JP2003130996A - 放射線画像変換パネル、及びその製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネル、及びその製造方法

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JP2003130996A
JP2003130996A JP2001326221A JP2001326221A JP2003130996A JP 2003130996 A JP2003130996 A JP 2003130996A JP 2001326221 A JP2001326221 A JP 2001326221A JP 2001326221 A JP2001326221 A JP 2001326221A JP 2003130996 A JP2003130996 A JP 2003130996A
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stimulable phosphor
radiation image
layer
phosphor layer
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Takafumi Yanagida
貴文 柳多
Kiyoshi Hagiwara
清志 萩原
Nobuhiko Takashima
伸彦 高嶋
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が高く、かつ画像特性の優れた、特に鮮
鋭度の優れた画像を与える放射線画像変換パネルを提供
することにある。又、それを製造する方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】 支持体上に、高分子樹脂中に分散された
輝尽性蛍光体を含有する複数の構成層から形成された輝
尽性蛍光体層、及び保護層をこの順に有する放射線画像
変換パネルにおいて、各輝尽性蛍光体層は同一の高分子
樹脂及び輝尽性蛍光体で形成され、かつ全輝尽性蛍光体
層の厚みのうち支持体側から保護層に向けて10〜90
%の厚みが励起光の一部を吸収する着色剤にて着色さ
れ、前記支持体は輝尽発光波長領域での反射率を50〜
99%有することを特徴とする放射線画像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を用
いた放射線画像変換パネルと、その製造方法に関するも
のであり、詳しくは、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診
断用などの分野で多く用いられている。このX線画像を
得る方法としては、被写体を通過したX線を蛍光体層
(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じ
させた後、この可視光を通常の写真を撮るときと同様に
して、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料
ともいう)に照射し、次いで現像処理を施して可視銀画
像を得る、いわゆる放射線写真方式が広く利用されてい
る。
【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩
を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体
層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されてい
る。
【0004】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。
【0005】具体的には、例えば、米国特許第3,85
9,527号及び特開昭55−12144号公報などに
記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像
変換方法が知られている。
【0006】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変
換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を
当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線
エネルギーを蓄積させて、その後、輝尽性蛍光体を可視
光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起
することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号を、例えば、光電変換して、電気信号を得
て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの記録材
料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するも
のである。
【0007】上記の放射線画像の再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射
線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点を有している。
【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の
輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使
用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回
の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対し
て、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネル
を繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面から
も有利である。
【0010】放射線画像変換パネルを使用した放射線画
像変換方式の優劣は、該パネルの輝尽性発光輝度(感度
ともいう)及び得られる画像の鮮鋭性に大きく左右さ
れ、特に、これらの特性に対しては、用いる輝尽性蛍光
体の特性が大きく影響を与えるとされている。
【0011】上記課題に対し、例えば、特公平4−75
480号では、主に2種の平均粒子径を有する輝尽性蛍
光体を混合し、輝度と鮮鋭度とを向上させる方法が開示
されている。しかしながら、2種の異なる平均粒子径を
有する輝尽性蛍光体を混合しただけでは、得られる放射
線画像変換パネルの特性が、何れか一方の輝尽性蛍光体
粒子の特性が偏り、総合的な特性の向上への寄与が低下
し、その改良効果も小さいことが判明した。又、上記明
細書においては、2種類以上の輝尽性蛍光体の混合に関
する可能性を示唆はしているが、その混合比率には言及
しておらず、具体的に検討を進めていく中で、選択する
混合比率によっては、ほとんど効果が発揮されない領域
があることが判明した。又、混合する輝尽性蛍光体粒子
間での平均粒子径差が小さいと特性の改良度が低下し、
