを製造する方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、多孔質シリコン構造体の製造方法および金属担持多孔質シリコンの製造方法に関する。
多孔質体は、触媒を担持させる基体などの各種の分野で利用されている。例えば、多孔質体の表層に金属粒子等を析出させ、表層にその金属からなる層を形成した金属担持多孔質体は、各種の分野で利用されている。また、活性炭等の多孔質基体に触媒金属粒子を担持させた触媒が、排出ガス浄化用触媒として利用され、さらには、近年、実用化が期待されている燃料電池への応用が期待されている。例えば、燃料電池は、燃料電池セルを積層した構造を有し、各燃料電池セルは、固体電解質膜を挟んでアノード電極とカソード電極が配置され、さらに、アノード電極の外側に水素含有燃料を供給する燃料供給流路と、カソード電極の外側に酸素含有ガス(空気)を供給するガス供給流路とが配置された構造を有する。この燃料電池セルにおいて、アノード電極(カソード電極)を、触媒が担持された多孔質層で形成し、さらに、アノード電極(カソード電極)の外側に燃料供給流路が一体的に形成された電極構造を実現できれば、燃料電池セルの小型化に有効である。そして、こうした電極構造を、半導体集積回路に利用される微細加工技術を利用して、微小なサイズで形成することができれば、超小型燃料電池を実現できる、と考えられる。
また、燃料電池に限らず、表層に金属薄膜を積層した多孔質体は、気体透過膜または気体分離膜等としての利用も期待されている。前記の触媒は、種々の前駆体から複雑な化学的処理により析出させるナノメータオーダの触媒金属粒子を活性炭等の担持基体に担持させる、複雑な工程によって製造される。そのため、触媒自体の価格は高価にならざるを得ない。
ところで、陽極酸化したシリコンウエハは、表層に直径数nmから数百nmの孔が空孔率50%以上で分布する多孔質シリコンになることが知られており、比較的安価に良質の多孔質シリコンが生成できる。そこで、シリコン微細加工技術を用いたMEMS(Micro Electro Mechanical System)等のように、微細構造製作技術を利用して、片面側にガス供給流路となる条溝を形成し、その条溝の底部から他面側にまで貫通する多孔質シリコン層を形成し、その多孔質シリコン層に触媒金属を担持させて電極層を形成できれば、前記燃料電池セルの電極構造を得ることができる。また、このように片面側から他面側まで貫通する多孔質シリコンは、触媒担持材として用いることが期待される。
しかし、多孔質シリコン層は、脆弱であるため、安定して片面側から他面側まで正確に貫通する構造を得ることは難しかった。すなわち、陽極酸化の進行を直接モニタして多孔質シリコン層が他面側まで貫通した時点を把握することが困難であるため、従来は、陽極酸化時間によって多孔質シリコン層の貫通を調整するしかなかった。そのため、多孔質シリコン層が未貫通であったり、陽極酸化時間を長くした場合には、陽極酸化が進行して多孔質層が崩壊する等の問題があった。
従来、低電流により多孔質シリコン層を形成し、その後、大電流を印加して電解研磨状態として、多孔質シリコン層の背後にトンネル状の空洞を作ることによって貫通状の多孔質シリコン層を形成する方法が、非特許文献1に開示されている。しかしながら、全面を多孔質化し貫通した多孔質シリコン層を形成するといった研究は、ほとんどされておらず、従来は、印加電流と多孔質形成速度の関係から、陽極酸化時間により制御して試行錯誤する程度であった。
また、多孔質シリコン層に触媒金属を付加して触媒担持多孔質シリコン層を製造する場合、物理蒸着では多孔質シリコン層の内部への触媒金属の付加が難しく、多孔質シリコンの表層にのみ触媒金属が堆積するため、触媒層としての性能が不十分である。白金の塩化物錯体溶液を用いためっきによる触媒金属付加の試行がわずかに報告されているが、多孔質内部での白金析出が確認されている程度であり、触媒層としての実用までには至っていない(非特許文献2、非特許文献8参照)。
ところで、多孔質シリコンは、緩やかな還元剤として働き、イオン化傾向がNiよりも高いAu、Pt、Ag、Cu、Snは自然析出し、シリコンは酸化シリコンとして表面に絶縁膜を形成する。そこで、めっき液にフッ酸を混合し、酸化シリコンをフッ酸によって溶解させることで、多孔質シリコンが活発な還元作用を示し、無電解めっきが可能なことが知られている(非特許文献3〜6参照)。この無電解めっきを利用して、太陽電池パネルの光吸収効率を向上させようといった試みがなされている(非特許文献7参照)が、多孔質内部への金属析出分布を制御できるまでには至っていない。
さらに、非特許文献8には、酸性の貴金属塩化物錯体溶液をめっき液として用いて、多孔質シリコンへ電気めっきによる堆積を試みたところ、多孔質層内部への白金析出が確認されたことが報告されている。しかし、多孔質シリコン内部への白金の浸透深さや析出量等を制御するまでに至っていない。
H.maynard,J.Meyers;J.Vac.Technol.B,20(4),p.1287―1297(2002) K.b.Min,S.Tanaka,M.Esashi,Electrochemistry,70,924(2002) T.Tsuboi、T.Sakka,Y.H.Ogata;Appl.Surf.Sci.,147,6(1999) F.A.Harraz,T.Sakka,Y.H.Ogata;Electrochim.Acta,47,1249(2002) F.A.Harraz,T.Tsuboi,T.Sakka,Y.H.Ogata;J.Electrochem. Soc.,149,C456(2002) I.Coulthard,T.K.Sham;Solid State Communications,105,751(1997) S.Yae,Y.Kawamoto,H.Tanaka,N.Fukumuro,M.Matsuda;Electrochemistry Communications,5,632(2003) G.D’Arrigo,C.Spinella,G.Arena,S.Lorenti;Mater.Sci.Eng.C,23,13(2003)
