JP2004142286A - 湾曲物の射出成形金型及びその離型方法 - Google Patents

湾曲物の射出成形金型及びその離型方法 Download PDF

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Abstract

【課題】湾曲物の良好な離型を図り離型時における擦り傷の発生を確実に防止する、湾曲物の射出成形金型及びその離型方法を提供する。
【解決手段】射出成形金型1は、湾曲物2の内面を転写する内面転写コア3と、内面転写コア3の頂部3tをパーティング面4pから突出する姿勢で内面転写コア3を位置決めした可動型4と、内面転写コア3の両側面3sに各々対面し湾曲物2の両側部2sの外面を転写する一対のスライドコア5と、湾曲物2の頂部2tの外面を転写する外面転写キャビティ6と、外面転写キャビティ6を内面転写コア3の頂部3tに対向させて位置決めする固定型7とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を原料としてプラスチック製品の射出成形に使用する金型であり、例えば、アーチ形、ブリッジ形、又はドーム形等の外観形状を有する湾曲物を製造するのに最適な射出成形金型及びその離型方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アーチ形等の湾曲物の射出成形を行うための射出成形金型は周知である。このような射出成形金型の一例を図9に示す。同図は、当該金型100の両側が対称な形状であるため、金型100の片側の要部のみ表している。
【0003】
金型100は、アーチ形又はドーム形の湾曲物101の内面を転写する内面転写コア102を、この頂部112が可動型103のパーティング面113から突出する姿勢で可動型103に位置決めし、内面転写コア102の両側面122に各々対面し湾曲物101の両側部111の外面を転写する一対のスライドコア104を、可動型103に滑動自在に設け、可動型103にパーティング面115を接面させる固定型105に、湾曲物101の頂部131の外面を転写する外面転写キャビティ106を位置決めしたものである。
【0004】
固定型105の開型動作時に、一対のスライドコア104が、内面転写コア102の両側面122から離反する方向へ各々滑動する。この過程で、湾曲物101の良好な離型、即ち、内面転写コア102の両側面122に密着した湾曲物101からスライドコア104を確実に離脱できるような型構造を採らねばならない。そこで、各スライドコア104に、湾曲物101の側部111を内面転写コア102へ向けて押出すエジェクタピン107を付加している。
【0005】
エジェクタピン107は、固定型105に機械的に連動するのではなく、各スライドコア104に内装したコイルバネ108により、内面転写コア102の側面122へ向けて常時付勢される。可動型103を閉型状態にすると、可動型103によってカム機構109のカム119が図中の下方へ移動する。このカム119に従動して、エジェクタピン107がスライドコア104の内方へ後退する。このような構成は下記の特許文献に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−329893号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記例示の金型100では、内面転写コア102に密着した湾曲物101の全体をロボット等を用いて内面転写コア102から引き離す過程で、内面転写コア102の両側面122と湾曲物101の両側部111とが擦れて、湾曲物101の両側部111に擦り傷ができる。
【0008】
これは、同図に例示した内面転写コア102のような抜きテーパを確保することによってある程度の抑制は可能である。しかしながら、湾曲物101の意匠又は機能上の要請により抜きテーパを設けられない場合、特に、湾曲物101がアクリル樹脂製の透明で光沢ある商品の場合には、僅かな傷でも目立ち商品価値を損なうという問題が起こる。この他、湾曲物101の両側部111が、離型する方向に沿って長く延びる形状である場合、或いは、上記例示の抜きテーパと反対に傾く逆テーパである場合にも、離型時に両側面122が傷つくという問題は起こる。
【0009】