逆に、平均粒子径差が大きいと、得られる画像のざらつ
き感、いわゆる粒状度の劣化を招く結果となり、この画
像の粒状度劣化は、例えば、医療画像に適用した際、病
変等の発見や確認を困難とし、致命的な問題を引き起こ
す可能性がある。
【0012】又、特公平4−44720号には、平均粒
子径の異なる輝尽性蛍光体を有する蛍光体層を重層する
ことによって、放射線画像変換パネルに対し、輝度と鮮
鋭度とを向上させる方法が開示されている。しかしなが
ら、異なる粒子径を持った蛍光体層を重層すると、重層
界面での屈折率差が大きくなるため、界面において励起
光が散乱し鮮鋭度を劣化させるという問題が生じた。
【0013】即ち、放射線画像変換パネルにおける鮮鋭
度の低下は、パネルの表面から入射した励起光が、支持
体に向かうにつれて散乱などによって広がることにより
生じる。このような励起光の広がりによる鮮鋭度の劣化
を早急に改良することが要望されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、感度が高く、か
つ画像特性の優れた、特に鮮鋭度の優れた画像を与える
放射線画像変換パネルを提供することにある。又、それ
を製造する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記の構成により解決することができる。
【0016】1.支持体上に、高分子樹脂中に分散され
た輝尽性蛍光体を含有する複数の構成層から形成された
輝尽性蛍光体層、及び保護層をこの順に有する放射線画
像変換パネルにおいて、各輝尽性蛍光体層は同一の高分
子樹脂及び輝尽性蛍光体で形成され、かつ全輝尽性蛍光
体層の厚みのうち支持体側から保護層に向けて10〜9
0%の厚みが励起光の一部を吸収する着色剤にて着色さ
れ、前記支持体は輝尽発光波長領域での反射率を50〜
99%有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0017】2.支持体上に、高分子樹脂中に分散され
た輝尽性蛍光体を含有する複数の構成層から形成された
輝尽性蛍光体層、及び保護層をこの順に有する放射線画
像変換パネルにおいて、各輝尽性蛍光体層は同一の高分
子樹脂及び輝尽性蛍光体で形成され、かつ前記輝尽性蛍
光体層のうち保護層に最も近接して形成された輝尽性蛍
光体層を除く輝尽性蛍光体層は励起光の一部を吸収する
着色剤にて着色され、前記支持体は輝尽発光波長領域で
の反射率を50〜99%有することを特徴とする放射線
画像変換パネル。
【0018】3.前記支持体が気泡を含有するポリエチ
レンテレフタレートであることを特徴とする1又は2記
載の放射線画像変換パネル。
【0019】4.前記輝尽性蛍光体がEu付活BaFI
であることを特徴とする1〜3の何れか1項記載の放射
線画像変換パネル。
【0020】5.輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分
散含有させた輝尽性蛍光体塗布液を支持体上に塗布する
ことにより複数の構成層からなる輝尽性蛍光体層を形成
する放射線画像変換パネルの製造方法において、各輝尽
性蛍光体層は同一の高分子樹脂及び輝尽性蛍光体で形成
され、かつ前記輝尽性蛍光体層のうち最上層を除く輝尽
性蛍光体層は励起光の一部を吸収する着色剤にて着色さ
れ、前記支持体は輝尽発光波長領域での反射率を50〜
99%有するものであり、かつ下層の輝尽性蛍光体層が
未乾燥の状態で上層塗布を行うことを特徴とする放射線
画像変換パネルの製造方法。
【0021】6.前記支持体が気泡を含有するポリエチ
レンテレフタレートであることを特徴とする5記載の放
射線画像変換パネルの製造方法。
【0022】7.前記輝尽性蛍光体がEu付活BaFI
であることを特徴とする5又は6記載の放射線画像変換
パネルの製造方法。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。前述の如
く、放射線画像変換パネルにおける鮮鋭度の低下は、該
パネルの表面から入射した励起光が、支持体に向かうに
つれて散乱などによって広がることにより生じる。
【0024】本発明者らは、このような励起光の広がり
による鮮鋭度の劣化を改善することを目的として鋭意検
討した結果、励起光の散乱や広がりは、輝尽性蛍光体層
内の高分子樹脂の素材や蛍光体粒子の粒径のバラツキに
より生じたり、又、励起光が各蛍光体層間での境界面、
蛍光体層と支持体との境界面を通過する際に頻度が高く
なるとの知見のもと、各蛍光体層の構成要素を同一に
し、かつ蛍光体層の一部を励起光を吸収する着色剤を用
いて着色することで励起光の散乱や広がりを防止でき、
感度が高く、かつ鮮鋭度の優れた画像が得られることを
見出し、本発明に至ったものである。
【0025】同一蛍光体、同一高分子樹脂を含有する蛍
光体層を一部着色しかつ重層することにより界面に到達
した励起光がほとんど散乱せずに次の蛍光体層に進入す
ることができる。次層に進入した励起光は着色剤により
徐々に吸収される。このとき励起光は着色された蛍光体
層内を進む距離が長いもの程吸収され、減衰する。鮮鋭
性を落とす励起光は外に拡散しているため、同じ深さを
進むときの減衰率が高い。このため不要な励起光を効率
よく減衰させ、鮮鋭性を落とすことなく下層を励起する
ことができる。
【0026】尚、ここで同一の蛍光体とは平均粒径、蛍
光体組成が相違しないものをいい、又同一の高分子樹脂
とは素材の相違しないものをいう。
【0027】次いで、本発明の放射線画像変換パネルの
各構成要素について説明する。本発明に用いることので
きる輝尽性蛍光体としては、波長が400〜900nm
の範囲にある励起光によって、300〜500nmの波
長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に使用される。
【0028】以下に、本発明の放射線画像変換パネルで
好ましく用いることのできる蛍光体の例を挙げるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】(1)(Ba1-X,M(II)X)FX:y
A、(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、Zn及びC
dのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、及びIの
うち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、Yb、及びErのうちの少なく
とも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦
0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;又、この蛍光体
には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0030】a)X′、BeX″、M(III)X′″3
式中、X′、X″、及びX′″はそれぞれCl、Br及
びIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金属で