H.maynard,J.Meyers;J.Vac.Technol.B,20(4),p.1287―1297(2002) K.b.Min,S.Tanaka,M.Esashi,Electrochemistry,70,924(2002) T.Tsuboi、T.Sakka,Y.H.Ogata;Appl.Surf.Sci.,147,6(1999) F.A.Harraz,T.Sakka,Y.H.Ogata;Electrochim.Acta,47,1249(2002) F.A.Harraz,T.Tsuboi,T.Sakka,Y.H.Ogata;J.Electrochem. Soc.,149,C456(2002) I.Coulthard,T.K.Sham;Solid State Communications,105,751(1997) S.Yae,Y.Kawamoto,H.Tanaka,N.Fukumuro,M.Matsuda;Electrochemistry Communications,5,632(2003) G.D’Arrigo,C.Spinella,G.Arena,S.Lorenti;Mater.Sci.Eng.C,23,13(2003)
そこで、本発明の第1の目的は、表面側から背面側まで正確に貫通した多孔質シリコン層を有する多孔質シリコン構造体を安定して得ることができる方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、多孔質シリコンの孔内部にまで金属の析出を促進させ、さらに析出する金属の分布を制御して多孔質シリコンの表層から数μm程度の深さまで、従来よりも大量の金属を析出させて、金属担持多孔質シリコンを得ることができる方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、フッ素イオンを含む陽極酸化液を用いてシリコン基体を陽極酸化して多孔質シリコン層を形成するに際して、陽極酸化を行なう表面と反対側の背面を酸化保護被膜で被覆して陽極酸化することによって、表面側から背面側まで正確に貫通した多孔質シリコン層を形成できることを見出した。さらに、金属を含む陽極酸化液をめっき溶液として用いて無電解めっきと電解めっきを並行して行うことによって、多孔質シリコンの孔内部への金属の析出が促進され、表層だけでなく、表層の内部にまで金属が均一に析出することを見出した。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シリコン基体を陽極酸化して前記シリコン基体の一面側から他面側まで貫通する多孔質シリコン層を有する多孔質シリコン構造体を製造する方法であって、前記シリコン基体の他面側を酸化保護膜で被覆した後、フッ素イオン濃度0.5mol/dm3〜30mol/dm3の陽極酸化液を用いてシリコン基体を陽極酸化する工程を含む多孔質シリコン構造体の製造方法を発明の構成とする。
この多孔質シリコン構造体の製造方法では、シリコン基体の他面側を酸化保護膜で被覆した後、陽極酸化液を用いてシリコン基体を陽極酸化することによって、シリコン基体の表面側から背面側まで貫通した多孔質シリコン層を形成することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多孔質シリコン構造体の製造方法において、前記シリコン基体の他面側に、導電性保護膜、前記酸化保護膜の順で積層した後、前記陽極酸化を行うことを特徴とする。
この多孔質シリコン構造体の製造方法では、前記シリコン基体の他面側に、導電性保護膜、前記酸化保護膜の順で積層した後、前記陽極酸化を行うことによって、前記導電性保護膜を介して、陽極酸化時の印加電圧を連続的に検知することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多孔質シリコン構造体の製造方法において、前記導電性保護膜を介して前記陽極酸化の印加電圧を検知することを特徴とする。
この多孔質シリコン構造体の製造方法では、前記導電性保護膜を介して前記陽極酸化の印加電圧の低下を検知することによって、前記シリコン基体の一面側から他面側まで多孔質シリコン層が貫通する時期を正確に検知することができる。
前記第2の目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、フッ素イオンを200mmol/dm3以下含む金属めっき液を用いて、無電解めっきと電解めっきを並行して行うことにより金属を多孔質シリコン基体に析出させる工程を含むことを特徴とする金属担持多孔質シリコンの製造方法を発明の構成とする。
この金属担持多孔質シリコンの製造方法において、フッ素イオンを200mmol/dm3以下含む金属めっき液を用いて無電解めっきと電解めっきを並行して行うことによって、フッ素イオンによって、まず、シリコンの表面に存在する自然酸化膜(酸化シリコン膜)が除去され、シリコン真性面が現われる。そして、シリコンが還元剤として働き、金属めっき液中の金属が析出して、シリコンは金属の下で酸化膜を形成する無電解めっきが進行する。このとき、フッ素イオンの濃度が所定の量以下にすることで、フッ素イオン酸による酸化膜除去領域深さを制御し、また電解めっきを並行して行うことによりシリコン真性面への金属析出を図ることができる。これによって、多孔質シリコン内部における触媒金属の析出領域を制御して、多孔質シリコンの表層から表層内部、例えば深さ5μm程度までに、金属を析出させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法において、めっき液温度25℃以下で無電解めっきと電解めっきを並行して行うことを特徴とする。
