JP2004509255A - ウインド・レギュレータ溝部のスライダ装置 - Google Patents

Abstract

底壁１８により相互連結された間隔を隔てた１対の側壁１４，１６と、前記底壁から間隔を隔てかつ底壁にほぼ平行に各側壁から延びる頂壁２０，２２とを有する細長い溝部１２に使用するスライダ１０を提供する。スライダは、頂面３２と、底面３４と、これらの頂面および底面を相互連結する複数の側面３６とにより形成された本体部分３０を有する。スライダはまた、各側面に隣接して頂面と底面との間に延びる複数の軸線方向スロット４２と、各側面とそれぞれの軸線方向スロット４２との間に延び、溝部１２の両側壁間で側面が撓みかつ押圧できるようにする複数の側面スロット５２とを有している。最後に、スライダは、頂面および底面から突出しており、溝部１２の頂壁と底壁との間でこれらの頂壁および底壁と摺動可能に係合してスライダを案内する複数の半球型エンボス４８を有している。

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明はスライダ装置に関し、より詳しくは、ウインド・レギュレータ溝部内に摺動自在に受入れられる、自動車のウインド（窓ガラス）を昇降させるためのスライダ装置に関する。
【０００２】
（背景技術）
自動車は、一般に、車両への出入りを行なうための運転者用ドアおよび乗客用ドアを有している。これらのドアは又、一般に、開位置と閉位置との間で摺動できるように、ドアに摺動自在に連結された窓ガラスを有している。ウインド・レギュレータは、一般に、窓ガラスを開位置と閉位置との間で移動させるべく、ドアと窓ガラスとの間に連結されている。ウインド・レギュレータは、一般に、スライダを摺動自在に受入れかつ案内するための、ドアに取付けられた１つ以上の細長い溝部を有する。窓ガラスはスライダに連結され、駆動機構がスライダを溝部に沿って移動させて窓ガラスを開位置と閉位置との間で移動させる。しかしながら、スライダは、操作時に溝部内でガタつく傾向を有し、車両内に好ましくない騒音を発生させる。
【０００３】
スライダが溝部内でガタつくことを低減または防止する努力がなされ、従来技術による種々の装置が開発されている。例えば米国特許第４，８２９，６３０号および第４，９３５，９８６号には、スライダが、ガタつきに対して溝部内で２方向に付勢されるように、側方に２方向に延びる一体の突出部を備えた一体成形プラスチックスライダが開示されている。溝部は、間隔を隔てた平行な側壁と、これらの側壁を相互連結する底壁と、この底壁に平行でかつ細長いスロットが設けられた頂壁とを有している。第１の組の側方突出部はそれぞれの側壁と係合し、第２の組の側方突出部は底壁と係合する。しかしながら、スライダは溝部の頂壁に付勢されず、かつ側方突出部は、溝部内でスライダの移動を摩擦的に妨げる傾向を有する。
【０００４】
（発明の開示）
従来技術の上記欠点は、スライダが溝部に沿ってガタつきなく長手方向に移動できるように、溝部の側壁に対して、並びに、頂壁と底壁との間で付勢されるスライダを提供することにより解消される。
【０００５】
本発明の一態様によれば、ウインド・レギュレータの細長いＣ型溝部内に摺動自在に係合するスライダが提供される。スライダは、頂面と、底面と、これらの頂面および底面を相互連結する複数の側面とを備えた本体部分を有している。複数の軸線方向スロットが、各々の側面に隣接して、頂面と底面との間に延びている。複数の側面スロットが、各々の側面を貫通して、それぞれ軸線方向スロットまで延びており、側面の部分が撓み得るようにする。複数の第一***部が、側面および軸線方向スロットの各々に隣接して頂面から突出している。複数の第二***部が、側面および軸線方向スロットの各々に隣接して底面から突出している。スロットおよび***部は、協働して溝部内でのスライダのガタつきのない長手方向摩擦移動を維持する。
【０００６】
本発明の他の態様によれば、平らな底壁により相互連結された互いに間隔を隔てた１対の側壁と、底壁から間隔を隔てかつ底壁に対してほぼ平行に各側壁から延びている頂壁とを有するスライダが提供される。スライダは、頂面と、底面と、これらの頂面および底面を相互連結する複数の側面とを備えた本体部分を有している。複数の軸線方向スロットが、各々の側面に隣接して頂面と底面との間に延びており、かつ複数の側面スロットが、各々の側面を貫通してそれぞれの軸線方向スロットまで延び、側面の部分が溝部の側壁に対して撓み得るようにしている。複数の第一***部が、側面および軸線方向スロットの各々に隣接して頂面から突出し、かつ複数の第二***部が、側面および軸線方向スロットの各々に隣接して底面から突出しており、第一***部および第二***部は、溝部内でそれぞれ頂壁および底壁と係合しかつこれらの頂壁および底壁に対して撓むことができる。
【０００７】
スライダは更に、頂面および底面から突出していて、溝部の頂壁および底壁と係合して溝部内でのスライダの自由摺動を可能にする複数の半球型エンボスを有している。
【０００８】
（発明を実施するための最良の形態）
以下、本発明の実施形態を添付図面に基いて説明する。