ある b)BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Zn
O、Al23、Y23、La23、In23、Si
2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb
2 5、Ta25及びThO2などの金属酸化物 c)Zr、Sc d)B e)As、Si f)M・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、及びC
sからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金
属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Al、Ga、In、及びTlからなる群より
選ばれる少なくとも一種の三価金属である g)テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;ヘキサフル
オロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸及びヘキサフルオ
ロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成
物;NaX′、式中、X′はCl、Br及びIのうちの
少なくとも一種である h)V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金
属;M(I)X′、M′(II)X″2、M(III)X′″
3、A、式中、M(I)はLi、Na、K、Rb、及び
Csからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり、M′(II)はBe及びMgからなる群より
選ばれる少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)
はAl、Ga、In、及びTlからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であ
り、X′、X″、及びX′″はそれぞれF、Cl、Br
及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンである i)M(I)X′、式中、M(I)はRb及びCsから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り、X′はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンである j)M(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(I
I)′はBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′及びX″
はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″であ
る;更に、LnX″3、式中、LnはSc、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、
Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンである。
【0031】(2)M(II)X2・aM(II)X′2:x
Eu2+(式中、M(II)はBa、Sr及びCaからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であ
り;X及びX′はCl、Br及びIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′
であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x
≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;又、この蛍
光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0032】a)M(I)X′、式中、M(I)はRb
及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ金属であり;X′はF、Cl、Br及びIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである b)KX″、MgX′″2、M(III)X″″3、式中、
M(III)はSc、Y、La、Gd及びLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、
X′″及びX″″は何れもF、Cl、Br及びIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである c)B、SiO2、P25等の酸化物、LiX″、Na
X″、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンである d)SiO、SnX″2、式中、X″はF、Cl、Br
及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンである e)CsX″、SnX′″2、式中、X″及びX′″は
それぞれF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである;更に、CsX″、L
3+、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはS
c、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、
Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素である。
【0033】(3)LnOX:xA(式中、LnはL
a、Y、Gd、及びLuのうち少なくとも一つ;XはC
l、Br、及びIのうち少なくとも一つ;AはCe及び
Tbのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1であ
る)の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハ
ライド蛍光体。
【0034】(4)M(II)OX:xCe(式中、M
(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、
Ho、Er、Tm、Yb、及びBiからなる群より選ば
れる少なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、B
r、及びIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<
0.1である)の組成式で表されるセリウム付活三価金
属オキシハライド蛍光体。
【0035】(5)M(I)X:xBi(式中、M
(I)はRb及びCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;XはCl、Br及びIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化