この金属担持多孔質シリコンの製造方法において、めっき液温度を25℃以下にすることによって、シリコンの還元作用による無電解めっきの進行速度を抑制し、電解めっきとのバランスを調整して、シリコン真性面へ金属を析出させ、多孔質シリコンの表面に小粒径の金属めっき粒子が均一に析出した金属層を形成させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法において、境界層外側の流速が1cm/s〜10m/sとなる撹拌速度で前記金属めっき液を撹拌することを特徴とする。
この金属担持多孔質シリコンの製造方法において、境界層外側の流速が1cm/s〜10m/sとなる撹拌速度でめっき液を撹拌しながら電解めっきを行うことによって、多孔質シリコンとめっき液の接液の際に発生する気泡を排除し、めっき金属の不均一堆積を大きく抑制して、多孔質シリコンの表層に均一にめっき金属を析出させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法において、前記金属めっき液が、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、鉛およびスズから選ばれる少なくとも1種の金属を含むめっき液であることを特徴とする。
この金属担持多孔質シリコンの製造方法において、金属めっき液が、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、鉛、スズ等の金属が均一に担持された多孔質シリコンを得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の方法によって製造された金属担持多孔質シリコンからなる燃料電池用電極構造体を発明の構成とする。
この燃料電池用電極構造体は、請求項7に記載の方法によって、燃料供給流路と、電極と、触媒層とが、一体的に構成される。
請求項1に記載の発明によれば、多孔質シリコン層の貫通後に陽極酸化が多孔質シリコン層を貫通して多孔質シリコン層を劣化させたり、不必要な部分と反応するといった問題を生じずに一面側から他面側まで貫通する多孔質シリコン層を有する多孔質シリコン構造体を形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、導電性保護膜を介して、陽極酸化時の印加電圧を連続的に検知して多孔質シリコン層の貫通時点を正確に把握して陽極酸化を行なうことができ、多孔質シリコン層の貫通後に陽極酸化が多孔質シリコン層を貫通して多孔質シリコン層を劣化させたり、不必要な部分と反応するといったことがなく、一面側から他面側まで貫通する多孔質シリコン層が形成された多孔質シリコン構造体を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、シリコン基体の一面側から他面側まで多孔質シリコン層が貫通する時期を正確に検知して、多孔質シリコン層の貫通後に陽極酸化が多孔質シリコン層を貫通して多孔質シリコン層を劣化させたり、不必要な部分と反応するといった問題を生じず一面側から他面側まで貫通する多孔質シリコン層が適正に形成された多孔質シリコン構造体を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、多孔質シリコンの孔内部における金属の析出を促進し、さらに析出分布を制御して、多孔質シリコンの孔内部に、従来よりも多量の金属が担持された多孔質シリコンを得ることができる。例えば、表層から5μm程度の深さにまで、白金等の触媒金属を豊富に析出させて、表層に小粒径の金属めっき粒子が均一に析出した金属担持多孔質シリコンを得ることができる。また、多孔質シリコンの表層だけでなく、表層から内部にまで析出して、密着強度および耐剥離性に優れた強固な金属膜を形成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、シリコンの還元作用による無電解めっきの進行速度を抑制し、電解めっきとのバランスを調整して、表層に均一にめっき金属が析出した金属担持多孔質シリコンを得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、さらに、多孔質シリコンとめっき液の接液の際に、強力な撹拌を行うことにより、めっき液中に発生する気泡を排除し、金属めっきの不均一堆積を大きく抑制して、均一な金属めっき層を有する金属担持多孔質シリコンを得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、鉛、スズ等の金属を多孔質シリコンの表層から内部にまで従来よりも大量に析出させ、その金属が担持された多孔質シリコンを得ることができる。特に、白金等の貴金属が担持された多孔質シリコンは、各種の機器の貴金属触媒担持層、例えば、燃料電池、排出ガスの浄化器等における触媒担持層として有用である。このとき、多孔質シリコンに担持された白金等の貴金属は、多孔質シリコンの表層だけでなく、表層から内部にまで析出して、密着強度および耐剥離性に優れた強固な触媒層担持膜を形成することができる。また、本発明の金属担持多孔質シリコンは、多孔質シリコンへの金属の析出をさらに進めて薄膜を形成すれば、多孔質シリコンに形成された薄膜は、金属が多孔質シリコンの表層だけでなく、表層の内部にまで析出して、密着強度および耐剥離性に優れた強固な薄膜を形成し、各種の分離膜として有用である。例えば、パラジウムの薄膜を形成した場合には、水素透過膜として有用である。
次に、本発明の多孔質シリコン構造体の製造方法(以下、「本発明の第1の方法」という)、および金属担持多孔質シリコンの製造方法(以下、「本発明の第2の方法」という)について詳細に説明する。
まず、本発明の第1の方法について、図1(a)〜(d)に基づいて説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の方法の実施形態における主要工程を示す模式断面図である。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の方法の実施形態における主要工程を示す模式断面図である。