そこで、本発明の目的とするところは、湾曲物の良好な離型を図り離型時における擦り傷の発生を確実に防止する、湾曲物の射出成形金型及びその離型方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る湾曲物の射出成形金型は、湾曲物の内面を転写する内面転写コアと、該内面転写コアの頂部が、パーティング面から突出する姿勢で、該内面転写コアを位置決めする可動型と、前記内面転写コアの側面に対面し、前記湾曲物の側部の外面を転写するスライドコアと、前記湾曲物の頂部の外面を転写する外面転写キャビティと、該外面転写キャビティを、前記内面転写コアの頂部に対向する姿勢で、位置決めする固定型と、前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する動作に従って、前記スライドコアから前記内面転写コアへ向けて突出する第1エジェクタピンと、前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する動作に従って、前記内面転写コアの側面から前記スライドコアへ向けて突出する第2エジェクタピンと、を備えることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型は、前記第1エジェクタピンが、開型状態で、弾性体に付勢されて前記各スライドコアから突出し、閉型状態で、前記内面転写コアに突き当たるリターンピンが、前記第1エジェクタピンを前記弾性体に抗して前記各スライドコアの内方へ押戻すものである。
【0012】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型は、前記第2エジェクタピンが、前記各スライドコアの滑動に従って前記内面転写コアの内部で滑動するスライド入子に連結されているものである。
【0013】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型は、前記スライド入子を、前記各スライドコアの滑動する方向へ延びる押引棒の一端に接続し、該押引棒を前記スライドコアに摺動自在に挿通し、閉型状態で、前記押引棒の他端を、前記スライドコアと前記スライド入子のそれぞれの滑動するストロークの差に相当する長さ分、前記スライドコアの外方へ突出させると共に、該押引棒の他端に、前記スライドコアを掛止するストッパーを設けたものである。
【0014】
本発明に係る射出成形金型の離型方法は、湾曲物の内面を転写する内面転写コアと、該内面転写コアを位置決めする可動型と、前記内面転写コアの側面に対面し前記湾曲物の側部の外面を転写するスライドコアと、前記湾曲物の頂部の外面を転写する外面転写キャビティと、該外面転写キャビティを位置決めする固定型とを備える射出成形金型の離型方法であって、前記可動型が前記固定型から離反する動作に従わせて、前記スライドコアを前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する工程と、前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する動作に従わせて、前記スライドコアから、前記湾曲物の側部を前記内面転写コアへ向けて押出す第1エジェクタピンを突出する工程と、前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する動作に従わせて、前記内面転写コアの側面から、前記湾曲物の側部を前記スライドコアへ向けて押出す第2エジェクタピンを突出する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1,2に、本発明の実施の形態に係る射出成形金型1を開閉した状態の側面を各々表している。射出成形金型1は図中で左右対称な構成であるため、この片側のみ詳しく図示している。
【0016】
また、同図は、射出成形金型1を射出成形機に取り付けた状態を表すが、射出成形機は省略している。射出成形金型1の上下左右の向きは、説明の便宜により定め、必ずしも、実動する射出成形金型1の姿勢を示唆するものでない。また、以下で説明する構成要素の固定、連結、又は接続等の表記は、ボルト等を用いた強固な締結による事を意味する。
【0017】
射出成形金型1は、湾曲物2の内面を転写する内面転写コア3と、内面転写コア3の頂部3tをパーティング面4pから突出する姿勢で内面転写コア3を位置決めした可動型4と、内面転写コア3の両側面3sに各々対面し湾曲物2の両側部2sの外面を転写する一対のスライドコア5と、湾曲物2の頂部2tの外面を転写する外面転写キャビティ6と、外面転写キャビティ6を内面転写コア3の頂部3tに対向させて位置決めする固定型7とを備える。
【0018】
内面転写コア3は、放物線状の外周面(輪郭)を有し、その頂部3tの表面、及び頂部3tの両側の表面である両側面3sを鏡面としている。外面転写キャビティ6は、その内周面を内面転写コア3の輪郭に略沿った曲面形状としている。射出成形金型1の閉型状態では、内面転写コア3の外周面と外面転写キャビティ6の内周面との間に、厚さ数mmの空隙が形成される。
【0019】
可動型4は、射出成形機の可動部に取り付けられる可動側取付板40と、内面転写コア3を直接固定した可動側型板41と、可動側取付板40と可動側型板41の間にエジェクタプレート42の内装スペースを確保するスペースブロック43とを備える。可動側型板41は、パーティング面4pから固定型7へ向けて延出するガイドピン44を固定している。ガイドピン44が、固定型7に埋め込んで設けたガイドブッシュ45に嵌入することにより、可動型4が固定型7に対して位置決めされている。
【0020】