物蛍光体。
【0036】(6)M(II)5(PO43X:xEu2+
(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付
活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0037】(7)M(II)2BO3X:xEu2+(式
中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはC
l、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値で
ある)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカ
リ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。
【0038】(8)M(II)2(PO43X:xEu2+
(式中、M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活ア
ルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0039】(9)M(II)HX:xEu2+(式中、M
(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、B
r及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類
金属水素化ハロゲン化物蛍光体。
【0040】(10)LnX3・aLn′X′3:xCe
3+、(式中、Ln及びLn′はそれぞれY、La、Gd
及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素であり;X及びX′はそれぞれF、Cl、Br及
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a
≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の
範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希
土類複合ハロゲン化物蛍光体。
【0041】(11)LnX3・aM(I)X′3:xC
3+、(式中、LnはY、La、Gd及びLuからなる
群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M
(I)はLi、Na、K、Cs及びRbからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及び
X′はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a
≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の
範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希
土類複合ハロゲン化物系蛍光体。
【0042】(12)LnPO4・aLnX3:xC
3+、(式中、LnはY、La、Gd及びLuからなる
群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X
はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦1
0.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類
ハロ燐酸塩蛍光体。
【0043】(13)CsX:aRbX′:xEu2+
(式中、X及びX′はそれぞれCl、Br及びIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そ
してaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される
二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム
蛍光体。
【0044】(14)M(II)X2・aM(I)X′:
xEu2+、(式中、M(II)はBa、Sr及びCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;M(I)はLi、Rb及びCsからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及び
X′はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1
≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.
2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロ
ピウム付活複合ハロゲン化物蛍光体。
【0045】上記の輝尽性蛍光体のうちで、輝尽性蛍光
体粒子がヨウ素を含有していることが好ましく、例え
ば、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二
価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍
光体、ヨウ素を含有する希土類元素付活希土類オキシハ
ロゲン化物系蛍光体、及びヨウ素を含有するビスマス付
活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽
発光を示すため好ましく、中でも、高輝度の輝尽発光を
示す観点から、ヨウ素を含有する二価ユウロピウム付活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Eu付活
BaFI)が特に好ましく用いられる。
【0046】本発明の放射線画像変換パネルに用いられ
る支持体は、反射性を上げ、放射線画像変換パネルの輝
度を向上させる観点から、輝尽性蛍光体粒子の輝尽発光
波長領域での反射率を50〜99%有するものであれ
ば、各種高分子材料、ガラス、金属等の中から適宜用い
られる。特に、情報記録材料としての取り扱い上、可撓
性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好適で
あり、この点からいえば、例えば、セルロースアセテー
トフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミド
フィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネート
フィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、
鉄、銅、クロム等の金属シート或いは該親水性微粒子の
被覆層を有する金属シートが好ましい。
【0047】上記の「輝尽性蛍光体粒子の輝尽発光波長
領域での反射率を50〜99%有するもの」とは、反射
性の物質を含有するものや金属薄膜を張ったもの、金属
蒸着を施したもの等が挙げられる。又、光を透過する樹