最初に、図1(a)に示すとおり、シリコン基体1を、フォトリソグラフィ法等の常用の方法を用いて加工し、表面2の側に断面が略台形の条溝3が平行に配列された構造を形成する。
次に、図1(b)に示すとおり、シリコン基体1の表面2の上に、条溝3を埋めるように酸化保護膜4を形成する。この酸化保護膜4によって、陽極酸化の進行に伴って、多孔質シリコン層が成長して貫通した部位に陽極酸化液が流れ込むのを阻止し、新鮮な陽極酸化液が多孔質シリコン層に供給されて多孔質シリコン層が崩壊することを防止することができる。
酸化保護膜4は、シリコン基体1の表面2または後記の導電性保護膜の上に付着して被膜を形成でき、しかも陽極酸化液に侵食されないものであれば、特に制限されない。例えば、フォトレジスト、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。特に、シリコン基体1の表面に塗布した後に硬化させて酸化保護膜4を容易に形成することができ、また、多孔質シリコン層の形成後は、容易に剥離して除去できることから、フォトレジストが好ましい。
この酸化保護膜4の厚さは、陽極酸化条件(陽極酸化液、温度等)に応じて、適宜選択される。
この酸化保護膜4の厚さは、陽極酸化条件(陽極酸化液、温度等)に応じて、適宜選択される。
次に、このシリコン基体1を陽極酸化液に浸漬して陽極酸化を行なう。これによって、シリコン基体1の背面5の側から多孔質シリコン層の形成が進行し、図1(c)に示すとおり、条溝3の底面3aにまで貫通する多孔質シリコン層6が形成される。そして、酸化保護膜4を除去することによって、図1(d)に示すとおり、表面側に条溝3を有し、背面5の側から条溝3の底面3a(シリコン基体1の表面)の側にまで貫通する多孔質シリコン層6を有する多孔質シリコン構造体7を得ることができる。この多孔質シリコン構造体7は、燃料電池セルの電極構造体として好適である。
陽極酸化に用いる陽極酸化液は、水に溶解してフッ素イオンを形成するものであれば、いずれの化合物を水に溶解して形成してもよい。この化合物として、例えば、フッ酸(HF)、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等が挙げられる。これらは1種単独または2種以上の組み合わせを水に溶解して調製することができる。これらの中でも、溶解してフッ素イオン以外の他の成分を生じる物質を含まないことから、フッ酸(HF)が好ましい。
陽極酸化液におけるフッ素イオンの濃度は、通常、0.5mol/dm3〜30mol/dm3程度である。
陽極酸化液におけるフッ素イオンの濃度は、通常、0.5mol/dm3〜30mol/dm3程度である。
また、陽極酸化は、白金、黒鉛等からなる不溶性電極を用いて、1A/m2〜10000A/m2、好ましくは100〜5000A/m2の電流密度で行なうことができる。特に、陽極酸化時間を短縮しつつ、溶液と基板の抵抗による不均一反応を防ぐために、500〜2000A/m2の電流密度で陽極酸化を行なうことが好ましい。電流密度が大き過ぎると電解研磨を生じ壊れやすくなり、電流密度が小さ過ぎると、空孔率が小さくなりすぎてしまう。
また、陽極酸化液の液温は、25℃以下に調整することが好ましく、さらに好ましくは0〜20℃の範囲、特に好ましくは10〜20℃の範囲である。めっき液の液温の調整は、めっき槽に設けた冷却器等によって±0.5℃程度の精度で行うことが好ましい。このとき、陽極酸化液を撹拌しながら陽極酸化を行うことが好ましく、境界層外側の流速が1cm/s〜10m/sとなる撹拌速度に調整することが好ましい。また、陽極酸化液の撹拌は、例えば、回転電極等の撹拌作用を利用して撹拌する方法等のいずれの方法にしたがって行ってもよい。
また、本発明の第1の方法において、酸化保護膜とシリコン基体の表面との間に導電性保護膜を形成することが好ましい。すなわち、図2(a)に示すとおり、シリコン基体1の表面2の全面(条溝3の底面3aおよび側面3b、ならびに条溝部外部の平坦領域)に亘って、導電性保護膜21を積層する。この導電性保護膜21は、銅、アルミニウム等の導電性材料を用いて、スパッタリング、めっき、蒸着等の方法によって、シリコン基体1の表面に形成することができる。
次に、図2(b)に示すとおり、条溝3を埋めるように、酸化保護膜4を形成する。このように、シリコン基体1の表面2に、導電性保護膜21、酸化保護膜4の順で積層した後、このシリコン基体1を陽極酸化液に浸漬して陽極酸化を行なう。これによって、シリコン基体1の背面5の側から多孔質シリコン層の形成が進行し、図2(c)に示すとおり、条溝3の底面3aにまで貫通する多孔質シリコン層6が形成される。
そして、酸化保護膜4および導電性保護膜21を除去することによって、図2(d)に示すとおり、表面側に条溝3を有し、背面5の側から条溝3の底面3a(シリコン基体1の表面)の側にまで貫通する多孔質シリコン層6を有する多孔質シリコン構造体7を得ることができる。この多孔質シリコン構造体7は、燃料電池セルの電極構造体として好適である。
このとき、導電性保護膜4は、導電性保護膜4に接続した導電線(図示せず)を通じて陽極酸化時の印加電圧を連続的に検知するとともに、面内均一に陽極酸化反応を促すために有効である。特に、導電性保護膜4を介して前記陽極酸化の印加電圧を検知し、印加電圧が低下する時期を検出することによって、前記シリコン基体1の表面側から背面側まで多孔質シリコン層6が貫通する時期を正確に検知することができる。これによって、多孔質シリコン層6の貫通時点を正確に把握して陽極酸化を行なうことができ、多孔質シリコン層6の貫通後に陽極酸化が多孔質シリコン層6を貫通して多孔質シリコン層6を劣化させたり、不必要な部分と反応するといったことがなく、一面側から他面側まで貫通する多孔質シリコン層6が形成された多孔質シリコン構造体7を得ることができる。
本発明の第2の方法において、被めっき材である多孔質シリコンは、平均孔径2〜50nm程度の孔を無数に有する多孔質層が表層に形成されているものである。この多孔質シリコンは、BET法によって測定される比表面積が、200m2/g程度のものである。