エジェクタプレート42には、湾曲物2のスプール又はランナーを内面転写コア3の頂部3tから離反する方向へ突き出すエジェクタピン46を接続している。エジェクタピン46は、専ら湾曲物2全体を内面転写コア3から固定型7へ向けて真っ直ぐに離型させるものである。
【0021】
固定型7は、射出成形機の固定部に取り付けられる固定側取付板70と、外面転写キャビティ6を形成した固定側型板71と、固定側型板71のパーティング面7pに固定したロッキングブロック72と、ロッキングブロック72に固定したアンギュラピン73とを備える。固定側型板71に固定したロケートリング74の内側にスプールブッシュ(図示省略)が内装されている。このスプールブッシュを経て、射出成形機から供給される熱可塑性樹脂を、外面転写キャビティ6と外面転写キャビティ6との間の上記空隙へ導入できる。
【0022】
射出成形金型1の動作は以下の通りである。即ち、可動型4の開型動作時(開型する過程)において、一対のスライドコア5が上記のアンギュラピン73に従動して、内面転写コア3から離反する方向へ滑動する。この動作に従って、一対のスライドコア5から、湾曲物2の両側部2sの外面を内面転写コア3へ向けて押出す第1エジェクタピン8と後述のリターンピン81(図5)が各々突出する。更に、内面転写コア3の両側面3sから、湾曲物2の両側部2sの内面を一対のスライドコア5へ向けて押出す第2エジェクタピン9が各々突出する。
【0023】
以下において、スライドコア5が内面転写コア3へ向かって滑動する方向を「内方向」と記し、スライドコア5が内面転写コア3から離反する方向を「外方向」と記す。
【0024】
詳しくは、図3,4,5に示すように、スライドコア5は、可動型4の可動側型板41に形成した案内溝(図示省略)に滑動自在に係合している。スライドコア5には、これを貫通して、上記のアンギュラピン73を嵌入する斜貫孔50と、2本の挿通孔55とが各々形成されている。内面転写コア3の両側面3sに対面するスライドコア5の内向き面51は鏡面である。
【0025】
第1エジェクタピン8は、エジェクタプレート80に接続し、スライドコア5の内向き面51から装填部52までを貫いたピン挿通孔53に出没自在に挿通している。エジェクタプレート80は、スライドコア5の内部に形成した装填部52に、弾性体10と共に内装されている。スライドコア5のピン挿通孔53を挟む位置には、一対のピン挿通孔54が形成され、これら一対のピン挿通孔54に、エジェクタプレート80に接続した2本のリターンピン81を1本ずつ挿通している。弾性体10は、コイルバネ、空気バネ、又はゴム等から成り、エジェクタプレート80を介して第1エジェクタピン8及びリターンピン81を内方向へ付勢する。
【0026】
更に、スライドコア5には、これを外方向へ付勢するバネ機構56を接続している。バネ機構56は、スライドコア5の外方向の端面に接続した引きボルト57と、可動側型板41から外方向へ延出して引きボルト57を摺動自在に挿通するL字形ホルダ58と、引きボルト57の頭部とL字形ホルダ58の間に介在したコイルバネ59とを備える。
【0027】
第2エジェクタピン9は、内面転写コア3に内装したスライド入子11に接続されている。スライド入子11は、内面転写コア3に形成した洞部30内に滑動自在に収納されたブロック体であり、スライドコア5の滑動する方向へ延びる押引棒12の一端に接続している。押引棒12は、スライドコア5の上記の挿通孔55に摺動自在に挿通している。押引棒12の他端は、スライドコア5の外方向の端面から所定の長さ分突出している。押引棒12の他端には、スライドコア5を掛止するストッパー13を設けている。
【0028】
上記の「所定の長さ」とは、スライドコア5とスライド入子11のそれぞれの滑動するストロークの差に相当する寸法であり、図2に寸法dで指したように、閉型状態における挿通孔55の座刳り部の奥端からストッパー13までの距離によって決まる。この距離は、押引棒12の全長又は押引棒12に対してストッパー13を取り付ける位置を変更することにより容易に伸縮させられる。
【0029】
また、スライド入子11が洞部30内を滑動できるストロークは、可動型7の開閉動作に伴うスライドコア5の滑動ストロークに比較して1/2〜1/4の長さであることが好ましい。また、図3中に表した一の押引棒12に加え、実際には、これに並列する他の押引棒がスライド入子11に接続している。これら2本の押引棒12は、図4で平面視した2本の挿通孔55に、それぞれ1本ずつ挿通している。
【0030】
図2の状態から可動型4が開型する過程で、先ず、スライドコア5が外方向へ滑動する。これは、可動型4が固定型7から離反するのに従って、斜貫孔50とアンギュラピン73との相対位置が徐々に変化し、スライドコア5全体が外方向へ移動するからである。同時に、第1エジェクタピン8が、エジェクタプレート80を介し弾性体10に付勢されて、スライドコア5の内向き面51から突出する。
【0031】