脂に多数の気泡を含有させたものも使用できる。上記の
「反射性の物質」とは、白色の物質であれば使用できる
が、好ましくは酸化チタン等の白色金属酸化物が好まし
い。
【0048】ここで輝尽性蛍光体粒子の輝尽発光波長領
域での反射率を測定するには分光反射率を測定する方法
を採用することができ、市販の分光反射率測定装置、例
えば日立自記分光光度計U−3300型を用いて測定す
ることができる。
【0049】又、これら支持体の膜厚は、用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には3〜1000μ
mであり、取り扱い易さの観点からは、80〜500μ
mであることが好ましい。
【0050】特に、反射性を上げ、放射線画像変換パネ
ルの輝度を向上させる観点から、本発明に係る支持体は
気泡を含有するポリエチレンテレフタレートが好ましく
用いられる。
【0051】気泡を含有するポリエチレンテレフタレー
トは特開平3−76727号及び特開平6−22689
4号に記載の手法にて得られる。ポリエチレンテレフタ
レート中に気泡を含有させることにより、輝尽蛍光に対
する反射能が高まり、放射線画像変換パネルの輝度が向
上した支持体が作製出来る。気泡を含有するポリエチレ
ンテレフタレートの市販品としては、東レ株式会社製の
E−60L等を入手することができる。
【0052】又、前記気泡を含有するポリエチレンテレ
フタレート支持体の層厚は用いる支持体の材質等によっ
て異なるが、一般的には80〜1000μmであり、取
り扱い上の点から、好ましくは80〜500μmであ
る。
【0053】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、反射層や、光吸収層及び輝尽性蛍光体層との接着
性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0054】更に、これら支持体は、輝尽性蛍光体層と
の接着性を向上させる目的で、輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に下引き層を設けてもよい。
【0055】本発明において、下引き層に用いられる結
合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン
等のポリサッカライド、又はアラビアゴムのような天然
高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビ
ニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニ
リデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)
アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポ
リウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビ
ニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高
分子物質などにより代表される結合剤を挙げることがで
きる。又、これらの結合剤は、架橋剤により架橋された
ものでも良い。
【0056】本発明においては、複数の構成層から形成
された輝尽性蛍光体層は同一の高分子樹脂及び輝尽性蛍
光体で形成されている。従って、各輝尽性蛍光体層は、
親となる1つの塗布液の調製を行い、それを各層毎に塗
布する逐次塗布、又は同時重層塗布することにより形成
することができる。但し、後述するように、一部の輝尽
性蛍光体層は励起光の一部を吸収する着色剤にて着色す
ることが必要なため、前記塗布液は適宜着色剤が添加さ
れる。着色剤の添加に当たっては、溶媒に溶解・分散せ
しめた状態で添加を行っても良いし、直接塗布液に着色
剤自体を添加しても構わない。
【0057】本発明において、輝尽性蛍光体層に用いら
れる結合剤の例としては、上記下引き層に記載の化合物
を同様に用いることができ、これらの結合剤は、架橋剤
により架橋されたものでも良い。
【0058】輝尽性蛍光体層塗布液において、結合剤と
輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線画像変換
パネルの特性、蛍光体の種類等によって異なるが、概
ね、蛍光体に対する結合剤の比率は、1〜20質量部が
好ましいが、得られる放射線画像変換パネルの輝度と鮮
鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易
さとの兼合いから2〜10質量部の範囲がより好まし
い。
【0059】輝尽性蛍光体層塗布液の調製に用いられる
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコ
ールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳
香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライド
などのハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物などが挙
げられる。
【0060】尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光
体の分散性を向上させるための分散剤、又、形成後の輝
尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力
を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合さ
れていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の
例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親
油性界面活性剤などを挙げることができる。又、可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;
グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチ
ルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そし
て、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエス
テル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステ
ルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸との
ポリエステルなどを挙げることができる。又、輝尽性蛍
光体層塗布液中に、輝尽性蛍光体粒子の分散性を向上さ
せる目的で、ステアリン酸、フタル酸、カプロン酸、親
油性界面活性剤などの分散剤を混合してもよい。
【0061】本発明においては、全輝尽性蛍光体層の厚
みのうち支持体側から保護層に向かって10〜90%の
厚みが励起光の一部を吸収する着色剤にて着色されされ