この多孔質シリコンは、通常、不純物濃度の高いシリコンを10質量%〜50質量%のフッ酸溶液中で1A/m2〜10000A/cm2の電流密度で陽極酸化することによって得ることができる。この多孔質シリコンとして、前記の第1の方法によって製造された多孔質シリコン構造体を用いることができる。特に、前記の実施形態で製造される多孔質シリコン構造体を第2の方法における多孔質シリコンとして使用すれば、燃料電池の電極として好適な多孔質シリコン構造体を製造できる。
この多孔質シリコンは、通常、不純物濃度の高いシリコンを10質量%〜50質量%のフッ酸溶液中で1A/m2〜10000A/cm2の電流密度で陽極酸化することによって得ることができる。この多孔質シリコンとして、前記の第1の方法によって製造された多孔質シリコン構造体を用いることができる。特に、前記の実施形態で製造される多孔質シリコン構造体を第2の方法における多孔質シリコンとして使用すれば、燃料電池の電極として好適な多孔質シリコン構造体を製造できる。
本発明の第2の方法で用いる金属めっき液は、多孔質シリコンに担持させる金属を含む水溶性塩を水に溶解させることによって調製することができる。水溶性塩としては、例えば、ヘキサクロロ白金酸、塩化ルテニウム、塩化パラジウム、塩化イリジウム、塩化ロジウム、硫酸銅等が挙げられる。特に、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の白金族金属、金、銀、銅、鉛およびスズなどの金属の水溶性塩を用いれば、多孔質シリコンに金属が担持された触媒を得ることができる。
そして、本発明の第2の方法において、金属めっき液は、フッ素イオンを200mmol/dm3以下、好ましくは1〜200mmol/dm3、特に好ましくは10〜100mmol/dm3含むものである。このフッ素イオンによって、シリコンの表面に存在する自然酸化膜(酸化シリコン膜)が除去されてシリコン真性面が現われる。このとき、シリコンが還元剤として働き、金属めっき液中の金属が析出して形成される金属層の下で進行する無電解めっきによる酸化膜の形成が、フッ素イオンの存在によって抑制される。ここで、金属めっき液が、200mmol/dm3を超えるフッ素イオンを含む場合には、反応が激しく、得られる金属層の不均一性が増すおそれがある。
この金属めっき液中に含まれるフッ素イオンは、水に溶解してフッ素イオンを形成するものであれば、いずれの化合物を金属めっき液に溶解して形成してもよい。この化合物として、例えば、フッ酸(HF)、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等が挙げられる。これらは1種単独または2種以上の組み合わせを金属めっき液に溶解することができる。これらの中でも、溶解してフッ素イオン以外の他の成分を生じる物質を含まないことから、フッ酸(HF)が好ましい。
また、金属めっき液の液温(めっき温度)は、25℃以下に調整することが好ましく、さらに好ましくは0〜20℃の範囲、特に好ましくは10〜20℃の範囲である。めっき液の液温の調整は、めっき槽に設けた冷却器等によって±0.5℃程度の精度で行うことが好ましい。
本発明の第2の方法において、均一なめっき金属の析出を促進させるため、金属めっき液を撹拌しながら電解めっきを行うことが好ましい。このとき、境界層外側の流速が1cm/s〜10m/sとなる撹拌速度に調整することが好ましい。また、金属めっき液の撹拌は、例えば、スポイト等の吸液器で金属めっき液を吸液した後、吸液した金属めっき液をスポイトからめっき槽中に再注入する方法、また、回転電極等の撹拌作用を利用して金属めっき液を撹拌する方法等のいずれの方法にしたがって行ってもよい。
また、電解めっきは、多孔質シリコンを作用電極として、対極に多孔質シリコンに担持させる金属または白金、炭素等の不溶性電極を用いて、電流密度を0.1〜500A/m2程度、特に好ましくは10〜100A/m2で行うことができる。電流密度が大き過ぎると多孔質層内部にまで金属が析出せず、析出する金属の不均一性が増大する、さらに、電流密度が小さ過ぎると、析出金属の不均一性が増大し、また、金属が完全に還元されず析出物中に不純物が多くなる。
本発明の第2の方法において、多孔質シリコンに電解めっきを施す工程は、(a)予め陽極酸化された多孔質シリコンを金属めっき液に供給して電解めっきを行う方法によって行ってもよいし、あるいは、まず、(b)同一のめっき槽内でシリコンの陽極酸化による多孔質シリコンを製造する工程と、得られた多孔質シリコンを、同一の槽において、さらに金属めっき液を供給して、電解めっきを行う工程とを行う方法のいずれの方法にしたがって行ってもよい。特に、陽極酸化により除去された自然酸化膜(酸化シリコン膜)が、再び形成されずに、そのまま電解めっきによって、酸化シリコン膜が除去された真性シリコン面にめっき金属を、電解めっきによって析出させることができるため、前記(b)の方法が好ましい。
また、本発明の第2の方法によって得られる金属担持多孔質シリコンは、燃料電池用電極構造体として好適である。
以下、この燃料電池用電極構造体を用いる燃料電池の電池セルについて、図3に基づいて説明する。
燃料電池は、図3に示す電池セル8を積層した構造を有する。この電池セル8は、固体電解質膜9を挟んでアノード電極10とカソード電極11が配置され、さらに、アノード電極10の外側に水素含有ガスあるいはメタノール等の水素含有液体を供給する燃料供給流路12と、カソード電極11の外側に酸素含有ガス(空気)を供給するガス供給流路13とが配置された構造を有する。この電池セル8を有する燃料電池は、燃料供給流路12に水素含有燃料を供給するとともに、燃料供給流路13に酸素含有ガス(空気)を供給し、固体電解質膜9を介してアノード電極10の側からカソード電極11の側にプロトン(H+)が伝達され、一方、アノード電極10とカソード電極11とを結ぶ外部導線(図示せず)を介して電子が移動することによって発電が行なわれるものである。