このような第1エジェクタピン8の動作により、湾曲物2の両側部2sが稀にスライドコア5に密着することがあっても、湾曲物2の両側部2sをスライドコア5から強制的に離脱させられる。
【0032】
更に、スライドコア5全体が外方向へ移動し、このスライドコア5が滑動した距離が、上記のストロークの差に相当する長さに達したところで、ストッパー13がスライドコア5を掛止する。これによりスライド入子11が滑動を開始する。そして、スライドコア5と共にスライド入子11が外方向へ滑動することにより、第2エジェクタピン9が内面転写コア3の両側面3sから突出する。
【0033】
このような第2エジェクタピン9の動作により、上記のエジェクタピン46が、湾曲物2を固定金型7へ向けて真っ直ぐに突き出す過程で、湾曲物2の両側部2sと内面転写コア3の両側面3sとの間に隙間を確保して、両側部2sが両側面3sに擦れるのを確実に防止できる。
【0034】
最後に、スライドコア5及びスライド入子11の両者が、それぞれのストロークの外方向の終端に同時に達する。これが図1の状態である。この状態で、バネ機構56は、引きボルト57の頭部をコイルバネ59によって外方向へ常時押圧するように構成しているので、アンギュラピン73が斜貫孔50から完全に抜け出しても、スライドコア5は外方向に寄せられた状態で保持される。
【0035】
図1の状態から可動型4が閉型する過程においては、可動型4が固定型7に接近し、スライドコア5の斜貫孔50にアンギュラピン73が嵌入したところで、スライドコア5が内方向への滑動を開始する。更に可動型4が固定型7に接近するに従って、斜貫孔50とアンギュラピン73との相対位置が徐々に変化し、スライドコア5全体が内方向へ移動する。そして、内面転写コア3の側面3sにリターンピン81が突当たることにより、このリターンピン81と共に第1エジェクタピン8が、弾性体10に抗してスイドコア5の内方へ押戻される。
【0036】
これにより、第1エジェクタピン8の先端面と内向き面51とが面一になる。また、リターンピン81が内面転写コア3の側面3sに突当たる位置は、湾曲物2の側部2sに形成する開口20及び入込み部21に対応する箇所である。内面転写コア3の側面3sは、開口20及び入込み部21に対応する箇所を僅かに盛り上げている。この部分は、エジェクタピン46が湾曲物2を内面転写コア3から離型させる方向に対してアンダーカットになっている。
【0037】
一方、第2エジェクタピン9は、可動型4が閉型する過程で、リターンピン15によって内面転写コア3の側面3sの内方へ押し戻される。即ち、リターンピン15は、スライドコア5から内方向へ突出して設けられ、スライドコア5の内方向への滑動に従ってスライド入子11を強制的に押戻すものである。リターンピン15がスライドコア5から突出する寸法は、図2に示すように、スライドコア5がそのストロークの内方向の終端に達した位置で、スライド入子11を洞部30の図中右の端面に押し当てた状態に位置決めできるよう設定されている。
【0038】
この他、第2エジェクタピン9を内面転写コア3の側面3sに没入させる手段として、スライド入子11を内方向へ付勢する弾性体(図示省略)を洞部30内に設けても良い。或いは、スライド入子11を内方向へ吸引するソレノイド等を設けても良い。
【0039】
また、上記の説明では、第1,第2エジェクタピン8,9の突出する方向を、それぞれ内方向及び外方向に一致させたが、第1,第2エジェクタピン8,9の突出する方向は、それぞれ内方向及び外方向に対して斜めに交差するよう設定しても良い。第1,第2エジェクタピン8,9は、それぞれ1個のスライドコア5又は1個のスライド入子11に1本又は2本ずつ設けたが、2本以上又は3本以上設けても良い。
【0040】
また、湾曲物2とは、図1,2に例示の形状に限定されるものではなく、その曲率中心が湾曲物2の内側又は外側の何れにあっても良く、また、図6(a)に示すような放物線状に湾曲したものでも良い。同図(b)は、湾曲物2がその両側部2sを更に湾曲物2の内側へ回り込ませた形状である。言い換えれば、両側部2sがその離型方向に対して逆テーパ又はアンダーカットになっている。このような両側部2sを有する湾曲物2を離型させる場合、第2エジェクタピン9によって両側部2sを仮想線で表したように押し広げ、両側部2sと内面転写コア3の両側面3sとの間に隙間を確保できる。従って、両側部2sが両側面3sに擦れるのを確実に防止できる。
【0041】
また、湾曲物2は、その両側部2sが互いに対称な形状である必要はない。図6(c)に示すように、片方の側部2sが離型する方向に沿って長く延びる形状であっても、或いは、同図(d)に示すように、両側部2s付近の2カ所を90°に湾曲した形状であっても、上記と同様に、これらの両側部2sが離型時に擦れるのを確実に防止できる。
【0042】