ている。
【0062】具体的には、複数の構成層から形成された
輝尽性蛍光体層のうちの最上層以外の輝尽性蛍光体層、
即ち保護層に最も近接して形成された輝尽性蛍光体層を
除く全輝尽性蛍光体層が励起光の一部を吸収する着色剤
にて着色されている。
【0063】本発明で用いることのできる着色剤として
は、例えば、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ビスベ
ンズイミダゾール顔料、芳香族多縮合環化合物、アゾ顔
料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられ、
これらは単独或いは二種以上を併用して用いることがで
きる。これらの化合物の中では、フタロシアニン化合物
が波長域の点から好ましい。又、本発明においては、顔
料として、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等
も使用できる。
【0064】保護層に最も近接して形成された輝尽性蛍
光体層を除く全輝尽性蛍光体層を上記の着色剤で着色す
る理由としては、照射された励起光が鮮鋭性を落とすこ
となくほとんど散乱せずに下層の蛍光体層に進入するこ
とができるからである。下層に進入した励起光は着色剤
により徐々に吸収される。このとき励起光は、着色され
た蛍光体層内を進む距離が長いもの程吸収され、減衰す
る。鮮鋭性を落とす励起光、即ち散乱した励起光は外に
拡散するため、同じ深さを進むときの減衰率が高くな
り、このため不要な励起光を効率よく減衰させ、鮮鋭性
を落とすことなく下層を励起することができる。
【0065】次に、放射線画像変換パネルの製造方法に
ついて説明する。輝尽性蛍光体塗布液の調製は、例え
ば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライタ
ー、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kady
ミル、或いは超音波分散機などの分散装置を用いて行な
われる。該塗布液組成としては、異なる粒径を有する蛍
光体を結合剤及び溶剤中に分散含有させたものが好まし
い。
【0066】上記のようにして調製された塗布液を、支
持体に形成された下引き層の表面上に均一に塗布するこ
とにより塗膜を形成する。用いることのできる塗布方法
としては、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレー
ド、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコータ
ー、リップコーターなどを用いることができる。
【0067】その際、下層の輝尽性蛍光体層が未乾燥の
状態で上層塗布を行うことが本発明の効果の点で好まし
く、各輝尽性蛍光体層間に境界面が形成されにくくな
り、保護層の表面から入射した励起光が、輝尽性蛍光体
層間の境界面で散乱などによって広がることが減少し、
鮮鋭度の低下が防止されるという効果が期待される。塗
布の形態は、同時重層塗布でも逐次塗布であっても構わ
ない。
【0068】上記の手段により形成された塗膜は、その
後加熱、乾燥されて、下引き層上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。輝尽性蛍光体層の膜厚は、目的とする
放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結
合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は
10〜1000μmであり、より好ましくは10〜50
0μmである。
【0069】輝尽性蛍光体層は、その上層と下層の膜厚
比として上層/下層=20/80〜90/10が好まし
く、50/50〜80/20が更に好ましい。
【0070】支持体上に輝尽性蛍光体層が塗設された蛍
光体シートは、所定の大きさに断裁される。断裁に当た
っては、一般のどのような方法でも可能であるが、作業
性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望まし
い。
【0071】本発明の放射線画像変換パネルには、輝尽
性蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保
護層(保護フィルムともいう)を設け、その構成は目
的、用途などに応じて適宜選択することができる。
【0072】保護層としては、ASTMD−1003に
記載の方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%
未満の励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポ
リメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィル
ム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、
ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナ
フタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透
明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これ
らのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素な
どの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより
好ましい。
【0073】保護層で用いるフィルムのヘイズ率は、使
用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に
調整でき、又任意のヘイズ率を有する樹脂フィルムは工
業的に容易に入手することができる。放射線画像変換パ
ネルの保護フィルムとしては、光学的に透明度の非常に
高いものが想定されている。そのような透明度の高い保
護フィルム材料として、ヘイズ値が2〜3%の範囲にあ
る各種のプラスチックフィルムが市販されている。本発
明の効果を得るために好ましいヘイズ率としては5%以
上60%未満であり、更に好ましくは10%以上50%
未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや線状
ノイズを解消する効果が低く、又60%以上では鮮鋭性
の向上効果が損なわれ、好ましくない。
【0074】本発明において、保護層で用いるフィルム
は、必要とされる防湿性に合わせて、樹脂フィルムや樹
脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを
複数枚積層することで最適な防湿性とすることができ、
輝尽性蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少な
くとも50g/m2・day以下であることが好まし
い。樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はな