以下、この燃料電池用電極構造体を用いる燃料電池の電池セルについて、図3に基づいて説明する。
燃料電池は、図3に示す電池セル8を積層した構造を有する。この電池セル8は、固体電解質膜9を挟んでアノード電極10とカソード電極11が配置され、さらに、アノード電極10の外側に水素含有ガスあるいはメタノール等の水素含有液体を供給する燃料供給流路12と、カソード電極11の外側に酸素含有ガス(空気)を供給するガス供給流路13とが配置された構造を有する。この電池セル8を有する燃料電池は、燃料供給流路12に水素含有燃料を供給するとともに、燃料供給流路13に酸素含有ガス(空気)を供給し、固体電解質膜9を介してアノード電極10の側からカソード電極11の側にプロトン(H+)が伝達され、一方、アノード電極10とカソード電極11とを結ぶ外部導線(図示せず)を介して電子が移動することによって発電が行なわれるものである。
この電池セル8において、前記図1(a)〜(d)に示す工程によって形成された多孔質シリコン構造体7の多孔質シリコン層6を、前記本発明の第2の方法によって金属担持多孔質シリコン層とすれば、図2に示す電池セル8におけるアノード電極10と、燃料供給流路12とが一体的に構成されたアノード電極構造体14、およびカソード電極11と燃料供給流路13とが一体的に構成されたカソード電極構造体15を得ることができる。
このようなアノード電極構造体14とカソード電極構造体15は、半導体集積回路に利用される微細加工技術を利用して、微小なサイズで形成することができる。そして、微小なサイズのアノード電極構造体14とカソード電極構造体15で固体電解質膜9を挟んだ構造の電池セルは、超小型の燃料電池を実現できる。
このようなアノード電極構造体14とカソード電極構造体15は、半導体集積回路に利用される微細加工技術を利用して、微小なサイズで形成することができる。そして、微小なサイズのアノード電極構造体14とカソード電極構造体15で固体電解質膜9を挟んだ構造の電池セルは、超小型の燃料電池を実現できる。
次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(例1)
抵抗率約0.02Ωcmのn型(P(リン)ドープ)シリコンウエハの表面に、フォトリソグラフィ法によって、溝底部の幅が150μm、深さが90μmの条溝が平行に形成されたシリコン基体を作成した。次に、このシリコン基体の背面にスパッタリングによって銅被膜(導電性保護膜:厚さ100nm)を形成した後、さらに、銅被膜の上にフォトレジスト(東京応化工業(株)製、OFPR−800)を塗布して、図4に示すように、フォトレジスト膜(酸化保護膜:厚さ 約50μm)を形成した。
抵抗率約0.02Ωcmのn型(P(リン)ドープ)シリコンウエハの表面に、フォトリソグラフィ法によって、溝底部の幅が150μm、深さが90μmの条溝が平行に形成されたシリコン基体を作成した。次に、このシリコン基体の背面にスパッタリングによって銅被膜(導電性保護膜:厚さ100nm)を形成した後、さらに、銅被膜の上にフォトレジスト(東京応化工業(株)製、OFPR−800)を塗布して、図4に示すように、フォトレジスト膜(酸化保護膜:厚さ 約50μm)を形成した。
このシリコン基体を、図5に示すように、HF(純度46質量%)とエタノールを体積比1:1で混合して調製した陽極酸化液16を満たした反応槽17に入れ、シリコン基体1を陽極として電流密度1000A/m2で陽極酸化を行なった。なお、18は銅被膜21aに接触する電極、19は対極、20は白金参照電極を示す。
このとき、銅被膜21aに接続した導線を介して、シリコン基体1に印加される電圧を連続的に測定した。その結果、図6に示す印加電圧の変化が観測された。この図6に示す印加電圧が急激な減少を示す時点(図6中のDで示す時点)で、陽極酸化を中止し、シリコン基体を陽極酸化液中から引き上げた。その結果、図7に示すとおり、シリコン基体61の背面65の側から条溝63の底面63a(シリコン基体61の表面)の側にまで貫通する多孔質シリコン層66を有する多孔質シリコン構造体67が得られた。
このとき、銅被膜21aに接続した導線を介して、シリコン基体1に印加される電圧を連続的に測定した。その結果、図6に示す印加電圧の変化が観測された。この図6に示す印加電圧が急激な減少を示す時点(図6中のDで示す時点)で、陽極酸化を中止し、シリコン基体を陽極酸化液中から引き上げた。その結果、図7に示すとおり、シリコン基体61の背面65の側から条溝63の底面63a(シリコン基体61の表面)の側にまで貫通する多孔質シリコン層66を有する多孔質シリコン構造体67が得られた。
次に、この多孔質シリコン構造体67の条溝63の底面63aの部分(図7中、円Sで囲んだ部分)における断面および底面63aの側壁部分について、走査型電子顕微鏡写真を撮影した。その結果、図8(a)の断面写真、および図8(b)の側壁部分の拡大写真が得られた。
また、比較のために、予め実験により多孔質シリコン層の形成速度から、多孔質シリコン層が貫通するまでの陽極酸化時間を算定した。そして、前記銅被膜およびフォトレジスト膜を背面に形成しないシリコン基体を、前記と同様の条件で、算定した陽極酸化時間で陽極酸化して多孔質シリコン層を貫通させて多孔質シリコン構造体を得た。この多孔質シリコン構造体についても、条溝63の底面63aの部分(図6中、円Sで囲んだ部分)における断面および底面63aの側壁部分について、走査型電子顕微鏡写真を撮影した。その結果、図9(a)の断面写真、および図9(b)の側壁部分の拡大写真が得られた。
前記の図8(a)および図8(b)に示す結果から、フォトレジスト膜をシリコン基体の表面に形成しておくことにより、溝底部まできれいに貫通した多孔質層が形成されていることがわかる。一方、フォトレジスト膜で被覆しない場合、貫通多孔質シリコン層はできているものの、多孔質シリコン層を透過してくるフッ酸が反応して溝底部の多孔質シリコンが溶解され、また、図9(a)および図9(b)の走査型電子顕微鏡写真から、溝側壁が溶解して変形していることがわかる。このように、本発明の第1の方法によれば、安定して表面側から背面側まで貫通した多孔質シリコン層が形成されることがわかる。