図１および図２を参照すると、細長いウインド・レギュレータ溝部１２内にあるスライダ１０が示されている。溝部１２は、平らな底壁１８により相互連結された、互いに間隔を隔て且つ平行な１対の側壁１４、１６を有する開口Ｃ型形状をなしている。頂壁２０、２２は各々の側壁１４、１６から内方に延び、底壁１８に平行でかつ間隔を隔てている。細長いスロット２４が、頂壁２０、２２の対向する端部の間に形成され、このスロット２４を通って、窓ガラスをスライダに連結するための連結ロッド２６が突出する。溝部１２は従来から当業者に知られており、車両のドアの内部パネルに固定される。窓ガラスを開位置と閉位置との間で移動させるための駆動機構も当業者に一般的に知られており、溝部１２内でスライダ１０を駆動するために設けられる。
【０００９】
図３および図４に示すように、スライダ１０は、優れた安定性、弾性および低摩擦係数を有するプラスチックの中実一体成形部品である。スライダ１０は、頂面３２と、これに対向する底面３４と、これらの頂面３２及び底面３４の間に延びる側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄとを備えたほぼ直方体の本体部分３０を有している。スライダ１０は、連結ロッド２６の遠位端のボールソケット４０を回動自在に受け入れかつ支持するための、頂面３２の中央部で凹み且つ中心軸線Ｃを定める凹状ボウル３８を有する。
【００１０】
スライダ１０はさらに、複数の細長いスロット４２ａ、４２ｂ、４２ｃ、４２ｄを有し、これらのスロット４２ａ、４２ｂ、４２ｃ、４２ｄは、それぞれ側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄに隣接しかつ該側面にほぼ平行に頂面３２及び底面３４の間で軸線方向に延びている。複数の細長い***部４４ａ、４４ｂ、４４ｃ、４４ｄが、それぞれ細長いスロット４２ａ、４２ｂ、４２ｃ、４２ｄに隣接して、頂面３２から軸線方向に突出し、また、同様な複数の細長い***部４６ａ、４６ｂ、４６ｃ、４６ｄが、それぞれの細長いスロット４２ａ、４２ｂ、４２ｃ、４２ｄに隣接して、底面３４から軸線方向に突出している。スライダ１０は、さらに、各々の側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄの間で頂面３２から突出する複数の***した半球型エンボス４８ａ、４８ｂ、４８ｃ、４８ｄを有している。同様に、複数の***した半球型エンボス５０ａ、５０ｂ、５０ｃ、５０ｄが、各々の側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄの間で底面３４から突出している。
【００１１】
スライダ１０はまた、各々の側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄを貫通して細長い軸線方向スロット４２ａ、４２ｂ、４２ｃ、４２ｄまで、頂面３２および底面３４にほぼ平行に延びている複数の細長い側面スロット５２を有している。
【００１２】
図３および図４に示す好ましい実施形態のスライダ１０はほぼ正方形であり、従って、溝部１２内に組込むために、各々の側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄの間で対称的な形状を呈している。
【００１３】
再び図１および図２を参照すると、スライダ１０が溝部１２内に摺動自在に受入れられている。スライダ１０は、凹状ボウル３８がスロット２４の中央に位置しかつ連結ロッド２６がスロット２４を通って突出した状態で、溝部１２内に受入れられている。側面スロット５２は、該スロット５２により分離された、側面３６ａ、３６ｂ、３６ｃ、３６ｄの種々のセクションが、溝部１２の側壁１４、１６間で該側壁に対して押付けられたときに内方に撓むことを可能にする。また、***部４４ｂ、４４ｄ、４６ｂ、４６ｄは、それぞれ、頂壁２０、２２と底壁１８との間で撓むことができる。従って、スライダ１０は、溝部１２内に摺動自在に保持されると同時に、側面スロット５２が溝部１２内の潤滑のための開口をもたらし、かつ***部４４ａ〜４４ｄ、４６ａ〜４６ｄが、両側壁１４、１６間でのスライダ１０の横方向の移動と、頂壁２０、２２及び底壁１８の間のスライダ１０の垂直方向の移動とを防止して、スライダと溝部との間の騒音およびガタつきを低減させる。最後に、球型エンボス４８ａ、４８ｂ、４８ｃ、４８ｄは頂壁２０、２２と接触して摺動し、球型エンボス５０ａ、５０ｂ、５０ｃ、５０ｄは底壁１８と接触して摺動して、スライダ１０と溝部１２との間の滑り摩擦を低減させ、チャッキングを防止する。
【００１４】
本発明の上記実施形態は本発明の一例を示すものであり、当業者ならば、特許請求の範囲の記載により定められる本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
ウインド・レギュレータ溝部内に摺動自在に受け入れられた本発明によるスライダ装置を示す斜視図である。
【図２】
図１の２−２線に沿った断面図である。
【図３】
スライダ装置の前方斜視図である。
【図４】
スライダ装置の後方斜視図である。