く、公知の何れの方法を用いても良い。
【0075】保護フィルムは、輝尽性蛍光体層に接着層
を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた構造(以下、封止又は封止構造ともい
う)であることがより好ましい。蛍光体プレートを封止
するに当たっては、公知の何れの方法でもよいが、防湿
性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層樹脂
層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防湿
性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作
業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。
【0076】蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルム
を配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側
にある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルス
シーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、蛍
光体シートの外周部からの水分進入も阻止でき好まし
い。
【0077】支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以
上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィ
ルムとすることで、より確実に水分の進入を低減でき、
又この封止方法は作業的にも容易であり好ましい。
【0078】上記インパルスシーラーで加熱融着する方
法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光
体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大
気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0079】防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側
の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着
していないことが好ましい。ここでいう接着していない
とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムとが点
接触していても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防
湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことで
ある。又、上記の熱融着性を有する樹脂フィルムとは、
一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂
フィルムのことで、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリ
マー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポ
リエチレン(PE)フィルム等を挙げることができる
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0080】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されない。 (a)蛍光体の調製 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol
/L)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol
/L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応
母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化ア
ンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母
液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成さ
せた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の
熟成を行なった。次に、沈澱物をろ別後、エタノールに
より洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化
ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子
形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を
防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量
%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナ
の超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボート
に充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、
850℃で2時間焼成した後、分級して平均粒径が8μ
mのユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体を調製
した。
【0081】又、同様の方法にて平均粒径が3μmのユ
ーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体を調製した。
【0082】尚、得られた蛍光体の平均粒径は、粒径測
定機LA−910(堀場製作所社製)にて測定した。 (b)蛍光体層塗布液の調製 (上層)上記調製した蛍光体(平均粒径が8μm)を1
00質量部とポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン
300 固形分濃度30%)8質量部とをメチルエチル
ケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、ディス
パーによって30分分散し、粘度を50Pa・sに調整
して、上層蛍光体層塗布液を調製した。 (下層)上記調製した蛍光体(平均粒径が3μm)を1
00質量部とポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン
300 固形分濃度30%)8質量部とをメチルエチル
ケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、ディス
パーによって30分分散し、粘度を50Pa・sに調整