(例2)
フッ素樹脂製のめっき槽に、HF(純度46質量%)とエタノールを体積比1:1で混合して調製した陽極酸化液を入れ、この陽極酸化液中に、抵抗率約0.02Ωcmのn型(P(リン)ドープ)シリコンウエハを浸漬して、シリコンウエハを陽極として電流密度1000A/m2で100秒間、電流を印加して陽極酸化を行った。その結果、表面に多数の孔を有する多孔質シリコンが得られた。
フッ素樹脂製のめっき槽に、HF(純度46質量%)とエタノールを体積比1:1で混合して調製した陽極酸化液を入れ、この陽極酸化液中に、抵抗率約0.02Ωcmのn型(P(リン)ドープ)シリコンウエハを浸漬して、シリコンウエハを陽極として電流密度1000A/m2で100秒間、電流を印加して陽極酸化を行った。その結果、表面に多数の孔を有する多孔質シリコンが得られた。
この多孔質シリコンの表層を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図10に示すとおり、表層に孔径数十nmの孔が無数に存在する約15μmの厚さの多孔質層が形成されていることが分かった。
次に、めっき槽に、陽極酸化液の代わりに下記組成(1)の金属めっき液を満たし、多孔質シリコンにコンタクトピンを接続し、対極として白金線を用い、参照電極として白金黒を用いて、めっき液温を20℃、めっき液の流速が1m/sとなる撹拌速度に調整して電解めっきを行って白金担持多孔質シリコンを得た。このとき、すべての電極をポテンショスタット(北斗電工社製、HABF−501)に接続し、電解めっきをコントロールした。今回の実験では、電流密度50A/m2のめっき電流を1Hz、duty比0.5のパルスとして5分印加した。また、HF濃度を、それぞれ50mmol/dm3および100mmol/dm3とした金属めっき液を用いて同様に電解めっきを行った。
金属めっき液の組成
(1)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(10mmol/dm3)
(2)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(50mmol/dm3)
(3)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(100mmol/dm3)
金属めっき液の組成
(1)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(10mmol/dm3)
(2)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(50mmol/dm3)
(3)H2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(100mmol/dm3)
得られた白金担持多孔質シリコンの断面について、走査型電子顕微鏡写真およびEDS(エネルギ分散分光法)による白金の分布像を図11〜図13に示す。各図において、(a)が電子顕微鏡写真、(b)がEDS(エネルギー分散分光法)による白金の分布像である。
この図11〜図13に示すとおり、金属めっき液中のフッ酸濃度が増加するにつれて白金の析出量が多くなっており、また多孔質層の内部深く(深さ15μm)にまで白金が析出していることが分かる。さらに、100mmol/dm3のフッ酸濃度では、反応が激しく不均一性が増していることが分かる。
(例3)
めっき液温度とめっき金属析出の関係を調べるために、金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(100mmol/dm3)+HF(70mmol/dm3)とし、めっき液温を20℃および10℃に調整して、それぞれ電解めっきを行って白金担持多孔質シリコンを得た。
めっき液温度とめっき金属析出の関係を調べるために、金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(100mmol/dm3)+HF(70mmol/dm3)とし、めっき液温を20℃および10℃に調整して、それぞれ電解めっきを行って白金担持多孔質シリコンを得た。
得られた白金担持多孔質シリコンの断面について、倍率を変えて撮影した走査型電子顕微鏡写真を図14に示す。図14(a)は、めっき液温を20℃に調整して電解めっきを行って得られた白金担持多孔質シリコンの走査型電子顕微鏡写真を示し、(a)が倍率5,000倍の電子顕微鏡写真、(b)が倍率20,000倍の電子顕微鏡写真である。図15は、めっき液温を10℃に調整して電解めっきを行って得られた白金担持多孔質シリコンの走査型電子顕微鏡写真を示し、(a)が倍率3,000倍の電子顕微鏡写真、(b)が倍率50,000倍の電子顕微鏡写真である。
図14および図15から、温度が低い方がめっきによって析出する白金粒が小さく、しかも均一に析出していることが分かる。
図14および図15から、温度が低い方がめっきによって析出する白金粒が小さく、しかも均一に析出していることが分かる。
(例4)
金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(10mmol/dm3)+K2RuCl5(5mmol/dm3)+HF(50mmol/dm3)として、外部電流を印加して電解めっきを行った場合と、電流を印加しないでシリコンの還元作用による無電解めっきを行った場合について、得られた白金担持多孔質シリコンの断面における白金(Pt)、ルテニウム(Ru)および酸素(O)の存在量をEDSによって測定した。結果を図16(a)および図16(b)に示す。図16(a)および図16(b)中の青線はPt、緑線がRu、赤線がOのEDSによる信号強度を示している。