Claims (14)

1. ウインド・レギュレータの細長いＣ型溝部内に摺動自在に係合するスライダにおいて、
   頂面と、底面と、これらの頂面および底面を相互連結する複数の側面とを備えた本体部分と、
   前記各々の側面に隣接した、前記頂面と底面との間に延びる複数の軸線方向スロットと、前記各々の側面を貫通してそれぞれの軸線方向スロットまで延び、前記側面の部分を撓み得るようにする複数の側面スロットと、
   前記側面および軸線方向スロットの各々に隣接して前記頂面から突出する複数の第一***部と、前記側面および軸線方向スロットの各々に隣接して前記底面から突出する複数の第二***部とを有し、前記スロットおよび***部は、協働して前記溝部内での前記スライダの長手方向摩擦移動を維持することを特徴とするスライダ。
2. 前記頂面から突出する複数の半球型エンボスを更に有する請求項１記載のスライダ。
3. 前記底面から突出する複数の半球型エンボスを更に有する請求項２記載のスライダ。
4. 前記半球型エンボスは、隣接した前記側面の各々に隣接して且つ隣接した前記側面の各々の間で頂面および底面から突出する請求項３記載のスライダ。
5. 前記頂面の中央で凹みかつ中心軸線を定め、連結ロッドのボールソケットを回動自在に受入れるようになっている凹状ボウルを更に有する請求項４記載のスライダ。
6. 前記中心軸線を中心に軸対称である請求項５記載のスライダ。
7. 中実一体成形部材である請求項６記載のスライダ。
8. 平らな底壁によって相互連結された間隔を隔てた１対の側壁と、前記底壁から間隔を隔てかつ前記底壁にほぼ平行に各側壁から延びる頂壁とを有し且つ該頂壁の間に細長いスロットが形成された細長い溝部内に、摺動自在に受入れられるスライダにおいて、
   頂面と、底面と、これらの頂面および底面を相互連結する複数の側面とを備えた本体部分と、
   前記各々の側面に隣接した、前記頂面と底面との間に延びる複数の軸線方向スロットと、前記各々の側面を貫通してそれぞれの軸線方向スロットまで延び、前記側面の部分が溝部の側壁に対して撓み得るようにする複数の側面スロットと、
   前記側面および軸線方向スロットの各々に隣接して前記頂面から突出する複数の第一***部と、前記側面および軸線方向スロットの各々に隣接して前記底面から突出する複数の第二***部とを有し、前記第一***部および第二***部は、前記スライダが溝部内に配置されたとき、それぞれ頂壁および底壁と係合しかつこれらの頂壁および底壁に対して撓んで、横方向および垂直方向の両方向の移動および溝部内でのガタつきを防止する、ことを特徴とするスライダ。
9. 溝部の頂壁と係合し且つ溝部内でのスライダの自由摺動をもたらすための、前記頂面から突出する複数の半球型エンボスを更に有する請求項８記載のスライダ。
10. 溝部の底壁と係合し且つ溝部内でのスライダの自由摺動をもたらすための、前記底面から突出する複数の半球型エンボスを更に有する請求項９記載のスライダ。
11. 前記半球型エンボスは、隣接した前記側面の各々に隣接し且つ隣接した前記側面の各々の間で頂面および底面から突出する請求項１０記載のスライダ。
12. 前記頂面の中央で凹みかつ中心軸線を定め、連結ロッドのボールソケットを回動自在に受入れかつ支持するようになっている凹状ボウルを更に有する請求項１１記載のスライダ。
13. 前記中心軸線を中心に軸対称である請求項１２記載のスライダ。
14. 中実一体成形部材である請求項１３記載のスライダ。