して、下層蛍光体層塗布液を調製した。 (c)輝尽性蛍光体シート試料1の作製 厚さ188μmの発泡PET(E−60L:東レ株式会
社製の発泡(気泡含有)ポリエチレンテレフタレート、
反射率は95%)支持体上に、上記のようにして得られ
た下層蛍光体層塗布液をバーコーターを用いて塗布した
直後に、上層蛍光体層塗布液を塗布し、60℃で加熱・
乾燥を行い、表1に記載の輝尽性蛍光体シート試料1を
作製した。重層時は、下層を100μm、上層を200
μmとした。発泡PETの反射率は日立自記分光光度計
U−3300を使用して測定を行った。 (d)防湿性保護フィルムの作製 上記作製した輝尽性蛍光体シート試料1の蛍光体層塗設
面側の保護フィルムとして、10μmのポリエチレンテ
レフタレートに接着剤を塗布し、ラミネーターにて張り
合わせた。尚、ドライラミネーション用の接着剤は、2
液反応型のウレタン系接着剤を用いた。 (e)輝尽性蛍光体シート試料2〜7の作製 下層蛍光体層塗布液の蛍光体の平均粒径、高分子樹脂
量、着色剤の添加の有無、及び支持体の種類と反射率を
表1のように変更した他は輝尽性蛍光体シート試料1と
同様にして輝尽性蛍光体シート試料2〜7を作製した。 −評価− 得られた各々の輝尽性蛍光体シート試料1〜7につい
て、以下に記載のように鮮鋭度(鮮鋭性ともいう)、輝
度について評価を行った。得られた結果を表1に示す。 (鮮鋭度)鮮鋭性については、放射線画像変換パネルに
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線
を照射した後パネルHe−Neレーザー光で操作して励
起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光
感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換
し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスク
に記録し、記録をコンピューターで分析してハードディ
スクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)
を調べ、空間周波数1Hz/mmにおけるMTF値
(%)を示した。この場合MTF値が高いほど鮮鋭度が
よい。 (輝度)放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX
線を照射した後、パネルを200mWの半導体レーザー
(780nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射さ
れる輝尽発光を光電子像倍管(浜松ホトニクス社製光電
子像倍管R1305)を用いて受光し、その強度につい
ては、試料1を100とした相対値で表した。
【0083】
【表1】
【0084】・使用した着色剤:銅フタロシアニン ・チタン含有PET:E−20L 東レ株式会社製の酸
化チタン含有ポリエチレンテレフタレート、反射率は8
5% ・黒PET:X−30 東レ株式会社製の黒色ポリエチ
レンテレフタレート、反射率は3% ・樹脂量の単位は質量部 表1から明らかなように、比較例に比べて本発明の試料
は下層が着色されていること、又輝尽性蛍光体層が同一
の高分子樹脂及び蛍光体で形成されていることにより、
輝度、鮮鋭度の双方がバランス良く向上していることが
判る。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、高輝度、高い鮮鋭度を
示す放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの
製造方法を提供することが出来るという顕著に優れた効
果を奏する。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC02 CC04 DD02 DD06 EE02 EE03 4H001 CA04 CA08 CC15 XA09 XA53 XA56 YA63

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、高分子樹脂中に分散された
    輝尽性蛍光体を含有する複数の構成層から形成された輝
    尽性蛍光体層、及び保護層をこの順に有する放射線画像
    変換パネルにおいて、各輝尽性蛍光体層は同一の高分子
    樹脂及び輝尽性蛍光体で形成され、かつ全輝尽性蛍光体
    層の厚みのうち支持体側から保護層に向けて10〜90
    %の厚みが励起光の一部を吸収する着色剤にて着色さ
    れ、前記支持体は輝尽発光波長領域での反射率を50〜
    99%有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 【請求項2】 支持体上に、高分子樹脂中に分散された
    輝尽性蛍光体を含有する複数の構成層から形成された輝
    尽性蛍光体層、及び保護層をこの順に有する放射線画像
    変換パネルにおいて、各輝尽性蛍光体層は同一の高分子
    樹脂及び輝尽性蛍光体で形成され、かつ前記輝尽性蛍光
    体層のうち保護層に最も近接して形成された輝尽性蛍光
    体層を除く輝尽性蛍光体層は励起光の一部を吸収する着
    色剤にて着色され、前記支持体は輝尽発光波長領域での
    反射率を50〜99%有することを特徴とする放射線画
    像変換パネル。
  3. 【請求項3】 前記支持体が気泡を含有するポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の放射線画像変換パネル。
  4. 【請求項4】 前記輝尽性蛍光体がEu付活BaFIで
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の
    放射線画像変換パネル。
  5. 【請求項5】 輝尽性蛍光体を結合剤及び溶剤中に分散
    含有させた輝尽性蛍光体塗布液を支持体上に塗布するこ
    とにより複数の構成層からなる輝尽性蛍光体層を形成す
    る放射線画像変換パネルの製造方法において、各輝尽性
    蛍光体層は同一の高分子樹脂及び輝尽性蛍光体で形成さ
    れ、かつ前記輝尽性蛍光体層のうち最上層を除く輝尽性
    蛍光体層は励起光の一部を吸収する着色剤にて着色さ
    れ、前記支持体は輝尽発光波長領域での反射率を50〜
    99%有するものであり、かつ下層の輝尽性蛍光体層が
    未乾燥の状態で上層塗布を行うことを特徴とする放射線
    画像変換パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記支持体が気泡を含有するポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする請求項5記載
    の放射線画像変換パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記輝尽性蛍光体がEu付活BaFIで
    あることを特徴とする請求項5又は6記載の放射線画像
    変換パネルの製造方法。
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