金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(10mmol/dm3)+K2RuCl5(5mmol/dm3)+HF(50mmol/dm3)として、外部電流を印加して電解めっきを行った場合と、電流を印加しないでシリコンの還元作用による無電解めっきを行った場合について、得られた白金担持多孔質シリコンの断面における白金(Pt)、ルテニウム(Ru)および酸素(O)の存在量をEDSによって測定した。結果を図16(a)および図16(b)に示す。図16(a)および図16(b)中の青線はPt、緑線がRu、赤線がOのEDSによる信号強度を示している。
図16(a)および図16(b)において、多孔質層の表層において、Pt等の信号強度が低下しているが、これは試料をへき開する際に、断面が平面とならずに傾いてしまったため、EDS測定の際にX線を的確に測定できなかったためであり、実際には他の測定や電子顕微鏡観察から、表層近くに多量の金属が析出していることが分かっている。
ここで、図16(a)および図16(b)において、酸素と金属(白金、ルテニウム)の比率を見ると、電解めっきを施した場合の方が酸素に対する金属信号の方が強いことが分かる。このことから、電解めっきを並行することにより、真性シリコン面への触媒金属の直接析出が無電解めっきに比べて増加していると推測される。
(例5)
金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(100mmol/dm3)、めっき液温20℃として、めっき槽への(a)めっき液注入を緩やかに行い、その後も撹拌せずにめっきを行った場合と、(b)スポイトにより勢い強く液を注入し、その後もスポイトの吸入吐出を繰返して撹拌を行った場合について、めっき後、乾燥させた多孔質シリコンの状態を調べた。図17(a)および図17(b)は、めっき後、乾燥させた多孔質シリコンを真上から撮影した写真であり、図中、丸い部分がめっきを施した部分である。そして、図17(a)では斑模様に不均一が見られるが、図17(b)では不均一がほとんど見られず、明らかに撹拌により不均一性が減少していることがわかる。特に、めっき液注入時の撹拌の影響が大きいことが分かる。
金属めっき液の組成をH2SO4(1mol/dm3)+H2PtCl6(50mmol/dm3)+HF(100mmol/dm3)、めっき液温20℃として、めっき槽への(a)めっき液注入を緩やかに行い、その後も撹拌せずにめっきを行った場合と、(b)スポイトにより勢い強く液を注入し、その後もスポイトの吸入吐出を繰返して撹拌を行った場合について、めっき後、乾燥させた多孔質シリコンの状態を調べた。図17(a)および図17(b)は、めっき後、乾燥させた多孔質シリコンを真上から撮影した写真であり、図中、丸い部分がめっきを施した部分である。そして、図17(a)では斑模様に不均一が見られるが、図17(b)では不均一がほとんど見られず、明らかに撹拌により不均一性が減少していることがわかる。特に、めっき液注入時の撹拌の影響が大きいことが分かる。
以上の図11〜図13に示す結果から、HF濃度により、Ptの析出深さを制御できることがわかる。また、温度による影響については、図14および図15に示す結果から、フッ酸の活性が温度の低下によって下がり、内部における析出も緩やかになっている様子がわかる。
また、図14(a)および図15(a)に示す結果から、温度が低い場合の方がめっき粒子の析出数が多く、粒子サイズも小さいことが分かる。
また、図14(a)および図15(a)に示す結果から、温度が低い場合の方がめっき粒子の析出数が多く、粒子サイズも小さいことが分かる。
1 シリコン基体
2 表面
3 条溝
3a 底面
4 酸化保護膜
5 背面
6 多孔質シリコン層
7 多孔質シリコン構造体
2 表面
3 条溝
3a 底面
4 酸化保護膜
5 背面
6 多孔質シリコン層
7 多孔質シリコン構造体
Claims (8)
- シリコン基体を陽極酸化して前記シリコン基体の表面側から背面側まで貫通する多孔質シリコン層を有する多孔質シリコン構造体を製造する方法であって、前記シリコン基体の背面側を酸化保護膜で被覆した後、フッ素イオン濃度0.5mol/dm3〜30mol/dm3の陽極酸化液を用いてシリコン基体を陽極酸化する工程を含む多孔質シリコン構造体の製造方法。
- 前記シリコン基体の背面側に、導電性保護膜、前記酸化保護膜の順で積層した後、前記陽極酸化を行うことを特徴とする請求項1に記載の多孔質シリコン構造体の製造方法。
- 前記導電性保護膜を介して前記陽極酸化の印加電圧の低下を検知することを特徴とする請求項2に記載の多孔質シリコン構造体の製造方法。
- フッ素イオンを200mmol/dm3以下含む金属めっき液を用いて、無電解めっきと電解めっきを並行して行うことにより金属を多孔質シリコン基体に析出させる工程を含むことを特徴とする金属担持多孔質シリコンの製造方法。
- めっき液温度25℃以下で無電解めっきと電解めっきを並行して行うことを特徴とする請求項4に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法。
- 境界層外側の流速が1cm/s〜10m/sとなる撹拌速度で前記金属めっき液を撹拌することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法。
- 前記金属めっき液が、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、鉛およびスズから選ばれる少なくとも1種の金属を含むめっき液であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の金属担持多孔質シリコンの製造方法。
- 請求項7に記載の方法によって製造された金属担持多孔質シリコンからなる燃料電池用電極構造体。
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