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。即ち、以上の説明では湾曲物2の断面のみ例示したが、図7に示すように、湾曲物2は全体としてドーム形でも良い。この場合、図8(a)に示すように、射出成形金型1の可動型4に、湾曲物2の4カ所の側部2sに対応して4個のスライドコア5を設け、4個のスライドコア5のそれぞれ斜貫孔50に対応して、固定形7に4本のアンギュラピン73を設ける。また、同図(b)に示すように、複数のスライドコア5を内面転写コア3の周りに放射状に配置しても良い。或いは、同図(c)に示すように、複数のスライドコア5を、内面転写コア3の両側面3sを挟むように対向配置しても良い。
【0043】
尚、以上に例示した本実施の形態は、本願発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。また、本願発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施されるものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る湾曲物の射出成形金型及びその離型方法によれば、可動型の開型動作時に、一対のスライドコアが内面転写コアから離反する方向への滑動に従って、第1エジェクタピンを一対のスライドコアから突出するので、湾曲物の両側部が稀にスライドコアに密着することがあっても、湾曲物の両側部をスライドコアから強制的に離脱させられる。これにより、スライドコアの外方向への滑動に伴って湾曲物の両側部が変形したり、又は破損したりするという離型不良を確実に防止できる。
【0045】
更に、上記の第1エジェクタピンの動作に加えて、第2エジェクタピンを内面転写コアの両側面から突出するので、湾曲物の両側部と内面転写コアの両側面との間に隙間を確保できる。これにより、湾曲物の両側部が内面転写コアの両側面に擦れるのを確実に防止できるので、離型の際に湾曲物に擦れ傷が発生することはない。
【0046】
従って、湾曲物の意匠又は機能上の要請により抜きテーパを設けられない場合の他、湾曲物の側部が離型する方向に沿って長く延びる形状である場合、或いは、湾曲物の側部にアンダーカットが形成される場合にも、離型時に湾曲物の側部が傷つくのを確実に防止できる。特に、このような効果は、湾曲物がアクリル樹脂製の透明で光沢ある商品である場合に顕著である。
【0047】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型によれば、弾性体に付勢されて各スライドコアから突出する第1エジェクタピンを、内面転写コアに突当てることにより、弾性体に抗してスライドコアの内方へ押戻すよう構成しているので、第1エジェクタピンを可動型の動作に従動させるために、従来例のようなカム機構を付加する必要がない。従って、スライドコアの小型化に貢献し、更には、当該射出成形金型の全体の小型化及び簡素化を達成できる。
【0048】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型によれば、第2エジェクタピンが、内面転写コアの内部で滑動するスライド入子に連結し、スライド入子がスライドコアの滑動に従って滑動するよう構成しているので、スでライドコアを滑動させるアンギュラピンのみを固定型に設ければ、第2エジェクタピンは、このようなアンギュラピンにスライド入子を介して従動させられる。従って、第2エジェクタピンを作動させるためのカム機構を特に具備しなくても良く、当該射出成形金型の全体の簡素化及びコストの低減を図れる。
【0049】
更に、本発明に係る湾曲物の射出成形金型によれば、一端にスライド入子を接続した押引棒の他端を、閉型状態においてスライドコアの外方へ突出するように構成し、その突出する寸法を、スライドコアとスライド入子のそれぞれの滑動するストロークの差に相当する長さに設定しているので、相互にストロークの長さが異なるスライドコアとスライド入子とを、機械的に同期させられる。
【0050】
従って、スライドコアとスライド入子を別々のアンギュラピンにそれぞれ従動させたり、或いは、スライド入子を可動型の開型動作に従って滑動させるためのカム機構を別途設けたりしなくても良く、当該射出成形金型の全体の簡素化及びコストの低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型の開型状態を一部破断して示す側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型の閉型状態を一部破断して示す側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型の要部の側面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型に適用したスライドコアの平面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型に適用したスライドコアの正面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型により成形可能な種々の湾曲物を例示した断面図。
【図7】本発明の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型により成形可能なドーム形の湾曲物を例示した斜視図。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る湾曲物の射出成形金型の可動型の平面図及びその変形例の概略図。
【図9】従来例の湾曲物の射出成形金型の開型状態を示す断面図。
【符号の説明】
1:射出成形金型
2:湾曲物
3:内面転写コア
4:可動型
5:スライドコア
6:外面転写キャビティ
7:固定型
8:第1エジェクタピン
9:第2エジェクタピン
10:弾性体
11:スライド入子
12:押引棒
13:ストッパー

Claims (5)

  1. 湾曲物の内面を転写する内面転写コアと、
    前記内面転写コアの頂部が、パーティング面から突出する姿勢で、該内面転写コアを位置決めする可動型と、
    前記内面転写コアの側面に対面し、前記湾曲物の側部の外面を転写するスライドコアと、
    前記湾曲物の頂部の外面を転写する外面転写キャビティと、
    前記外面転写キャビティを、前記内面転写コアの頂部に対向する姿勢で、位置決めする固定型と、
    前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する動作に従って、前記スライドコアから前記内面転写コアへ向けて突出する第1エジェクタピンと、
    前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する動作に従って、前記内面転写コアの側面から前記スライドコアへ向けて突出する第2エジェクタピンと、
    を備えることを特徴とする湾曲物の射出成形金型。
  2. 前記第1エジェクタピンが、開型状態で、弾性体に付勢されて前記各スライドコアから突出し、閉型状態で、前記内面転写コアに突き当たるリターンピンが、前記第1エジェクタピンを前記弾性体に抗して前記各スライドコアの内方へ押戻す請求項1に記載の湾曲物の射出成形金型。
  3. 前記第2エジェクタピンが、前記各スライドコアの滑動に従って前記内面転写コアの内部で滑動するスライド入子に連結されている請求項1又は2に記載の湾曲物の射出成形金型。
  4. 前記スライド入子を、前記各スライドコアの滑動する方向へ延びる押引棒の一端に接続し、該押引棒を前記スライドコアに摺動自在に挿通し、閉型状態で、前記押引棒の他端を、前記スライドコアと前記スライド入子のそれぞれの滑動するストロークの差に相当する長さ分、前記スライドコアの外方へ突出させると共に、該押引棒の他端に、前記スライドコアを掛止するストッパーを設けた請求項3に記載の湾曲物の射出成形金型。
  5. 湾曲物の内面を転写する内面転写コアと、該内面転写コアを位置決めする可動型と、前記内面転写コアの側面に対面し前記湾曲物の側部の外面を転写するスライドコアと、前記湾曲物の頂部の外面を転写する外面転写キャビティと、該外面転写キャビティを位置決めする固定型とを備える射出成形金型の離型方法であって、
    前記可動型が前記固定型から離反する動作に従わせて、前記スライドコアを前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する工程と、
    前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する動作に従わせて、前記スライドコアから、前記湾曲物の側部を前記内面転写コアへ向けて押出す第1エジェクタピンを突出する工程と、
    前記スライドコアが前記内面転写コアから離反する方向へ滑動する動作に従わせて、前記内面転写コアの側面から、前記湾曲物の側部を前記スライドコアへ向けて押出す第2エジェクタピンを突出する工程と、
    を含むことを特徴とする射出成形金型の離型方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102310527A (zh) * 2011-09-07 2012-01-11 宁波双林模具有限公司 一种圆弧滑动型芯的靠模抽芯装置
CN105398001A (zh) * 2015-12-28 2016-03-16 江苏师范大学 一种汽车转向灯固定座注塑模具
CN108943611A (zh) * 2018-09-28 2018-12-07 奥克斯空调股份有限公司 一种斜顶抽芯机构以及注塑模具
CN110919995A (zh) * 2019-12-11 2020-03-27 浙江永明模具股份有限公司 用于滑块包裹成型环状产品防粘连脱模结构
CN112976429A (zh) * 2021-05-14 2021-06-18 宁波明飞汽车零部件有限公司 一种汽车中央通道骨架支撑件模具

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